12月は忙しかったですね。。12月中旬までレースを観戦し、この10日ほどでデータ整理し、一年の戦績とグラフや数字とにらめっこ。おまけに何気に仕事も忙しく、結構堪えました。。miyabikunは今年「大台に乗った年」でもありますから、目にもだいぶきています(笑)そんなことはさておき、2020年も残り数時間で終わります。今回は毎年恒例の「F1シーズンの印象ベスト5」を5位から順に書いていきます。皆さんの印象とさほど遠からずだと思いますが、シーズンを振り返りながらご覧下さい。

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5.ホンダが2021年シーズンにてF1撤退を発表

昨シーズンからレッドブル、トロ・ロッソ(現 アルファタウリ)の2チームに供給を開始し、ホンダ第四期に優勝を果たしたホンダ。大幅レギュレーション変更を前の2021年シーズンをもってF1から再々々々度「撤退」を発表しました。レッドブルグループとの強力かつ協力的なタッグでようやく優勝や表彰台を獲得するまでになってなぜ、と疑問と落胆するファンや関係者も多かったと思います。もちろんmiyabikunもその一人で間違いありませんが、どこか「ああまたか」という変な諦めと割り切りの気持ちもあったりします。今までmiyabikunは第二期、第三期もリアルタイムで耳にしており、そのショックは回を重ねるごとに小さくなっているのは事実あると思います。前にも似たようなことを書いたことがありますが、こういうのが想定されるからmiyabikunは大好きなブランド、メーカーでありつつも「ホンダ、ホンダ」と熱を入れてこなかった、少し距離を置いた目線で応援してきました。
F1は「自動車レースで世界を転戦して、ドライバー、チームの世界一を決めよう」というものであると同時に、メーカーによっては「技術力を世界に広告しよう」という目論見が少なからずありました。世界を転戦し、そこで圧倒的な速さや強さで優勝を挙げれば、F1に興味が無い方にとっても「F1で勝てるメーカーの車であれば間違いない」という好印象を与えられます。しかし日本のみならず全世界のユーザーや視聴者達は以前のそのような考えとは少し異なってきました。地球環境に優しく、如何に安全で快適な「道具」であるのかに焦点が移りつつあります。この先の目標とされているカーボンニュートラルの思想、さらにF1を運営するにあたり様々なコストが高騰しているという現実を考えると、F1に参戦する意義が的外れであるという結論は決して間違いであるとも言い切れません。世界的に知名度はありつつもホンダは「F1屋さん」ではない日本の一企業です。社員や株主など多くの方々と関わり、存続していかなければならないことを考えると、この決断を否定したり悲観するのもできません。
第三期も環境問題にクローズアップしたにも関わらず、参戦してまだそう日が経たないのにまたその理由かよ、とツッコミたくなる怒りはさておき、ホンダほど出たり入ったりを繰り返すメーカーは長いF1の歴史においても珍しい会社です。それはどこか「ホンダはレース屋である」という過去の社風と「皆に愛されるメーカーである」という立ち位置で揺れ動いているが故の決断なのだなと想像しています。撤退を惜しむ声、違った形での継続や再々々々参戦を待つ声もあるかと思いますし、ファンの方を敵に回す発言かもしれませんが、miyabikun個人的には「F1はもういいんじゃないか」という気持ちが今一番強いです。無理して参戦しなくてもいい、もう参戦しないでほしい、ホンダのF1での輝かしい歴史や活躍はわかっているから自動車をはじめとした次世代工業機械の発展に注力してほしいと思うのが本音です。その代わり、来シーズンは「本当の本当に最後」として、手強いメルセデスの鼻を明かせる走りを見せてほしいと願っています。

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4.中団チームから初優勝、初表彰台獲得者続出

近年続く鉄壁なるメルセデス&ハミルトン中心で繰り広げられるF1が慣れっこになり、半ば飽き飽きしているファンや関係者も多いと思います。結局のところ今シーズンも圧倒的な大差でこの2つがシーズンを制したわけですが、異例といえる今シーズンでいくつかの喜びや感動を感じることができました。それは「初優勝、初表彰台」のフレッシュな話題です。
まず初めは遅れ馳せながら開催された第1戦(開幕戦)オーストリアGPでマクラーレンの若手ノリスによる初表彰台から始まりました。予選はメルセデス2台とフェルスタッペンが占め、いつも通りの内容で終えたわけですが、決勝直前に2番手ハミルトンの黄旗無視ペナルティによりノリスが3番手スタートをゲット。スタートは一時期2番手のフェルスタッペンを食う勢いをみせ、昨年の相方サインツに続く初表彰台を獲得、マクラーレンの復調を象徴する結果をもたらしました。
第8戦イタリアGPはドライ環境ながらトップを走るハミルトンに意外なペナルティや赤旗中断などレースは荒れ、トップに立ったアルファタウリのガスリーが辛抱強いレース運びをし、サインツの追い上げを振り切り見事初優勝。続く第9戦のムジェロで初開催となるトスカーナGPも多くのリタイヤを生んだクラッシュがあり、荒れながらもようやくレッドブルのアルボンが表彰台に乗りました。
また終盤にハミルトン不在の中、新レイアウトで二週連続開催となった第16戦サクヒールGPではまさかのメルセデス2台が崩壊。1周目の接触で最後尾にまで陥落したレーシングポイントのペレスがまさかの参戦10年目、192戦目となる悲願の初優勝を挙げ、絶望的と思われた来シーズンのシート奪取にも成功しました。
勢力図の入れ替わりとまではいきませんでしたが、これらの「初」はメルセデス主導のF1に少なからずの刺激を与え、また多くのドライバーやF1関係者にも明るい兆しとしてみえたと思います。何事においても初顔ぶれや変化があった方が面白いし盛り上がる。F1もまだ捨てたモンじゃないなと再認識させられる嬉しい出来事でした。来シーズンはまたドライバー変更が行われ、新しい顔ぶれや久々に復帰するドライバーもいます。さらなる変化に富んだレースを演出してくれることに期待したいですね!

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3.初開催、復活開催、レイアウト変更によるGP開催

今年はF1のみならず全世界のイベントや我々個人の生活スタイルにまで影響を及ぼす出来事がありました。世界を転戦するF1も例外無く被害を被った一つですが「開催できるサーキットを探して開催する」といった手段でどうにかシーズンを開催させました。まさか「今までに開催したことの無いサーキットでレースをやろう」という試みに出るとは、開幕戦オーストラリアGP中止の時点では思いもよりませんでした。
F1においても名前だけは有名なイタリアのムジェロサーキットは今までじっくりと見たことはありませんでしたが、長い直線に起伏に富んだオールドサーキットでドライバーの腕とマシンセッティングに気を遣うどこか懐かしい雰囲気のあるレイアウトだったと思います。ポルトガルGPとして行われたアルガルヴェ国際サーキットはこれでもかと言わんばかりの起伏で近年のF1には無い動きがみられるサーキットでしたね。また近代サーキットでも復活の呼び声高いトルコのイスタンブールパークサーキットは残念ながら再舗装がレースのあやとなり、荒れたレースを演出。終盤のバーレーン国際サーキットのアウタートラックもF1で初解禁され、1分を切る87周にも及ぶ異例のレースが組み込まれました。
本来は選ばれなかったであろうサーキットやレイアウトをふんだんに盛り込み、我々ファンのみならずドライバーやチームにとっても手探りで刺激的なシーズンを迎えられました。世界にはF1を開催することが許されたグレード1サーキットはまだいくつかあり、また少し改良することで許可が下るグレード2サーキットが沢山あります。F1誘致にはサーキットだけではない問題が山積みされていますが、開催に消極的な土地を無理矢理説得するのでは無く、既存の素晴らしいサーキットを選定し、少しでも開催しやすい環境にして取り入れる。そんなやり方があってもいいんじゃないかと考えさせられる一年でした。初開催サーキットが決まれば決まったでmiyabikunはちょこっとばかし大変になるんだけどね(笑)

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2.ハミルトン最多勝更新と7回目チャンピオン

あまりネタにするのも悔しいのですが、あんな大記録を更新されては、話題に出さないわけにもいきませんね。キングことハミルトンのF1最多勝更新と、最多タイとなったチャンピオン獲得についてです。
今までM・シューマッハの打ち立てた7回チャンピオンならびにF1での91勝は頭一つ二つ突出した大記録であっただけに、更新は難しいと考えられていたものでした。速い、強いだけではなく、ドライバー一人が秀でていてもなせる業では無く、チームが一丸となってようやくあの領域に達することができるからです。
振り返ればデビュー前、そしてデビュー直後の話題性やインパクトはシューマッハよりハミルトンの方が大きかったように記憶しています。だってまだF1に乗ることができない少年時代から、トップチームのマクラーレンが目をかけるなど、これまでそう聞いたことないことでした。将来の活躍を期待された先輩を押し退け、約束通りマクラーレンからデビューし、それも前年チャンピオンと肩を並べる走りをした時点で「これは只者ではない」と目を疑ったものです。2年目でギリギリながらチャンピオンを獲得した後はトップチームにいながらも常にいいシーズンばかりを迎えていたわけではありませんでした。そこで若かりしハミルトンは攻めのタイミングやタイヤの扱い方、年間通じてのライバルとの戦い方を身に付け、先見の明もありワークスチームであるメルセデスに移籍を決めるなど、ここまでに到達するまでに虎視眈々と準備を整えてきたのもこの大記録に到達する重要なプロセスでした。
ハミルトンの強みは予選一発の速さのみならず、タイヤと会話し、タイヤが一番イキイキと仕事する環境を作れることにあります。またサーキットで目にすることができる直前だけでなく、サーキット全体を俯瞰して「いつどこで何が起きているか、その時に何をすべきか」を判断、理解することに長けたドライバーだと思います。ライン採り、タイヤの使い方、旗や運営側の指示など、チームと密に連絡を取って万全の準備を行う。これを完璧に行えるドライバーだからこそ、必要なタイミングで必要な措置が採れています。これがハミルトン以上にスムーズにできる現役ドライバーはいないんじゃないかと思います。
現時点でははっきりと去就は決まっていないと記憶していますが、間違いなく来シーズンもメルセデスから参戦し、前人未到の8回チャンピオンを狙ってくると思います。今のドライバーはこのハミルトン相手にチャンピオンシップを争わなければならないので大変だと思いますが、この状況をよく思わないドライバーとチームのみが対戦の権利を持ち、また生半可な状況で倒せる相手ではないことを念頭に首取りに挑んでほしいと思っています。

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1.COVID-19蔓延による中止、延期騒動

前段でいくらか触れてしまいましたが、今シーズンのF1を振り返るにあたって、結果や内容以前に前代未聞のこの事件が何においてもついて回りますね。COVID-19による予定変更、中止や延期騒動です。ハミルトンの大記録更新以上にF1界を震撼させた大事件として、今後の歴史において必ず語り継がれるであろう出来事です。
本来の開幕戦であったオーストラリアGP開催直前の中止については、判断に相当頭を悩ませた上でのことだったことは充分察しますが、判断が遅過ぎでした。会場にはチーム関係者や多くのファンが詰め掛け、この状況下においても「F1は行われるんだ」という認識でいたタイミングです。miyabikunは仕事においてもこのような大イベントの主催を行う立場ではありませんが、もっと前の段階で判断すべきだったと素人ながら今でも思っています。その後予定していた多くのGPイベントの延期や中止の中に鈴鹿での日本GPが含まれてしまったのも大変残念なことでした。しかしながらこればかりは仕方の無い判断です。こんなことはこの先無いであろうと信じて我慢するしかありません。ただすごいなと感心したのが、この2020年シーズンは全中止と思われた矢先、7月から開催可能なGPを探して、何とかシーズンを成立させようとした動きです。その動きや判断のおかげで今年もこのような形で無事?に執り行われ、現在に至っています。多くの関係者の動きや理解を得られたからこそある現状ですから、そこは感謝しなければなりません。来シーズンもカレンダーは決まりつつありますが、まだどのように進行していくのか、無事に行われるのか、無観客試合になるのかは定かではありませんが、今年各国で成立させたGPを教訓に少しでも安全なGP開催を願うばかりです。


以上、miyabikunが個人的に印象に残った2020年シーズンの話題を5つ挙げてみました。皆さんはどんな印象を持った一年でしたでしょうか。F1どころか我々一個人の生活スタイルにまで多大な影響と変化を及ぼした大変な一年でした。繰り返しになりますが、来年は少しでもよい形でスタートできることを祈りたいですね。
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このブログ「F1 えきぞーすとのーと」も今年最後のアップになります。この一年もご愛顧頂きありがとうございました。一時期に比べ、閲覧者やコメント頂ける数も減ってしまい、書き方がよくなかったかな、頻度が減ったのがよくなかったかな、と考えてしまうこともありましたが、F1とmiyabikunの身体と頭が続く以上、ご覧頂ける方に少しでも楽しんでもらえるよう頑張っていくつもりです。まだまだ書き足りないこと、また皆さまへの感謝の気持ちでいっぱいですが、ひとまず2020年最後とさせて頂きます。この一年お付き合い頂きありがとうございました。感染予防対策を充分に採りながら、よい年をお過ごし下さい。

miyabikun

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