F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:2001年

今週末GP開催が予定されていた第6戦エミリア・ロマーニャGPですが、既に報道のあった通り、ロマーニャ地方の洪水により急遽開催中止が決定しました。うーん、残念。。ただこればかりは仕方がない事。以前ドタキャンされたオーストラリアGP中止に比べれば、早い判断だったのではないかなと思います。さて週末はどうしよう。。被害に遭われた方々へのお見舞い申し上げるとともに、レースがある体で準備していた「仮想エミリア・ロマーニャGP開催」といきましょうか。今回振り返るのは2001年第4戦に行われたサンマリノGPです。
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今から22年前にあたる2001年は現在も絶賛活躍中のアロンソのデビューイヤーにあたります。したがって、このレースを生で知るドライバーはアロンソただ一人というわけです。あっという間の22年と言うべきか、未だにしぶとく頑張るアロンソ様のすごさと言うべきか。前年2000年に久々のチャンピオンを獲得したフェラーリのM・シューマッハをはじめ、三連覇を阻止されたマクラーレンのハッキネンや好成績を重ねつつもなかなかエースの存在に埋もれがちなバリチェロとクルサードといったベテラン勢。一方でそのベテラン勢に食ってかかる若手のバトンやモントーヤ、ライコネン、アロンソらが続くという、いわば「世代交代」のタイミングが徐々に予感される時代に入っていきます。
ここまでの3戦の戦績は2年連続4回目のチャンピオン獲得を目指すM・シューマッハが開幕戦、第2戦を制してランキングトップの26ポイント。2位は前戦第3戦ブラジルGPで優勝したマクラーレンのクルサードが20ポイントとなっています。以下、3位がフェラーリのバリチェロ、4位はザウバーのハイドフェルドが続いており、チャンピオンから陥落したハッキネンは同郷の新人ライコネンと同率の6位1回の1ポイントしか稼げていません。まだシーズン序盤とはいえ、当時の入賞は6位まで、優勝はたったの10ポイントしか付与されませんので、宿敵M・シューマッハの背中は早くも遠退いてしまっています。

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予選はクルサードが絶好調!ハッキネンの暫定トップタイムを0.327秒上回ってトップへ。
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方やM・シューマッハはハッキネンを上回ることができず3番手。前年2000年第14戦イタリアGPから続いた連続ポールポジションは7戦でストップ。最終的にウィリアムズのR・シューマッハにも先行を許し4番手で予選を終えます。
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イモラサーキットの正式名称は「エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ」です。GPはサンマリノでもモンツァよりこちらがお膝元。この後反省会か。。
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何じゃこのサングラス。ポールポジションはサングラスのお陰だって?!
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ハッキネン引いとるやないか。クルサードもそろそろハッキネンに勝ちたいよね。2番手やるためにF1に乗っているわけじゃない。負けん気は重要!それにしても、クルサードはいつにも増して四角いなぁ。
ほか日本勢はジョーダン・ホンダのトゥルーリが5番手、フレンツェンが9番手。BAR・ホンダのパニスがフレンツェンの前となる8番手、貴重なチャンピオン経験者ヴィルヌーブが新人ライコネンの一つ後ろ11番手となっています。また、ミナルディからデビューとなった新人アロンソはアロウズのフェルスタッペンの後ろ18番手。フェルスタッペンといっても、マックスではありませんよ、パパのヨスの方ね。

《予選結果》
P.P. D・クルサード
  (マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
 2 M・ハッキネン
  (マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
 3 R・シューマッハ
  (ウィリアムズ・BMW ミシュラン)

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決勝のスタートではイキり立つクルサードが痛恨のホイールスピン。
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そして2番手ハッキネンのスタートよりも奇数側3番手のR・シューマッハの方がいい。
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タンブレロ進入前にR・シューマッハが一気にトップに躍り出る。R・シューマッハと同様に奇数列5番スタートのトゥルーリも好スタートを決め、ハッキネンの前に立っています。

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予選に続いて、決勝でもM・シューマッハの様子がどうもおかしい。ストレートで易々とウィリアムズのモントーヤにかわされてしまっています。
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ここはチームのホームGPであり、戦闘力の無いエースに付き合う必要は無い。エースに代わってバリチェロが前方のライバルの討伐に向かいます。
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スタートで2台にやられて4位を走るハッキネンもトゥルーリ相手に苦戦中。トゥルーリにとってはここが自身のホームGP。地元のファンの期待にも応えたい。

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下位ではあるマシンがシケインの縁石をカット。
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コントロールを失い、そのままタイヤバリヤにぐしゃり。参戦4戦目、ミナルディのアロンソは5周でリタイヤ。この右、左と振るヴァリアンテ・アルタは過去にも多くのリタイヤを呼んだなかなか難しいシケインです。昨年2022年のルクレールもやらかしましたよね。侮るなかれ。
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同じく参戦4戦目で正式なスーパーライセンスの発給が許されたザウバーのライコネンも、17周目にステアリングの不調からコンクリートウォールにノーズを潰す形でリタイヤ。頑張れ、両新人!腐らず続けていれば、将来きっといいことあるから。

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バリチェロに前を譲り、マイペースでレースを続けるM・シューマッハですが、左フロントタイヤのスローパンクに見舞われています。
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23周目にピットに呼び込まれ、ひとまず戦列復帰を果たすものの
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やっぱりダメ。終始運に見放されたティフォシ期待の星は25周を待たずマシンを降りる。

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上位グループ1回目のピットインが始まります。3位を走るトゥルーリは24周目、
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暫定4位浮上のモントーヤは27周目にトゥルーリに対するカバーに入ります。
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見かけ上はモントーヤが前でも、本線を走るトゥルーリの方が速度が高いため、実質的にトゥルーリが前か。
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ただしモントーヤは諦めない。タイヤを履き替えたばかりなのにも関わらず、タンブレロをアウターレーンから攻めて、トゥルーリを討伐。
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モントーヤは年齢的に少し上にはなりますが、アロンソやライコネンと同期のF1参戦4戦目。さすがアメリカを制してきた猛者です。

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29周目に暫定3位のハッキネンがピットへ。M・シューマッハが落としたレースでポイントを積み重ねておきたいところ。
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続いて32周目に今日はチームやティフォシの注目を一手に預かるバリチェロがピットイン。目下のライバルはハッキネン。
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ハッキネンの前で復帰してオーバーカット成立で表彰台登壇を死守。

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先程はトゥルーリとのバトルをみせてくれたモントーヤのマシンも不調をきたしています。
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残念ながら1年生モントーヤも戦線離脱。まあモントーヤの場合は1年生というよりかは「F1編入生」の方が正しいか。いずれにしても戦闘力の高い若手である証明はできています。

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チームメイトのリタイヤに落ち込んでいる暇はありません。今日のレースの主役はシューマッハはシューマッハでも弟の方、ラルフです。スタートダッシュから注目されることも無く危なげない逃げ切り。
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F1参戦5年目、70戦目での初優勝。

《決勝結果》
 1 R・シューマッハ
  (ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
 2 D・クルサード
  (マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
 3 R・バリチェロ
  (フェラーリ ブリヂストン)

これはR・シューマッハの単なる初優勝だけではなく、低迷続くウィリアムズにとって1997年第15戦ルクセンブルクGPのヴィルヌーブ以来3年半振りの優勝。前年2000年からウィリアムズにエンジンを供給したBMWは1985年第7戦フランスGPでブラバムをドライブしたピケ以来16年振りの優勝。さらにこのシーズンから復帰したミシュランにとっても久々の優勝と、多方からメモリアルなものとなりました。
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RS「兄ちゃん、やったよ!やったっんだってば!」
MS「おめでとう。ただ、勝ち方としては実に地味だ」

兄が優秀過ぎて、インパクトが強過ぎて、F1に昇格した1997年は「所詮はシューマッハの弟」やら「シート獲得は兄貴のコネ」だの色々言われたことでしょう。ここにきてようやく結果を残し、立派なF1ウィナーの仲間入りを果たしました。
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珍しく堅い表情が緩むフランク。ルノーを失い、戦闘力を失ったウィリアムズはBMWのエンジンを得て、再び戦闘力をみせつつあります。マクラーレンが勢力を弱めつつある中、フェラーリを打破できる最有力の存在になるかもしれません。
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初優勝を悪く言う者は居ません。完敗だっだと、ロン・デニスの表情も穏やか。

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RS「とうとうやったよ、兄ちゃん」

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今回の過去のレースは2001年第16戦にインディアナポリスで行われたアメリカGPです。決勝レース日は9/30だったわけですが、この年の9/11に世界を震撼させた「同時多発テロ」が起きた直後で、アメリカはおろか全世界的にもお祭り騒ぎがし難い状況下にありました。
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特にアメリカでは大人数を集めるイベントは自粛する中、F1は予定通り敢行。チームやドライバーからも犯人の思惑に乗らず、むしろ国を奮い立たせる発言や行動が採られました。
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ジョーダンから参戦していたアレジはこのレースで決勝出走200戦目を達成。マシンにはそれを祝う「200」の数字と星条旗が掲げられています。

2001年はこのアメリカGPを含め残り2戦。第13戦ハンガリーGPの段階でフェラーリのM・シューマッハが2年連続4回目のチャンピオンを獲得。次なる目標はドライバーズランキング2位以下の確定に絞られていきます。
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予選はM・シューマッハがポールを獲得し、2番手にはマクラーレンのハッキネンが続きますが、そのハッキネンが翌日曜の決勝レース前のトラックインでピットの信号無視を冒し、最速タイムの除外、決勝スタートは急遽4番グリットに降格するという珍事が起きています。そのため、3番手につけたウィリアムズのR・シューマッハ、4番手のモントーヤが1グリッド繰り上がっています。

《予選結果》
 1 M・シューマッハ
 (フェラーリ ブリヂストン)
 4 M・ハッキネン
 (マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
 2 R・シューマッハ
 (ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
 3 J・P・モントーヤ
 (ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
 ※試験的に以前のものから表記を変えています

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スタートは3番グリッドのモントーヤがよく、ターン1の進入でアウトからM・シューマッハを捕らえにいきます。
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しかし4回チャンピオンは動じず、トップをしっかり守り抜く。
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さらに活きがよかったのは5番スタートのバリチェロでした。2周目に入ったところでモントーヤのスリップストリームに入り、
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ターン1のアウトからパス。早くもフェラーリのワンツー体制が成立します。
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チャンピオンが獲れたらあとはどうでもいいM・シューマッハはバリチェロのランキング2位獲得を優先し、5周目に道を譲る。「世界最強の動く壁」の完成。

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27周目にトップのバリチェロが1回目のピットに入ると、またもやM・シューマッハとモントーヤのバトルが始まります。貫禄たっぷりのモントーヤはこれでもF1でまだ1年目。日はめちゃ浅いけどキャリアと威勢がいいスタイル、この2人の絡みは面白かったですよね。
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バンクってモンはなあ、
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こうやって走るんだよ。
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兄さんよう!
モントーヤはこのインディアナポリスでインディ500の覇者です。バンク使いはM・シューマッハよりベテランか。

こんな話をしていると、もう1人のシューマッハはタイヤの接続不良で順位を落としてからペースがどうもイマイチ。
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36周目にテールを滑らせてジ・エンド。兄さんを超えられる日は果たして来るのかどうか。
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そして威勢のよかったモントーヤは本人より先に38周目にマシンの方が息絶えてしまい、これにてウィリアムズ過激団も閉幕。

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こうなれば前年2000年に三連覇を逃し、このシーズンは完全に脇役だったハッキネンが静かに台頭してきます。ハッキネンは46周目まで引っ張る1回ピット戦略を選び、これを済ませばチェッカーフラッグまでノンストップで行くつもり。
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M・シューマッハはインフィールドセクションを終えて、これからバンクセクションに入ります。
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ハッキネン間に合うか?!
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M・シューマッハが来たー!さあどっち?!
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ハッキネンが前でオーバーカット成功。

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あとは50周目に2回ピットを行うバリチェロがどのタイミングで戻れるか。
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心強い相方ね、実はさっきオーバーカットを食らって抜かれてしまったから、君に護衛はいないのよ。
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2回ストップより、1回ストップが勝ち。ハッキネンが正真正銘のトップに立ちます。

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トップを獲られたこと、バリチェロよりマシンが先に憂いたか、リヤから白煙がチラホラ。こうなっては攻めることはできないと、先程とは逆に攻守交代でM・シューマッハに道を譲り、
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バリチェロのターゲットはハッキネンから4位走行のクルサードに変わる。色々お膳立てしても、エースはエースと、セカンドはセカンドとか。
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残り2周にバリチェロのエンジンも白旗。トップから2周遅れとなる15位完走扱いでフィニッシュとなりました。
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「どうしていつもこうなるんだ。。うーっ」

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予選は2番手、グリッドは4番手、決勝で1位といつもは先行逃げ切りパターンの目立ったハッキネンがこのシーズン2勝目、通算20勝目を挙げました。

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《決勝結果》
 1 M・ハッキネン
 (マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
 2 M・シューマッハ
 (フェラーリ ブリヂストン)
 3 D・クルサード
 (マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)

前年までの3年間はずっとチャンピオン争いを演じ、勝つことが当たり前になっていたハッキネン。この年は珍しくポールポジションも届かず、表彰台登壇も厳しくなってきて精神的にも疲れたり傷付いたこともあったでしょう。前戦イタリアGPで休養宣言したことにより、心の中は軽く、穏やかになれたのかもしれません。この優勝がハッキネンにとってのF1での最終優勝であり、次戦日本GP終了以降、休養から再びF1の舞台に戻ることはありませんでした。「休養」としたのは我々ファンの気持ちを思ってのハッキネンなりの優しい表現だったのかもしれませんね。

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ハッキネンの笑顔がいつもより輝き、嬉しそうにみえます。
今シーズンはベッテルが引退を決め、近い将来はハミルトン、そして現在ノリにノッているフェルスタッペンもいつかはこの時が訪れます。先日逝去したアントニオ猪木の病床での「最後の言葉」にもありましたが、ファンとしては「まだまだやれるよ、走ってほしい」という気持ちとともに、ドライバーを考えて「もう辞めていいんだよ。ありがとう、お疲れ様」という感謝の気持ちで優しく送り出すことも必要なのかもしれません。

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問題です。額にニキビを蓄えたこの金髪の青年は誰だ?!20年近く前のドライバーです。結構前になりますが、今F1を観ている方なら絶対知っているはず。IMG_3681
正解はライコネンです。当時21歳ですので、年齢的に今のルクレールやM・フェルスタッペンのちょい下、ストロールやラッセルに相当します。最近メディアでちらほら見かけるようになった息子のロビン君もだいぶ似てきて可愛いでしょう?!今でこそ最年長の脱力系おっちゃんとしてでんと構えて人気を博していますが、この頃はようやく正式なスーパーライセンスが発給されたばかり。研修期間をようやく脱するタイミングでした。デビュー戦でいきなり6位完走を果たすなど、チームメイトでこちらも若手有望株の一人であるハイドフェルドもこの一年生を高評価しています。IMG_3682
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まさか翌年に大飛躍を遂げて、別々の系譜を辿ることは、この時点で予想もしていなかったでしょう(笑)
前段が長くなりましたが、今回は2001年第6戦にA1リンク(現 レッドブルリンク)で行われたオーストリアGPを振り返ります。
今まで色んな時代やサーキットを取り扱ってきた「過去のレース」ですが、2001年シーズンもオーストリアGPもこれがまだ3回目なんですよね。オーストリアGPは大好きだからもっとやっているという錯覚がありました。2001年シーズンは、まあ、、まあまあまあ(笑)これまでの5戦はというと、前年に久々のチャンピオンに返り咲いたフェラーリのM・シューマッハが3勝してランキングトップの36ポイントで快走中。一方ライバルでマクラーレンのハッキネンは4位1回6位1回のたった4ポイント。そりゃF1辞めたくもなるわなあ。代わってチームメイトのクルサードが26ポイントで追っています。

予選は近年ココを得意としてきたマクラーレン絶不調。クルサード7番手、ハッキネンは8番手に沈みます。ポールポジションはウィリアムズ2台を僅差で退けたM・シューマッハが獲得しています。流れは完全にディフェンディングチャンピオン達成に向いています。「一年目のベテラン」モントーヤはシューマッハ兄弟に挟まれて、ちょっとやり辛そう。IMG_3685
《予選結果》
 1 M・シューマッハ (フェラーリ・F・BS)
 2 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)
 3 R・シューマッハ (ウィリアムズ・B・MI)
 ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン
   BはBMW

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スタートはポールのM・シューマッハが出遅れ、ウィリアムズがワンツーでターン1「カストロール・エッジ」に進入してきました。これは面白い!IMG_3691
しかし毎年何らかの接触やオーバーランで荒れるスタート以前に、まさかの「スタート出来ず」のドライバーが4人もいました。黄色のジョーダン2台、ザウバーのハイドフェルド、そして
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何とハッキネン!一見集団の中を走行しているようにも見えますが、これは微動だにせず1周遅れになる様子。チームクルーが近付けず放置されています。1ミリも動かない0周リタイヤ。この年は「トラクションコントロール」が久々に搭載可能になったシーズンですが、正常に機能する者しない者、また使用するのをためらう者がいるなど、全員がイコールコンディションとは言えない時期でもありました。ヨーロッパラウンド序盤でこんなトラブルが出てしまうと、完全にシーズンの勝機を失ってしまいますね。やっぱりオーストリアの1周目は何かがあります。

「悪い荒れ」ばかりでなく「いい荒れ」もありました。予選は16番手となったアロウズのJ・フェルスタッペンは1周目に7位まで急浮上!4周目には緑のジャガーを駆るアーバインをレムズで捕らえる。IMG_3696
さらに翌周5周目は格上のクルサードにも襲いかかって、同様にレムズでパッシング。IMG_3698
まさに「オレンジ爆弾」20年近く後の昨年は息子がココで快進撃をみせていましたね。さすが親子、似ています。

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トップを快走するモントーヤに2位のR・シューマッハがついていけず、フェラーリ2台とフェルスタッペンに詰められています。これはいつもの「兄への忖度」かななんて思ったりもしますが、どうやら今回は様子が違う。
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ブレーキの不調を訴えています。チームは問題ない旨を回答。ところが10周目に曲がり切れず戦線離脱。フェラーリ2台に併せてフェルスタッペンもその隙に前に。IMG_3704
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無線で皮肉たっぷり。怒り冷めやらぬマシンを降ります。ドライバーのフィーリングをもっと尊重してあげたいですね。

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続いてモントーヤもペースダウンし始め、またもやフェラーリ2台とフェルスタッペンがオマケで迫っています。赤系カラーリングが三位一体で「猛獣狩り」か。IMG_3711
左からでも、
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右からでも、どちらからでもイケるけど?!と言わんばかりのあおりです。これをリアルに路上でやられたら怖いですね。皆さんダメですよ、このご時世こんなあおり方したら。撮られて晒されて、しっかりと厳罰が下りますからね(笑)やっていいのはサーキットだけ!IMG_3714
普通の新人ならビビってしまうところですが、この新人はそこらの単なる新人ではありません。面の皮が違います、頑として譲りません。しかし16周目、ドライバー以上にマシンが限界でした。
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レムズで曲がり切れずオーバーラン、それも外側を陣取っていた2位のM・シューマッハも道連れに。
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代わってトップに立ったのはフェラーリのバリチェロ、フェルスタッペンもごっつぁんの2位に浮上。あおりを食らった形となったM・シューマッハはIMG_3718
クルサード、ライコネン、BARのパニスにまでかわされ6位に陥落してしまいました。
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ここからM・シューマッハが本領を発揮します。25周目にパニス、28周目にライコネンをかわして3位に復帰。あと前を走るのは2位のクルサードとトップのバリチェロを残すのみ。

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47周目にバリチェロが最初で最後のピットインを終え、暫定のトップとなったクルサードは50周目までピットを引っ張りました。
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バリチェロはトップ奪還できるか?!IMG_3731
一歩足らずでクルサードがトップを守りました。ことごとくライバルに翻弄され続けるフェラーリ。
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これはイカン、どうにかせねば!そこでチームは考えました。2位バリチェロにこの後無線で実に生々しい「指示」が下ります。
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最終ラップの最終コーナーでM・シューマッハと順位入れ替えのフォーメーション指示です。果たして素直に指示を受け入れるかどうか?!IMG_3740

《決勝結果》
 1 D・クルサード (マクラーレン・M・BS)
 2 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
 3 R・バリチェロ (フェラーリ・F・BS)

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バリチェロはストレートで速度を緩め、甘んじて指示を受け入れました。個人ではスポーツとして相応しい裁定でないにしても、チームとしては有益という判断。これが約束、契約です。
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チーム関係者のみならず、我々ファンも重々承知しています。バリチェロはこれから先もフェラーリをドライブする以上、厳しく酷ではありますがこれから先もついて回ることになります。続く。。IMG_3749

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ちなみに優勝はクルサード、今では想像もつかない手を振り喜びを表現するライコネンは自身最高位更新の4位、そして「金魚のフン」的に一躍目立ったフェルスタッペンはギリギリ6位入賞でフィニッシュとなりました。ラストが衝撃的過ぎて、危うく報告を忘れるところでした(笑)

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今回のこちらも実はご無沙汰でした「F1関連CM」です。以前にプレイステーション時代の「FORMULA 1 ‘97」を取り扱いました。今回は時代は進みプレイステーション2で初めて収録された「FORMULA ONE 2001」です。
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小学生の頃はテレビゲーム=ファミリーコンピューターとして育ったmiyabikunとしては、高校生の頃になりソニーのプレイステーションが発売された頃はその綺麗さに大変驚き、憧れたのを思い出します。頭の中は勉強そっちのけで車漬けな高校生miyabikunは金を貯め苦労して「グランツーリスモ」を入手。ただしゲーム機の進化は待ってくれず、早くも成人式を迎えた2000年には次世代機プレイステーション2が発売。今回のこのシリーズからF1もプレイステーション2に移植されました。せっかく金を貯めて買ったのに、もう新しいハード機だもんな。大人って、やり方がキタナい!(笑)
前回紹介の’97と同様にこちらもF1公式ライセンスを取得しており、たばこ広告を除いたマシンカラーリングをはじめ、ドライバーの名前やサーキットも全て実在するものが収録されています。今のようにスマートフォンで自由にF1を走らせられる時代ではありませんでしたし、他のレーシングゲームにあったような「F1っぽいマシンにどこかありそうでなさそうなサーキット」でない、全て実在する本物であることがプレイする喜びであり、F1をより身近に感じられるゲームでした。

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グラフィックはだいぶ滑らかに、音もリアルになりました。このCMは日本GP中に放映されていたもののようで、実況や文字情報にも工夫が施されています。
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「日本GPの途中ですが、引き続き日本GPをお楽しみ下さい」
F1を意図して観ている視聴者ならば、言っている意味はわかりますが、何となくテレビを映していた人だと、何のこと言っているか一瞬わかりませんよね(笑)実況は当時のF1といえばフジテレビの三宅正治アナです。CMには出てきませんが、前作と同じく今宮純の合いの手も入っています。飽きてくると逆走したりしてね、「あらららら」なんて今宮さんを困らせるのを楽しみました。F1の声は今宮サウンド込みで完成します。今宮さん、今まで沢山からかってごめんなさい。

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本当にリアルですね。今の若い子はもっと綺麗なグラフィックやサウンドに慣れてしまって、こんなのじゃ感動しないんだろうな。これ20年前よ、当時は本当にすごかったんだからね?!
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このリヤビューは今でもオンボードカメラで確認できますよね。

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ここでベネトンのフィジケラがピットイン。と同時に実況の三宅アナもピットイン。
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そうですよね、出場しているドライバーやスタッフは当然ながら、実況や解説している方たちもレース中に「ピット」に行きたくなることもあるでしょう。実はmiyabikunのF1観戦は「放送より30分ほど遅らせた、録画追いかけ」で行っています。そうすれば、ここぞというシーンで一時停止できたり、体調不良時の「緊急ピット」にも対応できるからです。
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さあ三宅アナのピット時間は何秒だ?!ロリポップが丸くなくカクカクしていたり、ジャッキマンが撫で肩で頼りなさそうに見えるのはご愛敬ということで。。
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おお、12秒3か。なかなかな好タイムです。でもそんな短時間でピット終えられるもの?!いくら「小」の方でもコクピットに戻るまでに30秒くらいかからないかな。ピットの中に「ピット」がない限り、こんな早く復帰できるとは思えないんだけど?!まあいいか(笑)

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アングルはトップを捉えています。マシンからも左上の文字情報からもどのドライバーかは明瞭なのですが、CM内の実況は「例のチームの例の男が、例のエンジン、、」と言ってごまかしています。何でCMで言えないんだろう。他のスポンサーへの配慮でしょうか。
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2番手はこの黄色いジョーダンです。いきなりコースアウトして、グリーンでバタつく挙動までもなかなかのリアルさです。
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このシリーズから、コントローラーだけでなく「GT FORCE」なるステアリングでプレイできるようになったのも特徴です。結局一度もそれでプレイすることはありませんでした。もう大人を通り越しておっちゃんの領域に入りつつあるけど、今更ながらデビューしちゃおうかな(笑)
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最近はゲーム機でなくスマートフォンのゲームで気軽に済ませてしまっていますが、久々にちゃんとしたテレビ画面でゲームがやってみたくなりました。
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https://youtu.be/ZE0-1EPsOOQ

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レーシングスーツ着て浮き輪にビーチボールとラケット?!クルサードをはじめ色んな人に囲まれていじられているハッキネンはこのレースをもってF1活動を休止します。2001年最終戦の日本GPです。
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この時代に熾烈なバトルを繰り広げた長年のライバルもどこか寂しそう。このシーズンは第13戦ベルギーGPでチャンピオンを決めており、以降もハッキネンが離れて無敵になると思えば気は楽ですが、スポーツは対等なライバル関係があるからこそ盛り上がります。それは観ている我々も競うプレイヤーも同じですね。特にこの2人はライバルであっても非常に良好な関係を保ってきました。
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F1ラストランはハッキネンだけではありません。1989年のスポット参戦から数えて13年、200戦超えのアレジもステアリングを置き、若手にシートを譲る決断を発表しました。チャンピオンは2年連続4回目のM・シューマッハに決まり、消化レースにはなったけど、日本で人気の高かった2人のベテランの「卒業式」のようで、ある意味印象に強く残っています。

予選はチャンピオン防衛のM・シューマッハがウィリアムズのモントーヤを大きく引き離し、唯一の1分32秒台に乗せて圧倒的な速さをみせます。マクラーレンに代わってウィリアムズ2人が2,3番手を獲得し、ハッキネンはバリチェロに続く5番手、ジョーダンのアレジは急成長中の若いザウバーに挟まれた11番手からのスタートとなりました。

《予選結果》
   1 M・シューマッハ (フェラーリ・F・BS)
   2 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)
   3 R・シューマッハ  (ウィリアムズ・B・MI)
   ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン、
  BはBMW

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M・シューマッハはアウト側のスタート位置からすっとインを閉めてウィリアムズの鼻先を押さえていきます。あとは、突き離していくのみ。鈴鹿の戦い方を心得ています。近年の3年に渡りハッキネンとのフロントロウを演じてきましたが、今日は隣にいない。余裕しゃくしゃく。
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トップはさておき、2位以下の争いは熾烈でした。3位に浮上し2周目のバックストレッチでモントーヤの尻尾を捕まえたバリチェロ。
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ウチはチャンピオンチームなんだ、最後は2位がほしい。シケインをインから飛び込んで、ワンツー体制を築く。
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と思ったのも束の間、第1コーナーで新人らしくないF1新人モントーヤが取り返す。アツい南米対決!

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こちらも1年生です。12番手スタートから9位に浮上してきたザウバーのライコネンが6周目のダンロップ出口で突如挙動を乱しています。走行中に左サスペンションアームを折損。
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危ない!後ろは黄色のジョーダン。
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いやいや全く冗談では済まない、速度もそこそこのもらい事故です。
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リヤセクションはバラバラですが、ライコネンは何とか無事で自力で脱出。前にいるジョーダンは?!
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ラストアレジ。こちらも無事ですが後ろを見てこれは間違いなくお叱りが、、怖いぞー。
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JA「怖かったろ、大丈夫か?未来ある若者よ」
KR「ん?」
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JA「礼は要らないよ。取っておけ。じゃあな若者」
アレジのF1最後の最後はリタイヤでした。どこか満足げな表情にも見え、去り際が清々しい。ここはクミコの国ですもんね。

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上向き調子で上位フィニッシュを目指すR・シューマッハがシケインをショートカットしています。 130Rでスピードに乗ってからブレーキングを頑張っちゃったりすると、シケインをオーバーランすることもしばしば。
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ただし速度抑制が目的のシケインですから、ショートカットには当然ペナルティが下ります。
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29周目に触れてはならぬ10秒のピットストップペナルティを受けると、レース序盤に熾烈な3位争いを繰り広げた「王の家来」2回目のピットと重なります。
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バリチェロは出遅れちゃったもんだから出口で「王の弟」と交錯。弟、イケイケで白線またぎ。
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ガレージでいいか悪いかの議論中。やっちゃったことを国際映像でバッチリ捉えられてしまったらクロ以外にごまかし様も無いんだけどね。
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バリチェロが32周目のシケインをインからさす。
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弟はまたもやショートカット。だからそれはダメだってさっき怒られたばかりじゃん!そこ、トラックではないからね?!気持ちはわかるが、学習能力が無い。
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ただ成敗される位置が変わっただけ(笑)

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ハッキネンは最終盤47周目に3位を走行しています。2回のチャンピオンをこの鈴鹿で獲得して、思い出もあるでしょう。ところが48周目に入るコントロールラインで4位を走るクルサードを待っています。
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まだ先の長い相方に3位表彰台を献上。そうです、ハッキネンにはもう重圧や競争心は無く、今後は自由な世界に解き放たれていくのです。
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「今日は許すわ。お疲れ様、あなた」
この仁王立ちを見られるのも、このレースが最後となりました。

《決勝結果》
   1 M・シューマッハ (フェラーリ・F・BS)
   2 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)
   3 D・クルサード  (マクラーレン・M・BS)

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トップに触れる機会がほとんどありませんでした。F1ステップアップ前からのライバル関係で、この鈴鹿では常に1列目から戦ってきた一人が勝ち、一人がF1を離れていきます。シーズン終盤に設定されていたことも助けとなって、この日本の舞台で手に汗握るクリーンなバトルを度々みせてくれたことに感謝します。この当時の発表ではハッキネンはあくまで「休養」として、マクラーレンのシートをライコネンに明け渡したわけですが、miyabikunはもうこの時点でハッキネンはもう戻ることなくそのまま「F1引退」となる想像と覚悟はしていました。
この先、F1界はM・シューマッハの独壇場になるわけですが、この2001年はモントーヤをはじめアロンソやライコネンなどの「新人当たり年」でもありました。F1に大きな「穴」は開きつつ、将来は決して暗いものではありません。
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出会いがあれば別れもあり。F1はこうして世代交代が行われ、今までもこれから先も続いていきます。長きに渡りF1を支えてきた2人、ありがとう!
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そして、お疲れ様でした。
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