相変わらず演出が大袈裟。ぱっと見モータースポーツを観にきているのか、エンターテイメントを観にきているのかわからなくなります。何もかもが初。いい部分も悪い部分も色々洗いざらい見えたGPだったように思います。最終戦ではありません。まだ最終戦一戦前であることを忘れてはなりません。
スタートタイヤは大多数の15人が黄色のミディアムをチョイス。ほかQ2落ちを喫して11番手改め10番グリッドとなったハミルトンに加え、アルファロメオの周とマクラーレンのピアストリのF1若年者の 3人が逆戦略の白のハード。最後尾からどうにか1台でもかわしたいアストンマーティンのストロールとアルファタウリの角田が赤のハードを履いています。抜かれることはありません。抜くのみ!
スタートダッシュでポールのルクレールは早速フェルスタッペンに並ばれていないか?!
並んでるじゃん。イン側にフェルスタッペン、アウト側がルクレール
トラックとは異なる曲率半径で旋回する2人。意地の張り合いで仲良くはみ出す。
その後ろでは、あーあ。アロンソとサインツのスペインコンビが離れたところでくるりんぱ。路面が冷えてグリップしないのか。
路面のデブリ除去のため、早速バーチャルセーフティカー発動でミディアムタイヤを履く中団のペレスがハードタイヤにスイッチしています。
トップは強引にインを指したフェルスタッペンに入れ替わっています。あれはオープニングラップとはいえ、力業過ぎやしないか?!アレが許されたらなんでもアリ。さすがにダメだろ。
ほか、上位にいたアロンソがドカンと順位を落としたため、多くがゲインしています。ウィリアムズのアルボンやソフトタイヤを履くアストンマーティンのストロールが-10、角田も-9となっています。
再開して早々に下位スタートのノリスが単独スピンからのクラッシュ。今回のノリスは予選、決勝ともパッとしませんでしたね。こんな日もあるか。この処理にはバーチャルでは無くリアルセーフティカーが発動。
その間に今回はソフトタイヤのストロールやターン1のスピンで落ちるところまで落ちたフェラーリのサインツがタイヤ交換を行っています。
スタートの困難を上手くかい潜って入賞圏内に手をかける角田ですが、4周目にソフトタイヤを捨てたストロールに対して、角田はステイアウト。
7周目にハードタイヤ履きのピアストリ抜かれて11位へ。
続く8周目に同じくハードタイヤのハミルトンにも抜かれる。角田はその後11周目でミディアムタイヤに履き替えることとなりますが、同じタイヤでセーフティカーに合わせ込んだストロールに比べてだいぶ順位をロスしてしまっています。
やはりフェルスタッペンのスタートでのパッシングは「押し出し」とみなされ、5秒ペナルティが下ったフェルスタッペンはルクレールに差を付けるどころか、1秒以内に迫られています。
今シーズンのフェラーリは予選こそ速さがあるものの、決勝となるとフェルスタッペンのペースについていくのが不可能でした。ただ今回のルクレールは違う。しっかり追尾できています。フェルスタッペンのペナルティによらず、抜けるなら抜いちゃってほしい。
フェルスタッペンはチームからピットストップの指示。直接抜かれるのを避けるか。
いや、その前に抜く。ラスベガスの最速はフェルスタッペンでなくこの僕なんだ。ルクレールが15周振りにトップへ。
フェルスタッペンは17周目に5秒+2.2秒のピットを終えてラッセルの後ろとなる11位で復帰。
続いてルクレールの番。21周目チームからピットの指示が飛んでいます。ここまで実質順位を争っている7位のフェルスタッペンとの差は27.8秒。何事も無ければルクレールが前でトラックインできます。
戻ればサインツの前となる暫定3位。宿敵フェルスタッペンまではサインツ、アロンソ、ラッセルといった速さあるレース巧者を挟む。心強い。
その壁が0.2秒間隔の僅差で重なる。
まず23周目に緑の壁アロンソが決壊。フェルスタッペンは6位浮上。
続いて翌24周目はサインツがラッセルにかわされて、ルクレールにしてみればちょっとストーリーが変わってくる。
そんなことフェルスタッペンにすれば何ら関係無い。一枚ずつ壁を蹴破るだけ。
紅い壁サインツはアウトの壁際まで寄せられて案外さっくりやられる。薄っすい壁(笑)さあ次!
ラッセルはどのくらい耐えられるかな。ルクレールを易々と逃がすわけにはいかない。フェルスタッペンはいつでも討伐できる所存。
インラインを強引にこじ開ける。
接触!デブリが飛び散る。一瞬フェルスタッペンの強引さが原因かと思いましたが、スチュワードらラッセルに5秒のタイムペナルティを課しています。デブリ除去のため、2回目のセーフティカー発動へ。
暫定トップだったペレスをはじめ、上位を走るほとんどのドライバーがタイヤ交換に向かっています。ステイアウトを選んだのはルクレールやガスリー、ピアストリら。ルクレールはまだ替えてそう走っていませんものね。
セーフティカーストップの幸運を得たペレス。後ろからもっと速いのが刻一刻と近付いてはくるけど、ひとまずこのラスベガスで一番速そうなルクレールを抜けたら、外野からやいのやいのうるさいこと言われる確率も減るかな。
やっぱりタイヤをフレッシュに替えておくべきだったか。ルクレールはペレスにやられてトップ陥落。
その後ろではフェルスタッペンがガスリーに続いてピアストリを討伐し、残るはルクレールとペレスの2人。
先程はペレスにやられたルクレールでしたが、レースを決して諦めたわけではありません。
35周目、フェルスタッペンに捕らえられるどころか、ペレスを再度抜き返す。この週末のルクレールは一味違う。速さだけではなく、どこか自信に満ち溢れているように感じます。
「ちょっとチェコ、何やってるの?!退いてよ!」
見かねた3回チャンピオンは直々にルクレール討伐に向かわれます。
37周目。インからフェルスタッペン
前に出る。勝負アリか。
おールクレール粘る!今回のルクレールはいつもと一味違って、、
結局フェルスタッペンが前。ルクレール、初代ラスベガスGPのポールトゥウィンならず。
《決勝結果》
1 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
2 ルクレール (フェラーリ・F)
3 ペレス (レッドブル・HRB)
いい感じできていたのですが、結局フェルスタッペンが6戦連続となるシーズン18勝目を挙げ、ペレスは3位でレッドブルのワンスリーフィニッシュで幕を下ろしました。日本代表の角田は長らく18位を走行していたものの46周目にマシンを止め、18位完走扱いでラスベガスGPを終えています。
《ファステストラップとそのタイミング》
ピアストリ(マクラーレン・M)1分35秒490
47周目/50周
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
ルクレール(フェラーリ・F)
《完走(扱い)台数と規定周回走破台数》
完走台数:19台(17台フィニッシュ)
規定周回:17台
《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
ルクレール(フェラーリ・F)
今回のラスベガスGPは公式にもあるように終始上位に名前を残したルクレールにあげたいと思います。最近は速さこそあれど、決勝になるとサインツに話題を持っていかれてしまったり、チームとの連絡不行き届きや考え方の違いが露呈されるなど、やや負のループに陥ってしまっていました。そもそものルクレールはピカイチの速さにクレバーな走りを兼ね備えたスター性のあるキャラクターです。もっと派手に、キラキラと輝いていた方が絵になる。フェラーリのどっち贔屓とは言いませんが、F1を代表する看板チームを引っ張っていけるよう、自身の集中力はもちろんのこと、周りのスタッフも上手く演出してあげてほしいものです。今のフェラーリのラインナップは、現ドライバーの中でみても見劣りしない、適切なチョイスだと思います。輝けルクレール!
次点はペナルティこそもらいましたが、それまではラッセルもいい走りをしていましたし、今回は本編で触れることができなかったものの、アルピーヌのオコンも粘り強い走りで上位4位フィニッシュを果たしましたよね。
《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
該当無し
予選編ではドライバーやチームではなく「ラスベガスGP主催者」に苦言を呈しました。決勝はそれほど落ち度は見当たらなかったものの(ただしオープニングラップのターン1のスピンは「ドライバーズパレードの際のオイル漏れ」起因という噂も)そもそもの開催時間は見直した方がよさそうだと思いました。いくらパリピの街とはいえ、やはり深夜のセッションは非常識。日本にとっては良心的な時間帯にはなったものの、ヨーロッパ様を敵に回すわけにはいかないか。遠方の観戦者よりも現地観戦、ドライバー、チームスタッフのことを最優先でスケジューリングしてあげてほしいですね。あと、サーキットレイアウト、あまり面白くない(笑)
《ドライバーズポイントランキング》
1 → フェルスタッペン 549pts ★
2 → ペレス 273pts
3 → ハミルトン 232pts (-41pts)
4 ↑ サインツ 200pts (-32pts)
5 ↓ アロンソ 200pts (0pts)
6 ↓ ノリス 195pts (-5pts)
7 → ルクレール 188pts (-7pts)
8 → ラッセル 160pts (-28pts)
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14 ↑ 角田裕毅 13pts (-14pts)
《コンストラクターズポイントランキング》
1 → レッドブル 822pts ★
2 → メルセデス 392pts
3 → フェラーリ 388pts (-4pts)
4 → マクラーレン 284pts(-104pts)
5 → アストンマーティン 273pts (-11pts)
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8 → アルファタウリ 21pts (-7pts)
ドライバーズランキング2位のペレスは3位ハミルトンに対して最大の26ポイントを上回る41ポイントの差が付いたため、2位が確定。またハミルトンも4位に浮上したサインツとのポイントが32となったため、3位が確定しています。ランキング4位〜7位が僅差です。
コンストラクターズランキング上位は順位に変更は無いもののフェラーリが大量得点だったため、メルセデスとのポイント差は4まで接近。逆にマクラーレンは珍しくピアストリ1人の2ポイント加算に止まったためフェラーリとの差は拡大、5位アストンマーティンとの差は11に縮まり、最終戦までどうなるかわかりません。
《第21戦ラスベガスGPのポイント》
・LEDの夜景でなく、古きネオンの夜景な感じ
・久々にみられた焦りか荒レスタッペン
・速さと自信に満ち溢れたルクレール
・街並み完璧も設備、時間帯、運営は再考すべき
優勝はアルファタウリ、2位3位でフェラーリが挟むってか?!違うか(笑)
F1はいよいよ最終局面を迎えます。毎年ダラつきがちでまた暗がりでのレースとなりますが、ポイントで競っているドライバーは決して気の抜けないレースとなります。2023シーズンを気持ちよく締めくくってほしいです。一路アブダビへ。
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