日本GPを終え、出遅れた決勝の記事に負けず劣らずで今年の5月に書いた「佐藤琢磨のスパークプラグ」のCMネタへのアクセスを多く頂いています。なぜかは言いませんが、皆さんまさしく今関心のある話題かもしれません。ありがとうございます(笑)

結果は皆さんご存知の通りで今シーズンも残りアメリカ系3つと夜の中東1つで終わりです。シーズン開幕前と夏休み期間に素人ながらああでもない、こうなるといいなと考えて、想像以上の展開で気は早いですが残念です。せっかく無敵艦隊を倒せるチャンスなのにー!ってまだ早い?!可能性はゼロではない?!確かに、おっしゃる通りです。まだ無くはないです。この先何があるかわかりません。今回は多くの方が微かな希望を持っているであろう2017年シーズンの「可能性」について、ドライバーズとコンストラクターズでみていきたいと思います。
《第16戦終了時のドライバーズランキング》
   1 ハミルトン(メルセデス・M)    306
   2 ベッテル    (フェラーリ・F)     247
   3 ボッタス    (メルセデス・M)    234
   4 リカルド    (レッドブル・TAG)192
   5 ライコネン(フェラーリ・F)     148
   6 フェルスタ(レッドブル・TAG)111

こちらが言わずと知れた今日現在の三強、6人、100点以上のドライバーズポイントランキングです。見よ、このフェラーリの赤グラフ2本の停滞具合!お見事というか、肝心な時期に完全にハマってしまっていることがよく分かりますよね。いくら仲良しでも、そこまで合わせなくたっていいのに。相反してフェルスタッペンの元気なこと。MAX!といった具合に上向きにピーンと、若い!そして今更遅ーい!この中では3つのグループに分かれていきます。

①自力でチャンピオンの獲得が可能な者
    ・ハミルトンのみ
②他力が必要でチャンピオンが可能な者
    ・ベッテル、ボッタスの2人
③数字上チャンピオン獲得が不可能な者
    ・リカルド、ライコネン、フェルスタ以下

チャンピオンをどうにかして手中に収めることができるのは3人です。トップのハミルトンが306ポイントで頭一つ出ていて、2位ベッテルは59離れた247ポイント。3位はトップから72、ベッテルとは13と徐々に近付き始めたボッタスの234ポイントとなります。残り4戦ですから、最大で100ポイント獲得可能なので、ここまでは数字上可能となります。
ではその3人はどんなシチュエーションが必要なのか、いくつかの例でみていきます。

①ハミルトンがチャンピオン獲得に必要な条件
    VS ベッテル
    →4戦で42ポイント以上を獲得
       ベッテルが他で何してもチャンピオン

ハミルトンは今後優勝する必要は無くなりました。もちろん全て勝ってもらっても一向に構いませんが、つまらなくなるだけです。F1グランプリならぬハミ1グランプリと化します(笑)要はハミルトンはベッテルがいかなる順位でも残り42ポイント以上を獲得し、確実にベッテルが届かない領域にもっていけば、トドメをさせます。それは序盤の2戦の北アメリカでもいいし、最終の「フェラーリ第二の本拠地」まで目一杯引っ張っても同じです。ハミルトンは今やかなり余裕です。ただハミルトンが気をつけなければならないのは、今後のレースによりますが、ベッテルが4レース全て優勝した時で、ハミルトンが現在8勝、ベッテルが4勝で4勝を加えると8勝で並び、347点同点となると、2位を獲得した数で決まります。現時点でハミルトンは2位3回、ベッテルが2位5回となるため、41ポイントに留まると並ばれて負ける可能性があります。

②ベッテルがチャンピオン獲得に必要な条件
    VS ハミルトン
    →4戦全て優勝が基本
       ハミルトン41ポイント以下でチャンピオン
    →仮に1レース優勝を失い2位となった場合
       ハミルトン33ポイント以下でチャンピオン

さっきのハミルトンの裏返しになるわけですが、ベッテルはもう獲得条件に上限があり、最大で100ポイントの347ポイントが限界です。ハミルトンからしてみれば逆算で41ポイントで同点となり、42ポイントから完全に逆転できるわけですから、ベッテルはハミルトン次第となってきます。先日の日本GPまでは優勝することでその許容がありましたが、ご存知の通りもう無くなりました。仮に優勝でなく2位で終えても、以下ハミルトン如何によって全くないわけではありません。ただその分ハミルトンのハードルも下がり、1,2戦サボったりエンジンをピカピカに替えて最後尾スタートとするなど、遊んでてもチャンピオンになれる可能性を広げてしまうだけ。ここ数戦のフェラーリの怠惰を考えたら、2位や3位でもなんて逃げの考えを持っていたらダメだ、チャンピオンに返り咲きたいならフェラーリよ4戦全て勝ちに来い!

③ボッタスがチャンピオン獲得に必要な条件
    VS ハミルトン
    →4戦全て優勝が基本
       ハミルトン22ポイント以下でチャンピオン
    VS ベッテル
    →4戦全てでベッテルより前でフィニッシュ
       ベッテルを1ポイント上回りチャンピオン

ボッタスは当然ながらベッテルより条件が辛いです。何せ最大のライバルが「前からチームに所属しランキングも先行した」チームメイトですもんね。先日の日本GPも戦略差があるとはいえ、フォーメーションにもちゃんと従いました。あの姿勢からみていると、チームもハミルトンもボッタス自身も、ボッタスのチャンピオンの線は考えていない様子にみえます。この期に及んでハミルトンでなくボッタスがチャンピオンを持っていったなら、ベッテルが取るより賞賛しそう(笑)ボッタスの場合は対ハミルトンだけではなく、まだ上にいるベッテルも考えなければなりません。自身が全て優勝は絶対にではないけどほぼ必要条件です。かつハミルトンは合計22ポイント以下のポイント獲得(1戦平均6ポイントで平均7位フィニッシュ)程度となり、さらにはベッテルより前でのフィニッシュ(今の得点差は13点なので1戦平均4ポイント以上の差)が必要です。考えただけで頭が痛くなって、スタートでクラッチ繋ぐのもビクビクしそうだ。

《第16戦終了時のコンストラクターズランキング》
   1 メルセデス・M                      540
   2 フェラーリ・F                       395
   3 レッドブル・TAG                  303
   4 フォース・インディア・M    147

最後にコンストラクターズチャンピオン争いもみてみます。数字が大きくてピンと来ないですよね。優勝と2位のワンツーフィニッシュ時には1レース最大で43ポイント獲得できますから、あと4戦と考えるとまだ172ポイント上乗せできます。とみたとしても、今の時点でチャンピオンを獲得できる可能性があるのがメルセデスとフェラーリの2チームだけ。レッドブルは信頼性不足と冷静さを欠いたレースの続くスロースターター過ぎたため、既に没シュートになりまーす(笑)

①メルセデスがチャンピオン獲得に必要な条件
    VS フェラーリ
    →4戦で27ポイント以上を獲得
       フェラーリ4戦全勝でもチャンピオン

フェラーリはベッテルでもライコネンでも4戦全勝で172ポイントを加えて567ポイントまでは達することができます。ということはメルセデスは単にフェラーリを1点でも上回ればチャンピオンです。現時点で540ポイントですから、568ポイントまでは28ポイント(優勝1つと8位1回)で上回ってしまいます。極論からいけば、次の第17戦アメリカGPで決められなくもない。いつものワンツー、もしくは2人で表彰台に登壇したら一発ツモです。また仮にフェラーリに全勝されても同点の567ポイントでチャンピオンになれます。ハミルトンが8勝、ボッタスが2勝の計10勝となり、現時点でベッテルの4勝に4勝を加えても8勝が限界だからです。うーん、ライコネンの優勝がないのはイタいですね。

②フェラーリがチャンピオン獲得に必要な条件
    VS メルセデス
    →4戦全て優勝が基本
       メルセデス26ポイント以下でチャンピオン

さっきのメルセデスの逆です。フェラーリは同点にされては勝てません。自力で4戦全勝しつつ、他力本願メルセデスがたったの26ポイントまでで終えてくれたら、ギリギリ逆転チャンピオンです。4戦もある中でハミルトンが優勝を1回で留めて、ボッタスが10位1回キリで終えてくれるチームとマシンでしょうか?!ドライバーズの方もさることながら、コンストラクターズはもっともっと至難の業にみえます。それもこれも、先日までのアジア3連戦のブレーキが相当な痛手でした。あとの祭り。


いかがでしょうか。ベッテルもフェラーリも決して可能性はゼロではありません。が、かなり厳しい状況にまで追い込まれました。本当はこれは先日の自力チャンピオンの微かな可能性のあった日本GP前にやろうと思っていましたが、時間が限られていたのと、まさか日本GPであんなコケ方をすると予想していなかったので、今更感はあるかもしれません。
最近ミスの多いmiyabikunなので、もし試算や可能性など誤っていたら優しく教えて下さい。