F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:佐藤琢磨

久し振りに名車シリーズをアップしようと思います。皆さんはスーパーアグリF1チームを覚えていますか?!「純日本製F1コンストラクター」で話題になりましたよね。日本のコンストラクターはこれまでにホンダやトヨタ、コジマなど、無かったわけではありませんが、こんなにも日本に染まったコンストラクターもありませんでしたね。今回はその名の通り元ドライバー鈴木亜久里が立ち上げたれっきとしたコンストラクター、初年度2006年の「SA05,SA06」です。
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《設計》
(セルジオ・リンランド)
(マイク・コフラン)
 マーク・プレストン
 ピーター・マックール
 ※SA05の種車となるアロウズA23のデザイナーを
   カッコ書きにしました。

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《外見》
当初スーパーアグリは1年落ちとなる2005年型のB・A・R007もしくは同年のホンダRA106を流用する予定でいましたが、コンコルド協定に抵触するため使用できないという指摘を受けました。そこで何と屋外に静態保存されていた4年落ちに相当する2002年に使用したアロウズA23を使って、2006年版にカスタマイズする必要が出てしまいました。
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テスト走行を行ったSA05なる白塗りのマシンはA23そのものですね。
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同じF1マシンとて4年も時が経てば、仕様もレギュレーションも異なってきます。まずマシンの要である「エンジン」から大きく異なりました。A23が搭載していたのはV型10気筒のフォード・コスワースCR3でしたが、ギヤボックスはそのまま使用する選択をします。しかしこの2006年から規定されたV型8気筒のホンダRA806Eという「サイズが異なる」エンジンを搭載するため、エンジン自体をマウントで20mmも嵩上げするという「マシンバランス云々よりレギュレーションに無理矢理合わせ込む」という無茶苦茶な形を採らざるを得ず、それによって参戦発表からわずか150日で整えることとなりました。戦績はこの後みますが、そりゃまともに戦えるわけがないと、この時点で察しがつきます。
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第12戦ドイツGPからようやく「正式な2006年型」SA06を投入。2006年に適合するホンダのギヤボックスを搭載することでエンジンの嵩上げマウントを取り除き「適正な位置」となって低重心化が図られました。またリヤサスペンションもスチール製からカーボン製となり、徐々に2006年規格に変わっていきます。
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ハイノーズから細く伸びるフロントウィングのステー。そしてゼロキールが主流になる中、A23の特徴でもある大型ツインキールを少しずつトレンドに近付けるかのように段階的に短くし、第14戦トルコGPから進化系のSA06Bを名乗り、ゼロキールに変貌を遂げる姿勢は「限られた資金の中、出遅れを懸命に対応していく努力」が見受けられました。

カラーリングは日本のナショナルカラーでもある白を基調とし、日の丸にも使用される赤でロゴマークにも使用される造形でマシンにアクセントを加えた躍動感あるものとなっています。日本を象徴する「歌舞伎のメイク」みたいですね。SA05は白が前面に表れた配色でSA06はノーズ上部が赤で塗られているため、識別は容易です。
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肝心なスポンサーはソフトバンクをメインとし進めていたものも破談となりますが、大手広告代理店の電通によって小口スポンサーを積み重ねることで進められました。マシンにはアデランスやアサヒ飲料、朝日ソーラー、全日空、英会話のECC、また亜久里でお馴染みのオートバックスなど著名な日本ブランドがマシンに「粛々と」入っています(笑)

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《シャシー》SA05、SA06とも
 全長:4,666mm
 全幅:1,800mm

 全高:   950mm

 最低車体重量: - kg

 燃料タンク容量: - ℓ
 ブレーキキャリパー:AP
 ブレーキディスク・パッド:ヒトコ
 サスペンション:フロント プッシュロッド
          リヤ    プッシュロッド
 ホイール:BBS
 タイヤ:ブリヂストン

《エンジン》V型8気筒・バンク角90度
 
排気量:2,396cc(推定)
 最高回転数:19,600rpm以上(推定)
 最大馬力:544馬力(推定)

 スパークプラグ:NGK
 燃料 / 潤滑油:エネオス / カストロール

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《ドライバー》
 No.22 佐藤琢磨(全戦)
 No.23 井出有治(第1〜4戦)

    フランク・モンタニー(第5〜11戦)

    山本左近(第12〜18戦)

《戦績》
 0ポイント コンストラクター11位
 (10位1回、12位1回、13位2回、14位1回ほか)
 ポールポジション0回

エースドライバーには表彰台登壇歴もある佐藤琢磨を起用。ワークスホンダに乗れなかった悔しさを存分にぶつけます。また日本でならし、フランスにも渡った経験を持つ井出有治を並べて「F1史上初の日本人コンビ」として最高峰カテゴリー参戦となりました。チーム代表、エンジン、ガソリン、タイヤに留まらずドライバー2人まで日本人という、まさに「日本ブランド尽くし」のラインナップ。
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序盤は先述のような「付け焼き刃」が露呈され、開幕戦バーレーンGPはエース佐藤がポールのM・シューマッハから6秒落ちとなる20番手、井出は9秒近く離された21番手でした。22人参戦とはいえ、予選でクラッシュによりタイムを出せなかったマクラーレンのライコネンを除外すれば大きく大きく離された「ダントツのビリ」と、ほろ苦いを通り越し「激苦」なデビューランとなりました。鈴木自身もこれを望んでいないのは当然、ただこれがF1の現実でした。決勝は佐藤がトップから4周遅れの18位完走、井出は中盤にリタイヤで終えます。
それでも佐藤は開幕から3戦連続で完走を果たし、井出も第3戦オーストラリアGPで佐藤に続く13位で初完走するも、以前このブログでも振り返ったこともある第4戦サンマリノGPで「あの事件」が起きます。予選22番手でスタートした井出は20番手スタートだったMF1のアルバースのマシンを横転させる接触を起こし、リタイヤさせてしまいます。
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それが大きな引き金となり井出の「F1ドライバーとして未成熟」と指摘され、レースドライバーからの降格。さらにはシーズン中に「スーパーライセンス剥奪」という前代未聞の裁定が下るという珍事を生みました(これには諸説あり、単に井出のドライビング能力不足というだけではなく「チーム内でマシン自体の性能差があったのでは?」という意見もありました)
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ちなみに、翌第5戦ヨーロッパGPからは井出に代わりサードドライバーだったモンタニーを起用しますが、シーズン終了まで井出はチームに所属していました。その後、マクラーレンに端を発する流行のチムニーダクトを形状変更し、シーズン後半戦となる第12戦にようやくSA06を投入して先述の低重心化が図られます。それと同時に日本で活躍する山本左近をモンタニーから代えて起用し、再び日本人2人体制でグリッドに並びました。第14戦トルコGPよりSA06Bとすると、日の浅い山本も予選で佐藤を上回る位置につけ、決勝も完走を果たせるまでに成長していきました。チームの予選最上位は佐藤の第18戦アメリカGPの18位、決勝最上位は最終戦ブラジルGPでの佐藤の10位完走となっています(当時の入賞は8位まで)

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当時この話題を聞いた時、鈴木亜久里には大変失礼ですが「本当に大丈夫?!赤っ恥に大赤字をかまさないといいけど、、」というのが率直な印象でした。もしかしたらmiyabikun以外にもそう思った方も少なくはないと、思いたい(笑)やる気に満ち溢れた佐藤琢磨の行く末を「誰か」に押し付けられたのかな。いずれは「どこか」のセカンドチームに呑み込まれてしまうのではないか、と応援より心配や半信半疑な思いを覚えています。しかし、出始めは絵に描いたような戦績とラップペースにはなりましたが、日に日にそのギャップは縮まり、最終戦には予選でトップから2.6秒落ちまで近付きました。また参戦2年目の翌2007年の第4戦スペインGPでは佐藤が8位入賞を獲得するなど、成長する様もよく伝わりました。スポンサーマネーを踏み倒されるなど、金策には非常に苦労し、残念ながら入賞からちょうど1年後の2008年スペインGPを最後に涙の撤退となるわけですが、よくぞ短期間に、それも日本ブランドを掲げて走ってくれたと、例えわずかな時間でも「夢を叶えてくれてよかった」と思えるようになりました。これから先もF1は長く続くものだと思いたいですが、ここまで「日本」を前面に出したチーム、コンストラクターが現れることはないでしょう。日本のF1ファンにとって忘れることはない立派なF1史の一つです。
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今回はまたまた佐藤琢磨のCMです。琢磨は歴代のドライバーの中では本当に多く起用されていますよね。やっぱりイメージがいいんだろうな。ハイポトニックではない琢磨といえばホンダ。本田技研工業2005,06年に放映された「環境への取り組み」CMです。

前回のトヨタ自動車の時もそうでした。この頃から自動車のCMは「環境」「燃費」「安全」をしきりに謳い文句にしていましたね。自動車業界はそれ以前の「優越感」「パワフル」「男」というものは取り払って生き残りや新たな市場を狙っていきます。このCMもガッツリその香りが盛り込まれているように感じます。
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琢磨が握るのはスロットル。路面の溝の両サイドから電気を供給して、モーターを搭載した車が前に進む「スロットカー」いう車のおもちゃがありました。車の底部の突起が溝にはまるため、ステアリングする必要はありません。スロットルの押し具合で電圧が変化することで車速が変わります。単純な原理だけど、ミニ四駆よりこちらの方がマシン自体がリアルで小型でマシンの改造よりも「走りそのもののテクニック」を要求される速くラップするにはなかなか奥が深いおもちゃでしたね。miyabikunは持っていませんでした。
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優しい顔。それもそのはず、お相手は井川遥ですから。
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パッと見は観月ありさにも見えるけど、どちらにせよ綺麗だ。そりゃ笑顔になるわな。実は琢磨より井川遥の方が1歳お姉さんのようです。ううん大丈夫、miyabikunそんなの全然気にならない人ですから(笑)

ただ今回走らすのはおもちゃの電気の自動車ではありません。まだガソリンカーが主流の時代ですから、燃料を燃やして走っています。学生の頃の理科実験を思い出すアルコールランプがコースを走ります(こんなおもちゃはありません。CGです)
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スロットルをベタ押しすると、エコではないわけね。
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うん、なるほど。そんな琢磨の話はつゆ知らず、ベタ押しの井川遥。うーん可愛いなぁ。勝負には負けたくないもんね。ベタ押しでいきましょ。
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「ほら、見てごらん」と言いたげな琢磨。くそぅ、何だかイイカンジに見えます。そうだな、miyabikunならスロットルをベタ押しして勢い余ってコースアウトか燃料切れで勝たせちゃうカナ「さすが、遥さん!全然勝てないや」なんて言ったりして(笑)
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miyabikunの車にも燃費計は搭載されていますが、ECOモードには程遠い極悪燃費の車に乗っているのでこの燃費性能は大変羨ましいです。でも一時期燃費計を見ながら走っていたので、今では自然と低燃費走行する術は身に付いたのではないかなと思います。このCMはストリーム編でした。
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併せてもう一つのバージョンもご紹介します。こちらはインサイト編です。独りぼっちの琢磨の傍には美女がいない代わりにさっきアルコールランプがウジャウジャしています。なんだぁ、つまんないの!燃費もいいけど、これだけ集まれば琢磨の顔はかなり火で炙られているはずです。アゴのあたりにブリスターがいっぱい出来そうだ。
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リッター36kmはすごい。当時のインサイトでもmiyabikunの相棒のほぼ4倍は走る。先日、日産リーフとホンダのヴェゼルを乗り比べる機会がありました。確かにハイブリッドカーの加速も思いの外良く、若干のもっさり感はありつつもいずれはコレが自動車「当たり前」の時代になるのだろうなということは感じさせられました。ただシフトノブも慣れないし、どこか「ラジコン」っぽく感じてしまいます(乗られている方、ごめんなさい。悪口ではなく、単に妬みです)miyabikunはまだ頭の回路が平成最後ならぬ「昭和最後」の世代なのでしょう。
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最後は熱い熱いアルコールランプからも解放されて気持ち良さげな琢磨氏で〆たいと思います。これ以外にもシビックハイブリッド編のバージョンもあったりします。以上、無理矢理F1関連に結びつけた癒し系CMでした。
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https://youtu.be/uqIID71HrPg
https://youtu.be/Suexfs7VVkI


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先日のアゼルバイジャンGPではようやくアロンソが9位入賞を果たしました。依然としてコンストラクター10位で最下位ともう少しカンフル剤を打ってあげないとダメそうなので、今回は第3期ホンダで未勝利ながら最も活躍した2004年のB・A・R006やります。

《設計》
ジェフ・ウィリス

《外見》
B・A・R(ブリティッシュ・アメリカン・レーシング)は1999年にクレイグ・ポロックがティレルを買収し、マシン開発のレイナード共に誕生した「J・ヴィルヌーブと一旗あげよう」チームでした。B・A・T(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)からの潤沢な資金で満を持してデビューしますが、2001年いっぱいで言い出しっぺのクレイグ・ポロックが離れ、元チャンピオンのヴィルヌーブの成績不振をフォローする者も徐々に減ってしまいます。そして2003年をもってヴィルヌーブもチームを離れると当初の名残はタバコスポンサーとホンダエンジンくらいで経営陣もドライバーも様変わりしてこの2004年シーズンを迎えています。
2003年から2004年シーズンは今シーズンにあるような大きなマシンレギュレーション変更はなく、目立つところとしては今では考えられない「1レース1エンジン」とマシンエンドの占有面積の変更に留まっています。ウィリアムズFW26の独創的なノーズコーン(いつか改めてクローズアップします)など攻めた改良を試みるチームがある中、B・A・Rは攻めた外見ではなくあくまで前作005正常進化させて、マシンエンドの絞りや内部の信頼性やドライバビリティに力を入れてきました。
外見の特徴として、リヤウィング翼端板から少し内側にフィンを立てた「バーティカル・フェンス」なる整流板を設置(シーズン途中に禁止)し、リヤのダウンフォース減少を補完。最近もたまに騒ぐ「フレキシブル・リヤウィング」を採用しています。またエンジンや燃料タンクを下げ、さらに少しでも前方に配置させて低重心かつ前後方向の重心も極力前寄りにすることで回頭性向上とエンジンカバーの絞りをさらに詰めることに成功しています。
マシン内部では各チームで唯一フルカーボンコンポジットのギヤボックスを採用して軽量化に貢献しています。また、フロントタイヤの左右でトルクを調整できる「クラッチ・パック」なるデバイス(当初は電子制御で後に機械式に変更)をサスペンションたもとのノーズに搭載して最適なトルク伝達を行う工夫をしています。
このシーズンからタイヤをブリヂストンからミシュランに履き替えています。当時はフェラーリ&ブリヂストンが常勝でミシュランまだ劣勢の立場でしたが、シーズンで安定したポイント獲得を積み重ね、翌2005年にミシュラン勢が圧倒的な勝利を獲得したことを考えると、ある意味先見の明があったのではないでしょうか。
《エンジン》
ホンダRA004E
V型10気筒・バンク角90度
排気量:2,994cc(推定)
最高回転数:19,000rpm(推定)
最大馬力:900馬力(推定)
スパークプラグ:NGK
燃料・潤滑油:エネオス
《シャシー》
全長:4,475mm
全幅:1,800mm
全高:950mm
最低車体重量:600kg(ドライバー含む)
燃料タンク容量:150ℓ
クラッチ:ザックス
ブレーキキャリパー:アルコン
ブレーキディスク・パッド:ブレンボ
ホイール:BBS
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:ミシュラン

《ドライバー》
No.9   ジェンソン・バトン(全戦)
No.10 佐藤琢磨(全戦)

《戦績》
119ポイント コンストラクター2位
(2位4回、3位7回、4位3回、5位4回ほか)
ポールポジション1回

J・ヴィルヌーブが離脱したことにより、佐藤琢磨が開幕戦からフル参戦の権利を得ました。
開幕前テストでは好調さをアピールし、その勢いのまま開幕戦オーストラリアGPでバトンが6位入賞を果たします。第2戦でバトンは参戦5年目で3位初表彰台、第4戦サンマリノGPで初ポールポジションから2位となり、不振のマクラーレンを上回り序盤からフェラーリに次ぐ2番手チームの予感を漂わせました。
バトンは3回のリタイヤ以外は15戦で入賞、うち10回の表彰台とこのマシンがマッチングして飛躍のシーズンを迎えています。一方で佐藤琢磨は5回のリタイヤに入賞9回と、果敢にパッシングをかける勢いは見せつつ、バトンの好調と比較すると「負の流れ」を負わされるシーズンを送っています。ハイドロの改良を施し、軽量化を目指したホンダエンジンの信頼性が乏しく、ドライバー2人の明暗が分かれています。
特筆すべきは昨年のアメリカGP前に振り返った「2004年アメリカGP」で予選3番手からマクラーレンのクルサードを追い立てる走りから3位表彰台を獲得しています。先日のインディ500の優勝からも、インディアナポリスとはどこが縁のある佐藤琢磨です。
結果、コンストラクター争いはフェラーリに次ぐ2位を獲得していますが、戦績を振り返ると全18戦でフェラーリがF2004で15勝。ルノーのトゥルーリがモナコGPで最初で最後の1勝、マクラーレンのライコネンがお得意ベルギーGPで1勝、最終戦ブラジルGPではウィリアムズのモントーヤが1勝となり、B・A・Rは優勝していません。F1史でも珍しく「未勝利でコンストラクターズ2位」という成績をおさめています。例え未勝利でもランキング2位は今のホンダにとって喉から手が出るような懐かしい過去ですね。
今はなきB・A・R。その後ホンダがチームを買い取り、ブラウンGPを介して、直系の子孫となるメルセデスへと変貌を遂げています。

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佐藤琢磨は「画になる男」です。目鼻立もハッキリしているし、何より日本のトップドライバーにしてトークもソフトで高学歴、育ちもいい。そのあたりが企業としても清潔やさ真剣さ、情熱として表れて印象がいいと思います。
佐藤琢磨は先日のアサヒ飲料以外にも多くのテレビCMに起用されています。今回はしばらくお休みしていた「F1絡みのCM」でNGKを取り上げてみます。

NGKは正式には「日本特殊陶業」というエンジンの点火に用いるスパークプラグでお馴染みの愛知が本社のメーカーです。F1のみならず車好きにとっては有名な大手企業ですね。NGKといえば「日本ガイシ」という会社も略称で使っていますが、実の発祥は日本ガイシからの独立した会社です。もっというと、日本ガイシは愛知の方なら馴染みがある「ノリタケカンパニー(当時 日本陶器)」が起源で、そこから日本ガイシが独立、そして日本特殊陶業が独立したことになっています。陶器屋さんです。日本特殊陶業はNTKとも略されます。
ガイシとは電気に関わる陶器で電柱や鉄道の架線柱に付くウニウニした形の白い陶器のことです。高圧な電流を絶縁するために取り付けます。スパークプラグもガイシを使用しており、圧縮した混合気に電流を放って引火、爆発させます。
NGKスパークプラグのシェアは世界で30%近くあるようです。単純計算で3台に1台はNGK製ということになり、もしかしたら皆さんの車にも使われているかもしれません。F1においては1964年の第1期ホンダ時代に採用され、以降多くのエンジンメーカーで使用されています。現在はフェラーリSF70Hに搭載されている「Tipo 062」で今シーズンは2勝目をあげています。

本題に入ると、このCMは最近の2015年に使用していたもので、F1時代のものではありません。懐かしいという程前ではないですね。現在活躍するインディカーと共演した内容になっています。
真剣な面持ちで自動車を運転していると、やはりレーシングドライバー、鋭い目つきに変わり、突然レーシングスーツにトランスフォーム。ここがカッコいい!最近のCMだけあって綺麗で滑らかな変身を遂げます。胸にはHONDAの文字。

昨年までの愛機A・J・フォイトレーシングのホンダエンジンに搭載したNGKのスパークプラグがフル稼働し始めました。
ん?これは関係ないな。カッコいいけど。。

「WHY NGK SPARK PLUGS ?」
の問い掛けに対して、佐藤琢磨はしばし眺めて
こちらを見つめる。こ、答えないんかいっ!!(笑)わかるだろと言わんばかりに見つめられても、ねぇ。。CMを観ている皆さんで答えを見いださなければなりませんね。スパークプラグはシェアも多くモータースポーツで輝かしい成績は収めてますが、新車購入時のオプション「スパークプラグはNGKで」とオーダーする機会もなかなかないから、個人でメーカーを選べるのはメンテナンス時とかですね!替えてみて下さい、佐藤琢磨みたいにトランスフォームできるカモ?!
この動画YouTubeで観ることができます。
https://youtu.be/OD-a7BJEBG0


今年40歳になった佐藤琢磨は日本の四輪を代表するトップカテゴリードライバーの1人です。今シーズンはチームをアンドレッティ・オートスポーツに移籍し、5月28日に決勝が行われるインディ500はF・アロンソをチームメイトに迎えます。F1モナコGPがあるため、インディ500は結果のみになってしまいますが、佐藤琢磨もアロンソも活躍を期待しています。

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アメリカGPを振り返ろうとすると、どうしても現在使用されるサーキット・オブ・ジ・アメリカズのレースよりも以前のものになってしまいます。今回は2004年にインディアナポリスで行われたアメリカGP。2004年のレースを振り返るのは初です。

2004年はモナコGPでトゥルーリの優勝、ベルギーGPでライコネンの優勝、最終戦ブラジルGPでモントーヤが優勝するも、他15戦は全てフェラーリが優勝するなど、前年に続きフェラーリとM・シューマッハが連続チャンピオンを獲得し、無敵時代を築いていた頃です。
また長らく2番手チームとして対抗してきたマクラーレンに代わり、ルノーや優勝のないB・A・Rが順当にポイントを重ねてコンストラクターズランキングが上位となっています。


初夏の第9戦アメリカGPはB・A・Rが好調で、予選からフェラーリに食らいつくタイムアタックがみられました。バトンがM・シューマッハに続く2番手を獲得すると、佐藤琢磨は一時そのタイムをも上回るポールポジションを予感させる走り。
残念ながら最終セクターのバンク区間でタイムを落としてしまいましたが、スロットル全開時間が長いインディアナポリスでホンダエンジンがパワーと競争力が十分あることを証明しています。
会見で琢磨は堂々とフェラーリ2人と並び、自信に満ち溢れた表情がいいですね!


《予選結果》
1 R・バリチェロ (フェラーリ・F・BS)
2 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
3 佐藤琢磨(BAR・H・MI)

フェラーリ2台、B・A・R2台、ウィリアムズ2台と綺麗にチーム毎に並んだスタートです。2番手でイン側のM・シューマッハは3番手アウト側の琢磨を早々に牽制。走行ライン上のスムーズな加速を阻みます。9番手スタートだったルノーのアロンソに先行を許してしまいました。

スタート時の後方クラッシュ対応でセーフティカーが入り、退去するとトップのバリチェロと2番手M・シューマッハの順位が入れ替わります。バリチェロの役割は半分終了。あとは3番手アロンソとの間の壁になるだけです。

アメリカGPはいつでもどこでも何かがある。3番手に上がったアロンソはパンクからウォールにクラッシュ、そしてウィリアムズのR・シューマッハはバンクエンドのストレートでリアからウォールにクラッシュして再びセーフティカー発動。先頭のフェラーリ含め多数がピットに向かう中、B・A・R2台はコースに留まる選択をします。

ライバルに14周遅れの48周目にピットを終えた琢磨はピットアウト後にマクラーレンのクルサード、ザウバーのフィジケラ、トヨタのパニスをコース上でしっかりパス。続くは先日初優勝を獲得してノッているルノーのトゥルーリが相手となります。

ストレートから突っ込み、ブレーキ勝負となったのはオイルが落ちて滑りやすいターン1。止まり切れずオーバーランした2人は琢磨が先にコース復帰、3番手をもぎ取り?ます。
出走20台中、完走は半数以下の9台。ビリのフィジケラ以外にポイントが付与されるというサバイバルレースを予選の順位を落とさず初表彰台を獲得した琢磨は日本人2番目、14年振りの快挙です。
《決勝結果》
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
2 R・バリチェロ (フェラーリ・F・BS)
3 佐藤琢磨(BAR・H・MI)

ホンダのエンジニアリングディレクター中本修平のサングラスの奥にも涙。ホンダとして「日本人で表彰台に上がる」という結果でさらに喜びも増したと思います。

先日の1990年日本GPから日本人表彰台レースを振り返ってきました。タイミングをみて、と言いつつ連続で3つ一気にいっちゃいました。今のところ、後にも先にも日本人表彰台はこの3レースのみとなっています。また日本人が表彰台に上がる日が来るといいですよね!日本人F1ドライバー誕生が先か。

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