F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

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F1の2023シーズン前半戦が終わって2週間が経ちました。またあと2週間経てば後半戦を迎えるわけですが、これより毎年恒例となっている前半戦の総括、まとめを行いたいと思います。例の如く今回は「予選編」と題して全13戦改め全12戦の予選データをみていきます。
まず振り返る前に一つだけ注意点があります。先程書いたように、本来であれば今シーズンは全24戦、前半戦は13戦が該当する予定でしたが、洪水の影響により第6戦に予定されていたエミリア・ロマーニャGPが中止となりました。F1公式ならびに各メディアでは「第6戦は中止として残しつつ、翌第7戦はモナコGP、ベルギーGPは第13戦」とカウントされているところを、当ブログは第6戦をモナコGPに繰り下げて記載しています。

《ポールポジション獲得者》
 開幕戦   フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第2戦  ペレス     (レッドブル・RBH)
 第3戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第4戦  ルクレール   (フェラーリ・F)
 第5戦  ペレス     (レッドブル・RBH)

 第6戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第7戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第8戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第9戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第10戦   フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第11戦   ハミルトン   (メルセデス・M)
 第12戦   ルクレール   (フェラーリ・F)
 ※中止となった第6戦以降の付番は繰り下げています

〈ポールポジション獲得率〉
 1 7回 フェルスタッペン(58.3%)
 2 2回 ペレス     (16.7%)
     ルクレール   (16.7%)
 4 1回 ハミルトン     (8.3%)

同じドライバーの名前が続くのにどうしても目がいってしまいますが、チーム単位でみるともっと多い数が続いています。これまでの最多はフェルスタッペンの12戦中7回、レッドブルが12戦中9回ポールポジションを獲得しています。毎回のことながら「予選はあくまで予選であり、大事なのは決勝。レースとなればどうなるかわかりません」と言いたいところが、、そのセリフの続きは決勝編までとっておきましょう。
フェルスタッペン以外のポールシッターをみてみると、ペレスがフェルスタッペン7回に対して2回。昨年の今くらいまでならば「予選といえばフェラーリそれもルクレール」だったものの、昨年の対フェルスタッペンとはまるで正反対の2回に止まる。また一昔前までのポールポジション製造機、メルセデスのF1キングことハミルトンがわず1回止まってしまっています。特にメルセデスについては昨年までの異色なマシンコンセプトである俗にいう「ゼロポット」を戻しても、予選の成績には即反映は果たしていません。
フェルスタッペンについては、開幕当初からライバルに対してアタマ一つ抜けたマシンの完成度であることだけではなく、雨が降ろうが乾こうが、市街地だろうがオールドサーキットだろうが、ストレートが短かろうが短かろうが、得意不得意か関係無く速く、ポールポジションを重ねてきました。いつもにも増して速さを披露。おまけに2番手以降に大差をつけてしまうもチラホラあるなど、まるで容赦、妥協一切無し。フェルスタッペンから今シーズンのF1がどう見えているのか、ライバルは何を苦戦しているのであろうと見えているのでしょうか?

《予選最速タイムと各チームとの差》
予選各セッション通してのトップタイム(必ずしもポールポジションタイムとは限らない)と各チーム最速タイムとの差をグラフ化しました。毎予選後に並べていたやつのグラフ化です。まずはタイム差をそのまま素直にグラフ化します。
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上のグラフは単純なタイム差、下グラフは以前に何回か試しでつくったことのある「トップタイムを100%とした場合の割合」です。ちなみに縦に入る水色の帯は「ウェット及びインターミディエイトタイヤを使用したGP」を示し、黄色の帯は試験的施行された「ATAによるタイヤコンパウンド縛りのあるGP」を示しています。つまり、これら帯のかかる予選では、各チームのタイヤコンパウンドが揃わない状況下での比較となります。ベルギーGP、特にウィリアムズの遅れがとんでもないことになっています。タイム差にして14.146秒遅れ、113.32%とアルボンであろうが無かろうが比較しちゃいけない差です。もうちょい削ろか。
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タイム差にして3.5秒、104%を上限にしても通常期の比較がし難い状態にあります。すぐにドライタイヤを導入したイギリスGPはともかく、インターミディエイトからドライのソフトに切り替わった予選タイムではこれだけの差を生み出してしまいます。今回は上位と下位の2グループに分け、グラフの尺度を変えてみたいと思います。
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こちらが上位5チーム(レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティン)で上限値を1.6秒、102%としたグラフとなります。各GPの順位入れ替えは当然起きませんが、タイム差と割合で若干グラフの見栄え、プロット位置が変わります。
先程も書いたように、このグラフの基準点(縦軸の0)は必ずしもポールポジションタイムとは限りません。基本はレッドブル、フェラーリ、メルセデスのポールシッターが基準点となるものの、第8戦カナダGPに限り、基準点は上位メンバーではない、ウィリアムズ(アルボン)のものとなります。青い帯、ウェット予選でタイム差が大きくなる中、第10戦イギリスGPのマクラーレンのみが異端で「ライバルを差し置いてトップ(レッドブル)に近付いている」のが目立ちます。チームの母国、マシンのアップデート、さらには若さが雨を吹き飛ばす程の勢いを持つのか。またフェラーリ、メルセデスら上位常連は上下動はありながらも大体0.6秒以内(カナダGPとベルギーGPを除く)におさまっていますが、アストンマーティンは前半戦の前半、マクラーレンは前半戦の後半にその中に混ざり、勢力図の変化を感じます。
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続いて下位のグルーピングをした5チーム(アルピーヌ、アルファロメオ、ハース、アルファタウリ、ウィリアムズ)は上限値を3.5秒、104%としました。第12戦ベルギーGPは対象5チーム全てが枠内にプロットできていません(笑)
このグループで基本的に上位につけるのはピンクラインのアルピーヌになります。しかし第6戦モナコGPを除くと爆発的な差を築いたものは無くわむしろカナダGPでトップタイムを獲得したウィリアムズやハンガリーGPで0.362秒落ちまで迫ったアルファロメオの方がインパクトが強く感じます。アルピーヌって上手く例えられませんが「掴みどころやメリハリが無い」感じ。

〈予選最速タイムと各チームとの差の平均値〉
 1 レッドブル・HRBPT   平均0.047秒
 2 フェラーリ・F     平均0.375秒(+0.328秒)
 3 メルセデス・M       平均0.619秒(+0.572秒)
 4 アストンマーティン・M   平均0.686秒(+0.639秒)
 5 マクラーレン・M      平均0.875秒(+0.828秒)
 6 アルピーヌ・R     平均1.499秒(+1.452秒)
 7 ハース・F       平均1.855秒(+1.808秒)
 8 アルファロメオ・F   平均2.200秒(+2.153秒)
 9 アルファタウリ・HRBPT 平均2.227秒(+2.180秒)
  10 ウィリアムズ・M      平均2.347秒(+2.300秒)

それら平均値をさらにチーム単位で平均化したものを差について、下のグラフは昨年のコンストラクターズランキング順、上記は速い順に並べました。カッコ内の数字はトップタイムとの差を示します。
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レッドブルは12戦中9戦のポールポジションに止まるわけですが、平均化してしまうとほぼ遅れ無し。今シーズンは予選でも地味なフェラーリも単独の2位となる平均0.375秒落ちで、何だかんだで安定?はしています。ちょっと波があるのはメルセデスとアストンマーティンの0.6秒落ちの2チームで、前半戦終盤に突如頭角を示し始めたマクラーレンが0.8秒落ちで追ってきています。メルセデスはともかく、アストンマーティンを今後食う可能性を感じました。
どっちつかずのアルピーヌはさておき、下位4チームはなかなか熾烈。先程見た雨の大幅ロスの影響を受けているグループになります。予選のハースはヒュルケンベルグ様々(決勝は別問題)、アルファロメオのベテランと若手コンビは共に似たような位置をさまよい、アルファタウリのエース角田は順位こそ健闘するもトップとのタイム差は大きく、ウィリアムズはサーキット特性に左右されがち、というツバ競り合い。

《予選平均順位》
続いて後半戦予選の平均順位をみていきます。予選ですから当然リタイヤは無く、必ず順位が付きます。いつものように予選後のペナルティを含まず、先日の第10戦イギリスGPのボッタスのような失格があった場合は「順位無しの20位扱い」とみなします。

〈ドライバー〉
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あれ、トップがフェルスタッペンなのは想像出来ましたが、平均値は3.00位になっちゃうの?!意外に思われた方も多いかと思いますが、第2戦サウジアラビアGPは15番手、第5戦マイアミGPは9番手となったことが、本算定で悪さとなっています(第12戦ベルギーGPは「決勝でのグリッド降格ペナルティ」のためポールポジション扱い)2位は意外(なんて言うのは失礼ですが)フェラーリのルクレールでなくサインツが5.00位、3位は同率で「過去と現代のフェラーリエース」2人が平均5.58位で並んでいます。上から10番目、平均10.17位につけるアストンマーティンのストロールあたりまでがQ3進出常連クラスであり、以降の出来ではピアストリがその座を奪ってきそうか。
中団上位には「予選屋」ヒュルケンベルグが平均11.42位、昨年のビリチームであるウィリアムズのアルボンが平均12.92位、そして今シーズンのビリチームになりそうなアルファタウリは角田が平均13.92位で健闘しています。角田の相方で期待大きいデ・フリースは母数が少ないため単純比較はできないものの、後任の先輩リカルドにも平均値で既に負けてしまっています。まあブランクがあるとはいえリカルド はポールポジション経験もあるベテランですから、比較するのも可哀想ですが。
同じマシンに乗り同じ路面状況下でマシンのポテンシャルを十二分に発揮すれば、理論上は似たようなタイムと順位で走れていいはず。チームで似たような順位にいるのがフェラーリ、メルセデス、アルファロメオの2人であり、逆に差がついてしまっているのがレッドブル、アストンマーティン、ハース、アルファタウリの2人でしょうか。犯人探しをするわけではありませんが、この後のデータでそれが丸裸になってしまいます。

〈コンストラクター〉
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コンストラクター(チーム)単位の平均順位はこうなります。先程のチーム内格差が大きいと、一人が好調でももう一人に引っ張られてこちらの平均値を下げることとなります。
トップはレッドブルでなくフェラーリに代わります。ドライバーズではフェルスタッペンが1位でしたから、その原因はやっぱり、、そうペ◯スです。フェラーリは今シーズン地味でも派手にもやらかしていないため、このような位置付けに。トップでも平均値は5.29位と、平たく言えばそつがない。また大活躍アロンソ様があっても、参戦7年目の「研修生」がなかなかついていけず、メルセデスに順位を明け渡しています。
中団はマクラーレンとアルピーヌが相変わらずバチバチやっています。ただ繰り返し、マクラーレンは若手2人が覚醒、再建モードの兆候があるため、アルピーヌは迷走から早く抜け出さないと置いていかれます。下位4チームはやはりハースがヒュルケンベルグ効果でアタマ一つ前におり、ビリはアルファタウリとウィリアムズが僅差でバトル中。ドライバー経験値はアルファタウリがやや有利ではあるものの、ウィリアムズはメリハリあるマシン特性を有しているため、ワンチャンはウィリアムズ寄りか。いずれにしても、ウィリアムズはアルボン1人の腕にかかっています。

《ドライバー別グループ別予選順位変遷》
予選順位を3つのグループに分け、順位を折れ線グラフで示します。3つのグループ分けについては「この人はこのグループじゃないだろう」という腑に落ちないものもあるかと思いますが、miyabikunの好き嫌いではなく、意図したものであることをご了承下さい。
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上位は昨年の上位であるレッドブル、フェラーリ、メルセデスによる3チーム6人になります。成績だけでいえば、レッドブル(もっといえばフェルスタッペン)はこのグループとは別に設けるべきですよね。それはチャンピオンとて生意気なので止めました(笑)
6人全員がQ3進出クラス常連ではありながら、中にはグラフが上下にブレて定まらないドライバーも見受けられます。一番目立つのは紺色の破線、レッドブルのセカンドを示しますからそれはペ◯スということになります。第2戦サウジアラビアGP、第4戦アゼルバイジャンGPはポールポジションを獲得していますから、ずっと悪いわけではない。ただ、前半戦の終盤、ヨーロッパラウンド本番に入ってからが絶不調でした。決勝レースがよければ予選なんぞ何番手であってもいいのですが、上位フィニッシュを目指すには自ずとパスする対象が増えます。やはり近代F1では上位グリッドからスタートした方がいいに越したことはありません。逆に一番浮き沈みが少ないのは、ポールポジションこそ無いものの、赤の破線、フェラーリのサインツでしょうか。ATA導入のハンガリーGPはQ2敗退しますが、地味でも安定。
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今年の中団扱いは3チーム、アルピーヌ、マクラーレン、アストンマーティンによる6人です。ここの分け、悩みましたし違和感を覚えるところかと思います。アロンソに関しては先程の上位グループとみるに充分な成績ですし、前半戦の後半戦にあたる第9戦オーストリアGP以降のマクラーレンはフェラーリやメルセデスよりよっぽど上位に値します。ただこのグループ分けにした理由は今シーズン前半戦の「成績の浮き沈みがよくわかるグループ」だと思い、敢えてこのラインナップとチーム分けにしました。
前半戦の前半戦は緑の破線、アストンマーティンのアロンソ様が実にお元気でいらっしゃいます。全12戦において全てQ3に進出されるところはさすがです。しかし前半戦の後半戦に入ると、やや息切れされたのか、若手に追いやられているご様子をお見受けできます。その若手がオレンジラインの2人、マクラーレンのピチピチコンビが台頭してきています。出足は鈍いながらノリスはQ3進出をコンスタントに果たす中、マシンアップデートを入れた直後から新人ピアストリが猛威を振い始めます。第10戦イギリスGP、第11戦ハンガリーGPはノリス先輩の背後にピタリとつけ、ベルギーGPの予選ではいよいよ上回ることに成功しています。またココには表現できていませんが、ベルギーGPのスプリントシュートアウトではフェルスタッペンに次ぐ2番手を確保するなど、成長が著しい。アストンマーティン、マクラーレンの出来栄えに比べると、仲良しフレンチ軍団アルピーヌの2人はだいぶおとなしく、安定感も少なめ。そういえばピアストリって、昨年までアルピーヌで半決まりだったんですよね。どちらが正解だったのかな。
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下位は今回最も多い4チーム8人に加え、途中のスイッチにより復帰を果たしたアルファタウリのリカルドをデ・フリースとは別の扱いをした計9人で構成されています。よって、見辛いかと思いますがデ・フリースの戦は第10戦イギリスGPで途切れ、第11戦ハンガリーGPからは別のパーソナルカラーでリカルドのラインが始まります。
このグループはQ2突破、Q3進出で拍手喝采となります。目立つのは第8戦カナダGPでのヒュルケンベルグの2番手、第5戦マイアミGPのマグヌッセンの4番手を筆頭に、ハンガリーGP予選が異様によかったアルファロメオの2人、土俵際でQ3にギリギリ入るウィリアムズのアルボン、エースの風格が漂うアルファタウリの角田あたりの健闘。ブランクが懸念されたリカルドもひとまず前任者よりも上位でスタートを切れましたので安泰でしょうか。

《チーム内対決》
予選編の最後はチームメイト対決です。単純にペナルティ降格前の純粋な予選順位で勝敗を決めます。後半戦は全13戦改め全12戦となったため、6勝6敗の引き分けというケースがあり得ます。
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チーム内格差が大きかったのは、ウィリアムズの12対0。続いてレッドブル、マクラーレン、アストンマーティンの10対2。ハース、アルファタウリの9対3です。レッドブルはもっと極端な結果になるかと思いきや、ペ◯スも2回ポールポジションを獲っていますのでしっかり勝てているGPもあります。ちなみにアルファタウリの内訳は、角田対デ・フリースは8対2、角田対リカルドは1対1となっています(後半戦は10戦が予定されていますので、現時点でリカルドに対して勝ち越しが決まっているわけではありません)
接戦なのはアルピーヌのオコン6勝、ガスリー6勝、仲良し(笑)メルセデスのラッセル5勝とハミルトン7勝、アルファロメオのボッタス7勝と周の5勝。定まらないラッセルに対してハミルトンは文句言いつつも何気に復調がみられますので、先輩の面目は保てそうですが、アルファロメオは周の安定さとボッタスの締まりの無さが感じられるため、後半戦にシェアが変わる可能性もあります。最近のボッタスは昨年までのベッテルの晩年にもみられた「遠くを眺める様子」をよく捉えられていますので、もしかしたら別のことを考え始めていたりして。

今回はポイントには直結しないシーズン前半戦「予選」に関するデータ集、まとめでした。

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今回の後半戦振り返りはポイント編+αです。まずは+αの方のスプリント入賞者とそのポイント加算がありますので、そちらを先に振り返っておきましょう。

《スプリント入賞者》
〈第21戦サンパウロGP〉
            変動  ポイント
 1 ラッセル       -2  8pts
 2 サインツ       -3  7pts
 3 ハミルトン      -5  6pts
 4 フェルスタッペン  +2  5pts
 5 ペレス        -4  4pts
 6 ルクレール      -4  3pts
 7 ノリス       +3  2pts
 8 マグヌッセン    +7  1pt

後半戦は昨シーズンに続きサンパウロGPでスプリントが行われました。前日の金曜予選はウェット路面で波乱が起き、ポールポジションはハースのマグヌッセンによるものでした。予選編でも触れましたが、2021年はどちらかといえば「経営的、政治的なシート喪失」となったマグヌッセンが、そのシート喪失の原因の一つが外れたことにより電撃復帰。さらには時々刻々と変化するウェット路面という難しい環境下で見事ポールを獲得するというミラクルを起こしました。ただフタを開けてみればハースはやっぱりハースであり、マグヌッセンは序盤にフェルスタッペンにかわされると、徐々に順位を落とし、結果的に+7となる8位1ポイントの獲得に止まりました。決勝は1周目にライバルとの接触のため、ノーポイントに終わりますが、昨年までのハースを考えたらかなりの大飛躍としばしの注目の的となりましたね。
即座にトップを奪ったフェルスタッペンもレースペースが芳しくなく、ピタリと追従されたラッセルにかわされて+2となる4位フィニッシュ。そしてそのフェルスタッペンをかわしたラッセルが1位を獲得して、決勝レースもそのまま優勝、さらにはファステストラップまで計上するというまさに「ラッセル台頭の序章」を知らしめられたGPでした。

〈2023年のスプリント開催地〉
先日来シーズンのスプリント開催地が発表されました。昨年、今年は3か所での開催でしたが、来シーズンは予定通り6か所に拡大します。

 第5戦  アゼルバイジャンGP(スプリント初開催)
 第11戦オーストリアGP  (2回目)
 第14戦ベルギーGP    (スプリント初開催)
 第19戦カタールGP    (スプリント初開催)
 第20戦アメリカGP    (スプリント初開催)
 第22戦サンパウロGP   (3回目)
 ※第4戦中国GP中止の振替を考慮した付番です

スプリント常連となったブラジルのサンパウロGPをはじめ、初開催が4か所もあります。今シーズンはやや受け入れやすくなりながらも、まだまだ煮詰めるべき部分も残るスプリントです。来シーズンは終盤によったスケジューリングとなっています。行うのであれば意義のある「パッシング可能なサーキット」で行うべきだと思います。そういった意味ではベルギーやアメリカは面白くなりそうです。はぁー、6戦もあるのか。。(笑)

《ポイントランキング》
先程のスプリントでのポイント加算を踏まえ、ドライバーズ、コンストラクターズのポイントをみていきます。グラフの色遣いは先日の予選編、決勝編で使った各ドライバー、チームのカラーと同じです。

〈ドライバーズポイント〉
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ドライバーズの全体感になります。上方には誰とも触れ合うことなく異次元をいく1人。少し離れて中段では何人かが似たような傾きをなしてもつれ合い、下段はオレンジラインを筆頭にカラフルな層が沈殿しています。凡例は付けずとも概ねどれが誰だかわかってしまう今シーズン。以下で位置グループ毎に拡大していきます。
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グループAは前半戦と同様の上位3チームの6人です。そのGPでの優勝者にはポイントを四角く囲っています。先日確認した通り、後半戦9戦はフェルスタッペンが7勝、ペレスとラッセルが1勝ずつであり、以降のグループから輩出されませんでした。「この圧倒的さがたまらん!」というファンも多いかと思いますが、miyabikunとしてはちょっと偏り過ぎだと思います。サンパウロGPで初優勝を挙げたラッセルの傾きが急になっていますが、これはスプリント、決勝レース、決勝ファステストラップの3つ満点の34ポイントを獲得したためです。このグラフからは「チャンピオン1人が異次元」ということしか伝わり辛いため、チャンピオンには一旦席を外していただき、再描画しました。
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ランキング2位から6位までのグループA2の5人の揉み合いがわかりやすい尺度としました。グラフ左上に少しかすったのがフェルスタッペンです。第15戦オランダGPのフェルスタッペンと、最終戦アブダビGPのルクレールとペレスがニアリーということになります。レースでは7戦先、時期にして2ヶ月半も先取りしてしまったのらー。
後半戦初戦の第14戦ベルギーGPの時点ではペレス、ルクレール、サインツ、ラッセル、ハミルトンの順でした。以降、ペレスとルクレールの2人は他3人とは似た傾きながらも別れを告げ、頻繁に順位が入れ替わる攻防戦が続きます。そして第21戦サンパウロGPでは両者ともチームメイトに「ポイント乞い」しながらも、それは受理されず290ポイントで一瞬並びました(順位でルクレールが上位)
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MV「えーと、チェコは4+6で、、12!、ん?」
SP「マックス、違うぞ。足し算ができないのか」
これは冗談ですが、まあまあそんな具合です。チャンピオンにとっては他人の足し算は要らないわけで。。結果この譲り合いがあっても、最終戦でルクレールに負けたら足りなかったわけで。
一方グループA2の下位3人はサインツが第18戦日本GP、第19戦アメリカGPを呆気なく落としてしまったことにより、慌ただしく順位が入れ替わっています。ヨーロッパラウンドまではラッセルと付き合っていて、雨の日本で別れ、アメリカラウンドからハミルトンに乗り換えたみたいになっています。
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続いてグループB、中団トップに位置する4人です。こちらも前半戦と同じメンバーです。後半戦もこのままの順位でいくのかなと想像していましたが、バチバチしていたアルピーヌ2人も結果的にポイントで触れ合うことは無く、そのまま右肩上がりのままシーズンを終えました。先日からの繰り返しになりますが、アルピーヌとマクラーレンは4番手チーム争奪戦を繰り広げていました。しかしこのグループにはアルピーヌは2人いてもマクラーレンは独りぼっち。ノリスが1.5倍くらい働いて、結局チームとしてアルピーヌに勝つことができませんでした。コンストラクターについてはこの後改めてみていきます。
後半戦初戦終了時点では5ポイントしか差が無かったアロンソとボッタス。最終戦には32ポイントも開いてしまいました。全てがボッタスのせいではありませんが、後半戦9戦で稼いだのはたった3ポイント。昨シーズンのように12月まであと2〜3戦あったら、下位から浮上を図るリカルドやベッテルに食われていたかもしれません。。
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ドライバーズ最後のグループCは総勢11人(人数的にはもう1人いる)で争われる1ポイントの有無で来シーズンのシートがかかる激戦区「死のグループ」です。急激にポイントを増やす者もいれば、平行移動で終えているドライバーと様々。
増え幅が大きいのはここでようやくマクラーレンのリカルド、そしてアストンマーティンのベッテルとストロールでしょうか。特にアストンマーティンはヨーロッパラウンドから明けたシンガポールGPからグンと伸びています。ベッテルは最終的にリカルドと同点の敗北となりましたが、アジアに入ってからの快進撃はF1でのやり残しが無いようにすべく、目を見張るものがありましたよね。日本GPよかったなあ。ストロールとはアメリカGPで際どいシーンがあったものの、完全燃焼してストロールに伝承できたでしょうか。また言うのかな「ベッテルから得られたものは無かった」なんて(笑)
このグループに埋もれてしまって抜け出せなかったアルファタウリの角田くんにとっても辛い後半戦になってしまっています。ガスリーに勝つシーンはあっても、ポイント的には倍半分となってしまい、なかなか成長を数字で表すことができませんでした。マシンも厳しかったでしょうし、フェラーリ共々、戦略が独特だからなぁ。ガスリーみたいにこの呪縛から解き放たせたいようにも感じるし、一方で凡ミスが無くなったわけでもないので、来シーズンでワンチャン華を咲かせたいですね。
実はドライバーズポイントグラフで今回試作したものがあるのですが、描いてみるとなかなか見辛い。出そうか迷った挙句、今回は出さずにいきます。次の機会でもう少し見易く描けたら、試しに出したいと思います。

〈コンストラクターズポイント〉
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コンストラクターズポイントもまずはザックリとみてみます。こちらもドライバーズと似たような上がり方に色分け、グループになっています。ランキング1位はやっぱり抜け出ちゃっているので、厳密には3グループというより4グループとした方が正しそう。いや、よくないよくない!スポーツとしてもエンターテイメントとしても、1人独走はよくないぞ!IMG_5658
上位3チーム、いや1プラス2チームを拡大するとこうなります。後半戦でもしかしたらフェラーリとメルセデスがひっくり返るのでは?!なんて噂や予想もありましたが、フェラーリは何とか踏み止まりましたね。グラフの上がり方をみていると、フェラーリはどこか自信なさげで、メルセデスの方が元気。そして後半戦で貴重な勝利を挙げています。
レッドブルについては、、特に言うこと無し。強い!以上(笑)
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コンストラクターズ争いといえばココですよ、アルピーヌとマクラーレン。ココは後半戦まで楽しませてもらいましたね。第16戦イタリアGP、第17戦シンガポールGPでつまずいたアルピーヌに対し、シンガポールGPで4位5位フィニッシュしたマクラーレンが一度4位の座を奪ったものの、日本GPでアルピーヌに巻き返され、終盤までその流れを止めることができませんでした。少し前に復調をみせたマクラーレンはサインツが抜けた後、メルセデスにスイッチしたにも関わらずやや低迷期に入ってしまっています。何か疫病神でもいるのだろうか、なんて(笑)
逆にアルピーヌはルノーから名前を変え、さらにはアロンソを招き入れてから徐々に勢力を増してきました。来シーズンはアロンソがまた別の館に旅立たれますので、その影響がどうなるか見ものですね。あまり変わらず、いい位置で戦えてたならば「本当に2%だった」ということか?!(笑)
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下位4チームは多くが微増や平行移動で終える中、異端児が1人。ドライバーズ編でも触れた緑のアストンマーティンです。どちらが片方が好調だったのではなく、2人して好調となればその勢いは強力です。後半戦初戦終了時点ではランキング9位で存在感をほぼ感じられなかったというのに、シンガポールGPでハースとアルファタウリを一気食い。日本GPでもその勢いは衰えず、最終戦ではのんびりアルファロメオと並ぶ7位にまで上り詰めました。これだけやれるなら、なぜ前半戦からやらなかった?!(笑)今シーズンでベッテルは抜けますが、来シーズンからはアロンソ様がお見えになります。ストロールも98%働いて、アルピーヌのような中団上位を目指そうじゃありませんか。
あれだけ前半戦が好調で入ったアルファロメオとハースのフェラーリパワーユニット勢は一気にブレーキがかかってしまっています。ベテランのボッタスとマグヌッセンが息切れしてしまったのがやや苦しかったでしょうか。でもその裏返しでアルファロメオは周くんが度々ボッタスを凌駕する予選1ラップをみせたり、シューマッハも平均順位や勝敗ではマグヌッセンを上回っていました。それでも、来シーズンに繋げられたのは周くんのみ。名前がビッグなシューマッハも名前だけでは生き残れず、一旦出直しという形となってしまいました。

《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 第14戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第15戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第16戦 デ・フリース  (ウィリアムズ・M)
 第17戦 ペレス     (レッドブル・RBH)
 第18戦 ベッテル    (アストンマーティン・M)
 第19戦 ベッテル    (アストンマーティン・M)
 第20戦 リカルド    (マクラーレン・M)
 第21戦 ハミルトン   (メルセデス・M)
 最終戦 ベッテル    (アストンマーティン・M)

〈ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得率〉
 1 3回 ベッテル    (33.3%)
 2 2回 フェルスタッペン(22.2%)
 3 1回 デ・フリース  (11.1%)
    1回 ペレス     (11.1%)
    1回 リカルド    (11.1%)
    1回 ハミルトン   (11.1%)

後半戦最後のまとめと振り返りは「本家の」ドライバー・オブ・ザ・デイです。これは全世界のF1ファンによって得票し、選出されたものなのでみての結果の通り。miyabikun文句の言い様がありません。ちょっと違うんでねーかなということで別途選出していますので、そちらはまた後日集計したいと思います。後半戦の得票数最多はベッテルの3回、フェルスタッペンの2回で、あとは1回が4人という結果となっています。昨年のライコネンと同様に、最終戦のベッテルは「お疲れ様、ありがとうポイント」に見えなくもないですが、ベッテルは世界中の多くのファンから愛され、惜しまれつつ引退していきます。来シーズン居ないというのがまだピンと来ませんが、晩年の低迷期もよく乗り越え、我慢し、置かれた立場と状況からよく戦ったと思います。

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毎度ながら3回に分けて2022年の後半戦をまとめ、振り返ってきました。この後はシーズン全体の総括も行う予定ですが、グラフからは一旦離れましょう(笑)

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予選編に続き、決勝編です。シーズンが閉幕したことをいいことに、ワールドカップをチラチラよそ見しながら、miyabicはゆるりとやってるなあ。そんな悠長にやっていて、年内にちゃんと終われる?!年またぎだけはやめてね(笑)

《優勝者》
 第14戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第15戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第16戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第17戦 ペレス     (レッドブル・RBH)
 第18戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第19戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第20戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第21戦 ラッセル    (メルセデス・M)
 最終戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)

〈勝率〉
 1 7勝 フェルスタッペン(77.8%)
 2 1勝 ペレス     (11.1%)
    1勝 ラッセル    (11.1%)

後半戦全9戦の優勝者と勝率です。2回チャンピオンに輝いたフェルスタッペンが9戦で7勝、勝率77.8%はまさに圧巻です。昨年や今シーズン前半は激戦を繰り広げていた印象があったものの、後半戦は文句のつけようの無い横綱相撲ならぬ「横綱レース」になったと思います。
どうしてもフェルスタッペンばかりが目立ってしまう今シーズンですが、後半戦もしっかりと相方ペレスが1勝。フェルスタッペンが7位に沈んだ第17戦シンガポールGPでチームをカバーしました。そしてフレッシュな話題も一つ、メルセデスのラッセルが第21戦サンパウロGPでチームのシーズン初にもなる初優勝を見事に挙げましたよね。ハミルトンのシーズン未勝利はともかく、メルセデスのシーズン未勝利はどうにか免れました。
そういえば前半戦で4勝を挙げた紅いチーム、いませんね。どこに行っちゃったんでしょう?!


《ファステストラップ獲得者》
 第14戦 フェルスタッペン 32周目/44周
 第15戦 フェルスタッペン 62周目/72周
 第16戦 ペレス      46周目/53周

 第17戦 ラッセル     54周目/59周

 第18戦 周冠宇      20周目/28周※

 第19戦 ラッセル     56周目/56周

 第20戦 ラッセル     71周目/71周

 第21戦 ラッセル     61周目/71周
 最終戦 ノリス      44周目/58周
 ※16位完走で入場圏外のためポイント付与無し


〈ファステストラップ獲得率〉
 1 4回 ラッセル    (44.4%)
 2 2回 フェルスタッペン(22.2%)
 3 1回 ペレス     (11.1%)
    1回 周冠宇     (11.1%)
    1回 ノリス     (11.1%)

決勝にはファステストラップでもポイントが得られる時代になりました。こちらの最多はラッセルの4回。ラッセルは2020年のサクヒールGPで代走した際に獲得しているため、これで通算5回目になります。開幕直後はメルセデスがファステストを獲る状況をあまり想像できませんでした(ハミルトンが2回獲っていますが)それでも復調をみせるメルセデスは終盤にはフリーストップを得られるまでの走りが可能となりました。メルセデスはメルセデスでも、ハミルトンでなくラッセルというのがいい!こちらにもハミルトンの姿はありません!(笑)
3年振りの開催となった日本GPでは雨で延び、そして荒れた中、アルファロメオの周くんが獲得したのもビックリでした。残念ながら入賞圏外フィニッシュのため、ポイント付与はありませんが、近年のファステストラップは「上位チーム、ドライバーが余裕しゃくしゃくの状態でレース終盤にダメ押しで記録する」ような位置付けになってしまってしまいましたので、中団や下位チームからの計上は困難になりつつあります。荒れレースとはいえ、その中での獲得は立派だと思います。
そういえば前半戦は2人で5回記録した紅いチーム、いませんね。どこに行っちゃったんでしょうね?!(2回目)

《決勝平均順位》
決勝の平均順位です。算出方法はいつも通り、リタイヤ、決勝不出走、失格は「20位扱い」とカウントします。予選編と同様に、ウィリアムズからスポット参戦となったデ・フリースも仲間に入れてあげています。
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フェルスタッペンが表彰台確約レベルの平均2.22位でトップとなりました。ん、フェルスタッペンが2.22位って、どっかで見たことがあるような、、この後少し触れます。
2位はルクレールの平均3.44位、3位はペレスの3.67位、4位がラッセル、5位はハミルトン、6位がサインツ、7位ノリスとドライバーズランキングに似た並びになっています。ということは、後半戦が今シーズンの縮図みたいな形で勢力図が確立されているともいえます。ポイントランキングでハミルトンとサインツは入れ替わっていますが、最終戦まで僅差でバトルしたルクレールとペレスの順列も満更ではないのかなと合点がいきます。
10位以内の入賞圏内常連クラスは9番目のオコン(デ・フリースを除くと8番目)あたりまでで、ラストイヤーのベッテルやマシントラブルが続いたアロンソのチャンピオン経験者は「その日による」感じでしょうか。奇しくもアルピーヌから移籍するアロンソとアルピーヌに移籍するガスリーが平均12.11位で並びました。これがつまり等価交換?!なんて言ったらmiyabikunも2%しか仕事していないじゃないかなんてアロンソからチクチク言われそう(笑)
今シーズン限りで(ひとまず)F1を離れる3人のうち、ハースのシューマッハは平均順位だけでみればマグヌッセンに勝っています。大差で負ける他の2人よりは惜しい感じもしますが、この後「チーム内対決」でもう一度結果をみてみましょう。
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こちらは先日の予選平均順位でも行った「後半戦が前半戦からどれだけ平均順位を上げたか(下げたか)」をみるもので、数字は赤にはしましたがグラフ左側(マイナス側)に触れている方が進化していることを示します。
ちょっと興味深いなと思ったのはボッタスの突き抜け方、、ではなく、二強4人全員がマイナス側に振れている点。特に先日の予選編はルクレールのみが平均0.94位落としているのに対し、決勝編は逆に-3.63位削っているのです。これは算出方法のイタズラともいえますが「前半戦はリタイヤが3回(20位扱い)に対して、後半戦はリタイヤが無く、全て入賞圏内で終えているため」です。フェラーリお決まりのチョンボはありつつも、ルクレール自身は決勝で結構取り戻せているんです。一方、同じくマイナス側ではあるけどチームメイトのサインツは前半戦で4つ、後半戦は日本、アメリカで連続の序盤リタイヤをかましてしまったため、それが薄まってしまいました。
で、やっぱり目立つのはボッタスのプラス3.70位、ハミルトンの2.37位です。考えてみれば昨年のチャンピオンチームの2人ですね。後半戦に復調がみられたハミルトンは第14戦ベルギーGPの0周リタイヤと最終戦アブダビGPの18位完走扱いがイタかったし、ボッタスは予選編に引き続きビリトップ。サマーブレイクで遊び過ぎたか。
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似たようなグラフのこちらは後半戦の予選から決勝でどのくらいゲインしているのかをグラフ化したものになります。さっき書いたサインツの2回のリタイヤがこう悪い風に表れてきてしまいます。あと同国の先輩アロンソも予選はいい位置につけるものの、2%しか仕事をしなかった祟りかマシントラブルが多発し3回のリタイヤによりプラス側となっています。ボッタスは予選そのものがよくなかったため、この集計では思いの外目立ちません。
マイナス側については、ウィリアムズで1レースしか走っていないものの、その1レースでウィリアムズのマシンでも4つ順位を削って9位入賞の2ポイントをもぎ取ったデ・フリースが堂々のトップ。しっかり爪痕を残して来シーズンのシートにこぎ着けました。そして後半戦は世界中のファンが一戦一戦を見守ったアストンマーティンのベッテルがフル参戦ドライバーでトップとなる-3.00となりました。後半戦は予選はもちろんのこと、決勝もF1での16年間をしみじみと感じるような丁寧にドライブができていました。それをもう少し早くから始めてもらい、かつマシンも競争力あるものであったらよかったのになぁ。
先程言いかけたフェルスタッペンの決勝平均順位ですが、実は先日行った予選平均順位と全く同じなんです。計算ミスかなと何回か見直したのですが、おそらく大丈夫。寸分狂わず予選決勝でプラマイゼロというのも不思議というか、すごい。
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ここでようやくコンストラクター(チーム)単位の決勝平均順位です。この順列は細かなデータ云々というよりかは、後半戦の走りや結果そのままが表れているように思います。2人して表彰台登壇の手堅い位置にいたレッドブル、少し離れてチョンボ癖の抜けないフェラーリとそのフェラーリを捕まえる勢いのメルセデス。中団にはアルピーヌ2人とノリスが一進一退の激闘を繰り広げ、急に元気になったアストンマーティン。可も無く不可も無いアルファタウリが前半戦の貯金を使い果たしたアルファロメオとハースを抜き、アルボン頼みのウィリアムズは1人マイペース、といった感じ。

《ドライバー別グループ別決勝順位変遷》
決勝のドライバー別、グループ別順位になります。予選編と同じグループ分けで三強6人のグラフからみていきます。
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後半戦の予選でようやく予選マスターのルクレールを上回ったサインツも、2回のリタイヤで台無しになってしまいました。ほか、エメラルドグリーンの2人がたまに墜落している様子もうかがえますが、紺色のレッドブル2人と赤の破線ルクレールは堅調に後半戦をこなしました。
最多勝の期待がかかったフェルスタッペンはシンガポールとサンパウロでつまずきはしましたが、結果的にシーズン最多勝を更新しましたし、この2戦はあってよかったのではないかなとmiyabikun思っています。ファンの方にとっては悔しいところかもしれませんが、これ以上勝ち続けられるとある意味とんでもない後半戦になったでしょうし、たまにはチームメイトや初優勝誕生も無いと、ね。
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中団4チーム8人です。このグループ分けは前半13戦から引きずっているものになりますが、後半戦だけをみれば、アルファロメオとハースは次の下位グループに属し、代わりにアストンマーティンとアルファタウリにスイッチした方がいいのかもしれません。
前半戦ではこのグループ唯一表彰台に登壇したマクラーレンのノリスはシンガポールGPでの4位が最上位となり、後半戦での登壇はなりませんでした。来シーズンはようやく胸を張ってエースを担当するオコンも日本GPで4位と健闘しています。せっかくサンパウロGPで初ポールを獲得したマグヌッセンはスプリントで8位まで落ち、決勝は瞬殺0周リタイヤで立ちんぼでした。ファステストラップだけでなく、ポールポジションポイントもほしいよね。
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(前半戦で決めてしまった)下位3チーム6人です。最高位はシンガポールGPでのストロールと日本GPでのベッテルが共に6位と緑実線のベッテル、緑破線のストロールの元気のよさがよくわかります。その直後のアメリカGPではあわや同士討ちになるところでしたね。来シーズンも「自分のチーム」で継続参戦するストロールはまた周囲を見ない癖が出始めてしまっています。自分のシートは安泰かもしれないけど、自分の命やライバルの命を奪う危険性もあるので、そこはマジで気を付けてほしいです。
前半戦に比べてやや鳴りを潜める形となったアルファタウリはドライバーというよりチームの戦略やタイヤへの適応に課題が残った印象です。ドライバーがいくら頑張っても、そちらがパッとしないようではライバルに太刀打ちできませんし、いい人材も他所に目を向けたくなります。来シーズンは若手(年齢はもちろん、F1キャリアという意味でも)2人で戦う必要がありますから、若い芽を潰さないようまい進してほしいです。

《決勝走行周回数》
ここから決勝ならではの評価基準の一つ、走行周回数です。後半戦の決勝9戦の全走行周回数は日本GPでの減算もあって、フルマークは512周となりました。
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全周回走破は21人中3人います。レッドブルの2人とルクレールの「ポイントランキング上位3人」になります(並びがおかしいだろうというご意見があるかもしれませんが、集計上C、M、Sのイニシャル順のままになってしまいました)ポイントランキング上位にいるということは、リタイヤが無く周回を重ねないとなし得ません。
次点は2周足らずの510周でラッセルとガスリーでした。ラッセルはシンガポールGPで2周遅れ、ガスリーはメキシコシティとアブダビでそれぞれ1周ずつとなっています。その次508周をこなしたシューマッハまでがリタイヤ無しで、それ以下はどこかでリタイヤしたGPがありました(ただし最下位のデ・フリースはリタイヤ無し)
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チーム単位に並べると、フルマークのレッドブルを筆頭にメルセデス、アルファタウリとハースが同率で続いています。RBPTは走行距離の観点ではなかなかの上位にいます。繰り返しアルファタウリがもう少し戦える位置にいれば、、と悔やまれますね。

《決勝チーム内対決》

決勝編の最後はチーム内対決です。決勝編も単純にフィニッシュした順位で勝敗を決め、両者リタイヤで終えた場合は引き分け扱いとなります。
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チャンピオンチームでもレッドブルはやはり大差がついてしまいます。ただ同じ大差でも予選編と同様にマクラーレンとウィリアムズも敗れた方に来シーズンのシートがありません。
拮抗しているのは、アルピーヌとアストンマーティン、アルファロメオとハースの4チームですが、ハースについては平均順位、周回数、チーム内対決も勝ったシューマッハもシートを喪失してしまいました。前半戦はド派手なクラッシュをかましたシューマッハも後半戦だけでは来シーズンのシート確保に繋がらなかったのは惜しい限りです。

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これまで、後半戦の決勝編おさらいでした。

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今年も残り1ヶ月。早いですね。昨シーズンは12月までみっちりレースを行っていましたが、今シーズンはようやく通常運転の11月中に閉幕を迎えました。ということは12月をゆったり目一杯使って「振り返りとまとめ」ができるわけです。ありがたやー。それに甘んじることなく、なるべくリズミカルに執り行い、グラフ地獄からの脱却と気持ちよく年が越せるよう頑張ります!
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まずは後半9戦の予選編をいつもの調子で進めていきたいと思います。

《ポールポジション獲得者》
 第14戦 サインツ    (フェラーリ・F)
 第15戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第16戦 ルクレール   (フェラーリ・F)
 第17戦 ルクレール   (フェラーリ・F)
 第18戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第19戦 サインツ    (フェラーリ・F)
 第20戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 第21戦 マグヌッセン  (ハース・F)
 最終戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)

〈ポールポジション獲得率〉
 1   4回 フェルスタッペン(44.4%)
 2   2回 ルクレール   (22.2%)
     サインツ    (22.2%)
 4   1回 マグヌッセン  (11.1%)

後半9戦におけるポールシッターとその回数、獲得率になります。全22戦なのに、後半が9戦、スプリントは1回ですので、サマーブレイク前の前半戦の方が数が多いシーズンとなりました。
ポールポジションの最多は2回チャンピオンに輝いたレッドブルのフェルスタッペンで4回/9戦の獲得でした。前半戦はやや押され気味に控えめにきたフェルスタッペンですが、正直後半戦は決勝レースのみならず、予選から敵無しといった感じでしたね。何せ「最速」と思われたチームが後半で一気に腑抜けになってしまいましたもんね。「レースで勝てなければ、予選から逃げてしまえばいい」が全く通用しませんでした。
その最速の方々は揃って2回ずつ。ちょっと興味深かったのは、前半戦こそ最速主義ルクレールが大差でポールポジションを量産していったものの、後半戦はサインツもなかなか予選から健闘していたこと。初ポールなった前半戦は13戦中1回だったことに対し、後半戦は9戦中2回獲得と、決勝粘りが持ち味のサインツがようやくポールポジション獲得の感覚を掴んだかのように感じました。
そして忘れちゃいけないのが雨の第21戦サンパウロGPで初ポールを獲得したハースのマグヌッセンです。元々速さと思い切りのよさ(乱暴とも)が持ち味のドライバーではありましたが、中堅チームが続きポールポジションや表彰台登壇のチャンスが無いまま過ごしてきました。雨というより、雨上がりもしくは降り始めで濡れた路面での予選って本当に難しいと思います。雨上がりならばなるべく最後にアタックしたいし、降り始めならば濡れ切る前の早めにタイムを出しておく必要があります。マグヌッセンのポールポジションはタイミングや読みも抜群でした。その後のスプリント、決勝は現実に戻される形にはなったけど、印象的なシーンとなりました。

《予選最速タイムと各チームとの差》
毎予選後に掲載している「予選最速タイムと各チーム最速タイムの差」を1/1,000秒までちゃんと割り出してグラフ化したもので、予選順位と異なります。まず全9戦のタイム差を正直にグラフにしてみるとこうなりました。
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雨により濡れ路面になった第17戦シンガポールGPと第21戦サンパウロGP金曜予選で3秒以上のいわば異常値のようなタイム差がみられます。いずれも中団から下位チームによるもので、路面が乾く方向になる前の段階で敗退したためです。基本的には各GPで3秒以内におさまっていますので、いつもながらここを拡大していきます。
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各チームはマシンのイメージカラーを充てています。ごちゃ混ぜではあるものの、前半13戦と比べて何となく序列が見えてきたように思います。トップタイムに違いラインは紺のレッドブルと赤のフェラーリが僅差バトルを繰り広げ、エメラルドグリーンのメルセデスはトップグループと中団上位を行ったり来たり。中団上位はピンクのアルピーヌとオレンジのマクラーレンが取り合い、他は青のアルファタウリを中心に緑のアストンマーティンや黒のハース、ワインレッドのアルファロメオに時折水色のウィリアムズが絡んでいる構図です。
以下でトップと中団以下に分けて表示します。
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トップグループは前半戦の時と同様にメルセデス、レッドブル、フェラーリのいわゆる三強をピックアップし、併せてトップタイムからの遅れを示しています。トップタイムを記録したのは、レッドブルが最多の6回で、一部例外はあるものの長い直線を有する高速サーキットで多くみられました。フェラーリは2番目となる3回でイタリア、シンガポール、アメリカでトップタイムをマーク。地元イタリアではライバルのスリップストリームを活用してどうにか面目は保っています。メルセデスはシンガポールで迫ったものの、トップタイムは結局得られていません。
レッドブルは実に安定して速さをみせ、フェラーリを僅差で上回っています。特にサンパウロGPの0.009秒差はシビれますね。フェラーリは前半の8戦で絶対的な速さをみせてきましたが、フロアのスキッドプレートの技術規定が入った頃に一気に失速、レッドブルに詰め寄られた感は否めません。まあ予選1ラップのタイム差は単純にチャンピオンシップに直結しませんが、ウリだった速さが薄れて、終いにはタイヤの保ちが拍車をかけてしまいました。メルセデスは中団に埋もれていた前半戦に比べ、終盤は徐々に速さを取り戻しつつあったものの、ヨーロッパラウンド終盤はグラフが上下に触れている様子からもわかるように、サーキットや路面環境、温度など、安定しないシーズンとなりました。
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中団7チームは一気にみていきます。対象数が多いので、各GPの最速タイムのみチームカラーでタイム差を示しました。
中団のトップを獲ったのはマクラーレンが4回、アルピーヌ3回、アストンマーティンとアルファロメオが1回ずつとなり、サンパウロGPでマグヌッセンによるチーム初のポールポジションは「タイムは最速ではなかった」ため、マクラーレンとアルピーヌに僅差で負けています。コンストラクターズで毎戦熾烈な争いをしていたマクラーレンとアルピーヌを他の中団下位と比較すると、中団トップのタイムを多く記録しているだけでなく、上下のブレも小さく安定しています。ドライバーの優劣も少なからずありますが、マシンが各サーキット、各路面状況に適したセッティングができているのでしょうか。そういう観点でみれば2チームにはやや劣るもののアルファタウリもブレは小さくみえます。

〈予選最速タイムと各チームとの差の平均値〉
 1 レッドブル・RBPTH   平均0.029秒(-0.132秒)
 2 フェラーリ・F        平均0.168秒(+0.044秒)
 3 メルセデス・M       平均0.717秒(-0.155秒)
 4 アルピーヌ・R       平均1.122秒(-0.084秒)
 5 マクラーレン・M      平均1.133秒(-0.164秒)
 6 アルファタウリ・RBPTH 平均1.625秒(-0.802秒)
 7 ハース・F          平均1.899秒(+0.223秒)
 8 アストンマーティン・M   平均2.001秒(-0.912秒)
 9 アルファロメオ・F      平均2.407秒(+0.987秒)
  10 ウィリアムズ・M      平均2.589秒(-0.096秒)

それら平均値をさらにチーム単位で平均化したものを差の小さい順で並べました。カッコ内の数字は先日8/17にアップした「前半戦を振り返る」で集計ミスがあり、そちらを修正しつつ、後半の平均を引き算する形で「後半戦でどの程度トップタイムに近付けたか(離れたか)」を集計しています。
平均値最小(つまり後半戦でそつなく速い)だったのは最多ポールポジションを獲得したレッドブルの平均0.029秒で、それをフェラーリが僅差につけているという、まあまあイメージ通りの結果となりました。メルセデスは2チームからやや離されつつも何とか1秒以内には抑え、アルピーヌとマクラーレンは1.1秒台でこちらもバチバチ。また後半戦で浮き沈みの少なかったアルファタウリは6番目に位置しています。先程のグラフではみ出てしまっていたアストンマーティン、アルファロメオ、ウィリアムズは平均2秒以上となりハースからも遅れをとる形となりました。
注目したいのはカッコ内に示した「前半んに比べ、後半戦でどの程度トップタイムに近付けたか(離れたか)」の方で、一般的にはシーズンが進み、ライバルとのギャップを縮めることに期待したいもので、ここは前半戦よりマイナスできたいところ、フェラーリは前半戦から平均0.044秒、ハースは0.223秒、アルファロメオは0.987秒の遅れとなってしまっています。奇しくも3チームともフェラーリパワーユニット搭載ばかりという。その中ではフェラーリはまだ微増ではありますが、一番のライバルであるレッドブルが0.132秒縮めてきましたから、決して楽観的には済みません。逆に最も進化があったといえるのはアストンマーティンの-0.912秒でした。確かに終盤の予選、決勝の順位が明らかに速くなっていましたよね。前半戦が酷過ぎたともいえるか。

《予選平均順位》
続いて後半戦予選の平均順位をみていきます。いつものように予選後のペナルティを含まず、失格があった場合は順位無しの20位扱いとします。

〈ドライバー〉
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フェルスタッペンの平均2.22位を筆頭に10番目のガスリーまではまるで二次関数のような曲線で順位が伸び、またそのガスリーを起点に以下20番目のシューマッハまでの10人が平均3位差の中にひしめき合う激戦区のカーブをなしています。そしてスポット参戦のデ・フリースを含めても21番目につけたラティフィは別格(残念ながら悪い意味で)となりました。ご存知の通り、デ・フリースはラティフィと同じマシンに乗ってこの結果というのは、、まあ、だな。平均順位的にみれば、9番目のオコンあたりまでがQ3進出クラスで、以下はデ・フリースを除いた9人でQ2進出を奪い合うような数値となります。
意外、というのも失礼ですが、あくまで平均順位としてしまうと、2番目はルクレールでなくサインツとなりました。これの要因の一つはルクレールのサンパウロGP金曜予選Q3で「タイヤチョイスチョンボから、タイム計測できず」10番手に沈んだことが関係してきます。既にこの頃はドライバーズチャンピオンもコンストラクターズチャンピオンも決定して、その点はいわば消化試合。でもランキング2位をかけて大事なレースにも関わらず、誤判断してしまいました。チーム全体でチョンボではなく、サインツはセオリー通りのタイヤを選んでおり、ルクレールだけが陥ったミス。イタかったですね。結果的に翌日のスプリントで順位を浮上させたからよかったものの、最後の最後までしっかりと「フェラーリ流」で落とした順位と結果だと思っています。
チーム内格差がついたのはレッドブル、マクラーレンが顕著で他はまあまあチームメイトで上下拮抗していたことになります。アストンマーティンの2人は僅差ですし、アルファロメオについては両者ピッタリと平均14.22位となりました。同じマシンに乗るわけですから当然ちゃ当然ともいえるし、ただ片や1年目の新人と片やチャンピオンチームを経験したベテランですから、並んでしまっているのは示しがつきません。周くんの頑張りということにしましょう!
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こちらはこの平均順位を前半の平均順位で差し引きし「ドライバー単位で前半戦からどれだけ順位を上げたか(下げたか)」をみるためのグラフを作ってみました。スポット参戦のデ・フリースは比較できるものがないため、今回は除外しました。
多くのドライバーが平均順位を上げ、特に顕著だったのはアストンマーティンのストロールの-2.74位でまるで別人かのよう。また前半戦は「らしくない」滑り出しを強いられたハミルトンもスロースタートの-2.20位となっています。一方で平均値を下げた者は少数派ながら目立つのが2人。ボッタスとマグヌッセンのベテラン勢です。こちらは好調な前半戦に比べて別人のように順位を落としてしまいました。マグヌッセンはサンパウロGPでポールポジションを獲得していながらこの数値ですから、それが無かったらもっと悲惨な内容になっていたかもしれません。

〈コンストラクター〉
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コンストラクター単位の平均順位です。ドライバー単位をみれば凡そ想像できる結果ではありますが、後半戦の一発の速さ順とみてよさそうです。チームメイト同士近しい順位で成り立つアルピーヌに対し、チーム内格差の結果中和されたマクラーレンは結果的にアルピーヌが僅差で勝ちました。1人で勝っても、チーム戦だとこうなってしまうノリスの辛さ。
レッドブルVSフェラーリのほか、中団下位に位置するアストンマーティンVSアルファロメオも熾烈でした。先程も書いたように、前半戦の勢いはどちらかといえば逆。アストンマーティンが調子を上げ、アルファロメオ(特にボッタス)が落ちてしまったことがこのグラフからもよくわかります。

《ドライバー別グループ別予選順位変遷》
予選順位の変遷をグループ別にプロットしてみます。本来であれば3つのグループ分けも前半からは若干変えたほうがいいものもありましたが、前半戦と同様の括りで通してみました。
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上位3チーム6人はこうなります。シンガポールGPでラッセルがQ2落ちを喫していますが、それ以外は6人全員がQ3に進出しています。さすがというか当然というか。その中でも浮き沈みが少ないのは赤の実線表記のサインツです。これが先程のルクレール超えとなった要因です。前半戦に比べて実に安定しており、ようやく後半戦になってマシンのコツを覚えたようにみえます。
平均値トップのフェルスタッペンもラッセル同様にシンガポールGPでアタックにミスがあり、珍しく順位を落としました。ルクレールも先述のサンパウロGPに加え、その前のメキシコシティGPもルクレールとしては低調に終わってしまっています。
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中団は4チーム8人です。目立つのはやはりサンパウロGPの黒い破線ハースのマグヌッセンの初ポール。他はギザギザ。ピンクの実線アロンソとオレンジの実線ノリスがこのグループでは上位に位置します。このグループではノリスが唯一後半戦全戦においてQ3進出を果たしました。誰かノリスにそろそろ速さのあるマシンを与えてあげてくれー!
シューマッハはようやくマグヌッセンに予選で勝てるようになってきたのに、波があります。その波がマグヌッセンとシンクロしていることも多いですが、サンパウロGPの「天と地」をみた時は来シーズンは危ういかなと悟ってしまいました。
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下位は3チーム6人です。水色破線のアルボンは欠場があったため、第16戦イタリアGPは一度途切れています。デ・フリースの補完はしていません。
このグループでQ3に進出して目立っているのは青実線のガスリー、緑破線(一部黒破線っぽくも)のストロール、緑実線のベッテル、青破線の角田、水色破線のアルボンの5人であり、水色の実線のラティフィは唯一Q3はおろかQ2進出もなりませんでした。赤い領域より「赤い旗」の方が確率が高い。

《チーム内対決》
予選編の最後はチームメイト対決。後半戦は全9戦ですから引き分けはありません。
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五分五分ならぬ「五分四分」のバトルとなったチームが多いです。フェラーリはルクレールの勝ち、アルピーヌはオコンの勝ち、アルファタウリはガスリー、アストンマーティンはベッテル、アルファロメオは何と周、そしてハースは何だかんだマグヌッセンが勝ちました。
残る4チームは僅差でなく結構極端な内容となっています。前半戦は僅差で負けたハミルトンは後半戦でしっかりラッセルに速さの差を見せつけ、レッドブルはまあまあ想像通りのいつもの予選バトル。マクラーレンとウィリアムズについては9対0という一方的な結果となりました。これはあくまで決勝レースではなく予選編ではあるのですが、ゼロのお2人は当然ながら来シーズンのシートが無いということに。残念ではあるけど納得か。

というわけで以上、シーズン後半戦9戦の予選編でした。

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2022年シーズン前半戦の振り返り第3回はポイント編となります。今までの予選編、決勝編と似たようなコメントの部分もありますが、ポイント争い以外の項目についても簡単に整理しましたので、併せて参考になれば幸いです。
ポイント編といいつつ、まずは今シーズンから若干の改良を施して行われれた2回の「スプリント」の入賞者と獲得ポイントを挙げておきます。

《スプリント入賞者》
〈第4戦エミリア・ロマーニャGP〉
            変動  ポイント
 1 フェルスタッペン ±0 8pts
 2 ルクレール    ±0 7pts
 3 ペレス      -4 6pts
 4 サインツ     -6 5pts
 5 ノリス      +2 4pts
 6 リカルド     ±0 3pts
 7 ボッタス     -1 2pts
 8 マグヌッセン   +4 1pt

〈第11戦オーストリアGP〉
            変動  ポイント
 1 フェルスタッペン ±0 8pts
 2 ルクレール    ±0 7pts
 3 サインツ     ±0 6pts
 4 ラッセル     ±0 5pts
 5 ペレス      -8 4pts
 6 オコン      +1 3pts
 7 マグヌッセン   +1 2pts
 8 ハミルトン    -1 1pt

今シーズンから入賞は8位までとし、ポイント付与も大きくなりました。結果的には順位変動が無かったものの「金曜予選のポールポジション=日曜決勝の1番グリッド」となり、少しだけ今までの原理原則は守られる形となりました。
第4戦エミリア・ロマーニャGPではサインツ、第11戦オーストリアGPではペレスが金曜予選のリカバーに成功。両者とも本来は最低限このあたりのスタートでなければおかしいといえばそれまでで、スプリントに助けられたということになります。上位のポイントゲットはもちろんのこと、中団上位が微小ながらもポイントを詰めるのは貴重であり悪い話ではありませんね。今シーズンはあと1回、最終戦の一つ前となる第21戦サンパウロGP(ブラジル)で開催が予定されています。この頃には大方ランキングも落ち着いてきてる頃かと思います。

《ポイントランキング》
ここからようやく今回のメインであるドライバーズ、コンストラクターズのポイントグラフになります。グラフの色遣いは先日の予選編、決勝編で使った各ドライバー、チームのカラーを踏襲しています。

〈ドライバーズポイント〉
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これが各GP終了時の全20人(実質19人)のドライバーポイントの推移です。凡例は省略していますが、特に上位はグラフの色や積み上げ方で誰がどれだかは想像がつくと思います。同じ規格とレギュレーション下で争われるF1でも、13戦行われればこれだけの差が生まれてしまうんですね。ただこれでは変化を観察することができませんので、毎度ながらグループ分けしてみていきたいと思います。
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まず上位3チーム6人のポイントグラフになります。シンプルにまとまってはいますが、まだ感覚が密なので数値はランキングトップになったタイミングのルクレールとフェルスタッペンのみを記しています。序盤に上々の滑り出しをみせたルクレールと中盤から調子を上げたフェルスタッペンを合わせると、ちょうどいい感じの一次関数グラフのようになります。上位2人はフェルスタッペンとルクレールによって争ったように記憶してしまっていますが、実はランキング2位は度々入れ替わりがありました。第2戦まではサインツが2位につけ、フェラーリがワンツーとなっていました。今では懐かしい話。その後第3戦オーストラリアGPで自滅したサインツに代わり、ラッセルが3位表彰台を獲得、ランキング2位を一瞬経験しています。第4戦エミリア・ロマーニャGPではフェルスタッペンが先程みたスプリント優勝を含めたフルポイントである34ポイントをゲット。第6戦スペインGPでランキングトップが入れ替わると、第8戦アゼルバイジャンGPでルクレールが白煙を上げて止まり、ランキング2位にはペレスが浮上。しばらくはフェルスタッペン、ペレスによるレッドブルのワンツーが続きますが、第11戦オーストリアGPでルクレールがスプリントを含む大量ポイントを得て再びランキング2位に返り咲いています。
また開幕直後から上位とは触れ合うことなく、ランキング7位のノリスとバトルし、以降はひとり旅を続けるハミルトン。ただ毎戦ポイントは重ね、上位にしっかりついていくあたりはさすがキング。まだまだやれそう。
チャンピオン獲得を目指すトップ争いをもう少し見易くしましょう。
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こちらが2022年シーズンのチャンピオンを争う2人、レッドブルのフェルスタッペンとフェラーリのルクレールのみを抜粋したグラフです。四角で囲っているのは優勝を挙げた回になります。序盤に高ポイントを稼いだルクレールはヨーロッパの第1ラウンドに入った第6戦スペインGPから低迷をはじめ、両者のターニングポイントはそのままスペインGPとなってしまいました。アゼルバイジャン、カナダを連勝したフェルスタッペンに一気に離されて、第11戦オーストリアGP以降もフェルスタッペンが優勝したレースでポイントを稼ぐことができていません。フェルスタッペンとルクレールのポイント差は80。今後の獲得ポイントをルクレール基準で想定してみると、残り9戦でルクレールがファステストラップ付きの優勝で得られるポイントは234。フェルスタッペンは全てファステストラップ無しの2位の場合が162でその差は72ポイント追いつくことができますが、第21戦サンパウロGPで控えるスプリントでルクレールが優勝して8ポイントを得られても、フェルスタッペンが堅く2位でフィニッシュすれば7ポイント得ることとなり、フェルスタッペンのポイントに及びません。つまり、ルクレールは今後最大でポイントを得続けても、あくまでフェルスタッペンの結果時代であり、自力でのチャンピオン獲得ができなくなっています(先日の「ハンガリーGP決勝」の試算はフェルスタッペンのスプリント結果を反映し忘れていました。そちらも訂正致します。失礼しました)
こうしてみていくと、通常のGPでの安定したポイント獲得と如何にリタイヤなどのノーポイントで終えないようにするかは今までで通りの大鉄則として、今シーズンから改良導入されたスプリントでのポイントゲットで流れがかなり変わることになりました。個人的に未だあまり印象には無いスプリントですが、昨シーズンより存在意義を感じました。
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次はランキング7〜10位に位置するノリス、オコン、ボッタス、アロンソの4人のグラフです。エミリア・ロマーニャGPを3位で終えたノリスは一瞬だけ6位に浮上。しかし翌戦マイアミGPでリタイヤを喫して再びハミルトンに先行を許し、以降はモナコGPで再接近しつつもハミルトンとは離れてしまい、このグループのトップを担っています。マクラーレンは一昨年はフェラーリの低迷もあり、表彰台に度々顔を出す活躍をみせますが、今シーズン前半戦は登壇1回が精一杯。とうとうアルピーヌ勢2人に追いつかれる位置をさまよっています。このグループにアルピーヌが2人入っているのに対し、マクラーレンはノリス1人で立ち向かわなければなりません。リカルドがもう少し頼り甲斐のある走りをしてくれれば、相乗効果がみられたのかもしれません。
ノリスやオコンと並んで着実にポイントを積み重ねるアロンソは序盤がスロースタートだったため、オコンとは17ポイントの差があります。アロンソとは逆に好スタートを切ったボッタスは第2ヨーロッパラウンドに入ってから全くポイントを稼げなくなってしまったのが不思議。帳尻合わせ?!(笑)
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もう一つのグループは残る10人、いや9人一気にいきます。ランキング11〜19位です。今シーズンのレギュラードライバーのうち、ウィリアムズのラティフィのみ未だノーポイント。マネーはあってもポイントは無し。
下位は1ポイントの獲得で順位が簡単に入れ替わるという激戦区で、グラフの上がり方もガンと急です。このグループで極端な上がり方、高ポイントをゲットしたのは、開幕戦のマグヌッセン、地元の第3戦オーストラリアGPでのリカルド、第4戦の角田、第8戦アゼルバイジャンGPのガスリーとベッテル、そして第11戦オーストリアGPのシューマッハあたりでしょうか。特にシューマッハはその前の第10戦イギリスGPの8位がF1初入賞。ようやくポイントゲットとなりました。シューマッハはこれまで「親の七光り」だ「低資金チームで派手なクラッシャー」だの言われて、周囲からの目も厳しい状況でした。彼の性格なのかポテンシャルなのかは定かではありませんが、ここまで非常におっとりでゆっくりとした成長具合で来てようやく結果を出せるようになりました。先輩マグヌッセンがいい刺激となり、最近は予選で上回ることもしばしばみられますね。今シーズン限りで母国の偉大な先輩はいなくなってしまうけど、ドイツを1人で背負えるドライバーに成長できればいいなと思っています。
最近は入賞からやや遠ざかっている角田くんですが、後半戦には久々の日本GPも控えています(今年は100%行われると信じていいんだよね?)来シーズン以降のシート獲得を確実にすべく、ガスリーに追いつけ追い越せで頑張ってほしいです。

〈コンストラクターズポイント〉
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続いてはコンストラクターズ(チーム)ポイントグラフです。ひとまず全チーム入りではあるものの、下位がごちゃごちゃっと、重なってしまっているものもありますが、一応10本のラインがあります。こちらも特に下位が分かりづらいのでグループ分けしていきます。
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上位3チームかつ全ポイントを記載したグラフです。四角で囲ったものは先程と同様に優勝者を輩出した回になります。メルセデスからは優勝はありません。よしよし(笑)
ドライバー編と同じく、コンストラクターも第6戦スペインGPでトップが入れ替わり、以降は徐々に離れていっています。昨シーズンは僅差でドライバーズチャンピオンを獲得したレッドブルですが、コンストラクターズチャンピオンは獲得できていませんでした。でもこの様子なら後半戦も確実にポイントを重ね、久々のダブルチャンピオンを獲得できそうな領域にあると思います。まさかココからコケることは無いでしょう。序盤あれだけ速さと期待をみせ、今シーズンはイケるんじゃないと思わせたフェラーリ、さらには今シーズンはヤバいんじゃないと不安と「変な期待」を持たせてくれたメルセデスはグラフにすると平行に近い上がり方をしていますね。1人だけ、また2人ともコケるフェラーリに対し、地味ながら2人とも堅実にポイントを重ねるメルセデス。長い目でみたらメルセデスの方がよっぽど安心してみていられます。やや失速カーブになりつつあるフェラーリはもしかしたら今後2位も危うい雰囲気です。miyabikunは知ーらね、っと(笑)
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こちらはまだまだ行方がわからない第2グループ。アルピーヌとマクラーレンによるランキング4位、5位対決です。こちらの特徴はスロースタートながら2人して揉みくちゃになりながらポイントを重ねるアルピーヌとノリスほぼ1人で戦わざるを得ないマクラーレンの「2対1」の争いとなっている点。リカルドが正直ドツボにハマった抜け殻状態ですから、今後はリカルドが如何に早く通常運転に戻れるかがカギでしょうか。昨シーズン後半は貴重な優勝を挙げたわけですが、あれで復活と思いきや、今シーズンはまたこうなってしまっていますから、あまり思いたくないけど「賞味期限は切れてしまっている」かのようです。まだ若いし悪いヤツじゃないだけもったいないというか、惜しいです。
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残る第3グループはアルファロメオを筆頭にハース、アルファタウリ、アストンマーティン、ウィリアムズからなる5チームです。開幕当初は意外にも(なんて言い方は失礼か)アルファロメオとハースの速さが光ったのがちょっとした波乱の幕開けを予感させました。アルファロメオはボッタス、ハースはマグヌッセンがエースのベテランとして牽引し、初参戦の周やキャリアの浅いシューマッハが追従となかなかバランスもとれ、フェラーリワークス含めフェラーリパワーユニット系の出来がよかったように感じます。ところがフェラーリがいつも通りコケ始め、トラブルが出るとつられた様にこの2チームも足踏みしてしまいます。アルファタウリやアストンマーティンがようやく動き出すかと思いきや、こちらも思うようにいかず、大量ポイントゲットに至っていません。また、ウィリアムズもラッセルが抜けた穴を経験者アルボンが引き受け、何とか入賞を目指して奮闘するも、いつも惜しいラインをさまよい再びテールエンダーから抜け出せずにいます。ラティフィがもう少し踏ん張ってくれればチームも胸を張れるのですが、こちらもアルボン頼みになってしまっているのが辛いです。ドライバー編と同様にコンストラクター下位も1ポイント獲得で順位の入れ替わりがあり得ますので、後半戦の戦いも目が離せないところです。

《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 開幕戦 ルクレール   (フェラーリ・F)
 第2戦   ルクレール   (フェラーリ・F)
 第3戦   ルクレール   (フェラーリ・F)
 第4戦   フェルスタッペン(レッドブル・RBPTH)
 第5戦   フェルスタッペン(レッドブル・RBPTH)
 第6戦   ハミルトン   (メルセデス・M)
 第7戦   ペレス     (レッドブル・RBPTH)
 第8戦   ハミルトン   (メルセデス・M)
 第9戦   ルクレール   (フェラーリ・F)
 第10戦 ペレス     (レッドブル・RBPTH)
 第11戦 シューマッハ  (ハース・F)
 第12戦 サインツ    (フェラーリ・F)
 第13戦 フェルスタッペン(レッドブル・RBPTH)

〈ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得率〉
 1 4回 ルクレール   (30.8%)
 2 3回 フェルスタッペン(23.1%)
 3 2回 ペレス     (15.4%)
    2回 ハミルトン   (15.4%)
 5 1回 サインツ       (7.7%)
    1回 シューマッハ   (7.7%)

これで前半戦まとめもオーラスです。ポイントや順位には関係無いけど、ポイントや順位にはよらないファン選出の「頑張ったで賞」ドライバー・オブ・ザ・デイの各GPの選出者とその回数になります。GPによってはこれと異なるドライバーに投票した方や異論を唱えたい方もいらっしゃるかと思いますが、一応こちらがオフィシャルで集計した結果になります。別途毎GPでmiyabikun独自に選んだものはシーズン終了後に集計、発表する予定です。選ばれた面々をみると確かに今シーズンを象徴するドライバーが選ばれ、それなりの数を重ねています。全世界のファンからみても、最多得票のルクレールの頑張りと初戴冠への期待を大いに感じます。まだドライバー自身のミスもあり、速いながらも荒削り感と頼りないチーム戦略が足かせとなってしまっていますが、例えチャンピオンを獲り逃しても今シーズンの経験は決して無駄になることはありませんし、数字上はまだ完全に不可能になったわけではありませんので、後半戦も頑張ってほしいと思います。今回集計してみて気付いたのですが、このラインナップの中にラッセルは選ばれていないのがちょっと意外でした(miyabikunは選んでいます)堅実な走りでかなり健闘している秀才だと思っているのですが、まだちょっぴり地味なのかな。こういう堅実タイプが今後ドカンと大化けする可能性は大いにあると思うし、そうなった時が一番怖いと思います。
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休み休み3回に分けて今シーズン前半戦を振り返りながらデータ整理してみました。普段の書きっぷりからもご想像されているかもしれませんが、今シーズンのチャンピオン争いについてmiyabikunは「フェルスタッペンでもハミルトンでもない(もちろんアロンソやベッテルでもない)新たな誰か」が獲得することを楽しみにしていました。昨シーズンはハミルトンではない誰かとして、無事に(やや消化不良感はありつつも)フェルスタッペンが獲得しました。今シーズンはルクレールでもサインツでもペレスでも、もちろん角田くんでもいいんです、単に連覇でなくニューフェイスが見てみたかった、それだけです。ただここまでの戦いをみていると、フェルスタッペンはチャンピオンらしい速さと強さ、そしてレッドブルも好戦略が冴え渡り、逆にフェラーリがチグハグと大方フェルスタッペンの連覇がみえてきました。新たなチャンピオンが誕生しないのはちょっぴり残念だけど、昨シーズンよりも有無を言わさぬ走りでフェルスタッペンが獲得するのが納得できますし、この状況は残る後半戦で簡単に覆るものではないと想像できます。できれば最終戦まで続くことを願いたいですが、今シーズンは無いでしょう。あとは各ドライバー各チームが後半戦をどう戦い、チャンピオン以外の順位がどう変動するのか。どんな激しいバトル、素晴らしい走りがみられるのかに期待してレース観戦に臨めたらいいなと考えています。
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皆さんはシーズン前半戦をどう感じ、思ったでしょうか。今週末から早くもベルギーGPがやってきます。昨シーズンは天候もあって「レース」になっていませんでしたので、今年はしっかりと楽しみたいですね。

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