今週末は当初の予定の7ヶ月遅れとなるバーレーンGPです。まさかこの時期に行われると思わず、過去のGPやってしまっていましたね。他のバーレーンGPを振り返るのも何なので、今回はバーレーンっぽい?インドGPを初めて振り返ります。インドがバーレーンっぽいって、黄色っぽい感じ?!よくわからないこじつけですね(笑)2013年第16戦に行われ、これが今のところ最終開催となっているインドGPです。インドGPは2011年にヘルマン・ティルケ監修により新設されたブッダ国際サーキットで3回行われています。結果的には3回中3回、当時レッドブルに在籍したベッテルによるものとなり、ハミルトンやライコネン、アロンソといった他の強豪ドライバーの誰一人とも勝利を手にできなかったGPとなっています。その中でもこの年は「レッドブル&ベッテルの強さ」を改めて感じられるレースとして今回選定しました。
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いつも闘争心剥き出しのアロンソですが、チャンピオン確定前のランキング2位につけるも振る手や表情もどこか穏やかに感じます。それもそのはず。2010年から続く「ベッテル政権」がまたもやチャンピオン王手状態。前戦第15戦日本GP終了時点でベッテルは9勝を挙げ、ポイントは297。2位のアロンソは第3戦中国GPと地元の第5戦スペインGPの2勝で207ポイントと、残り4戦で90ポイントの差があります。ベッテルはアロンソが4戦いかなる順位であってもあと10ポイント、このインドGPで5位になれば4年連続4回目チャンピオンが決まります。アロンソの首の皮は一枚も残されていません。

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予選はベッテルがシーズン7回目となるポールポジションを獲得。2番手にロズベルグ、3番手ハミルトンの伸び盛りメルセデスを挟み、4番手にウェバー兄がしっかりと居座る。当のアロンソは相方マッサやロータスのライコネンからも遅れた8番手に終わります。ベッテルとアロンソが逆ならまだ一筋の明るい光が見えるのですが、よりによって一番望まないパターンにはまってしまいました。

《予選結果》
 1 S・ベッテル (レッドブル・R)
 2 N・ロズベルグ(メルセデス・M)
 3 L・ハミルトン(メルセデス・M)
 ※タイヤはピレリのワンメイク

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スタート3番手のハミルトンはベッテルに食ってかかろうと中央突破を試みますが、ベッテルは冷静にラインを塞ぎ、お得意の逃げ逃げッテルを確立していきます。
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予選がダメなら決勝で奮起するしかないアロンソは前方で揉み合うライコネンとウェバーの割を食って、左フロントウィング翼端部を吹き飛ばされてしまいます。IMG_7215
勢いを削がれたアロンソはさらにマクラーレンのバトンからもタイヤに右フックを貰い、完全に戦意喪失。いくら望みが薄くなったとはいえ、そんなにイジメなくても。。IMG_7219
当然ピットインを強いられて、19位まで突き落とされる。

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トップでぐんぐん引き離すベッテルは2周目までに4秒引き離して早くもピットへ。スタートダッシュで中古のソフトタイヤを使い切り、この先はミディアムで挽回する戦略を採ります。
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ひとまず17位でトラック復帰。それからは毎周回一人ずつパスするハイペースで13周目にはトロ・ロッソのリカルドをパス。
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残るは未だにピットインしていない逆戦略の相方ウェバーとマクラーレンのペレスを残すのみとなりました。現代のハミルトンにも匹敵する挽回力ですね。IMG_7224
60周レースの1/3にあたる21周目でペレスもさっくりと。これで暫定2位、実質1位。

28周目にミディアムからソフトに履き替え、わずか4周後の32周目に再びミディアムに戻したウェバーに不穏な無線が飛びます。
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「トラブルが出たためマシンを止めろ」第13戦シンガポールGPでも同じような無線が入ってリタイヤを強いられました。予選ポールからの逃げ切りアリ、逆ストラテジーを採ってもバカスカ抜けるベッテルと実に対照的なレースそしてシーズンを送っています。IMG_7229

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ベッテルは敵無し。ウェバーが離脱となると、注目は2位争いですね。6番手スタートで7周目からミディアムを履き続けるロータスのライコネンは51周目に完全にタイヤを使い果たし、メルセデスのロズベルグに詰め寄られています。
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続くはチームメイトのグロージャン。まだキャリアは若いけど、ベテランエースを打ち砕ける絶好のチャンス到来!これにてライコネンは表彰台から陥落。IMG_7232
ライコネンの「黒っ恥」はまだまだ止まりません。メルセデス1年目のハミルトン、そのハミルトンとスイッチしたペレスが直列繋ぎに。
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2台同時にパッシングして、ペレスの勝ち。周りから何と言われようと、名門マクラーレンには違いはありません。

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優勝者そっちのけでしたね。傷めたアロンソは11位完走が精一杯。文句無しのベッテル4連覇が決定しました。

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《決勝結果》
 1 S・ベッテル  (レッドブル・R)
 2 N・ロズベルグ (メルセデス・M)
 3 R・グロージャン(ロータス・R)

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ドーナツターンでインドのファンにご挨拶。最近はトラック内でドーナツターンを行うドライバーが多いですが、ベッテルがきっかけな気がします。本当はダメなんだよね(笑)
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今は抜け殻のようになってしまったベッテルですが、一昔前は本当に速く、またその勝ち方も今のメルセデス&ハミルトンとは一味違うものでした。「M・シューマッハ超え最有力」と目されていた頃が懐かしいですね。