今日明日は世界全体で年内最後のイベントとなるクリスマスですね。ドライバーやF1関係者、そして我々ファンも各自クリスマスを楽しみ、ゆっくり寛いでいることと思います。皆さんの中にはこれから「サンタさん」される方もいるのかな?!miyabikunからも予定より大幅に遅れたクリスマスプレゼント「2023シーズン後半戦決勝の振り返り」と題して、寒さも吹き飛ぶようなグラフの応酬を懲りずにお送りします。
《優勝者》
第13戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第14戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第15戦 サインツ (フェラーリ・F)
第16戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第17戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第18戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第19戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第20戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第21戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
最終戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
※中止となった第6戦以降の付番は繰り上げています
〈勝率〉
1 9勝 フェルスタッペン(90.0%)
2 1勝 サインツ (10.0%)
miyabikun、いくらコピペが楽だからって、そんなフェルスタッペンを続けなくてもいいでしょう。いやいや、miyabikunがしたくて連ねているのではない!フェルスタッペンしか勝っていないじゃないですか(笑)皆さんもご存知の通り、サマーブレイク明け後半戦の第13戦以降、レッドブルのフェルスタッペンとフェラーリのサインツ以外、本戦決勝で表彰台の中央に立った者はいません。そのシェアはフェルスタッペン9回、サインツ1回というとんでもない結果でしたね。本当にとんでもない。本来ではあってはならないことです。
もちろん誉め称えるべきは連勝を続けたレッドブルとフェルスタッペンであり、情けないのはライバル9チーム18人(19人とも)の方です。ただその情けないライバルも勝てるレースがあったかと問われたら「無かった」という表現が正しいでしょう。先日後半戦の予選編でポールポジションと他順位をおさらいしました。フェルスタッペンは必ずしもポールポジション発進だったわけではなく、その半数はフェラーリの2人が押さえていたはずです。しかし結果はこうなった。レースを観ていればその理由は明白ですが、フェラーリをはじめ他ライバル達もレースペースが圧倒的に違っていました。フェルスタッペンの強みは今に始まったわけではなく「ポールポジションからでなくてもレースで勝てる(抜ける)」ところにあります。今シーズンのフェルスタッペンに勝つにはフェルスタッペンに不測の事態が起きた時に限ってしまっていました。その不測の事態もそう起こるものでもなく、強いてあったといえば第15戦シンガポールGPしかありませんでした。それを制したのがサインツです。
サインツは華やかさ、スター性でいえば申し訳ないけどルクレールほどキラキラしていませんが、それは今シーズンどころかフェラーリに移籍してくる前からの話。デビューのトロ・ロッソでもルノー(現 アルピーヌ)でも、マクラーレンでもそうでした。ただいずれにおいても総じて言えるのは「大きくブレない安定感」が強みでしょうか。派手さは無くとも実に堅実。そして最近はチームに対しても物怖じせず意見をしているあたりもベテランになった証拠です(チームがはっきり言わないから、情けないからでもあるが)チャンピオンになる逸材はどこかキラキラしていたり、尖った一面があってもいいと思うので、サインツにはもう少し自信を持って、もう少し尖り輝く面を出していいと思います。
《ファステストラップ獲得者》
第13戦 アロンソ 56周目/72周
第14戦 ピアストリ 43周目/51周※
第15戦 ハミルトン 47周目/62周
第16戦 フェルスタッペン 39周目/53周
第17戦 フェルスタッペン 56周目/57周
第18戦 角田裕毅 56周目/56周
第19戦 ハミルトン 71周目/71周
第20戦 ノリス 61周目/71周
第21戦 ピアストリ 47周目/50周
最終戦 フェルスタッペン 45周目/58周
※12位完走で入場圏外のためポイント付与無し
〈ファステストラップ獲得率〉
1 3回 フェルスタッペン(30.0%)
2 2回 ハミルトン (20.0%)
ピアストリ (20.0%)
4 1回 アロンソ (10.0%)
角田裕毅 (10.0%)
ノリス (10.0%)
ファステストラップ獲得者とそのタイミング、回数になります。ドライバー最多はフェルスタッペンの3回(日本GP、カタールGP、アブダビGP)で6人で10戦を分け合っている形となっています。チームでみるとマクラーレンがピアストリ2回、ノリス1回の合計3回が最多で、チーム2人とも獲得している唯一のチームです。確かにマクラーレンは予選一発の速さだけでなく、決勝レースのロングランもトップを走るフェルスタッペンに大きく離れ過ぎることなく食らいついていけるようになったかなという印象がありました。まあフェルスタッペンがペース管理して抑えていたこともあるのでしょうが。
そしてそして何と角田がアメリカGPで自身初、日本人として3人目となるファステストラップ獲得者の仲間入りを果たしました。優勝やポールポジションと同様に、しっかりと記録の目立つところに残る偉業として名を刻むことになります。
《決勝平均順位》
決勝の平均順位です。算出方法はリタイヤ、決勝不出走、失格などは「20位扱い」として取り扱いますので、悪気はないのですが印象より低く出ちゃう傾向にあります。
グラフの帯の長さ、悪気はないのですがフェルスタッペンは1人で1位台です(誉め言葉です)10戦終えた決勝の平均は1.40位。2位より1位に近い1位。それもそのはず、9戦の1位と1戦の5位しかない。当然の数値です。2位のノリスを大きく大きく引き離しています。ノリスはというと後半10戦のみでいえばランキング上位のペレスやハミルトン、アロンソ、ルクレールを上回る水準でした。前半戦の出遅れが本当に悔やまれます(ちなみにハミルトンとルクレールをフォローするならば、第18戦アメリカGPは「失格20位」として評価し、数値が後退しています)逆に前半戦の好調さから苦戦に転じたアロンソが10番目にあたる平均9.90位となりました。アロンソあたりまでが後半戦の入賞圏内確約範囲内にありました。
アロンソのすぐ下には平均12位台に5人が肩を並べてひしめき合っています。同率は名前の順に並べましたが、代走復帰リカルド、オコン、ストロール、代走の代走でデビューしたローソン、アルボンです。リカルドやローソンと同じチームからフル参戦した角田と単純比較するのは可哀想ですが、代走としてはなかなか健闘した戦績だと思います。
こちらは先日の予選編でも作成した「前半戦の決勝から後半戦の決勝でどのくらいゲイン(ロスト)しているのか」を示すグラフです。見方は予選と同じ、左側のマイナスに触れている方が優れています。
予選編と同様に決勝編もマクラーレン2人が大きく平均順位を下げています。最大値は-4.40位のノリスでした。意外な点としてはアルピーヌのガスリーも平均-2.35位と移籍後のチームとマシンに馴染んだのか。ウィリアムズもマクラーレンほどではないものの、2人揃って尻上がりのシーズンになりました。
平均順位を下げた側はまんまと前半戦上位にいた 3人が目立ってしまっています。◯レスや◯ングはともかく、◯ロンソが全ドライバー最大のロストとなる平均5.48位という結果でした。相方のお坊ちゃまよりだいぶ健闘していたのに、前半戦の好調さが仇となってしまったケースです。miyabikunイジワルなグラフ作っていますね(笑)「この、GP2ブログ!」と無線で叫ばれそ。。
ドライバー別平均順位グラフでもう一つ。こちらは「後半戦の決勝平均順位から予選平均順位を差し引いたもの」になります。前半戦の決勝編でも取り扱いました。予選より決勝が上位、いわゆるマイナス側の戦績だったのは10人、逆のプラス側は11人というほぼ半々という内訳です。
この集計は単純に決勝順位から予選順位を引いた差に過ぎないので、決勝下位スタートはマイナス側、上位スタートはトラブルやペナルティによりプラス側への順位変動が多くなる傾向があります。グラフをみる限り下位スタートメンバーは確かに微減(マイナス側)しているのが確認できるものの、大きなゲインは多くなく、最大はアストンマーティンのストロールによる-3.00位です。一方プラス側には上位スタート者であるルクレールが最大の5.30位、ラッセルは4.50位と大きく順位を落としています。ルクレールについては第18戦アメリカGPでの「抜き打ち検査の末の失格」があるものの、予選よいよい決勝遅いのフェラーリらしさを象徴する結果が表れています。ルクレール、ラッセルの相方もプラス側に振る中、チャンピオンチームであるレッドブルはチャンピオンも、でない方もマイナス側と、決勝での追い上げも可能という結果となっています。
今までのドライバー単位をコンストラクター(チーム)単位に集約した決勝平均順位です。後半戦の「強さ」の勢力図がみえてきます。
平均順位順に並べたグラフでは、レッドブルが決していい数字ではないものの、平均4.65位でトップ(フェルスタッペンは1.40位でペレスが7.90位)。2位チームには平均7.35位のマクラーレンが入りトップチームであるフェラーリ、メルセデスを凌駕しています。前半戦12戦で平均7.46位をマークし、メルセデスに続く3番チームだったアストンマーティンの後半10戦は平均11.05位まで順位を落とし、フェラーリやマクラーレンはおろかアルピーヌにまで僅差で敗れています。移籍は成功と思われたアロンソも後半戦は入れ替わりとなったガスリーに負け、相方のストロールはオコンと同率となってしまいました。ビリチームはウィリアムズでもアルファロメオでもなく、前半戦と同様にハースが僅差で敗れています。いぶし銀2人投入も、若手に勝てず。
前半戦との平均順位比較です。マイナス側はマクラーレンの元気さが目立ちます。前半戦に比べで平均4位近く飛躍すれば、全くの別チームかのような飛躍っぷり。レッドブルから唯一優勝をもぎ取ったフェラーリもマイナス側ではあるものの、他で相変わらずダラついたりマシンの不備があったため、大したゲインとなりませんでした。
プラス側は先程から書いているアストンマーティンを筆頭にメルセデス、レッドブル、アルファロメオの4チームがいます。レッドブルも何だかんだでチーム単位でみれば後半戦でやや勢いが衰えているんです。鬼門となった第15戦シンガポールGPあり、1位連発の「相方」が大低迷でした(ちなみにレッドブルの前半戦は平均2.71位)
平均順位グラフ最後はをコンストラクター(チーム)単位の後半戦決勝−予選比較になります。グラフの上限値下限値は先程のグラフに合わせた-5位〜5位にしたため、マイナス側がスカスカですが、マイナス側は7チーム、プラス側は1つあたりが大きくプラスの3チームとなりました。フェラーリとメルセデスはどの指標もプラス側が目立ちます。オレンジフレッシュ軍に完全に押されたな。
《ドライバー別グループ別決勝順位変遷》
決勝のドライバー別、グループ別順位を予選編と同様のグループ分けでプロットしています。まず上位3チームの6人のグラフからみていきます。
紺実線の方は第15戦シンガポールGPを除いてスコーンと1位の高さを走っています。年間のグラフが見たい?!わかりきった結果ではありますが、そちらもちゃんとやりますのでお楽しみに!
トップグループなので、当然ながらピンク地の表彰台圏内の奪い合いになるはずが、2位や3位のレベルがこちらもスコーンと空いています。みんな遠慮しているのでしょうか。もう察しがつくと思いますが、この答えはこの後出てきますのでそちらもお楽しみに!このグループでチャンピオン以外で登壇したのはイタリアGPとラスベガスGPのペレスが2回。イタリアGPとアメリカGPそしてシンガポールGPで記念すべき勝利を挙げたサインツは3回。メキシコシティGPとラスベガスGP、最終戦アブダビGPのルクレールも3回。メルセデス勢は最も少なく、ラッセルはアブダビGPのみ、ハミルトンはシンガポールGPとメキシコシティの2回に止まります。ハミルトンもルクレールも、あの抜き打ち検査の失格はイタかったですね。
中団と数える3チーム6人です。
さっきのトップグループの2位3位を奪ったのは言わずと知れたマクラーレン2人の下剋上によるものでした。最多はノリス先輩の5回。内訳はシンガポールGP、日本GP、アメリカGP、サンパウロGPの2位とカタールGPは3位となっており、トップチームのお兄様方よりも数と質は上回ります。新人(って感じはしないけど、一応ルーキーです)ピアストリは日本GPがキャリア初表彰台で続くカタールGPは2位までキャリア最高位を引き上げています。
マクラーレン以外にも登壇者はおり、アロンソがオランダGPとサンパウロGPの計2回、アロンソの後任としてアルピーヌ入りしたガスリーが同じくオランダGPで移籍後初登壇となりました。こう言うと古巣のファンには失礼になってしまいますが、アロンソもガスリーも移籍はひとまず成功といってよいのでしょうか。
最後は下位の4チームの8人プラス1人の計9人です。前半戦のデ・フリースとリカルド同様に、後半戦のローソンとリカルドもちゃんとグラフで分けました。線とプロットの色も切って区別しました。
残念ながらこのグループからの登壇はありませんが、上位入賞はいくつかあります。ウィリアムズのアルボンはイタリアGPの7位入賞を最上位に4回の入賞、相方サージェントはペナルティによる繰り上げ扱いではあるもののアメリカGPで10位初入賞。アルファロメオのボッタスはカタールGPの8位ほか1回の計2回、周はカタールGPでボッタスに次ぐ9位入賞。ハースのマグヌッセンはシンガポールGPでギリギリの10位(あれ、ヒュルケン氏は?!)アルファタウリはリカルドが怪我からの復帰2戦目メキシコシティGPで今シーズンのチーム最上位となる7位入賞、リカルドの代走ローソンはデビュー3戦目のシンガポールGPで9位、そしてチームのエースの角田は後半戦の後半アメリカGPとまだ記憶に新しい最終戦アブダビGPで8位、サンパウロGPで9位の計3回の入賞でポイントランキング引き上げに貢献しています。
《決勝走行周回数》
後半戦のドライバー別れん走行周回数となります。後半戦の全走行周回数は601周です。
全周回走破者は2人。9割の勝率を誇るフェルスタッペンとその元相方で現アルピーヌのガスリーでした。リタイヤ無し、周回遅れ無し、優秀でした。2位はハースのヒュルケンベルグが9周足らずの592周で消化率98.5%とやや離れています。若手の初優勝争奪戦を演じるマクラーレン2人は周回数までイーブンのバチバチ。一方でフェルスタッペンとバチバチやってもらわなければならないフェラーリのルクレールがフル参戦最少の443周に止まります。速いんだけど、まだ何かが足りない。
チーム単位で合算すると、こういう並びになります。ガスリーはドライバー単位でフルマークでしたが、オコンを合算すると単独1位に躍り出ます。オールフレンチで臨んだ初シーズンはやや地味に終えたように感じます。ガスリーもオコンも実力派のベテランの領域に入りますので、来シーズンも引き続き仲良く、上位でバトルできるようになるといいですね!パワーユニット別でみると上手くバラけているようで、フェラーリパワーユニットのチームの距離が稼げていませんね。
《決勝チーム内対決》
決勝編も最後はチーム内対決です。両者リタイヤは引き分けとしますが、後半戦は全10戦のため、五分五分はあり得ます。
大きな差がついたのは10対0のレッドブル、8対1ウィリアムズと8対2のマクラーレンでした。いずれも先輩格が上位を占め、若手1年生が敗北する形と、、いうわけでもなさそうですが、まあいいか今回は言わんでも。言わずと知れてるし(笑)どうしてもピアストリに期待を寄せてしまいがちですが、あの冷静さもまだ1年生なんですよね。本当に忘れてしまいそうになります。予選こそノリスに食らいつきましたが、決勝となるとやはりタイヤの使い方、レースペースにはまだまだ鍛錬が要ります。
近い勝敗数となったのがフェラーリとアルピーヌで5対5というバチバチのイーブン。このにチームについては年齢、キャリアともさほど離れた2人ではありませんし、仲が悪いわけでもありませんしね。オコンとガスリーはずっ友(古っっ!久々に聞いたわ)ほか、メルセデスとアルファタウリの「角田VS代走連合軍」も接戦でした。
今年も残り1週間。早いですね。ようやく2023年と言うのに慣れた頃、もう2024年に変わる。年明けしばらく慣れないんだろうなぁ。
Happy Christmas!
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《優勝者》
第13戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第14戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第15戦 サインツ (フェラーリ・F)
第16戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第17戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第18戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第19戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第20戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
第21戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
最終戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
※中止となった第6戦以降の付番は繰り上げています
〈勝率〉
1 9勝 フェルスタッペン(90.0%)
2 1勝 サインツ (10.0%)
miyabikun、いくらコピペが楽だからって、そんなフェルスタッペンを続けなくてもいいでしょう。いやいや、miyabikunがしたくて連ねているのではない!フェルスタッペンしか勝っていないじゃないですか(笑)皆さんもご存知の通り、サマーブレイク明け後半戦の第13戦以降、レッドブルのフェルスタッペンとフェラーリのサインツ以外、本戦決勝で表彰台の中央に立った者はいません。そのシェアはフェルスタッペン9回、サインツ1回というとんでもない結果でしたね。本当にとんでもない。本来ではあってはならないことです。
もちろん誉め称えるべきは連勝を続けたレッドブルとフェルスタッペンであり、情けないのはライバル9チーム18人(19人とも)の方です。ただその情けないライバルも勝てるレースがあったかと問われたら「無かった」という表現が正しいでしょう。先日後半戦の予選編でポールポジションと他順位をおさらいしました。フェルスタッペンは必ずしもポールポジション発進だったわけではなく、その半数はフェラーリの2人が押さえていたはずです。しかし結果はこうなった。レースを観ていればその理由は明白ですが、フェラーリをはじめ他ライバル達もレースペースが圧倒的に違っていました。フェルスタッペンの強みは今に始まったわけではなく「ポールポジションからでなくてもレースで勝てる(抜ける)」ところにあります。今シーズンのフェルスタッペンに勝つにはフェルスタッペンに不測の事態が起きた時に限ってしまっていました。その不測の事態もそう起こるものでもなく、強いてあったといえば第15戦シンガポールGPしかありませんでした。それを制したのがサインツです。
サインツは華やかさ、スター性でいえば申し訳ないけどルクレールほどキラキラしていませんが、それは今シーズンどころかフェラーリに移籍してくる前からの話。デビューのトロ・ロッソでもルノー(現 アルピーヌ)でも、マクラーレンでもそうでした。ただいずれにおいても総じて言えるのは「大きくブレない安定感」が強みでしょうか。派手さは無くとも実に堅実。そして最近はチームに対しても物怖じせず意見をしているあたりもベテランになった証拠です(チームがはっきり言わないから、情けないからでもあるが)チャンピオンになる逸材はどこかキラキラしていたり、尖った一面があってもいいと思うので、サインツにはもう少し自信を持って、もう少し尖り輝く面を出していいと思います。
《ファステストラップ獲得者》
第13戦 アロンソ 56周目/72周
第14戦 ピアストリ 43周目/51周※
第15戦 ハミルトン 47周目/62周
第16戦 フェルスタッペン 39周目/53周
第17戦 フェルスタッペン 56周目/57周
第18戦 角田裕毅 56周目/56周
第19戦 ハミルトン 71周目/71周
第20戦 ノリス 61周目/71周
第21戦 ピアストリ 47周目/50周
最終戦 フェルスタッペン 45周目/58周
※12位完走で入場圏外のためポイント付与無し
〈ファステストラップ獲得率〉
1 3回 フェルスタッペン(30.0%)
2 2回 ハミルトン (20.0%)
ピアストリ (20.0%)
4 1回 アロンソ (10.0%)
角田裕毅 (10.0%)
ノリス (10.0%)
ファステストラップ獲得者とそのタイミング、回数になります。ドライバー最多はフェルスタッペンの3回(日本GP、カタールGP、アブダビGP)で6人で10戦を分け合っている形となっています。チームでみるとマクラーレンがピアストリ2回、ノリス1回の合計3回が最多で、チーム2人とも獲得している唯一のチームです。確かにマクラーレンは予選一発の速さだけでなく、決勝レースのロングランもトップを走るフェルスタッペンに大きく離れ過ぎることなく食らいついていけるようになったかなという印象がありました。まあフェルスタッペンがペース管理して抑えていたこともあるのでしょうが。
そしてそして何と角田がアメリカGPで自身初、日本人として3人目となるファステストラップ獲得者の仲間入りを果たしました。優勝やポールポジションと同様に、しっかりと記録の目立つところに残る偉業として名を刻むことになります。
《決勝平均順位》
決勝の平均順位です。算出方法はリタイヤ、決勝不出走、失格などは「20位扱い」として取り扱いますので、悪気はないのですが印象より低く出ちゃう傾向にあります。
グラフの帯の長さ、悪気はないのですがフェルスタッペンは1人で1位台です(誉め言葉です)10戦終えた決勝の平均は1.40位。2位より1位に近い1位。それもそのはず、9戦の1位と1戦の5位しかない。当然の数値です。2位のノリスを大きく大きく引き離しています。ノリスはというと後半10戦のみでいえばランキング上位のペレスやハミルトン、アロンソ、ルクレールを上回る水準でした。前半戦の出遅れが本当に悔やまれます(ちなみにハミルトンとルクレールをフォローするならば、第18戦アメリカGPは「失格20位」として評価し、数値が後退しています)逆に前半戦の好調さから苦戦に転じたアロンソが10番目にあたる平均9.90位となりました。アロンソあたりまでが後半戦の入賞圏内確約範囲内にありました。
アロンソのすぐ下には平均12位台に5人が肩を並べてひしめき合っています。同率は名前の順に並べましたが、代走復帰リカルド、オコン、ストロール、代走の代走でデビューしたローソン、アルボンです。リカルドやローソンと同じチームからフル参戦した角田と単純比較するのは可哀想ですが、代走としてはなかなか健闘した戦績だと思います。
こちらは先日の予選編でも作成した「前半戦の決勝から後半戦の決勝でどのくらいゲイン(ロスト)しているのか」を示すグラフです。見方は予選と同じ、左側のマイナスに触れている方が優れています。
予選編と同様に決勝編もマクラーレン2人が大きく平均順位を下げています。最大値は-4.40位のノリスでした。意外な点としてはアルピーヌのガスリーも平均-2.35位と移籍後のチームとマシンに馴染んだのか。ウィリアムズもマクラーレンほどではないものの、2人揃って尻上がりのシーズンになりました。
平均順位を下げた側はまんまと前半戦上位にいた 3人が目立ってしまっています。◯レスや◯ングはともかく、◯ロンソが全ドライバー最大のロストとなる平均5.48位という結果でした。相方のお坊ちゃまよりだいぶ健闘していたのに、前半戦の好調さが仇となってしまったケースです。miyabikunイジワルなグラフ作っていますね(笑)「この、GP2ブログ!」と無線で叫ばれそ。。
ドライバー別平均順位グラフでもう一つ。こちらは「後半戦の決勝平均順位から予選平均順位を差し引いたもの」になります。前半戦の決勝編でも取り扱いました。予選より決勝が上位、いわゆるマイナス側の戦績だったのは10人、逆のプラス側は11人というほぼ半々という内訳です。
この集計は単純に決勝順位から予選順位を引いた差に過ぎないので、決勝下位スタートはマイナス側、上位スタートはトラブルやペナルティによりプラス側への順位変動が多くなる傾向があります。グラフをみる限り下位スタートメンバーは確かに微減(マイナス側)しているのが確認できるものの、大きなゲインは多くなく、最大はアストンマーティンのストロールによる-3.00位です。一方プラス側には上位スタート者であるルクレールが最大の5.30位、ラッセルは4.50位と大きく順位を落としています。ルクレールについては第18戦アメリカGPでの「抜き打ち検査の末の失格」があるものの、予選よいよい決勝遅いのフェラーリらしさを象徴する結果が表れています。ルクレール、ラッセルの相方もプラス側に振る中、チャンピオンチームであるレッドブルはチャンピオンも、でない方もマイナス側と、決勝での追い上げも可能という結果となっています。
今までのドライバー単位をコンストラクター(チーム)単位に集約した決勝平均順位です。後半戦の「強さ」の勢力図がみえてきます。
平均順位順に並べたグラフでは、レッドブルが決していい数字ではないものの、平均4.65位でトップ(フェルスタッペンは1.40位でペレスが7.90位)。2位チームには平均7.35位のマクラーレンが入りトップチームであるフェラーリ、メルセデスを凌駕しています。前半戦12戦で平均7.46位をマークし、メルセデスに続く3番チームだったアストンマーティンの後半10戦は平均11.05位まで順位を落とし、フェラーリやマクラーレンはおろかアルピーヌにまで僅差で敗れています。移籍は成功と思われたアロンソも後半戦は入れ替わりとなったガスリーに負け、相方のストロールはオコンと同率となってしまいました。ビリチームはウィリアムズでもアルファロメオでもなく、前半戦と同様にハースが僅差で敗れています。いぶし銀2人投入も、若手に勝てず。
前半戦との平均順位比較です。マイナス側はマクラーレンの元気さが目立ちます。前半戦に比べで平均4位近く飛躍すれば、全くの別チームかのような飛躍っぷり。レッドブルから唯一優勝をもぎ取ったフェラーリもマイナス側ではあるものの、他で相変わらずダラついたりマシンの不備があったため、大したゲインとなりませんでした。
プラス側は先程から書いているアストンマーティンを筆頭にメルセデス、レッドブル、アルファロメオの4チームがいます。レッドブルも何だかんだでチーム単位でみれば後半戦でやや勢いが衰えているんです。鬼門となった第15戦シンガポールGPあり、1位連発の「相方」が大低迷でした(ちなみにレッドブルの前半戦は平均2.71位)
平均順位グラフ最後はをコンストラクター(チーム)単位の後半戦決勝−予選比較になります。グラフの上限値下限値は先程のグラフに合わせた-5位〜5位にしたため、マイナス側がスカスカですが、マイナス側は7チーム、プラス側は1つあたりが大きくプラスの3チームとなりました。フェラーリとメルセデスはどの指標もプラス側が目立ちます。オレンジフレッシュ軍に完全に押されたな。
《ドライバー別グループ別決勝順位変遷》
決勝のドライバー別、グループ別順位を予選編と同様のグループ分けでプロットしています。まず上位3チームの6人のグラフからみていきます。
紺実線の方は第15戦シンガポールGPを除いてスコーンと1位の高さを走っています。年間のグラフが見たい?!わかりきった結果ではありますが、そちらもちゃんとやりますのでお楽しみに!
トップグループなので、当然ながらピンク地の表彰台圏内の奪い合いになるはずが、2位や3位のレベルがこちらもスコーンと空いています。みんな遠慮しているのでしょうか。もう察しがつくと思いますが、この答えはこの後出てきますのでそちらもお楽しみに!このグループでチャンピオン以外で登壇したのはイタリアGPとラスベガスGPのペレスが2回。イタリアGPとアメリカGPそしてシンガポールGPで記念すべき勝利を挙げたサインツは3回。メキシコシティGPとラスベガスGP、最終戦アブダビGPのルクレールも3回。メルセデス勢は最も少なく、ラッセルはアブダビGPのみ、ハミルトンはシンガポールGPとメキシコシティの2回に止まります。ハミルトンもルクレールも、あの抜き打ち検査の失格はイタかったですね。
中団と数える3チーム6人です。
さっきのトップグループの2位3位を奪ったのは言わずと知れたマクラーレン2人の下剋上によるものでした。最多はノリス先輩の5回。内訳はシンガポールGP、日本GP、アメリカGP、サンパウロGPの2位とカタールGPは3位となっており、トップチームのお兄様方よりも数と質は上回ります。新人(って感じはしないけど、一応ルーキーです)ピアストリは日本GPがキャリア初表彰台で続くカタールGPは2位までキャリア最高位を引き上げています。
マクラーレン以外にも登壇者はおり、アロンソがオランダGPとサンパウロGPの計2回、アロンソの後任としてアルピーヌ入りしたガスリーが同じくオランダGPで移籍後初登壇となりました。こう言うと古巣のファンには失礼になってしまいますが、アロンソもガスリーも移籍はひとまず成功といってよいのでしょうか。
最後は下位の4チームの8人プラス1人の計9人です。前半戦のデ・フリースとリカルド同様に、後半戦のローソンとリカルドもちゃんとグラフで分けました。線とプロットの色も切って区別しました。
残念ながらこのグループからの登壇はありませんが、上位入賞はいくつかあります。ウィリアムズのアルボンはイタリアGPの7位入賞を最上位に4回の入賞、相方サージェントはペナルティによる繰り上げ扱いではあるもののアメリカGPで10位初入賞。アルファロメオのボッタスはカタールGPの8位ほか1回の計2回、周はカタールGPでボッタスに次ぐ9位入賞。ハースのマグヌッセンはシンガポールGPでギリギリの10位(あれ、ヒュルケン氏は?!)アルファタウリはリカルドが怪我からの復帰2戦目メキシコシティGPで今シーズンのチーム最上位となる7位入賞、リカルドの代走ローソンはデビュー3戦目のシンガポールGPで9位、そしてチームのエースの角田は後半戦の後半アメリカGPとまだ記憶に新しい最終戦アブダビGPで8位、サンパウロGPで9位の計3回の入賞でポイントランキング引き上げに貢献しています。
《決勝走行周回数》
後半戦のドライバー別れん走行周回数となります。後半戦の全走行周回数は601周です。
全周回走破者は2人。9割の勝率を誇るフェルスタッペンとその元相方で現アルピーヌのガスリーでした。リタイヤ無し、周回遅れ無し、優秀でした。2位はハースのヒュルケンベルグが9周足らずの592周で消化率98.5%とやや離れています。若手の初優勝争奪戦を演じるマクラーレン2人は周回数までイーブンのバチバチ。一方でフェルスタッペンとバチバチやってもらわなければならないフェラーリのルクレールがフル参戦最少の443周に止まります。速いんだけど、まだ何かが足りない。
チーム単位で合算すると、こういう並びになります。ガスリーはドライバー単位でフルマークでしたが、オコンを合算すると単独1位に躍り出ます。オールフレンチで臨んだ初シーズンはやや地味に終えたように感じます。ガスリーもオコンも実力派のベテランの領域に入りますので、来シーズンも引き続き仲良く、上位でバトルできるようになるといいですね!パワーユニット別でみると上手くバラけているようで、フェラーリパワーユニットのチームの距離が稼げていませんね。
《決勝チーム内対決》
決勝編も最後はチーム内対決です。両者リタイヤは引き分けとしますが、後半戦は全10戦のため、五分五分はあり得ます。
大きな差がついたのは10対0のレッドブル、8対1ウィリアムズと8対2のマクラーレンでした。いずれも先輩格が上位を占め、若手1年生が敗北する形と、、いうわけでもなさそうですが、まあいいか今回は言わんでも。言わずと知れてるし(笑)どうしてもピアストリに期待を寄せてしまいがちですが、あの冷静さもまだ1年生なんですよね。本当に忘れてしまいそうになります。予選こそノリスに食らいつきましたが、決勝となるとやはりタイヤの使い方、レースペースにはまだまだ鍛錬が要ります。
近い勝敗数となったのがフェラーリとアルピーヌで5対5というバチバチのイーブン。このにチームについては年齢、キャリアともさほど離れた2人ではありませんし、仲が悪いわけでもありませんしね。オコンとガスリーはずっ友(古っっ!久々に聞いたわ)ほか、メルセデスとアルファタウリの「角田VS代走連合軍」も接戦でした。
今年も残り1週間。早いですね。ようやく2023年と言うのに慣れた頃、もう2024年に変わる。年明けしばらく慣れないんだろうなぁ。
Happy Christmas!
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