今回アブダビGPで振り返るのは、ちょうど5年前にあたる2012年です。レースやマシンでやっている「振り返るシリーズ」は大体5年以上前から選んでいるので、ギリギリです。2012年は過去に中国GP、スペインGP、日本GPとこのアブダビGPの後に控える最終戦ブラジルGPを振り返っているので、なかなか常連になってきました。
この時点でチャンピオンはまだ決定しておらず、ランキングトップはレッドブルのベッテルが240、2位にフェラーリのアロンソが227で続き、3位ロータスのライコネンは173と、チャンピオン争いは残り3戦のこの時点で3人に絞られています。

予選は肝心なベッテルが3番手と振るわず、アロンソに至ってはポールのハミルトンの0.95秒落ちの7番手となっています。さらにベッテルは予選後に自力でピットインすることができず、規定のガソリン量が残っていないため違反となり予選失格で最後尾まで降格することになりました。ポイントで有利な立場ではありますが、この時代は優勝に25ポイント付与されますから、仮にアロンソが2連勝、ベッテルが2位2回となった場合、1ポイント差でギリギリひっくり返すこともできます。ベッテル、くだらないトラブルで大ピンチ!

《予選結果》
     1 L・ハミルトン (マクラーレン・M)
     2 M・ウェバー   (レッドブル・R)
失格 S・ベッテル    (レッドブル・R)※
     3 P・マルドナド(ウィリアムズ・R)
        ※ガソリン残量違反で予選取り消し

ベッテルはピットレーンスタートを選択しています。最後尾でもピットレーンスタートでも、この順位なら変わらないか。
スタートはフロントロウの「ナンバー2」がもたもたよろよろ、、4番手に繰り上がったライコネンが一気に2位にジャンプアップして、チームメイトの「壁」はターゲットのアロンソにもハードブレーキングからかわされて、脆く崩れ去りました。ベッテル、こうなれば、1人で頑張るしかない。また、後続もターン1でウィリアムズのセナがフォース・インディアのヒュルケンベルグと交錯して、早くも戦線離脱。今回は「パッシングの仕方」が鬼門となっています。

ベッテルが追う!あれ?右フロント、、
ウィングの翼端板がありません。序盤から波乱です。ピットは取りあえず用意するも、やっぱ止め。

9周目にHRTのカーティケヤンにメルセデスのロズベルグがパッシングに失敗し、マシンを浮かせてカーティケヤンを飛び越える。ウィッキーさんに英会話講座をしてもらっているみたいだ(笑)2人とも体は無事。ロズベルグ、パッシング下手くそ。チャンピオンはしばらくお預けだな(結局4年も待つことに)

その事故によるセーフティカー先導中に珍事がありました。黄色いくちばしベッテルの前を金のくちばしのトロ・ロッソ、リカルドとウェービングの歩調が合わず
フロントウィング左側を「DRS区間開始」を示す看板にぶつけてしまいます。これで完全に壊してしまいました。いよいよピットで交換作業を決意。せっかく追い上げを開始していたのに、再度最後尾に戻るハメに。スタートで4位に上がったアロンソとの距離がまた離れ、チャンピオン争いをやっていく上でかなりのピンチです。
17位走行のロータスのグロージャンをコースからはみ出して抜こうとするベッテル、これはダメだろ。焦っています。

20周目にポールからいつものように逃げを図るハミルトンの出力が落ちリタイヤ。これでトップがライコネンに変わりました。スタートダッシュの甲斐がありましたね。アロンソもマルドナドをかわして2位に順位を上げています。次にマルドナドに迫るのはスタートでしでかしてしまったウェバーはアウトから
あらら、違う。抜きにかかったはずがスピンでさらに7位まで順位を落とす。今日はウェバーの日ではないらしい。では続くマルドナドへのチャレンジャーとなったマクラーレンのバトンはインから
正解!さすがチャンピオン経験者。順位を取り戻したいウェバーはマッサをどうさばくか?またアウトから??
だから違うって!コース外から前に出るとマッサがとばっちり。その間に8位まで順位を上げていたベッテルにまでかわされてしまいます。マッサとしてはアロンソとベッテルの間に居座りたいところだし、もはやアロンソを抑え込めないいいところなしのウェバーはこれが狙いだったか?!(笑)ウェバーとベッテルが前後になるとうまい具合にウェバーをピットインさせて、ベッテルを前に。これで3位まで浮上。

38周目に入り、グロージャン、ディ・レスタ、ペレスそして遅ればせながらまたまたウェバーの4人で5位争いを始めました。まずディ・レスタがグロージャンにアクションを起こし、グロージャンの背後に隙を伺うペレスがピタリと張り付いています。
うわ、ペレスがアウトから
やっぱりコース外にはじき出されて、強引なコース復帰すると
あららら、、
後ろで傍観していたつもりのイマイチなウェバーを巻き添えに、明後日の方向に追いやりペレスか引っ掻き回してしまいました。名門マクラーレンへの移籍も決まっている調子に乗るペレスには手痛いストップアンドゴーペナルティが下ります。

終盤に入ると、後方の雑踏を知らないアロンソがファステストラップでライコネンを捕まえにいきます。チームからライコネンにアロンソとのギャップについて情報が飛びました。それに対して
「ちょっと一人に放っておいてくれ。自分のしていることはわかってる」
ライコネンの性格を象徴するような有名な返しです。ラスト3周で3位のバトンをかわしたベッテルは何とかアロンソの背後までリカバリー。ピットレーンスタートから接触にアクシデントとベッテルにとってはなかなかな試練を最小限に止めています。

《決勝結果》
   1 K・ライコネン(ロータス・R)
   2 F・アロンソ    (フェラーリ・F)
   3 S・ベッテル    (レッドブル・ R)

2007年にチャンピオンを獲得し、2009年で一度F1を離れたライコネンは2009年のベルギーGP以来となる3年2ヶ月振りの優勝となりました。ただし、優勝したもののポイントランキングの上位の2人もポイントを獲得しているため、ライコネンはこの時点でチャンピオン争いから脱落するという現象が起きています。また、この3戦後となる翌2013年開幕戦オーストラリアGPでも優勝したライコネンはそれを最後に優勝からは4年以上遠ざかっています。来シーズンもフェラーリドライバーが決定していますので、そろそろ訪れるであろう「有終の美」の準備と覚悟で頑張ってほしいですね。

このシーン、何度見ても笑えます(笑)好きです。