最近このブログでサーキットを空想したり並べて遊んでいます。先日サーキットの詳細を調べていると、面白い記事を見つけました。「ハミルトンの選ぶベストコーナーでサーキットを設計」というネタ。ネタはすごーく古い2008年のものなので、まだまだ青く若い、今より違った意味でイキイキ尖っていた頃、マクラーレンのパートナーシップであったエクソンモービルと共同でやっていたものです。サーキットで遊んだり理想を語る人、世の中には沢山いるんですね!ご存知の方も多いかもしれませんが、興味深いのでご紹介します。

昔ハミルトンが考えた「Super Circuit」

  1コーナー:ターン8
                    (イスタンブール・パーク)
  2コーナー:エストリル
                    (マニ・クール)
チャンピオンの選んだコーナーを「毎度のルール」で一つずつ簡単にみてみます。
まず1コーナー。今F1カレンダーに無いトルコGPのイスタンブールはヘルマン・ティルケ作サーキットで唯一ノミネートされています。その中でも走行ラインの難易度が高い「ターン8」はアメリカのCOTAにオマージュされる(自分で?)ティルケの秀逸かつ人気あるコーナーの一つ。エイペックスが4つもあり、走行ラインは曲率半径の異なる「一つのコーナー」の如く、我慢強く左に耐えていきます。
2コーナーのマニ・クールも今は行われていないフランスGPのサーキットです。こちらもトルコ同様に当時はありました。エストリルはコーナーの面白さよりテレビ中継で内側からカメラでずっと流し撮りしてくれてマシンを追いやすいという印象です。個人的にはそのあと控えるぶっ込みヘヤピンの「アデレイド」や最終のひょっこりシケインの方がマニ・クールのイメージで強いかな。

  3コーナー:130R
                    (鈴鹿)
  4コーナー:オー・ルージュ
                    (スパ・フランコルシャン)
この記事は2008年のものなので、ハミルトンはデビュー2年目で3コーナーとして選んだ鈴鹿はF1でまだ走行していません。それでも選んだ10のうちのコレと以降に出てくる2つも選んでくれるなんて、鈴鹿はそれだけ知名度も人気もサーキットとして完成度も高く評価されていると思えて嬉しい限りです。130Rはその名の通り元来は半径130mで設計された左高速コーナーでしたが、改修により85Rと340Rの複合コーナーとなって、近年はアクセルは戻さずベタ踏みが定説になってきています。
続くオー・ルージュはF1で一二を争う人気とインパクトあるコーナーですよね!誰が選んでもこのコーナーは大抵入れてくるのではないでしょうか。ベルギーGPが近付くと毎回書いている「オー・ルージュ」
とはサーキット内を流れる川の名前「赤い水」から来ています。壁のように立ちはだかる上り右コーナーのイメージが強いですが、実は手前の低い左コーナーを指しているとのこと。上り切った所の 左コーナーはラディオンという名がついています。

  5コーナー:タバコ
                    (モンテカルロ市街地)
  6コーナー:第1コーナー
                    (鈴鹿)
モンテカルロ市街地も2箇所選んでいます。1つ目は5コーナーとして海沿い後半セクションにある安直なネーミングのタバココーナーです。ここは昔からあるコーナーですが、現在は海側に改修されています。タバコ屋もコーナーとともに海側に移設しているのでしょうか?行ったことないのでわかりません。このコーナーを目がけてマシンが向かってくるカメラアングルは有名ですね。
鈴鹿の2つ目は第1コーナーが選ばれています。各サーキットの1コーナーはタイトであったり接触を招く低速コーナーをよく見かけます。でも鈴鹿は違う。結構な高速で突っ込みます。過去には接触事故がいくつもあって、大抵は外側のグラベルにもっていかれてしまいます。もし鈴鹿サーキット風にコーナー名を付けるなら曲率半径からとって「100R」でどうでしょう?

  7コーナー:プーオン
                    (スパ・フランコルシャン)
  8コーナー:カジノ
                    (モンテカルロ市街地) 
スパの2箇所目です。プーオンはエイペックスが2つ。マシンはさっきのオー・ルージュ以降で目一杯駆け上がってますから、ココは緩やかに下りながらのなかなかな高速コーナーです。
モナコの2つ目は前半ボー・リバージュで駆け上がった先にある美しい右コーナーの「カジノ前」です。このロケーションも「モナコGP」を象徴する一つではないでしょうか。日本にカジノは馴染みがなく、これから新たに始まる文化ですね。どんな建物や経済効果が期待できるのでしょうか。自身はあまり賭け事をしません。こういう奴がたまにやって一度ハマると結構注ぎ込みそうになるので、日本のカジノ前にはなるべく行かないように気をつけます。

  9コーナー:メルグーリョ
                    (ホセ・カルロス・パーチェ)
10コーナー:コプス
                    (シルバーストン)
9コーナーはブラジルGPでお馴染みのホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス)で思わず「選ぶのはソコか?」と少し意外でした。どうせならハミルトン自身が奇跡を起こした最終セクションの12コーナーからエス・ド・セナまでのもっと長時間の縦断横断勾配が続く「慣れない逆首辛いよゾーン」を選んだ方がハードなのに(笑)
最後はちゃんと母国の歴史あるコーナーを選んできました。以前は1コーナー、今は10コーナーに位置する高速コプス。ここにあるマゴッツ、ベケッツ、チャペルの三兄弟よりコプスを選ぶあたりが「肝が据わった」ハミルトンらしい。リズミカルでテクニカルを選ぶなら、自身もココの三兄弟でなく鈴鹿のS字から逆バンク、ダンロップを選びそう。

以上、構成はこんな感じです。アメリカGPのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)もいわばヘルマン・ティルケが各地のオイシいとこ採りで構成されているので、今回のこれはハミルマン・ティルケみたいなもんですね(笑) これらをそのまま抜き取って並べると一応こうなります。
なんかコレ、染色体とかベビースターラーメンみたいだ。意外と名コーナーも抜き出してみると何のこっちゃわからないし、とても人気のあるコーナー達には見えん。。仮にこれをこのまま繋いでもクルクルのジムカーナみたいになっちゃいそう。
動画で繋がった完成形はこんな感じで見られるので、それを参考にミヤビマン・ティルケに依頼して切って貼ってさせました。すると、こうなる。
ほう、サーキットに併設されてるゴーカート場の様だ。見本と若干雰囲気が違うところもありますが、まあまあ形になりました。スケール感もいい!起伏や勾配も上り下りとちゃんと取り入れて、一周して帳尻も合っていそうだ。
北上はどっちが北かわからなくなっちゃったので、その規則は今回ナシで同縮尺にはしました。あと前半のストレートに色気をつけて入っているシケインは省いています。ハミルマン・ティルケ、無い知恵絞って上手いことやったな!それは失礼か、向こうはプロ(笑)
面白いですね!好きなコーナーだけで構成したサーキットも。ミヤビマン・ティルケにも今度やらせてみようかな。10のコーナー全てが有名でかつアグレッシブなのでベストラップを出すのは容易ではなさそうですが、ドライバーからみたらアドレナリンがダダ漏れになるんでしょうな。取り付くストレート如何で変わってきますのでコース延長やタイムまでは試算していません。

この動画は今でもYouTubeで観ることができます。よかったら覗いてみて下さい。
https://youtu.be/0GupeqJEU-A
9年経ったハミルトンはチャンピオンの貫禄タップリな「ゴーストバスターズ!」