F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:BMWザウバー

クビカのおでこをしばらく見つめていたら、クビカの過去を振り返りたくなりました。若いF1ファンの方には「昔やっていたみたい」という感覚だと思いますが、実はなかなか期待の若手と評価されたドライバーでした。なんと9年振りにF1の表舞台に不死鳥の如く復活するクビカをクローズアップし、期待を込めたいと思います。

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ロバート・クビカ(クビサ)
    1984年12月7日生まれ ポーランド出身
    2006年 BMWザウバーからデビュー
    参戦6年目(2006年は第13戦より参戦)
    優勝1回              歴代76位タイ   2019現役7位
    表彰台12回         歴代68位タイ   2019現役6位
    参戦数76戦         歴代102位タイ 2019現役13位
    ポール1回           歴代76位タイ   2019現役6位タイ
    ファステスト1回 歴代83位タイ  2019現役9位タイ

F1には数少ない、というよりポーランド人唯一のドライバーです。見た目はあんな感じですが、歳は2019年ドライバーの中では上から2番目、最年長のライコネンよりも5歳若い現在34歳です。ハミルトンの1歳おじいさんということ。今までこのブログで戦績や過去のレースについては何回か触れてきたように、ベテランのチームメイトであるハイドフェルドを度々上回り、ちょっとハラハラする部分がありつつもアグレッシブに攻める姿勢は当時から印象的でした。
第1期となる2006年のシーズン後半から2010年までの戦績をみていくと、要所は必ず1回は押さえながらも歴代順位や現役順位でみると「埋もれている感」を覚えますが、クビカの凄みは「短期間と若さに濃縮されたレース内容」で評価してあげないとなかなか伝わりません。噛めば噛むほど味が出るその戦績について、このあとまた触れていきます。F1出走数76戦はちょうど小林可夢偉と同数で、今シーズン同じく復帰を遂げるクビアトよりほんの少し多い数です。表彰台には12回登壇し、歴代ではリントをはじめセベールやピローニ、G・ヴィルヌーブら「準チャンピオン」クラスに匹敵。現役でいえばグロージャンより多い数。

《所属チームとシーズン最高位》

所属はJ・ヴィルヌーブからのスイッチして本戦出場となったBMWザウバーからでした。このチームを語る中にクビサあり!というくらいイメージが色濃く残っていますよね。また第1期キャリア晩年は黄色いルノーで過ごしました。
ドライバーズランキング初年はフル参戦していないため、大目にみてあげて下さい。ランキング最上位はハミルトン、マッサ、ライコネンに続く4位となった2008年でした。ベテランのエース、ハイドフェルドをも上回り、第3戦バーレーンGPではポールポジション、第7戦カナダGPで優勝しています。
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    06年 BMWザウバー   6回出走 予選6位 決勝3位
    07年 BMWザウバー 16回出走 予選4位 決勝4位
    08年 BMWザウバー 18回出走 予選1位 決勝1位
    09年 BMWザウバー 17回出走 予選4位 決勝2位
    10年 ルノー             19回出走 予選2位 決勝2位
    19年 ウィリアムズ

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クビカの予選、決勝の全成績です。デビュー戦はチームと不穏な関係になったJ・ヴィルヌーブに代わった2006年の第13戦ハンガリーGPでした。決勝は7位入賞を獲得する鮮烈デビューを飾りますが、レース後の計量で最低重量を下回ったために敢えなく失格を食らってしまいました。驚くべきは参戦3戦目の第15戦イタリアGPで予選6番手から3位表彰台を獲得する快挙をみせ、一躍の期待を寄せられることとなります。この時期はハミルトンの鮮烈デビューやベッテルの走りなど、キャリアの浅い若手の台頭がみられましたね。この頃クビカはまだ21歳でした。
BMWザウバーはパワーをウリに成績が上昇傾向にあったことが強みでもありました。2008年シーズンはハイドフェルドと共にキャリアのクライマックスを迎えます。ところが2009年はマシンの不調、KERSの導入失敗を受けて成績が一気に落ち込み、マシン依存の走りから「テクニックによる走り」を強いられます。最上位フィニッシュは第16戦ブラジルGPの2位が精一杯でした。BMWのF1撤退を受けて2010年はルノーに移籍。チームメイトの新人ペトロフに格の違いを見せつけ、予選はシングルグリッドを獲得して入賞フィニッシュと3回の表彰台を獲得しています。
2011年も継続してルノーのシートに座り、開幕前のテストまでは参加していますが、個人的に参戦していた趣味のラリーで瀕死の大クラッシュを起こしてしまいました。シーズン中の復帰は絶望的となり、ご存知の通りF1はおろかレーシングドライバーの生命は(一度)完全に絶たれました。

《チームメイト対決》
先程の予選、決勝の戦績を切り離し、チームメイトとの比較を行いました。クビカの戦績は赤いプロットで強調しています。当然ながら先程のランキンググラフと似た波形を示します。
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対ハイドフェルドとは予選、決勝とも食らいついて近い位置に確実につけていたのが印象的です。序盤はハイドフェルドに惜敗する様子が伺えましたが、2008年を境に勝ち越しがみられます。ここは「優勝したか、していないか」でも印象に差を生みそうです。ルノーに移籍すると、以前「ロシアのネタ」でみたときからも明らかで「完勝」の内容。ルーキーと優勝経験者を横並びに評価するのも酷な話ですが、10位以下に止まるペトロフに対してクビカはシングルグリッドを獲得していたわけですからマシンの良し悪しがあったわけではなく「充分なポテンシャルを有していた」ことの証明にもなります。なお予選、決勝を勝敗表にすると、こんな感じです。
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《クビカといえば、カナダGP!》
クビカの初優勝、ならびに唯一優勝となっているのは「過去のレース」でも振り返ったこともある2008年カナダGPです。第1期の短めなキャリアの中に3回あるカナダGPで、このクビカは「何か」やらかしています。最後に「クビカのカナダ」を簡単に振り返ります。
★は以前に振り返ったことのあるカナダGP

2007年 予選8位 決勝リタイヤ ★
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セーフティカー明け26周目のヘヤピン手前で内側のコンクリートウォールに270km/hで激突して大破。大事には至らず捻挫と脳しんとうで済みますが、翌戦アメリカGPは欠場し、これがきっかけでS・ベッテルがF1代走デビューとなりました。

2008年 予選2位 決勝優勝 ★
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舗装補修でも一部剥離し、レースも荒れた様相を呈していますが、粘り強い走りをみせて参戦29戦にして自身初、ポーランド人初、チーム初の優勝を挙げました(今のところいずれも唯一)

2009年 カナダGP非開催

2010年 予選8位 決勝7位
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ルノーに移籍したクビカは復調を示し、表彰台争いには至らずも67周目に1分16秒972のファステストラップを記録(今のところ自身唯一)

本当はカナダGP前にネタにしようか考えていましたが、進化し続けるあの「おでこ」に魅了されて今回「クビカ縛り」で出してみました。今シーズンも第7戦にカナダGPは予定されています。ラリーのみならずF1においてもたまにド派手なクラッシュを起こすクビカではありますが、無事に迎えられること、送れること。そして低迷するウィリアムズの底上げに貢献してくれる「いぶし銀」の走り、みせてもらいましょう!

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今朝は「機嫌のいいハミルトンと親しく会話する」夢を見ました。たまにありませんか、F1マシンをドライブしたり、ドライバーと話す夢。少し前はライコネンとどこか知らぬ芦ノ湖畔のようなサーキットでレースした後に会話するものも見ました。病気でしょうか(笑)

次は過去の2008年のカナダGPを振り返ろうか考えたものの、この前も2008年をやってしまったので、2008年のマシンを振り返ることにします。短命で終わってしまった、パワーにモノをいわせた「BMWザウバー F1.08」です。名車かといわれると、チャンピオン争いに加わったわけではないチームとマシンですが、最新の技術で割り出したデザインや今にはない複雑なディテールでとてもインパクトがありました。
BMWは「ザウバー」の名を付けたワークスとして2006年から2009年までの4年以外にもエンジンサプライヤーとしてブラバムやウィリアムズにも供給し、いくつかの勝利を手にしています。ちなみに、このフル参戦ワークス以外に1950年代にもスポット参戦しています。それは調べるまで知りませんでした。


《設計》
ウィリー・ランプ
ウィレム・トーエ
マルクス・デュエスマン



《外見》
基本は前作F1.07を進化させたものです。ただ何といっても目を惹くのはマクラーレンに初めて搭載されたホーンウィングに似たものノーズにも付けてしまっている点です。まるで「ナハ!ナハ!」と言わんばかりのせんだみつおみたいになってます。これはBMWが誇るスーパーコンピューターの解析によって生み出されたウィングだそうで、異彩を放っています。また複雑なフロントウィングも特徴的で白い車体のせいか、当時は許されていた様々なエアロパーツも他チームに比べ目立って見えました。
今と変わらず当時もパワーで頭一つ出たメルセデスエンジンに負けず劣らずのBMW Powerの高出力もあって、パワーサーキットでは度々好成績をおさめました。さすが工業国ドイツ、堅実さとパワーは他メーカーより長けています。


カラーリングはワークス直前までエンジン供給を行ったウィリアムズと似た白をベースとした紺と赤のアクセント。BMWの市販車同様にノーズには「豚の鼻」のようなキドニーグリルを彷彿とさせるデザインが描かれています。
スポンサーはインテルやデルといったIT系企業やザウバーでお馴染みのクレディ・スイス、そしてオイル供給を担っていたペトロナス。ペトロナスは今でもメルセデスをスポンサードしていますが、速いマシンに付いている割には書体が可愛い過ぎ!と毎回思ってしまいます。


《エンジン》
BMW P86/8
V型8気筒・バンク角90度
排気量:2,394cc(推定)
最高回転数:19,000rpm(制限)
最大馬力:- 馬力(非公開)
スパークプラグ:NGK
燃料・潤滑油:ペトロナス


《シャシー》
全長:4,600mm
全幅:1,800mm
全高:1,000mm
最低車体重量:605kg
燃料タンク容量:- ℓ
クラッチ:AP
ブレーキキャリパー:ブレンボ
ブレーキディスク・パッド:ブレンボ
ホイール:OZ
タイヤ:ブリヂストン
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド


《ドライバー》
No.3 ニック・ハイドフェルド(全戦)
No.4 ロバート・クビカ(全戦)


《戦績》
135ポイント コンストラクター3位
(1位1回、2位7回、3位3回ほか)
ポールポジション1回

ドライバーは3年連続で経験豊富なハイドフェルドと期待の若手クビカのコンビで臨みました。結局BMWザウバーのワークス4年間の正ドライバーは初年度2006年の途中まで所属したJ・ヴィルヌーブを含めてたった3人、テストドライバーを務め実戦デビューも果たしたS・ベッテルを含めても4人です。

コンストラクターズランキングでは前年2007年の2位に次ぐものですが、2007年はマクラーレンが「ケンカとスパイによるポイント剥奪」があって、本来3位のところが2位になっただけです。同じ3位として獲得ポイントをみても2008年の方が向上していますし、当然表彰台獲得回数も増えてますので、実質このマシンが歴代BMWの最高位だと思います。
このマシンはシーズン前半から好調で、暑さに厳しくロングストレートを有する第2戦マレーシアGPでハイドフェルドがチーム初のファステストラップを計上し、続くバーレーンGPでクビカがチーム初ポール、そして第7戦カナダGPで自身唯一、チーム唯一の優勝とワンツーフィニッシュをしました。先輩ハイドフェルドより先に(結局ハイドフェルドは優勝なし)F1の優勝して将来が期待されるドライバーの1人になりました。
表彰台は10回。オーストラリア、マレーシア、バーレーン、モナコ、カナダ、イギリス、バレンシア、ベルギー、イタリア、日本で獲得するなど、比較的高速レイアウトでの好成績が光ります。細かな空力デバイスでグリップを確保し、BMW Powerで押し切る!さらにはベテランと才能に溢れたドライバーがチャンピオンになれずもチームの好成績を手助けしました。
また、ハイドフェルドはこのシーズン全て完走し、クビカも全18戦中16戦を完走と、パワーだけでなく信頼性も抜群のマシンでした。


しかし翌2009年をもってBMWがF1から撤退し、ハイドフェルドもクビカもこの2008年シーズンをピークに成績も下り坂となってしまいました。毎回思う残念なクビカの早期F1引退。あのラリーでの大怪我がなければ、今のF1でどんな地位を築いていたか、ハミルトンやロズベルグ、ベッテルといった同世代といい勝負だったんじゃないかな、楽しみだったし本当に残念です。


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