F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:ブラジルGP

今日のmiyabikunはブラジルを前に山梨の甲府にいます。お昼過ぎに山梨リニア実験線に行き、夕方は富士急ハイランドをバックに雪化粧を始めた富士山を眺めて、、
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ほらね!って、、ウソウソ!遊びに来ているのではなーい!これも仕事!毎年この時期に山梨に来るのが慣例になっているのです。山梨を終えたらすぐにブラジルへ向かいますよー。またネムネムウィークか。。

今回振り返るのは今から12年前にあたる2010年第18戦ブラジルGPです。2010年の振り返りは7回目、ブラジルGPは11回目となります。何気にブラジルGPも多くやっています。まだまだ振り返っていないブラジルGPはたくさん控えていますから大丈夫!2010年は前年2009年に迎えたエアロダイナミクスの大幅削減に加え、フロントタイヤ幅の縮小、レース中の再給油禁止とそれに伴う燃料タンク拡大によるホイールベースの延長、車体重量増、タイヤウォーマーの規制など、それまでのマシンとはまた異なるディテール、規制が加えられました。さらにはポイント付与も優勝が25ポイント、10位フィニッシュまでが入賞となる現ポイント制の初年でもあります。
ここまでの17戦は5勝を挙げて231ポイントを得ているフェラーリのアロンソがランキングトップ。ランキング2位はレッドブルのウェバーで4勝の242ポイント、以下マクラーレンのハミルトンが3勝の240ポイントで3位、レッドブル2年目のベッテルは3勝を挙げ206ポイントの4位、マクラーレンのバトンは2勝でポイント189の5位につけており、この5人からのみの優勝とブラジルGP段階でのチャンピオン獲得の権利を有しています。残るはブラジルと最終戦アブダビの2戦。非常に熾烈。

予選時には雨は降っていないものの、それまでの雨により路面は濡れ、予選はインターミディエイトタイヤで進行していきます。
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ところがQ3に入ると徐々に走行ラインが乾き始め、インターミディエイトからドライへのクロスオーバーの見極めが求められるようになります。
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残り5分でルノーのクビカを皮切りに緑ラインの施されたドライのオプション(ソフト側)タイヤを履きトラックイン。
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残り15秒でフェラーリのアロンソがハミルトンを上回り暫定トップに躍り出ると
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何とF1デビューイヤーで18戦目を迎えたウィリアムズのヒュルケンベルグがアロンソを上回りトップへ。
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その後はハミルトンもアロンソ超えを果たすもヒュルケンベルグに及ばず、勢いに乗るドイツの若手、ベッテルもヒュルケンベルグを超えることができません。まさか、まぐれ?!
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まぐれだなんて失礼な!ヒュルケンベルグの快走はまぐれではなく、時間いっぱいで挑んだラストアタックで自身のベストをさらに更新。文句無しの100%でポールポジションを自身の手中におさめるのでした。
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若くて可愛いですね。あたかも優勝を祝うかのような盛り上がりです。それも無理はありません。名門ウィリアムズにとって、このポールポジションは2005年第7戦ヨーロッパGPのハイドフェルドが獲得して以来の5年振り。ヒュルケンベルグは当時歴代で6番の若さ、参戦18戦目での初ポールポールポジションは歴代36位の早さであり、アロンソやベッテル、その後のルクレールよりも早い記録なのですから(ちなみにハミルトンは参戦6戦目)
唯一の日本人ドライバーである小林可夢偉はこの年ザウバーから初フル参戦を果たし、予選12番手。デ・ラ・ロサからスイッチしたベテランのハイドフェルドの16番手に対してしっかり勝ち越しています。絶賛成長中。

《予選結果》
P.P. N・ヒュルケンベルグ
 (ウィリアムズ・フォードコスワース)
 2 S・ベッテル
 (レッドブル・ルノー)
 3 M・ウェバー
 (レッドブル・ルノー)
 ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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ドイツの若手2人が堂々とF1の頭に並んで迎えたスタート。ヒュルケンベルグよ、予選はよくても肝心なのは決勝ですぞ!まずまずの蹴り出しをみせ、イン側の同郷を追い詰めつつも
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2番手ベッテルがそのまま下りながらのターン1でインを獲り、一瞬にして順位が入れ替わります。ヒュルケンベルグも成長中ならベッテルも成長中。伊達に8勝を挙げていません。
ベッテルと同じマシンをドライブするウェバーも負けていられない。何せポイントランキングはベッテルより上をいっています。
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ストレートでアウト側に振るウェバー。
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左のターン4「クルヴァ・ド・ラゴ」で一瞬前を譲ったかのように見せかけておいて
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アウトにはらんだヒュルケンベルグをすんなりパス。職人業。これで早くもレッドブルがワンツーに。
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ハミルトンのミスから4位に浮上しているアロンソは7周目のヒュルケンベルグに対して先程のウェバーと同じシチュエーション。
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アウトからターンインし、
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インに抜けてヒュルケンベルグをパス。アロンソも久々のチャンピオン獲得がかかる大事なレースですから、あまり構ってもいられません。ヒュルケンベルグはこれで学習できたかな?!
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11周目に今度はハミルトンがやってきたぞ。ヒュルケンベルグ、さっきと全く同じだよ?!
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おー、そうそう!インをしっかり閉めて、それが正解!インプットとアウトプットは完璧。

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チャンピオン争いをしている上位が着実に順位を上げる中、母国の予選9番手とややしょっぱい位置でくすぶるマッサは13周目にプライム(ハード側)タイヤに履き替えています。でも、
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え、今のタイヤ交換、ダメじゃね?!
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翌周に再びピットインを行い、ダメなのはそこだよそこと問題の右フロントを付け直し。フェラーリマジックに陥って23番手で復帰しています。散々たる母国GP。フェラーリは今も昔も変わらないでしょ(笑)
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土曜の予選は夢のような華々しい結果をおさめたヒュルケンベルグは15周目にタイヤ交換を行い、14位まで転落。結果的に8位入賞でブラジルGPを終えています。大丈夫、その成長っぷりでいつかはきっと表彰台に登れるはずだから。

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トップ争いに目をやると、ベッテルは26周目にタイヤ交換を終え暫定2位に下がり、翌27周目に暫定トップのウェバーの番となります。フェラーリと比べると、レッドブル2台はだいぶオプションタイヤを保たせましたね。
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ウェバーがタイヤ交換を終えた頃、ベッテルは本線側の似たような位置関係にいます。当然速度差がありますから、合流すれば
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こうなります。ウェバーはオーバーカットならず。

レース後半の49周目にフォースインディアのリウィツィがエス・ド・セナで単独クラッシュを起こし、セーフティカーが発動されても
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順位はそのまま変わらず。トップ争いだけでみれば正直面白みに欠けますが、スタート直後にトップに立ったベッテルはその勢いのままトップチェッカーを受け、ポイントランキング2位とランキングトップとはこの差。
ほか、ザウバーの小林はギリギリの10位入賞を果たしています。

《決勝結果》
 1 S・ベッテル
 (レッドブル・ルノー)
 2 M・ウェバー
 (レッドブル・ルノー)
 3 F・アロンソ
 (フェラーリ)

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そう。このレースでワンツーフィニッシュしたレッドブルは初のコンストラクターズチャンピオンを獲得しました。2005年のチーム創設から6年目にしてトップチームに名を残した瞬間となりました。また、このレースによりドライバーズポイントは3位フィニッシュのアロンソが246、2位フィニッシュのウェバーはランキングもそのまま2位の238で優勝したベッテルがランキング3位となる231に変わって最終戦アブダビGPに向かいます。今でこそこの年のチャンピオンが誰になったかは周知の話ですが、ベッテルの初戴冠は波いる先輩を少しずつ切り崩した結果もたらされたものなんですよね。
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そうそう、先生は2005年にバカっ速だけど急に果てちゃうか弱いマシンを造ってしまい、悔しい思いをしましたもんね。そろそろ先生の苦労も報われるカナ。それにしても先生はいつの時代を見ても変わらんな(笑)

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昨シーズンはスプリント予選の設定により、GPウィークに過去のレースを振り返ることができなかったものがありました。先日までイギリスGP、イタリアGPの埋め合わせを行いましたので、今回はスプリント予選3回目が行われたブラジルGPを振り返っていきます。2006年最終戦に行われたブラジルGPです。最終戦でチャンピオンは未定。昨シーズンと同様に最終戦まで目の離せないシーズンとなりました。
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チャンピオン争いは二人に絞られています。ランキングトップは二連覇が期待されるルノーのアロンソの125ポイント。前年はガタガタのシーズンを送りつつも、このシーズンはアロンソと同数の7勝で116ポイントを積み重ねるフェラーリのM・シューマッハで、両者共に7勝ずつ。このシーズンの1レースで獲得できるポイントは10。ポイント差は9ですので、M・シューマッハが8回目のチャンピオンを獲得するには、アロンソが入賞圏外もしくはリタイヤ、さらに自身が優勝して同ポイントに並び、勝利数で上回るしかありません。絶対王者は若き王者に対して絶体絶命の状態で迎えています。
このレースの見どころはシーズンの終わり、チャンピオン決定のみでありません。チャンピオンを争うM・シューマッハにとってF1ラストレースでもあります(結果的に2010年に復帰を果たすわけですが)ほか、ブリヂストンとミシュランによるタイヤ合戦も、ミシュランのF1撤退によりこのレースを持って終結。翌2007年からタイヤはブリヂストンにワンメイク化されます。

予選はこのシーズンから現在まで受け継がれる「ノックアウト方式」が採用されています。アロンソの順位はもちろんのこと、チャンピオンを獲得するには「優勝」しか許されないM・シューマッハはQ2を1分10秒313のトップタイム通過。追う立場より追われる立場の多かったM・シューマッハ最後の意地の走り。
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ところがポールポジションを決める肝心なQ3でマシントラブルが発生。タイムを出せぬまま急ピッチで修復を行うハメに。
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結局M・シューマッハはセッション中にマシン修復が間に合わず、ノータイムの10番手が決定。ポールポジションは来シーズンからチームを託す地元のマッサが獲得し、アロンソは無難に4番手に落ち着く。
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何事も無ければ、この方の連覇が濃厚に。
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このシーズンは日本勢が多く参戦していました。トヨタワークスのトゥルーリが3番手を筆頭にR・シューマッハが7番手。ホンダワークスで地元のバリチェロが5番手、バトン12番手。スーパーアグリ・ホンダの佐藤琢磨が20番手、山本左近が21番手。ミッドランド・トヨタのアルバースは18番手、モンテイロは最後尾の22番手で予選を終えています。

《予選結果》
 1 F・マッサ  (フェラーリ・F・BS)
 2 K・ライコネン(マクラーレン・M・MI)
 3 J・トゥルーリ(トヨタ・T・BS)
 ※BSはブリヂストン、MIはミシュラン
  Tはトヨタ

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決勝前のセレモニーでは、ブラジルサッカー界のレジェンドからF1へのレジェンドへトロフィーが送られました。M・シューマッハにとってはあと二つ大きなトロフィーが獲れるかどうかに注目が集まります。
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スタートではポールのマッサが危なげないダッシュを決め、ライコネン、トゥルーリ、アロンソと続きます。10番スタートのM・シューマッハはウォールに沿ったイン側いっぱいを走る。
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通常の走行ラインはアウト側から被せるのに対し、明らかにイレギュラーなライン採りです。
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そんなモンお構い無し!こんな順位で居座るわけにはいかない。1周目で3人抜きとなる7位に浮上。
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ただそのM・シューマッハの大逆襲に水を刺す出来事が。ウィリアムズのロズベルグとウェバーが同士討ちし、1周目からセーフティカーが発動されます。雨でも晴れでもインテルラゴスは危険要素たっぷりです。
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ホンダのバリチェロをかわしたM・シューマッハの次なるターゲットはルノーのフィジケラ。これがアロンソならばなおよろしいのですが。
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ターン1でアウト側からかわすも、かわした直後にスローダウン。
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かわす際にフィジケラのフロントウィングを踏み、左リヤをバーストさせてしまっています。せっかくの猛追も踏んだり蹴ったり。。
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たった9周で要らぬピットを強いられて最後尾に。これはもう、決定的かな。

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ただこの男は諦めない。ファステストラップを重ねながら順位を上げてきました。
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51周目にバリチェロを再びかわして6位へ。
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次は先程の因縁のあるフィジケラです。またターン1狙いで捉える。
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フィジケラは止まり切れず、タイヤスモークを上げながらアウト側にコースオフ。気迫に負けたか、壁にもならん(笑)

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残り4周は来シーズンの自らのシートを託すことが決まったマクラーレンのライコネンがターゲット。
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2003年には共にチャンピオン争いを演じました。コントロールラインでピタリと背後につける
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「これを耐えなきゃ、将来チャンピオンになれないぞ」
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M・シューマッハは4位浮上。フェラーリのバトンタッチにはなったかな?!

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一方チャンピオンを争うアロンソは堅く2位をキープ。リタイヤさえしなければ連覇は確実。無理の必要は全く無し。
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レースの主役が完全にM・シューマッハ寄りになってしまいました。レースに勝ったのはこの方。レーシングスーツは母国の国旗を模した特別仕様。F1で2勝目、2回目のポールトゥウィンでマッサが獲得しました。
日本勢はスーパーアグリの佐藤琢磨が10位完走(当時の入賞は8位まで)を果たして、チームのデビューイヤー最高位で締めくくっています。

《決勝結果》
 1 F・マッサ (フェラーリ・F・BS)
 2 F・アロンソ(ルノー・R・MI)★
 3 J・バトン (ホンダ・H・MI)
 ※Hはホンダ、★はチャンピオン決定

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M・シューマッハはシーズンで負けても、清々しい笑顔でマッサの母国優勝を労います。これでおしまい。7回チャンピオンはこの日で8回目に至らずステアリングを置きます。
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昨シーズン、ハミルトンは8回目の獲得に失敗しました。F1において「8回目」というのは今でも高い壁として君臨し続けています。
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ご存知の通り、M・シューマッハはこの4年後の2010年にメルセデスワークス復活メンバーとしてステアリングを握ったわけですがmiyabikun個人的には、このまま引退していた方が清々しかったかな(笑)

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三連戦の2つ目、ブラジルです。また時差だ。。毎年のことながらこの時期の観戦は身が堪えます。ただチャンピオン争いにおいては重要な時期ですから、我々ファンもしかと臨まなければなりませんね。

先日のメキシコシティGPに続き、今シーズンからブラジルGPは開催都市であるサンパウロがGP名となります。舞台は変わらずも近年開催が危ぶまれ続けているホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス)です。
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ホセ・カルロス・パーチェの開業は古く、F1制定のだいぶ前となる1936年です。グアラピランガ湖とビリングス湖の間に挟まれた土地であることから「湖の間=インテルラゴス」と名付けられました。F1は南米出身のドライバーが台頭し始めた1973年にブラジル初のF1開催の地となり、初開催では若きチャンピオン経験者であるE・フィッティパルディが優勝を挙げています。2年目の74年もE・フィッティパルディが連覇、3年目の75年も地元のパーチェが優勝するなど、地の利を活かした結果が続きます。しかし77年にそのパーチェがシーズン中に飛行機事故のため他界し、それまでの功績を讃えサーキット名を「ホセ・カルロス・パーチェ」に改称しています。
一時期ブラジルGPは成長著しいピケのお膝元、リオ・デ・ジャネイロ郊外のジャカレパグア(後のネルソン・ピケであり、現存せず)に舞台を移しますが、新たにチャンピオンを獲得したセナの地元サンパウロのこのサーキットに90年から復帰し、現在に至ります。
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サーキットレイアウトは当時珍しい「反時計回り(左回り)サーキット」であり、一度大きな改修を経ています。図の左側の赤ラインが初開催の73年から80年まで採用されたものであり、右側の黒ラインはお馴染みのものです。似てはいるけど昔は線を辿るととても複雑なレイアウトですよね。赤ラインの全長は7.960kmに及びました。90年の復活開催で一回り小さく、シンプルな4.325km(現在は4.309km)に短縮しています。面白いのは現在は左のターン3「クルヴァ・ド・ソル」から左のターン4「クルヴァ・ド・ラゴ」の順で駆け抜けるところ、旧レイアウトでは逆だった点です。南アフリカGPのキャラミも大改修を受けて「以前とは逆走になる区間」がありましたよね。

《カルロス・パーチェの歴代優勝者の予選順位》
 73 Eフィッティパルディ  予選2番手→優勝
 74 Eフィッティパルディ★ 予選P.P.→優勝 濡
 75 パーチェ       予選6番手→優勝
 76 ラウダ        予選2番手→優勝
 77 ロイテマン      予選2番手→優勝
 78 
 79 ラフィ        予選P.P.→優勝
 80 アルヌー       予選6番手→優勝

 90 プロスト       予選6番手→優勝
 91 セナ ★          予選P.P.→優勝 濡
 92 マンセル ★        予選P.P.→優勝
 93 セナ         予選3番手→優勝 濡
 94 M・シューマッハ ★  予選2番手→優勝
 95 M・シューマッハ ★  予選2番手→優勝
 96 D・ヒル ★      予選P.P.→優勝 濡
 97 J・ヴィルヌーブ ★   予選P.P.→優勝
 98 ハッキネン ★       予選P.P.→優勝
 99 ハッキネン ★       予選P.P.→優勝
 00 M・シューマッハ ★  予選3番手→優勝
 01 クルサード      予選5番手→優勝 濡
 02 M・シューマッハ ★  予選2番手→優勝
 03 フィジケラ      予選8番手→優勝 濡
 04 モントーヤ      予選2番手→優勝 濡
 05 モントーヤ      予選2番手→優勝 濡
 06 マッサ        予選P.P.→優勝
 07 ライコネン ★       予選3番手→優勝
 08 マッサ        予選P.P.→優勝 濡
 09 ウェバー       予選2番手→優勝
 10 ベッテル ★        予選2番手→優勝
 11 ウェバー       予選2番手→優勝
 12 バトン        予選2番手→優勝 濡
 13 ベッテル ★        予選P.P.→優勝
 14 N・ロズベルグ     予選P.P.→優勝
 15 N・ロズベルグ     予選P.P.→優勝
 16 ハミルトン      予選P.P.→優勝 濡
 17 ボッタス       予選P.P.→優勝
 18 ハミルトン ★       予選P.P.→優勝
 19 M・フェルスタッペン  予選P.P.→優勝
 20

 ★はその年のチャンピオン
 「濡」は雨もしくはウェットコンディション
 ※予選順位はペナルティ降格を含みません

まずはこのサーキット「通しの」戦績一覧です。第一期は78年の一年間だけジャカレパグアでのお試し開催があったため欠けており、第二期は昨年2020年は例のCOVID-19により非開催となっています。
優勝者のラインナップを見てみると第二期の91年以降、2002年あたりまで10年は見事なまでの★マークが続いています。この頃は「ブラジルGPを制するとそのシーズンを制する」なんてジンクスが謳われました。それも近年こそシーズン終盤に設定されていますが、この時代は開幕戦から第3戦とシーズン序盤に設定されていたため、観る側からすると「ブラジルGPを勝てたということはチャンピオンも、、」みたいな予感がしたのを思い出します。また今でこそ最終戦ではなくなってしまいましたが「チャンピオン決定の舞台」をなしていた時代もあります。05年と06年でチャンピオンを獲得したアロンソをはじめ、翌07年はライコネン、08年のハミルトン、09年のバトン 、さらには12年のベッテルもこの地でチャンピオンを決めています。ただし「ブラジルGPを優勝してチャンピオンを決めた」まで絞ると、上記一覧にあるように07年のライコネンのみとなります。最終戦で自力で勝ちチャンピオンってのが一番カッコいいシーズンの締めくくり方ですね。

少し本題から脱線してしまいましたが、優勝者の予選順位を整理するとこうなります。
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 予選P.P. →優勝:17回 45.9%
 予選2番手→優勝:12回 32.4%
 予選3番手→優勝:  3回   8.1%
 予選5番手→優勝:  1回   2.7%
 予選6番手→優勝:  3回   8.1%
 予選8番手→優勝:  1回   2.7%

ポールポジションと予選2番手がほとんどを占め、以下は4番手と7番手以外からちらほら8番手までで優勝が現れています。毎度ながらこの4番手と7番手がぽっかりと空いて優勝していない「理由」を知りたいですよね。7番手は後方寄りなので「たまたま」で納得できますが、4番手については、それ以降でいくつか勝者があるわけですから謎であり、何か怨念的なものでもあるのかと疑ってしまいます。本当はその点を掘り下げて解明していく方が面白そうですが、今回もやりませーん、ごめんなさーい(笑)

似て非なる第一期と第二期で違いがみられるかどうか分解して整理しました。

〈第一期 1973〜77,79,80年〉
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 予選P.P. →優勝:  2回 28.6%
 予選2番手→優勝:  3回 42.9%
 予選6番手→優勝:  2回 28.6%

〈第二期 1990〜2019年〉
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 予選P.P. →優勝:15回 50.0%
 予選2番手→優勝:  9回 30.0%
 予選3番手→優勝:  3回 10.0%
 予選5番手→優勝:  1回   3.3%
 予選6番手→優勝:  1回   3.3%
 予選8番手→優勝:  1回   3.3%

第一期の対象は7つ、第二期は37と割合に偏りが大きいため単純比較はできませんが、第一期は「ポールトゥウィンよりそれ以外からの優勝が多い」のが特徴的です。レースとして「予選は予選、決勝はまた別物」として楽しむことができる点はいいですね。第一期のポールシッターの戦績をみていくと、77年のハントは2位フィニッシュした以外の4ケースは全てリタイヤに終わっています。細かなリタイヤ理由までは追いきれていませんが、インテルラゴスは開催GPの中でも高標高かつパンピーな路面あることが有名で、当時のマシン信頼性を考えても必ずしもポールシッターが有利ではなかったことがうかがえます。
一方第二期は他のサーキットと同様にポールトゥウィンが最も多く、後方になるにつれて優勝の確率が下がっていきます。特に08年の「悲劇のマッサ」以降、優勝者はフロントロウから輩出しています。例外なくココでも優勝するにはフロントロウからのスタートが絶対的有利であることがわかりました。来シーズン以降のマシンレギュレーションではオーバーテイクが容易となり、この辺の固定概念が少しでも緩和してくれると、決勝レースもより盛り上がるのですが。

最後はいつものように異例の下位スタートからの優勝例を振り返り締めくくりたいと思います。今回も1ケースのみ、18年前の03年の8番グリッドからの優勝になります。

〈下位スタートから優勝を挙げたレース〉
 03 フィジケラ 予選8番手→優勝 濡

このレースも16/3/14に「過去のレースを振り返る」で扱っています。余談ですがこれを書いた頃のmiyabikunは仕事帰りの駅のエスカレーターから転落して左手足骨折のため、入院先の病院で書いたものです。ちょっと素材が古く乏しいため、今回用にリメイクしています。IMG_2723
第3戦に行われたこの決勝は雨に見舞われ、ローリングスタートとなりました。地元GPでポールポジションを獲得したフェラーリのバリチェロはダッシュにもたつき、開幕戦を制したマクラーレンのクルサードに先攻を許してしまいます。
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その後、第2戦で初優勝を挙げた4番スタートのライコネンがバリチェロ、さらには先輩クルサードをターン1でかわし、2戦連続優勝の可能性を見出しています。IMG_2727
雨は止み、徐々に路面が乾きはじめた頃、サーキットの様相が急変します。17周目にジョーダンのファーマンがトヨタのパニスを巻き込むクラッシュ。
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ウィリアムズのモントーヤ、ジャガーのピッツォニアが24周目にコースオフによるクラッシュでレースを終えると、まだ処理が終わる前の2周後にフェラーリのM・シューマッハまでもが同じ場所でコースオフ。
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ミナルディから参戦のJ・フェルスタッペンにIMG_2732
ホンダのバトンもリタイヤ。一台、また一台と戦列を離れていきます。
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何度もセーフティカーが入り、事故処理を繰り返す中、8番スタートのジョーダンのフィジケラがライコネンのミスの間にパス。マクラーレン三連勝に待ったをかけます。
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53周目の最終コーナー手前でジャガーのウェバーが派手にクラッシュし、タイヤがトラック上に散乱。黄旗が振られるも間に合わず
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ルノーのアロンソがそのタイヤに衝突して恐れていた二次被害が出てしまいました。赤旗中断となります。
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レースを再開するには危険と判断され、ジョーダンのフィジケラが初優勝を確信したものの
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表彰台の中央にはライコネンが選ばれて、初優勝から二戦連続となる優勝、マクラーレンの開幕三連勝で一旦幕を閉じます。
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ところが審議の結果、56周目に提示された赤旗に対して「2周前の順位を正とする」裁定が下り、翌サンマリノGPにライコネンからフィジケラへと優勝トロフィーが返還され、フィジケラの初優勝が決まりました。8番手からの優勝は異例中の異例、実に荒れたサバイバルレースによってもたらされたものです。
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GPウィーク直前に行ってきた「優勝を可能とする予選順位」ですが、この先に行われるカタールGP、サウジアラビアGPは共に初開催のため、この企画はできません。よって次回は最終回であり最終戦のアブダビGPとなります。

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グラフは少し見飽きましたね。目を休めましょう。12月中旬まで及んだ2020年シーズンが終わって早3週間経ちます。そろそろレースを観たくなりませんか?!まだいいって?!(笑)昨年の「過去のレース」は中止や延期になったGPにも合わせて「なんちゃってGP」をこのブログ内で強引に突き進めてきたわけですが、実はその時に載せようかどうかすごく迷って、結局諦めてストックしていたレースがいくつかありました。その中の一つであるジャカレパグアで行われた1983年ブラジルGPを取り扱おうと思います。近年はシーズン終盤に盛り込まれるブラジルGPをどこに差し込むか悩みつつ、隙間を縫って9月中旬に1982年ブラジルGPをねじ込みました。それもピンとこない時期ではありましたが、よりによってこの時期のブラジルGPってのも違和感がありますよね。でもこの年のブラジルGPはあながち遠からずです。なぜならこのレースは開幕戦にあたる3/13に行われたということで、約2ヶ月程度先の話だからです。それにしても1月中旬は早過ぎか(笑)
今から38年も前となる1983年シーズンのレースは今回初採用となります。一見地味にも感じる方は多いかもしれませんが、これがなかなか面白いシーズンとなっています。それを助長させた一つの要因がこれです。
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フェラーリ126C2B
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ウィリアムズFW08C
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ルノーRE30Cと現代も参戦する各チームでマシン自体のディテールも実に多彩です。でもこれ、シャシー名からも分かるように枝番が付けられた前年1982年型の改良車ばかりなのです。どうしてこんな事態に陥ったのかというと、かの有名なグラウンドエフェクトカー廃止(フラットボトム規定)がシーズン開幕3ヶ月前の12月に急遽決まり、予め開発をしていた各チームの各マシンは対応に間に合わず強引にレギュレーションに合わせ込む必要があったからです。近年もマシンレギュレーション変更が数年前から決められ、発表されている通り、これら大幅変更はある程度早い段階から告知しないと、いくら莫大な資金と腕利きが集まるF1カテゴリーであっても対応し切れません。ほとんどのチームがやっつけの改良型で開幕戦を迎える中で、間に合わせてきたチームとマシンがあります。
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以前「名車シリーズ」でも振り返ったブラバムBT52です。空力の鬼才と呼ばれたゴードン・マーレーはライバルと同条件下において、予定していたBT51導入や改良を諦め、レギュレーションに適合する新車をしっかり開幕戦に合わせ込んできました。この辺ができるかできないかでシーズンの戦い方が変わってきます。さすが老舗のブラバム。

前段にだいぶ時間を費やしてしまいましたが、予選は前年にたった1勝でチャンピオンを獲得したN・ロズベルグの父、K・ロズベルグが連覇を目指して好発進のポールポジションを獲得。見た目もチャンピオンの風格を感じさせますが、こう見えてこの当時34歳です。今でいうハミルトンとベッテルの間くらいにあたります。もっというと、これは今から38年前ということで、後にチャンピオンを獲得する息子ニコはまだ生まれていません。2番手はターボを武器に「予選番長」と化するルノーの若手プロスト、3番手に「前年の悪夢」の払拭に挑むフェラーリのタンベイ、4番手は新車に乗るピケが獲得しています。

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《予選結果》
 1 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・Fo・GY)
 2 A・プロスト (ルノー・R・MI)
 3 P・タンベイ (フェラーリ・F・GY)
 ※GYはグッドイヤー、MIはミシュラン
  Foはフォード

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スタートでポールポジションのロズベルグは早くも逃げ体制。3番手タンベイは出遅れ、4番手ピケに先行されています。
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途中給油を念頭に軽いマシンで追うピケはプロストをかわして早い段階で2位に浮上してきました。

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ブラバム同様に途中給油の軽タンクで逃げるロズベルグはタイヤを傷め、7周目にピケが隙をついてトップに立ちます。
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軽タンク走行は経験豊かなブラバムが一枚上手か。

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傷むタイヤで27周を耐えたチャンピオンのロズベルグがピットインして予定通りの給油作業に入ります。給油ホースの角度に注目下さい。ドライバーの真後ろに真上から垂直にノズルを挿す形でどうも給油し辛そう、なんて見ていると恐れていたことが、、IMG_5567
発火!
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消火器が向けられ、ロズベルグは堪らずマシンから飛び降りる。レース中の途中給油って、当時の技術からするとかなり高度かつ危険行為です。IMG_5570
レースを諦めたかと思いきや、火は消し止められ「ピットクルーの手を借り」て9位で復帰していきます。たった1勝でもチャンピオンはチャンピオン。簡単にレースを諦めるわけにはいきません。
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軽タンク戦法を得意とするトップのピケの給油作業。こちらの給油は真上からではなく、ノズルが挿し易い横向きです。給油も配慮した設計がなされているBT52はやはり優秀。

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当時のルノーは決勝になるとグズグズしてしまっています。ピケに抜かれ、パトレーゼにも抜かれ、予選9番手のマクラーレンのラウダにまで抜かれる始末。速さだけではレースに勝てない。
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さらには一度燃えた後に復活を果たしたカーナンバー1のロズベルグにまで抜かれてしまいます。ロズベルグは一度9位まで落ちたのに、再び表彰台圏内まで戻ってきました。すごい追い上げだ。
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そのロズベルグはラウダもかわして2位浮上。軽タンク逃げ逃げ途中給油の効果てきめんですね。ただトップのピケまでは距離があるか。
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予選4番手。でも新車を用意して戦略大当たりのピケが余裕の優勝。前年もトップチェッカーを受けながらマシン違反で失格となったため、これが母国初優勝となりました。IMG_5578
2位は猛追のロズベルグ、賢いラウダがいつものしれっと3位となり表彰式を迎えますが、この年もこのままでは終わりませんでした。
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最終結果はこちら。

《決勝結果》
  1 N・ピケ   (ブラバム・B・MI)
失格 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・Fo・GY)
  3 N・ラウダ  (マクラーレン・Fo・MI)
 ※BはBMW

思い出して下さい。先程のロズベルグのピットアウトは自力ではなくピットクルーの手を借り押しがけで復帰しています。あの行為が違反の対象となり、前年に引き続き2年連続のブラジルGP失格の裁定が下りました。チャンピオンのロズベルグはちょっと恥ずかしい。通常であれば4位フィニッシュしたウィリアムズのラフィが3位昇格といきたいところでしたが、結局それは行われず、F1で異例の「2位の存在しないレース」に終わっています。
一方で82年は幻の優勝、83年にようやく母国初優勝を飾ったピケは86年も優勝したことが讃えられ、88年にジャカレパグアは「ネルソン・ピケ」という名に改称されることとなりました。存命現役のドライバーがサーキットに名付けられるのは異例です。しかし残念ながら90年からブラジルGPは改修を受けたインテルラゴス(ホセ・カルロス・パーチェ)に移されF1で使用されなくなり、2016年に開催されたリオ五輪のメイン会場に選定されたことにより、今では跡形も無く解体されています。また1973年から開催されてきたブラジルGPの名称も今シーズンから「サンパウロGP」に改称されて消滅することが決定しました。

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先日あれだけホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス)でのブラジルGP予選をみてきたっていうのに、今回振り返るのは1982年第2戦ジャカレパグア(のちのネルソン・ピケ)で行われたブラジルGPです。ブラジルGPには間違いないけど、繋がってなーい(笑)今シーズンはブラジルGPも無いことだし、何でもアリ。
1982年は先日オランダGPで初めて取り扱いました。今回は2回目で「過去のレース」シリーズで現時点での最古のレース更新となります。キャラミでの開幕戦南アフリカGPは前年チャンピオンのピケがリタイヤする一方、ターボが自慢のルノーがポールトゥウィンを飾ってこの第2戦を迎えています。シーズンはまだ始まったばかり。当時はマシンに「グラウンド・エフェクト」いわゆる地面効果に依ったマシンが主流となっていました。マシンフロアに飛行機の翼をひっくり返したような形状を採り、飛行機とは逆に地面に押さえつけるような原理でダウンフォースを得るという画期的な技術ではありましたが、マシンがひとたび挙動を乱したりすると、一気にリセットされて浮き上がってしまうというリスクと紙一重の特性もありました。

予選は開幕戦に続いてルノーのプロストがポールポジションを獲得。2番手もターボエンジンを積むフェラーリのG・ヴィルヌーブが獲り、ターボ車がフロントロウを占めています。ノンターボ(NA)車の最上位はウィリアムズで3番手のK・ロズベルグ、続いてマクラーレンのラウダが4番手となっています。キャラミよりは低速基調のジャカレパグアでもターボ勢が猛威を振るうのか?!

《予選結果》
 1 A・プロスト  (ルノー・R・MI)
 2 G・ヴィルヌーブ(フェラーリ・F・GY)
 3 K・ロズベルグ (ウィリアムズ・Fo・GY)
 ※MIはミシュラン、GYはグッドイヤー
  Foはフォード

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決勝のスタート!画像があまり良くないので、見辛いかもしれませんが、とにかく路面が酷いです。4回に分けて舗装したかのような継目が遠目のカメラでもはっきり見て取れます。一般道であれば車線毎に打ち継ぐのはよくあることですが、ここはサーキットですからね。規格が非常に良くない。スタートでモタつく黄色いプロストに代わって、フェラーリのエースとして名高いヴィルヌーブがトップに立ちます。
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ロズベルグの攻撃も何のその。
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プロストからの攻めも怖くない!さすがフェラーリのチャンピオン獲得を託された男です。

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レースが進行するにつれ、予選7番手に甘んじたチャンピオン、ピケのペースが上がっていきます。ココは俺の地元だよ、と。ノンターボのブラバムでターボのルノーをあおる。
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次なる標的はいよいよトップをひた走るヴィルヌーブです。
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NP「おい。兄ちゃんもターボだよな。見てな」
ロズベルグも復調をみせ、ピケとセットでヴィルヌーブ狩りに向かいます。
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スーッと近付いて
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インに追いやる。ヴィルヌーブは左側を脱輪して制御できず
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スピンしながら外側へ。
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NP「ふん、あいつビビってやんの。可愛いな」
ピケとヴィルヌーブのマシンは触れ合っていません。ピケの巧み勝ち。今でこそこのような「プレッシャーによるバトル」はだいぶ減ってしまいましたが、昔はこうした駆け引きや揺さ振りでライバルを追い込んでいく手段は定石でした。

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こちらは同じブラバムでも、ピケの相方パトレーゼの方です。マシンを半分グリーンに落として、何やら様子がおかしいです。
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あー回っちゃうー
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ほぼトラックを横断する形のスピン。リオ・デ・ジャネイロの暑さとこの酷い路面により、意識朦朧になってしまいました。トラック復帰しようと試みるもimage
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あらら真っ直ぐに走れず、また同じようにくるくるしちゃっています。よくこの状態で自力帰還できたなぁ。コクピット内でほぼ死んでいる。。image

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ヴィルヌーブをかわした後、順調にラップを重ねるピケは初の母国優勝がみえてきました。1975年のC・パーチェ以来の快挙で観客も大賑わい。image
あーあ、トラックにまでこんなに飛び出しちゃって。喜ばしいことだけど、後続も来るんだし危ないよ!
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《決勝結果》
 1 N・ピケ   (ブラバム・Fo・GY)
 2 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・Fo・GY)
 3 A・プロスト (ルノー・R・MI)

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表彰式はピケ嬉しい嬉しいシーズン初優勝、母国初優勝のはずなのに、こちらも様子がおかしいですね。2位のロズベルグ、3位のプロストも異変を感じる。image
おっとっと、、、
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喜ぶどころか、立っていられずグニャリと力尽きる。パトレーゼ同様にさすがのピケも限界だったんですね。出走26台中、完走は12台とかなりサバイバルなブラジルGPとなりました。
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しかし、このレースはこれで終わりではありませんでした。トップ2台はフィニッシュ後にブレーキ冷却水を足して、最低車体重量をクリアしたとのタレコミがあり審議。後日裁定が下りました。

《後日最終結果》
  失格 N・ピケ   (ブラバム・Fo・GY)
  失格 K・ロズベルグ(ウィリアムズ・Fo・GY)
  1 A・プロスト (ルノー・R・MI)
  2 J・ワトソン (マクラーレン・Fo・MI)
  3 N・マンセル (ロータス・Fo・GY)

優勝のピケと2位ロズベルグが失格。3位以下が繰り上がりとなりました。これを不服としたFOCA(Formula One Constructors Association の略で現在でいうFOTAに相当)系に属するチームが第4戦サンマリノGPの出走を辞退し、26台中14台の参戦、完走はたった5台という非常にシラけたレースを行うまでに発展してしまいました。1982年シーズンはご存知の通りK・ロズベルグによるフィンランド人初、わずかシーズン1勝でのチャンピオン獲得となりましたが、もしこのブラジルGPの失格やサンマリノGPの不参加が無ければ、チャンピオン争いも異なる結果になっていたかもしれません。

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