F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:2012年

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真ん中にド派手な色使いの展望台。そして、周りには何もないド田舎。2007年を最後にカレンダーから外れていたアメリカGPは、5年振りに新設のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(以下COTA)で復活を遂げました。2012年のアメリカGPです。
この年は近年稀にみる激闘がみられた年でしたね。ラリーから3年振りにライコネンがF1に復帰し、M・シューマッハを含めたチャンピオン経験者6人肩を並べることになりました。さらには今では想像もつかない開幕から7戦連続8人の勝者を生み出して、レッドブル&ベッテルの3連覇に待ったをかけています。この年は最終戦の一つ前となる第19戦に設定されたアメリカGPまでに、ベッテルがランキングトップの255ポイント。そして245で2位のアロンソまでがチャンピオン争いの対象となり、3位につける復活ライコネンは前戦アブダビGPで久々優勝を挙げるも、チャンピオン争いから脱落しています(アブダビGPは以前に振り返りましたね)

お決まりのヘルマン・ティルケによるデザインで初開催のCOTAは世界各国の名物コーナーを模していますが、正直未知数です。ただ明らかにわかっていることはコントロールライン付近の走行ラインはグリップに富み、偶数側のラインは先に控える険しい上り鋭角ターン1を考慮してもグリップが無く、不利だということ。予選はベッテルがCOTAの初ポールをもぎ取り、コンストラクターズチャンピオンに王手のレッドブルの邪魔をするかのようにマクラーレンのハミルトンが割って入っています。ベッテルより先に3回チャンピオンを獲れるかアロンソの予選はロータスやフォース・インディアにも先行されてなんと9番手。4番手のグロージャンがギヤボックス交換ペナルティによって9番手に降格するため、その結果一つ順位を上げた偶数側8番手となります。なお日本GPで表彰台登壇済みの小林可夢偉は相方ペレスと並ぶ16番手でした。

《予選結果》
   1 S・ベッテル    (レッドブル・R)
   2 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
   3 M・ウェバー   (レッドブル・R)
   ※タイヤはピレリのワンメイク

偶数側、それもベッテルとも大きく離れたフェラーリ陣営は頭を使いました。事もあろうに、決勝を前に6番手繰り上がりの相方マッサのギヤボックスを開けて、交換も何もせずまた戻す。するとどうなるか
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交換はせずも開封したためグロージャンと同じ5位分降格ペナルティが発生します。するとするとどうなるか
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じゃじゃーん、アロンソ1up!奇数側7番手をゲットなりー!F1とはスポーツでもあり「一定規則の中でチャンピオンを争う競技」です。レギュレーションの拡大解釈で間違いはありません。ただ、マッサは自力でアロンソより速く走ったのに、もはや「モノ扱い」

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ならばみせてもらいましょう、犠牲を無下にしない立派な結果を。
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おお!
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なるほど。7番手スタートからターン1出口までに4位まで浮上。さすがアロンソ様だ。そして偶数側のグズグズなスタートを見ていると、前評判通りの結果ですね。

ベッテルが気にしていればいいのは「アロンソより前にゴールする」こと。2位のウェバーに対しても得意の「1秒以上差のDRS圏外クルージング」で早くもイージーレースを作り始めました。
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そんなことどうでもいいけど、偶数スタートで3位に順位を下げたハミルトンはただレースで勝てればいい。邪魔なウェバーを攻め立てています。ウェバーはハミルトンに抜かれると、オルタネーターの不調によりわずか18周で朽ち果てています。これでアロンソが3位に浮上しました。期待しても役には立たない、仕方ない、上出来なナンバー2だから。
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ギヤボックス交換ペナルティが無ければ4番手だったロータスのグロージャンは元気がいいです。
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黒と銀の出戻りチャンピオン2人をインから一気抜き!
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その勢いでヒュルケンベルグもいっておく?!
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勢い余って、誰にも触れずの単独スピン。何やってんだ?!6年経った今でもやってることがそう変わらないという。。

アロンソもスタートダッシュで一気にタイヤを使ったかコースアウトするようになり、22周目に2位ハミルトンと合わせてミディアムからハードタイヤへチェンジ。
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ただそのハードタイヤは仕上がりが良くなく、新品のはずが初めからハードを履き続けているマクラーレンのバトンに追い抜かれる。これはアロンソに限らずハミルトンもベッテルも同様でした。
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前回インディアナポリスでの2007年アメリカGPを制したのはハミルトンでした。チャンピオン争いには関係ないけど、COTAの初優勝が欲しい。第2スティントでファステストラップを積み重ねながらベッテルとのギャップを詰めにいきます。
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各サーキットでの適応力が高く先手必勝を得意とするレッドブル、対してパワーと伝統のマクラーレンがKERS放出のDRS開放で20km/hの速度差で最接近!
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ベッテルもハミルトンに負けじとファステストラップを記録して逃げる!そして42周目
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ハミルトンがベッテルをインから食って逆転!今のベッテルの敵はハミルトンでなくアロンソです、無駄な抵抗せず。今回はそれでいい。

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《決勝結果》
   1 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
   2 S・ベッテル   (レッドブル・R)
   3 F・アロンソ   (フェラーリ・F)

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カウボーイハット、よく似合いますね。初開催のCOTAはハミルトンが制しました。アロンソも3位を堅実に守り260ポイント、ベッテルとのポイント差は13として何とか最終戦ブラジルGPまで持ち越しています(最終戦も以前に振り返っています)

レース後のハミルトンの回答が印象的です。
「アツくなっていたベッテルとあなたの違いは?」
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「勝ちたい気持ちがベッテルに勝った」
ハミルトンやベッテルのレースはポールトゥウィンが多めということもあり、面白みも少なく今まであまり振り返ってきませんでした。でもこの10年近くの期間ずっと最強最速を築いてきてきたのは間違いなくハミルトンです。近年は若い頃のおごりや尖りも薄れて、むしろ賢さと冷静さを兼ね備えた「非の打ち所がない」完成形になりつつあります。

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今回アブダビGPで振り返るのは、ちょうど5年前にあたる2012年です。レースやマシンでやっている「振り返るシリーズ」は大体5年以上前から選んでいるので、ギリギリです。2012年は過去に中国GP、スペインGP、日本GPとこのアブダビGPの後に控える最終戦ブラジルGPを振り返っているので、なかなか常連になってきました。
この時点でチャンピオンはまだ決定しておらず、ランキングトップはレッドブルのベッテルが240、2位にフェラーリのアロンソが227で続き、3位ロータスのライコネンは173と、チャンピオン争いは残り3戦のこの時点で3人に絞られています。

予選は肝心なベッテルが3番手と振るわず、アロンソに至ってはポールのハミルトンの0.95秒落ちの7番手となっています。さらにベッテルは予選後に自力でピットインすることができず、規定のガソリン量が残っていないため違反となり予選失格で最後尾まで降格することになりました。ポイントで有利な立場ではありますが、この時代は優勝に25ポイント付与されますから、仮にアロンソが2連勝、ベッテルが2位2回となった場合、1ポイント差でギリギリひっくり返すこともできます。ベッテル、くだらないトラブルで大ピンチ!

《予選結果》
     1 L・ハミルトン (マクラーレン・M)
     2 M・ウェバー   (レッドブル・R)
失格 S・ベッテル    (レッドブル・R)※
     3 P・マルドナド(ウィリアムズ・R)
        ※ガソリン残量違反で予選取り消し

ベッテルはピットレーンスタートを選択しています。最後尾でもピットレーンスタートでも、この順位なら変わらないか。
スタートはフロントロウの「ナンバー2」がもたもたよろよろ、、4番手に繰り上がったライコネンが一気に2位にジャンプアップして、チームメイトの「壁」はターゲットのアロンソにもハードブレーキングからかわされて、脆く崩れ去りました。ベッテル、こうなれば、1人で頑張るしかない。また、後続もターン1でウィリアムズのセナがフォース・インディアのヒュルケンベルグと交錯して、早くも戦線離脱。今回は「パッシングの仕方」が鬼門となっています。

ベッテルが追う!あれ?右フロント、、
ウィングの翼端板がありません。序盤から波乱です。ピットは取りあえず用意するも、やっぱ止め。

9周目にHRTのカーティケヤンにメルセデスのロズベルグがパッシングに失敗し、マシンを浮かせてカーティケヤンを飛び越える。ウィッキーさんに英会話講座をしてもらっているみたいだ(笑)2人とも体は無事。ロズベルグ、パッシング下手くそ。チャンピオンはしばらくお預けだな(結局4年も待つことに)

その事故によるセーフティカー先導中に珍事がありました。黄色いくちばしベッテルの前を金のくちばしのトロ・ロッソ、リカルドとウェービングの歩調が合わず
フロントウィング左側を「DRS区間開始」を示す看板にぶつけてしまいます。これで完全に壊してしまいました。いよいよピットで交換作業を決意。せっかく追い上げを開始していたのに、再度最後尾に戻るハメに。スタートで4位に上がったアロンソとの距離がまた離れ、チャンピオン争いをやっていく上でかなりのピンチです。
17位走行のロータスのグロージャンをコースからはみ出して抜こうとするベッテル、これはダメだろ。焦っています。

20周目にポールからいつものように逃げを図るハミルトンの出力が落ちリタイヤ。これでトップがライコネンに変わりました。スタートダッシュの甲斐がありましたね。アロンソもマルドナドをかわして2位に順位を上げています。次にマルドナドに迫るのはスタートでしでかしてしまったウェバーはアウトから
あらら、違う。抜きにかかったはずがスピンでさらに7位まで順位を落とす。今日はウェバーの日ではないらしい。では続くマルドナドへのチャレンジャーとなったマクラーレンのバトンはインから
正解!さすがチャンピオン経験者。順位を取り戻したいウェバーはマッサをどうさばくか?またアウトから??
だから違うって!コース外から前に出るとマッサがとばっちり。その間に8位まで順位を上げていたベッテルにまでかわされてしまいます。マッサとしてはアロンソとベッテルの間に居座りたいところだし、もはやアロンソを抑え込めないいいところなしのウェバーはこれが狙いだったか?!(笑)ウェバーとベッテルが前後になるとうまい具合にウェバーをピットインさせて、ベッテルを前に。これで3位まで浮上。

38周目に入り、グロージャン、ディ・レスタ、ペレスそして遅ればせながらまたまたウェバーの4人で5位争いを始めました。まずディ・レスタがグロージャンにアクションを起こし、グロージャンの背後に隙を伺うペレスがピタリと張り付いています。
うわ、ペレスがアウトから
やっぱりコース外にはじき出されて、強引なコース復帰すると
あららら、、
後ろで傍観していたつもりのイマイチなウェバーを巻き添えに、明後日の方向に追いやりペレスか引っ掻き回してしまいました。名門マクラーレンへの移籍も決まっている調子に乗るペレスには手痛いストップアンドゴーペナルティが下ります。

終盤に入ると、後方の雑踏を知らないアロンソがファステストラップでライコネンを捕まえにいきます。チームからライコネンにアロンソとのギャップについて情報が飛びました。それに対して
「ちょっと一人に放っておいてくれ。自分のしていることはわかってる」
ライコネンの性格を象徴するような有名な返しです。ラスト3周で3位のバトンをかわしたベッテルは何とかアロンソの背後までリカバリー。ピットレーンスタートから接触にアクシデントとベッテルにとってはなかなかな試練を最小限に止めています。

《決勝結果》
   1 K・ライコネン(ロータス・R)
   2 F・アロンソ    (フェラーリ・F)
   3 S・ベッテル    (レッドブル・ R)

2007年にチャンピオンを獲得し、2009年で一度F1を離れたライコネンは2009年のベルギーGP以来となる3年2ヶ月振りの優勝となりました。ただし、優勝したもののポイントランキングの上位の2人もポイントを獲得しているため、ライコネンはこの時点でチャンピオン争いから脱落するという現象が起きています。また、この3戦後となる翌2013年開幕戦オーストラリアGPでも優勝したライコネンはそれを最後に優勝からは4年以上遠ざかっています。来シーズンもフェラーリドライバーが決定していますので、そろそろ訪れるであろう「有終の美」の準備と覚悟で頑張ってほしいですね。

このシーン、何度見ても笑えます(笑)好きです。
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歴史あるプライベーターも今や完全なるテールエンダーと化したザウバー。前にも振り返ったように、以前は大型スポンサーとしてペトロナスを味方につけたり、将来が期待される新人を多く輩出してきたチームでした。創設者であるペーター・ザウバーも身を引き、跡を引き継いだF1初の女性チーム代表モニシャ・カルテンボーンも第7戦カナダGPを最後に退任して「ザウバー」の名残はチーム名称とシャシー名くらいになってしまいましたね。今回はまだギリギリ「ザウバニズム」を感じ取れた2012年「C31」をみていきたいと思います。
《設計》
(ジェームス・キー)
   マット・モリス
   ウィレム・トーレ

《外見》
今はトロ・ロッソでテクニカルディレクターを担うジェームス・キーが2011年のオフシーズンに手がけるも、開幕を前にチームから離脱しているため、このシーズンはマット・モリスがテクニカル部門の指揮を執りました。
この前のマクラーレンMP4-27と同じ2012年ですので、ノーズはマクラーレン以外の各マシンと同じく残念な形をしています。レギュレーションで「こういう形状にしなさい」とあるわけではありませんが、安全を考慮した「ノーズ先端の高さは車体底部から550mm、モノコック前段の高さは625mm」というレギュレーションの中、少しでも合理的なデザインを採るとこぞってこうなってしまうという、ファンのみならずデザイナーやドライバーなど誰もが認める「醜い時代のマシン」でした。当時のザウバーはご覧のような白と黒(濃紺?)のカラーリングに「段差部に白地のナンバー」もあってか、その段差がまた大きく、目立って感じました。
近年はハースが「第2フェラーリ」の地位を担っています。この頃のザウバーは今よりもフェラーリとの距離も近く、エンジンをはじめギヤボックスも供給を受け、リヤサスペンションもフェラーリに合わせる形を取っていました。フェラーリF2012でリヤをプルロッドに変更すると、ザウバーもそれに合わせて前作C30のプッシュロッドからプルロッドに変更を施しています。
見易く図解されたものがあるので、それら画像をお借りして簡単に説明します。図の黄色いバーがロッドで、左側がプッシュロッド、右側がプルロッドになります。昔のF1マシンはロッド自体を細くできる逆ハの字をなすプルロッド(路面からの衝撃に対し、ロッドを「引張」で機能させる)の採用していました。しかしハイノーズが主流になると搭載位置の関係から自由度豊かなハの字のプッシュロッド(路面からの衝撃に対し、ロッドを「圧縮」で機能させる)とするマシンが増えます。ただそれの副産物としてロッドが太くなり若干の高重心と空力的支障をきたしてしまいました。そこでリヤを再び空力処理に有利なプルロッドに変更する傾向にあります。
先日のマクラーレンMP4-27と同様に早い時期から「コアンダ・エキゾースト」を導入、シーズン序盤から好成績のスタートに結びつけました。また、これらリヤエンドの改良によって、前作C30の弱点であったタイヤへの問題を軽減、入力が優しくロングランにも貢献し、この頃に「タイヤを保たせる術」を会得したペレスは今日の走りにも活きてきます。
ザウバーF1といえば、歴代青系か黒系のカラーリングを繰り返しています。この時代は黒と白のツートンカラーにメキシコ企業のスポンサーが増え始めています。ご存知の通りペレスがもたらした資金が多く反映されています。パトロンがいるとやはりシート獲得に有利に働きますね。

《エンジン》
フェラーリTipo056
V型8気筒・バンク角90度
排気量:2,398cc(推定)
最高回転数:18,000rpm(制限)
最大馬力: - 馬力(非公開)
《シャシー》
全長:5,195mm
全幅:1,800mm
全高:1,000mm
最低車体重量:640kg(ドライバー含む)
燃料タンク容量: - ℓ
ブレーキキャリパー:ブレンボ
ブレーキディスク・パッド:ブレンボ
ホイール:O・Z
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プルロッド
タイヤ:ピレリ

《ドライバー》
No.14 小林可夢偉          (全戦)
No.15 セルジオ・ペレス(全戦)

《戦績》
126ポイント コンストラクター6位
(2位2回、3位2回、4位1回、5位1回ほか)
ポールポジション0回

小林可夢偉とペレスによるコンビ2年目です。表彰台登壇は4回で、その内訳は小林が第15戦日本GPでの3位1回、ペレスの第2戦マレーシアGPと第13戦イタリアGPでの2位と第7戦カナダGPでの3位となっています。コンストラクターズランキングは2001年のN・ハイドフェルドとK・ライコネンのコンビによるC20での4位がザウバーの歴代最高位でした。ただ表彰台はハイドフェルドの3位1回に止まるため、この2012年の方が内容としてもインパクトも優れていたように感じます。
開幕戦オーストラリアGPは予選で小林が13番手、ペレスが17番手(ギヤボックス交換ペナルティにより22番手スタート)に沈むも、決勝ではチーム内接触がありつつ両者入賞を獲得。第2戦マレーシアGPでペレスは予選10番手からチーム最高位となる2位表彰台、第3戦中国GPでは小林がチーム初のファステストラップを獲得するなど、トップチームに引けをとらない走りを披露してくれます。その後ペレスは先述の通りカナダ、イタリアと登壇する活躍をみせ、日本GPを前にフェラーリとの関係を断ち、マクラーレンからオファーを受けて移籍にこぎつけました。結果で一歩劣る小林は、去年振り返ったようにその地元予選4番手(マクラーレンのバトンのギヤボックス交換ペナルティにより3番手スタート)からヘヤピンでの連続パッシングとバトンの猛追を振り切って3位表彰台を獲得、悔しさを走りでカバーしています。
シーズン終盤は小林が2回入賞を果たすもトップチームへの移籍が決まったペレスが全くポイントを稼げず「腑抜け」になってしまいました。さらにチームは2013年に小林と契約更新するためには「ペレスからもたらされた資金を調達することが条件」とされ断念、F1浪人を強いられたのは記憶に新しい出来事だと思います。
F1を離れた小林は今も現役で世界の舞台で戦う日本のトップドライバーの1人です。アジア人でみても上位にくる活躍をもってしても、F1のシートにおさまることができず、片や当時のチームメイトの2人は現在もF1に籍を置けているというのが実情です。いかに現代のF1はドライバーの腕もさることながら「お金とタイミング」が重要であるかを知らしめてくれています。

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前回のフェラーリF10と同様に、他にはない美と工夫を凝らすも、こちらもやっぱり「上昇気流に乗ったレッドブル」の影に隠れてしまった一つである2012年型「マクラーレンMP4-27」をみていきます。戦績だけでみれば、普段のチャンピオンクラスのマシンといえると思います。

《設計》
パディ・ロウ
ティム・ゴス

《外見》
設計は後に常勝チームとなるメルセデス、そして現在はウィリアムズでテクニカルオフィサーの座に就くパディ・ロウが携わりました。
この時代のマシンは一貫して「ノーズに段差があってダサい」シルエットになりましたよね。強いレッドブルも名門フェラーリも例外ではありませんでした。しかし、マクラーレンは違う!
ノーズに段差がある「ステップドノーズ」ではありません。美しいではありませんか!この年以外もマクラーレンにはあの滑稽で醜い段差は一貫して設けないでレギュレーションやクラッシュテストをクリアしています。それはマシン転倒時の安全上「ノーズ先端の高さは車体底部から550mm、モノコック前段の高さは625mm」というレギュレーションに対して、ベース車となっている前年のMP4-26時代からモノコック自体が低く設定されていたため、急激な変更も要しませんでした。
序盤のノーズは緩やかに下方に垂れた形状、
改良型は前方に薄く伸びた形状となっています。カラーリングからして、メタリックアヒル、いや薄い刃物のよう。

またこの年から「エキゾースト・ブローイング(ブロウン・ディフューザー)禁止」に伴い、マクラーレンは新たに「コアンダ・エキゾースト」なるものを開発してきました。コアンダ現象とは「流体(空気)が壁(車体)の曲線などに沿う」動きをすることで、航空機で用いる物理現象の一つです。例えば容器から水をこぼす時に真下にこぼれず、容器に沿い伝って少し流れちゃうアレです。高速、高圧のエキゾーストをエンジンカバーのカーブに伝せて、それを一定の方向を狙うことでトラクション向上を期待します。マクラーレンはサイドポンツーン後方の絞りの中腹にコブを設け、溝から排出しています。メタリックな質感も助けになってかディテールが「航空機にある便器」を連想します。
カラーリングはマクラーレンお決まりのピカピカのシルバーメッキに赤のボーダフォン。ラインナップでひときわ目立つこの色も2006年から7年目ともなるとだいぶ見慣れてきました。
《エンジン》
メルセデス・ベンツFO108Z
V型8気筒・バンク角90度
排気量:2,398cc(推定)
最高回転数:18,000rpm(制限)
最大馬力: - 馬力(非公開)
スパークプラグ:NGK
燃料・潤滑油:モービル

《シャシー》
全長: - mm
全幅: - mm
全高: - mm
最低車体重量:640kg(ドライバー含む)
燃料タンク容量: - ℓ
ブレーキキャリパー:曙ブレーキ
ホイール:エンケイ
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プルロッド
タイヤ:ピレリ

《ドライバー》
No.3 ジェンソン・バトン(全戦)
No.4 ルイス・ハミルトン(全戦)
《戦績》
378ポイント コンストラクター3位
(1位7回、2位3回、3位3回、4位3回ほか)
ポールポジション8回

ドライバーは2008年チャンピオンのハミルトンと翌2009年チャンピオンのバトンの2人で臨む3年目となります。チャンピオン獲得から少し間がありますが、以降はベッテルが2回連続で獲得していることもあって、ベッテルに次ぐ新しめのチャンピオン2人ではあります。このマシンだけでなく、前年の2011年もMP4-26で全19戦中6勝してもバトンが大きく離された2位、コンステラクターも大敗の2位。2人をもってしても、ベッテル&レッドブル&ニューウェイには敵わない、厚く重厚な壁でした。
2011年シーズンの弱点であった予選はだいぶ改善されました。ハミルトンが開幕から2戦連続で獲得し、序盤はバトンの開幕戦優勝とハミルトンも表彰台を堅持しています。ところが第5戦スペインGPでのハミルトンの「ポール除外」あたりから急激に調子を崩し、ハミルトンは入賞圏内フィニッシュするも、バトンは入賞に程遠い順位が続きました。
改良を施した中盤の第10戦ドイツGPでバトンが久々の2位表彰台を皮切りに第11戦ハンガリーGPがハミルトン、第12戦ベルギーGPはバトン、第13戦イタリアGPでハミルトンが優勝し、第14戦シンガポールはバトンが2位と4戦連続となるポールポジション獲得で息を吹き返しましたと思われました。しかし時既に遅し、終盤の2戦で優勝を飾るも、序盤の足踏みと中盤の追い上げはチームメイトどちらか一方に起きるという大量得点には及ばず、チャンピオンチームのレッドブルと同数となる7勝、また表彰台数13で上回るもフェラーリに抜かれたコンストラクター3位で終えてしまいました。

全20戦で優勝者8人、チャンピオン経験者6人を揃えて混戦したシーズンをバックマーカーの処理やピットでのもたつきなど「あと一歩の詰めの甘さ」で失ったマクラーレンとこのマシン。普段ならチャンピオンクラスの内容でも「切れ味」という意味では山あり谷ありで歴代のマクラーレンのチャンピオンマシンには及びませんでした。徐々にチームへの不満を露わにしたハミルトンはこの年を最後に初めてチームを移籍し、熟成し始めたメルセデスに上手く鞍替え。チャンピオン2人体制に終止符を打つ形で若手のペレスやマグヌッセンを起用する流れに移行することとなります。なお、名門マクラーレンとして優勝は現在に至るまでこのマシンによる最終戦ブラジルGPが最後、間も無く5年経とうとしています。

皆さんはお盆休み満喫できましたか?!とうとうmiyabikunの夏休みも今日で終わり。計画していた愛知まで900km日帰り弾丸ドライブもやらず終いで近所のスーパー銭湯に行けたくらい。F1より先に仕事始めだトホホ。
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早くも今シーズン第2戦は最初で最期の「奇跡の優勝」となった2012年スペインGPです。かなり最近なのに、その後「メルセデスフィーバー」があるためか、こんな事があったのを忘れてしまいます。ので思い出します。F1でこんな顔いましたっけ?!この顔だとなかなかイケメンにも見える。

フェラーリで第2戦マレーシアGPを制したアロンソの地元スペイン。第4戦まで終えて優勝者は4人と禁止されたエキゾースト・ブローイングの影響がモロに出たのか「レッドブル主役」ではないこの時期に地元からチャンピオン争いにどう繋いでいけるかが見どころです。

Q1はまだ優勝のないマクラーレンのハミルトンがトップ。しかしQ2になるとアロンソでもベッテルでもなく「マシン名はだけは一流」の第2期ウィリアムズ・ルノーをドライブするマルドナドが頭角を表します。えーい、そうならばとハミルトンの策は「軽々タンク」アタックでした。確かにQ3で再びトップに立ったのはハミルトン。しかし予選後はパルクフェルメで燃料計測を行うルールがありながらも、インラップで停止しマシンを戻す事が出来なかった事で予選終了4時間後に結果除外。ポールポジションはQ3で2番手を獲得したマルドナドが勢いをそのままに獲得しています。この予想だにしないクラッシャーのポール獲得でこの決勝も何かがあるかもしれない。


《予選結果》
      L・ハミルトン(マクラーレン・M)※
   1 P・マルドナド(ウィリアムズ・R)
   2 F・アロンソ(フェラーリ・F)
   3 R・グロージャン(ロータス・R)
      ※予選結果除外、最後尾24番手スタート
ハミルトンは24位で何とか出走許可。ハミルトンがこの位置って珍しいですよね。それにしてもこの顔ぶれ、名前を消してF1知らん人に見せたら「国際◯◯◯◯」のリストと間違えたりしないかな?(笑)ラスト2人が特にアヤしい。。


ハミルトンは後ろ。ちゃんとポールポジションになってますよ、大丈夫!マルドナドも◯◯◯◯に見えないこともないが。。ポールが取れても、F1はスタートが肝心!
初のポールでやや焦ったかマルドナド。よたよたスタートして地元のチャンピオンをインに追いやれど、、あーやっぱりそうなるわな。隣はアロンソですよ、あのマルドナドとはいえビビります。
クラッシャー友達で3番手に繰り上がったグロージャンもチャンピオン経験者のライコネンにスタートで諭されてしまいます。この時のグロージャンは暴れん坊だけど、今より好位置にはつけていました。このままハースでいいのかなぁ。。

ひと通り1回目ピットを終えた12周目に18年振りの組み合わせを再現したウィリアムズ・ルノーを駆るA・セナ改めB・セナはグロージャンとクラッシャー。グロージャンのフロントウィング翼端板が吹き飛んでいます。
その直後に復帰したシューマッハがまたセナと18年振りに1コーナーで絡む。
首を振りお得意のステアリングを投げて怒っていますが、オカマした方がシューマッハで次戦にペナルティが下りました。18年前とでは目と手と足の反応に差があるのかもしれないなと再認識させられる接触でした。両者終了。

差は縮まりつつトップがアロンソ、2位がマルドナドと変わらないまま24周目にマルドナドから2回目のピットを行います。もしやコヤツ、、
アロンソは2周遅れで反応してピットに。トラックに復帰すると、まだ2回目ピットしていないライコネンを先頭に3位に陥落。ということはマルドナドが前に!先に動いたマルドナドがファステストラップを築きアンダーカット成功です。やるじゃないか!

タイヤに優しいがウリのロータスのライコネンは完全にマルドナドの行く手を阻み始めました。最後まではもたないだろうにペースがイマイチにもかかわらず粘ります。結果マルドナドの背後にファステストラップで追うアロンソの影が。負けるな、マケルナド!
ノロノロのライコネン、猛攻のアロンソの2人のチャンピオンから賢く勝ち抜いたマルドナドが記念すべき初優勝!

《決勝結果》
1 P・マルドナド(ウィリアムズ・R)
2 F・アロンソ(フェラーリ・F)
3 K・ライコネン(ロータス・R)


2016年シーズンもチャンピオンに挟まれた「最年少」初優勝がありました。この時はチャンピオン2人に肩車です。何とも豪華な演出!クラッシャー、そして国をあげての潤沢な資金のドライバーという印象しかないですが、立派なF1優勝経験者の1人になりました。
残念ながら支援が減り、F1シート喪失を余儀なくされたマルドナド。今頃いたらグロージャンやペレスなどのブラザーのように丸みを帯びたドライビングができていたのでしょうか?!今シーズンも初優勝者が現れることに大いに期待したいですね!

この直後にマルドナドはF1史に残す伝説を残しています。
優勝パーティでボヤ騒ぎ、、、(笑)
ガレージなのかモーターホームか忘れてしまいましたが、ウィリアムズにとっても久々の勝利、嬉しいので盛り上がっちゃったんでしょうね。そして現在においてこれが今のところの名門ウィリアムズ最終優勝となっています。
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