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少し前の話題にはなりますが、未定となっていた第3戦は昨年初登場となったアルガルヴェ国際サーキットでのポルトガルGPに決まり、また第22戦にジェッダ市街地で行われる予定のサウジアラビアGPもコースレイアウトがようやく明らかとなりました。これで予定していた全23戦のサーキットが決定したわけですが、ジェッダ市街地サーキットのレイアウトをご覧になって度肝を抜かれた方も多いと思います。miyabikunも正直驚きました。えっ、これが市街地サーキットなの?!そしてこんな形でやるって決めたんだ、と。今回はもうほとんどの方がご存知の方かと思いますが、所在地とレイアウトがわかりましたので、いつものようにレイアウトを自作して来るべきサウジアラビアGPに備えておこうと思います。

まずは先日まとめた際の航空写真も使いながらサーキットの位置をみていきます。
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サウジアラビアは縦長の平行四辺形の三辺が海に囲まれ、アラビア半島のほとんどを占める中東エリア最大の面積を誇る国です。近隣には先日開幕戦を終えたばかりのバーレーン(地図のペルシャ湾の「ル」の下)や最終戦の舞台であるアラブ首長国連邦、北には市街地サーキットの少し先輩アゼルバイジャンやその少し東には昨年一年限りの復活開催を果たしたトルコなどがあります。こうしてみるだけでも近年は中東エリアやヨーロッパとアジアの際どいエリアでのF1が盛んであることがうかがえますね。サウジアラビアGPの舞台となるジェッダは地図の赤いピンの立つ紅海側に面した場所となります。緯度的にはアブダビと似たような位置ですね。
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ジェッダは首都のリヤドに次ぐサウジアラビア第二の都市で紅海に沿って南北に長い都市です。サウジアラビアと聞くと石油や砂漠の印象が真っ先に浮かびますが、このように航空写真や街の風景を覗いてみると、他の諸国の都市と変わらないような近代的な建物や整然と整備された区画がされています。ジェッダ市街地サーキットは都市の北側、赤いピンの立つあたりに置かれることがわかりました。
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こちらがその周辺をいつもと同じ縮尺で捉えた航空写真です。レイアウトをご存知の方、どこがサーキットになるか見つけられますか?!今回もmiyabikunの下で長年アシスタントをしてくれているミヤビマン・ティルケ氏の力をお借りし、この地図にサーキットをおとしてみます。それがこちらです。
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じゃじゃーん!こんな感じになります。国も縦長、都市も縦長ならば、サーキットも縦長となりました。ミヤビマン・ティルケよ、ご苦労だった。


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サウジアラビアGP
 ジェッダ市街地サーキット
  所在地    :マッカ州ジェッダ
    開業   :2021年(現在工事中)
   一周距離  :6.174km
 コーナー数:27箇所
  高低差 :- m
 最速ラップ: -
  F1開催 :無し
 DRS箇所数:3箇所(予定)

サーキット監修は近代F1サーキット建設でお馴染みのヘルマン・ティルケです。何も驚くところではありませんね(笑)市街地サーキットは一般的に古い時代から既にある街路を閉鎖して組み立てることが多く(一部フリーエリアの公園内や新設区間などはあるものの)総じて直角コーナーと比較的短めなストレートを組み合わせて形成されてきました。ところがこのサーキットは先程の地図を見比べればわかりますが「既存道路+新設区間」によって成り立っています。また海岸線に近いエリアということもあって、今までのように直線と直角コーナーで構成されておらず、新設区間を使っていくつもの「うねり」をなしています。地図を外してサーキットレイアウトのみをみると、市街地サーキットには見えない線形です。既存道路のみで構成すると、どこにでもあるレイアウトになりがちですが、完成しつつ結局行われることがなさそうなベトナムGPのハノイ市街地と同様に「既存+新設」をうまく融合させ、短期間かつオリジナリティあるレイアウトにするというのが続いていますね。
一周の距離はF1カレンダー上で2番目の長さとなる6.175km、コーナー数は何と27もあります。レイアウトをよく見てみると、そんなところトルコみたいにまとめりゃいいじゃんなんてのも律儀にカウントしています。コーナー数をわざわざ数えながら観戦しているファンはいないでしょうが、ターン16くらいで挫けちゃいそうですね(笑)

コントロールラインはどことなくジル・ヴィルヌーブ感のあるレイアウト南西側の地点で、今は駐車場のような広場になっています。ジル・ヴィルヌーブと異なるのはココは反時計回りのサーキットですので北上していきます。
サーキットで唯一の完全なるストレートの先には左直角のターン1。直後は小半径の右コーナーがありますので、スタート直後の大渋滞は必至か。一瞬現道をなぞりつつ、軽く右に振ってからの左ターン4はキンクになっています。ちょっとイヤらしい線形。これを過ぎると現道を全く無視の新設区間に入ります。左へ右へ、鈴鹿のS字っぽくもみえますが、ということは「走るラインは限られている」イコール「追い抜きは困難を極める」ということ。再び現道に戻るとUターン路がみえます。
サーキットもココらでそろそろ南下する必要がありますが、折り返しは現道をを使わずそのさらに先に180°ターンを新設する模様.逆パラボリカを彷彿とさせる強烈な横Gがかかりそうですね。折り返し、現道やロータリー交差点、新設を介して直線のようだけど右左へ極めて緩やかなコーナーを海岸線に沿って進んでいきます。最後は現道のロータリー交差点を使ってコントロールラインへと結んでいます。
数あるGPサーキットに有りそうで無さそうなレイアウトで構成されたジェッダ市街地は見た目のインパクト抜群ですね。DRSは3箇所で使用可能という予定でほぼ直線扱いのコーナーが続き、平均速度は250km/hに達すると言われています。速いのはいいけど、このレイアウトで肝心なパッシングは行えるのかという疑問を持ちます。平面的にみる限り、ターン1の飛び込みや続くターン2,3のクロスライン、ターン4,10,16のキンクでは難しそうだし、あとはDRSでスピードに乗った最終ターン27のインへの飛び込みと3,4箇所に絞られるのではないかと予想。中間区間のうねりは速度は高くてもパッシング向きではありませんしね。

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既存と新設をうまく使って、現在工事真っ最中のジェッダ市街地サーキットですが、サウジアラビアGPとしてはこのサーキットはあくまで「仮の姿」であり、本来は首都のリヤドにサーキットを建設する予定となっています。その完成を待つ間の「繋ぎ」で使用されるとのこと。全て完成する前に仮でもいいから別の場所を使って開設してしまうという、サウジアラビアのF1に対する意気込みはすごいです。さすが石油大国、金の使い方が違います。近年は世界のみならずF1社会においても「カーボンニュートラル」が叫ばれる時代に向かいつつあります。石油といった化石燃料を使った二酸化炭素排出を減らそうというご時世で、サウジアラビアをはじめとした中東の石油大国がどのような動きをみせてくるかにも興味はありますが、ひとまずF1誘致に成功しカレンダーに組み込まれました。果たしてこのレイアウトでどんなバトルが行えるかも今から半信半疑です。


最後に余談ですが、miyabikun今日でまたライコネンと同い年に追いついちまった。。サウジアラビアGPが行われる少し前の半年間はタメ口O.K.ね、よろしくー。
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