F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:ライコネン

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前回はフェラーリの駄馬を立て続けに2頭みてきました。フェラーリばかりディスっては可哀想ということで、今回はマクラーレンの「名車」を取り扱うことにしました。2006年型MP4-21です。以前取り扱った2005年のMP4-20や2007年のMP4-22はよく知っているけど、MP4-21なんてマシンあったっけ?!そのくらい地味ですね。地味には地味なりの理由がある。

《設計》
 マイク・コフラン
 ニコラス・トンバジズ
(エイドリアン・ニューウェイ)

マシンの基本はニューウェイによるものですが、2005年を最後にチームを離れているため、一応カッコ書きとしました。

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《外見》
地味どころでない、マシンディテール以上に目を引くのが、このカラーリングです。以前MP4-22の時にも書いたようなギンギラなメッキのシルバーを施したのはこのマシンからでした。初めて目にした時は今までの常識を覆したというか、これなら遅いわけはない、度肝を抜かれましたよね。10年近くメインスポンサーを続いたWestが完全に外れたことにより一新しています。とはいってもシルバー基調なのは変わりませんが。
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サイドポンツーンはメインスポンサーとなったジョニー・ウォーカーの黒が鎮座し、フロント、リヤ共に主翼はエミレーツ航空の赤の主張が強くなりました。白味が一切無くなり、銀をベースに黒と赤の3色で構成されて、一見冷たい印象を受けます。
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マクラーレンはしばらく先細りの鋭利なノーズコーンにチャレンジし続けますが、イマイチ成果が表れず、前作MP4-20では思い切って太めのものを採用しました。しかしやはり未練があったのか、このマシンはまたまた細いものに戻しています。何だか嫌な予感がしますね(笑)理論上は先端が細い方が有利なのは想像できても、F1の場合は単に細けれりゃイイってもんでもありません。
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ほか、チムニーダクトやホーンウィングを搭載するといった基本はMP4-20からの発展で作られたこのマシンも、色味のせいか似て非なるものにも見えます。エンジンが小型化されたため、ラジエーターやサイドポンツーンも小型にしてきました。

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《シャシー》
 全長:4,580mm
 全幅:    -    mm
 全高:    -    mm
 最低車体重量: - kg
 燃料タンク容量: - kg
 ブレーキキャリパー:
 ブレーキディスク・パッド:
 サスペンション:フロント プッシュロッド
          リヤ    プッシュロッド
 ホイール:エンケイ
 タイヤ:ミシュラン

《エンジン》
 メルセデス・ベンツFO108S
  V型8気筒・バンク角90度
 排気量:2,400cc
 エンジン最高回転数: - rpm(非公開)
 最大馬力: - 馬力(非公開)
 燃料・潤滑油:モービル

エンジンは変わらずのメルセデス製。パワーには定評があるものの、この2006年からは2.4ℓV10という今までにないコンパクトなNAエンジンを搭載して、パワー低下が噂されています。規制無きエンジン回転数で思い切りぶん回して補完してやるしかありません。ただ、2レースで1基というエンジンの使用制限もありますので、あまりぶん回すと、簡単に壊れちゃいます。

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《ドライバー》
 No.3 キミ・ライコネン     (全戦)
 No.4 ファン・パブロ・モントーヤ(第1〜10戦)
        ペドロ・デ・ラ・ロサ   (第11〜18戦)

名前だけみるといかにも強くて速そうな、そして唯一無二のクセが特徴的な2人による2年目です。ライコネンはともかく、前年のモントーヤは2戦サボるなど精彩を欠いたシーズンでした。チャンピオンを狙えるタマなんですから、2人揃って青いルノーをギャフンと言わせたいですね。

《戦績》
 110ポイント コンストラクター3位
 (1位0回、2位4回、3位5回、4位2回ほか)
 ポールポジション3回

予選ワンアタック方式から、現在に通ずるノックアウト方式を初導入した開幕戦バーレーンGP予選はライコネンがクラッシュしてノータイムの22番手最後尾、モントーヤが5番手と2005年の飛躍を帳消しにするような内容で入りました。それでも何とかライコネンは1周目に13位まで一気に浮上し3位表彰台を獲得するものの、モントーヤは順位が入れ替わりつつ結局スタートのままの5位入賞とマシンの見た目に及ばない結果でした。
その後、ライコネン、モントーヤともコンスタントに表彰台には登壇しつつも、それ以外はリタイヤが多く、なかなか「表彰台のテッペン」に上がれずにシーズンは進行していきます。お決まりの信頼性の無さがチラホラ見え隠れし、そこの改善もなかなかみられません。
そしてここから2つの「出来事」がありました。一つ目は幼少期からマクラーレンが育て上げた若手、L・ハミルトンがF1のガレージを訪れ、翌2007年からレギュラーシートを得る可能性が現実的になったこと。まだシーズンを終えていない最中にこのようなプロモーションはドライバーにとっていいものではありません。
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もう一つはライコネンが9番手、モントーヤが11番手で予選を終えた第10戦アメリカGPの決勝、スタート直後のターン2進入でモントーヤがライコネンに追突IMG_3547
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多重クラッシュを招いてレースを混乱させてしまいました。IMG_3549
この後ろ姿を最後にマクラーレンはモントーヤとの契約を突如解除し、デ・ラ・ロサにシートを譲る形となります。シーズン後半戦にライコネンによるポールポジションは3回記録するも、ドライバーの戦闘力を失ったマクラーレンは結局優勝を挙げることは一度も無く、コンストラクターランキングも3位に落とす不作の年に終わりました。

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前年は最多勝を挙げるも時すでに遅しのランキング2位。翌年は2回チャンピオンと大型新人が揉めてポイント剥奪と、その間に挟まれたこのマシン。ライコネンもモントーヤも当時のマクラーレンの体質には結果的に合わなかったという、地味でもインパクトだけは例年に負けない一台でした。

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今回はフェラーリ回にしました。先日のネタで駄馬駄馬言っていたら、駄馬もたまにはちゃんと取り上げなきゃなと思って選んだのは2014年型F14Tです。何気にライコネン車の連発になりました。まだまだ最近の話にもみえますが、もう6年も前の話ですね。インパクト抜群の見た目以上の駄馬、みていきましょう。

《設計》
 ニコラス・トンバジズ
 ジェームス・アリソン
 パット・フライ
 ルカ・マルモリーニ
 マッティア・ビノット
 浜島裕英
 ロリー・バーン

《外見》
開発担当者をいつもよりズラズラ多めに並べました。この方々がいわゆるA級戦犯、なんて言ったら失礼か(笑)
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先日も話題にしたフロントノーズからみていきます。この滑稽なフォルムは当時のレギュレーションである「ノーズ先端から50mm後方までの高さを185mmかつフロントタイヤ車軸から750mm以上1,200mm以下」に準拠したためです。フェラーリは掃除機のヘッドの如くローノーズを採りました。フェラーリ以外にはチャンピオンを獲得したメルセデスF1 W05 Hybridも同じ形状でした。
このマシン最大の特徴は「パワーユニット構成」にあります。空力性能を突き詰めるべくリヤエンドを絞ることをコンセプトとし、パワーユニットを集約化に努めています。インタークーラーに代わった「ヒート・エクスチェンジャー」と呼ばれる冷却器やMGU-Hなどの熱系機器類をエンジンのVバンク内側にまとめて、側部の空間確保に専念。エキゾーストマニホールドもエンジンに沿う形で平面的に合流させてシリンダー上方に立ち上げられていきます。
MGU-Kもエンジン側部でなく、エンジン後方にあたるクラッチやギヤボックスと一体化されました。とにかく中央に、上方に、後方に集約し、側部の空間を作り上げ、ライバルと色んな意味で一線を画しています。
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絞りに絞ったといっても、外見上はライバルとそんなに変わらない気もするんだけど、、(笑)
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フロントサスペンションは2012年型のF2012から引き継ぐプルロッド式となっています。

カラーリングはベースの深紅とウィング類の白に加え、マシン下部からエンジンカバー後部にかけて黒をまとっています。まさしくこの黒のエリアを絞りたかったのよーって。いつものマールボロを筆頭に、黄色い貝殻のシェル、白はサンタンデール銀行。スペインの銀行でエースドライバーさんのお得意スポンサーです。

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《シャシー》
 全長:  - mm
 全幅:  - mm
 全高:  - mm
 最低車体重量:691kg(ドライバー含む)
 燃料タンク容量:100kg
 ブレーキキャリパー:ブレンボ
 ブレーキディスク・パッド:
 サスペンション:フロント プルロッド
          リヤ    プルロッド
 ホイール:OZ
 タイヤ:ピレリ

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《エンジン》
 フェラーリTipo056/3
  V型6気筒・バンク角90度
  シングルターボ+ERS
 排気量:1,600cc(推定)
 エンジン最高回転数:  15,000rpm以下(制限)
 MGU-K 最高回転数:  50,000rpm以下(制限)
 MGU-H 最高回転数:125,000rpm以下(制限)
 最大馬力: - 馬力+120kW(非公開)
 燃料・潤滑油:シェル

2014年といえば現パワーユニット元年ですね。パワーはメルセデスには及ばず、ルノーよりは上という位置付けにはなりましたが、結果的にレッドブルに大敗していますから、結果的には苦労が報われなかったという悲しい結末に。

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《ドライバー》
 No.14 フェルナンド・アロンソ(全戦)
 No.7   キミ・ライコネン(全戦)

一度フェラーリを離脱しロータスの底上げに貢献するも不満を抱えていたライコネンを再び呼び戻し、2001年デビューのどちらもチャンピオン経験者を並べた豪華ラインナップとしてきました。歴代でみるとマッサ+ライコネン、マッサ+アロンソ、アロンソ+ライコネンと8シーズンでたったの3人。それも出戻りアリで当時のトップクラス、準トップクラスのドライバーを並べるあたりが「獲れない者は去るべき。獲れる者で狙う」フェラーリらしいですね。

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《戦績》
 216ポイント コンストラクター4位
 (1位0回、2位1回、3位1回、4位5回ほか)
 ポールポジション0回

当時のドライバーラインナップを考えれば、その戦績はピカイチです。2010年代前半は完全にレッドブルにやられて2番手に甘んじていた時期が続き、新たなパワーユニット元年となればフェラーリファン、F1ファンは「勢力図改変」を期待したことと思います。ただ蓋を開けてみたら、、ビックリするくらい、遅い!
開幕戦オーストラリアGP予選はアロンソがQ3に残り5番手を獲得しますが、ライコネンはQ2落ちの12番手に沈みました。決勝はアロンソ4位、ライコネン7位とベッテルやハミルトンといった他の優勝候補が脱落した中で散々たる結果に終わります。続く第2戦マレーシアGPはアロンソは同じく4位と表彰台まであと一つのところにつけますが、ライコネンは完走こそするもののラップダウンの12位入賞圏外と、まるで戦えていません。どこぞの中堅チームならまだしも、チャンピオンを経験したトップチームの結果ですから、ベッテルの絶不調、メルセデスの絶好調に引けを取らない衝撃的な事実でした。
以降、メルセデス、レッドブルの2チームのみならずウィリアムズやマクラーレンの後塵を拝することも多く、毎戦4位〜9位あたりをさまよう内容が続き、予選最高位はアロンソの第2戦マレーシアGP、第8戦オーストリアGP、第12戦ベルギーGPの4番手3回。決勝最高位もアロンソによる第11戦ハンガリーGPの2位1回となっており、ライコネンは結局一度も登壇できないというロータス時代よりも冴えない結果でした。ちなみにドライバーズランキングはアロンソがウィリアムズの一角(マッサ)を食う6位、ライコネンの12位は同じく登壇の無かった2001年ザウバーでの1年目を含めてもワーストです(2019年アルファロメオも無登壇でランキングタイ記録)フェラーリとして未勝利に終わったのは1993年のベルガー、アレジコンビ以来となる21年振りの大惨事となりました。5003
不作の原因として「空力を追求するあまりのコンパクトなパワーユニット」が挙げられます。エンジンのVバンクのエリアも活用し、エンジンカバー下部を絞った窮屈な設計は重量物を集中させ、重心も高くなりました。また、フロントエンドの処理、ブレーキ操作にも支障をきたすなど、マシン制御の繊細さを求めるライコネンはおろか、マシン性能を存分に引き上げる術を持つアロンソですら、表彰台登壇が精一杯という状況を作り上げてしまいました。勝利に飢えるアロンソは新しい活路としてこの年限りで長期契約を破棄してフェラーリを離れ、新生マクラーレンに移籍を決めます。そしてドライバーだけでなく首脳陣に対しても容赦無いフェラーリはチーム改革に踏み切り、開幕早々の4月に代表のステファノ・ドメリカリを解任、続いて8月にエンジン開発担当のルカ・マルモリーニを解任、9月に会長のルカ・モンテゼモロが辞任、さらにはシーズン終了とともにドメリカリの後任のマルコ・マティアッチも辞任という形で首脳陣もバタバタと斬られていきました。
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フェラーリに憧れるドライバーやファンは沢山います。F1にはなくてはならないワークス、コンストラクターには間違いありません。しかし潤沢な資金と揺るがぬブランドを引っ提げても「何かひとつ足りない。空回り。傲慢」なのもフェラーリ。フェラーリのネタになると毎回そう思い、書いてきましたが、フェラーリは「栄冠を掴んだ者の最終到達点」であり、フェラーリに属して栄冠を掴むのはかなり至難の業であるように感じます。古くはG・ヴィルヌーブ、ベルガーやアレジ、マッサもそうでした。アロンソやベッテルは「他で結果を出したドライバー」なのであまり心配に感じませんでしたが、ルクレールについては一抹の不安を覚えてしまいます。フェラーリが最後にチャンピオンを獲得してから、だいぶ日が経ってしまいました。

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お休みを挟んで、新車をみる後半戦を続けていきたいと思います。
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アルファが2チームになっちゃった。でも元祖はウチよ、と参戦2年目となるアルファロメオ(ザウバー)のお出ましです。赤ワイン一気飲みのおっちゃんのいる方ですね。先日のクラッシュテストで初回はバラバラに壊れて不通過となり心配されました。今シーズンもシャシー名は「C」を付してきました。ザウバニズムは2020年でも健在です。

《設計》
 ヤン・モンショー
 ニコラス・ヘンネル
 エリック・ガンダラン

《外見》
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新車初お目見えはお決まり黒のダミーカラーとなりましたね。正式発表の直前なんだし何も隠す必要はないのに、と思うのですが。意外とダミーカラーの方がカッコよく見える。色は結局白とワインレッド、マシン下部が黒の構成でした。ノーズの縁取りもエンジンカバーと揃えられましたね。
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ノーズは中絞りのタイプを採用しています。最近はサスペンションより前が細身のタイプが増えはじめましたので古めかしく感じます。
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動物的なノーズコーン先端も健在です。ここはまだ黒のままなのでダースベイダー感も残っています。
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ノーズ周りもさることながら、エアインテークの形状も各マシンで形状差が現れる場所です。アルファロメオは引き続き分割された個性的なものを採用。メインの吸気口はお兄さんチームのフェラーリに似た三角形となりました。楕円型も含め、この開口の投影面積はアルファロメオが最も大きなものとなっています。
サイドポンツーン開口は扁平なものを採用しつつ、フェラーリと比べると下端が広く、大きな開口となっています。先程の上部も含め、アルファロメオは開口が大きく冷却に力を注いでいるようにみえますね。マシンカラーが白のせいか、開口周りのポッドウィングは案外シンプル。
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最近のマシンはどうしてもここに目がいってしまいます。サイドポンツーン後方の絞り、だいぶ絞られましたね。ただライバルは今シーズンでエンジンカバー上部もかなり細身にしているところも多く、それに比べるとアルファロメオは「alfa Romeo」とあるあたりをみればまだまだ膨らみがあります。

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《シャシー》
C39
 全長: - mm
 全幅: - mm
 全高: - mm
 最低車体重量:746kg(ドライバー含む)
 最大燃料重量:110kg
 ブレーキキャリパー:ブレンボ
 ブレーキディスク・パッド:ブレンボ
 ホイール:OZ
 サスペンション:フロント プッシュロッド
          リヤ     プルロッド

《エンジン》
フェラーリ Tipo065
 V型6気筒・バンク角90度 シングルターボ
 排気量:1,600cc
 最高回転数:15,000rpm(制限)
 最大馬力: - 馬力
 燃料・潤滑油:

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《ドライバー》
 No.7   キミ・ライコネン(フィンランド)
 No.99 アントニオ・ジョビナッツィ(イタリア)

コンビは変わらずの2人ですね。昨シーズンの序盤はライコネンがさすがの走りで好位置を走行しましたが、後半戦は時が止まったかのように精彩さを欠く低調に転じて、逆にジョビナッツィの方がライコネンを上回る結果となりました。
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ライコネンは現在40歳の最年長かつシーズン途中には「F1決勝最多参戦」の記録を更新します。よくもあの脱力っぷりでこんな多くドライブできたものです。変に政治的な動きや発言をしてこなかったことが好転だったのかもしれませんね。今までの戦績とファンからの人気でうまく渡り歩けています。miyabikunは前厄となる今年、ずっと風邪っぽいし長引くし、体調が優れません。ライコネンは1年先輩ですから、日本では本厄にあたる歳です。大丈夫でしょうか。彼には全く関係なさそうですね(笑)結果云々というよりかはドライブできているのが奇跡的な領域に入ったレジェンド。今シーズン限りなのか単年とかでこの先もドライブするかは明らかになっていませんが、引き続き若手の模範となる走りで世界に点在するファンを魅了してほしいですね。
F1ドライバーにもなれないmiyabikunは昨シーズンの序盤のジョビナッツィに対して、遅いとか悪いでなく「下手クソ」と言い放ちました。だって本当に下手クソなんだもん(笑)要らぬところでスピンするし、それがまた単独というだけでなくレースを左右するきっかけにもなって、後ろ盾もありせっかく得たシートも今年(2019年)限りかなと。ところが後半戦はライコネンとは逆にマシンに馴染んだのかライコネンを上回る予選と完走を続けられるようになりましたね。上り調子で来ているならば、まだまだ伸び代を期待できるということ。F1の2年生を除いて唯一表彰台未経験者です。「無口な見本」が隣にいる間に得るものをしっかり得て、貴重なF1イタリア代表として奮起してほしいと思います。

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近年中団争いにもがくルノーワークス。エンジンサプライヤーとしては素晴らしい功績はあるものの、ワークスとなると「青い時代」を除けば歴代でパッとしませんし、歴史的に消えたり湧いたりを繰り返しています。現ルノーワークスの前身は「ロータス」というF1で名の通る冠を付けた「黒いルノー」でした。黒いといっても「中身が真っ黒い」という意味ではありませんよ(笑)2012年型のE20が今回の主役です。

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《設計》
 ジェームス・アリソン
 ディア・ダ・ビア

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《外見》
ルノーワークスは2010年末にグループ・ロータス(エスプリやエリーゼといった市販車を扱う部門)に株式を買収されたことで2011年シーズンを「ロータス・ルノー」という名で参戦しました。ところが小林可夢偉もドライブしたケータハムの前身も「チーム・ロータス」を名乗ったため「どっちがあのロータス?!」となりましたよね。結論としてはどちらのロータスもあのロータスの直系ワークスではないというのが答えで、クラークやヒル、アンドレッティやハッキネン、中嶋悟もドライブしたあのロータスは1994年で歴史的にピリオドを打ち、今回取り扱うロータスは「ルノーワークスの継承」となります。
冒頭から話が逸れましたが、この初代「新生ロータス」はカラーリングこそ前作ルノーR31と似ているものの、内容はガラリと変えた「挑戦と新技術投入」がうかがえるマシンでした。引き続きジェームス・アリソンの作品となったE20はまずR31がチャレンジして失敗に終えた「サイドポンツーン前方(側方)排気システム」を一新し、センターに排出する方法に切り替える決断をしました。高温、高圧の排気を側面に持ってくるアイデアは興味深いものでしたが、マシンが燃えてしまっては元も子もありません(笑)
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このE20は技術的に攻めの姿勢を密かにしていました。一つ目が「フロントの車高調節システム」(リアクティブ・ライドハイト・システム)です。一見ダメそうな技術っぽいですよね。リアクティブとは「反応的な」という意味です。では何に反応するかというと、ブレーキング時に前方が下がることに反応してプッシュロッドの車輪側(アップライト接続部)が伸びるというもの。そうすればブレーキング時も車高を一定に保てるため、挙動も安定します。以前にウィリアムズで一世風靡した車高調節システム「アクティブサスペンション」との違いは能動的「予め地点や作動量を定めて作動する」か受動的「あくまで外部からの負荷に反応して作動する」かの違いで、後者であるE20の技術はFIAに確認のもと開発されていました。しかし開幕前にFIAから「可変空力装置」という判断が下されお蔵入りとなっています。
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その他にはこの時代に盛んに開発された「ダブルDRS」がありました。ロータスはコクピット後方上部のエアインテークの左右にさらに開口を設けて二系統の空気を取り込みました。一つはリヤウィング下部にまたがるビームウィングへ排出、もう一つはリヤウィングのステーを介してウィングから排出してマシン後方の流速増加を行う「予定」でいました。しかし、シーズン後半で本戦採用のタイミングが合わず、惜しくも日の目を見ることはありませんでした。ライバルのようにもう少し開発が早ければ、功を奏していたことでしょう。
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このシーズンのマシンといえばTボーンクラッシュ(前車の腹部、サイドポンツーン付近に「T字」で衝突すること)の安全対策として「ノーズコーン高さは路面から550mm以下(ただしモノコック前部は高さ625mm)」というレギュレーションになったため、実に滑稽な、むしろブサイクな前面形状となりましたね。ところが黒いタキシードをまとう英国紳士E20は段差こそあるものの、カラーリングも相まってか平滑に上品に仕上げてきました。実績を問われるのはもちろんのこと、F1も「見た目」は非常に重要ですね。

カラーリングは前作から引き継ぐ伝統の「黒地に金文字」です。miyabikunは現役のジョン・プレイヤー・スペシャル(JPS)のカラーリングを見た事はありませんが、オトナになるとあのシブさが少しずつ分かる気がします。E20は残念ながらJPSではなく、GENIIというベンチャー投資会社になります。フロント、リヤのウィングレットの真っ赤もアクセントとしてカッコいいですね。黒や金だと、きっとボヤけて見えます。赤だから、締まる!ルノーといえば、トタル!

《シャシー》
 全長:5,038mm
 全幅:1,800mm
 全高:   950mm
 最低車体重量:640kg(ドライバー含む)
 燃料タンク容量: - ℓ
 ブレーキキャリパー:AP
 ブレーキディスク・パッド:AP
 サスペンション:フロント プッシュロッド
                                  リヤ    プルロッド
 ホイール:OZ
 タイヤ:ピレリ

シャシー名は前作ルノーR31からE20になりました。31から20に減っちゃった?!それもどうしてLotusなのにE?!それはファクトリーを構えるイギリスのエンストンからきています。ここで20番目に生み出されたマシンだからだそうです。余談ですがロータスの市販車、エリーゼ、エスプリ、エランにエリート。全てではありませんが、なぜか頭文字「E」がやたらと多E。面白Eですね。

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《エンジン》
 ルノーRS27-2012
 V型8気筒・バンク角90度
 排気量:2,400cc(推定)
 最高回転数:18,000rpm(制限)
 最大馬力: - 馬力(非公開)
 燃料・潤滑油:トタル

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《ドライバー》
 No.9   キミ・ライコネン(全戦)
 No.10 ロマン・グロージャン(第13戦を除く全戦)
    ジェローム・ダンブロシオ(第13戦)

フェラーリを離れてラリーに転身したライコネンがまさかの3年振りにF1復帰。今までマクラーレンやフェラーリのイメージが強かっだけにロータス(ルノー)に乗るライコネンは想像していませんでした。そもそもF1昇格前はフォーミュラ・ルノーでならしたんですよね。この話になると毎回タラレバで思ってしまうのが「クビカの怪我」の件。クビカが怪我して2011年シーズンをフルで戦えていたら、もしかしたらライコネン復帰の隙間は無かったかもしれないと想像してしまいます。そのライコネンの相方には2009年のルノー時代にサードドライバーから昇格し、スポット参戦していた若手のグロージャンがこちらも3年振りの復帰となっています。2010年もそのままルノーだと思っていたら、横からクビカが逃げ場を探して飛び込んで奪われちゃったんだよな。ってなんだ?どちらもクビカ絡みかい!(笑)そんなグロージャンも第12戦ベルギーGPでスタート直後に思い切り散らかしてしまい、罰金&1戦出場停止を食らったため、翌第13戦イタリアGPはサードドライバーのダンブロシオが代走しています。

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《戦績》
 303ポイント コンストラクター4位
 (1位1回、2位4回、3位5回、4位1回ほか)
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開幕前からライコネンの復帰とシーズン前合同テストの好位置につけたロータスの期待度は高くありました。開幕戦オーストラリアGPの予選はライコネンではなく何とグロージャンの方がポールから0.2秒落ちの3番手を獲得しました。結果的にグロージャンがスタート直後にリタイヤ、ライコネンは7位入賞で終えています。
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その後、予選はグロージャンに分があり第11戦ハンガリーGPで2番手を獲得し、決勝はライコネンがしっかり表彰台登壇を連ねていきます。ただライコネンは第4戦バーレーンGP、第8戦のヴァレンシア市街地によるヨーロッパGP、ハンガリーGPで2位止まり。グロージャンも第7戦カナダGPで2位(ちなみに現時点まで含めての最高位)で、ダブル表彰台は獲得してもなかなか表彰台の最上段に到達できないレースが続きました。第16戦韓国GPでこの時代のトレンドとなっていた「コアンダ・エキゾースト」(サイドポンツーン後方のエンジンカバーを切り欠き、マシンに沿わせる形で排気するシステム)を導入。終盤の第18戦アブダビGPで以前にも振り返ったことのあるライコネンの「放っておいてくれ優勝」を迎えてシーズン優勝者8人目、チーム初優勝を獲得。結果的にはライコネンがドライバーズランキング3位、グロージャンが8位、コンストラクターズ4位とトップには及ばずもまあまあ上出来の初年でシーズンを終えました。

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秘めたる技術のお蔵入りは残念でしたが、マシンカラー同様「ダークホース的存在」でシーズンを盛り上げてくれた一台でした。

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近年はハンガリーGPとベルギーGPの間に夏休みを設けるのが定例化してきました。ただしこの年までは少し異なっており、夏休み前はヴァレンシア市街地でのヨーロッパGPとベルギーGPで夏休みを挟んでいます。夏休みの宿題に追われるような時期を思い出させてくれる、2009年第12戦のベルギーGPです。
「裏技」を駆使し、また他の「裏技」は搭載せずにシーズン前半を席巻してきたブラウンGPのバトンは第7戦トルコGPを境にズルズルし出しました。代わって第8戦イギリスGPでベッテル、以前に振り返った第9戦ドイツGPはウェバーが勝利して、遅れ馳せながらレッドブルがブラウン狩りに転じています。こういう勢力変化は面白いですね。

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ベルギーはフリー走行から参戦2年目のフォース・インディアが2人共々イケイケです。36歳となった「オールドイタリアン」フィジケラがQ1でトップ通過、Q2で4番手通過と番狂わせの予感がします。
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何とアロンソ、ハミルトン、バトン、コバライネンらがQ2でアウト。あと残っている強豪?!フェラーリのライコネン、レッドブルの2人、BMWザウバーとトヨタあたりか。
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Q3の残り30秒でもトップに立つ。代走バドエルは使えず一匹狼ライコネンは3番手止まり。その後BMWザウバー2台がライコネン超えをみせるもフィジケラには届かず。
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同胞の予選屋トゥルーリもダメ。ということは?!
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やった!
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やったぁ!
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フォース・インディアとしては初、フィジケラとしては3年振り4回目のポールポジションを獲得しました。そして上位3人の顔触れがシブい。どこか似たニオイのする3人。残念ながら「金」は獲れなかったいぶし銀たち。

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《予選結果》
   1 G・フィジケラ       (フォース・インディア・M)
   2 J・トゥルーリ        (トヨタ・T)
   3 N・ハイドフェルド(BMWザウバー・B)
   ※Tはトヨタエンジン、BはBMWエンジン
      タイヤはブリヂストンのワンメイク

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ベネトン時代に1回、ルノー時代に2回のポールスタートの経験のあるフィジケラですが、日の浅いチームのポールスタートとなれば期待は大きくなります。スタートの価値と重要さを痛いほど知るベテランです。
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今回は14番手に沈んだランキングトップのバトン。序盤の勢いは何だったんだ?!当時は言えなかったけど、貯金しておいて本当によかったですね。
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バトンに相対して4番手スタートとなったバリチェロは大失敗。6番手のライコネンが瞬時にアウトへ転じて受け流す。
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2番手3番手のいぶし銀は狭いラ・ソースの奪い合いでタイヤスモークからの接触。関係ないねと4位を狙うべくまたアウト側「あさってのライン採り」をしています。
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これだけオーバーランしたら逆に潔い。全車でこんなにワイドに膨らむのもココくらいでしょうか。ふた昔前、かのマンセルは鋭角ラ・ソースで縁石のさらに外を大きく膨らむ「反則ライン」を編み出し、後輩たちはこぞって倣いました。距離は長くなるけど、速度低下は小さく済みます。後ろでガチャガチャやっている間にポールのフィジケラは逃げモード。
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ハイドフェルドに代わって2位に浮上したクビカに対して、ライコネンは早くも王道のケメルストレートで追い込みをかけます。
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レ・コームでライコネンが前を奪うと、その後がよくなかった。続く左のターン8でインをカットして失速、クビカの左フロントウィングを蹴り飛ばしています。ターン1といいライコネンらしくない乱暴さ。

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先頭集団も接触を繰り返す中、中団以降も荒れ模様でした。ルノーの若手グロージャンがまったりのバトンを押し出して、バトンが反転。
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その後ろでトロ・ロッソをドライブする2戦目の最年少アルグエルスアリはハミルトンを道連れにして、4台が一気にリタイヤすることとなりました。1周目から毎年何かが起こるスパ。
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早速セーフティカーの出番となり、頭一つ飛び出たフィジケラにとっては辛い状況となります。4周目にローリングスタート。
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オー・ルージュからピッタリ張り付くライコネン。前は予選で大注目されたフィジケラです。
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マシンカラーやチームは変われど、見覚えのあるバトルだ。フィジケラ4年前のデジャヴか?!
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ケメルの中腹で簡単にパス。フィジケラもここまでか。仕方ない、相手は何せKERS搭載の「スパ王」ですから。

ただ今日のフィジケラはそう簡単にくじけたりしない。2年目の中堅フォース・インディアを駆るベテランはトップチームのスパ王から離れません。14周目のピットイン1回目で合わせ込む。
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ピットアウトしてジワリジワリとギャップを削りにいきます。今日のフィジケラはいつものフィジケラとはちょっと違う。ライコネンに飛ぶピットからの指示を受け、フォース・インディアもスパ王狩りを諦めていません。
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23周目のケメルはギャップ0.8秒に迫る。今ならばDRSという裏ワザがあるのに、当時はまだありませんので、パワーがモノをいいます。フォース・インディアはKERS非搭載車。あるのは文字通りの「インドの力」と「フィジケラの経験」それだけ。

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30周目にライコネンが2回目かつ最期のピットに入りました。もちろんフィジケラは今回も合わせて離さない。どこかにチャンスがあると信じて「目の前の敵」だけをしっかり見つめる。
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トップ争いとは毎回タイミングをズラして上位を狙うレッドブルのベッテルに好転が訪れました。何と3位クビカの前に空間があります。ピットをミスしなければ、イケるぞ?!
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そこをしっかり押さえて「だらしの無い」ブラウンGPの居ぬ間のチャンスをしっかり取ってくる。こういう積み重ねが将来の大成に繋がる重要なファクターです。
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そうそう、ボクだってファステストラップも獲れるんだよ、と。

一方で予選惨敗、スタート失敗、1周目のもらい事故と散々たる内容となる「だらしの無い」方は?!
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ファイナルラップでバリチェロのマシンから白煙が見えています。1周が長く、上下にも左右にもクネクネなスパに耐えられるのか?!
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何とか7位入賞でフィニッシュ。よかったね、ウィニングランの無いスパで。山奥で燃えるのだけは避けられました。

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結局フィジケラは0.9秒遅れのままの2位。フォース・インディア初の表彰台を獲得しました。スパ王相手によくやりました。そしてこのレースを最後にフィジケラはフォース・インディアを後にし、負傷欠場のマッサ、不甲斐無い代走バドエルに代わって、たった今負かされたフェラーリに移籍して「F1最終章」を迎えることとなりました。

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《決勝結果》
   1 K・ライコネン(フェラーリ・F)
   2 G・フィジケラ(フォース・インディア・M)
   3 S・ベッテル    (レッドブル・R)

ライコネンのベルギーGPは2004年、05年のマクラーレン時代で2勝、そしてフェラーリ第1期の07年と09年で2勝、2019年現役ドライバーで最多となる計4勝を挙げています。歴代ではM・シューマッハの6勝、A・セナの5勝に続く数です。ハミルトンもベッテルも及ばない面白記録の一つ。ちなみにハミルトンとベッテルは現在3勝で続いているため、2人のうちのどちらでもスパ王に並びます。もちろんライコネンが勝てば、5勝目に到達します。可能性は極めて少ないけど、ゼロでもない。えっ、そんな数字なんて関係ないねって?!
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2009年シーズンのフェラーリは全17戦のうち、優勝はこのライコネンのベルギーGPたったの一つ。そしてライコネンのフェラーリ第1期の最終優勝でもありました。10年の時を経たフェラーリも今非常に勝ちに飢えています。そのベルギーGPは勝てる貴重な貴重なチャンスです。

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