F1一行は何とか日本GPを終えてアジアラウンドを離れ、アメリカ大陸へと向かいました。アジア圏は日本を筆頭に中国やシンガポール、これからはベトナムを加えて、これからも継続的にF1の重要開催地として選出されていきます。成長著しい中国は2004年より上海に新設された上海国際サーキットで継続的に開催されています。今でこそカレンダーに無くてはならないGPとして定着しましたが、人口は世界最大規模、経済急成長の中国にしては、もちろん関心や政策、意図などで日本とは考えた方の違いはあるにせよ、初開催が遅いと思いませんか?!実はもう少し早く、それも上海国際サーキットではない場所で中国GP誘致を計画していたことがありました。今回は久し振りにサーキット関連となるネタ「幻の中国GP」について書きます。

中国GPの初舞台を計画していたのは「上海」ではなく、中国南部の広東省珠海市に建設された「珠海国際サーキット」です。
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《珠海国際》
  所在地 :広東省珠海市
  F1開催 :1999年〜頓挫
   一周距離  :4.319km
 コーナー数:14箇所
    開業   :1996年11月

miyabikunは中国語が英語以上に読めないのですが、珠海を日本語読みすると「しゅかい」中国語をカタカナ読みにした場合は「チューハイ」になるとのこと。サーキット名を漢字にすると「珠海國際賽車場」です。
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赤いピンの立つのがサーキットの位置になります。日本からみると上海から遠く離れ、ラオスやベトナム、フィリピンなどに近い東南アジア寄りですね。
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もう少し拡大した航空写真には香港やマカオといった都市の名前が近くにあります。珠海市はマカオGPで有名な澳門のすぐ北側の人口160万人近い大都市です。
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サーキットをいつもの通り北上の同縮尺にしてトレースしてみました。F1の「F」を左反転したような、右90°回転させて西上にすると「ウサギのかぶり物」のような形に見えますね。他にもどこかで見覚えがあるような、、さらに日本のモータースポーツファンの方ならそう思った方も多いかもしれません。
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栃木県茂木町にある「ツインリンクもてぎ」のロードコースによく似ています。そうそう、これこれ!縮尺を合わせるとスケール感も近い。ストレートの後の直角コーナーが連続し、角が2本のストップアンドゴーレイアウトといった感じ。ツインリンクもてぎは鈴鹿サーキットと同様に本田技研工業の関連サーキットです。どことなく似ているからここはもしや、、と思い調べたのですが、わかりませんでした。。たぶん関係は無さそう。

中国初のF1誘致を目指して1996年11月に開業、1999年第2戦になる予定でしたが、結局うまくいかず、それから5年後の2004年に開業したヘルマン・ティルケ監修の上海国際サーキットまで初開催は待たれることとなりました。
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こちらがご存知の上海国際サーキット。並べてみると、上海は豪華設備にかなりの費用を投じたようですが、レイアウトは実にコンパクトにおさめられており、スケール感は同じくらい。ただ、上海には回り込むコーナーや長いストレート、中高速コーナーも各所に設けられ、ティルケサーキットの中では面白みのあるレイアウトだと思います。設備や集客を考えて、もし珠海サーキットで初開催されていたとしても、そう回数を重ねることなく、上海に舞台を移すことになっていたかもしれません。珠海国際サーキットでF1は開催できませんでしたが、現在も現役のサーキットとして、アジアF3や中国ツーリングカー選手権に使用されているようです。
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なお次回のF1中国GPはいつもの上海国際サーキットで2020年4月19日が決勝となる第4戦に設定されています。

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