先日のブラジルGPは荒れ狂ったドイツGPを上回るかのようなレース展開から2人の初表彰台登壇者を生みましたね。両チャンピオン争いが終結を迎えてマッタリしてしまいがちなレース観戦に「新鮮な空気」を取り入れてくれたことを嬉しく思います。本来はデータはデータでも「他の内容」を準備していたのですが(それってどうせこの前の続きとやらでしょう)内容を急遽切り替えて「祝 初表彰台!」と題して、現役ドライバーと歴代のそうそうたる面々の初表彰台のタイミングを整理してみました。

《目指す「節目」を獲得した人数》
今回は「表彰台初登壇」に焦点をあてていくわけですが、F1はいつの時代においても表彰台登壇以外に段階的に目指していく様々な「節目」があります。レース入賞からチャンピオン獲得までの人数の集計をしてみました。

 入賞      :343人(現役は19人)
 表彰台登壇   :211人(現役は15人)
 ポール獲得   :100人(現役は9人)
 優勝      :108人(現役は8人)
 チャンピオン獲得:  33人(現役は3人)

「F1に参戦する」また「レースを完走する」という目標、節目はさておき、上から順に下に向かうにつれて難易度が上がり、それらを獲得するには狭き門となっていきます。
参戦者数は以前よりもだいぶ減り、10チーム20人となりました。しかし相対して入賞は上位10人までとなりましたので全員完走しても半数の50%は獲得できます。現役では新人ラッセルを除く19人が最終戦前までに果たしました。
そして今回2人の新入りを呼んだ初表彰台は初入賞経験者の61.5%にあたる歴代で211人、現役は20人中15人となりました。割合にして78.9%、これは年間レース数も増え、参戦者は減ったことにより、獲得の可能性を高めています。昔に比べると「いい時代」になりましたよね。
表彰台を獲得すれば次なる目標「優勝」は表彰台登壇者の51.2%となる108人、現役は15人中8人経験していますので53.3%。そして誰もがこれを目指して参戦している「チャンピオン」となると優勝経験者の3割にあたる33人が選ばれ、現役も近似値37.5%の3人まで絞られています。チャンピオンに関しては同じドライバーが複数回獲得(現役の場合、8年分は新たなチャンピオンを生み出せていない)することもあるので、かなり狭き門であり「数を重ねられる者、全く取れそうにない者とその時代」という現象も起きています。
ポールポジションは以前に祝フェルスタッペンとして話題に挙げましたが、優勝経験者とは数が揃わない100人ちょうど。現役20人中、経験者8人でその割合は4割となっています。

IMG_0221
次に2019年の現役ドライバー15人の「初表彰台のタイミングとそのレースの順位、表彰台の内訳」についてまとめてみました。間には全員は載せられませんが、主要著名の先輩ドライバーのタイミングを挟みましたので、参考にしてみて下さい。

《表彰台登壇までに要したレース数》
 1戦目 K・マグヌッセン
  14年開幕戦オーストラリアGP 予選4位 決勝2位
  1回 / 102戦 優勝0回 2位1回 3位0回

 1戦目 L・ハミルトン ★
  07年開幕戦オーストラリアGP 予選4位 決勝3位
  150回 / 249戦 優勝83回 2位39回 3位28回

(1戦目 J・ヴィルヌーブ ★)
(2戦目 J・スチュワート ★)

 3戦目 R・クビカ
  06年第15戦イタリアGP 予選6位 決勝3位
  12回 / 96戦 優勝1回 2位5回 3位6回

(3戦目 R・シューマッハ)
(4戦目 J・ハント ★)
(5戦目 J・クラーク ★)
(5戦目 J・P・モントーヤ)
(6戦目 A・セナ ★)
(6戦目 J・フェルスタッペン)
(7戦目 N・マンセル ★)

 8戦目 L・ストロール
  17年第8戦アゼルバイジャンGP 予選8位 決勝3位
  1回 / 61戦 優勝0回 2位0回 3位1回

(8戦目 M・シューマッハ★)
(8戦目 D・クルサード)
(9戦目 J・アレジ)
(10戦目 N・ピケ 子)
(10戦目 D・ヒル ★)

 11戦目 R・グロージャン
  12年第4戦バーレーンGP 予選7位 決勝3位
  10回 / 165戦 優勝0回 2位2回  3位8回

(11戦目 S・モス)
(12戦目 R・ピーターソン)
(13戦目 J・リント ★)
(14戦目 J・ブラバム ★)
(15戦目 G・フィジケラ)
(15戦目 G・ヴィルヌーブ)
(16戦目 鈴木亜久里)
(16戦目 A・プロスト ★)

 18戦目 K・ライコネン ★
  02年開幕戦オーストラリアGP 予選5位 決勝3位
  103回 / 314戦 優勝21回 2位37回 3位45回

(18戦目 R・バリチェロ)
(19戦目 K・ロズベルグ ★)
(19戦目 F・アロンソ ★)

 20戦目 S・ペレス
  12年第2戦マレーシアGP 予選10位 決勝2位
  8回 / 177戦 優勝0回 2位2回 3位6回

(20戦目 N・ハイドフェルド)
(21戦目 N・ピケ 父 ★)
(21戦目 E・アーバイン)

 22戦目 S・ベッテル ★
  08年第14戦イタリアGP 予選P.P. 決勝優勝
  120回 / 240戦 優勝53回 2位35回 3位32回

 23戦目 C・ルクレール
  19年第2戦バーレーンGP 予選P.P. 決勝3位
  9回 / 41戦 優勝2回 2位2回 3位5回

(23戦目 G・ベルガー)

 24戦目 M・フェルスタッペン
  16年第5戦スペインGP 予選4位 決勝優勝
  30回 / 101戦 優勝8回 2位10回 3位12回

(24戦目 P・マルドナド)

 27戦目 V・ボッタス
  14年第8戦オーストリアGP 予選2位 決勝3位
  45回 / 139戦 優勝7回 2位22回 3位16回

(27戦目 佐藤琢磨)

 29戦目 D・クビアト
  15年第10戦ハンガリーGP 予選7位 決勝2位
  3回 / 94戦 優勝0回 2位1回 3位2回

(29戦目 N・ラウダ ★)
(34戦目 M・ハッキネン ★)
(36戦目 N・ロズベルグ ★)
(44戦目 J・トゥルーリ)

 46戦目 P・ガスリー
  19年第20戦ブラジルGP 予選7位 決勝2位
  1回 / 46戦 優勝0回 2位1回 3位0回

 55戦目 D・リカルド
  04年第5戦スペインGP 予選3位 決勝3位
  29回 / 170戦 優勝7回 2位6回 3位16回

(55戦目 小林可夢偉)
(57戦目 M・ウェバー)
(58戦目 F・マッサ)
(68戦目 J・バトン ★)チャンピオン最遅
(70戦目 J・ハーバート)
(96戦目 M・ブランドル)ブラジルGP前最遅

 101戦目 C・サインツ
  19年第20戦ブラジルGP 予選20位 決勝3位
  1回 / 101戦 優勝0回 2位0回 3位1回

以上、現役15人の表彰台にまつわる現時点でのデータになります。現役の最短登壇はデビュー1戦目に獲得したマグヌッセンとハミルトンのいずれもマクラーレン時代のものです。時期はハミルトンの方が先の獲得ですが、ハミルトンがいつも1位ではつまらないので「決勝順位の高い」マグヌッセンをテッペンにしています。1戦目ってすごいですよね。マグヌッセンは予選で4番手につけ、決勝は3位フィニッシュとなりましたがレッドブルのリカルドが車両規定違反により繰り上げ2位を獲得しています。今のところ「デビュー戦がF1キャリア最上位」というところが面白いですね。
OBドライバー含め、★マークの付くチャンピオン獲得者をみるとやはり早い段階で表彰台や優勝を挙げている様子が伺えます。意外なのは現役3人のチャンピオンのうち、今だいくつかの最年少記録を持つベッテルが表彰台登壇に時間を要しています。ハミルトンやライコネンに比べると、トップチームの昇格がなかったのが影響しています(ベッテルの初登壇、初ポール、初優勝はトロ・ロッソ時代のものであり、当時のレッドブルはまだトップチームとは言えなかった)
前戦ブラジルGPで初表彰台登壇に成功したガスリーは参戦46戦目で予選7番手(スタート6番手)からハミルトンのペナルティ降格とアルボンの陥落が助けになり2位フィニッシュでしたね。まだまだF1若手のガスリーも46戦目という数だけみると、決して早い方ではありません。年間のレース数が増えると、年数はさほど経っていなくても、このような「イメージよりも遅い実際の数字」になってきます。同じくレース中の表彰式には参加できずも初登壇となったサインツは、先程のマグヌッセンが2014年開幕戦のデビュー戦2位繰り上げ以来となる久々の「名門マクラーレンの登壇」でした。また1992年第8戦フランスGPでベネトンのブランドルが記録した登壇最遅96戦を5戦更新した101戦目となりました。サインツについては今シーズンのマクラーレン復調に大きく貢献し「エースドライバー」の地位を確立しました。20番手スタートから3位ですよ、予想だにしませんでしたね。遅くはなったけど短期間での移籍など紆余曲折を経て、腐らず続けてよかったと思います。それにしてもアルボンは残念でした。近い将来報われる日が来ることでしょう。

《初登壇までのレース数とその人数》
こちらはデビューからの初登壇までのレース数とその時の人数を積み上げグラフにしてみました。正直小さくて、ポールリカール並みに目がチカチカしてしまうと思うので分布を雰囲気で読んでみて下さい。
IMG_0284
現役ドライバーを含んでいるものは黒帯にしています。実は初登壇最多は参戦1戦目で21人もいます。ちょっと意外でした。確かに現役でも2人含まれていますし、すごいことではあるけど少しだけ納得。次点は2戦目の20人、続いて3戦目18人、4戦目14人と参戦4戦目までに全体の3割にあたる73人が経験している結果となりました。以下はレース数が増す度にその可能性を下げていく傾向がみられます。さすがに「参戦直後に早いところ登っちゃえ」なんて言えませんが、もたつけばもたつく程、次なる優秀な若手に獲られ「表彰台からは縁遠くなる」または「F1のシートを失う」方向に仕向けられてしまいます。えっ?誰の事かなんて言いませんよ(笑)

《表彰台登壇が待たれるドライバー》
 A・アルボン                0回 / 20戦
 G・ラッセル               0回 / 20戦
 L・ノリス      0回 / 20戦
 A・ジョビナッツィ     0回 / 22戦
 N・ヒュルケンベルグ 0回 / 178戦

最後はまだ初登壇の可能性を秘めている5人の現役ドライバーをみておきます。たまたまになってしまいましたが、2019年デビューの新人3人と今年からフル参戦となったジョビナッツィが残っています。若手4人はマシンもさることながらまだキャリアも浅いし、2020年も同じマシンに継続してドライブすることが決まっているため、可能性を秘めてはいます。が、問題はこの方。
FullSizeRender
言うまでもなくルノーのヒュルケンベルグは2010年からF1をドライブし、次戦アブダビGPで179戦を数えるベテランです。参戦数が一人だけ振り切れちゃっています。他カテゴリーでは優秀な成績をおさめ、ポールポジションは経験があるなど予選の速さはありますが、どうも決勝で結果を出すには至らずきてしまいました。マシンの違いはあれど同い年の同郷ベッテルと比較すると雲泥の差がつき、比較対象にされがちで長らく優勝に手が届かなかったこちらも同郷のハイドフェルドとも表彰台登壇においては差が明らかです。ナイスガイなのでシートを失うのは惜しい話ですが、F1のシート数に限りがあり「実力社会」であることも明らかです。なかなか表彰台の手の届く位置にマシンを持っていくのは大変かと思いますが、あと1戦のチャンスがありますので「有終の美」に期待したいですね。
IMG_8831

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村