F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:2022年

今回もまだ昨シーズン2022年にやり切れなかった宿題の残りになります。
miyabikunは毎予選、決勝観戦記で「ベストとワーストのドライバーや話題」を記し、レースでいい意味でも悪い意味でも印象的なものをピックアップしています。それらを今回集計し、ポイントランキングによらないmiyabikun独自のシーズンベストドライバー「ドライバー・オブ・ザ・イヤー」を選定したいと思います。毎年恒例のやつです。これで本家の「ほんまかいな」を解消、文句を言う必要も無くなるというわけ。自己解決、自己責任!(笑)

手始めの参考値として、決勝レースのファン投票によって選出される「本家の」ドライバー・オブ・ザ・デイを振り返っておきます。先日1/15アップの「数字でみるF1 〜ポイントほか〜」でまとめていますので、繰り返しにはなりますがそれを再掲します。

《「本家の」ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得者》
 開幕戦 バーレーンGP    ルクレール
 第2戦  サウジアラビアGP  ルクレール
 第3戦  オーストラリアGP  ルクレール
 第4戦  ロマーニャGP    フェルスタッペン
 第5戦  マイアミGP     フェルスタッペン
 第6戦  スペインGP     ハミルトン
 第7戦  モナコGP      ペレス
 第8戦  アゼルバイジャンGP ハミルトン
 第9戦  カナダGP      ルクレール
 第10戦イギリスGP     ペレス
 第11戦オーストリアGP   シューマッハ
 第12戦フランスGP     サインツ
 第13戦ハンガリーGP    フェルスタッペン
 第14戦ベルギーGP     フェルスタッペン
 第15戦オランダGP     フェルスタッペン
 第16戦イタリアGP     デ・フリース
 第17戦シンガポールGP   ペレス
 第18戦日本GP       ベッテル
 第19戦アメリカGP     ベッテル
 第20戦メキシコシティGP  リカルド
 第21戦サンパウロGP    ハミルトン
 最終戦アブダビGP     ベッテル

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《「本家の」獲得回数》全22回
 1 フェルスタッペン 5回
 2 ルクレール    4回
 3 ハミルトン    3回
  ペレス      3回
  ベッテル     3回
 6 シューマッハ   1回
  サインツ     1回
  デ・フリース   1回
  リカルド     1回

つい先日も確認した通り、本家のドライバー・オブ・ザ・デイの最多受賞者、つまり「ドライバー・オブ・ザ・イヤー」はフェルスタッペンであったといえます。まあこちらは独走でチャンピオンを防衛しましたし、妥当というか納得の結果でもちろん異論はありません。が、しかし、コツコツ毎戦独断と偏見で選んでいたmiyabikun目線ではどうだったの?!というのが今回のメインテーマ。以下で昨年miyabikunの選んできたものを整理していきます。
まず各戦の予選とスプリントでチョイスしたものを挙げます。

《miyabikunのドライバー・オブ・ザ・デイ予選編》
 開幕戦 バーレーンGP       マグヌッセン
 第2戦  サウジアラビアGP   ペレス
 第3戦  オーストラリアGP   アロンソ
 第4戦  ロマーニャGP  予選 周冠宇
           スプリント 角田裕毅
 第5戦  マイアミGP      ハミルトン
 第6戦  スペインGP      ラッセル
 第7戦  モナコGP       ノリス
 第8戦  アゼルバイジャンGP  ルクレール
 第9戦  カナダGP       アロンソ
 第10戦イギリスGP      サインツ
 第11戦オーストリアGP 予選 シューマッハ
           スプリント シューマッハ
 第12戦フランスGP      サインツ
 第13戦ハンガリーGP     ラッセル
 第14戦ベルギーGP      アルボン
 第15戦オランダGP      ストロール
 第16戦イタリアGP      デ・フリース
 第17戦シンガポールGP    ハミルトン
 第18戦日本GP        ベッテル
 第19戦アメリカGP      ストロール
 第20戦メキシコシティGP   ボッタス
 第21戦サンパウロGP  予選 ガスリー
           スプリント ラッセル
 最終戦アブダビGP      ベッテル

予選編は全22戦プラス、エミリア・ロマーニャ、オーストリア、サンパウロ(ブラジル)の3箇所で行われたスプリントを加えた全25回でまとめています。
予選での選定ポイントは単に予選順位やセッション通過云々だけでなく「路面状況やマシンポテンシャルを引き出し、チームメイトと比べてキラリと光る部分がみられた場合」も踏まえています。この結果を回数の多い順に並べ、1回につき1ポイントを付与していきます。ポイントはこの後の集計、評価で使用します。

〈獲得者ランキングと付与するポイント〉
 1 ラッセル     3回×1pt
 2 アロンソ     2回×1pt
  サインツ     2回×1pt
  シューマッハ   2回×1pt
  ストロール    2回×1pt
  ハミルトン    2回×1pt
  ベッテル     2回×1pt
 7 アルボン     1回×1pt
  ガスリー     1回×1pt
  デ・フリース   1回×1pt
  ノリス      1回×1pt
  ペレス      1回×1pt
  ボッタス     1回×1pt
  マグヌッセン   1回×1pt
  ルクレール    1回×1pt
  角田裕毅     1回×1pt
  周冠宇      1回×1pt
        合計22回+3回×1pt=25pts

スプリントを含めた予選編では全20人+2人のドライバーのうち、16人をピックアップしていました。最多は予選で2回、スプリント1回で選出したメルセデスのラッセルとなっており、アルファタウリの角田くんは第4戦エミリア・ロマーニャGPスプリントで選出。逆に7回のポールポジションを獲得した2回チャンピオンのフェルスタッペンは選んでいませんでした。フェルスタッペンの一発の速さはもちろん目を見張るものがあり、実力は認めつつも、どこか「やっぱりまたか、、」という感情も少なからずあり、、(笑)miyabikunの昨シーズンは「フェルスタッペン以外の新チャンピオン誕生」に期待していたためでしょうか。ごめんね、変な忖度無しのあくまでmiyabikun勝手な「独断と偏見」だから。

《miyabikunのドライバー・オブ・ザ・デイ決勝編》
 開幕戦 バーレーンGP     周冠宇
 第2戦  サウジアラビアGP   フェルスタッペン
 第3戦  オーストラリアGP   ルクレール
 第4戦  ロマーニャGP     角田裕毅
 第5戦  マイアミGP      フェルスタッペン
 第6戦  スペインGP      ラッセル
 第7戦  モナコGP       ガスリー
 第8戦  アゼルバイジャンGP  ハミルトン
 第9戦  カナダGP       周冠宇
 第10戦イギリスGP      ルクレール
 第11戦オーストリアGP    ルクレール
 第12戦フランスGP      サインツ
 第13戦ハンガリーGP     フェルスタッペン
 第14戦ベルギーGP      フェルスタッペン
 第15戦オランダGP      ハミルトン
 第16戦イタリアGP      デ・フリース
 第17戦シンガポールGP    ペレス
 第18戦日本GP        ベッテル
 第19戦アメリカGP      ベッテル
 第20戦メキシコシティGP   角田裕毅
 第21戦サンパウロGP     ラッセル
 最終戦アブダビGP      ルクレール

決勝はスプリントの有無関係無く全22戦のみが対象。こちらには予選と区別し、1回につき2ポイント付与します。

〈獲得者ランキングと付与するポイント〉
 1 フェルスタッペン 4回×2pts
  ルクレール    4回×2pts
 3 ハミルトン    2回×2pts
  ベッテル     2回×2pts
  ラッセル     2回×2pts
  角田裕毅     2回×2pts
  周冠宇      2回×2pts
 8 ガスリー     1回×2pts
  サインツ     1回×2pts
  デ・フリース   1回×2pts
  ペレス      1回×2pts
          合計22回×2pts=44pts

決勝編は22戦で半数の11人がランクイン。最多は「シーズン前半戦」までドライバーズチャンピオンを争った2人、フェルスタッペンとルクレールが仲良く4回ずつで並びました。予選では選ばなかったフェルスタッペンも、決勝の走りや追い上げはさすがと言わざるを得ません(笑)対してルクレールも前半戦はなかなかキレた走りをしていましたよね(戦略に対しては無線で年中キレていましたが) 
3回獲得者は無く、2回獲得は角田くんを含めた5人が並んでいます。フェルスタッペン同様にこちらも変なひいき無しに、角田くんはハミルトン、ベッテルといったレジェンド級と肩を並べたことになります。まだ自滅ポカは拭えませんが、角田くんは与えられた環境で持ち味をしっかりみせてくれています。ただマシンや戦略がク◯なだけ、きっとそれだけだよ、うんうん(笑)

という形で予選、スプリント、決勝と各ジャンルでの獲得者とポイント付与が終わりました。これらの獲得ポイントを合計して、総合的な観点からmiyabikunの選ぶ2022年ドライバー・オブ・ザ・イヤーを決めたいと思います。
薄々結果はわかっちゃったでしょうか。結果はこちらー!

《2022年ドライバー・オブ・ザ・イヤー》
 1 ルクレール    9pts
 2 フェルスタッペン 8pts
 3 ラッセル     7pts
 4 ハミルトン    6pts
  ベッテル     6pts
 6 角田裕毅     5pts
  周冠宇      5pts
 8 サインツ     4pts
 9 ガスリー     3pts
  デ・フリース   3pts
  ペレス      3pts
  12 アロンソ     2pts
  シューマッハ   2pts
  ストロール    2pts
  15 アルボン     1pt
  ノリス      1pt
  ボッタス     1pt
  マグヌッセン   1pt
         合計69pts

2回チャンピオンを差し置いて、ルクレールがmiyabikunの選ぶ「2022年ドライバー・オブ・ザ・イヤー」を受賞となりました。おめでとうございまーす!!
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むむ、これはmiyabikunの私情が多く盛り込まれていないか?!また確かに昨シーズンはその傾向が強かったことも自覚はしていますが、それを抜きにしても、速いマシンを手に入れたルクレールの特に前半戦はなかなか健闘していたと思いませんか?!(と必死にフォローしてみる)今シーズンはどうなのかなぁ、三連覇にストップをかけるのか、初戴冠なるか?!
ほか、上位は本家でも度々受賞しているハミルトンやベッテルがいる中で、miyabikunはラッセルの健闘も評価しています。あのチームにいれば当然と思いつつ、あのマシンで本当に頑張ったと思います。初ポールに初優勝、本当に嬉しかったし、挙げられてよかったと心から思っています。また、同じ日本人でありながら、特別なひいき目をしていなかった角田くんも結果的には上位にランクインしています。本当に地道な成長や各所で光る一面をみせてくれていたと思います。

ちなみに「決勝ポイントを2でなく1」とした場合はルクレールとラッセルが5ポイントで同点1位、ハミルトン、フェルスタッペン、ベッテルのチャンピオン3人が4ポイントで並ぶ形となりました。決勝のポイントを2にしても1にしてもmiyabikunのさじ加減で如何様にも出来てしまいますが、やっぱりトップは1人の方が分かりやすいし、いずれにしてもルクレールがトップになりますので、miyabikunはトップドライバーの仲間入りを果たしたルクレールの頑張りを評価したいと思います。

本題は以上になりますが、一昨年2021年にも行った「ザ・ワースト」も一覧でご報告します。

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《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」予選編》
 開幕戦 バーレーンGP     リカルド
 第2戦  サウジアラビアGP   アルファタウリ
 第3戦  オーストラリアGP   該当無し
 第4戦  ロマーニャ 予選    該当無し
           スプリント 該当無し
 第5戦  マイアミGP      該当無し
 第6戦  スペインGP      アストンマーティン
 第7戦  モナコGP       リカルド
 第8戦  アゼルバイジャンGP  該当無し
 第9戦  カナダGP       該当無し
 第10戦イギリスGP      該当無し
 第11戦オーストリアGP 予選 該当無し
           スプリント 該当無し
 第12戦フランスGP      該当無し
 第13戦ハンガリーGP     該当無し
 第14戦ベルギーGP      該当無し
 第15戦オランダGP      該当無し
 第16戦イタリアGP      該当無し
 第17戦シンガポールGP    該当無し
 第18戦日本GP        該当無し
 第19戦アメリカGP      該当無し
 第20戦メキシコシティGP   該当無し
 第21戦サンパウロGP  予選 フェラーリ
           スプリント ストロール
 最終戦アブダビGP      該当無し

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」決勝編》
 開幕戦 バーレーンGP     該当無し
 第2戦  サウジアラビアGP   オコン
 第3戦  オーストラリアGP   サインツ
 第4戦  ロマーニャGP     ルクレール
 第5戦  マイアミGP      シューマッハ
 第6戦  スペインGP      サインツ
 第7戦  モナコGP       フェラーリ
 第8戦  アゼルバイジャンGP  該当無し
 第9戦  カナダGP       マグヌッセン
 第10戦イギリスGP      アルファタウリ
 第11戦オーストリアGP    該当無し
 第12戦フランスGP      ルクレール
 第13戦ハンガリーGP     オコン
 第14戦ベルギーGP      フェラーリ
 第15戦オランダGP      フェラーリ
 第16戦イタリアGP      該当無し
 第17戦シンガポールGP    該当無し
 第18戦日本GP        該当無し
 第19戦アメリカGP      アルファタウリ
 第20戦メキシコシティGP   リカルド
 第21戦サンパウロGP     該当無し
 最終戦アブダビGP      該当無し

数えれば最々悪がわかってしまいますが、こちらはランキング形式にはしません。特に予選は評価し難いため「該当なし」が多くなります。ランキングはしないと言いつつ、フェラーリが目立つなぁ。最々悪というよりかは「ガッカリ」が率直な感想。
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昨シーズンほどレギュレーションに大きな変更はありませんが、いくつかの移籍と新加入ドライバーがあり、もしかしたら勢力図や新たな台頭がみられるかもしれません。1人でも多くのドライバーが輝き、そして悪かったドライバーやチームが無いような「理想的なレース」が続くといいですね!

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miyabikun冬休みの宿題、ありましたねー。忘れちゃいないですよ、誰に課されたわけでも無く「己の宿題」ですから(笑)数字でみるF1の残り一つ「各種ポイントランキングほか」を中心に振り返りたいと思います。

《ポイントランキング》
F1チャンピオンシップの根幹、ポイントランキングです。まずはドライバー編からどうぞ!

〈ドライバー〉
 1 フェルスタッペン   454pts  (1→)
 2 ルクレール      308pts  (7↑)
 3 ペレス        305pts  (4↑)
 4 ラッセル       275pts(15↑)◉
 5 サインツ       246pts  (5→)
 6 ハミルトン      240pts  (2↓)
 7 ノリス        122pts  (6↓)
 8 オコン       92pts(11↑)
 9 アロンソ      81pts(10↑)
  10 ボッタス      49pts  (3↓)◉
  11 リカルド      37pts  (8↓)
  12 ベッテル      37pts(12→)
  13 マグヌッセン    25pts 
  14 ガスリー      23pts  (9↓)
  15 ストロール     18pts(13↓)
  16 シューマッハ    12pts( - ↑)
  17 角田裕毅      12pts(14↓)
  18 周冠宇         6pts  ◯
  19 アルボン        4pts
  20 ラティフィ       2pts(17↓)
     デ・フリース     2pts
 -  ヒュルケンベルグ    0pts

 ( )は2021年ランキングからの昇降を示す
 ◯は新規参戦、◉は移籍参戦ドライバー

昨シーズンはドライバーの移籍や新加入が少なく、獲得ポイントはともかくランキングについては比較し易いです。最も振れ幅が大きく出たのは、ウィリアムズからメルセデスに移籍したラッセルの前年比-11です。相対してメルセデスからアルファロメオへ移籍したボッタスは3位から10位で前年から+7となりました。一昨年のアルファロメオから考えれば、だいぶ飛躍したと思いますし、前半戦の調子を維持できれば、中団上位も可能な滑り出しだったと思います(この後登場するポイントグラフからもわかります)
昨シーズンは32ポイント、ランキング14位で終えた角田くんは12ポイント、ランキング17位にダウンという結果に終わりました。ポイントでは表せない成長はあるものの、F1はポイントやランキングが全て。今シーズンは(実質新人の)デ・フリースが加入し当然比較対象になりますから「勝負の3年目」。

ここからはいつものポイントグラフになります。先日までに前半戦、後半戦でまとめた際にも度々出てきたものの合体版なのでここはサラりと振り返っちゃいましょう。まずこちらは全20人+αのグラフです。
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見辛いのはいつものことながら、見辛い中でも3つ、細かには4つのグループに綺麗に分かれしまっています。いつも分けてるグループですね。もう少し見易くグループ分けしてみましょう。
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上位6人はこうなりました。チャンピオンのフェルスタッペンは三強の中でも別グループ、グループをなさない単独の領域を走っています。この突出具合がフェルスタッペンイヤーを物語るものでもあり、言い換えればライバルの追従を許さなかった退屈さも覚えるシーズンであったといえます。昨シーズンのフェルスタッペンが正式に始動したのは第4戦エミリア・ロマーニャGP以降。そこからは優勝はもちろん、表彰台に登壇ならなかったレースはありつつも最終戦アブダビGPまで入賞圏内でポイントを量産。最終戦まで4戦残しの第18戦日本GPで早々と防衛に成功しています。イギリスGPやシンガポールGPのつまずきを除けば、実に綺麗な右肩上がり。
トップグループに属しつつもフェルスタッペンを除く5人は低い位置でのバトルとなりました。5人についてもペレスやメルセデス2人については大コケすること無くポイントを積み上げて、最終戦まで一進一退のランキング争いを行っていました。今シーズンもこの3チーム6人のメンバーは変わらず進行していますし、本来であればフェルスタッペンを含めこんな感じの混戦でチャンピオン争いを続けてほしいところです。
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中団上位もいつもの4人です。三強6人以外で順調に右肩上がりをみせるノリスを筆頭に、アルピーヌ2人は付かず離れず接触せずでオコンに軍配、都落ちかと思われたが結局チーム力と信頼性の無さが露呈して失速したボッタス、というグループでした。さっきも触れたボッタスはいい感じで入って、あわやハミルトンに並ぶか超えるかなんて思われたんですが、、惜しかったですね。これがトップチームと中堅チームの違いなのでしょうか。アストンマーティンでF1引退したベッテルしかり、近年のF1は特にマシンやチーム力の依存度が高いです。
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3つ目も見方によれば2つか3つに分かれますが、今まで通り一括りにさせていただきます。中団下位の10+1(+1)のグループです。前半は若手の雑踏に紛れてしまっていた4回チャンピオンは、後半戦のマシン改良が当たり、引退を発表してから「キャリアの集大成」と言わんばかりのガッツと名走をみせてくれました。同点ながら順位でリカルドにランキングは負けましたが、偶然にも前年2021年と同じランキング12位でF1のステアリングを置きました。
急遽レギュラーシートで復帰したハースのマグヌッセンもボッタス同様に序盤で好スタートを決めたものの、夏に入り電池切れ。相変わらずのアグレッシブな走りによる他車との接触と「らしいアニキ」を垣間見ることができました。2年目の角田くんはデビューイヤーよりは落ち着いたレース運びができていたものの、相方の先輩ガスリーの予選決勝からも分かるようにドライバーというよりかはマシンとチームの戦略に足を引っ張られた感の強い「我慢のシーズン」となりました。この戦績のみを評価されず、今シーズンは無事に3年目に突入しますので、繰り返しにはなりますが「HRBPTのあるうちは安泰」ではなく、いつ喪失するかわからないという緊張感を持ち継続シート確保に向けて是非高めていってほしいですね。

〈ペナルティ〉
こちらはポイントはポイントでも、あるとオコン、いやアカンやつ「ペナルティポイント」です。このポイントは12ヶ月有効で累積12ポイントになると翌戦1戦出場停止となります。こちらでチャンピオンは獲りたくない。

 1 ガスリー     9pts(第8戦で-2)※
 2 リカルド     8pts ●
  ストロール    8pts(第4戦で-2)※
 4 アルボン     7pts(第3戦で-2)
 5 アロンソ     6pts(第7戦で-3)※
 6 オコン      5pts(第3戦で-2)
  ラティフィ    5pts ●
 8 周冠宇      4pts(第3戦で-1)
  角田裕毅     4pts(第12戦で-2)※
  10 ノリス      3pts(第13戦で-1)※
  11 マグヌッセン   2pts(第7戦で-2)※
  ベッテル     2pts ●
  ラッセル     2pts(第13戦で-2)※
  ペレス      2pts(第19戦で-2)※
  フェルスタッペン 2pts(第23戦で-2)※
  16 ルクレール    1pt  (第20戦で-1)※
  シューマッハ   1pt  ●
    -  ハミルトン    0pts
  サインツ     0pts
  ボッタス     0pts
  ヒュルケンベルグ 0pts
  デ・フリース   0pts

 ※は第4戦が行われ、予定通り全24戦開催の場合
 ●は昨シーズンでシート喪失(F1引退)
 ( )内は初めに無効となる時期とポイント

こちらのチャンピオンはアルファタウリのガスリーの9ポイントです。その内訳は第6戦スペインGP決勝での接触で2、第11戦オーストリアGP決勝での接触とトラックリミット違反で3、第18戦日本GPは赤旗時のスピード違反で2、そして翌第19戦アメリカGPではセーフティカーランで2となっています。ガスリーは今シーズンからアルピーヌでのキャリアが始まりますが、このペナルティポイントは当然引き継がれるため、12ヶ月有効と考えると、初めに付与された第6戦スペインGP決勝(5/22)の1年後、つまり第7戦エミリア・ロマーニャGP決勝(5/21)までこのペナルティポイントに付きまとわれるわけです。今シーズンの7戦であと3ポイント食らわないよう、旧友オコンと仲良くやれるかに注目です。
上記●マークのドライバーは今シーズンにF1スポット参戦が無い限りは心配無用。また0ポイントなのはハミルトン、サインツ、ボッタス、ヒュルケンベルグ、デ・フリースの5人となっています。ハミルトンの昨シーズンはペナルティを貰うまでの「派手な走り」すらできていなかったか。

〈コンストラクター〉
 1 レッドブル・H       759pts (2↑)
 2 フェラーリ・F       554pts (3↑)
 3 メルセデス・M      515pts (1↓)
 4 アルピーヌ・R       173pts (5↑)
 5 マクラーレン・M     159pts (4↓)
 6 アルファロメオ・F    55pts (9↑)
 7 アストンマーティン・M 55pts (7→)
 8 ハース・F           37pts(10↑)
 9 アルファタウリ・H      35pts (6↓)
  10 ウィリアムズ・M      8pts (8↓)

ドライバー編を終え、次はコンストラクター編となります。一昨年2021年とのランキングを比較すると、2014年から8年間に渡り不動のチャンピオンを築いたメルセデスがとうとう陥落、さらにはフェラーリにも負けてしまうという自体が(ようやく)起きました。今シーズンからはドライバーズだけではなくコンストラクター(チーム)としても「挑戦者」の立場から始まります。今シーズンもあのサイドポンツーンは引き継がれるのだろうか。。
メルセデスに代わってチャンピオンとなったレッドブル、フェラーリ以外での浮上組はアルピーヌが-1、アルファロメオが-3、ハースが-2ということで、先日の「決勝編」でみたチーム、パワーユニット単位で下位に低迷したフェラーリ系3チーム全てがランクアップに成功したことになります。別格のフェラーリはともかく、このランクアップは分配金の視点でいけばかなり重要な部分。
逆に順位を大きく落としたのは、アルファタウリの+3、先程のメルセデスとウィリアムズの+2となります。チャンピオンに輝いたレッドブルと格を下げたアルファタウリ、使うパワーユニットは同じなわけで。何が違うか、ドライバー?!マシン?!それとも戦略か?!ウィリアムズは残念ながら2年振りの最下位復帰となってしまいました。

ドライバー編と同様に、ポイントグラフも初めは全チーム一遍に載せてみます。
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こんな感じ。ドライバー編よりは少なくシンプルで見易いものの、上位、中団あたりまでは独立していますが、下位は低い高さで滞ってしまって見えますので、こちらは上位と中団以下の2つに分け、尺度を変えていきます。
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上位3チームを一つのグループにしてはいるものの、レッドブルと3位メルセデスの差は244もあるんですよね。本来は同じグループとも言い難い。
グラフから読み解くとよくわかるのですが、レッドブルの開幕直後はノーポイントからスタートしているんですよね。第3戦オーストラリアGPでまずメルセデスを抜き、第6戦スペインGPでフェラーリの上に立ってからは勢い衰えず一直線に上っていく。3戦残しの第19戦アメリカGPでコンストラクターズチャンピオンを獲得したことを考えると、開幕戦を除けば全22戦を要さず18戦でチャンピオンを獲ったともいえます。ちなみに終盤までランキング2位を争ったフェラーリとメルセデスは結局開幕してから閉幕まで一度も順位が入れ替わること無く、付かず離れずの平行な関係でいました。
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残るは中団と下位の7チーム。せせこましく見えながらも大きく2つのグループ、2つのタイプに分かれます。一つ目は単純明快な「獲得ポイント」の観点でアルピーヌ、マクラーレンの中団上位2チームと他5チームで2グループという見方。もう一つは「ポイントの積み上げ方」で大なり小なりシーズン通してポイントを積み上げられたアルピーヌ、マクラーレン、アストンマーティンの3チームに対し、後半戦ピタリと勢力を失ったアルファロメオ、ハース、アルファタウリ(ウィリアムズはどちらとみるべき?!)の2タイプという見方。
どうしても致し方が無いのですが、チャンピオンが抜け出でしまうのとあわせて、この中団や下位にもこのような格差が生まれてしまうのも、本来は無い方がいいに越したことはありません。後半戦で音沙汰が無くなってしまったアルファロメオ、ハース、アルファタウリがもう少しポイントを獲れていれば、中団上位のアルピーヌやマクラーレンのグラフの傾きは緩やかとなり、格差は均等になったかもしれません(三強の成績までは影響しないかな)

《パワーユニットコンポーネント使用数》
近年のF1にはこの制約がある「パワーユニット交換ペナルティ」です。ただバカっ速いだけでなく、如何に頑丈で、エコロジーであることも求められるようになりました。以前も如何にわかりやすく、見易くできるようココの表現に試行錯誤してきたわけですが、2022年は今までのパワーユニット、エキゾーストの基数制限に加え、ギヤボックスのコンポーネントにも制限が加わり、各ドライバーで9本の糸のような縦棒グラフが並びます。今回もひとまず以前と同じパワーユニットメーカー別ドライバー別でグラフ化しましたので根気よく読み解いてみて下さい(笑)
いま一度基数制限を確認しておくと、ICE(エンジン)、TC(ターボ)、MGU-H(熱用発電機)、MGU-K(運動発電機)が年間3基まで。ES(充電器)、CE(コンピューター)が2基まで。EX(エキゾースト)が8基までは一昨年2021年と変わらず。新たにGC(ギヤボックスケース、カセット)とGD(ギヤボックスドライブほか)がそれぞれ年間4基までとなりました。新品の規定基数を超えた一発目に10グリッド降格ペナルティ(ギヤ関連は5グリッド)が下りますが、2回目以降はいずれも5グリッド降格で抑えられ、以前使用した物を再び使用することに関してはペナルティ対象外となります。
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細かには各ドライバーでじっくり見ていただくとして、ざっと見比べてみると緑のメルセデスパワーユニット勢のグラフは低く止まっています。交換が少なく済んだことを示します。ノリスのエキゾーストが一つ飛び出てはいますが、エキゾーストは8基まで使用できますので規定範囲内です。メルセデス勢でペナルティ対象となったのは、メルセデスの2人とノリスがパワーユニット絡みの 3基を超えたのと、ラッセルとノリスがESとCEの 2基を超えたものに止まり、アストンマーティンとウィリアムズ、リカルドは規定内に止めるという優秀さ。
続いてルノー(アルピーヌ)とRBPTが少なく、アルピーヌ2人はギヤボックスとエキゾーストのペナルティ以外は規定数を超え、RBPTはフェルスタッペンと角田がGDの5基目を投入しているもの、ペレスはICE以外の規定超過はありませんでした。
一番交換が多かったのは言うまでも無くフェラーリ系であり、大なり小なり6人全員が何らかで規定数を超えてペナルティを受けています。中でもルクレールは9項目全てで超過、全ドライバー中で唯一エキゾーストの8基を超えてしまっています。全てがドライバー起因ではないものの、こちらでチャンピオンを獲るようでは、なかなか本家のチャンピオン争いに名乗りを上げるのも困難な話。パワーはあっても、信頼性や出力制限をしなければならないのも辛いですね。

《GP別完走数 / 完走率と同一周回順位》
こちらは各GPの完走台数とフィニッシュ時にトップと同一周回で終えた車の台数になります。一概にレースやドライバーの戦績に直結はしませんが、参考程度にご覧下さい。

 開幕戦 バーレーンGP     完走19台/95%
  1位ルクレールに対して17位まで同一周回
 第2戦  サウジアラビアGP   完走14台/70%
  1位フェルスタッペンに対して12位まで同一周回
 第3戦  オーストラリアGP   完走17台/85%
  1位ルクレールに対して12位まで同一周回
 第4戦  エミリア・ロマーニャGP 完走18台/90%
  1位フェルスタッペンに対して9位まで同一周回
 第5戦  マイアミGP      完走17台/85%
  1位フェルスタッペンに対して15位まで同一周回
 第6戦  スペインGP      完走18台/90%
  1位フェルスタッペンに対して8位まで同一周回
 第7戦  モナコGP       完走17台/85%
  1位ペレスに対して14位まで同一周回
 第8戦  アゼルバイジャンGP  完走16台/80%
  1位フェルスタッペンに対して10位まで同一周回
 第9戦  カナダGP       完走17台/85%
  1位フェルスタッペンに対して17位まで同一周回
 第10戦イギリスGP      完走14台/70%
  1位サインツに対して14位まで同一周回
 第11戦オーストリアGP     完走17台/85%
  1位ルクレールに対して5位まで同一周回
 第12戦フランスGP      完走16台/80%
  1位フェルスタッペンに対して15位まで同一周回
 第13戦ハンガリーGP     完走20台/100%
  1位フェルスタッペンに対して7位まで同一周回
 第14戦ベルギーGP      完走18台/90%
  1位フェルスタッペンに対して15位まで同一周回
 第15戦オランダGP      完走18台/90%
  1位フェルスタッペンに対して17位まで同一周回
 第16戦イタリアGP      完走16台/80%
  1位フェルスタッペンに対して12位まで同一周回
 第17戦シンガポールGP    完走14台/70%
  1位ペレスに対して12位まで同一周回
 第18戦日本GP        完走18台/90%
  1位フェルスタッペンに対して18位まで同一周回
 第19戦アメリカGP       完走17台/85%
  1位フェルスタッペンに対して17位まで同一周回
 第20戦メキシコシティGP    完走19台/95%
  1位フェルスタッペンに対して6位まで同一周回
 第21戦サンパウロGP      完走17台/85%
  1位ラッセルに対して16位まで同一周回
 最終戦アブダビGP        完走19台/95%
  1位フェルスタッペンに対して11位まで同一周回

 完走台数       平均17.1台/85.5%
 同一周回台数     平均12.7台/63.5%

完走台数についてはハンガリーGPのみ全車完走。逆にサウジアラビアGP、イギリスGP、シンガポールGPは最少の14台完走となり、シーズン平均完走台数は17.1台、完走率85.5%となっています。一昨年2021年は完走率88.5%、2020年は84%、2019年が86.9%、2018年は81.9%と考えれば新マシンレギュレーションとはいえ、例年と比べて大差はなさそうです。

《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
今回の最後はポイントランキングとは無関係ながら、毎戦ファン投票によって選出される「ドライバー・オブ・ザ・デイ」をレース毎に列挙、獲得回数を整理しています。ポイントによらない「2022年のF1を盛り上げた」のは一体誰か?!

〈GP別獲得者〉
 開幕戦 バーレーンGP     ルクレール
 第2戦  サウジアラビアGP    ルクレール
 第3戦  オーストラリアGP    ルクレール
 第4戦  エミリア・ロマーニャGP フェルスタッペン
 第5戦  マイアミGP       フェルスタッペン
 第6戦  スペインGP       ハミルトン
 第7戦  モナコGP        ペレス
 第8戦  アゼルバイジャンGP   ハミルトン
 第9戦  カナダGP        ルクレール
 第10戦イギリスGP       ペレス
 第11戦オーストリアGP     シューマッハ
 第12戦フランスGP       サインツ
 第13戦ハンガリーGP      フェルスタッペン
 第14戦ベルギーGP       フェルスタッペン
 第15戦オランダGP       フェルスタッペン
 第16戦イタリアGP       デ・フリース
 第17戦シンガポールGP     ペレス
 第18戦日本GP         ベッテル
 第19戦アメリカGP       ベッテル
 第20戦メキシコシティGP    リカルド
 第21戦サンパウロGP      ハミルトン
 最終戦アブダビGP       ベッテル

〈ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得回数〉全22回
 1 フェルスタッペン 5回
 2 ルクレール    4回
 3 ハミルトン    3回
  ペレス      3回
  ベッテル     3回
 6 シューマッハ   1回
  サインツ     1回
  デ・フリース   1回
  リカルド     1回

ドライバー・オブ・ザ・デイの受賞者は全22戦で9人が選ばれています。内訳はフェルスタッペンが最多の5回、2位はルクレールの4回となっており、ドライバーズポイントランキング上位がこちらでも上位にきています。が、意外にもランキング4位で終えたラッセルは一度も選ばれませんでした。初ポールも初優勝も果たし、毎レース手堅い順位でポイントをコツコツ重ねたものの、ファンを魅了する派手さにはやや欠けるか。
獲得者の傾向としては、前半戦で活躍したルクレール、サインツのフェラーリ勢は後半戦は鳴りを潜めた一方、フェルスタッペンはシーズン通して貫禄ある走りを維持し、勝利こそ恵まれませんでしたがハミルトンもちょこちょこと印象的な走りをしていた。というところでしょうか。フェルスタッペンは戦績もファン投票も共に1位と昨シーズンは完全なチャンピオンであり、圧倒的であったかということを知らしめられます。F1引退を発表してからのベッテルもマシン改良と合間って最後の力走を各所でみせてくれましたね。
ちなみに毎予選決勝で選出していた「miyabikun独自版」は後日集計結果をお知らせしたいと思います。

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以上、途中に中休みは挟みましたが、今更ながら2022年のF1をグラフとランキング形式でまとめていきました。あと一つ、いや細かくいえば三つくらい2022年ネタ(冬休みの宿題)を残していますので、このシーズンオフの間、引き続きまったりとお付き合いいただければ幸いです。

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12月のまとめ、振り返り月間も消化不良のまま今日を迎えてしまいました。2022年の最終日。今年もシーズンの印象ベスト5を5位から挙げ、一年を締めくくりたいと思います(大丈夫「冬休みの宿題」は忘れていません!)

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5.新規格マシンが持ち込んだ勢力図変化と副産物

2022年のF1はドライバーの異動はさほど多くなかったものの、マシンのレギュレーション、ディテールが大幅に変更されました。タイヤのインチアップに、それに伴う重量増、そして何といっても約40年前に使用を禁止されたベンチュリー効果を用いた「グラウンドエフェクトカー」の復活により、勢力図改変の期待と新たな悩みに手を焼くこととなりましたね。
ポーポシングは一般的に起こりうる事象として知られていたものの、蓋を開ければ思いの外手強く、フロアの改良をはじめ、各チーム様々なアプローチが図られたものの、長らく苦戦している様子だったのは昨年のチャンピオンチームであるメルセデスでした。加えてメルセデスW13は冷却系を内装するサイドポンツーンをスリムな形とする通称「ゼロポッド」なるデザインを投入し、前衛的な姿勢でシーズンに挑むも、序盤はフェラーリやレッドブルといった上位チームから大きな遅れをとり、早い段階でチャンピオン戦線から離脱したことも印象的でした。また、今シーズンからホイールがインチアップしたこともあり、タイヤへの理解にも神経を使っていました。
見た目もさることながら、近年のF1で課題の一つとなっている「追い抜き難さ」を改善すべく取り入れられた新マシンレギュレーションでしたが、最終的にはコンストラクターズチャンピオンこそ入れ替わったものの、概ね例年の順列であり、勢力図に大きな影響があったものかといわれれば、それ以外の要因(ドライバーのミスや戦略)に左右されたものが色濃い一年だったように感じます。

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4.一時代を築いたベッテルの早過ぎる引退

2010年代前半にF1で大成したベッテルが、今シーズン限りでとうとうF1のステアリングを置く決断をしました。ベッテルよりも先輩にあたるアロンソやハミルトンは引き続き参戦を続けますが、昨年のライコネンに続くベッテルの引退で、またF1の一時代が終わりを告げるようで寂しく感じます。
ベッテルは初優勝やチャンピオンを獲得する前の「BMWザウバーへのレンタル時代」から印象的に覚えています。まだまだあどけなさが残る「少年」でしたよね。ちょうどM・シューマッハが引退し、後任としてライコネンがフェラーリに移籍した頃、ベッテルはBMWザウバーからスポット参戦を果たして「ドイツF1の血筋」を受け継ぎました。トロ・ロッソからフルタイム参戦を果たすと、中団チームながら才能を一気に開花、miyabikunはチャンピオンを獲得したライコネンそっちのけでベッテルの目まぐるしい成長に目を見張ったのを思い出します。
ベッテルの特徴は「予選1ラップにかける集中力」でした。時代は徐々に追い抜きが困難になり始めた頃で、予選結果の重要さとレギュレーションの隙をつく空力を駆使してライバルとの差を築いていました。ベッテルの走りと当時のマシンはそれにバッチリ適合していたと思います。時折「ベッテルはバトルに弱い」「レースとなるとそれまでとは別人のようにキレる」と揶揄されることもあり、それも一理あるなと思ったりもしますが、まあそれも個性であり「たまたまのマシンとタイミングで四連覇などできるわけがない」とベッテルの才能を信じてきました。
ベッテルはまだ35歳とアロンソやハミルトンよりは歳下ではありますが、ライコネン同様にF1への「ドライバーとしての復帰」は無いだろうなと想像しています。寂しくもありつつ、長きに渡ってF1に捧げてきた生活と人生ですから、次は新たなステージや視野で活躍してくれることに期待したいと思っています。

3.常態化しつつあるF1の中での「初」の誕生

この10年でF1のチャンピオンはベッテル、ハミルトン、ロズベルグ、そして現役のフェルスタッペンと4人しか生まれておらず、ロズベルグを除く3人は複数回チャンピオンを獲得しています。その時そのマシンで最強最速であるドライバーこそがチャンピオンに輝き、その記録を上乗せしていくことは、スポーツとしてあるべき姿ですし、素晴らしいことではありますが、一方で結果が偏ってしまう、毎回結果が変わらないという点でみれば、マンネリ化し業界自体の発展やチャンピオンを目指す若い芽をダメにしてしまうという見方もできます。そんな中、今シーズンもサインツとラッセルの初優勝や、ペレス、サインツ、ラッセル、マグヌッセンらの初ポールシッターが誕生しました。ドライバーに重複や偏りはあれど、新たなドライバーが歴史に名を刻むことは喜ばしい出来事です。
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ペレスは長年中堅チームで我慢の走りが続き、昨年行き場の無い状態からトップチームのレッドブルに拾われ「エースドライバーのサポート」を仰せつかりました。なかなかチームメイトに勝つチャンスが巡ってこない中、第2戦サウジアラビアGPでポールポジションをようやく掴むという苦労人です。今のチームは勝つことができても「勝つことが許されない」チームでもあるため、今後どのような感情や行動に注目したいところですが、開幕当初の予選からチームメイトを凌駕し「自分も狙っていくぞ」という走りができれば(かつ許されれば)いいのになと思っています。
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サインツも様々なチームを転々とし、なかなかトップドライバーに上り詰められず苦労が続いてきましたが、今シーズンの「突然変異」のチャンスでポールポジションと優勝をもぎ取りました。サインツもだいぶ熟成はしていますが、まだ安定感と勢いがライバルにやや劣る面を感じますから、来シーズンは2勝目といわず勝者の常連となり、ペレス同様にチームのエースの座を勝ち取ってほしいです。
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ラッセルの才能は誰もが認めるところ。昨年までは下位チームを強いられましたが、今シーズンにようやくメルセデスのシートにおさまり臨戦体制になった矢先にマシンがなかなかの駄作にハマってしまい、シーズン序盤は予定外の出来事に凹んだことと思います。しかしラッセルは腐ることなく与えられたマシンを淡々と走らせ、表彰台や入賞を続けました。そしてシーズン終盤の第21戦サンパウロGPでスプリント1位からの決勝優勝で報われることとなりました。今シーズンの戦績だけでいえば強敵ハミルトンをしっかり上回り、将来のさらなる飛躍が期待されます。新「イギリス人F1ドライバーの顔」になれるか期待したいです。
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マグヌッセンという男はいつでも驚かせるネタを仕込んだ人ですよね。デビュー戦でいきなり表彰台登壇してしまうし、オープニングラップで誰かといきなりぶつかってマシンを壊したり、急にシートを失うわ。。そんなマグヌッセンの今シーズンは「いきなりシートを得る」ところからスタートしました。そして昨年散々なシーズンを送ったハースで開幕戦でいきなり予選7番手、決勝5位入賞を果たしちゃうんだから、驚きの連続。サンパウロGPのポールポジションは雨に助けられたマグレであったことは百も承知ですが、いきなりのマグヌッセンだから絵になりますし、らしい驚きです。ハースの初優勝、来シーズンいきなり来るかも?!

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2.敵無し状態。フェルスタッペンの2年連続戴冠

miyabikunの1位はこっちじゃないんだ。こっちじゃありません、昨年1位にしたけど、今年は2回目だから(笑)
2022年は何だかんだでフェルスタッペンの強さをまざまざと感じた一年でした。開幕当初はおやおや、フェラーリの速さに埋もれちゃうか、なんて思ったものですが、エンジンががかかれば心配ご無用。フェルスタッペンの切れ味はもちろんのこと、ライバルは易々と自ら潰れていらっしゃる。これではフェルスタッペンを脅威に晒すには程遠い次元です。淡々と予選を走り、仮にポールポジションでなくても決勝レースで勝てる。そんなシーズンになりました。
昨年は最終盤に決めたギリギリ僅差チャンピオンではありましたが、今年のフェルスタッペンはさらに王者の風格と安定感で勝ちを量産。シーズン最多の15勝で独走してみせ、完全にトップドライバーの称号を手にしました。今後はこの勝利数やチャンピオン回数をどこまで築けるのかという点に注目されますが、そんなフェルスタッペンに対し、素人で偉そうながらmiyabikunから苦言を一つ。確かにF1史に名を残す大ドライバーの1人にはなりましたが、どうしてもあのサンパウロGPの言動が引っかかってしまいます。ペレスとの契約や約束の詳細はわかりませんし、知る由もありませんが、もう少しチームメイト、チームのことを考えた言動ができればよかったと今でも思っています。若い頃は「生意気なク◯ガキ」で済みましたが、フェルスタッペンはもう立派なチャンピオンであり、そのチャンピオンも全てが自力でなし得たものでもありません。チームやチームメイトあってのこと。もう少しスマートに立ち振る舞えるようになればカッコいいぞ、ということです。これからのF1はハミルトンでもアロンソでもなく、フェルスタッペンが中心に進行していきます。「チャンピオン」らしい立ち振る舞いに期待!

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1.紅っ恥!速いマシンも「フェラーリはフェラーリ」

miyabikun1位はこちらにしました。再三書いてきましたが、miyabikunは特別フェラーリのファンというわけではありませんでした(むしろ苦手だった時期も)しかし今シーズンは意識せずともかなりフェラーリに期待した書き方や目線になっていました。正直言って、残念です。悲しいです。悔しいです。。
miyabikun近年は特定のチームやドライバーの推しはなく、どちらかといえば「様々なドライバーの飛躍や活躍が観たい」という目線になりつつあります。昨年は近年続いていたハミルトン政権に飽き飽きしていたので新たなドライバー、可能性が最も高かったフェルスタッペンの戴冠に期待し、その期待通り獲得、ハミルトンをチャンピオンの座から引きずり下ろすことに成功しました。ならば今年はフェルスタッペンでもハミルトンでも(もっといえばアロンソでもベッテルでもない)新たなドライバーズチャンピオン獲得に期待していました。ところがどっこい、、どっこいなわけでした(笑)
チームだけが悪い、ドライバーだけが悪い、マシンだけが悪い、あるいはフェルスタッペンだけが強過ぎとも言い切れません。全てがフェラーリのチャンピオン獲得に欠け、悪い方へ悪い方へ振れてしまったと思います(とmiyabikunの中での落とし所とします)いずれが欠けてもダメ、全てがバランスよく、タイミングよく合致した時にようやく権利を得て、チャンピオンに向くはずです。残念ですが今年のフェラーリにはそれがありませんでした。
マシンは予選で速く、決勝では朽ち果てない方がいい。戦略は明確に、ライバルのあらゆる出方に対して柔軟かつ機転を利かせる必要がありますし、ドライバーも大事なところでのミスや焦りは減らさなければなりません。今のフェラーリのドライバーならば、どちらでもチャンピオンを目指せる資質はあると思っていますし、誰もが憧れるF1を代表するワークス「フェラーリ」は泥臭くともカッコよくいてほしい。幼稚な表現にはなりましたが、フェラーリはチャンピオンからだいぶ遠ざかっています。分かりやすくガッカリさせるのではなく、将来のF1は自分たちが引っ張るという姿勢と意気込みでファンを久々に魅了してくれることを願っています。

《今シーズンのキーワード》
昨年から始めたmiyabikun個人的な「2022年のF1を象徴するキーワード」を発表します。昨年は「トラックリミット」でした。2022年のキーワードとして選んだのは、、

『世代交代』

です。チャンピオンはフェルスタッペンの防衛で終わりましたが、今までF1界を席巻してきたハミルトンの未勝利、またベッテルの引退、さらにはルクレールをはじめとしたサインツやラッセルなど、今まで主役には一歩届かなかった若いドライバーの台頭が盛んにみられました。ハミルトンやアロンソが今のままで朽ち果てると思い難いですが、F1界の主役は今年完全に切り替わったと思います。来シーズンはここにアルピーヌのオコンやガスリー、マクラーレンのノリスなども交え、貴重な日本代表の角田くんもますますの成長がみられる一年になるといいなと思います。

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今シーズンも全戦において、予選、決勝、定期的なまとめなどルーティンを守りながらやってはきましたが、何だかバタバタと、自身で予定していたスケジュールでアップできなかったのがかなり悔やまれます。うーん、何でしょう、、例えるならば「頭ではわかっていて準備までしているのに、形に残るよう手を動かす時間が無い」みたいな。まあ何しても言い訳に過ぎません(笑)
こんな感じで2022年を過ごしてきましたが、皆さんお楽しみいただけたでしょうか?!なかなかリズミカルに、コンスタントに進めていけませんでしたが、F1に対する思いや新たな企画など、頭で考えることは様々あります。来年必ず出せるという確約は現時点ではできませんが、少しでもご覧いただいている皆さんを楽しませ、またお役に立てればいいなという気持ちは変わらずあります。最後になりましたが、2022年も一年間お付き合いいただき、ありがとうございました。

miyabikun

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あー予定よりも押して押して、決勝編のアップが年末ギリギリになってしまいました。。ダメダメですね。予選編よりは内容たっぷりの決勝編、ご覧下さい。

《優勝回数と勝率》全22回
 1 フェルスタッペン 15勝(68.2%)
 2 ルクレール      3勝(13.6%)
 3 ペレス        2勝  (9.1%)
 4 サインツ       1勝  (4.5%)
  ラッセル       1勝  (4.5%)

優勝回数は2年連続チャンピオンを獲得したフェルスタッペンが最多の15勝をマーク。シーズンの7割弱を占めました。シーズン最多どころか、F1史上最多勝ですから、文句無しの防衛です。フェルスタッペン以外をみると、フェラーリのルクレールが3勝、サインツが1勝。チームメイトのペレスが2勝でメルセデスのラッセルが1勝となっており、上位3チーム以外から優勝が生まれませんでした。フェルスタッペンの凄さはもちろんですが、フェルスタッペン以外が正直少な過ぎであり、言い換えれば「フェルスタッペンを勝たせ過ぎ」ともとれます。思い返せばフェラーリの取りこぼしも多く、今まで勝ちに勝ちまくったハミルトンが1勝も挙げられなかったのは異常です。この状況をいいことと捉えるか、よくないことと捉えるかはファンの思い入れによっても異なるところですが、miyabikunは後者。F1全体を考えれば、もう少しバランスよくバトルができるようにならないと活性化できませんし、見応えもありません。
今シーズンの勝者の印象的なところとしてはフェルスタッペンの勝ちまくりのほか「初優勝者が2人生まれたこと」と「ハミルトンが未勝利で終えたこと」が挙げられます。昨年はオコン、その前はガスリーとペレスと、年々初優勝者が生まれていますが、今回はサインツとラッセルによりそれが達成され、今シーズンの現役20人(22人)中、12人がF1優勝経験者となりました。初優勝者があれば、なかなか勝てなくなった人も出てくる。今までシーズンで必ず1勝を挙げてきたハミルトンは初めて未勝利に終わる。そもそもF1ともなれば「勝てただけで大したもの」の世界なのに、ハミルトンは「1勝できなかった年が無い」ですから、どちらかといえば後者が珍しいというか異常なこと。勝ち慣れしていたハミルトンにとっては辛かったでしょうが、シーズン終盤の走りをみれば、腕が錆びている様子はありませんから、ポールポジション同様に、優勝は来シーズンに持ち越しですね(今までさんざっぱら勝ってきたから、もう、いいんじゃね(笑))

《表彰台回数と登壇率》全22回 延べ66人
 1 フェルスタッペン 17回(77.3%)
 2 ルクレール    11回(50.0%)
  ペレス      11回(50.0%)
 4 サインツ       9回(40.9%)
  ハミルトン      9回(40.9%)
 6 ラッセル       8回(36.4%)
 7 ノリス        1回  (4.5%)

表彰台登壇の最多は全22戦中17回のフェルスタッペンが最多です。言うまでもありません。フェルスタッペンは優勝回数15回ですから、優勝以外の表彰台はたったの2回しかありません。いやいやmiyabikun、言い方おかしいだろ。優勝15回しているんだから、それで充分すごいぞ。その通りです。2位のルクレール、ペレスの優勝を含めた表彰台登壇数を、フェルスタッペンは優勝回数だけで上回ってしまっているのですから。今シーズンのこの手の記録系はフェルスタッペンが抜け出でしまい過ぎて、正直比較対象になりません。
2位以下はドライバーズランキング2位を獲り合ったルクレールとペレスが5割の登壇率となる11回。少し足らずでサインツ、ハミルトン、ラッセルといった三強6人で占められますが、注目すべきは三強以外から唯一の登壇を果たしたマクラーレンのノリスでしょう。それも1回の登壇はシーズン序盤の第4戦エミリア・ロマーニャGPであり、出来がイマイチと言われたマクラーレンも復調なるかと思わせる登壇でした。コンストラクターズではアルピーヌに負けてしまいましたが、ドライバーズは三強に続く単独7位となり、初優勝の待たれるドライバーの最有力候補にいます。

《入賞回数と入賞率》全22回 延べ220人
 1 フェルスタッペン 20回 (90.9%)
  ラッセル     20回 (90.9%)
 3 ルクレール    19回  (86.4%)
  ペレス      19回  (86.4%)
  ハミルトン    19回  (86.4%)
 6 ノリス      17回  (77.3%)
 7 サインツ     16回  (72.7%)
  オコン      16回  (72.7%)
 9 アロンソ     14回  (63.6%)
  10 ベッテル     10回  (50.0%)
  11 ボッタス       9回  (40.9%)
  12 ストロール      8回  (36.4%)
  13 リカルド       7回  (31.8%)
  14 ガスリー       6回  (27.3%)
  マグヌッセン     6回  (27.3%)
  16 角田裕毅       4回  (18.2%)
  17 アルボン       3回  (13.6%)
  周冠宇        3回  (13.6%)
  19 シューマッハ     2回    (9.1%)
  20 デ・フリース     1回(100%)
  ラティフィ      1回    (4.5%)

上記優勝回数、表彰台回数を含んだ形の「決勝10位以内フィニッシュ」入賞回数です。今シーズンは20人プラス病欠による2人のスポットドライバーの計22人のドライバーが参戦しましたが、レギュラードライバー20人全員が入賞を果たしました。スポットドライバーもウィリアムズのアルボンに変わって第16戦イタリアGPの1回キリの参戦となったデ・フリースもその1回でしっかりと存在感を示しました(裏を返せば、アストンマーティンからベッテルの代走となったヒュルケンベルグ のみが未入賞)
最多でチャンピオンのフェルスタッペンに並んだのはラッセルで、フェルスタッペンと質こそ違えど20回入賞、入賞率90.9%は立派な結果です。同じマシン乗る絶対王者ハミルトンに対して、移籍初年から予選のみならず決勝でも戦績が勝ってしまうのは前評判以上と考えていいのではないでしょうか。
三強の一角サインツはランキングこそハミルトンやノリスより上位で終えたものの、リタイヤも多いため、入賞回数は2人に負け、ランキング8位のオコンに並ばれています。最終的な目標はポイント獲得であり、リタイヤはドライバー起因でないものもあるため、ドライバーを責めるわけにもいきませんが、サインツにとっても辛く苦しいシーズンだったといえます。

《完走回数と完走率》全22回
 1 フェルスタッペン 21回  (95.5%)
  ラッセル     21回  (95.5%)
  ハミルトン    21回  (95.5%)
 4 ペレス      20回  (90.9%)
  ノリス      20回  (90.9%)
  オコン      20回  (90.9%)
  ストロール    20回  (90.9%)
 8 ルクレール    19回  (86.4%)
  ガスリー     19回  (86.4%)
  リカルド     19回  (86.4%)
  シューマッハ   19回  (86.4%)
  12 ベッテル     18回  (90.0%)
  マグヌッセン   18回  (81.8%)
  ラティフィ    18回  (81.8%)
  15 アルボン     17回  (81.0%)
  アロンソ     17回  (77.3%)
  ボッタス     17回  (77.3%)
  周冠宇      17回  (77.3%)
  19 サインツ     16回  (72.7%)
  角田裕毅     16回  (72.7%)
  21 ヒュルケンベルグ   2回(100%)
  22 デ・フリース     1回(100%)

(リタイヤや失格を除いた)決勝完走回数になります。レギュラードライバー20人のうち、シーズン通しての全線完走はなく、必ずどこかでリタイヤがあったという結果でした(ちなみにスポットドライバーのヒュルケンベルグ、デ・フリースは代役を100%こなしています)
最多はフェルスタッペンとメルセデスの2人による21回完走で、完走率は95.5%に達します。特筆すべきはフェルスタッペンでなく、メルセデス2人の方で、シーズン序盤こそポーポシングに苦戦してペースが上がらなかったものの、周回数(距離)はそこそこ稼げていたということ。ここに元王者メルセデスの底力と末恐ろしさを秘めています。ドライバーが優秀であることはもちろん、マシンが壊れず安定して走れていることは、今シーズン、もっといえば来シーズンという長いスパンでみれば安心材料でもあります。一発がバカっ速くても、ドライバーがミスしたり、1レースすら完走できないようではチャンピオン獲得には近そうで遠くなります(ん?そんなチームをどこかでみたことがあるって?今シーズンによらず過去にもいくつかありましたよね)
レギュラードライバー最下位は16戦完走の2人、先程のサインツとアルファタウリの角田くんでした。サインツは先述通り、いくらマシンが速くても、これがある以上は安心できないこと。また角田くんもいくつか「お恥ずかしミス」かまして自爆してしまったものがありました。来シーズンはF1で3年目。相方はF1キャリアは浅くても年齢は上のベテラン。もうお恥ずかしミスは許されません。

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上記各ジャンルの数値をこの後にまとめた決勝平均順位順に並べて示したものです。ガチャガチャ色々書いたけど、このグラフをバチンとみせてしまえば一発でことが済んでしまうという。。ならば冒頭に出しちゃえよ!(笑)大体平均順位順に表彰台登壇や入賞、完走の数が並んできます。miyabikunの平均順位算定法にすると、リタイヤの少ないラッセルがルクレールやペレスを上回るようになってきます。スポットドライバーとはいえ、デ・フリースの位置もすごいことになっています。ウィリアムズのマシンでココに位置しますよ、今から期待してしまいそう。

《ファステストラップ回数と獲得率》全22回
 1 フェルスタッペン 5回  (22.7%)
 2 ラッセル     4回  (18.2%)
 3 ルクレール    3回  (13.6%)
  ペレス      3回  (13.6%)
 5 サインツ     2回    (9.1%)
  ハミルトン    2回    (9.1%)
  ノリス      2回    (9.1%)
 8 周冠宇      1回※ (4.5%)
 ※ポイント付与無しの回数も含む

今シーズンのファステストラップの全てになります。全22戦で8人の獲得者が生まれました。最多は、、ここもフェルスタッペンでシーズン1/4弱となる5回獲得。各ジャンルのほとんどがフェルスタッペンの総ナメですね。今シーズンは100%フェルスタッペンイヤー。他は三強プラス2人の計8人となります。
すごいなと思ったのはシーズン後半の9戦で4回のファステストラップを獲得したラッセルでした。第17戦シンガポールGPで獲得し、一度雨でぐちゃぐちゃになった日本GPを飛ばした後、アメリカ大陸三連戦全てでマーク、その最後の第21戦サンパウロGPでは初優勝とラッセルの成長とマシンへの適合性をしかと感じられるものでした。こういうサクセスストーリーみたいなものがみられるのは嬉しいです。また、雨でぐちゃぐちゃにはなったものの、今シーズン唯一の新人、アルファロメオの周くんが日本GPでファステストラップを獲得したのも驚きでした。来シーズンの母国GP復活は早々に幻となりましたが、心配されたシートも繋がったし、予選はもちろん決勝レースも実に危なげなくスマートにドライブできるクレバーな若手です。アルボンや角田くんに続く貴重なアジア勢ドライバーとして飛躍してほしいものです。

《ファステストラップのタイミングと獲得者》
 開幕戦 バーレーンGP     51周目/57周
       ルクレール
 第2戦  サウジアラビアGP    48周目/50周
       ルクレール
 第3戦  オーストラリアGP    58周目/58周
       ルクレール
 第4戦  エミリア・ロマーニャGP 55周目/63周
       フェルスタッペン
 第5戦  マイアミGP       54周目/57周
       フェルスタッペン
 第6戦  スペインGP       55周目/66周
       ペレス
 第7戦  モナコGP        55周目/64周
       ノリス
 第8戦  アゼルバイジャンGP   36周目/51周
       ペレス
 第9戦  カナダGP        63周目/70周
       サインツ
 第10戦イギリスGP       52周目/52周
       ハミルトン
 第11戦オーストリアGP     62周目/71周
       フェルスタッペン
 第12戦フランスGP       51周目/53周
       サインツ
 第13戦ハンガリーGP      57周目/70周
       ハミルトン
 第14戦ベルギーGP       32周目/53周
       フェルスタッペン
 第15戦オランダGP       62周目/72周
       フェルスタッペン
 第16戦イタリアGP       58周目/53周
       ペレス
 第17戦シンガポールGP     54周目/59周
       ラッセル
 第18戦日本GP         41周目/28周
       周冠宇※
 第19戦アメリカGP       56周目/56周
       ラッセル
 第20戦メキシコシティGP    71周目/71周
       ラッセル
 第21戦サンパウロGP      61周目/71周
       ラッセル
 最終戦アブダビGP       44周目/58周
       ノリス
 ※入賞圏外フィニッシュのためポイント付与は無し

ファステストラップを記録したタイミングをまとめています。毎年ながらレース最終盤に記録していることに変わりありませんが、ファイナルラップで記録したのは22戦中4戦のみ。意外と少ないかなという印象です(ちなみに昨年2021年は同じ22戦中8戦がファイナルラップで記録しました)

《平均順位》リタイヤ、失格は20位扱い
ここからようやく決勝の平均順位総括になります。算出方法は毎度ながらリタイヤは20位扱いとしているため、印象よりも低い数値になっているかもしれません。

〈ドライバー〉
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平均順位も当然ながらフェルスタッペンが最小の平均3.59位です。15勝を含めた17表彰台を獲得したフェルスタッペンの平均値が3.59位となったのは、開幕戦バーレーンGPが19位完走扱い、第3戦オーストラリアGPはリタイヤに終えたためです。にしても、2位のラッセルを大きく引き離したトップです。
2位はルクレールでもペレスでもなくラッセルです。繰り返し、ラッセルは完走率が高く、リタイヤ1回と14位完走で平均5.09位をマークしています。以下はペレス、ルクレール、ハミルトンと続き、サインツは平均8.00位と三強で少し遅れをとっています。
中団トップはノリスの平均8.91位、チーム内で激戦を繰り広げたアルピーヌはアロンソのリタイヤ5回が足かせとなり約2位分の差が付きオコンの勝ちとなりました。アロンソからリカルドまでがなかなかの激戦区。
下位はウィリアムズのアルボンとラティフィでサンドウィッチしています。ハースは結果的に僅差でベテランのマグヌッセンが勝ち。アルファロメオの周とアルファタウリの角田は両先輩にやや離された形で下位に固まっています。

〈コンストラクター〉
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コンストラクター単位にまとめると、上位5チームはそのままコンストラクターズポイントランキング順に並びましたが、下位はやや差異が生まれています。
後半戦に追い上げをみせたアストンマーティンは両ドライバーの差はさほど無く、平均12位台をキープしましたが、チーム内で差の大きく出たウィリアムズ、アルファロメオ、アルファタウリは平均値が中和され、チーム内で差はほとんどみられなかったハースが平均値最下位の14.45位に沈んでいます。
ポイントランキングで単独の最下位となったウィリアムズはデ・フリースの平均9.00位が底上げに効きました。デ・フリースを除いた場合は平均15.33位まで落ち込んでしまいます。残念ながら、実質最下位。。

《ドライバー別グループ別決勝順位変遷》
前半13戦、後半9戦でもみてきたドライバ別決勝順位を3つのグループに分けてグラフ化しました。が、ぐちゃぐちゃになってますので触りだけ(笑)
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まずは三強の6人です。紺の実線オレンジプロットがフェルスタッペンになりますが、ずーっと上を走っているので分かりやすいです。赤が時折20位にズドンと落ち込んでいるのがリタイヤです。もったいないですね(笑)
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中団4チーム8人の全戦決勝順位です。グラフにするとよく目立つ赤がバックの「表彰台登壇」に顔を出せたのはマクラーレンのノリスただ1人。ノリスの素晴らしさのほか、裏を返せば三強でないと優勝はおろか表彰台年内にも辿り着けないという現実をよしとするか悪しとするか。もう少しシャッフルが見込めるシーズンである方が盛り上がるのですが。。
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下位3チーム6人はこのようになります。最高位は第8戦アゼルバイジャンGPのガスリーによる5位入賞となります。後半戦はアストンマーティンによる巻き返しにより入賞圏内フィニッシュがちらほらみられますが、逆にアルファタウリとウィリアムズが失速気味。ドライバーは皆頑張っていますから、マシンはともかくチームはせめて戦略をうまく組み立てて入賞まで結び付けてもらいたいものです。

《チーム内対決》
順位上の成績によるチーム内対決シーズン全体編です。22戦ですから11勝11敗が最低条件となりますが、一つでも高いステージを目指すなら、まずチームメイトには勝つ。そこで甘んじていてはダメ。結果はこのようになりました。
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いい勝負になったのはベッテルとヒュルケンベルグのドイツ連合チームとなったアストンマーティンの11勝10敗1引き分け。続いてメルセデスが 12勝10敗でラッセルの勝ち。フェラーリとアルピーヌが12勝9敗1引き分けとなりました。
一方マクラーレンは16勝5敗1引き分けでノリスがリカルドを大佐で破り、ウィリアムズも18勝4敗の差でアルボン、デ・フリース連合がラティフィに勝ち、負けた2人はシート喪失となっています。ハースは13勝8敗1引き分けでシューマッハに軍配が上がったものの「それ以外の部分」が足かせとなり、シューマッハがシートを失っています。リカルドやラティフィはもちろんのこと、シューマッハにはもう一年だけでもチャンスを与えてほしかったかなと思っていましたが、それは叶いませんでした。

《決勝走行周回数》決勝編の最後は各種走行周回数で締めたいと思います。
〈ドライバー〉トータル1,294周
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第18戦日本GPの切り上げを含め、全22戦完全走破は1,294周になります。全戦完全走破者はおらず、最多はフェルスタッペンの1,271周、消化率98.2%となりました。さすがチャンピオン。第2位はノリスの1,253周、第3位はラッセルの1,246周と続いています。
開幕早々に病欠で2戦休んだベッテルは角田とタイの1,101周であり、1戦休んだアルボンはそれら2人より1周少ない1,100周となっています。もしベッテルとアルボンが休まず、スポット参戦の周回数を足し込んだ場合、ベッテルは1,208周、アルボンは1,153周に相当するため、周回数のビリはサインツの1,033周、F1新人の周が1,060周、角田は下から3番目の1,101周となってしまいます。サインツは後半戦の2戦連続リタイヤがイタかったですね。

〈コンストラクター〉トータル2,588周IMG_5761
コンストラクター単位にまとめるとこうなります。ブーブー文句をタレつつも、最多は元チャンピオンチームのメルセデスによる2,486周、消化率96.1%であり、2位は新チャンピオンチームとなったレッドブル、以下マクラーレン、アストンマーティンと続いています。
一部例外はあるものの、メルセデスパワーユニット搭載車が上位を占め、逆にフェラーリパワーユニットが下位に沈んでいます。今シーズンはフェラーリパワーユニットの飛躍には目を見張るものがありましたが、たまにパワーユニットが悲鳴を上げてしまうシーンも見受けられました。速さと脆さは紙一重か。
〈パワーユニット〉
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そのパワーユニット単位で累計すると、このような積み上げグラフとなります。4社それぞれ供給先の数に違いがあるため、公平を期すため平均値を割り出すと、最多はメルセデスパワーユニットの2,421周、続いてレッドブルパワートレインズ(実質ホンダ)の2,396周、3番目はルノーパワーユニット(つまりアルピーヌ)の2,361周、最下位は当然フェラーリパワーユニットの2,231周となります。
メルセデスとフェラーリの差は平均190周、1マシンあたり95周分足りないこととなり、パワーユニット起因によるリタイヤばかりではないものの、1レース半近く差がつく結果となりました。

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予選編のアップからまただいぶ時間がかかり、今年はあと2つのネタを考えていたのですが、タイムアップです。miyabikun冬休みの宿題とします。年内に片付けることができなくて申し訳ありません。
以上、2022年の決勝編総括でした。ああ、ハナミズが止まらなひ。。

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師走ですねー。年末の恒例行事「数字でみるF1」の時期がやってまいりました。つい先日まで後半戦のまとめと振り返りをやってきたわけですが、どこが違うの?!いや、正直やってることは同じです(笑)初めは数字をズラズラ並べてシーズンを総括していくぞという意味でタイトルを付けましたが、やっぱりグラフで示した方が見易いし楽ですよね。というわけで正直「タイトルの違い」でしかありません。先日と似たようなグラフと内容が繰り返されますが、異なる数値とグラフにはなっていますので、今年のF1総決算、暫しのお時間をいただきたく思います。
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《予選最速タイムと各チームとの差》
まずは全22戦の最速タイムと各チームの最速タイムの差のグラフになります。
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今シーズンは前半戦の第9戦カナダGP、後半戦の第17戦シンガポールGPに異常値を示したチームとタイム差がありました。いずれもウェット絡みです。このグラフから分かることはさほど無く、カナダGPの10秒落ちは同じF1規格とはおもえないとんでもないものだなというくらい。アストンマーティンは市販車で走ったのではと思ってしまいますよね。ほかは下位でも何とか3.5秒落ちくらいまでにはおさまっています。
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で、その3.5秒以内におさめるとこうなります。上位2〜3チーム、目立つ色を使うチームはある程度目で追うことができそうですが、特に中団は込み入っています。今回は10チームを4つのグラフに分けていきます。
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初めは当然の上位3チームからです。2022年は第21戦サンパウロGP(金曜)予選でハースのマグヌッセンがポールポジションを獲得した以外はこの3チームからの輩出であり、各GP最速タイムとなるとこの3チームに占められます。内訳はレッドブルが11回、フェラーリが10回、メルセデスは第13戦ハンガリーGPの1回となっています。
前半は明らかにフェラーリがリードし、ポールポジションを量産しましたが、ヨーロッパラウンドを本格的に迎える第10戦イギリスGPあたりからはレッドブルが台頭、フェラーリの一人勝ちを阻止しました。今まで数年に渡り最速に君臨し続けたメルセデスは開幕戦バーレーンGPの時点で大きく水を開けられ、フェラーリはおろかレッドブルにも遠く及ばない順位とタイム差を強いられたものの、後半戦に入るとタイム差を縮めつつあったたのには驚きました。やはり元連続チャンピオンチーム、その底力は恐ろしいものがあります。
3チームで最も安定しているのは新チャンピオンチームのレッドブルの平均0.107秒。続くフェラーリは平均0.142秒となり、最大で離されたのは最大値はカナダGP。メルセデスは山谷ありながら平均0.847秒、最大差はベルギーGPでした。
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次は中団の上位に位置するアルピーヌとマクラーレンの2チームを抜粋しています。先程の全チームのグラフでもこの2チームは他の中団の中でも常に上位につけており、色味からも追跡し易い位置付けにありました。
このグループはシーズンを通して、順位もポイントもひしめいていましたよね。トップからは0.5秒から2.5秒以内におさまっています。全22戦中、アルピーヌが好タイムだったGPは8、マクラーレンが14と、マクラーレンの方が数は多くなります。平均値をみると、アルピーヌが平均1.172秒、マクラーレンが1.230秒でした。
シーズン当初のアルピーヌはストレートの伸びがよく、マクラーレンはグリップ不足、みたいなイメージを持っていましたが、シーズンが進むにつれて互いに不得意分野を埋め合わせたのか、その分けによらなくなっていたかなという印象です。
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「中の下」にグルーピングしたのはアルファタウリ、アルファロメオ、ハースの3チームです。このあたりから上限に定めた3.5秒を逸脱してしまうGPがいくつかあります。そんな異常値はともかく、3チームは0.5秒から3.0秒落ちをさまよっています。色のせいもありますが、黒ラインのハースが何とも忙しく上下しています。
シーズン前半戦で好位置につけつつも、後半戦は散らかり気味だったアルファロメオ、ハースの両フェラーリパワーユニット勢に比べ、アルファタウリはグラフの上下動も少なく、比較的安定している様に思えます。それでも平均化するとアルファタウリが2.099秒、アルファロメオが1.824秒、ハースが1.768秒遅れとなりました。予選順位はGPで様々ですが、タイム的には順位ほど悪くありません。
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下位に括らせていただいたのはメルセデスパワーユニットを搭載するアストンマーティンとウィリアムズの2チームです。グラフは飛び出しちゃっているものも多くあるけど、2本くらいであればだいぶ見易いですね。濡れた路面で荒れたサンパウロGPの1秒以内におさまったケースもありますが、基本的には1秒から3秒超の遅れとなっています。今シーズンはトップでは無くなったものの、メルセデスワークスと同じパワーユニットを搭載しても、この差がシャシー(あるいはドライバー)によるものなんでしょうね。
この2チームは同じパワーユニットを積むだけあって、グラフの波形も比較的似ており、位置的には先程の中団下位にも似たような位置にプロットされていますが、ウィリアムズのヤマがやや高いか。平均タイム差はアストンマーティンが2.540秒、ウィリアムズが2.646秒となっています。でっこみ引っ込みはあれど、平均値にしてトップから2.646秒におさまればまだ「F1規格」といえるでしょうか。

〈予選最速タイムとの差の平均値〉
 1 レッドブル・RBPTH   平均0.107秒
 2 フェラーリ・F     平均0.142秒(+0.035秒)
 3 メルセデス・M       平均0.847秒(+0.740秒)
 4 アルピーヌ・R     平均1.172秒(+1.065秒)
 5 マクラーレン・M      平均1.230秒(+1.123秒)
 6 ハース・F       平均1.768秒(+1.661秒)
 7 アルファロメオ・F   平均1.824秒(+1.717秒)
 8 アルファタウリ・RBPTH 平均2.099秒(+1.992秒)
 9 アストンマーティン・M   平均2.540秒(+2.433秒)
  10 ウィリアムズ・M      平均2.646秒(+2.539秒)

先程の本文内にちらほら散りばめた予選最速タイムとの差の平均値を速い順にランキングしています。グラフのグループ分けはこの差から来ています。カッコ内の数字はトップのレッドブルとの差です。長いシーズンで浮き沈みや序列の入れ替わりはあれど「1ラップにおける速さ順」という見方ではイメージ通りかなと思います。
レッドブルとフェラーリは非常に僅差です。健闘したメルセデスはこの2チームからは離されています。中団上位の第2グループのアルピーヌとマクラーレンは平均1.2秒前後、中団下位の3チームは幅を持たせた1.8秒前後、下位2チームは2.6秒前後に位置しています。

《ポールポジション回数》全22回
 1 ルクレール    9回(40.9%)
 2 フェルスタッペン 7回(31.8%)
 3 サインツ     3回(13.6%)
 4 ペレス      1回  (4.5%)
    ラッセル     1回  (4.5%)
    マグヌッセン   1回  (4.5%)

次はポールポジション回数とシーズン獲得率を多い順に並べています。最多はルクレールの9回。チャンピオンを獲得したフェルスタッペンは7回と、ランキング上位2人が大半を占めています。興味深いのは、最多のルクレールは9回全てがシーズン前半戦で達成したものであり、後半戦は0回であったことです。フェルスタッペンは前半戦13戦で3回、後半戦9戦で4回という内訳。如何にルクレールは前半戦がキレキレで入り、後半戦で息切れしてしまったかということがわかります。
ほか複数回獲得したのは初ポールから3つ数を伸ばしたサインツ(うち第14戦ベルギーGPはフェルスタッペンのグリッド降格による)、さらにはペレス、ラッセル、マグヌッセンらの初ポール3人1回ずつとなっています。6人中4人が今シーズン初というのが喜ばしい話です。
チーム別でみると、フェラーリが22戦中12回で獲得率は54.5%、一方レッドブルは8回とこちらもフェラーリの方が数では勝ります。ポールポジションで意外だったのは、今まで最速を誇ったメルセデスがわずか1回に止まり、それも獲得したのがハミルトンではなくラッセルだったということ。マシンレギュレーションの生み出した賜物か、はたまた攻めに攻めたマシンのアヤか。マグヌッセンのポールポジションにもいい意味で驚きましたね。復帰してきたことにも驚かされたし、必ず何かひとネタ絡めてくる、これがハースのアニキなり。

《平均順位》
シーズン通してみた予選順位平均値になります。ドライバー編、コンストラクター編とも、スポット参戦者のデータを含めています。

〈ドライバー〉
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揺るがぬ三強。ただしその順列はレッドブルの2人の間にフェラーリが割って入る。フェルスタッペンとルクレールが僅差なのはある程度想定内ですが、ルクレールとサインツとの差よりもフェルスタッペンとペレスの差が非常に大きくみえます。フェラーリ内の差は0.82位ですが、レッドブルは2.41位もあります。たかが予選、マシンのテイストはフェルスタッペン仕様とはいえ、同じマシンに乗り、チームメイトとの間に2人入られちゃうというのは、ダブルチャンピオンを獲得できたからいいものの、現代の抜き難く、信頼性のあるマシンにおいてはやや不安要素でもあります。サインツの決勝が安定して、信頼性の高いものだった場合、ドライバーズランキング3位も危うかったかもしれません。メルセデスによる「新旧イギリス人対決」はギリギリでハミルトンが面目を保ちました。ラッセルは前評判通り「前任者には無い」速さと巧みさがありました。
中団は上位で2人が抜け出て、シングルグリッドとなりました。待たれるイギリスの才能ノリスと、三百五十五戦練磨の超人アロンソです。ノリスは完全に失敗作と思われたマクラーレンのマシンでも何気に健闘していました。アロンソも予選から非常に元気がよかっただけに、決勝のトラブル多発が非常に悔やまれますね。アロンソから少し間が空いて相方オコン、前半飛ばし後半息切れボッタス、負のループから脱することができなかったリカルド、ハースの底上げに貢献したマグヌッセン、勝ちに飢えたエースガスリー、デ・フリースを飛ばして角田までが平均13位台となっています。あくまで平均値からみたQ3進出常連クラスは8番目に位置するアロンソあたりまでで、残り2席を角田やベッテルあたりまでで取り合う構図でしょうか。
下位はベッテル、周、シューマッハの3人による平均14位台のグループと15位台後半のストロール、アルボンが近しい順位にいます。ラティフィはとびっきり下位の18位台後半。結果的に、ですが、マシンもさることながら1人「F1規格」ではなかったのかな。

〈コンストラクター〉
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「1ラップの速さ」の観点での2022年の勢力図です。トップは後半戦しゃっきりしなくても、チーム内格差の小さいフェラーリが格差の大きいレッドブルを上回りました。メルセデスはドライバーズ同様にポツンと単独の位置におり、アルピーヌはアロンソがオコンをフォローする中、リカルドをフォローし切れなかったノリスの分上回っています。その下、6位のアルファロメオまでがそのままコンストラクターズポイントランキングと同じ順列です。
7位以下はポイントランキングと異なり、アルファロメオに僅差で敗れたアルファタウリ(ポイントは9位)とハース(ポイント8位)が続き、最下位はウィリアムズ(ポイント10位)でなくアストンマーティン(ポイント7位)となっています。アルファタウリは予選がそこそこでも決勝がダメ。アストンマーティンはシーズン後半戦に復調しつつも、前半戦を吸収するには至りませんでした。

《ドライバー別グループ別予選順位変遷》
全戦の予選順位をグループ毎にプロットし、折れ線グラフとしました。前半戦、後半戦だけでも見辛いのに、22戦全戦を同じ大きさのグラフで示したら何のこっちゃよくわからなくなります(笑)
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上位3チームは稀にQ1落ちやQ2落ちとなったケースがみられるものの、中団や下位との絡みが少なく独立していますので、比較的まとまりがあります。ただ3チーム6人で上位をびっちり占たのは前半戦のスペイン、後半戦のオランダ、イタリア、アメリカと最終戦アブダビGPの5GPに止まります。このグループで全戦Q3に進出したのはフェルスタッペンとサインツの2人のみでした。頑張って線を追いかけても、他の4人に比べればグラフの上下動は少なく安定しています。
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中団は4チーム8人をピックアップしましたので、いやー子供の落書き並みにぐちゃぐちゃ。このグラフは後ほど違う形で表現し直していますので、そちらでご確認下さい。
先日までのまとめでも挙げたように、このクラスもQ2突破を目指すべく、Q1突破は当たり前のようにしておきたいところです。エミリア・ロマーニャGPのノリスやカナダGPのアロンソ、サンパウロGPのマグヌッセンはいい形で目立っています。こんなぐちゃぐちゃなグラフでも、選んだ色がよかったのか悪かったのかハースのギザギザが実線破線とも目立ってしまっています。
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下位3チーム6人はQ2を突破できたらあっぱれクラス。最上位は第8戦アゼルバイジャンGPで6番手を獲得したアルファタウリのガスリー、2番目も初開催のマイアミGPと雨のシンガポールGPで7番手を獲得したガスリーでした。予選を得意をしているだけありますね。相方の角田も8位2回とこのグループではアルファタウリがアタマ一つ抜け出ています。
角田ほか、アストンマーティンやウィリアムズもQ3に進出していますが、あたかも8番手に壁があるかのように、9番手止まりが多くみられます。

いくらグループ分けをしたとはいえ、やっぱり目で追うのは大変なため、どのドライバーが何回ポールポジションを獲ったか、何回Q3に進出したかなんてのがわかりにくいので、ドライバー別に積み上げ横棒グラフで表現しました。色分けは上の折れ線グラフの背景と同じで、上から平均順位の低い順に並べています。
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ポールポジションはルクレールが最多でも、1回Q 2落ちとなっているため、平均順位はフェルスタッペンの方が低くなります。赤系の帯がQ3進出およびポールポジション獲得回数を示しますが、先述の通り、フェルスタッペンとサインツの2人が全戦Q3に進出しています。Q3進出数の上位はルクレールが21回、ハミルトンが20回、ペレスとラッセルが19回と続き、中団チーム最多はアロンソの18回となっています。1回ずつながらウィリアムズもQ3に歩を進めているため、フル参戦ドライバーは全員Q3を走行したことになります。ドライバーズポイントと同様にパチパチパチー!

《チーム内対決》
予選編の最後はシーズントータルのチーム内対決です。順位によらず、上位が勝ち。リタイヤはあり得ないので、必ずどちらかに優劣が表れます。また、スポット参戦者も仲間に加えました。全22戦なので11対11のイーブンとなるケースもあり得ますが、結果や如何に?!
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イーブンはなく、どのチームも優劣が表れています。最も接戦となったのはアルピーヌのアロンソ12回、オコン10回、いい勝負!メルセデスとアルファタウリは13対9で、ラッセルはハミルトン相手になかなかいい勝負ができています。ヒュルケンベルグのスポット参戦を伴ったアストンマーティンはヒュルケンベルグが開幕戦バーレーンGPでいきなり勝ってみせましたが、ベッテルベースでみれば13対7という結果に。唯一のF1新人がいたアルファロメオは速いボッタス相手に周は8回上回れたのはなかなか評価できますね。
大差がついた方をみると、毎度ながらマクラーレンが20対2、ウィリアムズは19対3(ラティフィはスポットのデ・フリースに負け)、レッドブルが18対4、ハースが16対6となっており、レッドブルを除く3チームの敗北者に来シーズンのシートが無いという結果となっています。決勝で勝っちゃえば文句の付けようは無いものの、果たして決勝はどうなったでしょうか。例外はレッドブルだけです。レッドブルだから、ある意味来シーズンのシートが確約されているという。これがいいことなのかよくないことなのか。

12月に入っても仕事がハードで、この量を書くのに3日以上も費やしてしまいました。。ワールドカップもあっという間に閉幕してしまいましたね。次のネタ、年内にまとめ上げられるかどうか、、本腰入れにゃ!

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