後半戦まとめ3回目はポイントに関するまとめです。本チャンのドライバーズ、コンストラクターズの獲得ポイントの前に、後半戦も3回行われたスプリント入賞者と獲得ポイントを確認しておきます。
《スプリント入賞者》
〈第17戦カタールGP〉
ドライバー タイヤ 変動 ポイント
1 ピアストリ M ±0 8pts
2 フェルスタッペン M -1 7pts
3 ノリス M +1 6pts
4 ラッセル S ±0 5pts
5 ハミルトン M -7 4pts
6 サインツ S +1 3pts
7 アルボン M -10 2pts
8 アロンソ S -1 1pt
1 ピアストリ M ±0 8pts
2 フェルスタッペン M -1 7pts
3 ノリス M +1 6pts
4 ラッセル S ±0 5pts
5 ハミルトン M -7 4pts
6 サインツ S +1 3pts
7 アルボン M -10 2pts
8 アロンソ S -1 1pt
〈第18戦アメリカGP〉
ドライバー タイヤ 変動 ポイント
1 フェルスタッペン M ±0 8pts
2 ハミルトン M -1 7pts
3 ルクレール M +1 6pts
4 ノリス M ±0 5pts
5 ペレス M -2 4pts
6 サインツ S ±0 3pts
7 ガスリー M -3 2pts
8 ラッセル M ±0 1pt
1 フェルスタッペン M ±0 8pts
2 ハミルトン M -1 7pts
3 ルクレール M +1 6pts
4 ノリス M ±0 5pts
5 ペレス M -2 4pts
6 サインツ S ±0 3pts
7 ガスリー M -3 2pts
8 ラッセル M ±0 1pt
〈第20戦サンパウロGP〉
ドライバー タイヤ 変動 ポイント
1 フェルスタッペン S -1 8pts
2 ノリス S +1 7pts
3 ペレス S ±0 6pts
4 ラッセル S ±0 5pts
5 ルクレール S -2 4pts
6 角田裕毅 S ±0 3pts
7 ハミルトン S +2 2pts
8 サインツ S -1 1pt
2 ノリス S +1 7pts
3 ペレス S ±0 6pts
4 ラッセル S ±0 5pts
5 ルクレール S -2 4pts
6 角田裕毅 S ±0 3pts
7 ハミルトン S +2 2pts
8 サインツ S -1 1pt
スプリントの結果については、傾向も優劣も付けにくいところでコメントも難しいですが、順位変動をみてわかる通り、決勝レースの1/3の距離とはいえ、順位を上げられるドライバーは順位を上げ、下げてしまうドライバーは下げてしまうということでしょうか。第17戦カタールGPのシュートアウトで17番手に沈んだウィリアムズのアルボンは何と10人抜きの7位入賞2ポイントを稼いでいます。これには驚きました。ちなみにアルボンの金曜予選はQ2落ちの14番手(スターティンググリッドは13番)、スプリントを挟んだ日曜決勝はトラックリミット違反によるタイムペナルティもあり、13位で終えています。
あと同じカタールGPではマクラーレンからデビューの1年目、ピアストリの「1番手トゥ1位フィニッシュ」(ポールトゥウィンと言えない)も驚きました。正式なポールポジション、優勝にカウントされないのが何とも悔しいところですが、ピアストリの才能とマクラーレンのマシンのポテンシャルを活かした大成でした。初優勝はノリスとピアストリ、どちらが先か?!
《ポイントランキング》
ここからようやく本ちゃんのポイントランキングに入ります。上記スプリントでのポイント加算を行ったドライバーズおよびコンストラクターズのポイントをみていきます。グラフの色遣いは先日の予選編、決勝編で使った各ドライバー、チームのカラーと揃えています。
〈ドライバーズポイント〉
〈ドライバーズポイント〉
まずは参考までに通期のドライバーズポイントランキングになります。GP名の赤はスプリントが催されたところになりますので、大量ポイントゲットとなれば、グラフの傾きがキツくなるのですが、、
まあ。。言うまでも無くこんなのは同じグラフにしちゃいけないわけで、、傾きの緩急やら下位チームドライバーの熾烈なポイント争いもクソもありませんね(笑)
わかりました、今回はあくまで後半戦のまとめであり「誰がどれだけポイントを稼いだか」ではなく「誰と誰がポイントランキング争いをしたか」に注目できるものにしてしまいます。もう!
トップの1人を除き、スポット参戦の1人を加えた20人の後半戦10戦のグラフにしました。え、チャンピオン様を省くとは?!先程のグラフでその1人は初めと終わりの獲得ポイントを記載しました。チャンピオン様は第13戦オランダGP時点で339ポイント、最終戦アブダビGPで575ポイントを獲得し、ランキング2位の獲得ポイントからグラフ上限値を300ポイントとした場合、グラフにすら載らないという突き抜けた結果になってしまいます。と、とにかくフェルスタッペンは頑張りました!ということで。
グラフの「オーバーをカット」してあげるだけで、グラフ傾斜も多少メリハリが出ます。毎度ながらせめてこのくらいの間隔でポイント争いしてもらいたいものですね!グラフをみる限り、全く争うことのないグループが2、3出来てきます。もう少しグループ分けと「アンダーもカット」して後半戦のランキング争いをみていきましょう。
ポイントランキング2位から8位の7人、上位グループのグラフになります。後半戦初戦のオランダGPと最終戦アブダビGPのほか、順位が入れ替わる前後のポイントも記載しました。
チャンピオンチームであるレッドブルのペレスはランキング2位も怪しいのでは、と言われた時期があったものの、結局逃げ切ることに成功。意外にもレッドブル史上初のドライバーズランキング1位2位でシーズンを終えました。アジアラウンドと母国メキシコシティGPの低調さがグラフのなだらかさを強調しています。ランキング3位のハミルトンはアジアラウンド初戦のシンガポールGPで低迷するアロンソを捕えると、ペレス捕獲に向かいますが、ハミルトン決して好調とはいえず、抜き打ち検査によるペナルティも悔やまれます。一方でハミルトンに捕えられたアロンソはシンガポールGPで優勝をもぎ取ったフェラーリのサインツ、表彰台登壇を連発するマクラーレンのノリスに詰め寄られるものの、最終的に粘りをみせてルクレールと同ポイントの4位となりました。ノリス相方ピアストリもノリスに引けをとらない速さをみせましたが、決勝となるとタイヤマネージメントの未熟さもあって、このグループに絡むことはできませんでした。しかし明るい将来が期待できる超新星であることは示せたと思います。
もう少しこのグループを掘り下げてみると、このグループは一度落っこちつつも最後に息を吹き返したアロンソの巧みさ、前半戦の後半から急にマシンの改善がみられたノリスの飛躍が目立ちます。スプリント週間を除き、比較的スムーズにポイントを稼いでいたのは紅の実線ルクレールで、イタリア、シンガポール、日本と表彰台には届かずも4位12ポイントを続け、終盤で息切れした相方サインツや飛ぶ鳥を落とす勢いのノリスがラスベガスGPでつまずいたこともあり、アロンソと同点のランキング5位となりました。ルクレールを基準にみると、伸びるノリスと振るわぬラッセルとの対比がわかりやすい。
続いてそのピアストリが抜け出すことが出来なかったランキング9位〜12位の中団グループです。ピアストリのマシンアップデートはノリスより遅れる形で導入されたわけですが、ピアストリが勢力を見せはじめたのは前半戦の第10戦イギリスGP、そしてさらに一段階ギヤを上げ、第16戦日本GPの初表彰台登壇から一気に開花してみせました。グラフの傾きからもよくわかる第17戦カタールGPは先程も書いたスプリントでトップの8ポイントを獲得、本戦決勝レースではノリスを上回る2位表彰台を獲得で18ポイントを上乗せ。この週末での獲得ポイントはフェルスタッペンの33ポイントに続く大量26ポイントを得て、それまではアルピーヌ2人やアストンマーティンのストロールに埋もれていた集団から一気に抜け出すこととなりました。
若手の勢いが注目されたマクラーレンと共に、旧友のフレンチコンビも話題となったアルピーヌはポイント推移もよく似ています。後半戦初戦のオランダGPはガスリーが37ポイント、オコン36ポイントで始まり、イタリアGPで一時期ガスリーがオコンを引き離すものの、オコンはカタールGP決勝で7位6ポイントを獲得してガスリーに再接近。ガスリーはサンパウロGPで7位6ポイントを得たと思えば、オコンはラスベガスGPで4位12ポイントを得て、最終的には2ポイント差。バチバチフレンチ(笑)
ドライバーズランキング下位にあたる13位以下は、ウィリアムズのアルボンが誰とも争うこと無く単独のランキング13位。トップスピードがウリのウィリアムズのマシンで、イタリアGP以降はやや不利かと思われたものの、長いストレートを有するカタールやメキシコシティで9位2ポイントを得て「ビリチーム脱却」に大きく貢献しました。どうしても一匹狼のアルボンがよく目立ちますが、実は後半戦における飛躍的な浮上という意味ではアルファタウリの角田も負けていません。アルボンはオランダGPから最終戦までに16ポイント得たのに対し、角田は14ポイント。角田都合の第18戦アメリカGPから最終戦でみると、アルボンが4ポイントに止まったのに対し、角田は14ポイントと、終盤戦の浮上が光ります。残念ながら22戦ではアルボンに10ポイント及びませんでしたが、シーズンが30戦くらいあれば、アルボンを超えていたかも?!(おーっと30戦?!勘弁してくれい!)
このグループのシーズン後半戦のトピックスとしては「ノーポイントドライバーが居なくなった」という点です。代打で復帰したアルファタウリのリカルドは第19戦メキシコシティGPで初ポイントを獲得。代打の代打で初参戦が叶ったローソンはシンガポールGPで9位2ポイントを得ることとなりました。また、ウィリアムズからデビューとなり、予選最下位が続いたサージェントも第一母国GPの第18戦アメリカGPで「意外な結果」とはいえ繰上げ10位が舞い込み、初入賞を果たしました。そんな中、ネガティブな話をしてしまうと、あるドライバーは唯一「後半10戦で入賞していない」ため、グラフはオランダからアブダビまで一直線に伸びています(誰の事かは皆さんの目でご確認下さい)
〈コンストラクターズポイント〉
次はコンストラクターズのポイントグラフになります。まずは通期のあるがままを。
ドライバーズの時と同様に1位と2位のチームのオランダGPとアブダビGP時点のポイントを記載しました。こういう表現したということはこの後miyabikunが何をしようとしているか、わかりますね?!(笑)あっち向いて〜、、
ホイ!!ほーら消えた。だって450ポイントどころじゃないんだもん(笑)本当に今年はレッドブル完勝イヤーでした。グラフはふざけて消してしまったけど(ふざけた、とは違うか)本当にすごいと思います。レッドブルに一旦席を外していただくと、ライバルチームの存在感が増してきます。5チーム、いや6チームかな?!一応9チームあります。こちらもやはりグループ分けしてあげないとまだ見辛いです。
2グループに分けたうちの上位、上からメルセデス、フェラーリ、マクラーレン、アストンマーティンの4チームになります。ドライバーズランキンググラフと同様に、右肩上がりのマクラーレンと、鈍化してしまったアストンマーティンの構図は変わりません。元気いっぱいのマクラーレンでも、後半戦の前半は2馬力でグラフも急激な伸びをみせますが、終盤はさすがのピアストリも経験不足からやや苦戦し、ノリス1馬力のような形となったため、アストンマーティンを大きく引き離すに至りませんでした。
また、チャンピオンを争う権利すら与えられなかったメルセデスとフェラーリも2人揃えばまあまあ似たような傾きの一次関数グラフになり、最終戦までに入れ替わること無く終結しました。メルセデスは「表には表さない同士討ち」フェラーリは「チームが選ぶ謎の戦略」が足かせになり、両者とも結果プラマイゼロ、みたいになりましたよね。あれではチャンピオンへの道はまだまだ遠いです。
終盤にグラフ右下にピンクのラインがチラッと見えていますが、時既に遅し。残念ながら次のグラフのグループにさせていただきました。
そしてこちらが10チームのうちの下位という言い方になってしまう5チーム、上からアルピーヌ、ウィリアムズ、アルファタウリ、アルファロメオ、ハースになります。
この中ではアルピーヌは単独の二桁後半から三桁のポイントを稼ぎ、一線を画す存在。ただ先程のグラフでちょっと頭を覗かせたのとは逆に、こちらのグラフ左上に一瞬見えるオレンジのマクラーレンは別世界に入り、一時期のライバル関係としてはだいぶ差が付いてしまいました。オコンとガスリーの関係以前に、マシン自体がパッとしなかった印象があります。ドライバー2人のキャリアであれば、もう少しコンスタントにポイントを得ても不思議ではありません。
残る4チームも先程のグラフに比べれば動きが見えるようになりましたが、もう少ししっかりポイント推移が確認できるよう、今回特別にグラフを用意しました。
上限値30でグラフいっぱいに頑張りが確認できるようにしています。名門ウィリアムズが上位にいるような錯覚をしてしまいます(笑)貴重な1ポイントを稼いだサージェントくんには大変失礼ですが、96%以上がアルボンの稼いだポイントです。しかしその甲斐もあって、ウィリアムズはビリチームから抜け出し、下位トップまで引き上げられたということです。アルボン様々!
ドライバーズ編でも書いたように、フェラーリ系2チームがモタついている間にアルファタウリが終盤で急上昇を果たし、そのウィリアムズまであと一歩のところに到達しました。これがチームのエース、角田がようやく真価を少しずつ発揮した証。前半戦は角田が細かく稼いだ3ポイントで単独のビリでした。ところがチームとマシンが正常に作用すると角田だけでなくリカルドやローソンも入賞圏内フィニッシュが可能となり、何とか今シーズンのビリは免れ、引き続き来シーズンへの飛躍が期待できるようになりました。ハースは2人ともベテラン揃いですが、アルファタウリもアルファロメオにも複数回優勝を経験するドライバーを擁しているわけですから、マシンとチームが上手く機能すればこの位置を彷徨い続けるわけにもいきません。先程の上位からポイントを奪いにいくことも可能です。
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
第13戦 アロンソ (アストンマーティン・M)
第14戦 サインツ (フェラーリ・F)
第15戦 サインツ (フェラーリ・F)
第16戦 ピアストリ(マクラーレン・M)
第17戦 ピアストリ(マクラーレン・M)
第18戦 ノリス (マクラーレン・M)
第19戦 ノリス (マクラーレン・M)
第20戦 ノリス (マクラーレン・M)
第21戦 ルクレール(フェラーリ・F)
最終戦 角田裕毅 (アルファタウリ・HRBPT)
第14戦 サインツ (フェラーリ・F)
第15戦 サインツ (フェラーリ・F)
第16戦 ピアストリ(マクラーレン・M)
第17戦 ピアストリ(マクラーレン・M)
第18戦 ノリス (マクラーレン・M)
第19戦 ノリス (マクラーレン・M)
第20戦 ノリス (マクラーレン・M)
第21戦 ルクレール(フェラーリ・F)
最終戦 角田裕毅 (アルファタウリ・HRBPT)
〈ドライバー・オブ・ザ・デイ獲得率〉
1 3回 ノリス (30.0%)
2 2回 サインツ (20.0%)
2 2回 サインツ (20.0%)
2回 ピアストリ(20.0%)
4 1回 アロンソ (10.0%)
1回 ルクレール(10.0%)
1回 角田裕毅 (10.0%)
最後はポイント付与には関係無いものの、ポイントでは表せない感動の証「ドライバー・オブ・ザ・デイ」の受賞者とその回数です。チーム単位の内訳はマクラーレンが2人5回、フェラーリが2人3回、アストンマーティンとアルファタウリから1人1回という結果でした。
先日の予選編、決勝編、そして今回のポイント編と普段以上にマクラーレンを誉めることが多くなってしまいましたが、誉めているのはmiyabikunだけではなく世界中のファンが認めたことだと思います。シーズン序盤ではこのような順位と走りは決して期待できなかった。でも「何らかのコツ」を掴み、マシンのアップデートに成功すると巧者ノリスだけではなく、新人のピアストリまでもが飛躍し、上位ランカーに食ってかかる走りができる。如何に現代のF1はドライバーの腕だけではなく、マシンや戦略がハマることで一気に成績に跳ね返ってくる、ということを改めて感じさせられました。また、シーズンの最後で角田が世界中のF1ファンに存在感を示せたことも、獲得ポイントやランキング以上の対価だったように思います。日本のみならず、世界中のファンはここで終わると思っていません。更なる飛躍を期待しつつ、3回に渡る「シーズン後半戦のまとめと振り返り」を〆たいと思います。
今年も残り少しとなりました。寒さも増してきましたので、身体を温かくして新たな年を迎えたいですね!
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