F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:過去

2015年からF1に復帰した第四期ホンダも今シーズンで6シーズン目を迎え、徐々に優勝や表彰台を獲得するまでに成長しました。ホンダのF1を語る上では1980年代中盤から90年代初頭にあたる第二期は必ず通る道です。当時最強エンジンと言われたその時代を象徴するかのようなレースの一つ、1987年シルバーストンでの第7戦イギリスGPを振り返っていきます。

1987年のレースを振り返るのは初になります。この年は現在と同じようにターボを搭載し、4バール(気象でいう4,000hPaでだいたい4気圧に相当)という過給圧制限はありつつも実にパワフルな出力のマシンがしのぎを削っていた時代です。また日本にとっては何よりも「日本人初のフルタイム参戦ドライバーの登場」「フジテレビによる全戦無料放送開始」とF1が一気に身近な存在になったシーズンでもあります。
イギリスGPを迎えるまでの6戦の戦績は2勝を挙げるウィリアムズのマンセル、今年こそ念願のチャンピオン獲得に意気込むロータスのセナも2勝、前年86年に僅差でチャンピオンを獲得したマクラーレンのプロストも2勝となっており、勝ち星は無くとも4回の2位で着実にポイントを積み重ねるウィリアムズのピケの4人がぶつかり合っています。ちなみに優勝3人のうちプロストを除く2人のエンジンはホンダです。「エンジンコンストラクターランキング」があったとしたら、ホンダは飛び抜けたトップに君臨しますね。「日本人初のフルタイム参戦ドライバー」の中嶋悟はセナの相方としてロータスに所属し、第2戦サンマリノGPで6位、第3戦ベルギーGPで5位と2回の入賞を獲得しています。セナとの比較は酷だけど、F1新人とはいえ34歳のベテランクラス。奮闘しつつも、これはちょっと離され過ぎ。
IMG_4350

この87年から「ブリッジ」という区間をトラック終盤に設置するレイアウト変更がありました(現在は廃止)地元レースを最多勝で入ったマンセルがこの新設コーナーに苦戦、第3戦ベルギーGPから続く5戦連続ポールポジションが潰えます。代わってチームメイトのチャンピオン経験者ピケがポールポジションを獲得。3番手はセナ、中嶋は12番手となっています。上位3人がホンダエンジンユーザー、この時代のテッパンです。

《予選結果》
 1 N・ピケ  (ウィリアムズ・H)
 2 N・マンセル(ウィリアムズ・H)
 3 A・セナ  (ロータス・H)
 ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

IMG_4353
スタートでイン側のピケ、アウト側のマンセルももたつき、ウィリアムズ2台してじゃれ合う。この時代のスタートって、パワーが有り余るせいか、ドラックレースの如くタイヤスモークを上げてテールを滑らすマシンが多かったですよね。それはそれで「荒ぶるモンスターマシン」を操るようでカッコいいですが。
IMG_4354
そんな中、さらにアウト側からスッと真っ直ぐ隙をうかがったプロストがウィリアムズまとめ抜きを敢行。このシレッと感がプロストらしい。
IMG_4355

IMG_4356
しかしそれも束の間。やっとエンジンが馴染んできたのか半周足らずでピケが、
IMG_4357
ハンガーストレートでマンセルが易々とプロストを捕まえて定位置に戻っていきます。あたかもでっかいターボラグでもあったかのようなスロースタートでした。

IMG_4359
壊すのはお手のモノか9周目に早速ブラバムのチェザリスが火を吹く。
IMG_4360
快調にトップに食らい付くプロストとは裏腹にヨハンソンのタグポルシェも19周目に白旗。現在の信頼性あるマシンと違い、この日のシルバーストンは序盤からマシンに牙を剥きます。
IMG_4361
予選こそ離された中嶋は立て続く前方の離脱を得て、6位入賞圏内まで浮上。相方セナに少しでも近付きたい。

IMG_4362
レース終盤にはフェラーリのアルボレートがピットに戻るもリヤのサスペンション故障により離脱。
IMG_4363
さらにはセナと一進一退のバトルを続けたプロストもリタイヤし、マクラーレン、フェラーリ共に全滅。これらにより中嶋は4位に浮上、54周時点でホンダエンジン勢4台全てが1位から4位に連なる形を築きます。

IMG_4364
最終盤にマンセルがピケの尻尾を捉えて臨戦態勢に。
IMG_4366
ん、左からかな?
IMG_4367
いや右からだよー!
IMG_4368
迅速かつ絶妙なフェイントを入れ、同じマシンに乗る2人がサバイバルなイギリスGPのオーラスで見せ場を作ります。
IMG_4369
ココは俺の地元。今回は戴いたぜチャンピオンさんよ。
IMG_4371

IMG_4372
《決勝結果》
 1 N・マンセル(ウィリアムズ・H)
 2 N・ピケ  (ウィリアムズ・H)
 3 A・セナ  (ロータス・H)

レースはわずか1.9秒差でウィリアムズがワンツーフィニッシュとなり、この2人だけが同一周回。セナは一周遅れの3位、そして中嶋はウィリアムズから二周遅れとなる4位を獲得して「ホンダエンジンによる1-2-3-4フィニッシュ」が完成しました。出走26台中、ライバルがバタバタとリタイヤ、完走たったの9台というサバイバルレースで、ホンダだけ全員無事に生き残ったという「伝説のレース」です。
IMG_4370
このシーズンは結局ウィリアムズが16戦中12ポール9勝を挙げ、文句無しのコンストラクターズチャンピオンを獲得。それは至って当たり前。しかし面白いのは「ドライバーズチャンピオンの行方」です。マンセルは8回のポールで6勝を挙げたものの、肝心のチャンピオンは4回のポールで3勝に止まったピケが獲ることとなったのです。それはなぜか、実はマンセルは2位が一度も無く4回のリタイヤと初鈴鹿開催となる第15戦日本GPを「不戦敗」しており、逆にピケは2位7回でリタイヤは第3戦ベルギーGPで1回で止めたためです。優勝の数より2位の数と入賞回数でチャンピオンが決まるという「両者のキャラクター」が明暗を分けた実にユニークなシーズンでした。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

IMG_4084
東欧美女がグリッドに立っています。顔がとても小さいですね。そしてどこか寂しげな感じが東欧のクールさを醸し出しているよう。F1に長らく定着するハンガリーGPはこの年からF1カレンダーに組み込まれて現在まで欠かすことなく行われています。社会主義(共産主義)国でF1が行われる先駆けのGP、今から35年近く前にあたる1986年第11戦ハンガリーGPです。
IMG_4081
こちらはコントロールラインから見て最深部に位置する旧6,7,8コーナー付近です。先日の記事の冒頭に挙げた画像の33年前になります。アングルは若干異なりますが、この区間に大きな変更はなく、今でも使用されています。

1986年シーズンを振り返るのは初となります。まだフルタイム日本人ドライバーはいません。マクラーレンは二度目の引退を果たしたラウダに代わって、ウィリアムズからK・ロズベルグを引き抜き、プロストとダブルチャンピオン体制を続けていきます。空いたウィリアムズにはブラバムからピケが移籍、マンセルと組みます。
これまでの10戦はウィリアムズのマンセルがベルギー、カナダ、フランス、イギリスの4戦を制して初チャンピオン獲得に向けて奔走しています。前年85年のチャンピオン、マクラーレンのプロストは表彰台登壇を続けるも、優勝は第3戦サンマリノGPと第4戦モナコGPの2勝に止まります。ほかマンセルの相方ピケが2勝、ロータスで腕を上げるセナも2勝と4人で10勝。つまり「F1四天王」と呼ばれた4人によるチャンピオン争奪戦を繰り広げています。ハンガリーGP時点では皆にチャンピオン獲得の可能性を有している状況。混戦はいいですね!
また、この年からNAエンジンが禁止されたため、出走の全車がV型8気筒や6気筒、直列4気筒のターボエンジンを搭載しています。直線が短く、低速コーナーが続くハンガロリンクを果たして誰が一番初めに制するか注目されます。

IMG_4082
初のハンガリーGP予選は最も若いセナが制しました。2番手ピケは0.3秒差、3位プロストが0.5秒差、4番手マンセルは0.6秒差で接戦でした。貴重なチャンピオン経験者であるロズベルグは1.2秒差の5番手とプロストからもだいぶ離され、世代交代感は否めません。

《予選結果》
 1 A・セナ  (ロータス・R・GY)
 2 N・ピケ  (ウィリアムズ・H・GY)
 3 A・プロスト(マクラーレン・TP・GY)
 ※GYはグッドイヤー、TPはタグポルシェ

スタートでセナは確実にトップを守り、ハンガリーGP初ウィナーを目指していきます。その後方ではウィリアムズのレッド5に代わり新ホワイト6のピケが前に出て独走のセナを追いかけていく。
IMG_4085

IMG_4087
白いピケが黒のセナを捉えました。ブラジル人対決です。
IMG_4088
NP「若造、F1ブラジル代表はオレに任せろ、なっ」
ターン1をインからさしてピケが前に。

IMG_4089
3番手スタートだった現チャンピオンはピットでもたついています。何かトラブルでもあったか。クルーはピットレーン上流を仕切りに気にします。ロズベルグがルーティンピットインを控えているからです。
IMG_4090
「行け、行け!」
IMG_4091
えーロズベルグはペナルティでもないのにピットスルーを指示されています。普通はトラブルを抱えた者を後回しに、生き残っている者の流れを途絶えさせない方が賢明なのに、ロズベルグもひどい扱いをされるものだ。

IMG_4092
一度トップを明け渡したセナはピットが功を奏し、再びピケを逆転します。そうなるとピケはセナをかわさなければなりません。
IMG_4093
再びターン1からセナを狩りにいく。
NP「オレはリオ出身。サンパウロは引っ込んでろ」
IMG_4094
しかしブレーキングをミスしてイン側を開けてしまい、セナが守り切る。
IMG_4095
IMG_4096
当然ピケは黙っていません。三度セナに仕掛けていきます。インがダメなら、今度はアウトから。
IMG_4097
IMG_4098
前に出たピケの向きがおかしいですね。これ、テールを滑らせてドリフトしているんです。暴れたリヤを制御しながら無理矢理前に。ピケの巧みなステアリングさばきです。F1マシンはドリフト走行よりグリップ走行に特化していますが、昔はこのように暴れるマシンを腕でカバーして走るドライバーを多く見かけました。K・ロズベルグもこんな感じの荒いドライビングをしていましたよね。
IMG_4100
NP「お前がオレに勝つのは5年速いってんだ」

IMG_4102
《決勝結果》
 1 N・ピケ  (ウィリアムズ・H・GY)
 2 A・セナ  (ロータス・R・GY)
 3 N・マンセル(ウィリアムズ・H・GY)

この年は結果的にプロストが2年連続のチャンピオンを獲得し、翌87年にピケが3回目、そして2年後の88年にセナがチャンピオンを獲得して、四天王の中ではマンセルが92年まで待つ形となりました。特にピケとセナは同郷で不仲と言われていましたが、実際はどこまで不仲だったかはわかりません。IMG_4103
E・フィッティパルディやC・パーチェが始祖となったブラジル人F1ドライバーはピケやセナなどで大成就、以降もバリチェロやマッサなど有能の若手を多く生み出すことになるものの、現在は久しく出身者不在の時期が続いています。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

レース前の記者会見で鋭い質問を受けるバリチェロ。先週振り返った2001年のレースで「シューマッハに2位を順位を譲った件」について再び問われています。IMG_3759
バリチェロは「先のことを考えても仕方がないし、心配し過ぎの人生はもったいない。日曜日になればわかる」と回答。よい事をしたはずなのに、色々詰め寄られ、心中は当然納得していないだろうし、葛藤していると思います。今回振り返るのもオーストリア2連戦目、前回の翌年にあたる2002年、A1リンク(現 レッドブルリンク)での第6戦オーストリアGPです。このシーズンも「諸事情」により取り扱いは少なく、今回でまだ3レース目です。このレース自体も面白いかと聞かれれば???ですが、この時代を象徴する一つとして挙げてみました。

これまでのポイントリーダーはフェラーリのM・シューマッハが第2戦マレーシアGP以外の5戦全てで勝ち、絶賛独走中。チームメイトのバリチェロは逆に第4戦サンマリノGPの2位以外はノーポイントと、同じチームでも天地の差を築いています。M・シューマッハの落とした第2戦の勝者はこの方
IMG_3763
金髪に仕立て上げられた弟、ウィリアムズのR・シューマッハ。脱シューマッハしたかったのかな、金髪は全然似合っていにゃい(笑)ということでこの5戦は全て「シューマッハ姓」の優勝となっています。ポイントランキング上の2位は同じウィリアムズのモントーヤではあるものの、どうした非シューマッハ諸君、という感じ。
IMG_3764
チームメイトが2年目にして「自分がリザーブしていたはず」のトップチームに引き抜かれ、ザウバーに居残る形となったハイドフェルド。この年から参戦したマッサと共に「リアルサッカーゲーム」になり切って戯れています。
IMG_3765
まさかこのあと大飛躍を遂げて、別々の系譜を辿るとは、この時点で予想もしていなかったでしょう。コレ、どこかで聞いたセリフだな(笑)

IMG_3766
予選は外野の雑音をものともせず、2番手に0.282秒の差でバリチェロがポールポジションを獲得。今回は文句無しか?!一方M・シューマッハは急遽、今では許されていないスペアカーでのアタックとなり3番手。またこの年から(ジョーダン・)ホンダでF1デビューを果たした佐藤琢磨はフィジケラに及ばず18番手となっています。悔しいけど、まあそこはあまり気にしてないC。IMG_3767
いやー近い近い近い!!

《予選結果》
 1 R・バリチェロ(フェラーリ・F・BS)
 2 R・シューマッハ(ウィリアムズ・B・MI)
 3 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
 ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン
  BはBMW

IMG_3768
2番手の弟は3番手の兄を乗っけから、、いやフェラーリ2台が好スタートを決め、ターン1までにワンツー体制を確立。またこのパターンか(笑)IMG_3769
5周目、BAR・ホンダのヴィルヌーブが13位走行のルノーのトゥルーリをターン1でかわすと、アウトサイドに白煙が立ち昇っています。
IMG_3770
この年からマクラーレンのシートを得た2年目のライコネンでした。シルバーカラーにホワイトの煙。エンジントラブルはこのチームお決まり。

IMG_3772
この日のヴィルヌーブは珍しく、実に元気でした。13周目にもう一人のルノー、バトンをかわすと、18周目には次なるターゲットである参戦1年目トヨタのサロをパス。IMG_3774
地味に「日本対決」を演じています。こればかりはトヨタも黙っちゃいないぞ、こちらは妻も日本人なんだぞ!どうだ、参ったか?!
IMG_3775
珍しくヴィルヌーブが頑張っているのに、サブ格の先輩パニスはというと、22周目に入ったコントロールライン付近で
FullSizeRender
負けじとド派手な演出。こちらもエンジンが悲鳴を上げて、セーフティカーを呼ぶ。IMG_3780
となれば、フェラーリは2台続けてタイヤ交換に入ります。ギャップはたっぷり。後ろは気にせず、余裕余裕!しかし戻るとM・シューマッハはバリチェロを待った分、ステイしたR・シューマッハが間に割って入ります。弟だから、まあココはどうにでもなるか(笑)

IMG_3781
26周目にヒヤリハットでは済まず、ヒヤリ「ドッカン」が起きてしまいました。レムズ手前でバランスを崩したハイドフェルドが制御の利かないマシンでレムズに進入IMG_3782
FullSizeRender
ラップダウンの佐藤に突っ込んでしまいます。FullSizeRender
お互いに命には別条ありませんでしたが、佐藤にとってはいい迷惑なもらい事故。サッカーゲームなんてして戯れている場合ではありませんでしたね。
レース最終周では「珍しく」気合が入っていたヴィルヌーブまで
IMG_3790
燃え尽きた。一応10位完走扱いではあるものの、2台がエンジン絡みで1台はアクシデント。健全だったのはフィジケラたった1台とホンダにとって辛い週末となりました。

話を上位勢に戻し、さり気なく2位に復帰したR・シューマッハが47周目に最初で最後のピットを終え、3位に後退すると、またまたバリチェロ1位、M・シューマッハが2位のワンツー体制に戻りました。ここでジャン・トッドとロス・ブラウンが何やらコンタクトして、、まさか?!
IMG_3791
IMG_3792
デジャヴなんかでなく、身に覚えのある宣告が。IMG_3794
2位のM・シューマッハがみるみるうちにバリチェロの背後に。IMG_3795

《決勝結果》
 1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
 2 R・バリチェロ(フェラーリ・F・BS)
 3 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)

IMG_3796
バリチェロ、M・シューマッハとも、力無くコントロールラインを通過していきます。イン側のM・シューマッハが前、ということは2年連続のフォーメーション成立。それも前年の2位3位ではなく、今回は1位と2位。バリチェロは指示に従い、ポールポジションからの優勝を自ら棄てました。IMG_3797
さすがのM・シューマッハは遠慮がちに手を振る。IMG_3799
観客は総立ちでブーイング。
IMG_3806
表彰台では、一応バリチェロを中央に立たせ、トロフィーを持たす。コレ本当はダメなんですよね。こんなことではバリチェロもレースを観に来たファン達も納得しません。バリチェロは心の中で思ったでしょう
IMG_3808
「本当の勝者はボクなんだ、みんな知っている」

JM「先輩、今回のコレはマズいんとちゃいます?」IMG_3804
RB「うーん、いやぁ、、まあ、、」
MS「ん、何がかな?言われなくても知ってるよ」

IMG_3800
日曜になればわかること。これがバリチェロの本音です。M・シューマッハの前人未到の7回チャンピオンに91勝、今でも語り継がれるF1の輝かしい大記録ではありますが、このような計らいがあってなし得たことも忘れてはならない事実です。2週連続で振り返ったオーストリアGPでの出来事、バリチェロはこの先2005年までこの悩みと葛藤し続けることとなります。またいつの日か、続く。。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

問題です。額にニキビを蓄えたこの金髪の青年は誰だ?!20年近く前のドライバーです。結構前になりますが、今F1を観ている方なら絶対知っているはず。IMG_3681
正解はライコネンです。当時21歳ですので、年齢的に今のルクレールやM・フェルスタッペンのちょい下、ストロールやラッセルに相当します。最近メディアでちらほら見かけるようになった息子のロビン君もだいぶ似てきて可愛いでしょう?!今でこそ最年長の脱力系おっちゃんとしてでんと構えて人気を博していますが、この頃はようやく正式なスーパーライセンスが発給されたばかり。研修期間をようやく脱するタイミングでした。デビュー戦でいきなり6位完走を果たすなど、チームメイトでこちらも若手有望株の一人であるハイドフェルドもこの一年生を高評価しています。IMG_3682
IMG_3683
まさか翌年に大飛躍を遂げて、別々の系譜を辿ることは、この時点で予想もしていなかったでしょう(笑)
前段が長くなりましたが、今回は2001年第6戦にA1リンク(現 レッドブルリンク)で行われたオーストリアGPを振り返ります。
今まで色んな時代やサーキットを取り扱ってきた「過去のレース」ですが、2001年シーズンもオーストリアGPもこれがまだ3回目なんですよね。オーストリアGPは大好きだからもっとやっているという錯覚がありました。2001年シーズンは、まあ、、まあまあまあ(笑)これまでの5戦はというと、前年に久々のチャンピオンに返り咲いたフェラーリのM・シューマッハが3勝してランキングトップの36ポイントで快走中。一方ライバルでマクラーレンのハッキネンは4位1回6位1回のたった4ポイント。そりゃF1辞めたくもなるわなあ。代わってチームメイトのクルサードが26ポイントで追っています。

予選は近年ココを得意としてきたマクラーレン絶不調。クルサード7番手、ハッキネンは8番手に沈みます。ポールポジションはウィリアムズ2台を僅差で退けたM・シューマッハが獲得しています。流れは完全にディフェンディングチャンピオン達成に向いています。「一年目のベテラン」モントーヤはシューマッハ兄弟に挟まれて、ちょっとやり辛そう。IMG_3685
《予選結果》
 1 M・シューマッハ (フェラーリ・F・BS)
 2 J・P・モントーヤ(ウィリアムズ・B・MI)
 3 R・シューマッハ (ウィリアムズ・B・MI)
 ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン
   BはBMW

IMG_3689
スタートはポールのM・シューマッハが出遅れ、ウィリアムズがワンツーでターン1「カストロール・エッジ」に進入してきました。これは面白い!IMG_3691
しかし毎年何らかの接触やオーバーランで荒れるスタート以前に、まさかの「スタート出来ず」のドライバーが4人もいました。黄色のジョーダン2台、ザウバーのハイドフェルド、そして
IMG_3693
何とハッキネン!一見集団の中を走行しているようにも見えますが、これは微動だにせず1周遅れになる様子。チームクルーが近付けず放置されています。1ミリも動かない0周リタイヤ。この年は「トラクションコントロール」が久々に搭載可能になったシーズンですが、正常に機能する者しない者、また使用するのをためらう者がいるなど、全員がイコールコンディションとは言えない時期でもありました。ヨーロッパラウンド序盤でこんなトラブルが出てしまうと、完全にシーズンの勝機を失ってしまいますね。やっぱりオーストリアの1周目は何かがあります。

「悪い荒れ」ばかりでなく「いい荒れ」もありました。予選は16番手となったアロウズのJ・フェルスタッペンは1周目に7位まで急浮上!4周目には緑のジャガーを駆るアーバインをレムズで捕らえる。IMG_3696
さらに翌周5周目は格上のクルサードにも襲いかかって、同様にレムズでパッシング。IMG_3698
まさに「オレンジ爆弾」20年近く後の昨年は息子がココで快進撃をみせていましたね。さすが親子、似ています。

IMG_3699
トップを快走するモントーヤに2位のR・シューマッハがついていけず、フェラーリ2台とフェルスタッペンに詰められています。これはいつもの「兄への忖度」かななんて思ったりもしますが、どうやら今回は様子が違う。
IMG_3701
ブレーキの不調を訴えています。チームは問題ない旨を回答。ところが10周目に曲がり切れず戦線離脱。フェラーリ2台に併せてフェルスタッペンもその隙に前に。IMG_3704
IMG_3706
無線で皮肉たっぷり。怒り冷めやらぬマシンを降ります。ドライバーのフィーリングをもっと尊重してあげたいですね。

IMG_3708
続いてモントーヤもペースダウンし始め、またもやフェラーリ2台とフェルスタッペンがオマケで迫っています。赤系カラーリングが三位一体で「猛獣狩り」か。IMG_3711
左からでも、
IMG_3712
右からでも、どちらからでもイケるけど?!と言わんばかりのあおりです。これをリアルに路上でやられたら怖いですね。皆さんダメですよ、このご時世こんなあおり方したら。撮られて晒されて、しっかりと厳罰が下りますからね(笑)やっていいのはサーキットだけ!IMG_3714
普通の新人ならビビってしまうところですが、この新人はそこらの単なる新人ではありません。面の皮が違います、頑として譲りません。しかし16周目、ドライバー以上にマシンが限界でした。
IMG_3715
レムズで曲がり切れずオーバーラン、それも外側を陣取っていた2位のM・シューマッハも道連れに。
IMG_3716
代わってトップに立ったのはフェラーリのバリチェロ、フェルスタッペンもごっつぁんの2位に浮上。あおりを食らった形となったM・シューマッハはIMG_3718
クルサード、ライコネン、BARのパニスにまでかわされ6位に陥落してしまいました。
IMG_3721
ここからM・シューマッハが本領を発揮します。25周目にパニス、28周目にライコネンをかわして3位に復帰。あと前を走るのは2位のクルサードとトップのバリチェロを残すのみ。

IMG_3728
47周目にバリチェロが最初で最後のピットインを終え、暫定のトップとなったクルサードは50周目までピットを引っ張りました。
IMG_3729
バリチェロはトップ奪還できるか?!IMG_3731
一歩足らずでクルサードがトップを守りました。ことごとくライバルに翻弄され続けるフェラーリ。
IMG_3735
これはイカン、どうにかせねば!そこでチームは考えました。2位バリチェロにこの後無線で実に生々しい「指示」が下ります。
IMG_3736
最終ラップの最終コーナーでM・シューマッハと順位入れ替えのフォーメーション指示です。果たして素直に指示を受け入れるかどうか?!IMG_3740

《決勝結果》
 1 D・クルサード (マクラーレン・M・BS)
 2 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
 3 R・バリチェロ (フェラーリ・F・BS)

IMG_3741
バリチェロはストレートで速度を緩め、甘んじて指示を受け入れました。個人ではスポーツとして相応しい裁定でないにしても、チームとしては有益という判断。これが約束、契約です。
IMG_3747
チーム関係者のみならず、我々ファンも重々承知しています。バリチェロはこれから先もフェラーリをドライブする以上、厳しく酷ではありますがこれから先もついて回ることになります。続く。。IMG_3749

FullSizeRender
ちなみに優勝はクルサード、今では想像もつかない手を振り喜びを表現するライコネンは自身最高位更新の4位、そして「金魚のフン」的に一躍目立ったフェルスタッペンはギリギリ6位入賞でフィニッシュとなりました。ラストが衝撃的過ぎて、危うく報告を忘れるところでした(笑)

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

今回の過去のレースは1985年にポール・リカールで行われた第7戦フランスGPです。85年は先日の第15戦南アフリカGPに続く2回目となります。今でこそ名物の「ミストラルストレート」中腹で左に折れるシケインが設けられていますが、この年まではまだそれが無く、2.5kmに及ぶF1屈指の超ロングストレートが存在しました。
このシーズンこれまでの6戦は前年僅差でチャンピオンを獲得したマクラーレンのラウダがリタイヤ続きの絶不調。代わってリードしたのはチームメイトのプロストで開幕戦ブラジルGPと第4戦モナコGPを制して唯一の2勝を挙げています。前年84年は際どく競り負けてしまいましたよね。リベンジに注力しています。また、若手の期待、ロータスのセナは第2戦ポルトガルGPで初優勝を果たし、そのチームメイトのであるデ・アンジェリスは第3戦サンマリノGPで1勝、フェラーリのエースのアルボレートが第5戦カナダGPで1勝となかなかの混戦模様。

IMG_3643
近年のフランスGPを滅法得意としていたルノーの予選は低迷し、ホンダエンジンを搭載したウィリアムズで8番手となったマンセルはクラッシュによる体調不良を訴えて決勝を欠場することになりました。それならばもう一人が頑張るしかない。
IMG_3645
ポールポジションはカーナンバー6のロズベルグ。一応チャンピオン経験者です。フロントロウには伸び盛りのセナ。ベテランに混ざって一人前の面持ち。レースには関係ありませんが、黄色いドリンクが懐かしい。レース後のインタビューとかでピッチャーに入ったこんなドリンクをみんな飲んでいましたよね。ドリンクの入っている容器はペットボトルでしょうか。こんな時代からあったんでしたっけ?!
IMG_3646

《予選結果》
 1 K・ロズベルグ (ウィリアムズ・H・GY)
 2 A・セナ    (ロータス・R・GY)
 3 M・アルボレート(フェラーリ・F・GY)
 ※GYはグッドイヤー

IMG_3648
決勝レーススタート!シーニュ先からミストラルストレートエンドをみると、今ある「縞々」はありません。絶対こっちの方がいいと思うんだけどー。
IMG_3649
南仏のポール・リカールは今までは地元のルノーをはじめ、ターボエンジン勢が有利とされてきました。気温も路面温度も高めで、追い討ちをかけるべく存在する長大なストレートによりマシンへの過酷さが増します。まずは地元リジェのラフィは2周足らずでターボが火を吹く。
IMG_3650
5周目のアルボレートはミストラルストレートエンドでジ・エンド。こちらもターボ起因。

IMG_3651
気持ちよく逃げるロズベルグの後ろ、2位争いをしているのは黒いセナと白いピケ。ブラジリアン対決です。セナはギヤに不調が出てペースダウンし始めました。ブラバムお得意の「軽タンク猛追作戦」でセナをかわしていきます。ピケの持ち味は決勝での巻き返し。
IMG_3652
その勢いでじりじりとトップのロズベルグを狙います。グッドイヤーを履くロズベルグよりも、ピレリを履くブラバムは暑さに強い。
IMG_3656
シーニュでテールトゥノーズにつけ、インから綺麗なライン採りでさばいて、ピケが前に。

IMG_3657
IMG_3658
ロズベルグはセナが緊急ピットインを行う間に順位を上げたマクラーレンにあおられ始めました。マクラーレンもウィリアムズと同じグッドイヤーを履いています。危うし!
IMG_3659
レースちょうど半分の26周目。遅れを取り戻したいセナですが、シーニュの進入でバランスを崩す。
IMG_3660
こちらもエンジン?!リヤエンドが光って見える。
IMG_3661
遠心力のなすがまま、
IMG_3663
キャッチフェンスに捕まって、若き勢いは土煙に散る。

IMG_3664
終盤にピケのピレリも限界か、リヤを滑らせドリフトしています。でも何とか持ち堪え、シーズン初勝利へ。

IMG_3667

《決勝結果》
 1 N・ピケ   (ブラバム・B・PI)
 2 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・H・GY)
 3 A・プロスト (マクラーレン・TP・GY)
 ※BはBMW、TPはタグポルシェ、PIはピレリ

予選はそこそこに、決勝でとにかく勝てばいい。逃げ切りレースでない昔の猛者はこのようにしてシーズンを制してきました。ピケらしいレース運びでした。
IMG_3668
近年も「誰か」していて物議になったこの頭を指差す仕草。今回のピケは違います。ピレリのおかげ。

翌年86年のフランスGPは同じくポール・リカールで行われますが、GP前の合同テストでブラバムに移籍したデ・アンジェリスがクラッシュ時に火に巻かれて死亡したことにより、急遽3.813kmのショートレイアウトに変更されています。


にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ