F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:モナコGP

「皆さま、お待たせいたしました。
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 こちらが皆さまがお求めの品でございます」
まあルイ・ヴィトンのケースに入れたりして仰々しい。皆がお求めなのはそれですよ、1勝で3勝の価値と言われるそれ!miyabikunはそのケースの方でもいいけど(笑)
天候の不安がありつつも、どうにかドライで決勝を迎えられそうです。ただ遠くには怪しげな雲がみられるため、天気がいつまで保つことやら。

前日の怒涛のポールポジションの取り合いで盛り上がった予選を経て、決勝のスタートタイヤチョイスはバラエティに富んでいます。
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ポールポジションのフェルスタッペンが黄色いミディアムタイヤチョイスに始まり、2番手のアロンソはハード、ルクレールのグリッド降格に伴い3番手に昇格したアルピーヌのオコンはミディアムを選んでいます。19番スタートとなったアルファロメオの周はボディカラーと合った赤のソフトを選ぶという異端児。後方からならこのようなギャンブルに出るのもアリか。

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スタート直後のサン・デボーテは混乱無しも、サーキットの頂部に位置するミラボー上では接触がいくつかみられ、モナコらしさが始まっています。
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2周目に最後尾のペレスが早くもハードタイヤに履き替える。まさかココから無交換走破を目論んでいる?!
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抜き辛いモナコでこんな戦略がどハマりしたら、以降の選択肢になりそうですね。タイヤに優しいペレスの腕の見せどころになるか。

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レッドブルやアストンマーティンはともかく、アルピーヌに負けるわけにはいかないと、2位アロンソから徐々に遅れ始めるミディアム履きオコンを狙うハード履きのサインツの11周目。
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うわ、近っ!
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やっぱりやったか。。レースの11/78にして早くも手負じゃないの。。タイヤが違うんだから粘っていれば前に出られたかもしれないのに。

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こちらはミディアムタイヤを履くウィリアムズのサージェントを先頭とした下位集団です。モナコお決まりの数珠繋ぎ状態。
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翌17周目のミラボー上でインに振るマグヌッセン
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いったー!男気パッシング!サ◯ンツと違い、躊躇無く抜く。隊列がこのように決壊すると、後続も一気に動きをみせます。
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18周目のラスカスでストロールはインからいく
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その直後の最終アントニーノウズでペレスが続いています。ミディアムタイヤのサージェントはタイヤが厳しそう。

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サージェントと同じくミディアムタイヤでアロンソとのギャップを拡げてきたフェルスタッペンもフロントタイヤがキツいと訴え始めています。
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確かにアロンソに対して9秒以上築いた差も、少しずつ縮められつつあります。さらには徐々にバックマーカーにも当たりはじめ、青旗が振られるにしてもモナコは全くのロス無しというわけにもいきません。
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アロンソから逃げたいフェルスタッペンはまず15位を走行するアロンソの相方ストロールをヌーベルシケインでパス。
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ならばもう一台のボクちんもと、ペレスも便乗。
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いやいや、それは無理っしょとストロールはしかと抵抗。ペレスは文句タレながらシケインカットで前に出ますが、これはさすがにダメ。やり直し!

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ミディアムタイヤでスタートした5位走行のハミルトンは31周終わりに、翌32周目に3位走行のオコンがハードタイヤに履き替えれば、サインツの前がようやく開けます。オコンの1周遅れとなる33周終わりにピットへ。ただサインツはフロントウィング交換があるんだった。。
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ピットアウトすると、本線真横にオコンの姿。モナコはこの時点でまで負けが決定。
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序盤の接触が無ければ、きっと前に出られたろうに。。

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先程はストロールと交錯したペレスはまたヌーベルシケインで至近戦を繰り広げています。今度は誰とだ?!
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ハースのマグヌッセンでした。左のウィングレットを踏み壊される。
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今日のペレスは散らかってるなぁ。せっかくスタート直後に企てた「ノンストップ作戦」は実らず、これでは最初からやり直しだぞ。

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後半の54周目にオコンとサインツはまだやっています。このあたりからいつ来るか、本当に来るのかと心配されていた雨がポツリポツリとやってきます。終盤は雨のバトルか?!
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サインツよ、今度は賢くいけよ!ワイプではこの2人の前をいく2位のアロンソがこのタイミングで何と「ドライのミディアム」に履き替えています。
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オコンはインターミディエイトタイヤをチョイス。サーキットの北側にあたるミラボー上付近の雨足が思いの外強くなっています。
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アロンソのミディアムタイヤはミスジャッジだったか、事が大きくなる前にインターミディエイトに履き替える。ピット1回分の損。
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出遅れたらマズい。フェラーリもたまらず2台まとめてインターへ。ルクレールがスピンを喫したサインツの前でしれっとピットインしています。
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ほとんどのマシンがインターに履き替えても、マグヌッセンは未だにスタートから使い古したドライのハードを履き続ける。アニキ、ステイアウトなんてカタギじゃない、限界っす。そろそろ変えた方がいいですぜ?!
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ほらやっちゃった。。これも親分からの指示なのか、マグヌッセン自身の判断なのか。レースには復帰するも、その後リタイヤ。

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残り12周。9番スタートからミディアムタイヤを引っ張るだけ引っ張って、インターに履き替えた後もその順位を守る角田に、同じく金魚のフンのようにノリスがピッタリとくっつく。今回のマクラーレンの限定カラーは一時期のアルファタウリと見間違えてしまいそう。
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サン・デボーテまでの短いストレートでかわす。くそぅ、やられたかー。角田は10位に転落。
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続いてデジャヴの様に同じマシンのピアストリが角田を襲う(その後ろにいるウィリアムズのサージェントは角田からみた周回遅れです)
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もう止めてあげてー!ノリスと同じ手口で入賞圏内からとうとう陥落。ブレーキが思うように作動せず、エスケープゾーンにマシンを逃すシーンもあり、最終的には15位完走と雨に泣かされたモナコGPとなりました。

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《決勝結果》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 2 アロンソ    (アストンマーティン・M)
 3 オコン     (アルピーヌ・R)

スタートから一切前を明け渡すこと無く、フェルスタッペンは今シーズン4勝目。タイヤチョイスにミスがあったアロンソもそれまでの貯金を強みに2位にステップアップを果たしています。また3位オコンは2021年ハンガリーGPの優勝以来3回目の登壇となりました。

《ファステストラップとそのタイミング》
 ハミルトン(メルセデス・M) 1分15秒650
 33周目/78周
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 オコン(アルピーヌ・R)
《完走(扱い)台数と規定周回走破台数》
 完走台数:18台(18台フィニッシュ)
 規定周回:8台

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 オコン(アルピーヌ・R)

今回の決勝も迷いました。スタートタイヤにミディアムを選んだフェルスタッペンは徐々に不満は嘆きつつもハードタイヤスタートと変わりないところまで引っ張りましたし、中団の角田やノリスもだいぶ持ち堪えていましたもんね。優勝のフェルスタッペンや3位屋さん改め「表彰台屋さん」を確立するアロンソは言ってもチャンピオン級。単に誉めてはつまらないので、サインツの猛攻にも耐え、雨が降っても順位を堅持して久々の表彰台登壇となったオコンに1票投じたいと思います。アルピーヌに移籍してからは、オコンはアカンだのイカンだの酷評が続きましたもんね。たまにはちゃんと誉めてあげたい(アカンもんはアカンですが)昔一悶着あったフェルスタッペンや昨シーズンまでのチームメイトのアロンソとレース後に笑顔で会話している姿をみて、少し安心しました(笑)

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 該当無し

予選に引き続き、こちらは該当無しにはしましたが、いくつか首を傾げてしまうシーンがありました。
序盤のオコンVSサインツにおけるヌーベルシケインでの接触。焦る気持ちはわかるけど、サインツにとってあの接触でフロントウィングレットを失うのは損でしかありません。ミディアムタイヤを履くオコンにピタリとついていけたのなら、ピットインの時にオーバーカットを狙った方がモナコは安全牌。
ペレスにもニアミスが度々ありましたね。最後尾からの追い上げでやけっぱちになっていたこともあるでしょうが、今回のペレスは予選から決勝までどこか空回りしていたように感じました。
終盤に降った雨によるマグヌッセンの使い古しハードタイヤでのステイも理解に苦しみました。周りが続々とインターミディエイトタイヤを履きつつあるのに、アレでは生き地獄でしかありません。マグヌッセンが悪いのかチームが悪いのか、マグヌッセンのタイヤチョイスは毎回間が悪い気がします。

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《ドライバーズポイントランキング》
   1  → フェルスタッペン 144pts
   2  → ペレス      105pts(-39pts)
   3  → アロンソ       93pts(-12pts)
   4  → ハミルトン      69pts(-24pts)
   5   ↑  ラッセル       50pts(-19pts)

《コンストラクターズポイントランキング》
   1  → レッドブル     249pts
   2  → アストンマーティン 120pts(-129pts)
   3  → メルセデス     119pts    (-1pt)
   4  → フェラーリ       90pts  (-29pts)
   5   ↑  アルピーヌ       35pts  (-55pts)

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《第6戦モナコGPのポイント》
・ハードをミディアム同等にこなすフェルスタッペン
・降るの?!降らないの?!いつ降るの?!
・サインツは「名門の戦略」に物申せるタマ
・テレビ制作変わって観易くなった?!本当に?!

日本も南から少しずつ梅雨が訪れて来ています。毎年のことながらこの時期が辛い。。汗は止まらないし、全身がむず痒い。一部改修(復活)されるスペインのカタロニアはカラッと晴れたレースになるといいなぁ。

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レジャーボードや客船で港が賑わっています。予選が始まる前だっていうのに、未だにウロウロ走り回っているボートは観戦しないのでしょうか。このアングルでサーキットのほぼ8割近くが望めるわけですが、ココからでも画像左手のボー・リバージュの急勾配がよくわかります。数少ない直線区間でも、厳密にはド直線では無いんですよね。

《Q1》
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Q1開始直後に続々とピットを後にする各車。ん?メルセデスの2台。
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ゼロポッドではなく、しっかりと横長のサイドポンツーン開口がある。メルセデスはこのモナコGPからゼロポッドを止めてきました。とうとう諦めたか。ガワは広くなりつつも、中はどうなったんでしょうか。ラジエーターの配置とかも広々と確保したのかな?!モナコは低速で、空力的要素は薄いGPだけど、スペインを待たずにココから試しておきたいというところか。本当は前戦エミリア・ロマーニャGPで試したかったよね。効果の程や如何に?!
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勝ち続けるレッドブルはモナコでも例外なく速いのか。フェルスタッペンがひとまず平凡に1分13秒台後半でトップタイムを記録。その後ペレスやルクレールが続くも、上回る様子無し。
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何だサインツは。クリアラップでなかったのかな、早速心配だなぁ。。
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ペレスがサン・デボーテ出口でマシン左側を強めにヒット。
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左側のサイドポンツーンに穴を開けて、赤旗中断されます。これで早くも市街地屋さんは予選走行継続不可で脱落か。
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クレーンで吊られて、チャンピオンマシンのフロアが丸見え。ライバルは今のうちにしかと観察を!(笑)
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何となくまだデブリが散らばっているようだけど、セッション再開。
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アロンソがフェルスタッペンのトップタイムを塗り替えると、他も続々とタイムを更新。あれよあれよという間にハミルトンはQ1脱落ゾーンにまで落ちています。相方ラッセルはそこそこの順位とタイムを記録していますので、ハミルトンは久々のサイドポンツーン復活車、馴染んでいないのか。
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うーん、ヌーベルシケイン内側をショートカット。
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うーーん、何とか脱落ゾーンから脱出はできたけど、うーん、微妙だなぁ。
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ハースも今回元気がありません。マシン的にはそう悪いはずはないと思っていたのですが、ウィリアムズの方がよほど元気。ん?!
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TSU?フェルスタッペンを0.002秒上回る?!
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走れば走るほど路面は向上。Q1は期待以上のウィリアムズのサージェント、ハースの2台、アルファロメオの周、そしてクラッシュによりマシン修復不能ペレスの5人が敗退。角田は結局フェルスタッペンに抜かれて2番通過。Q1とはいえすげー!

《Q2》
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Q2に入ってもアロンソ様は元気でいらっしゃる。決勝3位脱出どころか、本気でポールポジションを目指していらっしゃいます。
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アリポッドとなったメルセデスのラッセルはフェルスタッペン、アロンソに続く暫定3番手となるも、
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ハミルトンはイマイチ乗れていません。暫定10番手でギリギリライン。
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モナコGP限定色で臨むマクラーレンはノリスがヌーベルシケイン出口外側のガードレールに左フロントを擦る。
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それに続く左コーナーのタバコで今度は右セクションを擦り「ミニ四駆走り」になっています。マシンの右に左に傷を負う。
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ギリギリ10番手には残りそうですが、アタックを早々に止めてマシンチェック。
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Q2はそのノリスの相方ピアストリ、角田の相方デ・フリース、ウィリアムズのエースのアルボン、とんでもなく前をいくアロンソの相方ストロールと最近は貫禄ありまくりのアルファロメオのボッタスがアウト。角田はしっかりQ2も突破。miyabikunのクソ予想を遥かに上回る活躍です。

《Q3》
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Q3セッション開始まで間もなく1分になります。Q2突破はいいものの、ノリスは間に合うのか?!
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フェルスタッペンがQ2トップタイムをやや下回る1分12秒台でライバルを待ちます。タイム的にはまだまだ伸び代がありそう。
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アロンソ様がQ2のフェルスタッペンを上回る1分11秒706をマーク。これなら久々のポール獲得できるかも。
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残り6分、ノリスの修復間に合ったー!急げ!
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最近忘れかけていたアルピーヌのオコンがフェルスタッペンとアロンソを上回り一気に初ポールへ。面白い!
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いやいや3年連続でボクがいただくよと、地元ルクレールがポール争いに待ったをかける。
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アロンソ様はまだいく!ルクレールを上回る。
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セッション最終盤で5番手まで引き摺り下ろされたフェルスタッペンが最後のアタック。セクター2通過でトップのアロンソに対して0.2秒のプラス。さすがにフェルスタッペンもセクター3だけでは、、
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いけちゃうんだ、、すごい。。最後は主役をしっかりかっさらったフェルスタッペンがモナコGPで初ポールポジションを獲得しました。
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《予選結果》
P.P.フェルスタッペン(レッドブル・HRB)1分11秒365
 2.アロンソ (アストンマーティン・M)1分11秒449
 3.ルクレール   (フェラーリ・F)  1分11秒471

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「負けたよ、、決勝もお手柔らかによろしくな」
フェルスタッペンと健闘を讃えあうアロンソ。予選ありきで決勝は退屈になりがちなモナコGPですが、路面向上は著しく、この予選では決勝の分まで楽しませてもらったように思います。ポールポジション争奪戦、激しかったなぁ。角田は結局9番手、マシンをギリギリで直してどうにか挑んだノリスは10番手におさまりました。

《先日の予選予想との答え合わせ》
答え合わせが怖いんですけど。。うーん、やるか。。6番手ハミルトンのたった一人。。orz。。ハミルトンの正解も、ペレスが赤旗無い前提の6番手予想だったわけですから、ハズレみたいなもの。。miyabikun19人のドライバー(自損ペレスを引いたら18人か)に謝らなきゃ。皆さん、ヘボ予想ごめんなさい。。日本GPで来日の際は「551蓬莱」の豚まんを一人2個ずつご馳走することにします。。
ペレスのクラッシュに始まり、苦戦予想のウィリアムズが健闘しました。アルピーヌが上位に来る予想は悪くなかったものの、特にオコンはあわや初ポールもイケるんじゃないかという頑張りをみせましたね。そして何より、角田くんのQ1での2番手通過にはビックリ!いいことなんです、ヘボ予想に対して「いい側」に外してくれる分には。決勝も期待していますよー!(なんて大外ししたヤツが偉そうに言える立場ではない)

《Q3トップのフェルスタッペンと各チームの差》
 アストンマーティン(アロンソ)が0.084秒落ち
 フェラーリ(ルクレール)は0.106秒落ち
 アルピーヌ(オコン)が0.188秒落ち
 メルセデス(ハミルトン)は0.360秒落ち
 アルファタウリ(角田)が0.717秒落ち
 マクラーレン(ノリス)は0.889秒落ち
 ウィリアムズ(アルボン)が1.162秒落ち※
 アルファロメオ(ボッタス)は1.260秒落ち※
 ハース(マグヌッセン)が1.905秒落ち※
 レッドブル(ペレス)は2.485秒落ち※
 ※はQ1,Q2最速タイムから算出

トップのフェルスタッペンから6番手ハミルトンまでの差がなかなか拮抗しましたね。Q3ラストは後から走った者に路面向上の影響が大きく、誰がポールポジションを獲得してもおかしくない「ゾーン状態」に入っていました。
モナコは他のGPと比べて速度が低く、マシンの性能差よりも、いかに渋滞に引っかからないかの方が重要で、番狂せが大いにあり得るGPですが、蓋を開けてみればレッドブルやアストンマーティン(アロンソ)、フェラーリやメルセデスといった、他GPと変わらない面々が上位に連ねました。例外といえば今シーズンまだ元気が無かったアルピーヌ勢、そしてアルファタウリの角田くんも健闘しましたね。

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 アロンソ(アストンマーティン・M)

今回は非常に悩みました。頑張ったドライバーが何人もいました。Q2終了時点では角田かアロンソかの二択くらいだったのですが、Q3に入るとオコン、ルクレール、アロンソと代わる代わるトップが入れ替わり、最終的にはフェルスタッペンがアタマを封じるという非常に慌ただしい、盛り上がる予選となりました。特にモナコは「予選ありき」のGPですからね、早くも決勝分の盛り上がりも充分堪能してしまったように感じました。そんな中で最終的に選んだのは、久々のポールポジション獲得を惜しくも阻止されたアロンソです。
今シーズンここまで、予選も決勝も上位で見どころを演出してくれるアロンソですが、さすがにモナコはイレギュラーの波に呑まれてしまうのではないかという不安はありました。ところがこの方はサーキットなんぞ選ばない、どこでもマシンの性能以上の活躍をしています。今シーズンのマシンがどハマりしているのは言うまでもありませんが、チームメイトのストロールがQ2で脱落したことから考えても、明らかにマシンによるものだけではなく、アロンソの実力のみで一人底上げできていることを完全に証明しています。miyabikunアロンソとは同世代なのですが、決して年齢だけのせいにはしてはいけないということを教えられ続けているように感じています。決勝は3位屋さんから脱出できるでしょうか?!
次点はアルピーヌのオコンでした。地元ルクレールの3年連続ポールポジションも見たかったけど、オコンの初ポールポジションも見てみたかったですね。またQ2のヌーベルシケインとタバコでマシン両側に接触を負ったノリスのマシンを突貫修復したマクラーレンのクルーも誉め讃えたいです。よくぞQ3に間に合わせた!

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》 
 該当無し

各車ガードレールへヒットしながらも、赤旗が出るまでの騒動はペレスのケースのみでしたし、非常に白熱した予選が観られたと思います。みんな頑張っていましたので、こちらは清々しく無し!気持ちいい!

《決勝の表彰台予想!》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 2 アロンソ    (アストンマーティン・M)
  ルクレール   (フェラーリ・F)※
 3 オコン     (アルピーヌ・R)
 ※ルクレールは予選時の進路妨害があったため、
  3グリッド降格の6番スタート

気になる決勝の表彰台ですが、何も事が起きなければ、順当にこの予選順位のままが妥当なのかなと。ルクレール※がスタートやピットタイミングで上手くアロンソをかわして、アロンソの「3位屋さんフィックス」も面白いオチなんですが、フェラーリにロングランだのオーバーカットだの出来る余力があるとは思えません。とにかく、モナコ初ポールを獲得したフェルスタッペンの優勝は堅いかな。
※観戦記執筆後にルクレールが6番スタートとなったことが判明したため、3位予想はオコンに急遽変更します。

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「地震です」
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「念のため津波にご注意下さい」
これは予選開始直前の鹿児島のトカラ列島の地震で、遠く関東でもこの字幕が入りました。日本は年中大なり小なりどこかで揺れる国ではありますが、石川の能登地方をはじめ最近は特に地震の頻度が高くなりました。さすがに地震が起きることは止められないけど、起きた時の備えや避難経路等は今一度確認しておく必要がありますね。お互いに気に留めておきましょう。

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三週連続開催の予定から、急遽二週連続開催に形を変えて今シーズンのヨーロッパラウンドが始まります。今シーズンはスペインの前にモナコ。伝統の低速市街地においてイレギュラーな勢力図変化があるのか、それとも常勝軍団に変わりは無しなのか。
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《モナコGPの基本情報》
 モンテカルロ市街地サーキット
  全長           :3.340km×78周=計260.520km
  開催回数 :69回目
  コーナー数:19箇所
  高低差       :41.8m
  DRS区間数:1箇所
  母国レース :ルクレール

《サーキットの個人的印象》
 ・カレンダーの中で一番豪華なGP、休息
 ・海と起伏ある街並み駆る「ザ・市街地」
 ・ココはトラックリミットの心配無用
 ・レースというよりかは「めちゃ速パレード」

近年は市街地サーキットが増え、それも非常に高速な速度域でのレースができるものばかりになりつつつありますが、ここだけは特例。狭く、ランオフエリアも無く、一周が短い風光明媚な港町でのレースですので「バトルを楽しむ」というよりかは「伝統的なレースで誰が先頭を走り続けることができるか」という視点でのレースとなります。
昔も今も多少のレイアウト変更を伴いつつもカレンダーから外れること無くカレンダーに残っていた「伝統のモナコGP」もいよいよ変革の時期を迎えています。今回もレイアウトに変更こそありませんが、今回のモナコGPは今までからいくつかの変更点があります。
まずは特例とされていた「開催権の費用の特例廃止」です。今までモナコGPは破格の費用で開催できていたのは有名な話です。他の開催地では近年それが高騰し、元が取れなかったり開催を断念せざるを得ないところも多くありました。特別扱いだったモナコGPも、「開催契約延長したいのなら、他(というかモナコを除く開催地全て)と同様にそれ相応の費用を負担しなさい」ということになりました。
また、以前の日本GPはフジテレビによる制作で長らくやっていたものが、近年はF1側の制作に切り替わったのは有名な話ですが、モナコGPだけは地元のテレビ局での制作が続いていました。レースの見どころをうまく捉えたり、カメラを切り替えられていないという不満の声もあったため、こちらも遂に現地放送局による制作、放映ではなく、F1側によって行われます。予選や決勝レースはこれからそれを目の当たりにするわけですが、もしかしたら、今までとは異なる雰囲気のモナコGPが楽しめるかもしれません。

《過去5年のポールポジション》
 2022年 ルクレール(フェラーリ)
    1分11秒376
 2021年 ルクレール(フェラーリ)
    1分10秒346
 2019年 ハミルトン(メルセデス)
    1分10秒166
 2018年 リカルド (レッドブル)
    1分10秒810
 2017年 ライコネン(フェラーリ)
    1分12秒178

《ポールポジションレコードタイム》
 2019年 ハミルトン(メルセデス)
    1分10秒166(一周3.340km)

《現役ポールポジション獲得者と回数》
 ★はその年のチャンピオン
 2回 アロンソ (2006★,07)
   ハミルトン(2015★,19★)
   ルクレール(2021,22)

現役のモナコでのポールシッター、ウィナーが近年徐々減り、今シーズンは遂に3人になってしまいました。それも3人が仲良く2回ずつで並んでいます。未だ最新の2回チャンピオン、フェルスタッペンの獲得はありません。今年の勢力図から考えれば、ポールシッターはレッドブル2人のどちらかと言いたいところですが、モナコだけは異例。他のチームから名乗りを上げたり、3人のうちの誰かが3回目で頭一つ飛び出すことも充分に考えられます。近年の流れ的には貴重な地元ルクレールの3回目に期待したいのですが、今シーズンの流れだけでいえば、アストンマーティンで好調(校長)のアロンソによる久々が無くもない。

《過去5年の優勝者》
 2022年 ペレス     (レッドブル)
 2021年 フェルスタッペン(レッドブル)
 2019年 ハミルトン   (メルセデス)
 2018年 リカルド    (レッドブル)
 2017年 ベッテル    (フェラーリ)

《現役歴代優勝者と回数》
 3回 ハミルトン   (2008★,16★,19★)
 2回 アロンソ    (2006★,07)
 1回 フェルスタッペン(2021★)
   ペレス     (2022)

現役のモナコウィナーはルクレールのポールポジション2回がレッドブル2人に1回ずつに振り分けられた形となっています。いくら予選で速くても、こちらで結果を出さないことには何にも意味が無い。ルクレールの「3度目の正直」はあるのか「2度あることは3度ある」のか。できれば前者になる方が、地元ファンや年間通しての結果的にも盛り上がるのですが。やっぱり「レッドブルのシーズン全戦勝利」の方がいい?!

《過去5年のファステストラップ獲得者》
 2022年 ノリス     (マクラーレン)
 2021年 ハミルトン   (メルセデス)
 2019年 ガスリー    (レッドブル)
 2018年 フェルスタッペン(レッドブル)
 2017年 ペレス     (フォースインディア)

《現役ファステストラップ獲得者と回数》
 2回 ペレス     (2012,17)
   ハミルトン   (2016,21)
 1回 アロンソ    (2007)
   フェルスタッペン(2018)
   ガスリー    (2019)
   ノリス     (2022)

《ファステストラップレコードタイム》
 2021年 ハミルトン(メルセデス)
    1分12秒909


ファステストラップについては老いも若きもうまく分散する形となっています。決勝レースでトラフィックにさえ捕まらなければ、誰でも獲得するチャンスは持っているということ。当然角田くんが名乗りを挙げることもあり得ます。モナコで久々の日本人ファステストラップ獲得者ってのもオツですなぁ。

《使用されるタイヤコンパウンド》
 赤:ソフト  (C5)
 黄:ミディアム(C4)
 白:ハード  (C3)

少しだけ間が空いたので、勢力図が飛んでしまいました(笑)モナコは何があるかわからないから、多少のズレも許容範囲かな。いやそれ以上に順列が入れ替わったりして。深読みしていたらなかなか予想なんぞ決まらん。インスピレーションでいく!

《モナコGPの個人的予選予想》
 〜Q1〜
   20.サージェント  (ウィリアムズ)
   19.アルボン    (ウィリアムズ)
   18.デ・フリース  (アルファタウリ)
   17.ピアストリ   (マクラーレン)
   16.角田裕毅    (アルファタウリ)
 〜Q2〜
   15.周冠宇     (アルファロメオ)
   14.マグヌッセン  (ハース)
   13.ヒュルケンベルグ(ハース)
   12.ボッタス    (アルファロメオ)
   11.ストロール   (アストンマーティン)
 〜Q3〜
   10.オコン     (アルピーヌ)
  9.ガスリー    (アルピーヌ)
  8.ノリス     (マクラーレン)
  7.ラッセル    (メルセデス)
  6.ハミルトン   (メルセデス)
  5.アロンソ    (アストンマーティン)
  4.ペレス     (レッドブル)
  3.サインツ    (フェラーリ)
  2.フェルスタッペン(レッドブル)
 P.P.ルクレール   (フェラーリ)

上位からでなく下位からみていくと、マシンの特性上、ウィリアムズにはかなり厳しい予選となりそう。また、今年デビュー組3人もF1での初モナコはマシンを壊すまいと萎縮して苦戦と読みました。角田くんと周くんでQ2進出かQ1敗退か迷った挙句、ごめん角田くんを下げました。マシンの素性はアルファロメオに分があるかなと。この予想を「いい側」に外してくれるのは大歓迎です。
中団を飛ばし、上位の方はルクレールの3年連続のポールポジション獲得に期待。決勝はともかく、予選一発ならレッドブルよりフェラーリの方が合っていると思います。可能であればサインツにも頑張ってもらい、レッドブル2人を2列目以降に下げてくれると面白い。そして毎度予想に悩むアロンソ様は決勝3位表彰台狙いが可能なメルセデスの前、5番手に置きました。3位狙いで5番スタートってことは、前の誰か2人が決勝で後退するってこと?!、、、さあ、その2人誰でしょうねぇ(笑)

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今シーズンは予定より2戦減の全22戦、次のモナコGPが第7戦改め第6戦となりました。早くもチャンピオン争いは1チーム2人に絞られましたね。って、言い切るのはさすがに早過ぎるか(笑)でも一番調子のいいチームとドライバーは大方明らかになってきました。うーん、ホンダの活躍はもちろん嬉しいし応援はしているけど、単に「ホンダだけ推し」のF1ファンではないmiyabikunとしては、ちょっとこの差は早くも致命的ですなぁ。決してホンダやレッドブルが悪いのではなく、メルセデス時代に引き続きその差を埋められていない他ライバル達が一番の罪なのですが。
どんな時代にも突出した強さをみせる1チーム、2チームはあるものです。この時代は明らかにマクラーレンがライバルの頭一つ前に進んでいたでしょうか。今回振り返るのは2007年第5戦のモナコGPになります。2007年レースの振り返りは全17戦中8戦目、モナコGPの振り返りも8回目となります。接近バトルのシーズンはどこを切り取っても面白い。

2007年といえば、ルノーで2年連続のチャンピオンを獲得したアロンソがマクラーレンへ電撃移籍。また現役のF1キングことハミルトンがマクラーレンでデビュー。さらにはマクラーレンの居場所を失ったライコネンは、アロンソに失墜され引退したM・シューマッハの後釜としてフェラーリに移籍するなど、ところてん式に大物ドライバーが動いたシーズンでした。昨シーズンのベッテルのように、M・シューマッハきっかけで移籍が始まったならまだしも、上で書いた順の通り、マクラーレンから先にシートが埋まったため、当時ライコネンを応援していたmiyabikunとしてはライコネン強制引退かとハラハラしたのを覚えています。
モナコGPまでの4戦の戦績とランキングを確認しておくと、未勝利ながら2位、3位の表彰台を獲得するマクラーレンの新人ハミルトンがランキングトップの30ポイント。2位は同じマクラーレンで第2戦マレーシアGPで優勝を挙げたアロンソが28ポイント。3位は4戦中2勝を挙げながらも、優勝以外は表彰台に立てなかったフェラーリのマッサが27ポイント。そしてマクラーレンから心機一転でチャンピオン獲得を狙うライコネンは移籍初戦の開幕戦の勝利以降、前戦第3戦スペインGPでリタイヤを喫して4位の22ポイントに止まっています。

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予選はQ2から波乱が起きています。ラスカスで曲がり切れなかったか、一台のフェラーリがストップしています。ライコネンです。
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「ダメだよキミ、あんなところでマシン止めちゃあ」
アンタが言うな(笑)前年2006年に似たような形でセッション止めたのは、どこの誰だ?!
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見辛い画像ですが、ラスカス直前のプールサイドシケインのイン側のガードレールに右フロントタイヤを思い切りヒット
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ロッドを折損して、いくらステアリングを回しても作動できないことによるストップでした。これにてライコネンのQ2はノータイム16番手確定。
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ポールポジション争いは完全にマクラーレン2人によるマッチレースとなりました。ハミルトンが1周が賞味期限と言われるスーパーソフトタイヤを履き1分15秒905を記録すると、
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二連覇中のアロンソがハミルトンを0.179秒上回るタイムでポールポジションを獲得。一方でQ3を一台体制で臨むこととなったフェラーリのマッサは1分15秒台には入れつつも、アロンソから0.241秒遅れた3番手に終わります。
この年も日本絡みのドライバーやチームがたくさんあります。最上位はトヨタのエンジンを積むウィリアムズのロズベルグが5番手、相方ヴルツが11番手。ホンダはバリチェロが9番手、バトンが10番手と5列目に仲良く並ぶ。トヨタワークスはトゥルーリが14番手、R・シューマッハは20番手とやや低調。ホンダのエンジンを積むスーパーアグリのデビッドソンが17番手、佐藤琢磨は後ろから2番目となる21番手となりました。
僅差でバトルする2回チャンピオンと4戦連続表彰台登壇の超大型新人を抱えるマクラーレンのロン・デニスは
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「大変ではない、むしろ大歓迎」の強気発言。全く、嬉しい悩みですなぁ、ジョイントNo.1体制だなんて。

《予選結果》
P.P. F・アロンソ (マクラーレン・メルセデス)
 2 L・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
 3 F・マッサ  (フェラーリ)
 ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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最前列で「銀の壁」をなす決勝のスタートは
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2番手ハミルトンがスッとイン側のマッサの前を斜行。マッサのワンチャンの阻止にかかる。ハミルトンにしてみたら、チャンピオンかつチームメイト討伐の邪魔に入られても困る(繰り返し、これがF1で一年目のスタート位置と蹴り出しです。本当に異次元)
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2周目の左コーナー「マスネ」ではトロ・ロッソ初代ドライバーの一人、リウィツィがミニ四駆走りになっています。知名度的にはこの先の右コーナー「カジノ前」の方が有名ですが、リタイヤは圧倒的にこちらの方が多いです。マンセルも過去にド派手なのをかましましたよね。ただランオフエリアの無いモナコでこの程度のクラッシュではセーフティカーは発動しません。即座にクレーンのアームとワイヤーが伸び、一瞬で撤去しちゃうから。
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4周目の「ボー・リバージュ」逆視点でトップのアロンソと2位ハミルトンの差はこのくらい。1.85秒に開いています。3位マッサとは3.4秒以上開き、姿すら見えてきません。アロンソは軽タンクで決勝に臨み、1スティントから徹底的に逃げを打つ戦法。

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ファステストラップを更新しながら際立った速さをみせるマクラーレンには早くも周回遅れをさばかなければならない時間がやってきます。青旗が出るにしても、タイム的なロスは致命的。
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画質が悪く、色味が似ていて連続写真のように見えますが、ヘアピンを抜けて先頭にいるのがアロンソ。前から数えて5台目のヘアピンに進入し始めたのがハミルトンです。1位と2位はこの差。
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21周目でアロンソとハミルトンの差は5.5秒にまで広がります。3位マッサや4位のフィジケラまでの差もそれぞれ大きいですが、5位を走るBMWザウバーのハイドフェルドに対して43秒以上と、半周以上の差となっています。
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アロンソは26周目にピットへ。おそらく2回ストップ戦略。前方、後方ともにクリアなスペースにトラックイン。
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その間にハミルトンがファステストラップを記録しながら飛ばす。28周目の時点で暫定2位のアロンソとのギャップは15.3秒となります。
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その28周目終わりでハミルトンがピットへ。
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こちらもクリーンなスペースでの復帰となり、マクラーレン内バトル第二幕へ。

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先程大きなギャップをとなりのらりくらりと走っていたハイドフェルドは1回ストップ作戦を採っていました。4位をキープしたまま32周目に1回キリのピットを済ませてトラックに戻れば
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予選でシクって決勝の追い上げにかけるライコネンの前、暫定9位で戻る。ライコネンはこの後ピットを控えているため、ここにきてまたのらりくらりやられたらたまったもんじゃない。
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そのライコネンも1スティントを46周目まで引っ張る1回ストップ作戦。
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戻れば、あれ?マッサの後ろ4位復帰?!いやいや、ライコネンはマッサに対して周回遅れとなる暫定11位です。いくら「決勝追い上げ型ドライバー」でも、モナコは別。予選はマジ重要。

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50周目にトップのアロンソが2回目のピットインとなり、スーパーソフトタイヤを履く。
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アロンソより燃料搭載量が多く、1回目のピットを3周遅れで行ったハミルトンとしては、これがオーバーカットできる最後のチャンス。ピットインまでの間に大きなギャップを築きたい。
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ところがアロンソが入った2周後の52周目に予想より早くピットインの指示が飛ぶ。
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アロンソがラスカスを通過する頃
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ハミルトンはわずか5秒の静止時間で出発。前に出るのはキツいか?!
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ハミルトンの前にも後ろにもアロンソの姿はなし。ハミルトンはやや不可解なピットインの指示により、アロンソの前に立つことができませんでした。
それでもハミルトンは諦めず、61周目にはアロンソの後ろ1.17秒差まで詰め寄る。両者もうピットインがありませんから、ハミルトンが勝つためにはこの狭く曲がりくねったモンテカルロのトラック上でバトルをするしかありません。
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しかしチームからは無情にも「ペースダウン」の指示が飛び
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ハミルトンはアクセルを緩めてクルージングモードへ。

ここまでマクラーレン2台とライコネンについては触れたけど、3位は誰でしたっけ、、マッサでした!いたいた、ココに!2位ハミルトンとのギャップは、、
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51秒差。。ということは、70周目の時点でのトップのアロンソからは約55秒。。何じゃその差は。。

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あ、ちょいちょい、と。

《決勝結果》
 1 F・アロンソ (マクラーレン・メルセデス)
 2 L・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
 3 F・マッサ  (フェラーリ)

結局優勝したアロンソから4位のフィジケラまではスターティンググリッドからチェッカーフラッグまで変わることはありませんでした。ハミルトンはアロンソから遅れる(というか「追うな」と言われたんだけど)こと4.1秒。マッサは69秒遅れの3位表彰台という、まさにマクラーレンの完封試合となりました。ちなみにこのレースの規定周回数78周をこなしたのは3位のマッサまでで4位フィジケラは周回遅れです。ファステストラップはアロンソが44周目に記録した1分15秒286(75秒286)ですので、3位マッサも危うく周回遅れになるところでした。
1回ピット戦略でリカバーを図った16番手スタートのライコネンは入賞ギリギリの8位フィニッシュで1ポイント獲得(この1ポイントがいわば「オーラスの奇跡」を生むことに)21番スタートの佐藤琢磨はチームメイトのデビッドソンを上回り、トップから2周遅れの17位完走を果たしました。

そんなことより、レースの注目はやはりこの方々に目が向けられます。FullSizeRender
「2人には自由に戦わせたかったが、時にはスマートにならなきゃいけない時がある」
なるほど、大歓迎言っとった割には、悩みに悩んだわけなのね。予選上位を優位に、なるほど。
で、あんたは?
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「2回目のピット以降に指示があった」
なるほど、ロン・デニスからの指示だったわけね。
そしてあんた、どんな心境?!
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「スローダウンの指示は悔しかった。レースしたかった」
だよね。なるほどなるほど、うんうん。
ロン・デニスに溺愛され、マクラーレンのシートを得たハミルトンも、デビュー当時のチームメイトが現役のチャンピオンだったわけで、このような我慢を強いられた時期もあったわけです。方や別のレースでは逆の立場が採られて、アロンソにしてみれば面白くなかったこともあり、ここからチーム内の関係性がギクシャクし始めます。FIAは今回の指示は「チームオーダーではなく、両者のレースを全うするための指示」という解釈で、お咎めはありませんでした。以前マクラーレンではプロストとセナという確執を生んだ過去があります。いつの時代もライバルから突出して拮抗する2人を抱えるチームはこの問題にぶつかります。今シーズンももしかしたら、これに似たシチュエーションが起こるかもしれません。

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「ねえ、本当は勝つ気満々だったんじゃなーい?いひ」

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決勝は2時間遅れで観始めた影響で、決勝の観戦記がどエラく遅れました。どう考えても2時間遅れどころの遅れじゃないだろ(笑)まあまあ、ちょっとバタバタしておりました。あははー。

雨に降られるなんて予想されていたけど、結局降っていないじゃん。なんて安心して開会式をと見つめていると。
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あ、本当にきた。それもかなり激しめ。遅延してフォーメーションラップに入るも、セーフティカーはなかなか退去せず
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止めじゃ、止め止め!その後レース開始まで結構待ちましたね。

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セーフティカー先導のままレースは一応開始されたらされたで
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ヘヤピンでいつものラティフィ
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マスネでミニ四駆走りするストロールというカナダコンビがマシンを擦る。嫌な予感がする。昨年のベルギーGPのレースの匂いが漂ってきたぞ。

早めにレインタイヤを捨て、インターミディエイトを履くガスリーに続いて、中団の9位ベッテルや11位角田くんも続く。
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ベッテルはガスリーの後ろ16位、角田くんに至っては間にハースのシューマッハも挟んだ18位に落ちる。角田くんはガスリーよりもスタート順位が前なのに、ピット回数も履くタイヤもマシンも同じなのに思い切り「アンダーカットされにいく」結果となっています。ガスリーのペースをみてここぞとばかりに追従したか。この天候かつこのサーキットとなれば、この降格は気の毒極まりない。。
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一方でインターミディエイトを早めに履く判断をしたガスリーはレインタイヤを履くアルファロメオの周くんを
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ミラボー上でインからさす。次なるターゲットはしょっぱいリカルド。
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ラスカス進入前にパス。2016年のポールポジションはリカルドでしたね。一応ココを得意としているドライバーなのですが、今はそうでないらしい。IMG_4985
おー姿は無いけど、ガスリーがファステストラップを更新して前方にいるウェットタイヤ勢を食い始めてきました。先頭でウェットタイヤを履くルクレールとガスリーの15周目時点のセクタータイム差になります。
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各セクターで雨の降り方や水のはけ方に差があるようですが、全セクターにおいてガスリーがルクレールよりも速く、1周で0.8秒縮めているという結果に。
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それを知ったら替えない手は無いと16周目に8位走行のハミルトン、翌17周目に3位走行のペレスがともにインターミディエイトを装着していきます。本来ペレスは2台後ろを走るマクラーレンのノリスの後ろあたりでレース復帰する計算でしたが、ノリスも18周目にピットに向かったためペレスの前はガラ空き。速いラップタイムを重ねていきます。

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ペースアップしたハミルトンがサン・デボーテで元後輩(でいいのかな)オコンのインを狙うも、巧みに閉められてフロントウィング左翼端板を傷めています。クソぅ、今年は未勝利の中団上位だからってナメやがって。。ハミルトンはその後オコンに激オコあおりしていましたね。この接触はオコンに非があるとして5秒のタイムペナルティが下っています。そういえばメルセデスといえば、2016年のドライバーズチャンピオンはハミルトンでなくロズベルグでしたね。獲れそうで獲れないシーズンが続き、獲った途端に「獲り逃げ」してしまいました。年齢的にはハミルトンとベッテルの間の世代ですから、辞めていなければギリギリ現役か、ラッセル到来でメルセデスから弾かれていた頃かな。無駄に勝利数だけは増やしていそうだな。

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レースに話を戻し、トップのルクレールは19周目にピットに向かいインターミディエイトに交換しています。3位のフェルスタッペンもルクレールとタイミングを合わせる。
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トラックインするとルクレールはステイアウトのサインツと既に一回タイヤ交換を終えているペレスの後ろの暫定3位となります。ステイアウトのサインツはこの後下がるとしても、ポールポジションから逃げていたはずのルクレールは2位ということ。
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知らないうちにペレスにアンダーカットされていたということ。ペレスは前方に空間があった上にフレッシュなインターミディエイトがルクレールのくたびれアツアツタイヤよりペースがよかったということ。
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次なる策でどうにかルクレールの順位を先頭に戻してあげたいフェラーリ陣営は、21周まで引っ張ったサインツのタイミングにルクレールを合わせる。ルクレールはサインツとともにハードタイヤをチョイス。でもこれって、仮にサインツは前を譲ってくれたとしても、ペレスを捕まえられて抜ける確証はないよね。ピットインしてからルクレールに「ステイアウト」の訂正が入っても、もう遅い。
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インターミディエイトで飛ばせるだけ飛ばしたペレスはわずか5周で再びピットへ。後続のフェルスタッペンとハードタイヤで合わせ込む。このモナコGPではフェルスタッペンの存在感はあまり無いですね。チームの主役はペレスになっています。
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ペレスは戻ればサインツの前。
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フェルスタッペンはルクレールの前で復帰。これ先まだ周回数はだいぶ残されているものの、ココは抜けないモンテカルロ。フェラーリのフロントロウが崩壊し、23周目には2位4位に転落しています。勝負ははっきりココで着きましたね。
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余談ですが2016年といえばmiyabikunがここでブログを始めて2年目のシーズン、年齢はまだ36歳。今の現役ドライバーでドンピシャの歳はいませんが、先程のロズベルグと同じハミルトンとベッテルの間あたりの頃になります。、、ねえ、さっきから2016年2016年って一体何なの?!内容も特にモナコGPと関係無いし。フジテレビNEXTでF1を観戦された方なら気になった方も多かったと思いますが、2016年のウェット路面で行われたレースのデータを度々引用していましたね。あまりにも多く耳に残ったから「2016年」言う数をカウントしてやろうかなと思ったのですが止めました(DAZNでの観戦の方、すみません)

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トップ4台はこのまま抜けずで進むんだろうなと肩の力を緩めた27周目に大きなクラッシュがありましたね。
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加トちゃんバリに思わず二度見してしまいました。マシンってこういう壊れ方するんですね。パワーユニットとギヤボックスが切り離されているのか、マシンの上半身と下半身が千切れてしまっています。見た目がかなりエグい。
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「君の下半身は大丈夫かね?!」
「見りゃわかるでしょ、大丈夫だってば」
シューマッハの身体が無事で何より。それにしても、一昨年のグロージャンにしてもシューマッハにしても、ハースはド派手クラッシュが多いですね。さらに言えばシューマッハ自身もマシンを壊し過ぎ。君の実家はお金持ちかもしれないけど、チームは金無いんだから。。

マシン撤去とバリア修復のため赤旗が提示され、再開時は各車タイヤを履き替えることができます。
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18台中10台が黄色のミディアム、8台がソフトを履き、2位と4位に陥落したフェラーリは赤旗前まで履いていたものをそのまま交換せず履き続けているとのこと。残りの周回数は46周ではなく「レース3時間規定」を超えるため短縮されます。ミディアムの保ちも心配だけど、フェラーリはミディアムの選択肢はなかったのかな。ミディアム履いてもココは抜けないか。
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ハミルトンはまたもやアルピーヌに引っ掛かっています。今回はミディアムタイヤを履いたアロンソ。ラップタイムは他のライバルに比べて抜群に遅く、ただハミルトンとて抜かせない。理由はやっぱり「モナコ」だから。ミディアムを履くアロンソは何周になるかわからないレースで「タイヤ温存」をコメントしていますが、あまり考えたくはないけど、後方を走るチームメイトのオコンのタイムペナルティにより「オコンを入賞圏外に追いやる」(つまりチームとしては痛手だが、自身はポイントを得る)意図もある。真意は知る由もありませんが、アロンソ様ならやりかねぬ(笑)

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あー長かった。ようやくレースが終わるぞ。。
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「はい、あと1周ね!」
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抜けないモナコであることには変わりありませんでしたが、フタを開けてみれば濡れた路面でタイヤチョイスとタイミングがレースのカギを握り、長期化したことによる読み辛い距離短縮という、かなりゴチャついたモナコGPとなりました。
結果的にレッドブルは2台とも順位を上げ、地元ルクレールは勝利も表彰台も失うという悲劇。またガスリーの-5の傍ら角田くんは最後尾+6の17位と同じチーム内でも優劣が表れる現象を招きました。
オコンは9位フィニッシュですが、タイムペナルティのため12位まで降格。代わってベッテルが10位に浮上しています。ガスリーは残念!

《決勝結果》
 1 ペレス     (レッドブル・RBH)
 2 サインツ    (フェラーリ・F)
 3 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)

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「やたーモナコGP初優勝やー」
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「っとっととー」

予選がフェラーリのワンツーで終わったことで、レッドブルの順位入れ替えがあるのか気になって観ていましたが、今回はペレスとフェルスタッペンの間にしがみ付いたサインツの存在もあり、ペレスが無事優勝することができました。これで仮に入れ替えたりでもしたら、ペレスファンでなくても非難ごうごうものですよね。ちなみにペレスのモナコGP表彰台はそれこそ同じく濡れた路面で荒れた2016年の3位以来となります(笑)

《ファステストラップとそのタイミング》
 ノリス(マクラーレン・M) 1分14秒693
 55周目/64周
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ペレス(レッドブル・RBH)
《完走(扱い)台数と規定周回走破台数》
 完走台数:17台(17台フィニッシュ)
 規定周回:14台※
 ※このレースは「3時間規定」により64周

《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ガスリー(アルファタウリ・RBH)

レースは絶妙なタイミングでインターミディエイトタイヤを履き、いい空間で飛ばしたペレスが制しました。もちろんペレスの優勝を讃えつつも、皆が迷い判断を悩ます中、早い段階でインターに履き替え、追い抜き困難なモナコで一台一台丁寧にさばいたガスリーがそもそものきっかけになったのではないかと思っています。追い抜きあるレースという意味では、タイヤ自体の差はあるものの面白いようにパッシングを重ねている姿は光り輝いて見えました。残念ながら入賞には届きませんでしたが、予選がもっとスマートに決められたら、入賞は間違いなかったと信じたいです。
ペレスは次点にしました。チームとの戦略の上で掴んだ勝利。まさか前にかぶさっていたフェラーリ2台もろとも蹴散らせるとまでは考えていなかったかもしれません。2位でなく「フェラーリを挟んでの優勝」というものが重要な意味をなしています。この勝利が後押しになったのか、ペレスは2024年までのシートを契約しました。ドライバーズポイント差もこの先長いですから、全く無いとは言い切りたく無いですね。行ったれよ!(それはダメと書いてあるって?!)

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 フェラーリ・F

レースを観ながら、観終えた直後は「ワースト今回はいいかな」と流してしまおうと思ったのですが、寝て起きて時間が経ち、冷静になった時に悔しさや怒りが込み上げてきました。トップを走るドライバーは特に先に動き出す必要もありませんし、逆に先に動いておくこともできます。もしルクレールを勝たせるのであれば、サインツに「アロンソ式」を発動することもできたでしょう。ダブルピットストップって、上位チームは簡単そうにやっていますが、実はすごく高度で当然リスクも伴いますし、戦略は的確なタイミングではっきりと出さないと混乱します。優勝に一番近い位置にいたルクレールの優勝を奪ったのはペレスでもレッドブルでもなく、チームの責任。
次点は角田くん、ではなくアルファタウリです。角田くんを責めるのは可哀想。ガスリーで味を占めたチームは逆に角田くんへの適用を見誤ってしまったように感じます。ガスリーはそもそも下位スタートでしたから、後ろとのギャップから容易に判断できたかもしれません。しかし入賞のかかる中団位置にいた角田くんに適用できるかはもう少し考えた方がよかった。ペースがよかったガスリーの好走もありますが、まるてマシンとドライバーを入れ替えたように順位が一気にひっくり返ってしまいました。
たまたまなのか当然なのか、こちらで選んだチームはどちらもイタリア系チームです。国民性なのかな、機転が利かないのかな。今回によらず、この2チームはちょいちょい判断ミスや浅い戦略でドツボにハマることが多いように見受けられます(miyabikun自身はイタリアが大好きなので、くれぐれも誤解は無き様)

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《第7戦モナコGPのポイント》
・ペレスが勝てた!サインツ挟めば勝利は確約
・タイヤ選びとタイミング後手後手完敗フェラーリ
・アルピーヌ勢にことごとく絡まれるやきもキング
・ハースのマシンの壊し方は毎回派手過ぎ!

シーズンの流れは完全にルクレールからレッドブルに向いています。さすがにモナコは大丈夫だろうなんて安易に観ていても、ことごとくやられました。マシンの「速さ」に絞れば貯金のあるフェラーリでも、マシンの弱点を埋め合わせできる「戦略」でレッドブルは一枚も二枚も上手です。これは夏まで保つのかどうか怪しい雰囲気すら感じます。例えば2016年でいう、、もういいぜ!ありがとうございました。

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「来年以降も是非、よろしくネ」

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