F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

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後半戦まとめ3回目はポイントに関するまとめです。本チャンのドライバーズ、コンストラクターズの獲得ポイントの前に、後半戦も3回行われたスプリント入賞者と獲得ポイントを確認しておきます。

《スプリント入賞者》
〈第17戦カタールGP〉
  ドライバー   タイヤ 変動 ポイント
 1 ピアストリ    M   ±0     8pts
 2 フェルスタッペン M   -1      7pts
 3 ノリス      M   +1        6pts
 4 ラッセル     S   ±0      5pts
 5 ハミルトン    M   -7      4pts
 6 サインツ     S   +1   3pts
 7 アルボン     M   -10       2pts
 8 アロンソ     S   -1         1pt

〈第18戦アメリカGP〉
  ドライバー   タイヤ 変動 ポイント
 1 フェルスタッペン M   ±0     8pts
 2 ハミルトン    M   -1      7pts
 3 ルクレール    M   +1     6pts
 4 ノリス      M   ±0        5pts
 5 ペレス      M   -2      4pts
 6 サインツ     S   ±0   3pts
 7 ガスリー     M   -3      2pts
 8 ラッセル     M   ±0     1pt

〈第20戦サンパウロGP〉
  ドライバー   タイヤ 変動 ポイント
 1 フェルスタッペン S   -1     8pts
 2 ノリス      S   +1       7pts
 3 ペレス      S   ±0     6pts
 4 ラッセル     S   ±0     5pts
 5 ルクレール    S   -2      4pts
 6 角田裕毅     S   ±0        3pts
 7 ハミルトン    S   +2     2pts
 8 サインツ     S   -1         1pt

スプリントの結果については、傾向も優劣も付けにくいところでコメントも難しいですが、順位変動をみてわかる通り、決勝レースの1/3の距離とはいえ、順位を上げられるドライバーは順位を上げ、下げてしまうドライバーは下げてしまうということでしょうか。第17戦カタールGPのシュートアウトで17番手に沈んだウィリアムズのアルボンは何と10人抜きの7位入賞2ポイントを稼いでいます。これには驚きました。ちなみにアルボンの金曜予選はQ2落ちの14番手(スターティンググリッドは13番)、スプリントを挟んだ日曜決勝はトラックリミット違反によるタイムペナルティもあり、13位で終えています。
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あと同じカタールGPではマクラーレンからデビューの1年目、ピアストリの「1番手トゥ1位フィニッシュ」(ポールトゥウィンと言えない)も驚きました。正式なポールポジション、優勝にカウントされないのが何とも悔しいところですが、ピアストリの才能とマクラーレンのマシンのポテンシャルを活かした大成でした。初優勝はノリスとピアストリ、どちらが先か?!

《ポイントランキング》
ここからようやく本ちゃんのポイントランキングに入ります。上記スプリントでのポイント加算を行ったドライバーズおよびコンストラクターズのポイントをみていきます。グラフの色遣いは先日の予選編、決勝編で使った各ドライバー、チームのカラーと揃えています。

〈ドライバーズポイント〉
まずは参考までに通期のドライバーズポイントランキングになります。GP名の赤はスプリントが催されたところになりますので、大量ポイントゲットとなれば、グラフの傾きがキツくなるのですが、、
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まあ。。言うまでも無くこんなのは同じグラフにしちゃいけないわけで、、傾きの緩急やら下位チームドライバーの熾烈なポイント争いもクソもありませんね(笑)
わかりました、今回はあくまで後半戦のまとめであり「誰がどれだけポイントを稼いだか」ではなく「誰と誰がポイントランキング争いをしたか」に注目できるものにしてしまいます。もう!
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トップの1人を除き、スポット参戦の1人を加えた20人の後半戦10戦のグラフにしました。え、チャンピオン様を省くとは?!先程のグラフでその1人は初めと終わりの獲得ポイントを記載しました。チャンピオン様は第13戦オランダGP時点で339ポイント、最終戦アブダビGPで575ポイントを獲得し、ランキング2位の獲得ポイントからグラフ上限値を300ポイントとした場合、グラフにすら載らないという突き抜けた結果になってしまいます。と、とにかくフェルスタッペンは頑張りました!ということで。
グラフの「オーバーをカット」してあげるだけで、グラフ傾斜も多少メリハリが出ます。毎度ながらせめてこのくらいの間隔でポイント争いしてもらいたいものですね!グラフをみる限り、全く争うことのないグループが2、3出来てきます。もう少しグループ分けと「アンダーもカット」して後半戦のランキング争いをみていきましょう。
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ポイントランキング2位から8位の7人、上位グループのグラフになります。後半戦初戦のオランダGPと最終戦アブダビGPのほか、順位が入れ替わる前後のポイントも記載しました。
チャンピオンチームであるレッドブルのペレスはランキング2位も怪しいのでは、と言われた時期があったものの、結局逃げ切ることに成功。意外にもレッドブル史上初のドライバーズランキング1位2位でシーズンを終えました。アジアラウンドと母国メキシコシティGPの低調さがグラフのなだらかさを強調しています。ランキング3位のハミルトンはアジアラウンド初戦のシンガポールGPで低迷するアロンソを捕えると、ペレス捕獲に向かいますが、ハミルトン決して好調とはいえず、抜き打ち検査によるペナルティも悔やまれます。一方でハミルトンに捕えられたアロンソはシンガポールGPで優勝をもぎ取ったフェラーリのサインツ、表彰台登壇を連発するマクラーレンのノリスに詰め寄られるものの、最終的に粘りをみせてルクレールと同ポイントの4位となりました。ノリス相方ピアストリもノリスに引けをとらない速さをみせましたが、決勝となるとタイヤマネージメントの未熟さもあって、このグループに絡むことはできませんでした。しかし明るい将来が期待できる超新星であることは示せたと思います。
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もう少しこのグループを掘り下げてみると、このグループは一度落っこちつつも最後に息を吹き返したアロンソの巧みさ、前半戦の後半から急にマシンの改善がみられたノリスの飛躍が目立ちます。スプリント週間を除き、比較的スムーズにポイントを稼いでいたのは紅の実線ルクレールで、イタリア、シンガポール、日本と表彰台には届かずも4位12ポイントを続け、終盤で息切れした相方サインツや飛ぶ鳥を落とす勢いのノリスがラスベガスGPでつまずいたこともあり、アロンソと同点のランキング5位となりました。ルクレールを基準にみると、伸びるノリスと振るわぬラッセルとの対比がわかりやすい。
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続いてそのピアストリが抜け出すことが出来なかったランキング9位〜12位の中団グループです。ピアストリのマシンアップデートはノリスより遅れる形で導入されたわけですが、ピアストリが勢力を見せはじめたのは前半戦の第10戦イギリスGP、そしてさらに一段階ギヤを上げ、第16戦日本GPの初表彰台登壇から一気に開花してみせました。グラフの傾きからもよくわかる第17戦カタールGPは先程も書いたスプリントでトップの8ポイントを獲得、本戦決勝レースではノリスを上回る2位表彰台を獲得で18ポイントを上乗せ。この週末での獲得ポイントはフェルスタッペンの33ポイントに続く大量26ポイントを得て、それまではアルピーヌ2人やアストンマーティンのストロールに埋もれていた集団から一気に抜け出すこととなりました。
若手の勢いが注目されたマクラーレンと共に、旧友のフレンチコンビも話題となったアルピーヌはポイント推移もよく似ています。後半戦初戦のオランダGPはガスリーが37ポイント、オコン36ポイントで始まり、イタリアGPで一時期ガスリーがオコンを引き離すものの、オコンはカタールGP決勝で7位6ポイントを獲得してガスリーに再接近。ガスリーはサンパウロGPで7位6ポイントを得たと思えば、オコンはラスベガスGPで4位12ポイントを得て、最終的には2ポイント差。バチバチフレンチ(笑)
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ドライバーズランキング下位にあたる13位以下は、ウィリアムズのアルボンが誰とも争うこと無く単独のランキング13位。トップスピードがウリのウィリアムズのマシンで、イタリアGP以降はやや不利かと思われたものの、長いストレートを有するカタールやメキシコシティで9位2ポイントを得て「ビリチーム脱却」に大きく貢献しました。どうしても一匹狼のアルボンがよく目立ちますが、実は後半戦における飛躍的な浮上という意味ではアルファタウリの角田も負けていません。アルボンはオランダGPから最終戦までに16ポイント得たのに対し、角田は14ポイント。角田都合の第18戦アメリカGPから最終戦でみると、アルボンが4ポイントに止まったのに対し、角田は14ポイントと、終盤戦の浮上が光ります。残念ながら22戦ではアルボンに10ポイント及びませんでしたが、シーズンが30戦くらいあれば、アルボンを超えていたかも?!(おーっと30戦?!勘弁してくれい!)
このグループのシーズン後半戦のトピックスとしては「ノーポイントドライバーが居なくなった」という点です。代打で復帰したアルファタウリのリカルドは第19戦メキシコシティGPで初ポイントを獲得。代打の代打で初参戦が叶ったローソンはシンガポールGPで9位2ポイントを得ることとなりました。また、ウィリアムズからデビューとなり、予選最下位が続いたサージェントも第一母国GPの第18戦アメリカGPで「意外な結果」とはいえ繰上げ10位が舞い込み、初入賞を果たしました。そんな中、ネガティブな話をしてしまうと、あるドライバーは唯一「後半10戦で入賞していない」ため、グラフはオランダからアブダビまで一直線に伸びています(誰の事かは皆さんの目でご確認下さい)

〈コンストラクターズポイント〉
次はコンストラクターズのポイントグラフになります。まずは通期のあるがままを。
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ドライバーズの時と同様に1位と2位のチームのオランダGPとアブダビGP時点のポイントを記載しました。こういう表現したということはこの後miyabikunが何をしようとしているか、わかりますね?!(笑)あっち向いて〜、、
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ホイ!!ほーら消えた。だって450ポイントどころじゃないんだもん(笑)本当に今年はレッドブル完勝イヤーでした。グラフはふざけて消してしまったけど(ふざけた、とは違うか)本当にすごいと思います。レッドブルに一旦席を外していただくと、ライバルチームの存在感が増してきます。5チーム、いや6チームかな?!一応9チームあります。こちらもやはりグループ分けしてあげないとまだ見辛いです。
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2グループに分けたうちの上位、上からメルセデス、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティンの4チームになります。ドライバーズランキンググラフと同様に、右肩上がりのマクラーレンと、鈍化してしまったアストンマーティンの構図は変わりません。元気いっぱいのマクラーレンでも、後半戦の前半は2馬力でグラフも急激な伸びをみせますが、終盤はさすがのピアストリも経験不足からやや苦戦し、ノリス1馬力のような形となったため、アストンマーティンを大きく引き離すに至りませんでした。
また、チャンピオンを争う権利すら与えられなかったメルセデスとフェラーリも2人揃えばまあまあ似たような傾きの一次関数グラフになり、最終戦までに入れ替わること無く終結しました。メルセデスは「表には表さない同士討ち」フェラーリは「チームが選ぶ謎の戦略」が足かせになり、両者とも結果プラマイゼロ、みたいになりましたよね。あれではチャンピオンへの道はまだまだ遠いです。
終盤にグラフ右下にピンクのラインがチラッと見えていますが、時既に遅し。残念ながら次のグラフのグループにさせていただきました。
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そしてこちらが10チームのうちの下位という言い方になってしまう5チーム、上からアルピーヌ、ウィリアムズ、アルファタウリ、アルファロメオ、ハースになります。
この中ではアルピーヌは単独の二桁後半から三桁のポイントを稼ぎ、一線を画す存在。ただ先程のグラフでちょっと頭を覗かせたのとは逆に、こちらのグラフ左上に一瞬見えるオレンジのマクラーレンは別世界に入り、一時期のライバル関係としてはだいぶ差が付いてしまいました。オコンとガスリーの関係以前に、マシン自体がパッとしなかった印象があります。ドライバー2人のキャリアであれば、もう少しコンスタントにポイントを得ても不思議ではありません。
残る4チームも先程のグラフに比べれば動きが見えるようになりましたが、もう少ししっかりポイント推移が確認できるよう、今回特別にグラフを用意しました。
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上限値30でグラフいっぱいに頑張りが確認できるようにしています。名門ウィリアムズが上位にいるような錯覚をしてしまいます(笑)貴重な1ポイントを稼いだサージェントくんには大変失礼ですが、96%以上がアルボンの稼いだポイントです。しかしその甲斐もあって、ウィリアムズはビリチームから抜け出し、下位トップまで引き上げられたということです。アルボン様々!
ドライバーズ編でも書いたように、フェラーリ系2チームがモタついている間にアルファタウリが終盤で急上昇を果たし、そのウィリアムズまであと一歩のところに到達しました。これがチームのエース、角田がようやく真価を少しずつ発揮した証。前半戦は角田が細かく稼いだ3ポイントで単独のビリでした。ところがチームとマシンが正常に作用すると角田だけでなくリカルドやローソンも入賞圏内フィニッシュが可能となり、何とか今シーズンのビリは免れ、引き続き来シーズンへの飛躍が期待できるようになりました。ハースは2人ともベテラン揃いですが、アルファタウリもアルファロメオにも複数回優勝を経験するドライバーを擁しているわけですから、マシンとチームが上手く機能すればこの位置を彷徨い続けるわけにもいきません。先程の上位からポイントを奪いにいくことも可能です。

《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 第13戦 アロンソ (アストンマーティン・M)
 第14戦 サインツ (フェラーリ・F)
 第15戦 サインツ (フェラーリ・F)
 第16戦 ピアストリ(マクラーレン・M)
 第17戦 ピアストリ(マクラーレン・M)
 第18戦 ノリス  (マクラーレン・M)
 第19戦 ノリス  (マクラーレン・M)
 第20戦 ノリス  (マクラーレン・M)
 第21戦 ルクレール(フェラーリ・F)
 最終戦 角田裕毅 (アルファタウリ・HRBPT)

〈ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得率〉
 1 3回 ノリス  (30.0%)
 2 2回 サインツ (20.0%)
    2回 ピアストリ(20.0%)
 4 1回 アロンソ (10.0%)
    1回 ルクレール(10.0%)
    1回 角田裕毅 (10.0%)

最後はポイント付与には関係無いものの、ポイントでは表せない感動の証「ドライバー・オブ・ザ・デイ」の受賞者とその回数です。チーム単位の内訳はマクラーレンが2人5回、フェラーリが2人3回、アストンマーティンとアルファタウリから1人1回という結果でした。
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先日の予選編、決勝編、そして今回のポイント編と普段以上にマクラーレンを誉めることが多くなってしまいましたが、誉めているのはmiyabikunだけではなく世界中のファンが認めたことだと思います。シーズン序盤ではこのような順位と走りは決して期待できなかった。でも「何らかのコツ」を掴み、マシンのアップデートに成功すると巧者ノリスだけではなく、新人のピアストリまでもが飛躍し、上位ランカーに食ってかかる走りができる。如何に現代のF1はドライバーの腕だけではなく、マシンや戦略がハマることで一気に成績に跳ね返ってくる、ということを改めて感じさせられました。また、シーズンの最後で角田が世界中のF1ファンに存在感を示せたことも、獲得ポイントやランキング以上の対価だったように思います。日本のみならず、世界中のファンはここで終わると思っていません。更なる飛躍を期待しつつ、3回に渡る「シーズン後半戦のまとめと振り返り」を〆たいと思います。

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今年も残り少しとなりました。寒さも増してきましたので、身体を温かくして新たな年を迎えたいですね!

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今日明日は世界全体で年内最後のイベントとなるクリスマスですね。ドライバーやF1関係者、そして我々ファンも各自クリスマスを楽しみ、ゆっくり寛いでいることと思います。皆さんの中にはこれから「サンタさん」される方もいるのかな?!miyabikunからも予定より大幅に遅れたクリスマスプレゼント「2023シーズン後半戦決勝の振り返り」と題して、寒さも吹き飛ぶようなグラフの応酬を懲りずにお送りします。

《優勝者》
 第13戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第14戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第15戦 サインツ    (フェラーリ・F)
 第16戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第17戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第18戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第19戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第20戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第21戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 最終戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 ※中止となった第6戦以降の付番は繰り上げています

〈勝率〉
 1 9勝 フェルスタッペン(90.0%)
 2 1勝 サインツ    (10.0%)

miyabikun、いくらコピペが楽だからって、そんなフェルスタッペンを続けなくてもいいでしょう。いやいや、miyabikunがしたくて連ねているのではない!フェルスタッペンしか勝っていないじゃないですか(笑)皆さんもご存知の通り、サマーブレイク明け後半戦の第13戦以降、レッドブルのフェルスタッペンとフェラーリのサインツ以外、本戦決勝で表彰台の中央に立った者はいません。そのシェアはフェルスタッペン9回、サインツ1回というとんでもない結果でしたね。本当にとんでもない。本来ではあってはならないことです。
もちろん誉め称えるべきは連勝を続けたレッドブルとフェルスタッペンであり、情けないのはライバル9チーム18人(19人とも)の方です。ただその情けないライバルも勝てるレースがあったかと問われたら「無かった」という表現が正しいでしょう。先日後半戦の予選編でポールポジションと他順位をおさらいしました。フェルスタッペンは必ずしもポールポジション発進だったわけではなく、その半数はフェラーリの2人が押さえていたはずです。しかし結果はこうなった。レースを観ていればその理由は明白ですが、フェラーリをはじめ他ライバル達もレースペースが圧倒的に違っていました。フェルスタッペンの強みは今に始まったわけではなく「ポールポジションからでなくてもレースで勝てる(抜ける)」ところにあります。今シーズンのフェルスタッペンに勝つにはフェルスタッペンに不測の事態が起きた時に限ってしまっていました。その不測の事態もそう起こるものでもなく、強いてあったといえば第15戦シンガポールGPしかありませんでした。それを制したのがサインツです。
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サインツは華やかさ、スター性でいえば申し訳ないけどルクレールほどキラキラしていませんが、それは今シーズンどころかフェラーリに移籍してくる前からの話。デビューのトロ・ロッソでもルノー(現 アルピーヌ)でも、マクラーレンでもそうでした。ただいずれにおいても総じて言えるのは「大きくブレない安定感」が強みでしょうか。派手さは無くとも実に堅実。そして最近はチームに対しても物怖じせず意見をしているあたりもベテランになった証拠です(チームがはっきり言わないから、情けないからでもあるが)チャンピオンになる逸材はどこかキラキラしていたり、尖った一面があってもいいと思うので、サインツにはもう少し自信を持って、もう少し尖り輝く面を出していいと思います。

《ファステストラップ獲得者》
 第13戦 アロンソ     56周目/72周
 第14戦 ピアストリ    43周目/51周※
 第15戦 ハミルトン    47周目/62周
 第16戦 フェルスタッペン 39周目/53周
 第17戦 フェルスタッペン 56周目/57周
 第18戦 角田裕毅     56周目/56周
 第19戦 ハミルトン    71周目/71周
 第20戦 ノリス      61周目/71周
 第21戦 ピアストリ    47周目/50周
 最終戦 フェルスタッペン 45周目/58周
 ※12位完走で入場圏外のためポイント付与無し

〈ファステストラップ獲得率〉
 1 3回 フェルスタッペン(30.0%)
 2 2回 ハミルトン   (20.0%)
      ピアストリ   (20.0%)
 4 1回 アロンソ    (10.0%)
              角田裕毅    (10.0%)
     ノリス      (10.0%)

ファステストラップ獲得者とそのタイミング、回数になります。ドライバー最多はフェルスタッペンの3回(日本GP、カタールGP、アブダビGP)で6人で10戦を分け合っている形となっています。チームでみるとマクラーレンがピアストリ2回、ノリス1回の合計3回が最多で、チーム2人とも獲得している唯一のチームです。確かにマクラーレンは予選一発の速さだけでなく、決勝レースのロングランもトップを走るフェルスタッペンに大きく離れ過ぎることなく食らいついていけるようになったかなという印象がありました。まあフェルスタッペンがペース管理して抑えていたこともあるのでしょうが。
そしてそして何と角田がアメリカGPで自身初、日本人として3人目となるファステストラップ獲得者の仲間入りを果たしました。優勝やポールポジションと同様に、しっかりと記録の目立つところに残る偉業として名を刻むことになります。

《決勝平均順位》
決勝の平均順位です。算出方法はリタイヤ、決勝不出走、失格などは「20位扱い」として取り扱いますので、悪気はないのですが印象より低く出ちゃう傾向にあります。
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グラフの帯の長さ、悪気はないのですがフェルスタッペンは1人で1位台です(誉め言葉です)10戦終えた決勝の平均は1.40位。2位より1位に近い1位。それもそのはず、9戦の1位と1戦の5位しかない。当然の数値です。2位のノリスを大きく大きく引き離しています。ノリスはというと後半10戦のみでいえばランキング上位のペレスやハミルトン、アロンソ、ルクレールを上回る水準でした。前半戦の出遅れが本当に悔やまれます(ちなみにハミルトンとルクレールをフォローするならば、第18戦アメリカGPは「失格20位」として評価し、数値が後退しています)逆に前半戦の好調さから苦戦に転じたアロンソが10番目にあたる平均9.90位となりました。アロンソあたりまでが後半戦の入賞圏内確約範囲内にありました。
アロンソのすぐ下には平均12位台に5人が肩を並べてひしめき合っています。同率は名前の順に並べましたが、代走復帰リカルド、オコン、ストロール、代走の代走でデビューしたローソン、アルボンです。リカルドやローソンと同じチームからフル参戦した角田と単純比較するのは可哀想ですが、代走としてはなかなか健闘した戦績だと思います。
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こちらは先日の予選編でも作成した「前半戦の決勝から後半戦の決勝でどのくらいゲイン(ロスト)しているのか」を示すグラフです。見方は予選と同じ、左側のマイナスに触れている方が優れています。
予選編と同様に決勝編もマクラーレン2人が大きく平均順位を下げています。最大値は-4.40位のノリスでした。意外な点としてはアルピーヌのガスリーも平均-2.35位と移籍後のチームとマシンに馴染んだのか。ウィリアムズもマクラーレンほどではないものの、2人揃って尻上がりのシーズンになりました。
平均順位を下げた側はまんまと前半戦上位にいた 3人が目立ってしまっています。◯レスや◯ングはともかく、◯ロンソが全ドライバー最大のロストとなる平均5.48位という結果でした。相方のお坊ちゃまよりだいぶ健闘していたのに、前半戦の好調さが仇となってしまったケースです。miyabikunイジワルなグラフ作っていますね(笑)「この、GP2ブログ!」と無線で叫ばれそ。。
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ドライバー別平均順位グラフでもう一つ。こちらは「後半戦の決勝平均順位から予選平均順位を差し引いたもの」になります。前半戦の決勝編でも取り扱いました。予選より決勝が上位、いわゆるマイナス側の戦績だったのは10人、逆のプラス側は11人というほぼ半々という内訳です。
この集計は単純に決勝順位から予選順位を引いた差に過ぎないので、決勝下位スタートはマイナス側、上位スタートはトラブルやペナルティによりプラス側への順位変動が多くなる傾向があります。グラフをみる限り下位スタートメンバーは確かに微減(マイナス側)しているのが確認できるものの、大きなゲインは多くなく、最大はアストンマーティンのストロールによる-3.00位です。一方プラス側には上位スタート者であるルクレールが最大の5.30位、ラッセルは4.50位と大きく順位を落としています。ルクレールについては第18戦アメリカGPでの「抜き打ち検査の末の失格」があるものの、予選よいよい決勝遅いのフェラーリらしさを象徴する結果が表れています。ルクレール、ラッセルの相方もプラス側に振る中、チャンピオンチームであるレッドブルはチャンピオンも、でない方もマイナス側と、決勝での追い上げも可能という結果となっています。

今までのドライバー単位をコンストラクター(チーム)単位に集約した決勝平均順位です。後半戦の「強さ」の勢力図がみえてきます。
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平均順位順に並べたグラフでは、レッドブルが決していい数字ではないものの、平均4.65位でトップ(フェルスタッペンは1.40位でペレスが7.90位)。2位チームには平均7.35位のマクラーレンが入りトップチームであるフェラーリ、メルセデスを凌駕しています。前半戦12戦で平均7.46位をマークし、メルセデスに続く3番チームだったアストンマーティンの後半10戦は平均11.05位まで順位を落とし、フェラーリやマクラーレンはおろかアルピーヌにまで僅差で敗れています。移籍は成功と思われたアロンソも後半戦は入れ替わりとなったガスリーに負け、相方のストロールはオコンと同率となってしまいました。ビリチームはウィリアムズでもアルファロメオでもなく、前半戦と同様にハースが僅差で敗れています。いぶし銀2人投入も、若手に勝てず。
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前半戦との平均順位比較です。マイナス側はマクラーレンの元気さが目立ちます。前半戦に比べで平均4位近く飛躍すれば、全くの別チームかのような飛躍っぷり。レッドブルから唯一優勝をもぎ取ったフェラーリもマイナス側ではあるものの、他で相変わらずダラついたりマシンの不備があったため、大したゲインとなりませんでした。
プラス側は先程から書いているアストンマーティンを筆頭にメルセデス、レッドブル、アルファロメオの4チームがいます。レッドブルも何だかんだでチーム単位でみれば後半戦でやや勢いが衰えているんです。鬼門となった第15戦シンガポールGPあり、1位連発の「相方」が大低迷でした(ちなみにレッドブルの前半戦は平均2.71位)
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平均順位グラフ最後はをコンストラクター(チーム)単位の後半戦決勝−予選比較になります。グラフの上限値下限値は先程のグラフに合わせた-5位〜5位にしたため、マイナス側がスカスカですが、マイナス側は7チーム、プラス側は1つあたりが大きくプラスの3チームとなりました。フェラーリとメルセデスはどの指標もプラス側が目立ちます。オレンジフレッシュ軍に完全に押されたな。

《ドライバー別グループ別決勝順位変遷》
決勝のドライバー別、グループ別順位を予選編と同様のグループ分けでプロットしています。まず上位3チームの6人のグラフからみていきます。
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紺実線の方は第15戦シンガポールGPを除いてスコーンと1位の高さを走っています。年間のグラフが見たい?!わかりきった結果ではありますが、そちらもちゃんとやりますのでお楽しみに!
トップグループなので、当然ながらピンク地の表彰台圏内の奪い合いになるはずが、2位や3位のレベルがこちらもスコーンと空いています。みんな遠慮しているのでしょうか。もう察しがつくと思いますが、この答えはこの後出てきますのでそちらもお楽しみに!このグループでチャンピオン以外で登壇したのはイタリアGPとラスベガスGPのペレスが2回。イタリアGPとアメリカGPそしてシンガポールGPで記念すべき勝利を挙げたサインツは3回。メキシコシティGPとラスベガスGP、最終戦アブダビGPのルクレールも3回。メルセデス勢は最も少なく、ラッセルはアブダビGPのみ、ハミルトンはシンガポールGPとメキシコシティの2回に止まります。ハミルトンもルクレールも、あの抜き打ち検査の失格はイタかったですね。
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中団と数える3チーム6人です。
さっきのトップグループの2位3位を奪ったのは言わずと知れたマクラーレン2人の下剋上によるものでした。最多はノリス先輩の5回。内訳はシンガポールGP、日本GP、アメリカGP、サンパウロGPの2位とカタールGPは3位となっており、トップチームのお兄様方よりも数と質は上回ります。新人(って感じはしないけど、一応ルーキーです)ピアストリは日本GPがキャリア初表彰台で続くカタールGPは2位までキャリア最高位を引き上げています。
マクラーレン以外にも登壇者はおり、アロンソがオランダGPとサンパウロGPの計2回、アロンソの後任としてアルピーヌ入りしたガスリーが同じくオランダGPで移籍後初登壇となりました。こう言うと古巣のファンには失礼になってしまいますが、アロンソもガスリーも移籍はひとまず成功といってよいのでしょうか。
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最後は下位の4チームの8人プラス1人の計9人です。前半戦のデ・フリースとリカルド同様に、後半戦のローソンとリカルドもちゃんとグラフで分けました。線とプロットの色も切って区別しました。
残念ながらこのグループからの登壇はありませんが、上位入賞はいくつかあります。ウィリアムズのアルボンはイタリアGPの7位入賞を最上位に4回の入賞、相方サージェントはペナルティによる繰り上げ扱いではあるもののアメリカGPで10位初入賞。アルファロメオのボッタスはカタールGPの8位ほか1回の計2回、周はカタールGPでボッタスに次ぐ9位入賞。ハースのマグヌッセンはシンガポールGPでギリギリの10位(あれ、ヒュルケン氏は?!)アルファタウリはリカルドが怪我からの復帰2戦目メキシコシティGPで今シーズンのチーム最上位となる7位入賞、リカルドの代走ローソンはデビュー3戦目のシンガポールGPで9位、そしてチームのエースの角田は後半戦の後半アメリカGPとまだ記憶に新しい最終戦アブダビGPで8位、サンパウロGPで9位の計3回の入賞でポイントランキング引き上げに貢献しています。

《決勝走行周回数》
後半戦のドライバー別れん走行周回数となります。後半戦の全走行周回数は601周です。
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全周回走破者は2人。9割の勝率を誇るフェルスタッペンとその元相方で現アルピーヌのガスリーでした。リタイヤ無し、周回遅れ無し、優秀でした。2位はハースのヒュルケンベルグが9周足らずの592周で消化率98.5%とやや離れています。若手の初優勝争奪戦を演じるマクラーレン2人は周回数までイーブンのバチバチ。一方でフェルスタッペンとバチバチやってもらわなければならないフェラーリのルクレールがフル参戦最少の443周に止まります。速いんだけど、まだ何かが足りない。
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チーム単位で合算すると、こういう並びになります。ガスリーはドライバー単位でフルマークでしたが、オコンを合算すると単独1位に躍り出ます。オールフレンチで臨んだ初シーズンはやや地味に終えたように感じます。ガスリーもオコンも実力派のベテランの領域に入りますので、来シーズンも引き続き仲良く、上位でバトルできるようになるといいですね!パワーユニット別でみると上手くバラけているようで、フェラーリパワーユニットのチームの距離が稼げていませんね。

《決勝チーム内対決》
決勝編も最後はチーム内対決です。両者リタイヤは引き分けとしますが、後半戦は全10戦のため、五分五分はあり得ます。
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大きな差がついたのは10対0のレッドブル、8対1ウィリアムズと8対2のマクラーレンでした。いずれも先輩格が上位を占め、若手1年生が敗北する形と、、いうわけでもなさそうですが、まあいいか今回は言わんでも。言わずと知れてるし(笑)どうしてもピアストリに期待を寄せてしまいがちですが、あの冷静さもまだ1年生なんですよね。本当に忘れてしまいそうになります。予選こそノリスに食らいつきましたが、決勝となるとやはりタイヤの使い方、レースペースにはまだまだ鍛錬が要ります。
近い勝敗数となったのがフェラーリとアルピーヌで5対5というバチバチのイーブン。このにチームについては年齢、キャリアともさほど離れた2人ではありませんし、仲が悪いわけでもありませんしね。オコンとガスリーはずっ友(古っっ!久々に聞いたわ)ほか、メルセデスとアルファタウリの「角田VS代走連合軍」も接戦でした。

今年も残り1週間。早いですね。ようやく2023年と言うのに慣れた頃、もう2024年に変わる。年明けしばらく慣れないんだろうなぁ。
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Happy Christmas!

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だいぶ着手が遅くなってしまいました。2023シーズンのまとめ、と言いたいところですが、その前にサマーブレイク明け第13戦オランダGPから最終戦アブダビGPまでの後半10戦分のまとめを前半戦と同じ視点で整理、振り返りをしていきたいと思います。今回はいつも通り「予選編」になります。

《ポールポジション獲得者》
 第13戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第14戦 サインツ    (フェラーリ・F)
 第15戦 サインツ    (フェラーリ・F)
 第16戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第17戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第18戦 ルクレール   (フェラーリ・F)
 第19戦 ルクレール   (フェラーリ・F)
 第20戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第21戦 ルクレール   (フェラーリ・F)
 最終戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 ※中止となった第6戦以降の付番は繰り上げています

〈ポールポジション獲得率〉
 1 5回 フェルスタッペン(50.0%)
 2 3回 ルクレール   (30.0%)
 3 2回 サインツ       (20.0%)

スプリントシュートアウトを除いた、本戦に向けた予選のポールシッター整理です。10戦で獲得者は3人。内訳はレッドブルのフェルスタッペンが最多の5回、続いてフェラーリのルクレールが3回、そしてルクレールの相方サインツの2回で占められています。レッドブル5回にフェラーリ5回、というよりフェルスタッペン5回とフェラーリ5回が正しいか。
予選はご存知の通り、あくまで「ポイント獲得に繋がる決勝レースのスタート位置決め」に過ぎませんので、何も必ずしもポールポジションを獲らなければならない、というわけではありません。要は決勝で前を抜けるのであれば、カリカリ予選に重きを置く必要も無い。しかし、今シーズンはフェルスタッペンとレッドブルがサーキットによらずガチガチにキマってしまっており、フェルスタッペンに勝つには、如何に予選で前を獲り逃げるか、あまりこんなことに期待してはいけませんが、フェルスタッペンに何かが起きることを期待しないと勝てないレース展開になってしまいました。フェルスタッペンはポールポジションはおろかフロントロウ、いや3列目となる6番スタートからでも勝つことができます(第18戦アメリカGP)こうなればライバルはフェルスタッペンに抜かれるの覚悟で「フェルスタッペン以外のライバルよりも上位で」フィニッシュするために上位グリッドを獲得したいということしか実現できません。
予選についてそれを目指し、可能としたのは1ラップ最速主義のフェラーリであり、サインツについては第15戦シンガポールGPでどうにか「レッドブル全戦優勝」を阻止することに成功したものの、ほか4回はやはりフェルスタッペンにやられたわけで、、この後やる予定の決勝編の集計結果をみるのも怖い内容になってしまいました。予選やる意味あるのかと、疑いたくなる(笑)

《予選最速タイムと各チームとの差》
予選各セッション通してのトップタイム(必ずしもポールポジションタイムとは限らない)と各チーム最速タイムとの差のグラフにしたものです。まずは着色や省略無し、あるがままのタイム差を素直にグラフ化してみます。
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黄色の帯は前半戦グラフにも示した「ATAによるタイヤコンパウンド縛りのあるGP」、水色の帯は「ウェット及びインターミディエイトタイヤを使用したGP」を示しています。前半戦初戦となる第13戦オランダGPはQ1およびQ2落ちを喫したアルピーヌ、ハース、アルファロメオ、アルファタウリの4チームにおいて異常値扱いのタイム差が出てしまいました。それ以外でウェット(というか打ち切り)の第20戦サンパウロGPやATAが施行された第14戦イタリアGPもあまり荒れた感じではないのかな。トップから概ね2秒以内にまとまってはいます。なので可哀想ですが異常値をちょん切ってしまいましょう。
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2秒以下でちょん切ってもよかったのですが、一つでもサンプルはあった方がいいと考え、2.5秒をボーダーラインとして再作図しました。
サーキット特性がよくわかるような結果になっていないようにみえますが、オランダGP、日本GP、カタールGPにおけるレッドブルの強さとQ3で一気空が暗くなったサンパウロGPは一周距離が短いこともあり、タイム差が拮抗したことだけはよくわかります。対象数を減らしてやらないとよくわかりませんね(笑)
今回も上位と下位の2グループに分け、グラフの尺度を変えてみていきます。
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上位5チーム(レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティン)のタイム差グラフになります。上限値を2.0秒とした理由はご覧の通りのオレンジラインのマクラーレンくん達に合わせてあげたためです。それを除けば、前半戦と同じ上限値1.6秒におさまりそうです。んもぅ、miyabikunマクラーレンにはちょっと甘めなんだよなぁ。◯ンダや◯ノダには冷たいクセに、、そんなことないわ!(笑)
トップタイムはポールシッターと同様にレッドブルとフェラーリで分け合っています。端的に感覚的にいうなら、速いとかカクカクとか長いなどメリハリあるところはフェラーリが台頭し、一周に様々な要素が盛り込まれたテクニカルなサーキットはレッドブルが速かったような印象と分けにみえます。またレッドブルがトップタイムをマークしたサーキットのうち、オランダGP、日本GP、カタールGPの突き抜け方が大きいのも目立ちます。各サーキットで一周距離や特性が異なるので一概にタイム差だけで比較はできないものの、日本GPは2番手のマクラーレン(ピアストリ)に対して0.581秒もの差を築いています。鈴鹿サーキットの予選平均速度(5.807km÷1分28秒877=235.21km/h)から割り出される距離は37.961mの差になります(計算合っていますよね?!)マシン全長が5.6mあるとしたら、ポールのフェルスタッペンと2番手ピアストリの差は「マシン6.78台分」に相当します。結構な差です。
グラフからは前半戦が好調だった緑ラインのアストンマーティンが苦戦して単独の5番チームに沈んだのに対し、マクラーレンは前半戦の終盤の勢いそのままに後半戦に突入。ポールポジションではないもののサンパウロGPでタイム的にトップをマークしています。ただその翌戦となるラスベガスGPの不甲斐無さが目立ちます。
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続いて下位のグループとした5チーム(アルピーヌ、アルファロメオ、ハース、アルファタウリ、ウィリアムズ)のグラフです。上限値はさっきの全チームグラフの足切りと同じ2.5秒としています。
おーい、異常値続出のオランダGPは水色ラインのウィリアムズしかおらんぞー(笑)裏を返せば、ウィリアムズ(もっといえばアルボン)だけは格好のつくタイム差におさめてきたということ。この後グラフでも登場しますが、ウィリアムズは結局2023年全戦において、アルボンが全勝となり、こちらでプロットされているウィリアムズのタイム差全てがアルボンのものであるということになります。今シーズンは仕方が無い。ただし、来シーズンは仕方が無いでは済まなくなるかも。
5チーム全てがX軸から離れたトップタイムとなりませんでしたが、このグループの中でのトップはウィリアムズであったり、ハースであったり、アルピーヌやアルファタウリの時もあるなど「完全なる6番チーム」はみえてきません。10戦あるうち、ピンクラインのアルピーヌと青ラインのアルファタウリが最多の3回、水色のウィリアムズが2回、ハースが2回トップとなって、ワインレッドのアルファロメオのみが0回。アルファロメオはグラフ自体の上下動は少ないですが、どのサーキットも突出したものがなく、ダラダラと下位をさまよっていた印象です。イタリアの老舗「アルファロメオ」を気持ちよく締められませんでした。

〈予選最速タイムと各チームとの差の平均値〉
なかなか先程の折れ線グラフではタイム的な優劣はつけ難いですが、力業で平均化し、優劣をつけてしまいます。
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 1 レッドブル・HRBPT   平均0.203秒
 2 フェラーリ・F     平均0.287秒(+0.084秒)
 3 メルセデス・M       平均0.405秒(+0.202秒)
 4 マクラーレン・M      平均0.556秒(+0.353秒)
 5 アストンマーティン・M   平均0.967秒(+0.764秒)
 6 ウィリアムズ・M      平均1.190秒(+0.987秒)
 7 アルファタウリ・HRBPT 平均1.893秒(+1.690秒)
 8 アルピーヌ・R     平均1.992秒(+1.789秒)
 9 ハース・F       平均1.999秒(+1.796秒)
  10 アルファロメオ・F   平均2.332秒(+2.130秒)

棒グラフは前半戦にも掲げた昨年のコンストラクターズランキング順、その下の数字は速い順に並べており、カッコ内の数字はトップタイム(つまりレッドブル)との差を示しています。
後半戦予選最速は何だかんだでレッドブルです。そりゃそうさ、何も驚かない。2番手はフェラーリ、3番手メルセデス、4番手マクラーレンまでは比較的に等間隔で綺麗に並んでいるものの、5番手のアストンマーティンからその間隔が広がり始めています。6番手は驚くなかれ、仲良しフレンチのアルピーヌ、ではなくウィリアムズことアルボンが1.190秒差につけています。前半戦はこんなタイム差ではなかった記憶ですよね。このあとちゃんと比較グラフを用意していますので、もっと驚いちゃって下さい。
下位4チームはなかなかの接戦になっていますが、7番手は我らがアルファタウリが競り勝っています。そのすぐ後ろにアルピーヌが来て、ほぼほぼ並んでハースが地味にいて、後半戦における予選平均値最遅(最大差)はやっぱりアルファロメオという結果でした。さっきの折れ線グラフからも察したか。
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こちらがさっきチラッと話題に出したグラフになります。後半戦10戦のチーム別平均値を前半戦12戦の平均値で引いたものです。このグラフでマイナス側に触れていれば、前半戦より後半戦の差が小さかったことを示し、プラス側だと後半戦より前半戦の方がトップとの差が小さかったことを総括的にみることができます。
見よ、このアルボンの元気さよ。アルボン様々よ。アルボンばかり持ち上げたら可哀想ですが、前半戦のウィリアムズはトップから2.347秒遅れのビリっけつでした。ところがマシン特性上あまり有利にならないと思われた後半戦でQ2やQ3進出したこともあり、ビリチームから完全に脱却することに成功しています。ほか、マイナス側に触れているのは大きい順にアルファタウリ、マクラーレン、メルセデス、フェラーリの5チームでした。当然ながら下位の方が「削り代」が多くありますから、捻出し易くなります。
逆にプラス側、後半戦にダレてしまったのが、、小さい順に言っていくと、アルファロメオ、ハース、レッドブル、アストンマーティン、そしてドドンとアルピーヌ!聞いていくとああなるほどなと思い当たる節はあるでしょう。レッドブルはトップにいるし、確かに予選においては圧倒的感が無くなったのも多少あるので仕方無いにしても、アストンマーティンはだいぶ落ちてしまいましたよね。そして一番存在感が無かったというか、覇気や脅威も感じなかったのがアルピーヌ。確かに。。決勝はともかく、予選は苦戦していましたなぁ。

《予選平均順位》
次はようやく後半戦予選の平均順位になります。予選後のペナルティは含まず、予選で獲得した順位をそのままのインプットとし、もし予選失格があった場合は「順位無しの20位扱い」として評価します。

〈ドライバー〉
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トップは言わずと知れたフェルスタッペンなのですが、フェルスタッペンはこちらも言わずと知れた第15戦シンガポールGPでQ2落ち11番手に終わり、平均値をグッと下げたことによります。それがポールポジションが半分でも後半戦全戦でQ3に進出したルクレールが肉薄しました。で、もう1人のポールシッター、サインツはどうだったかというと、、ラッセルに続く4位の平均5.80番手に沈んでいます。後半戦の序盤こそ苦戦続きのルクレールに代わって台頭しますが、後半戦の後半で予選決勝ともトラブルや不運にも見舞われてやや低迷が続きました。ポイント的にも最終的にルクレールに抜かれて、やや尻すぼみ。
上から9番目のピアストリが平均8.90番手、10番目のガスリーが平均10.60番手に位置しており、このあたりがQ3進出クラスの境目になりそうです。Q2進出クラスは何気に混戦模様で、平均12.80番手の角田を筆頭に相方リカルドの平均13.20番手までに4人がひしめき合っています。ここのリカルドないしボッタスあたりがQ1突破Q2進出ラインか。
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ドライバー単位の平均順位も前半戦と比較し、ゲインロストを評価してみます。
最大のゲインとなったのはメルセデスのラッセルによる平均-3.48番手でした。確かに後半戦はハミルトン相手に予選から凌駕するシーンをよく見かけたように感じます。平均-2.80番手2番目のゲイン量となったリカルドは復帰後の復帰2戦目、第19戦メキシコシティGPの4番手がかなり強力に働きました。ほか、ポール屋さんルクレールや若く元気なマクラーレン勢、ウィリアムズ勢、そして角田もマイナスに転じています。
逆に前半戦よりも平均値を落とした緑のアストンマーティン勢が目立ちます。特にストロールは大不況に陥ってしまっています。アルピーヌのオコンもだいぶ大きめな落ち込みとなり、長らくライバル関係にあったマクラーレンとは大きな差となりました。
3回チャンピオンに輝いたフェルスタッペンはというと、前半戦12戦と後半戦の10戦共に平均3.00番手ということでプラマイゼロ。大事なのは予選よりも決勝で前に出て優勝することか。

〈コンストラクター〉
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コンストラクター(チーム)単位の平均順位結果です。2人のドライバーの平均値としてみると、フェラーリがレッドブルを上回って最速となります。理由は、、うん、それです(笑)フェラーリに先行を許したばかりか、メルセデスにも肉薄されています。その理由は、、。
マクラーレンまでの4チームが10番手以内を確保し、アルピーヌとアストンマーティンはどちら1人がQ3進出、もう1人がQ2脱落といったところか。下位4チームは綺麗に等間隔に並び、最下位はこちらもアルファロメオということになります。
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コンストラクター単位の平均順位でもドライバー単位と同様に後半戦から前半戦順位を引いたものをグラフ化してみました。
タイム的には飛躍的なゲインをみせたウィリアムズも平均順位となるとやや薄まり、アルファタウリやマクラーレンの方が大きくなります。マクラーレンの飛躍はグラフを見るまでもなく感覚的に向上したことに気づきますが、実は順位換算するとアルファタウリの方が大きくなります。今シーズンからエースを担うこととなった角田は前半戦からチームメイトを凌駕し続けましたが、後半戦に入っても新人ローソンやベテランのリカルド相手に臆することなく、順位も一段階飛躍させました。その頑張りがこのグラフからはっきりと見て取れます(やはりリカルドの4番手もだいぶ利いていますが)
6チームがマイナス側にゲインした分、プラス側は4チームでまかなっています。マクラーレンやフェラーリ、メルセデスがマイナスとなれば、アストンマーティンがその被害(というか素直な結果なのですが)を受け止めることとなります。前後半比を行うと、アストンマーティンの不振もまたよくわかる。

《ドライバー別グループ別予選順位変遷》
上記予選順位の裏付けとなる、各ドライバー単位の順位変動グラフになります。前半戦と同じ3つのグループに分けています。
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上位は3チーム。レッドブル、フェラーリ、メルセデスの6人です。さすがに大コケしたドライバーはいないものの、紺の破線、紅の破線、エメラルドグリーンの破線の上下動が目立ちますね。破線は◯◯じゃない方の、、って、コラーっ!7回チャンピオンに対して何てことを!(笑)得意な予選までサインツに押され気味だったルクレールが終盤で息を吹き返したこと、またバキバキに仕上がって連勝街道まっしぐらだったフェルスタッペンが崩れたシンガポールGPが印象的でした。
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中団グループも3チーム、アルピーヌ、マクラーレン、アストンマーティンの6人になります。毎回いいところまでいくのですが、マクラーレン2人はポールポジション獲得はならず。緑の破線アロンソの後半戦はだいぶ乱調にはなりましたが、カタールGPやサンパウロGPではしっかり存在感を示しました。アロンソ以上に低迷し、ドツボにハマった相方ストロールも悪天候を味方につけ、赤旗逃げ逃げ3番手を獲得しています。アルピーヌはガスリーはともかく、オコンの存在感はあまり無かったなぁ。あんなに高身長なのに。
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最後の下位は4チーム8人プラスリカルド負傷のピンチヒッターでF1デビューを飾ったローソンを加えた9人で構成。このグループは毎度ながらQ3進出時点でだいぶ目立ちます。水色実線のウィリアムズのアルボンはオランダGPで4番手、続くイタリアGPで6番手、初開催のラスベガスGPでも6番手を獲得するなど、前評判通り高速レイアウトで台頭。ハースのマグヌッセンはシンガポールGPで6番手となり、予選おじさんヒュルケンベルグを上回る回もチラホラ。アルファタウリもリカルドがメキシコシティGPでレッドブル時代を彷彿とさせる4番手を獲得すると、角田は最終戦アブダビGPで自身最高位となる6番手で対抗と、チーム内で切磋琢磨する内容となっています。

《チーム内対決》
予選編の最後はいつも通りチームメイト対決です。ペナルティ降格前の純粋な予選順位で勝敗を決めていきます。後半戦は全10戦のため、引き分けもあり得ます。が、、IMG_8982
今一番初めに目に付いたのどこだ?!miyabikun分かってますよ!一番上の紺色チーム見たでしょう?!一番上だからとかの理由でなく(笑)
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泣いちゃったじゃないですか、もう!!でも見ちゃいますよね。歴代最強マシン乗りですから。そういう割合でいけば、一番下のチームも同じ結果になっています。って、こっちは仕方ないけど、あっちはダメだって?!(笑)
ほか、顕著な結果となったのは緑のアストンマーティンの9対1、アルピーヌとアルファロメオの8対2、フェラーリとアルファタウリの7対3がありました。繰り返しにはなりますが、10戦全戦で参戦していないとはいえ、角田はリカルド相手に大健闘といえます。いい勝負をしていたのはメルセデスとハースの6対4、そしてマクラーレンは何と5対5のイーブンでした。ノリスはまだ年齢的に若いものの、今一番初優勝に近いとされる有望株。それにイーブンとしたピアストリはまだF1参戦22戦、1年生です。比較するのも酷どころか、かなりいい勝負をしているのに驚きです。マクラーレンのマシンがシーズン開幕直後から好調だったら、ピアストリがもう少し場数踏んで、経験を積んだら、ノリスを上回る逸材になるかもしれません。
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というわけで、12月に入っても諸事情のためなかなか着手できなかったシーズン後半戦のまとめ「予選編」でした。こんなペースでやっていたら、間違い無くシーズン全体のまとめは、、焦ってもよくない。やれるだけ頑張ります!

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前半戦のまとめ、振り返りの最後はポイントにまつわるものになります。
ドライバーズ、コンストラクターズの獲得ポイントをみる前に、既に3回行われたスプリント入賞者とそのポイント加算を振り返っておきます。

《スプリント入賞者》
〈第4戦アゼルバイジャンGP〉
  ドライバー   タイヤ 変動 ポイント
 1 ペレス      M    -1  8pts
 2 ルクレール    M   +1  7pts
 3 フェルスタッペン M   ±0  6pts
 4 ラッセル     M   ±0  5pts
 5 サインツ     M   ±0  4pts
 6 アロンソ     M    -2  3pts
 7 ハミルトン    M   +1  2pts
 8 ストロール    M    -1  1pt

〈第9戦オーストリアGP〉
  ドライバー   タイヤ 変動 ポイント
 1 フェルスタッペン I   ±0  8pts
 2 ペレス      I   ±0  7pts
 3 サインツ     I    -2  6pts
 4 ストロール    I    -4  5pts
 5 アロンソ     I    -2  4pts
 6 ヒュルケンベルグ I→M  +2  3pts
 7 オコン      I    -2  2pts
 8 ラッセル     I→S   -7  1pt

〈第12戦ベルギーGP〉
  ドライバー   タイヤ 変動 ポイント
 1 フェルスタッペン W→I ±0     8pts
 2 ピアストリ    W→I ±0     7pts

 3 ガスリー     W→I  -3       6pts
 4 サインツ     W→I +1  5pts
 5 ルクレール    W→I +1    4pts
 6 ノリス      W→I +1       3pts
 7 ハミルトン    W→I ±0     2pts
 8 ラッセル     W→I  -2    1pt

3戦中2戦が濡れた路面絡みということで、時間短縮版のスプリントにおいて、タイヤ交換がみられます。浅溝のインターミディエイト(I)はともかく、ウェット(W)は全く使い物にならないとして不評でした。
順位変動も決勝レースに比べて飛躍的向上や降下はないものの「日曜予選と切り離された単独レース(決勝)」となったことにより、決勝の予行演習的な走りが出来たり、決勝レースを気にしない攻めた走りができるようになったのはメリットといえるでしょうか。
入賞圏内フィニッシュにおける最大ゲインは第9戦オーストリアGPのスプリントを8位で終えたラッセルが-7(シュートアウトは15番手)ヒュルケンベルグ同様にドライタイヤのチョイスが絶妙でした。

《ポイントランキング》
先程のスプリントでのポイント加算を行ったドライバーズ、コンストラクターズのポイントをみていきます。グラフの色遣いは先日の予選編、決勝編で使った各ドライバー、チームのカラーと揃えています。

〈ドライバーズポイント〉
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まずは例の如く凡例無しの全21人(実質18人)分をざっと。横軸の赤のマーキングは「スプリント開催回」を示します。スプリントでポイントを獲得することができれば、ここでいつも以上の傾きを示すこととなります。凡例なんぞ無くとも、1位で綺麗な右肩上がりを示すグラフは誰のことを指しているか容易に分かります。以下は差は多少ありつつもそれなりに並んでいることからも、1人が異様に突き抜けてしまっているということになりますが。こんなグラフ見ても面白くも何とも無いため、もう少し拡大、細分化しましょう。
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こちらが今回の上位グループ。上位4人を1グループにしてみました。100ポイント超えのメンバーです。トップ独走は紺の実線にオレンジのアクセントのフェルスタッペンだったんですね(白々しい)本当に綺麗な右肩上がり、一次関数グラフになっています。これまでの12戦は10勝2位2回+ファステストポイント6回+上記3回のスプリントポイントを重ねたということ。12戦で312ポイント、1戦あたり26.167ポイント。数学者miyabikun(ウソ)が今のフェルスタッペンを数式に当てはめるならば、不定期のスプリントがあるにしても y=26x±1 の一次関数になります。xにレース数を代入すると、yにその時の獲得ポイントが弾き出される。例えばシーズン終了時の予想獲得ポイントは、、y=26×22±1 y=571〜573 なるほど、実に面白い(笑)
2位はフェルスタッペンのチームメイト、レッドブルのペレスが続いていますが、第6戦モナコGPあたりからフェルスタッペンのグラフから離れ、下位のアロンソやハミルトンらに詰め寄られています。また開幕戦から表彰台圏内を続けていたアロンソもヨーロッパラウンド本番に入る第9戦オーストリアGPを迎えるとやや失速し、メルセデスのハミルトンとの差は1ポイントでシーズンを折り返します。失速するペレスやアロンソよりもグラフの傾きは一定であり、何気にハミルトンは堅実なポイントを積み上げてきています。ハミルトンは y=13x±2 の一次関数って感じかな(笑)
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第2グループはランキング5位のルクレールから、12位ガスリーまでの8人、20ポイント以上100ポイント以下にあたります。このグループの中でもトップチームに属する3人(ルクレール、ラッセル、サインツ)と中堅チーム所属のグループの2つに分かれています。そんな中、先程のアロンソが足踏みし始めたオーストリアGPを皮切りに急激に競争力を身に付けたのがマクラーレンのノリスで、下位のグループから上位グループに移らんばかりの勢いがみられます。
サインツってルクレールのような予選一発の速さも無いし、今シーズンは未だ表彰台登壇無しで地味。でもポイントでみればルクレールとの差は7ポイントしかなく、この3人は毎戦ランキング5位でコロコロ入れ替わっています。派手さは無いけど堅実なのがサインツの特徴であり強み(弱みでもある)
ルクレールとサインツ、ノリスとピアストリ、オコンとガスリーはチームメイトとの差はさほど大きくありませんが、前のグループに属するアロンソとハミルトンのチームメイトはこちらのグループ扱いでやや低迷しているようにみえます。今回はグラフを分けた都合もあり分かりづらいのですが、フェラーリ2人とやり合うラッセルも、低ポイント続きでいつの間にかノリスにぶち抜かれたストロールも、上位をいく先輩チームメイトと似たり寄ったりの波形ではあります。メルセデスは大きなポイント獲得こそないものの毎戦確実にそれを積み重ね、アストンマーティンはシーズン序盤にみせた勢いを失い伸び悩んでいます。先輩との差は序盤のスタートダッシュの差か(あるいはこの差が「その差」ということか)
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3つ目の下位グループはランキング13位以下、20ポイント以下に属する者たちになります。これまで21人のドライバーが出走し、18人のドライバーが入賞を果たしています。このグラフの最下位はハースのマグヌッセンということになり、ノーポイントの3人(ウィリアムズのサージェント、アルファタウリのデ・フリースとリカルド)はグラフ描画から除外させていただきました。ごめんなさいと同時に頑張って下さい。
1ポイントが生命線のこのグループはグラフ波形もカクカクになりがち。中でも一番目立つのは水色実線、ウィリアムズのアルボンです。開幕戦バーレーンGPでは10位1ポイントを獲得するも、しばらくはリタイヤと入賞圏外フィニッシュが続きました。しかし第8戦カナダGPで7位入賞を果たしてガツっとポイントを稼ぐと、チームの母国であり自身のほぼ母国イギリスGPで8位に入り、いつの間にか下位のトップに上り詰めることとなりました。チームメイトは新人、マシンはお世辞にもどこでも速いと言えないものながら、チームを底上げする。予選から上位グリッドを狙う姿勢に好感が持てます。
今シーズンから久々のフル参戦を果たしたハースのヒュルケンベルグも、予選はいつものことながら決勝やスプリントで貴重なポイント確保を行えています。アルボンと同様に独りぼっちでチームを支えるアルファタウリの角田も今やしっかりとしたチームのエース格を担っています。
グラフを描くまで全く気付かなかったのですが、ワインレッドで描いたアルファロメオのグラフに注目してみて下さい。実線で描くエースのボッタスは開幕戦で8位4ポイントという(今のボッタスにとっては)ビッグポイントを得て、9位2ポイント止まりの周に対して優勢な立場にいました。ところが周が第7戦スペインGPで9位2ポイントを得てボッタスに並ぶと(同点の場合は「順位」で決まる)ボッタスは翌第8戦カナダGPで10位1ポイントを獲得して、ひょいと周を上回る。最近は周も一発の速さをみせてイーブンになりつつあるけど、あくまで先輩、エースは私なんだ、と無口な対抗意識にみえて面白い(笑)
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〈コンストラクターズポイント〉
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ドライバーズの次はコンストラクターズのポイントグラフです。紺色は元気ですね!我関せず、我が道をいく。この後詳しくグラフに示しますが、レッドブルは第12戦ベルギーGP終了時点で503ポイントを獲得。2位のメルセデスは247ポイントですから、シーズン半ばにして直下のチームの倍を稼いでしまっています。レッドブル自ら稼いだのはもちろん「稼がせた」という言い方もできます。以下で2グループに分けてグラフを作りました。
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こちらは上位5チーム、いや「1プラス3プラス1の集団」というのが正しいか。レッドブルはもはや別格。5位のマクラーレンも4位フェラーリとはまだだいぶ離れてはいますが、このあと出てくる6位アルピーヌとの差もだいぶ大きくなりました。グラフ描画やバランスを考えて、この5チームをトップグループとします。
レッドブルは見ての通り、全戦優勝で他と交わること一切無しで放っておくとして、注目はランキング2位の推移です。前半12戦中の前半6戦モナコGPまでは辛うじてアストンマーティンが2位を保ってきました。しかし前述の通り、ヨーロッパラウンド本番に入ると下位をさまよっていたマクラーレンがメルセデスと同等かそれ以上の勢いで台頭し、アストンマーティンの定位置を食う位置付けとなったため、メルセデスが単独の2位。アストンマーティンはのらりくらりとやっているフェラーリまであと5ポイントというところまで詰め寄られています。レッドブル程の伸び率はないものの、マクラーレンの飛躍の仕方によっては、もしかしたらアストンマーティンやフェラーリを食っちゃうなんて淡い期待もあります。何なら食っちゃえ、最年少の元気組!
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下位5チームのポイントグラフになります。上位を真似るなら「1プラス4チーム」という表現になるでしょうか。
参考までに上位グループの下位に位置するフェラーリとマクラーレンのグラフも薄っすらと示していますが、近年アルピーヌと順位争いをしていたマクラーレンはヨーロッパラウンドでスパッとその関係を断ち切り、アルピーヌが残されてしまいました。アルピーヌはドライバーこそ健闘していますが、サーキットによって得意不得意がはっきり出てしまっていたり、ご存じの通り「とばっちり」も続いたことが対マクラーレンと明暗を分けました(さらにチーム内でごちゃごちゃ慌ただしくやっておりましたなぁ)
何とか入賞圏内に手がかけられるのはここまでの6位アルピーヌあたりまでで、以下の4チームは運、巡り合わせ、光る走りなど、なかなかの見せ場が無いと入賞が厳しくなる。つまり、1ポイントの重み、価値が増します。ランキング8位のハース、9位のアルファロメオは「チーム2人でポイントを稼げている」ことに対し、ランキング7位ウィリアムズと最下位のアルファタウリは「チーム1人しかポイントを稼げない」状況です。今まではウィリアムズのサージェントについて「今年入ったばかりのF1新人だから」という枕詞に守られていたかもしれませんが、これからの後半戦は「来シーズンに生き残れるか否か」の走りが求められます。また同様にアルファタウリもデ・フリースに代わって、ベテランのリカルドが復帰し「エースに対するいい見本、刺激そして自らの行き先」を示さなければなりません。アルボンも角田も同じマシンでポイントを獲得していますから、獲れない=負けを意味します。残念ながらデ・フリースは離脱してしまいましたが、後半戦のドライバーズおよびコンストラクターズポイントとそれらグラフには参加、貢献してもらいたいと願っています。

《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 開幕戦   アロンソ    (アストンマーティン・M)
 第2戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第3戦  ペレス     (レッドブル・HRB)
 第4戦  ペレス     (レッドブル・HRB)
 第5戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)

 第6戦  オコン     (アルピーヌ・R)
 第7戦  ハミルトン   (メルセデス・M)
 第8戦  アルボン    (ウィリアムズ・M)
 第9戦  ノリス     (マクラーレン・M)
 第10戦   ノリス     (マクラーレン・M)
 第11戦   ペレス     (レッドブル・HRB)
 第12戦   フェルスタッペン(レッドブル・HRB)

〈ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得率〉
 1 3回 フェルスタッペン(25.0%)
    3回 ペレス     (25.0%)
 3 2回 ノリス     (16.7%)
 4 1回 アロンソ      (8.3%)
    1回 オコン       (8.3%)
    1回 ハミルトン     (8.3%)
    1回 アルボン      (8.3%)

最後はポイント付与はされないけど、ファンの心をグッと掴んだで賞の「ドライバー・オブ・ザ・デイ」(本家)の受賞者とその回数となります。まあこちらについてはmiyabikun個人的に意義アリ回もあるため、別途独断と偏見でやらせてもらっているわけですが、ちょっと興味深く感じたのは、全世界のF1ファンも「優勝=今日イチドライバー」というわけではないという点です。優勝はご存じの通りフェルスタッペン10勝、ペレス2勝の「レッドブル全勝」100%であるものの、それら常勝軍団は3回ずつ計6回、こちらの獲得率は半数に止まっています。他獲得者はノリスやアロンソ、アルボンといった、優勝や表彰台に届かずも健闘したドライバーがしっかり選定されています。レッドブルの連勝を期待するファンも多くいる中で、それ以外にもしっかり目を向け、評価しているファンもいて少し安心しました。

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3回にわたってダラダラと2023シーズン前半戦12戦の結果と比較を行いました。後半戦は早くも今週末オランダから再開され、1ヶ月後には我らの日本GPが行われます。正直、ドライバーズ、コンストラクターズの両チャンピオンはほぼほぼ内定している状態ではありますが、ランキング2位以下、他順位はまだまだ未確定であり、二転三転は大いにあり得ます。名門チームの復活なるか?!ベテランの現役復帰による効果は?!レッドブル以外の優勝者とチームは?!見どころや注目点は沢山あります。後半戦も大いに盛り上がっていきましょう!

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この夏のお盆は台風に振り回されましたね。近年は航路はもちろん、鉄道や高速道路といった交通インフラは計画的に運休や減便、通行止めを告知し、事前予防対策が講じられる時代となりました。コロナ禍から明け、帰省や行楽などのタイミングにかち合ってしまったのは残念ですが「何か起きてから」「強行してしまった」時の対応はもっと大変。相手は我々人間では到底太刀打ちできない「自然」ですから、地球に住まわせてもらっている以上、知恵のある人類がそれらに賢く対応していくしかありません。まだ夏から秋も台風や大雨は続きますので、注意を払って生活していきましょう。
今シーズンのF1界も「あるチームとあるドライバー」が猛威を振い、ライバルが到底太刀打ちできない状況で進行していますから、その予防策や対策を、、これに関しては見当たらない。。強いて言えば「シンプルにライバルが上回る」か最早「神頼み」なんて状況。正直結果はわかっているし、考察も何も無い、やるだけ無駄。。といってしまえばそれまでですが、まあまあそうは言わず、開幕戦バーレーンGPから第12戦ベルギーGPまでの決勝レースにまつわるデータ整理、一応やりましたのでお付き合い下さいな。

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《優勝者》
 開幕戦  フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第2戦 ペレス     (レッドブル・RBH)
 第3戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第4戦 ペレス     (レッドブル・RBH)
 第5戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)

 第6戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第7戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第8戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第9戦 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第10戦   フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第11戦   フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 第12戦   フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 ※中止となった第6戦以降の付番は繰り上げています

〈勝率〉
 1  10勝 フェルスタッペン(83.3%)
 2 2勝 ペレス     (16.7%)

カッコ書きでコンストラクター(チーム)を記しているものの、2戦目から下まで「〃」としても間違いでは無い。さらには第6戦以降の優勝者も「〃」できちゃう。シンプル!歴然!最強!退屈。。(他は何やっとんねん、情けない!)
昨年久々となるダブルチャンピオンを獲得したレッドブルは、勢いそのままに開幕戦から12戦全勝、昨年の最終戦アブダビGPから数えると13連勝となっています。ラップリーダーこそライバルに明け渡すこともありますが、トップのチェッカーフラッグは13戦連続、9ヶ月間ライバルに奪われていません。すごいです。。内訳はご存じの通り、序盤はフェルスタッペンとペレスが交互に優勝を奪い合う形で進行しますが、最近は、、フェルスタッペンしか勝っていません。「あれ、F1って、フェルスタッペンしか勝っちゃいけない(しか勝てない)レースなんだっけ?!」なんて勘違いしていまいそうになります。ドライとウェットでの違いは?!市街地が得意か不得意か?!ストレートが長い方が有利?!そんな比較もできず、ここまでの12戦の優勝者について書くと、こうとしか書けぬ。語彙力が乏しくお恥ずかしい限り。。

《ファステストラップ獲得者》
 開幕戦  周冠宇      56周目/57周※
 第2戦 フェルスタッペン 50周目/50周
 第3戦 ペレス      53周目/58周
 第4戦 ラッセル     51周目/51周
 第5戦 フェルスタッペン 56周目/57周

 第6戦 ハミルトン    33周目/78周
 第7戦 フェルスタッペン 61周目/66周
 第8戦 ペレス      70周目/70周
 第9戦 フェルスタッペン 71周目/71周
 第10戦  フェルスタッペン 42周目/52周
 第11戦   フェルスタッペン 53周目/70周
 第12戦   ハミルトン    44周目/44周
 ※16位完走で入場圏外のためポイント付与無し

〈ファステストラップ獲得率〉
 1 6回 フェルスタッペン(50.0%)
 2 2回 ペレス     (16.7%)
    2回 ハミルトン   (16.7%)
 4 1回 ラッセル      (8.3%)
    1回 周冠宇       (8.3%)

ファステストラップについてもレッドブルが多数を占める中、優勝者に比べてややバラエティに富んでいます。
レッドブルの8回に続いたのはメルセデス2人による3回(ハミルトン2回、ラッセル1回)でした。ハミルトンは引き続きブーたれている割に、この辺はちゃんと押さえてこれています。その他、残念なことに入場圏外のノーポイントながら、しっかり開幕戦で獲得したのはフェラーリ、、パワーユニットを搭載するアルファロメオの周が1回獲得しています。周ってまだ2年目ながら、ファステストラップを獲得するのは2回目なんですよね。1回目は昨年雨でぐちょんぐちょんとなった第18戦日本GP。その時も16位フィニッシュの入賞圏外。

《決勝平均順位》
決勝の平均順位です。算出方法はいつも通り、リタイヤ、決勝不出走、失格は「20位扱い」として取り扱います。先日の予選編と同様に、アルファタウリでドライバースイッチとなったデ・フリースとリカルドは別々にグラフを描きました。
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フェルスタッペンは、な、な、何と平均1.17位ですと?!ほぼほぼ1位じゃないか。そりゃそうですよね、12戦中優勝10回、ほか2位2回なわけですから。2位集団にはペレスが4.25位、ハミルトンが4.33位、アロンソが4.42位で横並びとなっており、ここまでが辛うじて表彰台常連圏内。表彰台獲得がさらに遠退く5位争いにサインツ、ラッセル、ルクレールが続いています。上から8番目に位置する平均10.00位のノリス、その下の平均10.50位のストロールあたりまでが入賞圏内常連で、ガスリー以下で残り一枠を奪い合う、といった具合でしょうか。3人ひと塊をなす上位に比べ、下位は各々群れず似ること無く、綺麗に順位付けされているかのよう。
予選編でみたように「チーム内格差」が小さいのはフェラーリ、アルピーヌ、アルファロメオ、ハースの4チームであり、不思議とフェラーリパワーユニット3チームが揃っています。アルファロメオの周以外は中堅からベテランキャリアばかりのラインナップであり、マシン特性云々、レースペース云々、タイヤのデグラデーションの差はありつつも、このグループは「各ドライバーがマシンの限界まで捻り出してこの順位」なのかなと読み取れます。この後出てくるコンストラクターズ別の平均値からもわかりますが、フェラーリは表彰台獲得自体が遠く、アルピーヌは入賞が危うい順位にいるということになります。
一方でチーム内格差が大きくみられるのはレッドブル、アストンマーティン、アルファタウリ、ウィリアムズの4チームで、マクラーレンについてはノリスとピアストリの差が平均2.67位と4チームに比べてやや小さめです。リカルドはまだ分母少ない2回の平均値のため確度は落ちますが、リカルドやデ・フリースの平均順位からみれば、角田はだいぶ健闘していることがよくわかります。

こちらは前半戦の予選から決勝でどのくらいゲインしているのか、平均値を単に引き算してグラフ化したものになります。グラフの左側(マイナス側)に振れているドライバーは予選平均順位より決勝平均順位が低い(ゲイン)ことを示し、右側に振れているドライバーは予選より決勝が高い(ロスト)ことを示します。
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ドライバーの並びを今回からコンストラクター順から決勝平均順位に並び替えると、あることに気付きます。下位が予選より決勝で順位を上げることはあまり不思議ではない(多かれ少なかれリタイヤ者がいる)ものの、平均順位上位のドライバーも予選よりゲインしている者がいます。最大飛躍を示したペレスは当然ながら(そもそも予選が悪過ぎる)トップのフェルスタッペンをはじめ、ハミルトンやアロンソもしっかり順位を削ることができています。これができるのが、速いだけではなく「強いドライバー」であり、チャンピオンを獲れるドライバーだと思います。相変わらずフェラーリ2台のロストがデカいなぁ。またヒュルケンベルグはどうても「予選屋」の例えが抜け出せなそうだ。。
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先程少し触れたコンストラクター(チーム)単位の決勝平均順位です。決勝レースにおけるざっくりとした勢力図とみてよさそうですね。レッドブルは2位メルセデスに大きな差を築き、フェラーリとマクラーレンの間にある差が後半戦はもう少し近付くことになるかもしれません。アルファタウリはポイントこそ最下位にいますが「ポイント付与(入賞)圏外の差、評価」で最下位は免れています。繰り返し、ココが「角田の頑張り」です。

《ドライバー別グループ別決勝順位変遷》
決勝のドライバー別、グループ別順位になります。予選編と同様のグループ分けで上位3チームの6人のグラフからみていきます。
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フェルスタッペンのみ唯一全戦表彰台登壇となっており、相方ペレスも決勝レースは健闘していますが、第6戦モナコGPでややリズムを失ったようにみえます。ほか、リタイヤ者がちらほらある中、意外としぶとい(笑)のがエメラルドグリーンの破線で示すハミルトンです。リタイヤ無し、全戦入賞、たまに表彰台、という手堅い戦績。誉めたくないけど、さすが。
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中団と数える3チーム6人の決勝戦績グラフになります。目立つのは緑の破線アロンソ様。前半戦の前半は表彰台登壇を続け、レースでレッドブル2人に何かあれば、久々にワンチャンあるぞという大きな期待が寄せられました。後半のヨーロッパラウンドで勢力を失ったところに割って入ったのがオレンジラインの若きマクラーレン2人。アロンソに代わってノリスが第10戦イギリスGP、第11戦ハンガリーGPで連続表彰台を獲得しました。ほかはアルピーヌのオコンがモナコGPで3位表彰台。ストロールとピアストリはあと少しのところにつけています。
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下位の4チーム9人です。最上位は第3戦オーストラリアGPのヒュルケンベルグと第8戦カナダGPのアルボンによる7位。角田は序盤に10位11位の入賞ラインギリギリをさまよう惜しい内容が続き、第12戦ベルギーGPで3回目の10位となり、3ポイント(=コンストラクターズポイント)を獲得しています。全20人(21人)で未入賞、ノーポイントはアルファタウリのリカルド(デ・フリース)とウィリアムズのサージェンの2人(3人)です。

《決勝走行周回数》
こちらは決勝レースでの走行周回数となります。この前半戦の全走行周回数は724周です。
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ポイントランキング上位に位置するフェルスタッペン、ハミルトン、アロンソの3人は全周回走破100%。さすが現役チャンピオン経験者。2周足らずのペレスとの大きな差か?!(笑)一人頑張る角田はノリスと5位タイとなる720周を消化。ノーポイントでも今のところリタイヤ無し。腐らずしっかり完走を続けています。ちなみに相方デ・フリースとリカルドの消化率は「出走レースのみ」で計上しています。デ・フリースは92.0%と並程度の位置付けですが、リカルドは99.1%(ハンガリーGPで1周足らず)と考えればまあまあ壊れず完走はできています。ただただマシンが遅いのと、戦略がフニャフニャなだけか。
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チーム単位に並べると、最多はレッドブルの1,446周で消化率99.9%。フェルスタッペン個人は724周のフルマークですので、足りないのはペ◯スの分。2つの「アルファ」はスピードは無くても信頼性はまだマシ。フェラーリとハースは予選よいよい決勝不安でどことなく似ています。アルピーヌは9位ウィリアムズに対して、54周も差が付くダントツのビリ。(当人由来ではない)同士討ちが2回(オーストラリアGPとハンガリーGP)などもありましたよね。オコンはチームの先輩として貴重な表彰台登壇を果たしますが、移籍直後から「ペナルティポイント」とも戦ったガスリーは、それが晴れつつある今もまだノリ切れていない様子。

《決勝チーム内対決》
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決勝編も最後はチーム内対決。こちらのチーム内格差最大差なったのはアストンマーティンの11対1(ストロールの1勝は第6戦スペインGP)。続いてレッドブルとウィリアムズは10対2。メルセデス、マクラーレン、アルファタウリが9対3(角田に対し、デ・フリース2勝、リカルド1勝の内訳)
逆に僅差となったのは決勝でタイヤがとにかく早くヘタる悲惨な軍団ハースが「予選屋とアニキ」でイーブン。フランス色をさらに高め幼馴染コンビを並べたアルピーヌは不慮の同士事故もあり、思ったような前半戦となりませんでした。終盤は競争力を身に付けたマクラーレンがすごい勢いで離れていきました。チーム内での優劣以前にミスやトラブルによる順位喪失は避けたいところです。

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