メキシコでのF1の歴史は古く、初開催の1963年(ノンチャンピオンシップを含めると前年62年)から一貫してメキシコシティにあるエルマノス・ロドリゲス(開業当時はマグダレーナ・ミシウカ)で行われていますが、途中に2回の非開催期間があるため、今シーズンはまだ23回目とさほど多くありません。今回はメキシコGP第二期、開催10回目で、現役母国ドライバーであるペレスの生まれる3年前にあたる1987年第14戦に行われたメキシコGPを振り返ります。1987年レースは全16戦中4戦目、メキシコGPの振り返りは今回5回目になるのですが、ことにメキシコGPにおいては段々在庫ネタが品薄になってきました(笑)仕方無い、だって1990年代後半から2010年代前半がスカーンとありませんものね。
1987年は日本において「F1本格元年」フジテレビによるF1中継放映や日本初のフル参戦ドライバーである中嶋悟誕生の年です。またシーズンが進行すると、ホンダエンジンを搭載するウィリアムズが勝ちに勝ちまくり、2年連続となるチャンピオンコンストラクターのエンジンサプライヤーとして名を轟かせています。
シーズン13戦までの戦績は、3勝ながら第4戦モナコGPから第12戦ポルトガルGPまで9戦連続の表彰台に登壇するウィリアムズのピケが有効67ポイントでトップ(前戦第13戦スペインGPは4位も、下位ポイントのためノーカウント)。2位はピケのチームメイトであり、初戴冠のチャンスを残すマンセルが5勝を挙げて52ポイント。3位はロータス・ホンダ期待のセナが2勝51ポイントでチャンピオン争いに望みを繋いでいます。ほか、前年86年のチャンピオンでマクラーレンのプロストは3勝の46ポイント、セナのチームメイトとしてロータスから参戦する日本の中嶋は6ポイントでメキシコ入りしています。
予選はここまで14戦で12回目となるウィリアムズ、マンセルが8回目となるポールポジションを獲得し、自らの手で初戴冠をより近付けていきます。2番手はフェラーリの若手ベルガーがピケを0.037秒という僅差で上回る。ポールのマンセルと3番手ピケの差はわずか0.080秒。そのピケと4番手となったベネトンのブーツェンとの差は0.308秒も開いており、如何にウィリアムズがライバルを圧倒していたかということがわかります。気圧の低いメキシコ、ホンダターボのパワフルさ。中嶋は予選通過26台中、真ん中より少し下まあ16番手となっています(まあは息子の口癖か)
《予選結果》
P.P.N・マンセル(ウィリアムズ・ホンダ)
2 G・ベルガー(フェラーリ)
3 N・ピケ (ウィリアムズ・ホンダ)
※タイヤはグッドイヤーのワンメイク
スタートはポールのマンセルがモタつき、2番手ベルガーに先行を許してしまいます。またマンセルの後ろピケはスタートが冴え渡るも、4番スタートのブーツェンに抜かれて結局3位のまま。以降プロスト、マンセル、セナのオーダー。
1周目に4位浮上のプロストがピケに仕掛ける。
インをついたプロストがピケを押し出し、
プロストはストップ、0周リタイヤ。
ピケはコースマーシャルに押してもらって最後尾の戦列復帰。これがチャンピオン経験者同士のバトルというのが何とも情けない。
2周目のストレートエンドの中嶋
うわっ!!
目の前で何かにぶつかりフロントタイヤがもげる。
ぶつかったのはアロウズのワーウィックでした。ワーウィックはリヤウィングを完全に失い、そのままピットへ。ただ驚くことに、この後マシンを直して再びトラックインしてきます。今のF1には無い力強さ。
決して笑い事では無いのですが、どこか速そうにも見える。
最強ウィリアムズが消えれば、この上無きチャンス!3周目にブーツェンがベルガーに襲い掛かります。
しかしチャンスはベルガーにとっても言えること。切り替えしでトップを取り戻す。
上位を快走していたブーツェンは16周目に電気系のトラブルによりリタイヤ。
これで戦いが楽になったベルガーでしたが、
21周目にエンジンが根を上げる。高地メキシコはいつもとは異なる状況下。
次々と襲う悲劇で、次なるトップは誰かというと、、
何と忘れた頃のマンセル登場!そういやポールシッターでしたね(笑)お帰りなさい!
2位となったセナにブラバムのデ・チェザリスが追い抜きをかける。
あらららら、、
セナは全く触れていません。デ・チェザリスの自爆、落ち着きのない子です(笑)
26周目にリヤウィングを直して復帰したワーウィックですが、マシンバランスが狂ったのか、コーナーエンドで膨らみ
タイヤバリアに思い切りクラッシュ!
ワーウィックの救護とタイヤバリア修復のため、レースが一時中断、スタンディングスタートを行い「タイム合算による2ヒート制」で争われることとなります(現代の赤旗中断、再スタートと異なります)現代はレーススチュワードとして辛辣な裁定を下すことで有名なワーウィック、このレースもある意味目立っています。
再スタートで前を奪ったのは、1周目に最後尾に落ちたはずのピケ。ここまでジリジリと順位を上げ、上位まで戻ってきていました。
ピケはアウトサイドからマンセルを抜きトップへ。ただし勝敗はタイム合算で決められるため、ヒート1で大差を築いたマンセルには43秒もの貯金があります。無理はせず。
3位のセナはスピンからエンジンストップ。先程のピケのようにはいかず。
代わって3位に浮上したのは元ピケの相方、将来はマンセルの相方にもなるブラバムのパトレーゼでした。
見かけのトップはピケ。
でも実際の優勝者はマンセル。ややこしや。。
いずれにしても、ウィリアムズ。強し。
《決勝結果》
1 N・マンセル (ウィリアムズ・ホンダ)
2 N・ピケ (ウィリアムズ・ホンダ)
3 R・パトレーゼ(ブラバム・BMW)
マンセルは14戦で6勝、9ポイント得て61ポイント。ピケは3勝ながら6ポイントを得て73ポイントとしてあと2戦。残るは鈴鹿初開催となる第15戦日本GPと最終戦オーストラリアGP。ウィリアムズによるチーム内チャンピオン争奪戦は佳境を迎えます。
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1987年は日本において「F1本格元年」フジテレビによるF1中継放映や日本初のフル参戦ドライバーである中嶋悟誕生の年です。またシーズンが進行すると、ホンダエンジンを搭載するウィリアムズが勝ちに勝ちまくり、2年連続となるチャンピオンコンストラクターのエンジンサプライヤーとして名を轟かせています。
シーズン13戦までの戦績は、3勝ながら第4戦モナコGPから第12戦ポルトガルGPまで9戦連続の表彰台に登壇するウィリアムズのピケが有効67ポイントでトップ(前戦第13戦スペインGPは4位も、下位ポイントのためノーカウント)。2位はピケのチームメイトであり、初戴冠のチャンスを残すマンセルが5勝を挙げて52ポイント。3位はロータス・ホンダ期待のセナが2勝51ポイントでチャンピオン争いに望みを繋いでいます。ほか、前年86年のチャンピオンでマクラーレンのプロストは3勝の46ポイント、セナのチームメイトとしてロータスから参戦する日本の中嶋は6ポイントでメキシコ入りしています。
予選はここまで14戦で12回目となるウィリアムズ、マンセルが8回目となるポールポジションを獲得し、自らの手で初戴冠をより近付けていきます。2番手はフェラーリの若手ベルガーがピケを0.037秒という僅差で上回る。ポールのマンセルと3番手ピケの差はわずか0.080秒。そのピケと4番手となったベネトンのブーツェンとの差は0.308秒も開いており、如何にウィリアムズがライバルを圧倒していたかということがわかります。気圧の低いメキシコ、ホンダターボのパワフルさ。中嶋は予選通過26台中、真ん中より少し下まあ16番手となっています(まあは息子の口癖か)
《予選結果》
P.P.N・マンセル(ウィリアムズ・ホンダ)
2 G・ベルガー(フェラーリ)
3 N・ピケ (ウィリアムズ・ホンダ)
※タイヤはグッドイヤーのワンメイク
スタートはポールのマンセルがモタつき、2番手ベルガーに先行を許してしまいます。またマンセルの後ろピケはスタートが冴え渡るも、4番スタートのブーツェンに抜かれて結局3位のまま。以降プロスト、マンセル、セナのオーダー。
1周目に4位浮上のプロストがピケに仕掛ける。
インをついたプロストがピケを押し出し、
プロストはストップ、0周リタイヤ。
ピケはコースマーシャルに押してもらって最後尾の戦列復帰。これがチャンピオン経験者同士のバトルというのが何とも情けない。
2周目のストレートエンドの中嶋
うわっ!!
目の前で何かにぶつかりフロントタイヤがもげる。
ぶつかったのはアロウズのワーウィックでした。ワーウィックはリヤウィングを完全に失い、そのままピットへ。ただ驚くことに、この後マシンを直して再びトラックインしてきます。今のF1には無い力強さ。
決して笑い事では無いのですが、どこか速そうにも見える。
最強ウィリアムズが消えれば、この上無きチャンス!3周目にブーツェンがベルガーに襲い掛かります。
しかしチャンスはベルガーにとっても言えること。切り替えしでトップを取り戻す。
上位を快走していたブーツェンは16周目に電気系のトラブルによりリタイヤ。
これで戦いが楽になったベルガーでしたが、
21周目にエンジンが根を上げる。高地メキシコはいつもとは異なる状況下。
次々と襲う悲劇で、次なるトップは誰かというと、、
何と忘れた頃のマンセル登場!そういやポールシッターでしたね(笑)お帰りなさい!
2位となったセナにブラバムのデ・チェザリスが追い抜きをかける。
あらららら、、
セナは全く触れていません。デ・チェザリスの自爆、落ち着きのない子です(笑)
26周目にリヤウィングを直して復帰したワーウィックですが、マシンバランスが狂ったのか、コーナーエンドで膨らみ
タイヤバリアに思い切りクラッシュ!
ワーウィックの救護とタイヤバリア修復のため、レースが一時中断、スタンディングスタートを行い「タイム合算による2ヒート制」で争われることとなります(現代の赤旗中断、再スタートと異なります)現代はレーススチュワードとして辛辣な裁定を下すことで有名なワーウィック、このレースもある意味目立っています。
再スタートで前を奪ったのは、1周目に最後尾に落ちたはずのピケ。ここまでジリジリと順位を上げ、上位まで戻ってきていました。
ピケはアウトサイドからマンセルを抜きトップへ。ただし勝敗はタイム合算で決められるため、ヒート1で大差を築いたマンセルには43秒もの貯金があります。無理はせず。
3位のセナはスピンからエンジンストップ。先程のピケのようにはいかず。
代わって3位に浮上したのは元ピケの相方、将来はマンセルの相方にもなるブラバムのパトレーゼでした。
見かけのトップはピケ。
でも実際の優勝者はマンセル。ややこしや。。
いずれにしても、ウィリアムズ。強し。
《決勝結果》
1 N・マンセル (ウィリアムズ・ホンダ)
2 N・ピケ (ウィリアムズ・ホンダ)
3 R・パトレーゼ(ブラバム・BMW)
マンセルは14戦で6勝、9ポイント得て61ポイント。ピケは3勝ながら6ポイントを得て73ポイントとしてあと2戦。残るは鈴鹿初開催となる第15戦日本GPと最終戦オーストラリアGP。ウィリアムズによるチーム内チャンピオン争奪戦は佳境を迎えます。
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