F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:中嶋悟

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前回に続いて、中嶋悟シリーズをもう一本。今回は1991年に放映された日本信販グループ(現 三菱UFJニコス)のCMです。F1は世界を転戦する「走る広告塔」であり、前のEPSONやPIAAと同時期のものですから、いかに当時のF1と日本企業の関わりが濃かったか、また「F1のスポンサーをしている」ことにインパクトがあったかが伺えますね。
日本信販といえば「赤地に白のC」が目印の信販会社、いわゆるクレジットカードの会社です。この旧社名だけでは今の若い方には馴染みが少ないかもしれませんが「ニコス」「ミリオンカード」「DCカード」といった方が通じやすいかもしれません。ニコスは田村正和やナインティナインが、ミリオンカードは高嶋政宏、DCカードは中井貴一が「カッパとたぬき」のコンビでコミカルなCMを長らくシリーズ化してやっていましたよね。今ではそれらカードと同じ会社になります。現社名の通り、三菱UFJ銀行系のクレジットカード会社。miyabikunもいくつかクレジットカードを持っていますが、財布を見たけどココのは持っていなかった。さらには三菱UFJ銀行の口座も避けていたわけではないが開設していなかった。
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そうですね。中嶋悟の乗るティレル020のコクピット前部とリヤウィング翼端板にデカデカとロゴがありましたね。前年019も同様に入っていました。
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あとココ。サイドポンツーン開口上部にもさり気なくNippon Shinpanの文字。こちらが当時の正式名称ですね。ちゃんとスポンサードですよと文字情報が入っています。信用問題が大切な会社です。嘘、偽りございません!
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特に中嶋悟のことは紹介されていませんが、当時のF1といえば中嶋悟、特別な説明は不要です。信用して下さい。
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市街地サーキットをバックにひたすらグループ会社の名前が続々と紹介されています。日立グループや東芝グループにも似ていますね。結構なスピードでロールされているため、とても読み上げるには困難です。とにかくとにかく、たくさんの会社で日本信販は成り立っています。
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We are a borderless company.

「私達は国境なき会社です」

CM内のしっとりとしたナレーションにもある通り、F1は世界を股にかけ戦うモータースポーツ。日本信販も世界を股にかけビジネスシーンや買い物を楽しめる便利なカード、というわけです。

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もう一つのバージョンです。中嶋悟の前にチラつくNICOSカード。F1色よりも自社商品が前に出てきました。こらこらっダメですよ、またEPSONに目を取られては。今回は日本信販のCMですからね!

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マクラーレンの前を走るティレル中嶋。同一周回か周回遅れかは、お楽しみ。

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あ、今BRAUNに目を取らた方、ダメですよ!今回は日本信販!

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こちらも先程と同様にグループ企業の名がズラりと続きます。miyabikun本職のお勤め先にもグループ会社が多くあるのですが、実のところ全てを覚えていないし、一字違いの会社名があったり、一体何を扱う会社なのか分からず仕事をしています。知れば「え、何でこんなものを扱ってるの?!」なんてのもあると思います。吸収したり統廃合されると、よく分からなくなってしまいますね。

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今回の〆言葉は「世界で会いましょう。」です。カード会社も系列や派閥みたいなものがあってたまーに「申し訳ございません、当店は◯◯のクレジットカードのみのお取り扱いでございます」というケースもありますね。カッコつけても一気に台無しになってしまいます。ゴールデンウィークは特に外出先や高額な買い物をして、クレジットカードを使う機会も多いと思います。くれぐれも入口やレジの前で使用可能なカード会社を確認の上、お買い物を楽しみましょう。

https://youtu.be/mzbpj1Izdl8

https://youtu.be/WdRqhGfG2gQ


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今回のCMシリーズは中嶋悟。2回目のノミネートです。中嶋悟のスポンサーを連想すると、必ず登場するのがPIAA(ピア)1990年と91年のものをご紹介します。
90年版はショパンが作曲したピアノ曲「別れの曲」が採用され、シックに仕立てられています。このマシンは前年89年型ティレル018の90年塗色ですね。
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ノーズ先端付近とエアインテーク側部にロゴが入っています。こんな感じで
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EPSON、じゃなかったPIAAです(笑)でもジャンパーやトレーナーでよく見かけるPIAAって、一体何の会社なの?!ご存知でない方も多いと思います。今では市販車で当たり前となった「電動ドアミラー」を世界初で開発したカーアクセサリーメーカーの市光工業から1963年に分社化され、ライトやホイール、ミラー、ワイパーなどを取り扱う日本のカーアクセサリーメーカーです。車には必要不可欠なものばかりですね。好んで使われている方もいらっしゃると思います。また、アウトドアや商用で車をお使いの方はTERZO(テルッツォ)というカーキャリアをご存知だと思います。こちらもPIAAの製品です。
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文字はほとんど出てこない。中嶋悟を中心としたF1シーンをモノトーンで映していきます。カッコいいですね。
「せがれ2人は今、このくらいか?」
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「上は大きくなったー、下はえー、このくらい」
そんなわけないか(笑)90年当時、長男の一貴は5歳、次男の大祐が1歳です。2人とも父の背中を見て育ちましたね。頑張るパパをPIAAは応援しています。
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続いて91年版です。BGMは日本を代表するサックス奏者のMALTAによるもの。
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こちらのマシンはティレル020ですね。カラーリングが白黒に変更されています。
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おじさんも剃り残しが気になる?!リヤウィングやエンジンカバーには大人男子がお世話になるシェーバーBRAUN
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コクピット横はいつものEPSON。あれ、それでは今回の主役のPIAAはいずこに?!
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ノーズにちょこっと。カメラ割りがロゴではなく「カーナンバー3」中心という。
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PIAAは一時期アパレル事業も展開していました。たまに街で見かけると「この人、中嶋悟のファンなのかな」なんて想像したことがあります。本当の狙いはその逆なんだけど、CMはそれでいいんですよね。今のF1のアパレルといえば、メルセデスも愛用するちゃまのところのトミー・ヒルフィガーかな。
https://youtu.be/7X3qOtP-a3E
https://youtu.be/fZlz0U66U64

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日本のF1放送の古き良き時代、様々なスピンオフものやパロディが放映されたものです。普段は真剣な目線からレースの実況や解説をしてくれるフジテレビのキャストがこの時はカートを使った熱戦を繰り広げてくれました。その名も「F1コメンタリーカートグランプリ1992」

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1周640mの新東京サーキットを10周、合計6,400mで争われました。路面は水たまりも多くみられるウェットコンディションで各ドライバー達も現役ドライバーの名前を借りて実に様々なネーミングで参戦しています。

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ポールポジションは唯一のF1ドライバーであるテレルの中嶋悟。ここは負けるわけにはいきませんね。予選を5番手で終えたマケラーレンのアイルトン・フルタッチはナイジェール・三宅に押し出されたといちゃもんをつけてコースオフ、腰痛を訴えたため急遽アイルトン・コゾーネにステアリングを託して決勝はゲスト解説に就いています。走るより喋りたかっただけでは?!(笑)

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《予選結果》
   1 中嶋悟(テレル)
   2 ソレハ・ナイジェール・三宅(ウォリアムズ)
   3 サンドロ・ツガワーニ(メガテン)
   4 モリワッキネン・モトヤス(ロタス)
   5 アイルトン・コゾーネ・ダ・シルバ(マケラーレン)※
   6 ジュン・アレジ・今宮(フラーリ)
   7 ミエハルト・バーガー・川井(マケラーレン)
   ※アイルトン・フルタッチ・ダ・シルバの代走

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ポールのテレル中嶋は順調にスタートを決めて格の違いを見せつけてきます。奮闘するのは優勝候補とも言われるクソ真面目なフラーリのジュン・アレジ。モリワッキネンやツガワーニを軽々とかわして早い段階で中嶋のテールを捕まえています。
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濡れた路面をインからさすジュン・アレジ。中嶋は真横に並んで見つめて、よそ見し過ぎ!
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何度か濡れたインをガラ空きにして真剣なジュン・アレジにスペースを作る中嶋。抜かれてはかわしを繰り返して、いよいよファイナルラップ!
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また真横をみてインラインを開けて引き込む中嶋。ジュン・アレジは真面目に勝ちたいんだって。からかわないであげて!
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ジュン・アレジがスピン!実力で抜くのではなく、相手にミスを呼び込んで抜く余裕があります。当然ちゃ当然だし、専門からしたらオトナなレース運びでした。
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後ろの様子を見て走っていると、後ろからツガワーニもひたひた並びかける。際どいぞ、勝者は?!
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《決勝結果》
   1 中嶋悟(テレル)
   2 ジュン・アレジ・今宮(フラーリ)
   3 サンドロ・ツガワーニ(メガテン)
   4 モリワッキネン・モトヤス(ロタス)
   5 ソレハ・ナイジェール・三宅(ウォリアムズ)
   6 ミエハルト・バーガー・川井(マケラーレン)
   7 アイルトン・コゾーネ・ダ・シルバ(マケラーレン)

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うまいですね。走りがうまいのはもちろんのこと、そのレースの組み立て方がいい。頭でっかちな素人相手に思い切りぶっちぎりのレースになることもなく、露骨に手を抜いて勝たせるレースでもなく「誰も傷付けない」内容で最後は〆て面目を保てました。レーシングドライバーでもあり、エンターテイナーでもあります。
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シャンパンファイトはある一点に向けられています。その先には、、、。
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この2人がジャレる。らしいオチだな(笑)

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この動画はご存知の方も多いと思いますが、ご覧になりたい方はいつものYouTubeで閲覧することができます。今回は息抜き回でした。
https://youtu.be/E7JTE5sGlWs

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今日のF1はフロントウィングがノーズコーンから離れて吊り下げる形となり、近年はそのノーズ形状が「ダサい」原因の一つとされています。フロントウィングを微妙に持ち上げてフロントウィングでのグラウンド・エフェクトを狙うマシンは先日取り上げた「マーチ881」がありますが、ガッツリとノーズコーンを持ち上げた先駆けとなったのは、日本でも有名な1990年の「ティレル019」でした。戦績は決していいものとは言えませんが、今にも続くデザインの先駆けとなる名車を今回振り返ります。

《設計》
ハーベイ・ポスルズウェイト
ジャン・クロード・ミジョー

《外見》
自身は当時この頃から本格的にF1観戦し、初めて見たときは色からも「イルカやカモメみたい」という印象でした。以前からフロントノーズの取り付け方やフロントウィング自身の機構を工夫したマシンは見られましたが、ここまでわかりやすく、前衛的な形状をしたものはありませんでした。現代のF1に通じる「ハイノーズ」のハシりです。近年はノーズから前方下面にステーを伸ばして取り付けていますが、このマシンは正面から見てノーズから片側30°ずつ位の傾きでハの字に広がり、低い位置のウィングに取り付き「正三角形」の様な空間があります。ノーズを持ち上げ、気流をマシン中央部でなくサイドポンツーン下付近と路面の隙間に高速に流し、リヤディフューザーで跳ね上げてグラウンドエフェクトを「レギュレーションの隙をつくアイデア」で得ることができます。グラウンドエフェクトは1982年に禁止されてフラットボトムの規定をされていますのであくまで底面は平らで、リヤタイヤ直前からディフューザーで効果を期待しています。フロントウィング断面も当時流行りとなっていた航空機の羽根の様な「アンヘドラルウィング」を採用し、先日のマーチ881と同様に翼端板はタイヤに干渉しない造形です。
またこのマシンは他に気付かれない「秘密の装備」を持っていました。フロントのダンパーに電動のアクチュエーターを取り付け、車高調整が可能で、路面からの衝撃を緩和とフロントノーズからのグラウンドエフェクトを有効活用できるようローリングを抑えることが狙いでした。
車体はシンプルかつスリムでフロントセクションのインパクトや工夫に比べると、特別パンチの利いた機構はなく、基本は前作018を継承しています。

マシンカラーはスポンサーロゴがうるさく入らないシンプルな白と濃紺のツートンカラーでした。ある雑誌に記載がありますが、実はこのカラーリングは「ある大型スポンサー」起用の計画があったためとのこと。
この後にウィリアムズがまとったロスマンズタバコです。こうしてみると、しっくりきていませんか?!なるほどなと最近になって納得しました。結構カッコいい!見てみたかったですね。
スポンサーは中嶋悟といえばセイコーエプソンにPIAA、日本信販とCMでバンバン登場していたやつです。また、ヘルメットにはさり気なくマールボロやエンジン供給していないホンダが中嶋悟だけに入ります。

《エンジン》
フォード コスワースDFR
V型8気筒・バンク角90度
排気量:3,493cc(推定)
最高回転数:11,750rpm(推定)
最大馬力:620馬力(推定)
スパークプラグ:NGK
燃料・潤滑油:エルフ

《シャシー》
全長: - mm
全幅: - mm
全高: - mm
最低車体重量:500kg(ドライバー含む)
燃料タンク容量:190ℓ
ブレーキキャリパー:AP
ブレーキディスク・パッド:AP
ホイール:スピードライン
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:ピレリ

《ドライバー》019使用は第3〜16戦の14レース
No.3 中嶋悟(全戦)
No.4 ジャン・アレジ(全戦)

《戦績》
16(そのうち9)ポイント コンストラクター5位※
(019のみで2位1回、6位3回ほか)
ポールポジション0回
※前作018も合わせた年間順位で2位1回、6位1回を含む

1990年シーズン全16戦のうち、開幕戦アメリカGPと第2戦ブラジルGPは前作018で出走し、開幕戦でアレジによる2位1回、中嶋の6位1回を獲得しています。第3戦サンマリノGPからこの019を投入して臨むもアレジが2位1回、6位1回以外は入賞ならず5回のリタイヤ。中嶋は6位2回で他はほとんどリタイヤと、結果的になかなかニューマシンの飛躍はみられませんでした。当時のピレリタイヤの特性とのミスマッチもあり、発想イコール結果とはなりませんでした。また、改良を重ねたフォードDFRのパワー不足も否めず、マシン自体の信頼性に泣かされました。
このマシンのクライマックスは投入2戦目となる序盤の第4戦モナコGPでした。最上位の予選3番手獲得から、戦線離脱したA・プロストに代わってポールスタートのA・セナに食らい付き、セナに1秒落ちの2位表彰台を獲得します。この非力なマシンでのアレジの走りが評価され、翌年はフェラーリドライバーに抜擢されました。
中嶋悟も母国の日本GPで予選14番手から堅実な走りで6位入賞を果たし、当時斬新なデザインから今でも日本のみならず多くのファンを魅了。成績以上のインパクトで現代のF1マシン思想に継承されています。

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今元気のないホンダが元気があった頃のマシンを振り返ってみます。アイデアの宝庫ロータスとホンダ第2期がタッグを組んだ1987年の「ロータス99T」です。日本の初フル参戦ドライバーである中嶋悟と株価急上昇でホンダと共に名を馳せたセナによる代表車の一つです。

《設計》
ジェラール・ドゥカルージュ
マーティン・オジルビー

《外見》
ロータスといえば、先日振り返ったばかりのJPSによる漆黒に金文字、そしてこのシーズンからスイッチしたキャメルイエローの印象が強いですよね。今のルノーとはまた違う黄色がサーキットにおいてベネトンに引けを取らない異彩を放っていました。
マシンカラーの劇変によって目の錯覚に陥りそうですが、前作98Tからの発展系とはいえ、ノーズ形状は太く丸く、そこに秘策が隠されていました。一度諦めていたアクティブサスペンションの再導入です。ロータスは1982年にF1マシンに先駆けて、市販車からフィードバックした油圧のアクティブサスペンションにチャレンジしていました。コーリン・チャップリンの目論見がハマらなかったものを5年越しで盛り込みました。ノーズ両側にピトー管を備えて速度を検知し、さらに加速度センサーの情報を車載コンピューターで解析、電子油圧で制御するものとなっています。気のせいかもしれませんが、オンボードカメラの映像を観る限り、この時代にしてはブレがない気がしないでもない。
今回こそどハマりしたらマシン挙動を理想的に操作できる夢のようなマシンになり得ましたが、結果は中失敗。当時はまだ解析に時間がかかるため、高速サーキットでは特に理想的なポイントで制御できず、フロアが路面スレスレまで落ち込んだり、本来マシンが沈みこむべき地点でいたずらに突っぱねたりと、いわゆる「振り遅れ」みたいなものが多発してしまいました。車を運転される方だと、カーブやマンホールの蓋の上を走行している時に車が「逆の反応」を示したら驚いちゃいますよね(笑)乗り物に弱い方なら乗り物酔いしてしまいそう。。当然マシンが不安定であればタイヤへの入力も上手くいかず、温度調節に苦戦して「適正なタイヤ環境を作れない」などの二時的被害も起きました。何よりも他車にはない「負荷物」の搭載からくる重量配分の違いも少なからず足かせになったでしょう。

《エンジン》
ホンダRA167E
IHI製ツインターボ(過給圧4.0バール制限)
V型6気筒・バンク角80度
排気量:1,494cc(推定)
最高回転数:11,600rpm(非公開)
最大馬力:   882馬力(決勝時推定)
                  1,065馬力(予選時推定)
スパークプラグ:NGK
燃料・潤滑油:エルフ

1986年のウィリアムズでコンストラクターズチャンピオンを獲得したホンダは、この年からロータスにも同じエンジンを供給して4台体制を築きます。マンセルにピケ、セナといったトップドライバーに混ざる形で中嶋悟が誇れる母国のエンジンで初参戦しました。
1987年レギュレーションは来たる1988年シーズンいっぱいで廃止するターボエンジンの準備期間として写真左の人の右手付近にある筒状のポップ・オフ・バルブ(ブロー・オフ・バルブ)による過給圧を抜く措置が義務付けられ、5.0バールを超えたといわれていた過給圧を4.0バール上限としました。
(若い方には馴染みがない圧力の単位「バール」は一昔前に天気でも使われていました。わかりやすく今の単位「ヘクトパスカル」に換算すると4bar=4,000hPaで超々高気圧に値します)
過給圧制限によるパワー不足を補完すべくホンダは「吸気温度を調節し適正な燃焼を促す」装置を搭載して少しでもパワー向上に努めています。

《シャシー》
全長: - mm
全幅: - mm
全高: - mm
最低車体重量:540kg(ドライバー含む)
燃料タンク容量:195ℓ
クラッチ:AP
ブレーキキャリパー:ブレンボ
ブレーキディスク・パッド:ブレンボ
ホイール:O・Z
サスペンション:フロント プルロッド
                                 リヤ    プルロッド
  (フロント、リヤともアクティブサスペンション)
タイヤ:グッドイヤー

《ドライバー》
No.11 中嶋悟(全戦)
No.12 アイルトン・セナ(全戦)

《戦績》
64ポイント コンストラクター3位
(1位2回、2位4回、3位2回、4位2回ほか)
ポールポジション1回

レース内容をザックリみると、ポールポジションの数からも察することができるように「独走の速さ」は同じホンダエンジンでもウィリアムズが優勢でこのマシンによるものではありません。前がコケて粘って表彰台や入賞にこぎつけるパターンが多くなっています。前述の「スピードサーキットの取りこぼしや順位を落とす」シーンが続きました。
初優勝はセナによる第4戦モナコGPまで待つこととなります。バンピーで低速なサーキットではアクティブサスペンションに優位性を見い出し、デトロイト市街地で行われた第5戦アメリカと連勝するなどマシンの得手不得手が明瞭でした。有名なレースは第7戦イギリスGPで優勝はウィリアムズのマンセル、2位ピケ、3位セナ、4位に中嶋悟という「ホンダエンジンがトップ4」という快挙を成し得ました。
唯一無二の技術でシーズンを牽引できると思いきや、技術的に時期早々であったことに加え、後半の第11戦イタリアGPではFW11Bがいよいよアクティブサスペンションを導入し、早々とピケによる優勝を決められてしまいました。ロータスが長年秘密裏に構想、実践してきた「お家芸」はいつの間にかウィリアムズのものと化しています。名車であり迷車な面も兼ね備えたこのマシンでワークスチームがプライベートチームに完敗した瞬間です。アクティブサスペンションもロータスではまた1年で断念してしまいました。                 
デビューイヤーの中嶋悟は当時の日本国内では最強ドライバーの1人です。しかし比較的遅咲きでF1進出して世界の舞台に立つと、世界との差が露わになり最高位はイギリスGPの4位1回となっています。ただ彼の存在はホンダという日本ブランドがF1復帰し、それに合わせて「日本のモータースポーツ」を世界に知らしめた立役者の一人であったと考えています。以降日本のメーカーやワークスと一緒にF1にステップアップした後輩は多くいます。ホンダがなければ日本人フルタイムドライバーはなかった、日本の技術力を表すことでF1で多く活躍することができたわけで、我々ファンもこの1987年以降に身近で認知していくことができました。
近年は苦戦を強いられているホンダ。アロンソも憧れ苦難を想定した上で加入し、ドライバー側でやれる限りの努力を続けています。昔F1界を席巻した「ホンダ」を世界のファンは懐かしみ、多く期待しているはずです。
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