F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

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前代未聞のシーズンが開幕し、何とか6戦までを終えました。おそらく今シーズンはあと3戦か4戦を加えた全17〜18戦で行われるであろう噂はあるものの、未だに最終戦までの正式な発表がありません。時期的にはそろそろシーズンのまとめを一回入れてもよさそうな頃ではありますが、シーズンがいつ閉幕するのかわからないため、どのタイミングで行おうか決めかねたまま今日に至ります。そこで今回は志向を変え「昨シーズンと今シーズンの予選タイムからみるマシン向上」に焦点を合わせて、いくつかのデータをまとめてみました。

《2019年と2020年4戦のポールタイム比較》
 オーストリアGP
  2019年 6/30 1分03秒003 C4 フェラーリ・F
  2020年 7/5  1分02秒939 C4 メルセデス・M
           -0秒064
 ハンガリーGP
  2019年 8/4  1分14秒572 C4 レッドブル・H
  2020年 7/19 1分13秒447 C4 メルセデス・M
           -1秒125
 イギリスGP
  2019年 7/14 1分25秒093 C3 メルセデス・M
  2020年 8/2  1分24秒303 C3 メルセデス・M
           -0秒790
 スペインGP
  2019年 5/12 1分15秒406 C3 メルセデス・M
  2020年 8/16 1分15秒584 C3 メルセデス・M
            0秒178

まずはポールタイムの差をみていきます。今シーズンは大幅なマシンレギュレーション変更、さらにはドライバー交代もありませんでしたので、荒天でもない限りは素直にタイム向上してくるのが一般的かと思います(そうでないとF1が進化していないことになる)
昨年と今年で獲得チームに違いはありつつも、4GP中3つが大なり小なりタイムを向上させてきました。最大はハンガロリンクで1秒125の短縮となりました。昨年のハンガリーはフェルスタッペンによる僅差の初ポールでしたね。今シーズンその僅差を埋めるべく、メルセデスがバチっとキマるとこんなタイム差を平気で叩き出してしまう。ちなみに現パワーユニット元年の2014年もメルセデスのロズベルグが獲得しており、その時のタイムは1分22秒715でした。ということは6年で9秒268の短縮ということになります。さらに言うと今シーズンのビリ、20番手のライコネンですら1分16秒614で上回っています。進化とは恐ろしや。。
上のデータはタイム以外にも予選日と獲得時のタイヤコンパウンドを記載しています。タイヤは同じコンパウンドなのでそう気にしなくていいのですが、唯一昨シーズンのタイムから遅れてしまったカタロニアは他のGPよりも開催日が大きくズレていることがわかります。いくら温暖でカラりと晴れるカタロニアとはいえ、北半球の5月と8月ではだいぶ気候条件が違うはずです。今シーズンの予選開始前は気温30℃、路面温度49℃。一方昨年は気温20℃、路面温度29℃でした。本来であれば今シーズンもタイムを削れるところが、この暑さの違いで結果に相違を生んだ可能性も無くはない?!すみません、根拠なき推測です(笑)

《4戦のチーム別ポールタイムとの比率》IMG_5002
一部例外はあるもののポールタイムを100%とした場合の各チーム最速ドライバーによる比率になります。左から2019年のコンストラクターズランキング順に並び、青がオーストリア、赤がハンガリー、グレーがイギリス、黄色がスペインを示します。当然ながらグラフが短い方が速く、長いものはそれだけポールタイムから離れていることになります。
チーム単位でみると、ランキング上位のグラフが低く、右に進むにつれて長くなるわけですが、アルファロメオとハースについて、予選タイムは悪く無かったためグラフはやや短めです。フェラーリワークスをはじめ比較的フェラーリパワーユニットは予選の競争力があったことがわかります。中でもハースはアルファロメオと比べても各レース101.5%〜102.0%で安定しており、ランキング4位のマクラーレンと比較しても遜色無い遅れで走れていました。本当はハースも速い(かった)んですよね。両ドライバーともベテランですし、ちゃんと走れればそれなりに格好がついていました。
サーキット単位でみると、色々でっこみ引っ込みがある中でグレーの帯、イギリスのタイム差がさほど表れなかったのは意外でした。全長が短いわけでもないし、単に高速だけってわけでもない、カタロニア同様にマシンの総合力を問われます。他の年を比較していないけど、マシン差が出にくいということ?!
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続いて同じGPの2020年版はこうなります。4戦全てがメルセデスによるポールポジションなので、他は単純にイコール「メルセデスとの差」となるわけです。実にわかりやすいですね(笑)
2019年と比べると、階段状だったタイム差がざっくりと2グループの塊のようにみえますね。フェラーリがランキング2位を思わせない不調さと反してマクラーレンやレーシングポイントの好調さが相まった結果がグラフに表れたためです。もちろん悪いことではありません。ただメルセデスがあらゆるサーキットにおいて、それをモノともしない速さを兼ね備えていることも明らかです。
本来は2019年ランキングと同様の「右肩上がり」になるのが一般的ですが、今シーズンはウィリアムズも健闘し、フェラーリを含めたフェラーリパワーユニットが劇不調ですね。ビリは概ねアルファロメオに代わっています。一時期は「フェラーリのサテライト」なんて言われた時もあったのに、今や聞かん坊ハースにすら遅れをとる始末。三百戦練磨の脱力ライコネンをもってしてもこの状況ですから、いかにパワーユニットの不調が多大な影響を及ぼすか、まざまざと感じます。
2020年シーズンは赤のグラフ、ハンガリーGPで大きな差を生み出したこともわかります。ハンガリーGPといえば、ちょこまかしたコーナーに対してきれいな走行ラインを描きつつ、いかに細かなトラクションがかけられるかを求められます。意外にもメルセデス勢がライバルに反してタイム差が小さく出ているのが面白いです。

《チーム別予選タイム前年比》
先程はポールタイムから各チーム最速タイムの差を割合にしてみてきました。こちらでは「各チームがこの一年でどれだけ向上したか」をみていきたいと思います。タイム差では各サーキットによって差があり、統一感がありませんのでこちらも割合で評価します。
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グラフ中段に基点となる昨年2019年のタイムを0%で置きます。プラス側(グラフ上方)に伸びる帯が「昨年より今年の方が向上している」と読みます。逆にマイナス側(グラフ下方)に伸びているものは「昨年より今年の方が遅くなった」となります。幸いにも全サーキットの一周全長は同じ、かつドライ環境でタイヤコンパウンドも同じなので、単純にタイムだけで比較できます。
4GP全てでタイム向上(短縮)がみられたのは中段に位置するマクラーレン、ルノー、アルファタウリ、レーシングポイントの4チームと最下位に座っていたウィリアムズでした。中でもレーシングポイントの伸び率は大きく、サーキットによってはマクラーレンやルノーといった名門をも食い、レッドブル(フェルスタッペン)にもかなり接近する位置にまで成長しました。ハンガリーの3.54%は強烈です。またウィリアムズも評価に値しますね。ラッセルが期待以上の走りでQ1突破を立て続けに行いました。Q3進出や決勝の入賞まであと少しですから、引き続き研さんして賢いドライビングに励んでもらいたいと思います。メルセデスは文句無しのトップに君臨しつつも、スペインGPを除けば昨年よりも向上してきています。ということは、メルセデスユーザーが堅調であるということは見た目だけでなくデータとしてもしっかり割り出されてきますね。
さあ一方で悪い方、退化した方たちをみていきましょう。言うまでもありませんが、先程名前の出なかったチームが該当します。ハースは4GP全てで退化、フェラーリとアルファロメオは3GPで退化、ということでフェラーリユーザーは昨年の自分達よりそれだけ劣ってしまっています。技術のF1、ライバル達は確実な改善改良がみられるのに、これは恥ずかしいこと。ワガママや偉そうなこと言っていられませんね。アルファロメオは少し例外ではあるものの、フェラーリとハースはハンガリーでプラス側に向いていますが、オーストリア、イギリス、スペインなどパワーがあるに越したことがないGPにて下げ幅が大きい、要はパワーが足りていないということ。シーズオフにエンジンを改良しているわけですから、仮にパワーアップは難しくても、シャシーも改良しているはずですから、せめて現状維持のイコールくらいにいてもいい。コレはナニか「今年が悪いのではなく、昨年が良過ぎた」ということ?ナニかはmiyabikunわかりません(笑)
皆さんも注目されているであろうレッドブルも実は昨年からタイム的には向上が小さいチームです。タイムのほとんどはフェルスタッペンからの抽出ですし、セカンドドライバーは遠く離れた位置にいることが多いため、ほぼほぼ「フェルスタッペン」のデータと言っても過言ではありません。フェルスタッペンだからこの位置にいられているだけで、並ドライバーだったらもしかしたら全てのグラフがマイナス側に向いているのかもしれません。

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新型コロナウイルスCOVID-19によって前例のない形でシーズンが進行しています。あたかもマシンやチーム自体も冒されてしまったのかと思うような偏りのあるレース運びになっていますね。これからは秋に向かい、高速連戦や懐かしのサーキット、急遽開催のサーキットが続きます。どのような展開が待っていることでしょうか。

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皆さんは今シーズンのF1をどのように感じていますか?いいですか、このまま進んでいいんですか?!勝ちまくる人、なかなか勝てない人、毎回やらかしちゃう人、様々いますね。ドライバーの移籍やエンジン変更など、近年では比較的動きのあった2019年の序盤戦7戦をいつものように整理してみました。

《予選編》
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予選時に恒例となってきている「各チーム予選最速のタイムの差」を比較します。グラフをみると1チーム飛び出ているのがありますね。これがメルセデス、いやいや上下が逆、エンジンだけ正解のウィリアムズです。序盤7戦でどのライバルと絡むことはなく、第4戦アゼルバイジャンGPは9番手のルノーからも2.6秒離れてしまっています。全く別のカテゴリーのタイム差ですね。
トップに注目すると、メルセデスがオーストラリア、中国、アゼルバイジャン、スペイン、モナコの5箇所、フェラーリがバーレーンとカナダでベンチマークとなるトップタイムです。両者最大の差はテストで散々走り込んだスペインGPの0.886秒差でした。当初は昨年同様にフェラーリが速さをみせてくるのではないかと予想しましたが、全く歯が立ちませんでしたね。フェラーリの「ガッカリ感」そしてメルセデスの「やっぱり感」をまざまざと見せつけられました。メルセデスは今シーズンからマシン思想を変え「コーナリング時に速い」ものにシフトしてきました。コーナーことに少しずつ引き離しにかかる走りはサーキット1周すると大きな貯金として積み上げられます。今までの「スピードとパワーのメルセデス」に「コーナリング重視のレッドブル」を「足して2で割らない」ような完膚無きまでの仕上がりって感じ。唯一対抗できそうなフェラーリのこの先はストレート頼みのパワーサーキットに限られてしまうのでしょうか。トップ(ほぼメルセデス)と中団のギャップの浮き沈みは「エアロやコーナリング重視(スペイン)」の時に一様に差が大きくなっているようにみえます。
エンジン変更のあった新生レッドブルは安定の3番手チームをキープ。ただ例年の「3番手と4番手の間にあった壁」は薄れつつあります。第2戦バーレーンGPでは黒ハースとぴちぴちマクラーレンが赤牛の尻尾を捕まえるべく迫っています。トロ・ロッソはハースを挟んだ真後ろをついていく感じ。中団はいつものことながら絡まり合っていますね。エンジンがどうとかパワーがどうとか色々ありましたが、蓋を開けてみればレッドブルはレッドブルの位置だし、トロ・ロッソも定番な位置ではあるので、結局は「ドライバーの腕と走りの好みに合うか」によるんじゃないかな、と思います。ハイパワーのフェラーリやメルセデスもワークス以外は結局離されてしまっています。

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スターティンググリッド降格は反映しない、ドライバー別の予選平均順位です。ツートップはメルセデスの2人が獲得し、ハミルトンは唯一の1位台を確保しています。フェルスタッペンは昨年の同時期8位台から5位台まで順位を上げていますが、相方ガスリーは遠く離れて9位台となっています。チームへの不慣れは考慮しつつもフェルスタッペンと同じマシンを与えられているわけですから、この差を早く埋められないと「チームの競争力」にも限界を与えますし、果ては「自分の評価」にも影響が出てきます。それはルクレールにも同じことが言えます。母国モナコでの「不手際」がイタかった。
頑張っているところとしては、今シーズンから下克下を選んで予選屋ヒュルケンベルグを上回るリカルド、あとは名門抜擢の最年少ノリスはサインツ先輩を超えてきました。頼もしい若手です。ノリスやアルボンが目立つ一方、どうにかしてあげたくなるのがラッセルですね。同等カテゴリーマシンに乗れていれば、間違いなく相見えているはずです。
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コンストラクター単位で整理するとこうなります。各所単発な速さ云々ではなく、サーキット1周を速く走る順はこの序列になりそうです。真っ黒ハースも速さでいえばこの位置にいます。

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予選編の最後はチームメイト対決です。グラフ左手の青組が先輩もしくはエースドライバー、右手の紅組が新入りやセカンドさんを意味します。予選順位でみるため引き分けや降格ペナルティは反映しません。
7×0が2組あります。レーシングポイントのところの「ペイ対決」は先輩ペイの勝ち。ペイはペイでもキャリアが違う。またウィリアムズの「久々復帰と優秀新人対決」は優秀新人の完勝でした。クビカね、もう痛みはないんだろうけど、心はイタいだろうなぁ。若さの差かなぁ。
いい勝負をしたのはメルセデスとマクラーレンです。ボッタスは一時期キレキレに速かったですね。予選から勝ることが今シーズンの必須目標です。今後のレースもまだ勝ち越しできるチャンスはあります。今年はヤレる!

《決勝編》
次は決勝編です。個人成績からみていきます。決勝はいつものmiyabikun式「リタイヤは20位」扱いとします。
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1位のハミルトンは予選が平均1.86位で決勝では平均1.29位とさらに順位を上げてきました。決勝は予選と違いリタイヤがあるため、完走すれば一般的にはウィリアムズのように数値は上がる傾向になります。ただそれは中団以下の話。トップ争いはそうもいかない。そこで確実に順位をあげるわけですからなおすごい。ハミルトンは先日のどこかのように「2番手スタート、2位フィニッシュの優勝」などのミラクルもゲットしてしまうから、こうなるわけですね。あと上位ではフェルスタッペンも予選平均5.14位から決勝平均3.86位に向上してきました。まだお利口さんしていますね。健気なレースができるまで成長しました。
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コンストラクター単位にすると、昨年よりも段差が大きく、いくつかのグループに分かれています。先頭は有無も辞さずメルセデスが表彰台の中央に常に足をかける1.71。実は表彰台登壇も安定しないフェラーリが4.93。そして1人で頑張ってる感が否めないレッドブルは6.50と三強と呼ばれた上位は早くもバラつき始めました。第2集団か第4集団と呼ぶべきか悩ましい6チームが大集団をなしており、1レースで簡単に順位が入れ替わる位置にいます。予選では好位置につけるハースも決勝は暴れるから集団の中では最下位。最後は1人「F1.5レース」を強いられているウィリアムズ、という5つのグループに分裂しつつあるシーズン序盤となっています。

決勝は優勝してナンボ、入賞してナンボ、完走してナンボということで、こちらが決勝周回数ランキングです。この序盤7戦の全周回数は436周となります。
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上位4人が全完走中です。毎回上位に来るペレスは432周となり、4周足らずでした。内訳は開幕戦オーストラリアで1周遅れ、第3戦中国も1周遅れ、第6戦モナコ1周遅れ、第7戦カナダ1周遅れとなり、全てで完走はできています。
ルノー2台はトラブル多し。よい子ルクレールは地元でのやけっぱちが響き、黒組グロはお決まり。頑張る若さで空回りのノリス君が345周でこちらも末っ子の周回率79.1%となりました。
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チーム別は当然メルセデスが規定通り100%の周回をこなしています。ただ見よ、この手の数字になると何気に台頭してくるのが下位チームです。周回数2位は本家超えのアルファロメオ、3位は昨年より心臓は頑丈になったレッドブル、4位は「腐っても名門」のウィリアムズ、ピンクのペレスが支えるレーシングポイントが5位です。

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決勝編最後はチームメイト対決。両リタイヤの引き分けはこの7戦でありませんでした。決勝も勝敗がつきます。あら、ガスリー全負けだ。さっきに引き続いて及第点ですね。チームメイトが強力だと辛い。今回は取り上げていませんが、決勝のファステストラップ獲得数であれば2×0で勝っているのに(笑)最大のライバルはチームメイトであることを一番知っているのがボッタスです。今のところ2×5ではあるものの健闘していると言っておきましょう。
あとは目につくところとしてはアルファロメオのジョビナッツィでしょうか。相手は老いても趣味でも色んな面でチャンピオンのライコネン相手ですから手強いですね。顔はマシンカラーに負けないくらい濃いけど走りは薄いし、miyabikun如きがF1ドライバーに対して失礼ですが、プロだから言わせてもらうと、正直上手くない。勝手にスピンしたり、クレアさんのところと同志仲良く走っている印象。貴重なイタリア人ドライバーなんだけどなぁ。

《ドライバーズ、コンストラクターズランキング》
オーラスはランキンググラフです。今回は見辛いと言われる前に初めから分けちゃいました。チーム毎に見慣れた色使いに塗り分けて、実線がエース格、破線がサブ格としています。三強チームのドライバーズランキングはこんな感じ。
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怯むなボッタス!昨年のベッテルのように食らいついています。あらゆるサーキットで万遍なく強いハミルトンに対して、市街地や新興サーキットに強みを感じるボッタス。これから夏にかけてはちょっとその気が無いところが続くわけですが、諦めないでほしいですね。今年勝ち取れば、以降も期待できるし、今年も負けるようならもうチャンスは無くなる気もします。流れを変えよう!新しい風を取り込もう!まだ時期的に早いけど、今シーズンは君くらいしか対抗馬がいないんだ。本来のガチライバルは早くも可愛い後輩達と絡まり合ってしまった。100ポイントって、一昔前なら文句無しのチャンピオンなのにね。
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第2チャンピオンシップのグラフです。このグラフに名前がないドライバーが3人います。ジョビナッツィとウィリアムズのクビカとラッセルですね。miyabikunが謝ることではないが、申し訳ない。こちらの争いは地元の英雄の後任を仰せつかったサインツが筆頭。先日のカナダGPでいい目立ち方をしたリカルドが急激に上向き調子ですが、新生マクラーレンの意地を見せてもらいたいです。シーズン序盤は安定の入賞圏内を守り続けたライコネンは最近本気でマッタリし始めてしまいました。腕は確かですから、一戦一戦を丁寧に、模範となる走りでファンを楽しませてほしいですね。

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コンストラクターズグラフは先日チョイ見せしていました。今回はファステストラップポイントもしっかり加味し、数字を四角く囲って強調しています。ファステストラップはメルセデスが7戦中3回(ボッタス2回、ハミルトン1回)フェラーリ2回(ルクレール2回)レッドブル2回(ガスリー2回)となっています。ポイントが貰えるとわかっているから仕方がないんですが「レースに勝つためにファステストラップで追走(引き離す)」のではなく「後続とのギャップがあり、順位を落とすこともないから新品タイヤを履いて挑む」というスタンスが何とも滑稽というか、茶番というか、意味合いが変わってしまいましたね。メルセデスは定規で引いたように真っ直ぐとチャンピオン獲得に向いています。フェラーリは今のところ派手な結果はないレッドブルと近い争いをしています。クドいですが、開幕前はとてもこんな想像できませんでしたね。悪い意味でハメられたな(笑)
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先程のグラフは最上限を300に設定していました。こちらは30です。0が一つ要らなくなる。波形はドライバーズランキングと似ていますね。マクラーレンの逃げ切りを本家ルノーが遅ればせながら追いかけ、アルファロメオはライコネン一人が背負っています。スロースターターのトロ・ロッソはようやくグラフが上を向き始めました。ヨーロッパラウンド本番の活躍に期待しましょう!

ざっと駆け足に2019年シーズンの序盤7戦を数字とグラフでみてきました。先日も取り上げましたが、このままでは本当に「このまま」になりそうなので、もう一つ二つ波乱があると面白いですね!

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ロシアではワールドカップが開催されています。F1ファンにもサッカーファンは多くいらっしゃると思います。miyabikunも昨夜はメッシが出場するアルゼンチン戦を観戦していました。スパイクが黄色だと、華麗な足さばきもよく捉えることができますね。一方で我らがF1も長い長いと言われた2018年シーズンも7戦まで終了し、早くも1/3消化したことになります。同じ量をあと2回やれば終わってしまいます。って、まだまだ先は長いって?!
今回はルーティンの隙間でやる忙しいものにはなりますが、第1戦から第7戦をまとめてみましたので、これまでのレースや成績を簡単に振り返ってみましょう。
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《予選編》
まず予選時にみている各チームのタイムとポールタイムとの差をいつものグラフに当て込んでみました。今シーズンは昨シーズンから「中国GPとバーレーンGPの入れ替え」「シーズン中盤に設定されたアゼルバイジャンGPの前倒し」「ロシアGPの移動」が変更になっています。
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見事に2グループに分かれています。最近のお決まりですよね。グループ1はトップから1秒以内に全ておさまっています。ただ今回はメルセデスが独占しているわけではなく、フェラーリもレッドブルも最速タイムでメルセデスを凌駕しています。ポールポジションの内訳はベッテルが4回、ハミルトンが2回、リカルドが1回となっています。そのうち、フェラーリが3回連続獲得で「逃げのハミルトンを逃げのベッテル」で凌駕している構図です。本来逃げ型ではないリカルドは記憶にまだ新しい第6戦モナコGPを完全掌握して逃げ切り、正しく教科書通りの「逃げのF1」を強調しているのが印象的です。
第2グループは大体トップから1〜1.5秒ほど遅れて各車ででっこみ引っ込みを繰り返しています。中でもルノーは各サーキットの特徴によらない1〜2秒以内を推移し、トップから安定した離れで位置しています。安定といっても本当はそこで安定されては困る、第1グループに手をかけるような位置に上がってきて欲しいところです。
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コンストラクター別でみた平均予選順位です。フェラーリが最上位の2.64位、続いてメルセデスが3.36位とセカンドロウまでの位置は確立しています。フェラーリはね、予選はいいんですよ、フリー走行から予選は。問題は決勝なんです。このあと触れます。この二強がすこぶる速いものだから、優勝はあれどレッドブルは必然的にサードロウがフィックスになってしまいます。こちらも近年のトレンドちゃトレンドです。
さらに三強の壁が厚いために第4のチームはさらに離されて毎レースQ3に進出するか否かみたいな椅子取りゲームになっています。日本人なら誰でも注目するトロ・ロッソは残念ながら下位グループです。毎レースQ1突破するか否かハラハラしてしまいますよね。どちらかが突破すれば、どちらかは落選します。
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個人成績でみても似た色似たチームが並びます。フェルスタッペンはモナコっちのビリっちが利いています。隊列の最前列と最後尾が同じチームですからね、当然本来の彼のいるべき位置ではありません。今シーズンのフェルスタッペンは引っ掻き回しガキに戻っています。シーズン後半からでなく、出足からお利口さんでいなければ困ってしまいます。
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予選編の最後はチームメイトバトルです。順位が付きますので引き分けはありません。
ルノーの心臓を得てそこそこ好調なマクラーレンの7-0はまあまあとして、フェラーリはチャンピオン経験者同士の6-1はヒドい。今シーズンに限ったわけではないのでさほど驚きはしませんし、決勝追い上げ型のライコネンです。予選は様子を見てみようじゃありませんか。他、特筆すべきは並なマシンと化したフォース・インディアはオコンが優勢、また最弱と思われたザウバーはルクレールが3戦目から負け無しの5回エリクソンを上回ってきています。いいですねーフェルスタッペン、オコン、ルクレール、将来のF1を背負って立てそうな若手は先輩を負かす位置につけています。
ここまでが予選。ここまでよろしいでしょうか?!ねぇ、ちゃんと読んでる?大丈夫?!
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《決勝編》
予選はあくまで予選で、肝心なのは決勝の方。いきなり個人順位から見ていきます。いつものように順位は「リタイヤは20位」というmiyabikun式評価法を採用していますので、印象より低めに算出される点にご注意下さい。
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決勝になると紅の4回チャンピオンは銀の4回チャンピオンに、紅の1回チャンピオンは大きく順位を落として母国のつまらん後輩と靴呑み宴会男に食われてしまうわけです。これでは個人タイトルはあってもチームタイトルが簡単に手から離れていくわけです。こちらも後ほどグラフ化しています。フェルスタッペンあたりまでが平均10位以内の安全得点圏内、ガスリーあたりまでが運良く得点圏内、そしてエリクソン以下がトップから何周遅れで完走できるかエリアになります。このあと触れますが、ベテランのグロージャンと白い金が最下位でお揃いの16.71位で並んできます。
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チーム別でみると、予選で最下位だったザウバーは決勝になると中の下あたりに上がってきました。これにはミソが。このあとのグラフを見ると納得できます。
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続いて決勝走行回数です。この7戦では全規定周回数をこなすと434周になります。こちらも毎回のことながら現役のツートップのみがさすがの100%消化となっています。ペレスの上位も定着してきましたね。ルクレールやバンドーンも速かれ遅かれ途中放棄少なめでちゃんと運転していますよ。一方で完走男オコンはアゼルバイジャンとスペインの2回でかましてしまっているので今シーズンは少し安定しません。最下位はグロと白金に加えてガスリーが消化率74.2%に留まる322周と並んでいます。
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チーム別でみるとなおザウバーのミソがよくわかります。そう、このチーム、決して速くはないけど壊れないんです。安定の周回数はトップチームのフェラーリ並みです。遅くても決勝周回数稼いできます。リタイヤは否応なく20位計算してしまうmiyabikun法に触れずちゃんとフィニッシュした順位を積み上げて、壊したり止めちゃう人達を上回るのです。これ重要!さらにルクレールは予選でチームメイトに勝ち、決勝で入賞を積み上げてきています。元チャンピオンの教えを乞い、下位チームで結果を出せば近い将来に上位チームの目に留まります。一部で来シーズンから、なんて声も聞こえてきますが、個人的にはそれは幾ら何でも早い気もします。いいんです、若いしベテランは正直先は長くない、2、3年かけて次世代のチャンピオンを確実に狙いましょう。ただし、その前に大きな事故だけはしちゃダメよ。
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決勝の最後にチーム内対決をみます。グラフ中央にある黒は「共にリタイヤしたため勝敗着かず引き分け」扱いです。レッドブルは第2戦バーレーンGPのお揃い序盤消えと第4戦アゼルバイジャンGPの嫌よ嫌よ付いてこないでクラッシュの2つ、ハースは開幕戦オーストラリアGP揃ってタイヤのグラグラストップがありましたね。
サインツには期待したいし速いんだけどまだ荒れちゃう時がある。チームメイトに勝てるのはチームメイトがリタイヤしてくれた2回のみとなっています。オコンやルクレールのように実力で勝ちたいところです。

《ドライバーズ、コンストラクターズランキング》
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現時点までの各ランキングです。ドライバーズは4回チャンピオン同士が他とは別次元で争いを続けています。ここまでベッテル3勝、ハミルトン2勝でポイント差1です。フェラーリは昨年もそうでしたがこのあたりまではいいんです。速さは充分にあることはこれまでのグラフからも察することができます。問題はシーズン中盤から後半にヘタり始めてしまう点。一方でメルセデスはパワーはもちろんのことパワーユニットに信頼性は申し分なく、あとはタイヤとの相性と排熱処理に課題があります。これから本番のヨーロッパは高速レイアウトで気温も上昇します。速さや強さ以外の耐久性の面で気を遣いつつ、ほとんど時間なく駆け足で続く中盤7戦はどんな流れになるか楽しみにしましょう。ちなみに、第7戦まで「汚れなく」きているのは周回数がそのまま反映されているワールドカップ開催国代表者と目も当てられない、自分もヘルメットすら取れない恥ずかしい人のたった2人に。
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毎年より軽めにまとめてみました。これからフランスに行く準備をしなければなりませんので、今回の1/3まとめはこの辺で。
ワールドカップに負けないくらい、F1も楽しいぞ!

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せっかく次回のアゼルバイジャンについて書いたのに、少しだけ遡ります。
早くもF1の2016年シーズンも1/3終わってしまいました。開幕するまでは長く、今シーズンは21戦もあるから、、なんて考えていたら、あと2回同じレース数をこなせば閉幕です!気が早過ぎますね(笑)

今シーズンからつたない予選予想と予選での「メルセデスと各チームの差」を気にして書いてきました。近年は「如何にメルセデスをやっつけるか大会」になってしまってますよね。無敵メルセデスにも今まで以上にほころびや自滅もみられます。どうしてもドライバー実力差やマシンの出来はポイント以外で数値化しにくいもの。そこで今回は気合を入れて走る予選のタイム差やスピードトラップからこの1/3シーズンはどんな動向だったかみてみたいと思います。今回は初めての試みでグラフを使ってみます。あと、メカニカルな話、最新の技術や工学的に解けるほど詳しくはないので、難し目なやつは専門家や評論家、他の詳しい方にお任せして優〜しくいきます。



《予選トップタイムと各チームの差》
いつも予選結果に付け加えた、各チームのトップタイムとポールポジションとのタイム差です。第6戦以外はメルセデスがトップです。無敵になり始めた2014,15年はモナコですらポールポジションを獲得していましたから、レッドブルが頭一つ空力に長けているとはいえ、かなりの金星だと思います。当初はトロ・ロッソに食われるのでは?なんて言われていたのに、ダブル玉砕したロシアを除けば右肩上がり(グラフ上は右肩下がり)の出来栄えだと思います。先日の高速カナダもスペインもルノーエンジンでフェラーリを凌駕しています。
ざっくりグラフをみると、トップとビリで開幕は6秒近く開いた差も、7戦目になると2.8秒程度にまで詰まっています。もちろんタイヤだ燃費だサーキット毎の特徴はありますが、モナコを除けば比較的速めな似たり寄ったりです。
近似曲線にするとざっくりの進化がみられます。傾きが大きい方が成長著しいということ。進化やマシンへの慣れとみるかメルセデスの強さが均されてきたとみるか。黄緑のラインに向かって赤ではなく紫色のラインが近付いています。赤は黄緑と交わることがあるのでしょうか?
間違えても退化しているチームはなさそうです。


《予選の各チームの速度差》
これは予選時のスピードトラップ通過速度です。上限値と下限値の軸を調整して、線もさっきより細く工夫しましたが重なり過ぎて何のこっちゃわかりません!モナコだけはガクンと速度が低いということはわかります。あと、マノーがスピードだけは速い!スピードがいくら速くてもドラッグレースではない、トータルの1周が早いが勝ちのF1。
わかりやすくするためにいっそ11チームを以下のようにまとめてしまいました。
エンジンメーカー別にまとめて、各レースで最速のマシン速度をピックアップし、最強メルセデスエンジンと比較しました。言うまでもなく全7戦で最速なのはメルセデスエンジンユーザーで、7戦中3戦がマノー、2戦ずつ並んだのがウィリアムズとフォース・インディアの記録となっており、肝心なメルセデスワークスは最速ではありません。でも、結果的には今だ最強。一瞬のスピードが速かろうがそれだけでは結果は伴わず自慢にもならないことが表れています。

2番手はなんだかんだでフェラーリエンジン。ただしこちらも最速はフェラーリワークスではなく、弟分のハースが7戦で4回となっています。一応ザウバーもバーレーンだけはフェラーリエンジン最速でした。カナダを前にトークンを使っただけあって、グチャグチャだったモナコから飛躍的に向上はしています。
カナダを前にもう1メーカーがトークンを行使しています。確かに最近は
出力と信頼性向上を目的とした改良もあってか、 予選もQ3進出もみられます。どことは言いません。12km/hの速度差も半分近く解消され、さらにエキゾーストから白煙もみられました(笑)


《目をみはる活躍、目に余る失態》
当初はロズベルグの連勝とやっと初のチャンピオンを確実に先手で抑えたかと思いきや、シーズン途中のトレードから一躍優勝の仲間入りを果たしたフェルスタッペンにお株を奪われてしまった感じです。
電撃移籍からいきなり最年少優勝と、期待を裏切らなかったフェルスタッペン。かなり強引の移籍でレッドブルのエースであるリカルドにも大いな刺激になったと思います。
ロズベルグはスペインの事件から雨のモナコ、カナダと数年前にタイムスリップしてしまったかのような走りとなってしまっています。ハミルトンは低迷期は無口でじっと耐えました。それがモナコの幸運からベッテルの大損ピットと、インパクトは去年、一昨年に比べたら劣っているものの、じわじわロズベルグを攻め立ていて、流れはハミルトンに戻りつつある気がします。ここを乗り切らねば、ロズベルグはチャンピオンマシンで3連敗、今後明らかになる来季からの契約にも影響がありそうです。特別ファンというわけではないけど、今シーズンだけはロズベルグに取らせてあげたい、なんて思ってしまいます。

期待外れに思えるのはフェラーリです。いまだに未勝利。そう思うファンの方も多いのではないでしょうか?確かにメルセデスに次ぐ2番手チームだとは思いますが、もや~っと2番手。開幕前テストの期待からズルズルとメルセデスに付かず離れずといった感じです。マシンに差があるなら、戦略を駆使したらいい、でも戦略でポカしたレースも多かった。特に先日のカナダは今シーズンのフェラーリで最も醜い負け方でした。メルセデスが共倒れしたスペインもレッドブルは絶好のチャンスを失うことなくフェルスタッペンに勝利をもたらしました。そういうところをやれるかやれないかです。そんな中でも対ライコネン比較するとベッテルはかなり頑張っていることがよくわかります。
ほか、メルセデスエンジンを積むウィリアムズが去年にも増してキレがない。スピードもあるしピットも早いけどタイヤに対して難があって低速コーナーが入るとダメダメです。低速で速いレッドブルにメルセデスエンジンを搭載したら、一体どんなマシンになるんでしょうね?


《今後予想されそうな展開》
この後に控えている7戦はヨーロッパの高速サーキットです。初開催のアゼルバイジャンは市街地で長い直線、イギリスは平坦だけどテクニカル、高低差に富んだ最長ベルギーの後は最高速のイタリアと続きます。スピード勝負になることと、北半球は夏で晴れたら暑いので気温や路面温度に左右されたタイヤとの相性も肝になりそうです。寒がりなフェラーリにはいい季節になるかもしれません。勝てるレースも今後いくつかあるはずです。
チャンピオン争いはこのままハミルトンの怒涛の追い上げで序盤の不調を蹴散らすかに期待したいし、ロズベルグが自信を持ってチャンピオンを自力で近付けてほしいものです。
メルセデスエンジン勢2番手はグリップの少ないウィリアムズよりフォース・インディアが優勢になりそうな予感。また開幕から快調な出足だったハースが最近元気がないので、再び入賞や表彰台を目指せる走りがみれたらいいなと思います。

フェラーリに代わってメルセデス撃墜最有力になり得たレッドブルは、ピットミスもあってせっかく7戦中2戦で優勝できるチャンスを1度失っています。これから続くレースはこの7戦より高速域が多くなるので、ルノーエンジンの改良と有利な空力面で対応できるかが鍵だと思います。
マクラーレンはエンジンのせいなのかシャシーの特性なのか、まだドライバーのバリューに伴った結果には遠いものの徐々に速さを見せ始めてきています。ホンダは現状マクラーレンへ独占供給ですが、供給チームがいくつかあり、サンプルを多くすることが決まれば、見合った工夫を施したりシャシーが悪いのかエンジンなのか明らかになりますし「数打ちゃ当たる」作戦でデータ集めもできるのでしょうが〜。


夏休みを挟んだ次の7戦終了後にどのような構図になるか楽しみです。
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