F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:過去

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レーシングスーツ着て浮き輪にビーチボールとラケット?!クルサードをはじめ色んな人に囲まれていじられているハッキネンはこのレースをもってF1活動を休止します。2001年最終戦の日本GPです。
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この時代に熾烈なバトルを繰り広げた長年のライバルもどこか寂しそう。このシーズンは消化率76.5%の史上最短となる第13戦ハンガリーGPでチャンピオンを決め、以降もハッキネンが離れて無敵になると思えば気は楽ですが、スポーツは対等なライバル関係があるからこそ盛り上がります。それは観ている我々も競うプレイヤーも同じですね。特にこの2人はライバルであっても非常に良好な関係を保ってきました。
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F1ラストランはハッキネンだけではありません。1989年のスポット参戦から数えて13年、200戦超えのアレジもステアリングを置き、若手にシートを譲る決断を発表しました。チャンピオンは2年連続4回目のM・シューマッハに決まり、消化レースにはなったけど、日本で人気の高かった2人のベテランの「卒業式」のようで、ある意味印象に強く残っています。

予選はチャンピオン防衛のM・シューマッハがウィリアムズのモントーヤを大きく引き離し、唯一の1分32秒台に乗せて圧倒的な速さをみせます。マクラーレンに代わってウィリアムズ2人が2,3番手を獲得し、ハッキネンはバリチェロに続く5番手、ジョーダンのアレジは急成長中の若いザウバーに挟まれた11番手からのスタートとなりました。

《予選結果》
   1 M・シューマッハ (フェラーリ・F・BS)
   2 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)
   3 R・シューマッハ  (ウィリアムズ・B・MI)
   ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン、
  BはBMW

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M・シューマッハはアウト側のスタート位置からすっとインを閉めてウィリアムズの鼻先を押さえていきます。あとは、突き離していくのみ。鈴鹿の戦い方を心得ています。近年の3年に渡りハッキネンとのフロントロウを演じてきましたが、今日は隣にいない。余裕しゃくしゃく。
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トップはさておき、2位以下の争いは熾烈でした。3位に浮上し2周目のバックストレッチでモントーヤの尻尾を捕まえたバリチェロ。
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ウチはチャンピオンチームなんだ、最後は2位がほしい。シケインをインから飛び込んで、ワンツー体制を築く。
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と思ったのも束の間、第1コーナーで新人らしくないF1新人モントーヤが取り返す。アツい南米対決!

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こちらも1年生です。12番手スタートから9位に浮上してきたザウバーのライコネンが6周目のダンロップ出口で突如挙動を乱しています。走行中に左サスペンションアームを折損。
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危ない!後ろは黄色のジョーダン。
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いやいや全く冗談では済まない、速度もそこそこのもらい事故です。
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リヤセクションはバラバラですが、ライコネンは何とか無事で自力で脱出。前にいるジョーダンは?!
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ラストアレジ。こちらも無事ですが後ろを見てこれは間違いなくお叱りが、、怖いぞー。
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JA「怖かったろ、大丈夫か?未来ある若者よ」
KR「ん?」
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JA「礼は要らないよ。取っておけ。じゃあな若者」
アレジのF1最後の最後はリタイヤでした。どこか満足げな表情にも見え、去り際が清々しい。ここはクミコの国ですもんね。

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上向き調子で上位フィニッシュを目指すR・シューマッハがシケインをショートカットしています。 130Rでスピードに乗ってからブレーキングを頑張っちゃったりすると、シケインをオーバーランすることもしばしば。
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ただし速度抑制が目的のシケインですから、ショートカットには当然ペナルティが下ります。
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29周目に触れてはならぬ10秒のピットストップペナルティを受けると、レース序盤に熾烈な3位争いを繰り広げた「王の家来」2回目のピットと重なります。
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バリチェロは出遅れちゃったもんだから出口で「王の弟」と交錯。弟、イケイケで白線またぎ。
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ガレージでいいか悪いかの議論中。やっちゃったことを国際映像でバッチリ捉えられてしまったらクロ以外にごまかし様も無いんだけどね。
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バリチェロが32周目のシケインをインからさす。
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弟はまたもやショートカット。だからそれはダメだってさっき怒られたばかりじゃん!そこ、トラックではないからね?!気持ちはわかるが、学習能力が無い。
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ただ成敗される位置が変わっただけ(笑)

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ハッキネンは最終盤47周目に3位を走行しています。2回のチャンピオンをこの鈴鹿で獲得して、思い出もあるでしょう。ところが48周目に入るコントロールラインで4位を走るクルサードを待っています。
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まだ先の長い相方に3位表彰台を献上。そうです、ハッキネンにはもう重圧や競争心は無く、今後は自由な世界に解き放たれていくのです。
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「今日は許すわ。お疲れ様、あなた」
この仁王立ちを見られるのも、このレースが最後となりました。

《決勝結果》
   1 M・シューマッハ (フェラーリ・F・BS)
   2 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)
   3 D・クルサード  (マクラーレン・M・BS)

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トップに触れる機会がほとんどありませんでした。F1ステップアップ前からのライバル関係で、この鈴鹿では常に1列目から戦ってきた一人が勝ち、一人がF1を離れていきます。シーズン終盤に設定されていたことも助けとなって、この日本の舞台で手に汗握るクリーンなバトルを度々みせてくれたことに感謝します。この当時の発表ではハッキネンはあくまで「休養」として、マクラーレンのシートをライコネンに明け渡したわけですが、miyabikunはもうこの時点でハッキネンはもう戻ることなくそのまま「F1引退」となる想像と覚悟はしていました。
この先、F1界はM・シューマッハの独壇場になるわけですが、この2001年はモントーヤをはじめアロンソやライコネンなどの「新人当たり年」でもありました。F1に大きな「穴」は開きつつ、将来は決して暗いものではありません。
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出会いがあれば別れもあり。F1はこうして世代交代が行われ、今までもこれから先も続いていきます。長きに渡りF1を支えてきた2人、ありがとう!
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そして、お疲れ様でした。
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ロシアGPも無事に終わり、毎年恒例の日本GP強化週間に入ります。日本で「日本GP」以外の日本開催といえば、以前一度振り返ったこともあるパシフィックGPですね。たった2回の開催のうちの2回目、1995年の第15戦に行われたパシフィックGPを振り返ります。
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このGPは結果的に第16戦の日本GPの直前にあたる10/22に行われて「2戦連続の日本開催」という夢のようなシチュエーションでした。ただこれは意図してこうなったのではなく、実は前年1994年と同様に春開催の4/16が決勝となる第3戦に設定されていました。しかしこの年は1/17に阪神・淡路大震災が発生、お隣神戸を中心とした関西地区に甚大な被害が及んだため、急遽移動してこのような連戦が生まれています。F1の夏はヨーロッパのものだし、僻地の日本で行うなら春か秋。お楽しみが2度ある方がよかったのか、2戦連続が移動距離も少なくてよかったのか、考え方は様々ですね。

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このパシフィックGPから新入りがF1デビューを果たしました。赤いレーシングスーツにメルセデスのロゴ、この可愛らしいドライバーは誰だ?!
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これは24年後の同じ人。何だか人相は変わってしまいましたが、面影がありますよね。ヤン・マグヌッセンです。ハースの「危険人物」ことケビンの父親。マクラーレンの若きエースであるハッキネンの病欠により、代理出走となりました。そういえばケビンもデビューはサードドライバーを経たマクラーレンからでしたし、年齢も父親と同じ22歳で同じような系譜を辿っています。ちなみにこの時既にケビンは3歳、さすがにパパのF1デビューは覚えていないかな。
ニュルブルクリンクでの第14戦ヨーロッパGPまでにベネトンのM・シューマッハが7勝の82ポイントで首位を突き進み、2位ウィリアムズのD・ヒルが3勝の55ポイントで迎えています。ヒルとしては自力チャンピオンの可能性は既に絶たれ、パシフィックGPを含めたシーズンの残り3戦でヒルが全勝の30ポイントを獲得して、シューマッハが2ポイント獲得に止まる場合にのみ初チャンピオンが成立するという、まさに「首の皮一枚」の状態で岡山入りしました。2位では追いつきません。

抜き辛い低速レイアウトのTIサーキット英田において、予選は肝心のヒルではなく2年目のチームメイトであるD・クルサードがポールポジションを獲り、2番手ヒルを挟んだ3番手にシューマッハという構図となりました。クルサードがヒルにトップを譲る方策はあっても、シューマッハが3位の4ポイント獲得されてはダメ。
日本人ドライバー最上位はリジェ・無限ホンダからアルバイト出走する鈴木亜久里で12番手。第13戦ポルトガルGPでクラッシュを喫し、1戦のお休み明けとなったティレル・ヤマハの片山右京が17番手。さらに「色んな意味」でフットワークが軽いフットワーク・ハートの井上隆智穂が20番手となり、何とこのレースに3人エントリーしています。本当はさらに2人、フォルティ・フォードから野田英樹、パシフィック・フォードから山本勝巳が参戦を目論みますが、スーパーライセンスが発給されなかったため断念しています。上手くいけば5人参戦とは、さすが「日本の」GPですね。

《予選結果》
   1 D・クルサード (ウィリアムズ・R)
   2 D・ヒル       (ウィリアムズ・R)
   3 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

英田の決勝は1周が短いため83周で争われます。スタートで失敗してしまうようなことがあれば、低速で狭く抜き辛いという地獄のようなレース内容となりますので、スタートが肝心です。
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スタートは失敗できない、スタートでやられるわけにはいかない、ヤツにずっとテールを見せつけていくんだ。ヒルはシューマッハを頑なに牽制して、行く手を塞いでいきます。
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気迫負けかシューマッハをアウトにはらませ、5位まで落とすことに成功したヒルでしたが、イン側がガラ空きとなり、4番手スタートのアレジに2位のボーナスを与えてしまいました。ヒルはシューマッハのことしか見えていない。他にも前を伺うライバルがいるわけで、ヒルのシューマッハ撃破は「優勝すること」が条件なはずです。

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ヒルのブロックにより5位まで落とされたシューマッハは5周目にベルガーをパスして3位を走るヒルを猛然と追いかける。フェラーリをいとも簡単に攻略したシューマッハに対して、ヒルはもう一人のフェラーリを抜きあぐんでいます。英田は抜けないのです。
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さっきはよくもしてくれたな。ヘヤピンをアウトから仕掛ける。ヒルもここまでか?!
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耐え抜く。抜かれ辛い英田で自身はチームメイトのいるトップのいる位置まで到達しないと成立しません。

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アレジ、ヒル、シューマッハのラインナップで動きが起きないまま、序盤20周目に1回目のピットインに入ります。3ピットストップで三者合わせる形に。
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シューマッハは6.3秒で完了、アレジも完了して順調にトラックインする中で、ヒルだけはなかなかその集団に混ざりません。ヒルは2ピットストップ戦略並みの停止時間12.2秒もかかって、結局シューマッハ、アレジ、ヒルの順に入れ替わります。シューマッハはいい空間にマシンを差し込めましたが、ヒルは中団の遅いマシンの後ろに。
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ウィリアムズはチーム側の不手際が大きく足かせになりました。これではトップどころかシューマッハにもどんどん差を広げられてしまいます。早く抜いて追いつかねば!

アレジは24周目にジョーダンのアーバインをパス。ヒルも続きたい。
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接触。左フロントウィングにダメージと低速テクニカルの英田で致命傷と負ってしまいました。
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こうなったらトップをひた走るクルサードに託すしか術はありません。クルサードは2ピットストップ戦略の1回目を終えて、2位のシューマッハまでは7秒のギャップ。その後シューマッハの2回目、クルサードの2回目を終えて順位が入れ替わり、シューマッハは15秒の先行ギャップで3回目を行わなければなりません。ピットストップによるロスは24秒と計算されていたため、無難にいけばクルサードに分があります。
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しかしこの年の26歳のシューマッハはイケイケ。チャンピオンを獲るならトップで獲りたいという勢いがあります。59周目の3回目ピットを終えて戻れば
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クルサードの前、トップに。ベネトン陣営やったあ!
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ウィリアムズは2年連続でベネトン&シューマッハにやられた。。
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《決勝結果》
   1 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   2 D・クルサード (ウィリアムズ・R)
   3 D・ヒル       (ウィリアムズ・R)

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第16戦の日本GP、最終戦オーストラリアGPを残し勝ってチャンピオンを獲得したシューマッハ。1年目の94年はグレーに近いチャンピオン獲得となりましたが、この年は完膚なきまでの走りをもって、レース参戦の歴史も長くないベネトンを最強チームにのし上げました。やっぱり「自らが勝ってチャンピオン」というのが清々しいですね。

なお、パシフィックGPは翌1996年も第2戦あたりに組み込まれる打診をされましたが、開催時期が近く、集客面においても日本GPと相殺による減収の懸念もあり、この年を最後に行われなくなりました。

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怪我からいよいよ戻ってきた。この年のこの男の役割は「ナンバー2としてチームとチームメイトを支えること」珍しく裏方に徹します。初開催で復帰初レース。チャンピオン争いも佳境を迎えた1999年第15戦マレーシアGPです。
チャンピオン争いは二連覇を図るマクラーレンのハッキネンが3勝の62ポイント、2位はM・シューマッハに代わってフェラーリのエースを仰せつかったアーバインが同じく3勝の60ポイントで続きます。この2ポイント差、残り2戦のタイミングでハッキネンにとって訃報といえる「厄介なナンバー2」がリハビリを兼ねての復帰です。今シーズンのイギリスGP前に振り返った第8戦イギリスGPで不可解なトラブルで戦線離脱して3ヶ月。シューマッハの立ち位置と走りがキーポイントになります。

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ドライバー全員にとって初開催のセパンサーキットの初ポールシッターとなったのはシューマッハでした。2番手アーバインからは0.9秒、4番手ハッキネンからは1.2秒も引き離して、怪我の影響も何のその。
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ガレージでタイムを待つアーバイン、順位は負けてもご満悦な表情。心強い。一方でハッキネンをサポートすべきチームメイトのクルサードは3番手となり、シューマッハ同様にどう立ち振る舞うか注目されます。日本で唯一の参戦となるアロウズ高木虎之介は最後尾の22番手スタート。母国GPを前に苦しい位置。

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《予選結果》
   1 M・シューマッハ(フェラーリ・F)
   2 E・アーバイン    (フェラーリ・F)
   3 D・クルサード   (マクラーレン・M)
   ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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決勝レースのスタート!新設サーキットは幅員に余裕があり、各車ワイドに広がっていきます。マクラーレン2台に付け入る隙はありません。
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4周目にシューマッハはアーバインにトップを譲り「壁シフト」開始です。いつもとは違う立場、レース前の宣言通り、アーバインとチームのための走りに徹していきます。
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まだハッキネンからもトップのアーバインまで目と鼻の先ではありますが、壁の存在がもどかしい。
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3位でこちらもサポートを命ぜられるクルサードがシューマッハの壁を貫き、2位に浮上しています。これでハッキネンの直前に壁が近付いてきました。早いうちにこの壁を打ち砕かないと、アーバインはみるみるうちに離れていく。
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15周目にクルサードがスローダウンしリタイヤ。クルサードは前年98年と同様に、肝心な時に全く役に立たない。ハッキネンはやはり自力で防衛するしかない。
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トップのアーバインは25周目に1回目のピットを済ませて、ハッキネンと好調ハーバートの後ろとなる余裕の4番手復帰。レースはスチュワートのハーバートを絡めた4台で進行していきます。

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47周目に2回目のピットのタイミングでハーバートに前を許してしまいます。アーバインはシューマッハのサポートがあるから順位はどうにでもなる。ハッキネンは4位ではダメ、自力で3位は死守して最終戦の日本GPに備えたい。何とか53周目に攻略して3位を確実なものとします。これが今回やれる精一杯です。
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一方で2回目のピットを済ませて順位が入れ替わっていたシューマッハはアーバインを再び譲り、トップに返り咲き。アーバインにとっては絵に描いたような理想的なレース運びとなりました。
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アーバインは笑いが止まらない。
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《決勝結果》
   1 E・アーバイン     (フェラーリ・F)
   2 M・シューマッハ(フェラーリ・F)
   3 M・ハッキネン   (マクラーレン・M)

この結果、ポイント上でアーバインはハッキネンを4ポイント逆転し、日本GPを迎えるはずでしたが、レース後にパドックがザワつきます。何とフェラーリ2台のディフレクター(バージボード)が規定に違反しているとし、失格。ハッキネンが繰り上げ優勝でチャンピオンとなる発表がされました。
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フェラーリは当然質問責めを受け、ロス・ブラウン自らディフレクターに金尺を当てて説明
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FIAに控訴します。
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結果的にマレーシアGPの順位は正当なものとされ、失格とハッキネンの繰り上げチャンピオンは撤回。4ポイント差のまま最終戦の日本GPに入ることとなりました。最近はこのような抗議や緊迫したチャンピオン争いもみられなくなったF1。ドライバーもスタッフもファンも緊張が走るヒヤヒヤなレースと裁定が懐かしいですね。

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真っ赤に染まるモンツァのスタンドの声援に応えるベルガー。それには深い意味がありました。ベルガーはこのシーズンをもってフェラーリから二度目の離脱を発表しており、この年が最後のフェラーリドライブになるからです。翌年からは水色ベネトンへ移籍します。
フェラーリ最後のモンツァはベルガーだけではありません。プロストの跡を継ぎ、若くしてフェラーリのエースを仰せつかったアレジもフェラーリを去ります。
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不満タラタラ。伸び盛りの若き才能の障害となった名門は、チーム再建に出て日の浅いドイツの怪物を選択しています。この時期になると来期のシートで騒つき始める1995年の第12戦イタリアGPです。

その怒りや不満を走りにぶつけてもらいたいところですが、残念ながらフェラーリの予選はベルガー3番手、アレジ5番手とイマイチ奮いませんでした。ポールポジションは第2戦アルゼンチンGPで初ポールを獲得したばかりのウィリアムズのクルサードが2回目。2番手は渦中のM・シューマッハと世代交代の気配は否めません。
日本人ドライバーは2人出走し、ティレルの片山右京が17番手、フットワークの井上隆智穂は20番手でした。

《予選結果》
   1 D・クルサード     (ウィリアムズ・R)
   2 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   3 G・ベルガー        (フェラーリ・F)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

フォーメーションラップを行う各車。
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これは第1シケインの空撮です。今とはレイアウトが違うでしょう。さあさあ皆さん、タイヤを温めてレースに備えて下さい。とココで2番手シューマッハのオンボードカメラで珍しい光景を捉えています。砂煙が上がる。前を走っているのって
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そう、クルサード。アスカリシケインでコースオフしています。前座レースのオイルに足を取られたとのこと。あーあ。
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クルサードは自力で隊列に戻りますが、ポールポジションスタートの権利はありません。先頭がガラ空きって、何だか締まりませんね。
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スタート!シューマッハが余裕で加速をしていくと、両側から赤のフェラーリに挟まれていく。ベルガーもアレジも完璧なダッシュを決めてきました。
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さっきのアスカリシケイン出口もクルサードがまき散らかした「余韻」を感じつつ、ベルガーがピッタリとシューマッハから離れません。トップがパラボリカに滑り込む頃、アスカリシケインが騒がしい。ワイドに色々散らばっている?!
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ほら!やっぱり。
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リジェのパニスとフットワークのパピス(名前が似ている)がクルサードの引っかかったオイルトラップ、いやクルサードのばら撒いたサンドトラップに引っかかったか、スピンを喫し、トラックを横切れば、あとはぐちゃぐちゃです。
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そんな暴動もつゆ知らずのベルガーは無心にシューマッハを攻め続け、第1シケインで前に出る。ティフォシの前だと、力がメラメラ湧いてくるものなんでしょうか。
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しかし気持ちよくトップでグランデを通過すると、ロッジアで赤い旗を持ったマーシャルに止められる。赤旗再スタートです。理由はこの先のアスカリがぐちゃぐちゃだから。

再スタートということは、今のは無かったことにしてもう一度スタート位置に就くということ。予定した位置、ポールポジションは?!
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「そう、僕なのでーす!」
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「あはは、でかしたぞデビッド!」
四角いクルサードが丸く収まりました。でかしたのは土曜日であって、むしろさっきはしくじった側なのですが、これでフランクの開いた口が塞がります(笑)
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またグリッドが2つ歯抜けだけど、改めてスタート。
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またまた3番手ベルガーの蹴り出しがよく、シューマッハをかわし、トップのクルサードについていきます。

12周目のロッジア入口
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クルサードがまた単独スピンを喫してグラベルに飲まれています。マシンの挙動がおかしい。
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また口が開き出す。ピットに戻ると、右フロントのホイールベアリング不調で走行不能と判断されて、今度はリタイヤ。レース中に故障したのか、はたまたフォーメーションラップのコースアウトで傷めたのか、お騒がせクルサードはここまで。

トップは余裕のベルガー、少しギャップをおいてシューマッハ、ヒル、アレジと続きます。
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23周目に周回遅れの対応もあってシューマッハとヒルが近付きます。モンツァはスリップストリームを使ってパッシングするのが王道です。シューマッハがグランデ出口で井上をかわして、次はヒルの番。
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今日何回もお目見えしているメルセデスの看板が見えてきました。ロッジアですね。ヒルはイン側から井上をかわすラインを採りました。
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するとブレーキングを開始したシューマッハのリヤが急接近してきます。
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押し出して、2台は反時計回りに仲良く同調したままスピン、グラベルへ。
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ヒルはシューマッハと井上の背後にいましたから空気も薄く、またロッジアのブレーキングも控えていたためリスキーでした。パッシングの判断と動作開始が遅かったように思えます。砂煙の立ち上る中、シューマッハは足早にヒルに駆け寄り文句を言いにいく。
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こういう接触は近年も度々見られますね。この件はヒルに非があります。殴り合いにならなくてよかった。

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トップのベルガーがピットを終えて本線復帰すると、暫定で先頭アレジ、2位ベルガーが続いていく(アレジのリヤウィング右側の黒いカメラに注目しておいてください)
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モンツァでティフォシはこれを待っていた!ボルテージが上がります。
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しかし32周目のまたまたロッジア進入でベルガーが突如タイヤスモークを上げて、左フロントタイヤを変な方向に曲げています。実は前を走るチームメイトのアレジのリヤウィングに搭載されたカメラがグランデで脱落、直後のベルガーの左フロントサスペンションに衝突してしまうというあわや大事故になりかねないものでした。

ベルガー申し訳ない!アクシデントとはいえ、ちょっと心配なアレジ(さっきまであったリヤウィングのカメラがなくなっています)そんなアレジも他人事ではなかった。
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右リヤのホイール内から火が出ています。ブレーキング時にブレーキディスクが赤く焼けて光ることがありますが、これはそれと違う。
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「アレジだけでもどうにかなりませんかねぇ」
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どうにもなりませんでした。アレジはリヤのホイールベアリング不調。一瞬ワンツーを予感させた地元の名門は一瞬で姿を消して店じまい。
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「ジャン同士、あっちで慰労会やろう、なっ!」

荒れに荒れたモンツァは出走24台中完走10台。53周を走り切ったのはわずか4台。優勝はふて腐れるこの方。
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第8戦イギリスGPに続く2勝目。日本人はトップドライバー2人もろともあしらった井上が8位完走、片山は10位完走となっています。

《決勝結果》
   1 J・ハーバート           (ベネトン・R)
   2 M・ハッキネン         (マクラーレン・M)
   3 H・H・フレンツェン(ザウバー・Fo)
   ※Foはフォードエンジン

ハーバートってぱっと見がシューマッハに似ているんですよね。どの辺がって、あの辺やこの辺がです(笑)あんなヤツと一緒にするなって、ハーバートに怒られちゃう?!
メルセデスエンジンを得て伸び盛りのハッキネンは当時最上段となる2位表彰台、フレンツェンはこれが初表彰台でした。

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地元で残念な結果に終わったフェラーリ。期待通りにいかないのは近年も変わらずですね。今シーズンは先日のベルギーGPでようやく優勝を挙げて、このイタリアGPも優勝が可能なマシンを持ち合わせています。今のフェラーリの問題はマシンやドライバーというより、脆弱で優柔不断な戦略面カナ。

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近年はハンガリーGPとベルギーGPの間に夏休みを設けるのが定例化してきました。ただしこの年までは少し異なっており、夏休み前はヴァレンシア市街地でのヨーロッパGPとベルギーGPで夏休みを挟んでいます。夏休みの宿題に追われるような時期を思い出させてくれる、2009年第12戦のベルギーGPです。
「裏技」を駆使し、また他の「裏技」は搭載せずにシーズン前半を席巻してきたブラウンGPのバトンは第7戦トルコGPを境にズルズルし出しました。代わって第8戦イギリスGPでベッテル、以前に振り返った第9戦ドイツGPはウェバーが勝利して、遅れ馳せながらレッドブルがブラウン狩りに転じています。こういう勢力変化は面白いですね。

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ベルギーはフリー走行から参戦2年目のフォース・インディアが2人共々イケイケです。36歳となった「オールドイタリアン」フィジケラがQ1でトップ通過、Q2で4番手通過と番狂わせの予感がします。
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何とアロンソ、ハミルトン、バトン、コバライネンらがQ2でアウト。あと残っている強豪?!フェラーリのライコネン、レッドブルの2人、BMWザウバーとトヨタあたりか。
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Q3の残り30秒でもトップに立つ。代走バドエルは使えず一匹狼ライコネンは3番手止まり。その後BMWザウバー2台がライコネン超えをみせるもフィジケラには届かず。
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同胞の予選屋トゥルーリもダメ。ということは?!
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やった!
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やったぁ!
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フォース・インディアとしては初、フィジケラとしては3年振り4回目のポールポジションを獲得しました。そして上位3人の顔触れがシブい。どこか似たニオイのする3人。残念ながら「金」は獲れなかったいぶし銀たち。

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《予選結果》
   1 G・フィジケラ       (フォース・インディア・M)
   2 J・トゥルーリ        (トヨタ・T)
   3 N・ハイドフェルド(BMWザウバー・B)
   ※Tはトヨタエンジン、BはBMWエンジン
      タイヤはブリヂストンのワンメイク

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ベネトン時代に1回、ルノー時代に2回のポールスタートの経験のあるフィジケラですが、日の浅いチームのポールスタートとなれば期待は大きくなります。スタートの価値と重要さを痛いほど知るベテランです。
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今回は14番手に沈んだランキングトップのバトン。序盤の勢いは何だったんだ?!当時は言えなかったけど、貯金しておいて本当によかったですね。
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バトンに相対して4番手スタートとなったバリチェロは大失敗。6番手のライコネンが瞬時にアウトへ転じて受け流す。
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2番手3番手のいぶし銀は狭いラ・ソースの奪い合いでタイヤスモークからの接触。関係ないねと4位を狙うべくまたアウト側「あさってのライン採り」をしています。
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これだけオーバーランしたら逆に潔い。全車でこんなにワイドに膨らむのもココくらいでしょうか。ふた昔前、かのマンセルは鋭角ラ・ソースで縁石のさらに外を大きく膨らむ「反則ライン」を編み出し、後輩たちはこぞって倣いました。距離は長くなるけど、速度低下は小さく済みます。後ろでガチャガチャやっている間にポールのフィジケラは逃げモード。
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ハイドフェルドに代わって2位に浮上したクビカに対して、ライコネンは早くも王道のケメルストレートで追い込みをかけます。
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レ・コームでライコネンが前を奪うと、その後がよくなかった。続く左のターン8でインをカットして失速、クビカの左フロントウィングを蹴り飛ばしています。ターン1といいライコネンらしくない乱暴さ。

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先頭集団も接触を繰り返す中、中団以降も荒れ模様でした。ルノーの若手グロージャンがまったりのバトンを押し出して、バトンが反転。
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その後ろでトロ・ロッソをドライブする2戦目の最年少アルグエルスアリはハミルトンを道連れにして、4台が一気にリタイヤすることとなりました。1周目から毎年何かが起こるスパ。
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早速セーフティカーの出番となり、頭一つ飛び出たフィジケラにとっては辛い状況となります。4周目にローリングスタート。
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オー・ルージュからピッタリ張り付くライコネン。前は予選で大注目されたフィジケラです。
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マシンカラーやチームは変われど、見覚えのあるバトルだ。フィジケラ4年前のデジャヴか?!
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ケメルの中腹で簡単にパス。フィジケラもここまでか。仕方ない、相手は何せKERS搭載の「スパ王」ですから。

ただ今日のフィジケラはそう簡単にくじけたりしない。2年目の中堅フォース・インディアを駆るベテランはトップチームのスパ王から離れません。14周目のピットイン1回目で合わせ込む。
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ピットアウトしてジワリジワリとギャップを削りにいきます。今日のフィジケラはいつものフィジケラとはちょっと違う。ライコネンに飛ぶピットからの指示を受け、フォース・インディアもスパ王狩りを諦めていません。
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23周目のケメルはギャップ0.8秒に迫る。今ならばDRSという裏ワザがあるのに、当時はまだありませんので、パワーがモノをいいます。フォース・インディアはKERS非搭載車。あるのは文字通りの「インドの力」と「フィジケラの経験」それだけ。

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30周目にライコネンが2回目かつ最期のピットに入りました。もちろんフィジケラは今回も合わせて離さない。どこかにチャンスがあると信じて「目の前の敵」だけをしっかり見つめる。
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トップ争いとは毎回タイミングをズラして上位を狙うレッドブルのベッテルに好転が訪れました。何と3位クビカの前に空間があります。ピットをミスしなければ、イケるぞ?!
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そこをしっかり押さえて「だらしの無い」ブラウンGPの居ぬ間のチャンスをしっかり取ってくる。こういう積み重ねが将来の大成に繋がる重要なファクターです。
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そうそう、ボクだってファステストラップも獲れるんだよ、と。

一方で予選惨敗、スタート失敗、1周目のもらい事故と散々たる内容となる「だらしの無い」方は?!
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ファイナルラップでバリチェロのマシンから白煙が見えています。1周が長く、上下にも左右にもクネクネなスパに耐えられるのか?!
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何とか7位入賞でフィニッシュ。よかったね、ウィニングランの無いスパで。山奥で燃えるのだけは避けられました。

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結局フィジケラは0.9秒遅れのままの2位。フォース・インディア初の表彰台を獲得しました。スパ王相手によくやりました。そしてこのレースを最後にフィジケラはフォース・インディアを後にし、負傷欠場のマッサ、不甲斐無い代走バドエルに代わって、たった今負かされたフェラーリに移籍して「F1最終章」を迎えることとなりました。

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《決勝結果》
   1 K・ライコネン(フェラーリ・F)
   2 G・フィジケラ(フォース・インディア・M)
   3 S・ベッテル    (レッドブル・R)

ライコネンのベルギーGPは2004年、05年のマクラーレン時代で2勝、そしてフェラーリ第1期の07年と09年で2勝、2019年現役ドライバーで最多となる計4勝を挙げています。歴代ではM・シューマッハの6勝、A・セナの5勝に続く数です。ハミルトンもベッテルも及ばない面白記録の一つ。ちなみにハミルトンとベッテルは現在3勝で続いているため、2人のうちのどちらでもスパ王に並びます。もちろんライコネンが勝てば、5勝目に到達します。可能性は極めて少ないけど、ゼロでもない。えっ、そんな数字なんて関係ないねって?!
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2009年シーズンのフェラーリは全17戦のうち、優勝はこのライコネンのベルギーGPたったの一つ。そしてライコネンのフェラーリ第1期の最終優勝でもありました。10年の時を経たフェラーリも今非常に勝ちに飢えています。そのベルギーGPは勝てる貴重な貴重なチャンスです。

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