昨シーズンは全滅だった南北アメリカ大陸系GPが今年は開催可能の見通しですね。これで結果的に中止になったのは東アジア勢(日本、中国、シンガポール)と唯一のオセアニア(オーストラリア)ということになりました。ヨーロッパからみたら遠いけど、来シーズンは必ずや開催できると信じたいですね。今週末はリバティ・メディアからすればお膝元、来シーズンからは二開催となるアメリカGPです。日本からすると地獄の、いや早起きで「健康的な」GP観戦の季節到来となります。
昨シーズンは異例ながらイタリアによるシーズン一国二開催ならぬ「一国三開催」が生まれましたが、三開催はアメリカが発祥です。近年は一開催や行われないシーズンを繰り返しながら、テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(通称 COTA)直訳は「アメリカのサーキット」その名の通りアメリカGPとしてだいぶ定着しました。
ヘルマン・ティルケ監修により2012年に完成。その年からF1アメリカGP復活開催しました。世界に点在する著名サーキットの名物セクションをパ◯り、いやオマージュして組み合わせられたこともあってか、ティルケサーキットの中では比較的高評価を得ていますよね。ただ、最近は早くもトラック各所にハンプ(隆起)がみられていることが問題となりました。miyabikun恥ずかしながら最近知ったのですが、F1マシンがフルアタックすると、ダウンフォースや横Gにより、舗装にわだちができたり、よれたりするんですね。我々も普段幹線国道を走ると、ダンプカーが付けたであろうわだちをみかけますが、軽量なF1マシンでもその現象が起きるのを知りませんでした。軽量かつ高速のF1マシンも、荷重的には2tトラックと似たようなもんで。
反時計回り(左回り)で構成され、広めの幅員とターマック化されたランオフエリアは近代サーキットならでは。追い抜きし易い、したい気持ちにさせてくれる鋭角コーナーもいくつかあります。COTAでの歴代優勝者の予選順位をみてみましょう。
《COTAの歴代優勝者の予選順位》
12 ハミルトン 予選2番手→優勝
13 ベッテル ★ 予選P.P.→優勝
14 ハミルトン ★ 予選2番手→優勝
15 ハミルトン ★ 予選2番手→優勝 濡
16 ハミルトン 予選P.P.→優勝
17 ハミルトン ★ 予選P.P.→優勝
18 ライコネン 予選3番手→優勝
19 ボッタス 予選P.P.→優勝
★はその年のチャンピオン
「濡」は雨もしくはウェットコンディション
※予選順位はペナルティ降格を含みません
予選P.P. →優勝:4回 50.0%
予選2番手 →優勝:3回 37.5%
予選3番手 →優勝:1回 12.5%
アメリカGPは歴史が古く、COTAも定着しつつあるとはいえ、まだ開催8回ですからシンプルかつ寂しい感じになっています。最多は言うまでもなくポールトゥウィンで、その数は開催の半数にあたる4回50%。2番目は2番手で3回、そして3番目が予選3番手からが1回となります。まだ最近の話ですから、記憶にある方も多いと思いますが、2018年のフェラーリ第二期のライコネン「今のところのラストウィン」は3番手ではなかったような、、そうなんです、スターティンググリッドはフロントロウの2番手発進なんです。何でこんなことになったかというと、当時のチームメイトであるベッテルが金曜フリー走行の黄旗無視のペナルティにより、予選2番手から3位分降格して5番グリッドになったんです。だから実質ライコネンは2番手からの優勝となり、つまりは「COTAは今までフロントロウスタート以外から優勝者がない」という結論に至ります。バカスカ抜けそうな印象のサーキットでも、優勝となるとある程度「定説」というか、トップは比較的変化の少ない結果が多いということ。と、COTA編はこれで終わりっちゃ終わりなんですが、さすがに寂し過ぎます。最近過ぎて振り返るまでもないかもしれませんが、今回も下位スタートからの優勝をみておきましょう。下位という程でもないけど、一応「最下位からの優勝」にあたる2018年のアメリカGPです。
〈(一応)下位スタートから優勝を挙げたレース〉
18 ライコネン 予選3番手→優勝
このレースで5回目のチャンピオン獲得に手が届くハミルトンですが、今ではちょっと考えられないフェラーリの好走(一説にはグレーな部分もありましたが)は予選の段階から始まっていました。
決勝タイヤを決めるQ2はライコネンがウルトラソフトタイヤを装着しトップタイム。
Q3はベッテルがウルトラソフトを履いてハミルトンに食らい付きますが、0.061秒差で惜敗。先程も書いた通りベッテルは金曜フリー走行で黄旗を無視したペナルティ降格が決まっていたため、スタートは5番手に降格。ハミルトンに0.070秒敗れたライコネンがベッテルに代わって2番手発進となります。
決勝のスタートはアウト側のハミルトンがイン側のライコネンに思い切り幅寄せ。上りながらタイトに左に折れるターン1で不利なラインを強いられますが、この日のライコネンは屈しませんでした。
直進するライコネンがターン1をトップで通過し、ハミルトンの先制攻撃をかわします。レッドブルのリカルドのストップによりバーチャルセーフティカーが発動。2位のハミルトンはそのタイミングでソフトタイヤに交換するも、
ライコネンはステイアウト。フレッシュタイヤのハミルトンは猛追を続け、ピットロス分を早々に解消してライコネンの背後を攻め立てます。
それにも使い切ったウルトラソフトで耐える。11周でタイヤ交換したハミルトンに対して、ライコネンは21周目まで引っ張り、ソフトタイヤに履き替えています。
2位になればチャンピオンが決まる。ハミルトンはラップレコードを塗り替える走りでプッシュしますが、
トップのライコネンとの間にレッドブルのフェルスタッペンが居座っています。これでは得意なアメリカでチャンピオン獲得はできません。
チャンピオンの行方など関係無い(ただし、チャンピオン争いをしているのは相方のベッテル)ライコネンはスタートダッシュと1スティントでのタイヤを労る走りが功を奏し、5年振りの優勝を獲得。これが現時点でのライコネンのラストウィンレースとなっています。ポールトゥウィンでない勝ち方ってのもライコネンらしいですね。
先日の鈴鹿編と同様に今シーズン限りで勇退するライコネン持ち上げ回になりました。優勝は難しいだろうけど、残り少ないレースでワンチャン上位入賞を決めて、気持ちよく送り出してあげたいですね。
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昨シーズンは異例ながらイタリアによるシーズン一国二開催ならぬ「一国三開催」が生まれましたが、三開催はアメリカが発祥です。近年は一開催や行われないシーズンを繰り返しながら、テキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(通称 COTA)直訳は「アメリカのサーキット」その名の通りアメリカGPとしてだいぶ定着しました。
ヘルマン・ティルケ監修により2012年に完成。その年からF1アメリカGP復活開催しました。世界に点在する著名サーキットの名物セクションをパ◯り、いやオマージュして組み合わせられたこともあってか、ティルケサーキットの中では比較的高評価を得ていますよね。ただ、最近は早くもトラック各所にハンプ(隆起)がみられていることが問題となりました。miyabikun恥ずかしながら最近知ったのですが、F1マシンがフルアタックすると、ダウンフォースや横Gにより、舗装にわだちができたり、よれたりするんですね。我々も普段幹線国道を走ると、ダンプカーが付けたであろうわだちをみかけますが、軽量なF1マシンでもその現象が起きるのを知りませんでした。軽量かつ高速のF1マシンも、荷重的には2tトラックと似たようなもんで。
反時計回り(左回り)で構成され、広めの幅員とターマック化されたランオフエリアは近代サーキットならでは。追い抜きし易い、したい気持ちにさせてくれる鋭角コーナーもいくつかあります。COTAでの歴代優勝者の予選順位をみてみましょう。
《COTAの歴代優勝者の予選順位》
12 ハミルトン 予選2番手→優勝
13 ベッテル ★ 予選P.P.→優勝
14 ハミルトン ★ 予選2番手→優勝
15 ハミルトン ★ 予選2番手→優勝 濡
16 ハミルトン 予選P.P.→優勝
17 ハミルトン ★ 予選P.P.→優勝
18 ライコネン 予選3番手→優勝
19 ボッタス 予選P.P.→優勝
★はその年のチャンピオン
「濡」は雨もしくはウェットコンディション
※予選順位はペナルティ降格を含みません
予選P.P. →優勝:4回 50.0%
予選2番手 →優勝:3回 37.5%
予選3番手 →優勝:1回 12.5%
アメリカGPは歴史が古く、COTAも定着しつつあるとはいえ、まだ開催8回ですからシンプルかつ寂しい感じになっています。最多は言うまでもなくポールトゥウィンで、その数は開催の半数にあたる4回50%。2番目は2番手で3回、そして3番目が予選3番手からが1回となります。まだ最近の話ですから、記憶にある方も多いと思いますが、2018年のフェラーリ第二期のライコネン「今のところのラストウィン」は3番手ではなかったような、、そうなんです、スターティンググリッドはフロントロウの2番手発進なんです。何でこんなことになったかというと、当時のチームメイトであるベッテルが金曜フリー走行の黄旗無視のペナルティにより、予選2番手から3位分降格して5番グリッドになったんです。だから実質ライコネンは2番手からの優勝となり、つまりは「COTAは今までフロントロウスタート以外から優勝者がない」という結論に至ります。バカスカ抜けそうな印象のサーキットでも、優勝となるとある程度「定説」というか、トップは比較的変化の少ない結果が多いということ。と、COTA編はこれで終わりっちゃ終わりなんですが、さすがに寂し過ぎます。最近過ぎて振り返るまでもないかもしれませんが、今回も下位スタートからの優勝をみておきましょう。下位という程でもないけど、一応「最下位からの優勝」にあたる2018年のアメリカGPです。
〈(一応)下位スタートから優勝を挙げたレース〉
18 ライコネン 予選3番手→優勝
このレースで5回目のチャンピオン獲得に手が届くハミルトンですが、今ではちょっと考えられないフェラーリの好走(一説にはグレーな部分もありましたが)は予選の段階から始まっていました。
決勝タイヤを決めるQ2はライコネンがウルトラソフトタイヤを装着しトップタイム。
Q3はベッテルがウルトラソフトを履いてハミルトンに食らい付きますが、0.061秒差で惜敗。先程も書いた通りベッテルは金曜フリー走行で黄旗を無視したペナルティ降格が決まっていたため、スタートは5番手に降格。ハミルトンに0.070秒敗れたライコネンがベッテルに代わって2番手発進となります。
決勝のスタートはアウト側のハミルトンがイン側のライコネンに思い切り幅寄せ。上りながらタイトに左に折れるターン1で不利なラインを強いられますが、この日のライコネンは屈しませんでした。
直進するライコネンがターン1をトップで通過し、ハミルトンの先制攻撃をかわします。レッドブルのリカルドのストップによりバーチャルセーフティカーが発動。2位のハミルトンはそのタイミングでソフトタイヤに交換するも、
ライコネンはステイアウト。フレッシュタイヤのハミルトンは猛追を続け、ピットロス分を早々に解消してライコネンの背後を攻め立てます。
それにも使い切ったウルトラソフトで耐える。11周でタイヤ交換したハミルトンに対して、ライコネンは21周目まで引っ張り、ソフトタイヤに履き替えています。
2位になればチャンピオンが決まる。ハミルトンはラップレコードを塗り替える走りでプッシュしますが、
トップのライコネンとの間にレッドブルのフェルスタッペンが居座っています。これでは得意なアメリカでチャンピオン獲得はできません。
チャンピオンの行方など関係無い(ただし、チャンピオン争いをしているのは相方のベッテル)ライコネンはスタートダッシュと1スティントでのタイヤを労る走りが功を奏し、5年振りの優勝を獲得。これが現時点でのライコネンのラストウィンレースとなっています。ポールトゥウィンでない勝ち方ってのもライコネンらしいですね。
先日の鈴鹿編と同様に今シーズン限りで勇退するライコネン持ち上げ回になりました。優勝は難しいだろうけど、残り少ないレースでワンチャン上位入賞を決めて、気持ちよく送り出してあげたいですね。
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