F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:ルノー

miyabikun、止まらず突き進んでおります!何故なら、スケジュール上「止まる余裕が無いから」(笑)それもこれも自分のせい。miyabikunったら、相変わらずオコンなぁ。いや、イカンなぁ。

今回はお仲間無し!パワーユニットは一匹狼!2ランクダウンも何のそのか!やや我の強いフレンチ集団、アルピーヌA524です。

《設計》
 マシュー・ハーマン
 エリック・メイニャン
(パット・フライ)

《外見》
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黒い!そして太く扁平なノーズコーンは黒みも相まって前作A523よりも存在感があります。今まで見てきたチームとはやや異なりますね。
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角度を変えれば、少しだけフレンチブルーやBWTのピンクの差し込みが見えます。だいぶ黒になりましたね。塗装をやめて軽量化を図ったのかな。
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上から見下ろすと、コクピット前部に白とピンクが隠れていました。今シーズンはハースも黒みが増しましたし、メルセデスやアストンマーティンも見る角度によっては黒。黒系のチームが増えましたね。視認性がよくなさそうだな。ちなみにカーナンバー10のガスリー車のノーズコーンは青で、31のオコン車はピンク。ケンカしないように色を分けてみましたー、なんて(笑)
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斜め後方からのカットを見ると、サイドポンツーンの窪みがかなりキツく入っています。ご存知の通りルノーパワーユニットを搭載するマシンはココだけですので、ラジエターの配置や大きさも独自路線か。パネルは下から絞れてくるわけで、この落ち込み方を見ると、この部分がだいぶ薄くなっていそう。Tボーンクラッシュの時とか大丈夫?!クラッシュテストを通過したなら大丈夫かな。いやいや、自車はともかく相手方は?!

《シャシー》
 A524
 全長: - mm
 全幅: - mm
 全高: - mm
 最低車体重量:798kg
 最大燃料搭載量:110kg
 ブレーキキャリパー:ブレンボ
 ブレーキディスク、パット:
 サスペンション フロント:プッシュロッド
          リヤ :プルロッド
 ホイール:BBS
 タイヤ:ピレリ
 
《パワーユニット》
 ルノー E-Tech RE24
  V型6気筒・バンク角90° シングルターボ
 排気量:1,600cc
 ICE最高回転数:15,000rpm
 MGU-K最大回転数:50,000rpm
 MGU-H最大回転数:125,000rpm
 最大出力: - 馬力+120kW(非公開)
 燃料・潤滑油:BP・カストロール

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《ドライバー》
 No.10 ピエール・ガスリー(フランス)
 No.31 エステバン・オコン(フランス)

フランスのチームにフランスのパワーユニット、変わらずフランスドライバーの2人という安定の「フランス漬け」です。ただし、チームの先輩オコンは4ポイントという僅差でアカンかったので、今シーズンの表記上はガスリーを上位にしました。こ、こんなのが原因でケンカしないでね!

一昨年2022年でレッドブル塾を卒業したガスリーは一見地味に見えますが、ランキング上は14位から11位へ、ポイントは23から62と飛躍的に向上しています。移籍は結果的にオーライか。
ガスリーとオコンの昨シーズンは毎度皮肉ったりディスっているわけではないのですが、結果的に非常に接近した戦績となりました。例えば先日まとめた予選平均順位はガスリーが平均11.05番手に対して、オコンは11.18番手。ポイントはガスリーが先程の62に対してオコンは58。共に表彰台登壇は3位が1回ずつで、入賞はガスリーが11回、オコン12回。まるで兄弟みたいでしょう(笑)同じマシンに乗っているからそりゃそうだという話なんですが。両者でやや差がついたのは、オコンのリタイヤが多かったため、決勝の平均順位がガスリー10.68位に対しオコンが12.23位となり、獲得ポイントにもやや影響したか。

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まだ昔のイコンはあるのかもしれませんが、不慮の同士討ちがあったくらいで殴り合いのケンカしたわけでもないし、幼馴染みがベタベタ仲良しである必要もありません。チームのため、自身のため、引き続き切磋琢磨やってくれるでしょう!
今回のドライバーへの一言は他と異なる形で書いてみました。

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フランス人のフランスメーカーによるフランスのためのチーム、アルピーヌです。薄々噂はあったものの、ドライバーが発表になった途端に一気に注目されるチームになりました。トラックではぶつけ合う?!ガレージで突き飛ばし合う?!いけません、フランス人の気高き誇りを持って国内はもちろんのことF1界全体を盛り上げて下さい!チーム内バトルに目線が向きがちなアルピーヌA523をみていきます。

《設計》
 パット・フライ
 マシュー・ハーマン
 サイモン・ヴィリル
 ディア・ダ・ビア
 ジェームス・ロジャース

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《外見》
色遣いは昨シーズンと同様のフレンチブルーにスポンサーBWTのお決まりピンク、そしてブラックの塗り分け。ブルーとピンクの組み合わせってサーキットにある色味ではないので結構目を惹きます。後ろから追い立てられるにも、前方から狙われるにも見落とすこと無い存在感がありますね。
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どこか女性的な滑らかかつ優しい鋭さを持つノーズコーンはA523では太く角張った感じとなり、男性的なたくましさにみえます。フロントウィング最下段も中央がやや低い緩やかなM字をなしていたものを、今回は中央が高いものとしてきました。昨シーズンまでのアストンマーティンやアルファタウリほどはいかないものの、この形を取り止めたチームがある中、アルピーヌは逆に取り入れてきたことになります。ドライバーもクセ者なら、マシンもやや異端児的な。
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高い位置からマシンと向き合ってみます。サイドポンツーン開口は中心寄りに四角く小型なものとなっています。これもライバルの多くが採った外側後退型と異なります。その代わりと言っては何ですが、サイドポンツーンは上から見ると前部と後部が絞れたラグビーボール型。フォルムだけならフェラーリと似ているでしょうか。
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サイドポンツーンの外側は高く盛り上がり、フェラーリよりもハッキリとした土手を後部まで形成しています。パワーユニットも唯一ならば、マシンもなかなか個性的、ますます異端児だなあ。
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どのチームも今シーズンは塗装面を減らし、カーボン地剥き出しが多いですが、無塗装のエンジンカバーのルーバー部がギラついていますね。そういう撮り方や光の当て方なのか、敢えてこう見せているのか。アンダーカッドもキツく短めに入り、リヤエンドへの絞りもキツめ。見れば見るほど個性的や。ごめんなさいね、同じセリフばかり(笑)

ちなみにピンク仕様はこんな感じ。
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悪目立ちしないといいけど(笑)

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《シャシー》
 A523
 全長: - mm
 全幅: - mm
 全高: - mm
 最低車体重量:798kg
 最大燃料搭載量:110kg
 ブレーキキャリパー:ブレンボ
 ブレーキディスク、パット:ブレンボ
 サスペンション フロント:プッシュロッド
          リヤ :プッシュロッド
 ホイール:BBS
 タイヤ:ピレリ
 
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《パワーユニット》
 ルノー E-Tech RE23
  V型6気筒・バンク角90° シングルターボ
 排気量:1,600cc
 ICE最高回転数:15,000rpm
 MGU-K最大回転数:50,000rpm
 MGU-H最大回転数:125,000rpm
 最大出力: - 馬力+120kW(非公開)
 燃料・潤滑油:BP・カストロール

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《ドライバー》
 No.31 エステバン・オコン(フランス)
 No.10 ピエール・ガスリー(フランス)

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昔はこんなに可愛い顔をして。2人はこのまま成長し、今は共にF1の世界に属しているわけ。十数年の時を経て、こうして並び、そして同じチームに属していることだけでも奇跡、大したものです。日本では敵が多めな印象のあるオコンと、日本で支持の高い印象のあるガスリーがいよいよタッグを組みます。

まずはチームの先輩格オコンから。前にも何回かこのブログで書いてきましたが、個人的にF1デビュー時から期待しているドライバーの一人ではあります。デビュー当初は連続完走を重ねるなど、粘り強さがありました。フォースインディアで多少競争力を得られた頃でしょうか、急にチームメイトに対して容赦無き攻めを始めたのは。確かにチームメイトと争うのはバカげていると思いつつ、考えてみれば至極真っ当なことであり、チームメイトと近い位置で走れるというアピールでもあります。いわば「身近なライバル」と仲良しこよしでは、このF1界で生き延びることは難しい。当時のリカルド相手ではやや差がありましたが、ペレスやアロンソと結果的にタメを張れるなんて、まあ健闘しているという評価もできますよね。チーム内バトルはいい、ただ共倒れはダメ、その線引きがアツくなったオコンにできるかどうか。昨日の友は今日の敵、昨日の敵は今日の友になることもお忘れなくー。
ガスリーもオコンに負けず劣らずの勝ち気の強いタイプです。一時期は鼻っ柱を折られて大人しかったこともありますが、勝ちたい、勝てるマシンを追い求め、今シーズンから思い切って新たな船出となりました。ガスリーの持ち味はその眼光からも伝わる「鋭い予選一発の速さ」。感覚的にその瞬発力はオコンの上にいます。ただ今までドライブしてきたマシンにもよりますが、決勝で粘り強いオコンに対してガスリーはズルズルと電池切れしちゃってるのではないかと思うこともしばしば。同じフランス人、我の強さと負けん気を持つ2人も走りのタイプはやや異なるように思います。2人を足して2で割れば、、もしかしたらポストプロストが誕生したりして(笑)ガスリーがシーズン序盤で気を付けたいのは多く貯め込んだペナルティポイントを有している点。一発でツモってしまうようなことがあれば、バチバチ戦えない差になるかも。

PG「オレたちまだ仲悪いという噂らしい」
EO「え、そうなの?」
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PG「一度取っ組み合いのケンカしてみる?!」
EO「いいね、それ!」

何気に毎回立ち位置一緒やないかー(笑)
2人ともいい大人ですし、もう上手くやれると思いますよ。お互いのいいところ悪いところ、よく知っているでしょうし、知り過ぎるがあまり素直に言えない、単に照れ隠しなだけかと。

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3月に入り、立て続けに2022年仕様のF1マシンを5台みてきました。ようやく半分というところで一息入れたいところではありますが、開幕戦までのことを考えるとあまり時間が残されていません。それもこれもmiyabikunが2月にサボったことに尽きます(一言で「サボった」というには語弊もありますが)勢いに乗ってどんどんいきましょう!どうにか遅れを取り戻さねば!
近年は名称改め、チーム代表もコロコロ変わり、これまで「飾りのように」帯同してきたレジェンドドライバーともお別れするなど、いささか慌ただしい雰囲気が続いていますが、ドライバーは変わりません。新レギュレーションマシンと共に気持ちを切り替えていきたい「アルピーヌA522」を見ていきます。

《設計》
 パット・フライ
 マシュー・ハーマン
 サイモン・ヴィリル
 ジェームス・ロジャース

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《外見》
このマシンで目を引いたのはオーストリアの企業であるBWTを獲得したことによる「ピンクカラー」ですね。前後ウィングをはじめサイドポンツーンの側面がピンクに染まり、サイドポンツーン開口並びにドライバー後方上部に位置すエアインテークまでもがピンクで強調されています。昨年までの青系にかなり侵食してきています。デカデカと入る「BWT」がレーシングポイントを連想させます。存在が目立つこと間違いなし!
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ノーズコーンはやや細く、その断面はライバルには無いかまぼこのような「上に凸」に緩やかな丸みを帯びている独創的さ。先日のマクラーレンほどではありませんが、ノーズコーンが取り付くフロントウィングの最下段のエレメントはノーズの先に構えて、マクラーレンMCL36やメルセデスW13、フェラーリF1-15のように中央は低めの設定をしています。フロントウィング自体は各エレメントが高さも低く薄めですね。フロントサスペンションはプッシュロッド式としています。
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サイドポンツーン開口はフェラーリF1-75と同様に横長の扁平型とし、サイドポンツーン後方は先日のアルファタウリAT03にも似た急激な落とし込みでリヤサスペンションへ。一方でエンジンカバーはハロの取り付け部から緩やかにリヤエンドまで、リヤウィング下部に向かうというアルファタウリに似た二系統の気流制御を行うボディワークを形成しています。ちょうどエンジンやターボを備えるあたりにはアストンマーティンやフェラーリでも見かけた排熱用のルーバーが見えていますが、先日のバルセロナ合同テストでは穴埋めして行ったシーンもうかがえました。
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《シャシー》
 A522
 全長: - mm
 全幅: - mm
 全高: - mm
 最低車体重量:795kg?
 最大燃料搭載量: - kg
 ブレーキキャリパー:ブレンボ
 ブレーキディスク、パット:
 サスペンション フロント:プッシュロッド
          リヤ :プルロッド
 ホイール:BBS
 タイヤ:ピレリ
 
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《エンジン》
 ルノー E-Tech RE22
  V型6気筒・バンク角90° シングルターボ
 排気量:1,600cc
 最高回転数:15,000rpm(制限)
 最大馬力:950馬力以上
 燃料・潤滑油:BP・カストロール

アルピーヌへの独占供給2年目となるルノーはコンプレッサーとタービンをエンジンの前後に分離した「スプリットターボ方式」のパワーユニットを搭載。
 
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《ドライバー》
 No.14 フェルナンド・アロンソ(スペイン)
 No.31 エステバン・オコン(フランス)

アルピーヌの2年目は首脳陣の入れ替えがあり話題となりましたが、ドライバーも2年目、アロンソ、オコンのラインナップで変更無し。昨シーズン当初はチーム内がっちゃんこやギスギスがあるのではなんて不安があったものの、思いの外仲睦まじく、先輩後輩のいい関係で相乗効果がみられました。
浪人明けながらまずはポイントで上回って先輩の意地をみせたアロンソ様。一度F1を離れ、他カテゴリーで挑戦や喜び、苦悩を味わったアロンソの昨シーズンは前に所属していた頃からだいぶ角が取れ、柔和になられたのが印象的でした。シーズン序盤こそ手こずった様子があったものの、中盤には勘を取り戻し、契約延長で中だるんだ相方オコンを横目に徐々に予選や決勝もいい位置を確保してきました。慣れてくればこっちのもの、かつての同僚で今やキングになられたハミルトンとも闘争心むき出しで華麗なサイドバイサイドを演じてくれましたよね。今シーズンからは単独の現役最年長41歳を迎えます。miyabikunもアロンソと似たような歳で、恥ずかしながら体力もさることながら、近年は特に「目」の劣化を日々実感します。アロンソの限界が先か、若手の台頭が先かは定かではありませんが、一年、一戦を大事に戦い「新・四十代の星」として「いい意味の」F1発展に貢献することを願っています。
こちらも一度浪人を経て、系列とは異なるチームでキャリアを積むことを決めたオコンも、ようやく昨シーズンの第11戦ハンガリーGPで初優勝を決めて「一人前のF1ドライバー」の仲間入りを果たしました。心配しましたよ、シーズン序盤後半の体たらく期が。来シーズン危ういぞと正直に思ってしまったくらいです。残念ながら塾生から進級する可能性が遠退いてしまいましたが、アルピーヌもれっきとした母国のワークスです。ワークスはやはり開発の面で非常に強みを持っています。まだ若いですし、もう少しアルピーヌで経験を積んでからでも遅くはありません。2回目の優勝、そして予選3番手止まりから抜け出し、ポールポジションスタートを目指しましょう!

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ピンクは嫌いじゃないけど、いつしかのチームを連想してしまうし、アルピーヌがこんなにはっきり目に使ってくるのは意外だったなぁ。オコンってピンクに縁のある方ネ。

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名車シリーズはフェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズ、ベネトンときて、またウィリアムズです。まさにF1四強時代を遡っています。トップチームがこの時代のようにひしめき合ってくれると盛り上がりますね。今回のウィリアムズは1991年型のFW14。あれBは?!Bではありません。Bはいつでもできますから(笑)

《設計》
 パトリック・ヘッド

 エイドリアン・ニューウェイ


1980年代終盤のマーチで空力処理に長け、著名デザイナーの仲間入りを果たしたニューウェイがこのマシンから開発に加わり、ウィリアムズはこれまでの「パワーありき」でないマシン作りを目指していきます。


《外見》
フロントセクションは古き良きスラントノーズです。ただし付け根は若干浮き上がり、当時流行となっていたアンヘドラルウィングとなっています。
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特徴的なのは翼端板が後方まで湾曲して伸び、ヴォルテックスジェネレーター(過流生成器)と組み合わせてフロントタイヤの乱流制御を担っています。こちらは前年90年のフェラーリに端を発する技術です。前作FW13Bよりもショートホイールベース化を図り、ダンパーは水平配置として少しでも空力効率を向上。さらにエンジンから排出される熱気をうまくディフューザーとリヤウィングの空間に流し込むリヤエンドの処理など正にニューウェイイズムが盛り込まれています。IMG_1859

このマシン最大の特徴はフェラーリに続く導入に踏み切った「セミオートマチックトランスミッション」です。今までのマニュアル車にあるギヤシフトをステアリング裏面のパドルで行うというもの。ウィリアムズは横置きされたトランスミッションを油圧で動作させています。
当時のウィリアムズのカラーリングは紺と黄色と白の3色の組み合わせ。赤文字のキヤノンが映えます。一般的にエアインテークからエンジンカバーにかけてキャメルの黄色が配置されていますが、開幕戦アメリカGPと第2戦ブラジルGPはキヤノンの白地に赤文字が記されたこともあります。ちょっとレア色。

《シャシー》
 全長: - mm
 全幅: - mm
 全高: - mm
 最低車体重量:505kg
 燃料タンク容量:220ℓ
 クラッチ:AP
 ブレーキキャリパー:AP

 ブレーキディスク・パッド:カーボンインダストリー

 サスペンション:フロント プッシュロッド
          リヤ    プッシュロッド
 ホイール:フォンドメタル
 タイヤ:グッドイヤー

《エンジン》
 ルノー RS3,RS3B
  V型10気筒・バンク角67度
 排気量:3,493cc
 エンジン最高回転数:14,400rpm(推定)
 最大馬力:770馬力(推定)
 スパークプラグ:チャンピオン
 燃料・潤滑油:エルフ

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《ドライバー》
 No.5 ナイジェル・マンセル(全戦)
 No.6 リカルド・パトレーゼ(全戦)

ドライバーはブーツェンに代わってこの年からマンセルが加入。2年振りの復帰で同じコンビネーションとなり打倒マクラーレンに挑みます。

《戦績》
 125ポイント コンストラクター2位
 (1位7回、2位6回、3位4回、5位3回ほか)
 ポールポジション6回

フェニックス市街地で行われた開幕戦アメリカGPはマクラーレンのセナ、フェラーリのプロストに続く3番手パトレーゼ、4番手マンセルのラインナップで迎え、決勝は2台ともギヤボックス故障によるリタイヤでスタートしました。序盤はパトレーゼが予選で奮起し、第2戦ブラジルGP、第3戦サンマリノGPでセナに次ぐ予選2番手と速さをみせますが、マンセルはリタイヤが続いて第4戦モナコGPまで4戦連続のポールトゥウィンを決められるなど、マクラーレンから大きな遅れとなります。

第2戦で2位表彰台を獲得したパトレーゼはマンセルに比べ好調であり、第5戦カナダGPから第7戦フランスGPまで3戦連続のポールポジションを獲得し、速さではマクラーレンに食ってかかる位置につけ、第6戦メキシコGPでようやくシーズン初優勝を飾りました。しかしフロントセクションに改良を施したヨーロッパラウンド初戦の第7戦フランスGPはポールポジションのパトレーゼが失速。代わって優勝を挙げたマンセルと主役は徐々にマンセルに傾くようになってきます。

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マンセルはカナダGPの残り半周まで優勝を確実視していましたが、シケインを過ぎたあたりから突如失速(実態は観客の声援に応えた際のマンセルの操作ミス)と何ともマンセルらしい「恥ずかしい6位入賞扱い」を経験。フランスGPでの優勝を皮切りに第8戦イギリスGP、第9戦ドイツGPを制し、以降も優勝や表彰台にも顔をみせます。一方でマシントラブルによるリタイヤも多く、結果的にチーム全体で7勝を挙げつつもマンセルはセナから24ポイント引き離されたランキング2位、パトレーゼはマンセルから19ポイント離れた3位でシーズンを終え、7勝を一人で飾ったセナに完敗してしまいました。IMG_1864
細かくみた戦績が興味深く、マンセルとパトレーゼの優勝を含めた表彰台登壇数は全32回中17回とシーズンの半分は登壇している計算になります。ところがリタイヤの数は2人合わせて11回(うち、マンセルの失格1回を含む)であり、残る4回が5位と6位の入賞圏内ということになりますが、リタイヤの割合も非常に高いのが特徴的です。FW14はいわば「表彰台かリタイヤか」の両極端なマシンでした。その原因の一つは構想から一年半の歳月を経て投入したセミオートマトランスミッションにまつわるトラブルというのがまた皮肉なもの。
またこの当時のウィリアムズといえばマンセルがエース、パトレーゼはセカンドドライバーである印象が強くあります。しかしこのシーズン序盤はパトレーゼの方が先に2位表彰台を獲得、優勝も先であり、ポールポジション獲得数もパトレーゼが4回に対してマンセルは2回と「パトレーゼの方がFW14を早くから速く走らせることに馴染んでいた」とも言えます。


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シーズン序盤に多発したマシントラブルでのリタイヤが響き、マクラーレンとセナに完敗したウィリアムズは最終戦オーストラリアGPのTカーにアクティブサスペンションを搭載した「Bスペック」つまりFW14Bを持ち込んでいます。このマシンが翌年F1界を席巻するとはまだ誰も予想していません。最強ウィリアムズ計画はこの91年から秘密裏に始まっていたのです。

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東京オリンピック・パラリンピック2020、まずオリンピックが無事に?(無理矢理?)開幕しましたね。直前までバタバタとスキャンダルがありましたが、簡素化されたとはいえなかなか開会式の演出はよかったのではないかと思いました。ちょっと演説が長かったカナ(笑)オリンピックの度に思うのは開会式の前にも予選や試合がありますよね、アレって毎回何なんだろうって。開会式を前に敗退してしまう選手や競技、種目もあったりするのかな。まあF1も決勝前の開会式や国歌斉唱の前にフリー走行や予選会があるので、それと同じ感覚と思えばいいんでしょうか。オリンピック中継って同時進行で各種競技が行われるので、何を観ていたらいいかとても迷いますよね。miyabikunはまだ少し先にはなりますが、競技経験のある陸上競技に注目しています。日本のみならず各国の選手には実力を存分に発揮してほしいですね!

今年の「名車を振り返る」は1月メルセデスW04以降(ドライバーズ)チャンピオンを獲得する直前のマシンに注目し、獲得までにどんな積み上げた功績や工夫があったのかをみています。今回はその視点で初のウィリアムズのマシンとなります。1996年ヒルによって獲得した前年95年のFW17(FW17B)です。ウィリアムズのチャンピオンはもう四半世紀前のマシンにまで遡らなければならないのですね。

《設計》
 パトリック・ヘッド
 エイドリアン・ニューウェイ

《外見》
前年94年にF1としては8年振り、GPウィークにおいて12年振りに死亡事故が発生。安全面を考慮すべくエンジンは排気量3.5ℓから3.0ℓへの縮小をはじめ、ステップド・ボトム導入によるダウンフォース低下へのレギュレーション変更されています。IMG_0929
一番初めに目が行くところ、マシンの先端部であるノーズコーンです。今でこそ高いノーズに吊り下げ式のフロントウィングステーは見慣れたものになりましたが、ウィリアムズはこの年からハイノーズを採用。ティレルが端を発し、ベネトンも先行していたディテールへようやく踏み切ったことになります。ステップド・ボトムでフロア高さが50mm高くなったため、フロアにより多くの気流を取り込み、少しでも多くのダウンフォースを得ることを目的としています。
IMG_0927
またレギュレーション変更に合わせ、コクピット横の高さが150mm高く設定され、逆にリヤウィングの高さが150mm低く変更されました。これはウィリアムズに限ったことではなく、上記安全対策とダウンフォース低下が目的となります。今まではマシンに乗るドライバーはしっかり見えていた印象でしたが、この年から「ドライバーがマシンに埋まって見える」ようになりました。F1のオールドファンはノーズコーンをはじめとしたシルエットの変更に違和感を覚えた方が多いかもしれません。
第7戦フランスGPからリヤエンドの空力処理として通称「バットフラップ」と呼ばれるフラップを搭載し、以降各チームへ波及していきました。またFW16(FW16B)で特徴的であったドライブシャフトを一体型カバーで覆うリヤアッパーアームは継承されますが、セッティングが繊細で引き続き神経質な挙動を示すことが確認されたため、ようやく第13戦ポルトガルGPからFW17Bと称して分離された元来のタイプに戻され、柔軟なセッティングに対応できるように改良されました。それ以外には信頼性に乏しいギヤボックスにも改良をほどこしていますが、大きな変更はありません。

カラーリングは引き続きイギリスのタバコメーカーであるロスマンズをメインスポンサーとし、白地に紺と金と赤のラインが施されています。ほか、ロータスでお馴染みのコマツや前年までベネトンのスポンサーを行ってきた三洋電機など日本企業も参画。

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《シャシー》
 全長:4,150mm
 全幅:    -    mm
 全高:    -    mm
 最低車体重量:595kg
 燃料タンク容量: - ℓ
 クラッチ:AP
 ブレーキキャリパー:AP
 ブレーキディスク・パッド:
 サスペンション:フロント プッシュロッド
          リヤ    プッシュロッド
 ホイール:OZ
 タイヤ:グッドイヤー

《エンジン》
 ルノー RS7,RS7B,RS7C
  V型10気筒・バンク角67度
 排気量:2,997cc
 エンジン最高回転数:14,300rpm(推定)
 最大馬力:760馬力(推定)
 スパークプラグ:チャンピオン
 燃料・潤滑油:エルフ

パワーダウンを目論み、排気量が3.0ℓに統一された元年、ルノーは前年までのRS6からバンク角67°はそのままにスケールダウンしたRS7を開発。ウィリアムズとルノーは協業してホンダなき時代のチャンピオンエンジンに成り上がったものの、この年から最大のライバルとして名乗りを上げたベネトンにも同型のエンジンを供給することが決定しました。
第7戦フランスGPでRS7B、シーズン後半の第13戦ポルトガルGPのFW17Bの際にRS7C投入と二度の改良を経て、同じエンジンを載せた宿敵と相まみえます。

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《ドライバー》
 No.5 デイモン・ヒル   (全戦)
 No.6 デビッド・クルサード(全戦)

前年94年にチャンピオンを取り損ねたF1二世ヒルをエースとし、セナの代役としてデビューしたクルサードをレギュラードライバーに昇格させたことにより、チーム、ドライバー共に「英国」で固めたラインナップとなります。確実と思われたドライバーズチャンピオンの奪還なるか?!

《戦績》
 118ポイント コンストラクター2位
 (1位5回、2位7回、3位5回、4位2回ほか)
 ポールポジション12回

94年はコンストラクターズチャンピオンは守ったものの、エースでありF1界の星ともいえるセナを失い、若きシューマッハ&ベネトンにドライバーズチャンピオンを奪われる形となりました。若き才能に奪還をかけた初戦ブラジルGPは予選でヒルがポールポジション、2番手にベネトンのシューマッハを挟んで3番手がクルサードという幸先よいスタートを切ります。ところが決勝でヒルがスタートに失敗、シューマッハに前を明け渡し、さらには30周でギヤボックストラブルによるリタイヤ。クルサードはヒルの離脱の分、一つ順位を上げた2位フィニッシュとなるも、優勝のシューマッハ共々「使用燃料の規定違反」となり一時期失格扱いとなるドタバタ劇となりました(後日、チームに対してのポイント付与はされずも、ドライバーに対しては不問という裁定でクルサードの2位が確定)
14年振りに復活開催を果たした第2戦アルゼンチンGPはヒルではなくクルサードが冴え渡り、自身初のポールポジションを獲得、スタートダッシュもよく初優勝を予感させますが、エンジンが突如シャットダウンし、復帰するものの結局スロットルの不調でリタイヤ。ヒルは2番手スタートで鈍り、またもやシューマッハに先行を許しますが、3回ストップのシューマッハを退けてクルサードに代わって優勝し、翌第3戦サンマリノGPで2連勝を挙げます。
以降着実に優勝を重ねるシューマッハに対し、ウィリアムズとヒルは第5戦モナコGP、そして第7戦フランスGPから第10戦ハンガリーGPまでポールポジションを獲得するものの2位が精一杯で3勝目はハンガリーGPまで待つこととなります。チームはシーズン後半戦の第13戦ポルトガルGPでリヤサスペンションに改良を施したFW17Bを投入し、クルサードのポールトゥウィン、ヒルは2番手スタートから3位表彰台で終えています。クルサードは第15戦パシフィックGPまで4戦ポールポジションを獲得して速さの証明はできたものの、時既に遅し。シューマッハが2年連続かつコンストラクターズチャンピオンまで獲得となり、ドライバーズどころかコンストラクターズも奪われるというシーズンで幕を閉じました。
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繰り返し、このFW17(FW17B)とシューマッハの駆るベネトンB195は同じエンジンを搭載しています。戦績比較すると全17戦中、ウィリアムズはポールポジション12回、優勝5回(ヒル4勝、クルサード1勝)、表彰台登壇延べ17回、ファステストラップは6回獲得。一方ベネトンはポールポジション4回、優勝11回(シューマッハ9勝、ハーバート2勝)、表彰台は15回登壇、ファステストラップ8回ということで、予選(一発の速さ)は完全にウィリアムズが優勢。ただ決勝でウィリアムズは優勝はおろか順位を落とすことも多く、何よりリタイヤの数がとても多いシーズンとなりました。最大の敗因はマシントラブルの数にあります。ギアボックスの故障によりレースを落とし、度重なるアクシデントがドライバー2人を泣かせました。またナーバスな挙動を示していたにも関わらず、開幕戦からそれを対策せず、シーズン後半でようやくアップデートに出るという対応の遅さも足かせとなりました。ドライバー2人に扱い易くするつもりが、ドライバー2人では対処できない問題で長らくつまずき、方やライバルは「ナンバー1ドライバー体制」でマシンを仕立て上げ優勝や安定したポイントを積み重ねる。前年は「絶対的エースの不調と急逝、その間を抜け出す若手」にしてやられたところ、翌年は「マシンの弱点の改善が後手に回り、エンジンの優位性もイーブンになったライバル1人に大きく打ちのめされる」という、名門らしからぬポカでチャンピオンから陥落するという屈辱を味わいました。
翌96年、ベネトンで下積みと成功をおさめたシューマッハはフェラーリの目に止まり移籍。若手成長株のクルサードは活きのいい人材を探すマクラーレンに移籍を決め、ウィリアムズはヒルをエースのまま、アメリカで大成をおさめたF1二世J・ヴィルヌーブを迎え入れることとなりました。ドライバーの移籍がありつつもウィリアムズ「チャンピオン奪還への道」は続きます。

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