フェラーリは先日ムジェロでの第9戦トスカーナGPでF1参戦1,000戦目となり話題となりました。今回のレースはそこから200戦ほど遡った800戦目の節目を迎えた時のものです。
共に1981年生まれの29歳でまだ若さ溢れるアロンソとマッサがメモリアルマシンと記念撮影。2010年の第7戦トルコGPです。2010年レースを振り返るのは5回目、トルコGPは3回目となります。フェラーリにとってはメモリアルレースとなるわけですが、このシーズンはフェラーリが優勢とはいかず、主役はまだF1で日が浅いこちらのチームが台頭し始めた頃でした。
赤い牛に紺のカラーリングが映えるレッドブルが新勢力になりつつあります。前年2009年はウェバーとベッテルが6勝を挙げてコンストラクターズは惜しくも2位。チャンピオンとなったブラウンGPはメルセデスワークスになって消滅したため、レッドブルはこのシーズンのチャンピオンを獲得する最有力と目されていました。ところが蓋を開けてみると、これまでの6戦はマクラーレンに移籍したチャンピオンのバトンとレッドブルのウェバーが2勝、開幕戦オーストラリアGPを制したアロンソと前年ランキング2位で終えたベッテルが1勝と勝ちを分け合い、まだまだチャンピオンの行方は予想できない状況となっています。
このシーズンから徐々に流行り始め、F1のトレンドになりつつある通称「Fダクト」このトルコからレッドブルも試験的にFダクトを搭載して、チャンピオン争いに力を注いでいきます。トルコGPの行われるイスタンブールパークサーキットといえば、このコーナーの走りが必ずと言っていいほど注目されますね。F1でも屈指の難コーナーという呼び声高い「ターン8」です。フリー走行では様々なドライバーが限界を探っては、アウトサイドに弾き出されていきます。
トルコで3ポール、3勝を誇るマッサも手を焼き
マクラーレンのハミルトンもランオフエリアにスキッドマークを残しながらスピンし、グラベルに捕まっています。イン側の最適なラインから外れてしまうと、少しずつアウト側にはらみ、縁石に足をかけてスピンを招く。ターン8は決勝よりも予選のタイムアタックの時に脅威となります。
予選は第5戦スペインGP、第6戦モナコGPで連続ポールトゥウィンを飾り波に乗るウェバーがマクラーレン勢の猛追を振り切り、シーズン4回目のポールポジションを獲得。一方予選でFダクトの使用を取り止めたベッテルはマシンの不調もあって、マクラーレン2台に挟まれる形となる3番手に終わりました。サードロウには新生メルセデスからF1復帰を果たしたM・シューマッハとロズベルグが続きます。
F1フル参戦を果たしたザウバーの小林可夢偉は堂々のQ3進出で10番手。シーズン初入賞に向かって好位置につけました。
《予選結果》
1 M・ウェバー (レッドブル・R)
2 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
3 S・ベッテル (レッドブル・R)
※タイヤはブリヂストンのワンメイク
このトルコも勝ち、三連勝すればチャンピオン争いが有利に働く。トップでターン1に進入することに全力を注ぐ面持ち。
奇数側のレッドブル2人は好スタートを決めていますが、偶数側となったマクラーレンは走行ライン外で加速が鈍り、ハミルトンはベッテルに、バトンはシューマッハに先攻を許してしまいます。
ただ2周目に入るまでにマクラーレン2台も予選順位に復帰を果たし、レッドブル、マクラーレン、レッドブル、マクラーレンの順で隊列を組み、5位以下との差を広げ始める。
順位変動も無く至近戦が続き、15周目に入ったところで3位のベッテルがレースの錯乱に期待し、真っ先にピットに入ります。
一人逃げされては困ると、トップのウェバー、2位ハミルトンも翌周にピットへ。
ベッテルがコントロールラインを通過。
ウェバーとハミルトンの間に割って入り、ベッテルはハミルトンに対してアンダーカットを成功させて暫定3位になります。
トップ集団から一歩遅れる形となったバトンは18周目にピットを終え、定位置の4位に復帰。
またもや4台一帯の隊列をなしていきます。ハミルトンは無線でタイヤを労るように指示を受けています。そう、イスタンブールパークは強烈な横Gとハードブレーキングを要するため、タイヤにも燃費にも厳しめ。
また長いストレートの先のターン12もパッシングポイントの一つです。指示はあったけどアウト側から果敢にベッテルを攻めるハミルトン。
小さくタイヤスモークを上げイン側につけず、ベッテルをパスできず。F1ドライバーたる者、目の前に獲物を捉えるチャンスを得れば、指示を無視することもしばしば。
37周目にファステストラップを記録したベッテルもウェバーを捉えるタイミングを見計らっています。そして40周目に恐れていたことが起きる。
インに並んだベッテルはアウト側にやや振り、ターンインを控えるアウト側のウェバーのタイヤが触れ合ってクラッシュ!
2台もろともランオフエリアにはじき出されて、その隙にマクラーレン2台が前に立つ。
ウェバーは3位でトラック復帰できましたが、ベッテルはリタイヤ。くるくるーっと回ってしまったよと。
先生が頭を抱えるのも当然。つまらぬ同士討ちであっさりとマクラーレン2台に前を明け渡してしまったのだから。
労せずワンツー体制を得たマクラーレン2台もずっと至近戦を繰り広げていました。バトンだって勝ちたい。ターン12に向かってアウト側から攻める!
ちなみに路面に残るスキッドマークは先程の同士討ちの痕跡です。
近い!
でも決して触れ合わない。バトンが前か?!
メインストレートで今度はハミルトンがイン側から
ターン1もギリギリ!ちゃんと相手のスペースを空けてバトルしています。
実にフェアでチャンピオン経験者らしい巧みな攻防戦をみせてくれました。2つのチームメイトバトルは対照的な結果を生む形となりましたね。華麗なるマクラーレンの逆転ワンツーフィニッシュとなり、チームメイトバトルに競り勝ったポールスタートのウェバーは「レースとして」は敗者という複雑なレースに終わりました。ほか、記念すべき800戦目のフェラーリはマッサ7位、アロンソが8位に終わり、ザウバーの小林は予選順位そのままの10位入賞を果たしています。
《決勝結果》
1 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
2 J・バトン (マクラーレン・M)
3 M・ウェバー (レッドブル・R)
あはは、言われている(笑)
LH「彼らには何があったかわからないが、、」
MW「ん?彼らとは、誰のことカナ」
将来の期待大きいベッテルちゃんはまだ22歳
お兄さんウェバーは11歳年上の33歳。シーズン最速であろうマシンを操る2人の「出来事に対する考え方」は異なる様子。チームメイトバトルをスマートにこなしたマクラーレン2人との違いは「まだチャンピオンを獲得したことがない」点。フェアなバトルが出来ることもチャンピオンに必要な資質です。
共に1981年生まれの29歳でまだ若さ溢れるアロンソとマッサがメモリアルマシンと記念撮影。2010年の第7戦トルコGPです。2010年レースを振り返るのは5回目、トルコGPは3回目となります。フェラーリにとってはメモリアルレースとなるわけですが、このシーズンはフェラーリが優勢とはいかず、主役はまだF1で日が浅いこちらのチームが台頭し始めた頃でした。
赤い牛に紺のカラーリングが映えるレッドブルが新勢力になりつつあります。前年2009年はウェバーとベッテルが6勝を挙げてコンストラクターズは惜しくも2位。チャンピオンとなったブラウンGPはメルセデスワークスになって消滅したため、レッドブルはこのシーズンのチャンピオンを獲得する最有力と目されていました。ところが蓋を開けてみると、これまでの6戦はマクラーレンに移籍したチャンピオンのバトンとレッドブルのウェバーが2勝、開幕戦オーストラリアGPを制したアロンソと前年ランキング2位で終えたベッテルが1勝と勝ちを分け合い、まだまだチャンピオンの行方は予想できない状況となっています。
このシーズンから徐々に流行り始め、F1のトレンドになりつつある通称「Fダクト」このトルコからレッドブルも試験的にFダクトを搭載して、チャンピオン争いに力を注いでいきます。トルコGPの行われるイスタンブールパークサーキットといえば、このコーナーの走りが必ずと言っていいほど注目されますね。F1でも屈指の難コーナーという呼び声高い「ターン8」です。フリー走行では様々なドライバーが限界を探っては、アウトサイドに弾き出されていきます。
トルコで3ポール、3勝を誇るマッサも手を焼き
マクラーレンのハミルトンもランオフエリアにスキッドマークを残しながらスピンし、グラベルに捕まっています。イン側の最適なラインから外れてしまうと、少しずつアウト側にはらみ、縁石に足をかけてスピンを招く。ターン8は決勝よりも予選のタイムアタックの時に脅威となります。
予選は第5戦スペインGP、第6戦モナコGPで連続ポールトゥウィンを飾り波に乗るウェバーがマクラーレン勢の猛追を振り切り、シーズン4回目のポールポジションを獲得。一方予選でFダクトの使用を取り止めたベッテルはマシンの不調もあって、マクラーレン2台に挟まれる形となる3番手に終わりました。サードロウには新生メルセデスからF1復帰を果たしたM・シューマッハとロズベルグが続きます。
F1フル参戦を果たしたザウバーの小林可夢偉は堂々のQ3進出で10番手。シーズン初入賞に向かって好位置につけました。
《予選結果》
1 M・ウェバー (レッドブル・R)
2 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
3 S・ベッテル (レッドブル・R)
※タイヤはブリヂストンのワンメイク
このトルコも勝ち、三連勝すればチャンピオン争いが有利に働く。トップでターン1に進入することに全力を注ぐ面持ち。
奇数側のレッドブル2人は好スタートを決めていますが、偶数側となったマクラーレンは走行ライン外で加速が鈍り、ハミルトンはベッテルに、バトンはシューマッハに先攻を許してしまいます。
ただ2周目に入るまでにマクラーレン2台も予選順位に復帰を果たし、レッドブル、マクラーレン、レッドブル、マクラーレンの順で隊列を組み、5位以下との差を広げ始める。
順位変動も無く至近戦が続き、15周目に入ったところで3位のベッテルがレースの錯乱に期待し、真っ先にピットに入ります。
一人逃げされては困ると、トップのウェバー、2位ハミルトンも翌周にピットへ。
ベッテルがコントロールラインを通過。
ウェバーとハミルトンの間に割って入り、ベッテルはハミルトンに対してアンダーカットを成功させて暫定3位になります。
トップ集団から一歩遅れる形となったバトンは18周目にピットを終え、定位置の4位に復帰。
またもや4台一帯の隊列をなしていきます。ハミルトンは無線でタイヤを労るように指示を受けています。そう、イスタンブールパークは強烈な横Gとハードブレーキングを要するため、タイヤにも燃費にも厳しめ。
また長いストレートの先のターン12もパッシングポイントの一つです。指示はあったけどアウト側から果敢にベッテルを攻めるハミルトン。
小さくタイヤスモークを上げイン側につけず、ベッテルをパスできず。F1ドライバーたる者、目の前に獲物を捉えるチャンスを得れば、指示を無視することもしばしば。
37周目にファステストラップを記録したベッテルもウェバーを捉えるタイミングを見計らっています。そして40周目に恐れていたことが起きる。
インに並んだベッテルはアウト側にやや振り、ターンインを控えるアウト側のウェバーのタイヤが触れ合ってクラッシュ!
2台もろともランオフエリアにはじき出されて、その隙にマクラーレン2台が前に立つ。
ウェバーは3位でトラック復帰できましたが、ベッテルはリタイヤ。くるくるーっと回ってしまったよと。
先生が頭を抱えるのも当然。つまらぬ同士討ちであっさりとマクラーレン2台に前を明け渡してしまったのだから。
労せずワンツー体制を得たマクラーレン2台もずっと至近戦を繰り広げていました。バトンだって勝ちたい。ターン12に向かってアウト側から攻める!
ちなみに路面に残るスキッドマークは先程の同士討ちの痕跡です。
近い!
でも決して触れ合わない。バトンが前か?!
メインストレートで今度はハミルトンがイン側から
ターン1もギリギリ!ちゃんと相手のスペースを空けてバトルしています。
実にフェアでチャンピオン経験者らしい巧みな攻防戦をみせてくれました。2つのチームメイトバトルは対照的な結果を生む形となりましたね。華麗なるマクラーレンの逆転ワンツーフィニッシュとなり、チームメイトバトルに競り勝ったポールスタートのウェバーは「レースとして」は敗者という複雑なレースに終わりました。ほか、記念すべき800戦目のフェラーリはマッサ7位、アロンソが8位に終わり、ザウバーの小林は予選順位そのままの10位入賞を果たしています。
《決勝結果》
1 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
2 J・バトン (マクラーレン・M)
3 M・ウェバー (レッドブル・R)
あはは、言われている(笑)
LH「彼らには何があったかわからないが、、」
MW「ん?彼らとは、誰のことカナ」
将来の期待大きいベッテルちゃんはまだ22歳
お兄さんウェバーは11歳年上の33歳。シーズン最速であろうマシンを操る2人の「出来事に対する考え方」は異なる様子。チームメイトバトルをスマートにこなしたマクラーレン2人との違いは「まだチャンピオンを獲得したことがない」点。フェアなバトルが出来ることもチャンピオンに必要な資質です。