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本来であればF1は今頃ヨーロッパラウンドの真っ最中の頃にあたりますが、ご存知の通り未だ開幕を迎えられていません。理由はただ一つ、世界中に蔓延する新型コロナウイルス「COVID-19」によるものです。今年一番耳にし口にしたフレーズで、正直言いたくもないし聞き飽きましたよね。戦争を知らない世代からすると、これほどまでに世の中の状況を一変させ、それも世界全体まで被害が及ぶ出来事は経験したことのない事態です。一時期は2020年オリンピックをはじめとしたイベント事、特にスポーツは壊滅的であろうと諦めた最中、徐々にではありますが「条件付きの再開、開催」がようやく発表されました。その中にはF1も含まれています。しかし国や土地、被害状況や判断などにより様々な違いが出ました。まず当初予定されていたカレンダーとその判断状況をまとめました。

《2020年F1カレンダーの開催可否状況》
 開幕戦オーストラリアGP     3/15 → 中止
  アルバートパーク
 第2戦  バーレーンGP            3/22 → 延期未定
  バーレーン国際
 第3戦  ベトナムGP               4/5   → 延期未定
  ハノイ市街地
 第4戦  中国GP                      4/19 → 延期未定
  上海国際
 第5戦  オランダGP               5/3   → 中止
  ザントフォールト
 第6戦  スペインGP               5/10 → 8/16に移動
  カタロニア
 第7戦  モナコGP                  5/24 → 中止
  モンテカルロ市街地
 第8戦  アゼルバイジャンGP 6/7  → 中止
  バクー市街地
 第9戦  カナダGP                  6/14 → 延期未定
  ジル・ヴィルヌーブ

 第10戦フランスGP              6/28 → 中止
  ポール・リカール
 第11戦オーストリアGP       7/5   → 予定通り
  レッドブルリンク
 第12戦イギリスGP              7/19 → 8/2に移動
  シルバーストン
 第13戦ハンガリーGP          8/2   → 7/19に移動
  ハンガロリンク
 第14戦ベルギーGP             8/30 → 予定通り
  スパ・フランコルシャン
 第15戦イタリアGP             9/6   → 予定通り
  モンツァ
 第16戦シンガポールGP      9/20 → 中止
  マリーナ・ベイ市街地
 第17戦ロシアGP                9/27 → 未定
  ソチ・オリンピックパーク
 第18戦日本GP                  10/11 → 中止
  鈴鹿
 第19戦アメリカGP           10/25 → 未定
  サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)
 第20戦メキシコGP           11/1   → 未定
  エルマノス・ロドリゲス
 第21戦ブラジルGP           11/15 → 未定
  ホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス)
 最終戦アブダビGP            11/29 → 未定
  ヤス・マリーナ

この記事を掲載する6/16現在、カナダGPまでは終了しており、翌6/28予定であったフランスGPも中止が発表されています。10/11予定の日本GPでアジアラウンドが終わり、以降はアメリカラウンドに入るわけですが、そちらの可否は現時点で明らかになっていません。恐らく、、でモノは言わないようにしているmiyabikunではありますが、アメリカやアブダビはともかく、中南米は今の時点で考えると厳しい気もします。あればあったでなおいいですが。

《2020年の開催中止が決まったGP》
 オーストラリアGP
 オランダGP
 モナコGP
 アゼルバイジャンGP
 フランスGP
 シンガポールGP
 日本GP

上記のカレンダーのうち、2020年シーズンは行わないという判断を下したGPを抜粋しました。開幕戦オーストラリアGPの判断、発表タイミングは何とも衝撃的でしたね。一番初めだし、時期的に悩ましいのもあったわけですが、ドライバーやチームスタッフ、観戦を予定していた観客に対しても苦渋の決断となりました。
中止を決断したGPはモナコGPをはじめ軒並み「市街地サーキット」が占めています。市街地サーキットの場合はクローズドサーキットと異なり「街を占領し、全世界から観客を集める」という点がより感染のリスクを高めてしまいますので致し方がありません。市街地サーキットの中では、今シーズン初開催となる予定であったハノイ市街地でのベトナムGP、また半市街地サーキットといえるカナダのジル・ヴィルヌーブもひとまず「延期」の姿勢を採っていますが、市街地系、さらにはヨーロッパからみて「遠隔地」であることを考えると、開催は困難かなと思っています。
中止GPの中に我らが日本GPの名もつい先日加わってしまいました。日本国内では緊急事態宣言も解かれ、ようやく節度を持った行動が根付き始めたばかりなのに、無観客での開催も許されなかったのはとても悔しいですね。これで今シーズンのmiyabikunのブログは「100%テレビによる観戦記」を書くことが自ずと決定しました。

これら中止や延期といった様々な判断と、各国の感染状況などを勘案、組み直されて、皆さんもご存知の通り、ようやくシーズン開幕に向け変更版カレンダーが一部公開されました。毎年恒例となっている8月の夏休み期間を返上する形でスタートします。

《現時点までに決定しているカレンダー》
 第1戦オーストリアGP            7/5
  レッドブルリンク
 第2戦シュタイアーマルクGP 7/12
  レッドブルリンク
 第3戦ハンガリーGP    7/19
  ハンガロリンク
 第4戦イギリスGP                  8/2
  シルバーストン
 第5戦70周年記念GP              8/9
  シルバーストン
 第6戦スペインGP                  8/16
  カタロニア
 第7戦ベルギーGP                  8/30
  スパ・フランコルシャン
 第8戦イタリアGP                  9/6
  モンツァ

今のところの発表はちょうどヨーロッパラウンドの期間であるたったの8戦分に止まります。そのあとのアメリカラウンドは白紙です。おそらく時間経過とその国の情勢次第で「そのままの予定通り」か「延期としたGPを差し込む」かになるでしょう。果たしていつ、どのタイミングで判断されるのでしょうか。

《2020年に二開催となるGP》
 オーストリアGP(シュタイアーマルクGP)
 イギリスGP       (70周年記念GP)

開催予定の中には、サーキットはよく知る場所なのに、GP名に馴染みのないものがありますね。この異例のシーズンでさらに異例なのが「開催可能な国で2回やってしまおう」というもの。古い言い方をするならば、先日から繰り返す「一国二開催」です。F1では基本的にご法度のやつですね。どんな呼び名でやるのかななんて興味津々でいると、もちろん今回も裏ワザ的なものを使ってきました。
シルバーストンで行われる第2イギリスGPは「70周年記念GP」という名で行います。こちらはその名の通り「F1の70周年」を記念して、F1の第1戦目を飾ったシルバーストンに上手いこと当て込みました(ちなみにF1は1950年制定ですので、今年2020年は「71年目」のシーズン)これは非常にわかりやすい。でも第2オーストリアGPの「シュタイアーマルクGP」って何ぞや?!という話ですよね。実はこの名前、3年前近く前にこのブログの「オーストリアGPから歴史と地理の勉強」という回で書いたことがあるんです。覚えていますか?!オーストリアGPの舞台であるレッドブルリンクの所在地の名前です。レッドブルリンクはシュタイアーマルク州にあるため、その地名を用いたということ。日本でいう「三重GP」や「東海GP」って呼ぶような感じでしょうか。やはり現在でもF1は一国二開催の原則を守っているのですね。もし、同じサーキットで三開催となったらどう呼ぶのでしょうね。オーストリアなら「ラウダGP」とかになるのかな(笑)

細かいツッコミはいいとして、とにかく絶望視されたF1が開催されることは嬉しいし有難いことです。観戦記を謳う当ブログが「過去を懐かしむだけのブログ」にならずに済みそうです(笑)日本GPは無くなってしまいましたが、また今シーズンを楽しめる可能性が出てきました。まずは7/5のオーストリアGPから、待ち遠しいですね!