今のルノーは黄色、黒を渋く組み合わせた「遮断機カラー」で中団グループのボス的存在を確立しています。一昔前は水色や白、さらには真っ黒な時代も経験しつつ、一貫した黄色はボディのどこかに大抵まとっています。フランスGPを直前に控え、フランス代表する名コンストラクターのドライバー達をみてみましょう。
ルノー
初参戦 :1977年第10戦イギリスGP
最終参戦:2018年第7戦カナダGP
参戦年数:21年 / 68年 ※
チーム参戦数:344戦 / 976戦 ※
ドライバー数:24人 / 814人 ※
優勝獲得数 :35勝 / 344戦 ※
表彰台獲得数:100回 / 344戦 ※
ポールポジション獲得数 :51回 / 344戦 ※
ドライバーズチャンピオン:2回 / 21年 ※
コンストラクターズチャンピオン:2回 / 21年 ※
※各チーム横並びにするためデータは2017年終了時
ルノーはルイ・ルノーによって設立されたフランス企業です。フランスをはじめとしたヨーロッパ都市の道路環境に見合った比較的小型な車を販売しています。日本では日産自動車が傘下に入り、カルロス・ゴーンと共に知名度も上がりました。一時期は日産車も方向性が変わってラインナップやデザインもルノー色が色濃くなりましたよね。
ルノーは以前にも書いた通り、ワークスとしての参戦は3つの時代にくっきり分かれています。第1期が1977年から85年までの9シーズンでF1界にターボエンジンを取り入れた先駆けでした。第2期は2002年から11年の10シーズンでこの時代にアロンソが2年連続チャンピオンを獲得して記憶されているファンも多いと思います。そして現在の第3期は2016年からですね。ワークスではなく、エンジンサプライヤーとしてみると、1977年に始まり87,88年の2年間、98年から2000年の3年間は「ルノー」の明記はないものの98年のメカクロームや99年のスーパーテックやプレイライフもルノーカスタム、第2期と第3期の間は今話題のレッドブルとタッグを組んで断続的な供給を行い、F1には必要不可欠な位置を担っています。
《エントリー数》
1 106戦 F・アロンソ 10pts ★
2 60戦 R・アルヌー 9pts
3 54戦 G・フィジケラ 8pts
4 48戦 J・トゥルーリ 7pts
5 47戦 J・P・ジャブイユ 6pts
6 46戦 A・プロスト 5pts
7 38戦 V・ペトロフ 4pts
8 37戦 J・パーマー(子) 3pts
9 31戦 P・タンベイ 2pts
D・ワーウィック 2pts
現役ドライバー●マークはご存知のヒュルケンベルグ、サインツの2人。◯マークの元所属はアロンソ、マグヌッセンの2人が対象です。ルノーエンジン使用者とするともっと多くの人が関わっていますね。
エントリー数1位は先日のカナダGPで300戦目をリタイヤで終えたアロンソの106戦となっています。キャリアの1/3をルノーで過ごしたことになります。今シーズンのマクラーレンはご存知の通りルノーということで、間接的な復縁と相なりました。アロンソは第2期のルノードライバー&唯一のチャンピオン獲得者なので誇らしい★マーク付きです。2位は「通せんぼジジイ」ことフランス人アルヌーの60戦です。第1期の中心人物として丸4年のお付き合いでした。先にルノードライバーやっているのに徐々に後釜のプロストにフォーカスされることになります。プロストと共に「元祖ターボマシン」に手を焼く時代を支えています。これがあって以降のパワー時代や今のハイブリッド時代があるわけですから、予選良い良い決勝白煙も価値のある功績です。
近代はいわゆる「第2勢力」フィジケラ、トゥルーリ、元祖ロシア人ドライバーであるペトロフ、ザ・二世のパーマーもトップ10入りしてきます。
《ポールポジション数》
1 16回 F・アロンソ 10pts ★
2 14回 R・アルヌー 9pts
3 10回 A・プロスト 8pts
4 6回 J・P・ジャブイユ 7pts
5 2回 G・フィジケラ 6pts
J・トゥルーリ 6pts
7 1回 P・タンベイ 4pts
《ポールポジション率》
1 23.3% R・アルヌー 10pts
2 21.7% A・プロスト 9pts
3 15.1% F・アロンソ 8pts ★
4 12.8% J・P・ジャブイユ 7pts
5 4.2% J・トゥルーリ 6pts
6 3.7% G・フィジケラ 5pts
7 3.2% P・タンベイ 4pts
ポールポジションは獲得者が10人に満たさず7人に絞られます。スペイン人アロンソがアルヌー、プロスト、ジャブイユ、タンベイといったフランス勢を抑えての1位に。今でこそグロージャンやオコン、ガスリーとフランス人が復活してきましたが、アロンソのいた第2期はフランス勢の弱い時期。こちらも少数派のスペインを代表する貴重なドライバーです。
7人しかいないので2回のフィジケラ、1回のトゥルーリといった「アロンソのバーター」もノミネートされて高いポイントをゲット!本当はそこそこ速いドライバーなんだけど、相方の出来がいいと辛いです。
《優勝回数》
1 17回 F・アロンソ 10pts ★
2 9回 A・プロスト 9pts
3 4回 R・アルヌー 8pts
4 2回 J・P・ジャブイユ 7pts
G・フィジケラ 7pts
6 1回 J・トゥルーリ 5pts
《優勝率》
1 19.6% A・プロスト 10pts
2 16.0% F・アロンソ 9pts ★
3 6.7% R・アルヌー 8pts
4 4.3% J・P・ジャブイユ 7pts
5 3.7% G・フィジケラ 6pts
6 2.1% J・トゥルーリ 5pts
優勝はポールポジションからタンベイが脱落した6人となりました。でもちゃんといますよ、アロンソのバーター2人も。勝率2.1%で5ポイントになってしまうんだから、トゥルーリは得しましたね。この貴重な貴重な1勝は先日振り返った2004年のモナコGPのもので自身唯一の優勝です。恥ずかしいだろうから「3勝(の価値)」と補足しておいてあげましょうか(笑)
プロストは他で勝ちまくってるからルノーの9勝は練習って感じでしょうか。アルヌーの4勝は大事なので取っておいてあげましょう。でないと、後年ブーツェンに言い放った「悔しかったら7勝してみな」の価値が下がってしまいます。ちなみにブーツェンはウィリアムズ時代に3勝となっています。
《表彰台回数》
1 41回 F・アロンソ 10pts ★
2 17回 A・プロスト 9pts
3 11回 R・アルヌー 8pts
4 8回 G・フィジケラ 7pts
5 4回 D・ワーウィック 6pts
E・チーバー 6pts
7 3回 P・タンベイ 4pts
J・トゥルーリ 4pts
R・クビカ 4pts
10 2回 J・P・ジャブイユ 1pt
《表彰台率》
1 38.7% F・アロンソ 10pts ★
2 37.0% A・プロスト 9pts
3 26.7% E・チーバー 8pts
4 18.3% R・アルヌー 7pts
5 15.8% R・クビカ 6pts
6 14.8% G・フィジケラ 5pts
7 12.9% D・ワーウィック 4pts
8 9.7% P・タンベイ 3pts
9 9.1% N・ハイドフェルド 2pts
10 6.3% J・トゥルーリ 1pt
表彰台は数も確率もアロンソが1位ということは、、この後の結果もわかってしまいそうですね。チーム唯一の2回チャンピオンだし。
《表彰台回数》
1 41回 F・アロンソ 10pts ★
2 17回 A・プロスト 9pts
3 11回 R・アルヌー 8pts
4 8回 G・フィジケラ 7pts
5 4回 D・ワーウィック 6pts
E・チーバー 6pts
7 3回 P・タンベイ 4pts
J・トゥルーリ 4pts
R・クビカ 4pts
10 2回 J・P・ジャブイユ 1pt
《表彰台率》
1 38.7% F・アロンソ 10pts ★
2 37.0% A・プロスト 9pts
3 26.7% E・チーバー 8pts
4 18.3% R・アルヌー 7pts
5 15.8% R・クビカ 6pts
6 14.8% G・フィジケラ 5pts
7 12.9% D・ワーウィック 4pts
8 9.7% P・タンベイ 3pts
9 9.1% N・ハイドフェルド 2pts
10 6.3% J・トゥルーリ 1pt
表彰台は数も確率もアロンソが1位ということは、、この後の結果もわかってしまいそうですね。チーム唯一の2回チャンピオンだし。
変わり種では今はウィリアムズの縁の下の力持ちクビカが3回登壇しており、表彰台率は15.8%をマーク。また意外にもハイドフェルドも「ロータス・ルノー」時代11年の11戦参戦で1度登壇しているため、表彰台率で9位となりました。クビカもハイドフェルドもBMWザウバーのイメージが強いですよね。でも晩年にドライブしています。ハイドフェルドは負傷離脱したクビカに代わっての起用で表彰台に乗っているのにも関わらず「大人の事情」で第11戦ハンガリーGPを最後に離脱してB・セナにシートを明け渡す形に。本当はそこそこ速かったのに成績より文句の多いドライバーでF1キャリアを終えています。
《ドライバーズチャンピオン》
2005年 F・アロンソ 7勝 / 19戦 10pts ★
2006年 F・アロンソ 7勝 / 18戦 10pts ★
といったルノーの面々の最終集計に入ります。
《ルノー オブ ルノー ランキング》
1 87pts F・アロンソ ★★
2 60pts A・プロスト
3 59pts R・アルヌー
4 44pts G・フィジケラ
5 35pts J・P・ジャブイユ
6 34pts J・トゥルーリ
7 17pts P・タンベイ
8 14pts E・チーバー
9 12pts D・ワーウィック
10 10pts R・クビカ
フランス人で1位の4回チャンピオンを差し置いてアロンソ様が27ポイント引き離し堂々のルノー1グランプリを制しました。まだ期間が浅く仕方がないけど残念ながら第3期のヒュルケンベルグやサインツは顔を出すこともありませんでした(第3期でノミネートされたのはパーマーのみ)こうしてみると、ミナルディを足掛かりにフェラーリやマクラーレンもドライブしてきたアロンソはルノーとの相性が一番良さげですね。三度ドライブすることになった今シーズンは案の定そこそこな結果を出せているし、そもそもが君はホンダじゃなかったんだよ、ルノーの人なんだよ(笑)あとはブリアトーレとのコンビネーションも抜群なハーモニーとなりました。こズルい面もあるオジサンだけど、シューマッハといいブリアトーレと波長の合うドライバーはいい成績を残します。目の付け所が卓越しており采配とバッチリ合えばかなり強力でした。
第3期は今シーズンで3年目となるルノー。ドライバーも予選屋さんヒュルケンベルグと安心保証付きサインツを抱えて徐々に中団グループのトップが定着してきました。あとは待たれる表彰台、そして優勝。いつになることでしょうか。ガレージには強力な先輩が動向を見守っています。いよいよ次回は久々の母国GP!