F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:1991年

1991年シーズンは開幕から4戦を終えてマクラーレン・ホンダの4連続ポールポジションからの4連勝と、非常に偏りのある内容となっています。ただし一時代を築いた頃に比べると、不安要素がないわけでもなく、何より「新たな勢力」がちらほらし出します。今から28年前となる91年を振り返ること5戦目、第5戦カナダGPです。
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今週末行われるカナダGPの舞台と同じモントリオールにあるジル・ヴィルヌーブサーキットには違いありませんが、実は少しだけレイアウトは異なります。ターン6、7のシケインが今より奥に位置し、画像にある終盤のストレートも一部屈曲していました(レイアウトは2017年「カナダGPの歴史と地理」で触れていますので参照下さい)

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先日特集を組んだ「開幕連続ポールポジション記録」の個人編としてはこの89年にセナが記録した6戦連続というものがあります(この後93年にウィリアムズのプロストが7回連続で更新)自身の記録を塗り替えるべく、このレースでは5戦連続獲得の期待がかかりますが、どうもこのカナダは振るいません。ウィリアムズのマンセルのみならず、フェラーリの若手アレジにまで先行を許しています。セナの連続記録に待ったをかけるのは上昇気流に乗ったマンセルかなと思いきや、予選2回目でそれを上回ったのは「ホワイト6」のパトレーゼでした。
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これまで第2戦ブラジルGPの2位1回のみとランキングトップのセナよりだいぶ見劣りはあるものの、まだまだシーズン序盤ですから、臆することなくチャンピオンを狙う権利はパトレーゼも持っています。また、日本人ドライバーの2人。ティレル・ホンダの中嶋悟は12番手、ラルースの鈴木亜久里は22番手で終えています。

《予選結果》
   1 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
   2 N・マンセル   (ウィリアムズ・R・GY)
   3 A・セナ          (マクラーレン・H・GY)
   ※GYはグッドイヤータイヤ

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お、レースクイーンだ。今は見かけなくなった貴重な風景です。予備予選までやって振るいにかけられて残った26人分の傘が連ねて入場してきます。今スターティンググリッドに就くのは20人ですからとても多く見えますね。
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揉みくちゃに絡まりがちなスタートでは肝心なパトレーゼがいとも簡単に2番手マンセルにトップを差し出しています。それじゃあダメだよ!華がないなぁ。。マンセルはライバルとの間にその「信頼できる」従順な相方を挟んで着実に逃げ態勢を作っていきます。
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スタートだけで終わらないのがカナダGPの面白いところ(笑)パンピーでスリッピー、燃費にも厳しいし、壁も近いし、ストレートも長い。平穏に終わる年がありません。レース開始直後の4周目に鈴木亜久里が燃えています。
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「あーいいや、消火器貸して!」
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自ら消火にあたります。大切なマシンですからね、被害は最小限に食い止めましょう。見ての通りリタイヤです。今回は「燃料系」
ではもう1人の日本人はどうか。
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カナダ名物の「ミニ四駆走り」に陥る。一応ピットインして状況確認。ウォールに跳ね返されていたけど、どうやら平気らしい。結果的に10位完走でした。
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荒れるカナダはじわりじわりと猛威を振るう。ベルガーがエンジン不調で早々とリタイヤすると、
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25周目にセナがお手上げ。ピットを真横に帰還できず。まずはマクラーレンが序盤で店じまい。
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続いては順位を若手アレジと入れ替えた後も、セミオートマトランスミッションの不調でズルズル遅れるプロストがカーナンバーと同じ27周目に止まる。
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さらにはアレジもお手上げ。マシンからは白煙が上がっています。これでフェラーリも終了。ひどい、、健全なのは独走態勢のウィリアムズだけ?!
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いやいやそんな事はない。カナダはそんなに甘くない。せっかくを2番手に甘んじる「元祖2番手」は周回遅れの処理にミスって右リヤをパンクさせています。全く要らぬピットイン。
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そのチャンスを落とすはずはないと、ライバルのミスをしっかりモノにするのがチャンピオン経験者。周りが勝手に潰れて、労せず2位浮上。ここまででだいぶ動きがあったので45周目に一度順位を整理します。
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トップは後ろの出来事なんぞ全く知らないマンセル、2位がオンナとレースを口説く術を知るピケ、3位はなな何と中嶋悟の相方モデナ、4位が「偽フェラーリ」ダラーラのレート、5位でようやく「2番手」パトレーゼというオーダーです。マクラーレンとフェラーリが消えると、普段は見ない化学反応が起きますね。こういう日がないと、面白くない。

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マンセルは追い付いてきたパトレーゼを先にやっています。大丈夫、今日のマンセルからしたらラップダウンだし痛くもかゆくもありません。
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ところが1番手にせっかくチャンスを戴き3位走行の「2番手」は格下のカーナンバー4に突かれ始める(このイジリ方は訳わからなくなりますな(笑))
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何もマクラーレンばかりではない、ティレルだってホンダ。やる時はやる!
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「くそ!Youはもういい!ナイジェルに託す!」
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65周目にファステストラップを記録したマンセルはファイナルラップのヘヤピンで全く加速しなくなり、ステアリングを叩いて悔しがる。スタートから完全試合で突き進むマンセルまでもがまさかマシントラブルに見舞われとは。
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ちーん。

《決勝結果》
   1 N・ピケ           (ベネトン・Fo・PI)
   2 S・モデナ       (ティレル・H・PI)
   3 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
   ※Foはフォードエンジン、PIはピレリタイヤ

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マンセルはチェッカーフラッグを受けられずもレースのほぼ99.3%近く走行して6位入賞扱いになりました。あれだけの盤石逃げ切り態勢でたったの1ポイントに終わるとは、、。本当にレースは「チェッカーフラッグを受けるまで」何があるかわかりません。ちなみにピケがトップに立ったのは69周のうちのたった半周弱、最後の半周弱を獲ったので紛れもない優勝です。そして四天王の一角を担った三回王者のこれが最後を締めくくる23勝目でした。
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このレースのエントリーは34台。予備予選で4台、予選で4台ふるい落として、決勝レース出走は26台。相次ぐトラブルで16台がリタイヤ、10台完走という劇的な内容でした。これくらい荒れてくれるなら、大幅時差カナダも心して挑めるのですがー。

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前回に続いて、中嶋悟シリーズをもう一本。今回は1991年に放映された日本信販グループ(現 三菱UFJニコス)のCMです。F1は世界を転戦する「走る広告塔」であり、前のEPSONやPIAAと同時期のものですから、いかに当時のF1と日本企業の関わりが濃かったか、また「F1のスポンサーをしている」ことにインパクトがあったかが伺えますね。
日本信販といえば「赤地に白のC」が目印の信販会社、いわゆるクレジットカードの会社です。この旧社名だけでは今の若い方には馴染みが少ないかもしれませんが「ニコス」「ミリオンカード」「DCカード」といった方が通じやすいかもしれません。ニコスは田村正和やナインティナインが、ミリオンカードは高嶋政宏、DCカードは中井貴一が「カッパとたぬき」のコンビでコミカルなCMを長らくシリーズ化してやっていましたよね。今ではそれらカードと同じ会社になります。現社名の通り、三菱UFJ銀行系のクレジットカード会社。miyabikunもいくつかクレジットカードを持っていますが、財布を見たけどココのは持っていなかった。さらには三菱UFJ銀行の口座も避けていたわけではないが開設していなかった。
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そうですね。中嶋悟の乗るティレル020のコクピット前部とリヤウィング翼端板にデカデカとロゴがありましたね。前年019も同様に入っていました。
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あとココ。サイドポンツーン開口上部にもさり気なくNippon Shinpanの文字。こちらが当時の正式名称ですね。ちゃんとスポンサードですよと文字情報が入っています。信用問題が大切な会社です。嘘、偽りございません!
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特に中嶋悟のことは紹介されていませんが、当時のF1といえば中嶋悟、特別な説明は不要です。信用して下さい。
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市街地サーキットをバックにひたすらグループ会社の名前が続々と紹介されています。日立グループや東芝グループにも似ていますね。結構なスピードでロールされているため、とても読み上げるには困難です。とにかくとにかく、たくさんの会社で日本信販は成り立っています。
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We are a borderless company.

「私達は国境なき会社です」

CM内のしっとりとしたナレーションにもある通り、F1は世界を股にかけ戦うモータースポーツ。日本信販も世界を股にかけビジネスシーンや買い物を楽しめる便利なカード、というわけです。

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もう一つのバージョンです。中嶋悟の前にチラつくNICOSカード。F1色よりも自社商品が前に出てきました。こらこらっダメですよ、またEPSONに目を取られては。今回は日本信販のCMですからね!

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マクラーレンの前を走るティレル中嶋。同一周回か周回遅れかは、お楽しみ。

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あ、今BRAUNに目を取らた方、ダメですよ!今回は日本信販!

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こちらも先程と同様にグループ企業の名がズラりと続きます。miyabikun本職のお勤め先にもグループ会社が多くあるのですが、実のところ全てを覚えていないし、一字違いの会社名があったり、一体何を扱う会社なのか分からず仕事をしています。知れば「え、何でこんなものを扱ってるの?!」なんてのもあると思います。吸収したり統廃合されると、よく分からなくなってしまいますね。

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今回の〆言葉は「世界で会いましょう。」です。カード会社も系列や派閥みたいなものがあってたまーに「申し訳ございません、当店は◯◯のクレジットカードのみのお取り扱いでございます」というケースもありますね。カッコつけても一気に台無しになってしまいます。ゴールデンウィークは特に外出先や高額な買い物をして、クレジットカードを使う機会も多いと思います。くれぐれも入口やレジの前で使用可能なカード会社を確認の上、お買い物を楽しみましょう。

https://youtu.be/mzbpj1Izdl8

https://youtu.be/WdRqhGfG2gQ


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ウィリアムズを代表するドライバーといえばマンセルです。先日ポイント換算した時も歴代1位になっていました。ホンダとタッグを組んでいた80年代中頃の第1期はいいところまでいくも2年連続のランキング2位。そしてルノーと組む第2期は「今回こそ信じていいのかな」という走りを見せてくれました。当然目立つ人がいれば、地味になる人もいます。マンセルと組むのも2度目「今回こそ完敗してしまうんだろうな」の甘いマスクの鉄人パトレーゼ。
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ただ、今回振り返るレースはそんなパトレーゼが主役!1991年メキシコGPです。地元の現役ペレスは前年90年生まれなので、F1の「え」の字も無いまだ1歳の頃。

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第4戦モナコGPまで4連勝し、ランキングはトップを独走しているセナですが、高地メキシコはどうもスピード不足。ダウンフォースを削り最高速重視のセッティングを採ったことでコーナーでバランスを崩し
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完全にひっくり返る。フロアパネル丸見えですね。
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セナの身体は無事で何よりですが、セッテイングがあまり無事ではない様子。こういうシーンでは現代のハロが有用ですね。

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ポールポジションはそのセナでもマンセルでもありませんでした。メキシコに入ってから水あたりで不調でも走りは絶好調のパトレーゼがマンセルを0.3秒近く引き離しています。

《予選結果》
   1 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
   2 N・マンセル   (ウィリアムズ・R・GY)
   3 A・セナ           (マクラーレン・H・GY)
   ※GYはグッドイヤータイヤ

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スタート直前に後方で黄旗が振られています。これはレートのマシンから白煙をみて、周りが反射的に振ったものということでグリッド降格無しで再スタートとなりました。ちなみにこの真紅にマールボロとアジップのロゴが入るマシンはフェラーリではありません。ダラーラです。非常に紛らわしい。
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再スタートでまた黄旗。
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こちらはフォンドメタルのグルイヤールが前方のマシンから手が上がったのをみて指摘したということで、これもマシントラブルとかではありませんが、こちらは不運にも最後尾に追いやられてしまいました。もらいトラブル。
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赤旗が振られて再々スタートとなるわけですが、度々の誤審にチーム関係者も不満を募らせて混乱。観客も「早くやろうぜ!」とヒートアップ!
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ただ一方で最後尾26番手フットワークのアルボレートはエンジンストールで再フォーメーションラップに出発できず。高地メキシコはやっぱり通常では想定されないトラブルを生み出します。

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再々スタートでポールのパトレーゼはズルズルと4位まで交代してマンセルが前。せっかくのチャンスでいつもの構図となっています。4番手フェラーリのアレジが2位、3番手のセナは3位のまま。

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2周目のメインストレートエンドでセナがアレジをキャッチして2位へ。さすがにダウンフォースを削れば、イマイチなフェラーリエンジンを簡単に凌駕しています。そしてすぐさまパトレーゼにも簡単に捕まえる。スタートの失敗をルノーのエンジンパワーで即挽回。
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セナに遅れをとったマクラーレンのベルガーはこちらもメキシコで警戒すべき水温上昇にさいなまれ、今はなき最終ペラルターダでド派手に水蒸気を吐きジ・エンド。続いてセナは簡単にパトレーゼにもかわされてウィリアムズがようやくワンツー体制に戻りました。この時代のエンジン完成度、メキシコGPの適応力は
        ルノー>ホンダ>フェラーリ
といった具合でしょうか。近年とはまるで逆ですね。パワーと信頼性がウリのルノーです。

徐々に逃げを打つマンセルに対してパトレーゼは15周目にいよいよ接近します。
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NM「なに、レッド5のオレ様に並ぶつもりか?!」
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RP「お腹は不調だけど、今回は攻めさせてもらうよ」
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パトレーゼが前に。契約上も実力もマンセルが上かもしれませんが、フランク・ウィリアムズは勝てるチーム、マシンであればいいのです。静観。

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予選13番手だったティレル・ホンダの中嶋悟はエンジンではなくリヤタイヤのブリスターに悩まされ早めのタイヤ交換を強いられています。
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内側に教科書通り気泡状にポツポツとブリスターがみられます。そういえばP ZEROって名前、どこかでみたことがありますね。香ばしそうな名前だけど、決して「ブリスター屋さん」というわけではありませんのでご注意を。

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中盤に入り、予備予選突破から11番手スタートとなったジョーダンの壊し屋チェザリスが晩年のピケ王をパス。美しさだけではない、壊さなければそこそこ走ってくれるジョーダン191です。

メキシコは燃料供給にも神経を使います。アレジがスピンして後退すると、モタモタしているマンセルの背後にセナが近付いてきました。
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NM「リカルドは見逃すが、ヤツには抜かれん」
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マンセルはセナをまき、燃料モードを変更して一度逃したパトレーゼをファステストラップ連発で追いかけますが、時既に遅し。セカンドを仰せつかるパトレーゼが体調不良を蹴散らして、この日は紛れもないヒーローを演じ切りました。

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《決勝結果》
   1 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
   2 N・マンセル   (ウィリアムズ・R・GY)
   3 A・セナ          (マクラーレン・H・GY)

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順位変動はあったものの、結果的にはスタート順位のままのラインナップでした。先日の久々ライコネンと同様にセカンドだ、ナンバー2だ言われても、勝てる時にはしっかり勝っておきたいですね。例えセカンドであっても、世界で一握りしかなれないF1ドライバー、優勝することは決して簡単なことではありませんし、とても名誉あることです。
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また近年のマシンは非常に信頼性も向上して、マシントラブルは減りました。一昔前のメキシコはこのように多くのトラブルに打ち勝つ必要があったんですね。

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マクラーレンのセナとロン・デニスが何やら見つめて様子を伺っています。その目線の先は
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そう、ウィリアムズのガレージ。1991年も開幕から逃げ切りを図るつもりが、シーズン中盤からマンセルとパトレーゼに優勝や表彰台をさらわれてチャンピオン獲得がまだ確定しないヨーロッパラウンド最終戦となる第14戦スペインGPです。近年は序盤に開催されているスペインGPはこの年まで終盤に設定されていました。そのセナとチャンピオン争いする当のマンセルは
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足を引きずりおじいちゃんみたいになっています。このGP直前に参加したサッカーで左足を負傷したとのこと。この方はチャンピオン争い終局が目前なのに必ず何かをしでかしてくれますよね(笑)
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この翌年1992年にはバルセロナで夏季オリンピックが開催されます。それに先駆けてカタロニアサーキットを新設開業。自転車競技会場として使用されることになっています。中間セクションに「ニッサンシケイン」があったりして、レイアウトが今と微妙に違うでしょう?1年前のスペインGP前にこのブログで過去のレイアウトについて色々書いていますので、興味のある方は是非ご参照下さい。

セナのあのしかめっ面の意味も理解できる。予選はあんな足のマンセルに惜敗し、カタロニアサーキット初のポールポジションは相方ベルガーの手に。デビュー4戦目の小生意気なM・シューマッハは5番手獲得で表彰台を狙える位置に。
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《予選結果》
   1 G・ベルガー(マクラーレン・H・GY)
   2 N・マンセル(ウィリアムズ・R・GY)
   3 A・セナ       (マクラーレン・H・GY)
      ※GYはグッドイヤータイヤ

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スタートはマンセルが失敗。レコードラインにいた3番手セナがピタリとベルガーについていきます。タイヤがまだ出来上がらないマンセルは1周目でシューマッハにインからさされて4位まで後退します。マンセル自身の足だけでなくマシンの足元も準備が整っていません。
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おお、活きがいい!シューマッハは2位のセナも捕まえてマシンを揺さぶり、セナのミラーに「俺様」をチラつかせています。このあたりの怖いも知らずなイケイケ具合が、近年のフェルスタッペンとダブったりします。

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カラダが温まってくると、マクラーレンに比べて最高速重視のセッティングに仕上げたマンセルが伸びてきます。シューマッハをアウトから処理し、切れ味の無いセナの背後を捉えました。
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ザ・サイドバイサイド!このシーンは有名ですよね。拳一つ分の間隔でセナをパス、マンセルはスタート順位に戻しました。トラック上でパッシングをかけようにも最高速の伸びないマクラーレンはマンセルをかわすに至りません。逃してはならぬと1回目ピットを合わせこんでいます。
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以前に振り返った第13戦ポルトガルGPを覚えていますか?!そうです、マンセルはピットでタイヤを付け損ねて黒旗失格を食らった直後だったのです。セナは予定通りにタイヤ交換を済ませて出場していきますが、マンセルは実に慎重に、慌てずタイヤ交換を済ませて順位を後退してしまいます。
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今シーズンもタイヤ交換でトラブルが勃発していますが、ピットストップって簡単そうにみえて、ドライバー側もスタッフ側にも双方にリスクがあることです。
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セナは先にピットを終えたベルガーをオーバーカットしています。今は特性上アンダーカットを採る戦略が多数派ですね。ピットで順位を儲けたセナでしたが、今では許されていないハードタイヤとソフトタイヤを混用したことでマシンバランスが崩れ、ベルガーに前を譲っています。このレースは完全に歯車が噛み合っていません。

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案の定マンセルに追い付かれ、さらにシューマッハも控えています。セナはとうとう限界を突破
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スピンしてマンセルとシューマッハが上手くすり抜ける。
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前が開ければマンセルは今度はベルガーとサイドバイサイドへ。
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続くシューマッハもベルガーを、
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おっと、こちらは失敗!油断も隙もない若さだ。もう少し修行が必要か。

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終盤はフェラーリに移籍し出世街道まっしぐらのアレジがセナのインを無理矢理こじ開けて健闘しています。
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アレジの若さゆえの勢いだけでなく、昔のドライバーはちゃんとインラインにスペースを確保していました。シーズンの積み重ねを考えたら、接触でもしてリタイヤするよりは利口な判断にもなります。ただ閉めりゃいいってわけではないんです、最近の若手諸君!

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《決勝結果》
   1 N・マンセル    (ウィリアムズ・R・GY)
   2 A・プロスト    (フェラーリ・F・GY)
   3 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)

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伝統のイギリスGPを差し置いて、前回の続き「第2弾」をやります。第1弾の2年後となる1991年のポルトガルGPです。またポルトガル。シルバーストンでの開催が危ういイギリスGPは山のように歴史がありますから、せっかくなら旬なやつやりましょう!(え?最早熱りは冷めた?!)ま、まあ 飽きず呆れずお付き合い下さいませ(笑)

前回1989年の内容を覚えていますか?フェラーリのマンセルがピットレーンでバックして黒旗失格からのセナ道連れ、翌戦出場停止処分でしたね。1991年は「前回の主役」マンセルがウィリアムズへ、前回の優勝者ベルガーはマクラーレンに移籍しています。
1989年にチャンピオンを獲得できなかったセナは翌90年にマクラーレンで獲得し、2連覇をかけてまた第13戦ポルトガルGPに挑みます。開幕4連勝と序盤は好調なディフェンディングチャンピオンの貫禄は見せつつも、中盤はウィリアムズのマンセル、パトレーゼの後塵を拝す形となってマンセルが忍び寄り、易々とはいきません。また、このシーズンから有効ポイントではなく、全戦ポイント制に変更となっています。

予選はセナでもマンセルでもない、ベルガーとパトレーゼという「ナンバー2」が好タイムでやり合いました。パトレーゼは2回目にエンジンを壊してしまい、マンセルのスペアカーを使用して時間いっぱいに一発ポールを獲得してしまいます。今のレギュレーションでは考えられない交換逆転劇です。1回目2回目ともセナに勝って健闘したベルガーでしたが、ここまでです。
それにしてもこの時代のエンジンカウルってこんなにしなるんですね。風圧で変形しそうなくらいしなっています。まるでRCカーのカウルみたい。
《予選結果》
   1 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
   2 G・ベルガー(マクラーレン・H・GY)
   3 A・セナ(マクラーレン・H・GY)
     ※GYはグッドイヤー

例えパトレーゼとはいえ、飛躍的な戦闘力を得たウィリアムズを軽視できません。ベルガーはウィリアムズを意識するマウント。
そんなの全く気にならない!この年終盤のFW14は速いんです。パトレーゼがポールからそのままスムーズに加速、後ろでは4番手マンセルが3番手セナをかすめるクロスラインを取って前に出ます。セナはまたマンセルにおかんむり。
コーナー2つ目でマンセルはインから強引にベルガーをかわして早くもマクラーレンを置き去りに。ウィリアムズが逃げちゃっていますね。

後ろが完全に見えなくなった18周目にパトレーゼとマンセルがフォーメーション。まだチャンピオンの可能性が残るマンセルとの約束事を守らないと、後で怖いですもんね(笑)

完全に置いていかれているセナは5.04秒のピットをこなして後を追います。今とは比較になりませんが、当時このピットストップはかなり優秀なタイムです。このシーズン全く存在感を感じないフェラーリのプロストは名門でも6.24秒かかっています。

さあいよいよウィリアムズ様のマンセル様のピットストップ様です。今年は黄色いライン跨いでレーンに入ってね!
6.0秒過ぎるあたりで右リヤ完了の挙手。
いやいやいや!!待った!
ん?何かおかしい。
あらららら、、、
右リヤまだだったじゃん。あれはO.K.ではなく「待て」のグーだったのかな。マンセルは三輪ではどうにもできずピットレーン「本線」で停止します。2年前はピット進入、この年は進出でこの位置です。マンセルまたやってしまった。ピットインするライバルの真横でタイヤ交換して、一応ピットアウトはしました。今回のもヤバいんじゃない?!

だいぶロスしましたから、マンセルはもはや周回遅れです。でも躍起になって相方をすごい勢いでかわし返していきました。マンセル、怒りの走り!

マクラーレンもペースがイマイチのセナとベルガーが入れ替わります。いいんです、ライバルは遥か後方で怒り眉毛にしてもがいていますから。
終盤になるとそのベルガーが力尽きてしまいました。力有り余るマンセルは入賞圏内の6番手までポジションを上げています。本当にこのマシン、速い!

しかし奮闘もここまで。ここで見覚えおるある黒い旗に「現在5番手」ならぬ「黒い旗はカーナンバー5のあなたへの旗ですからね」としっかり示されてしまいます。この年はおとなしく旗に従い速やかにピットインしましたとさ。

《決勝結果》
   1 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
   2 A・セナ(マクラーレン・H・GY)
   3 J・アレジ(フェラーリ・F・GY)


ポルトガルGPの3年間で2回の黒旗失格をかましてしまったマンセルは、次の第14戦スペインGPでは出場停止は免れてしっかり優勝しています。おっちょこちょい、いや慌てん坊なレッド5はさらに翌1992年に速さに磨きをかけてチャンピオンを獲得。そして行き場をなくしてその言葉通りにF1を(一度)引退、アメリカのインディカーのチャンピオンを獲得しています。

《昔も今も変わらないピットでの大原則!》
   お (クルーがマシンを)押さない
   か (作業が遅くても)カリカリしない
   し (停止位置で)しっかり停まる
   も (バックギヤや手で)戻さない

ライバルやチームにまで迷惑をかける悪態はついてはいけません。もしカッとなってしでかしたとしても、冷静になり自身の非は認めましょう。
2回に渡る今はなきポルトガルGPエストリルでの誰かさんによる黒旗ドタバタ劇でした。

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