F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:フラットスポット

引き続き「過去のレース」は今回2005年にニュルブルクリンクで行われたヨーロッパGPです。2005年は長らく続いた「青天井」のパワーと高回転数で甲高いエキゾーストノートを轟かせた3.0ℓのV10最終年で、ミシュランタイヤを履くチームがブリヂストンタイヤ勢を凌駕するシーズンでした。また今とはピットの目的も全く逆「給油を行うためであり、タイヤ交換は原則禁止」ということで、タイヤの扱いとその性能に依り、少し前に振り返った翌アメリカGPでは「事件とボイコット」が起きる騒ぎも あった時代でした。
レッドブルのベテラン、クルサードも「フラットスポットを作ってしまったタイヤを扱うのは困難。タイヤ交換すればペナルティが重いため我慢して走り切るしかない。これはスポーツとしてよくない」と骨格なぞりながら不満を語りました。レースをタイヤで縛る、縛るのがF1とはいえ、確かに本来のモータースポーツからみたら厳し過ぎます。このレースもその「本来の速さを競う目的より、タイヤの取り扱いとレギュレーションの厳しさ」を絵に描いたような内容でした。


予選は土曜の一回きり。それも前レースの順位の悪かった順に1人ずつ出走する方式。当然ながら先にアタックする下位勢は路面ができていなく、後から走れば路面もラバーに乗り、ライバルのタイムを知った上でアタックできます。第4戦サンマリノGPで燃料タンク違反の出場停止から復帰するBAR・ホンダからアタックを開始。チャンピオンのフェラーリ、M・シューマッハはトヨタのトゥルーリにすらだいぶ離された4番時計、結果10番手。
その後ウィリアムズのウェバーがBMWパワーでトゥルーリを上回り、前戦モナコGP2位のハイドフェルドがガソリン少なめでそのウェバーも上回りトップに。
モナコ優勝の最終走者マクラーレンのライコネンはザウバー時代の先輩に0.1秒届かず、ハイドフェルドがF1キャリア初かつ唯一のポールポジション獲得。
ヨーロッパGPとはいえドイツのニュルブルクリンク、ハイドフェルドもドイツ、BMWもメルセデスもドイツと地元からみて幸先のいい土曜日でした。

《予選結果》
1 N・ハイドフェルド(ウィリアムズ・B・MI)
2 K・ライコネン(マクラーレン・M・MI)
3 M・ウェバー(ウィリアムズ・B・MI)
   ※BはBMW、MIはミシュランタイヤ


互いにミシュランを履く2001年ザウバーコンビ、うまくパワーのメルセデスに転向したライコネンとメルセデスから選ばれず、こちらもパワーなら負けないBMWに乗っかる形をとった2人のフロントロウ対決は、
ライコネンの勝ち。ハイドフェルドも2位は守り3位以下を離しつつ追います。5番手からスタートダッシュを決めたモントーヤが早めにターンインしたため3番手のウェバーと接触、後続を大いに巻き込み順位をシャッフルさせてしまいます。

トップのライコネンはガソリン多めの2回ストップ、一方ハイドフェルドは予選から軽タンクで決勝は3回ストップの目論見です。ハイドフェルドが先にピットインし、復帰後はルノーのアロンソの後ろへ。
アロンソは予選より決勝のロングラン重視でガソリンたっぷり。ピットインを粘り上位に上がってきました。

後半になるとライコネンのコースオフが目立ちます。実は34周目に周回遅れにすべくザウバーのヴィルヌーブをパスする際に第1コーナーでタイヤロック。恐れていた「フラットスポット」を作ってしまい、マシン制御に苦戦する羽目になります。せっかくピット1回分少ないのにハイドフェルドにパスされて優位性が水の泡。

写真では全く伝わりませんが、オンボードカメラでもガタガタ揺れているシーンを感じる程、周回を重ねる毎にフラットスポットは悪化していきます。
残り16周でライコネンが最後となる2回目ピット。タイヤマンも用意はしていましたが交換見送り。クルサードの語っていた「ペナルティによるポジションダウン」を嫌いました。

何とかトップのまま復帰し「時限爆弾」を抱えたライコネン。残り周回をしのげるのかタイヤバーストが先か、はたまたピットを遅らせてハイペースのアロンソにペースダウンで抜かれるか試練の走りになります。
アロンソが真後ろまで来てプレッシャーをかけ始めたファイナルラップ、、
爆破!
抜かれるわけでもバーストでもなく、カーボン製サスペンションが根元から振動による脆性破壊しました。第1コーナーでBAR・ホンダのバトンにスレスレで直進しジ・エンド。優勝は予定通りピット回数でハイドフェルドより優位に立った追い込みのアロンソです。キミ、ごっつぁんです!

《決勝結果》
1 F・アロンソ(ルノー・R・MI)
2 N・ハイドフェルド(ウィリアムズ・B・MI)
3 R・バリチェロ(フェラーリ・F・BS)
   ※BSはブリヂストンタイヤ

パルクフェルメで「よく頑張ったね!」とタイヤを労うアロンソ。ココを確実に取るのもチャンピオンになる重要なファクター。
初優勝のチャンスを失ったハイドフェルドも残念だったし、ライコネンは後に日本GPでファイナルラップで逆転優勝したものの、コレもファイナルラップ。結果このレースは11位扱いにはなりましたが、このレースを落としたのは大きかったと思います。最速といわれたMP4-20もエンジンブローやレギュレーションに則せなかったのが相当頂けなかった!
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F1に限らず、乗り物、特に車輪を持つものにとってタイヤは地面を蹴り、地面からの振動を抑え、また地面に抵抗して速度を落とし進路を変える重要な部品の一つです。

F1のタイヤはレギュレーションによって交換できる年や複数メーカーによる競合がある年もありましたが、今までもこれから先もレギュレーションが変われど成績や結果に非常に左右されるものになっています。ここで基本であるタイヤについて、今一度基礎から復習してみたいと思います。


タイヤはご存知の通り、2011年からピレリというイタリア・ミラノが本社のタイヤメーカーが採用されています。実はピレリは過去に3回F1タイヤで使われていたのを知っていますか?
   第1期は1950年から1958年の9年間
   第2期は1981年から1986年の6年間
   第3期は1989年から1991年の3年間
今は第4期として2011年から現在です。
ブランドはP ZEROで市販車用にもハイパワー用としてあります。

日本のブリヂストンが撤退して、エンターテイメント性を高める意図で「わざと」傷みやすい、磨耗して劣化しやすい工夫がしてあります。面白いですよね、普通メーカーなら「高出力で高速なF1に耐えうるタイヤを作れるぞ」と企業力を全世界に知らしめたいところですが、その逆をやりました。ワンメイクならではの演出です。導入当時はドライバーやファンからも先代のブリヂストンとの比較で色々言われていましたよね。今後またミシュランが参加するとかしないとか。

タイヤの規格は市販されているものではないので無理矢理計算して当てはめるとしたら、ドライは外径660mmで
   フロント   245 / 67.3 R13 Y
   リア          325 / 50.7 R13 Y
ウェットはドライより外径が10mm大きい670mmで
   フロント   245 / 69.3 R13 Y
   リア          325 / 52.3 R13 Y  相当です。
計算するとそんな変な数字にはならないんですね。計算を間違えてないよな?!(笑)
重量や価格も調べてみましたが、一本3〜4kgで100万円だか。公表はされていませんでした。また、使ったタイヤはピレリが回収し、一度ホイールに付けられたタイヤは使わなくても処分するとのこと。知りませんでした。環境を考慮し始めたF1の割に、そこらへんはエコではないですね。


タイヤのコンパウンドによって2013年から
   スーパーソフトは赤
   ソフトは黄
   ミディアムは白
   ハードは橙
   インターミディエイトは緑
   ウェットは青
とサイドウォール部のロゴを色分けしています。柔らかい方が熱が入りやすくグリップはするが、寿命が短い。硬い側が熱の入りに時間はかかりますが、寿命が長いです。将来は各サーキットで各チームが好きなコンパウンドを選べるようになるんじゃないかーという噂はあるものの、現状は晴れた日は各サーキットで予め指定されたコンパウンドを2種類必ず履き替える、また予選2回目に履いたタイヤで決勝もスタートする、というレギュレーションです。
ちなみに「プライムタイヤ」はそのサーキットで定められた硬い方のタイヤで「オプションタイヤ」は柔らかい方のタイヤを示します。

雨に使用する2種類は浅溝のインターミディエイトがフルスピードで毎秒25ℓの排水効果、深溝のウェットが毎秒65ℓの排水効果とのこと。ピンと来ませんが、先日のイギリスGPでライコネンがいち早くインターミディエイトを履き順位を落とし、絶妙な読みをしたハミルトンは追ってくるロズベルグを寄せ付けませんでした。タイヤ選択はとても重要で成績に直結します。

ドライからインターミディエイト、そしてウェットと雨の降る量だけではなく、走行で跳ねあげられる雨水による路面の乾き具合や濡れ具合、また広いサーキットや高低差があるところだと一周だけでも状況が変わるので、タイヤ交換のタイミングや走り方、温度、内圧にも気を遣わなければならないので、戦略も重要です。

タイヤはオーバーヒートやグリップを失っては機能しなくなりますし、当然寿命も早めます。2000年のベルギーGP、スパ・フランコルシャンではオーバーヒートを防ぐためにフェラーリを駆るM・シューマッハは意図的に濡れた路面でタイヤ温度をコントロールしていたのを思い出します。



テレビ中継を観戦していて、タイヤにまつわる横文字の専門用語が多く飛び交います。昔はそう多く聞きませんでしたが、最近は当然のように解説者も使うので、代表的なやつを簡単におさらいしてみます。

・フラットスポット
名前の直訳の通り「平らな場所」です。コーナー進入前にオーバースピードだったりタイヤが傷んできたり、またブレーキトラブルでタイヤが転がらず路面に止まった、ロックした状態で摩擦すると白煙を上げてコレができます。市販の車の通常走行では気になりませんが、柔らかいレーシングタイヤだと丸い部分が平らに削れます。
コレができると、平らな面に来たところで振動し、次のブレーキでもそこで摩擦をしてさらに酷くしたり、車体がガタガタ振動します。軽度であれば、他の面もすり減りますから直ることがあるようですが、基本は交換です。無駄なピットインを強いられます。放置すれば当然乗り心地や繊細なマシンを傷め、ひどい時は壊してしまいます。近年で有名なのは2005年ヨーロッパGP(ニュルブルクリンク)で当時マクラーレンのライコネンが最終周回まで先頭を走行中に右フロントサスペンションを破壊させリタイヤしたやつです。

・グレーニング
タイヤの使い始めにできるささくれのことです。コレができるとアンダーステア気味になり、ラップタイムも落ちてしまいます。ただ、軽度であればタイヤも落ち着き、直ることもあるようです。タイヤに濃い黒い部分が見え始めます。

・デグラデーション
ひと昔前まで川井ちゃんがよく口にしていた「タレ」です。いわゆるタイヤの性能劣化です。もちろんコンパウンドの違いでもこの出るタイミングは変わりますし、マシンの特性やもっと言えばドライバーの運転の仕方やクセ、サーキットの特性によって変わります。タイヤに優しいって言っている場合はコレが起きにくい、または他よりも来るのが遅いということです。この状態で無理して使うといずれタイヤの限界が来て、後に紹介する「崖」が訪れます。

・ブリスター
タイヤは温めた方がよくグリップしますが、温め過ぎてオーバーヒート気味になるとゴムの中の空気や水分が膨張して表面に気泡ができます。それです。当然ながらタイヤは劣化し、トレッドが剥がれたり裂けたりします。ブリスターはグレーニングとは違い、できてしまうと直りません。交換するしかありません。こちらも黒い筋が現れます。

・「タイヤの崖」
正式名称はよくわかりませんが、クリフとも呼ぶようです。ピレリが意図的に取り入れたタイヤの寿命、使用期限です。これが来たら最後、タイヤを履いているにもかかわらず、急激にラップタイムに影響します。コレが話題となった2012年シーズンはレース中に度々見られ、終盤にみるみる順位を落とす痛々しい光景がありました。これもタイヤ交換をせず頑張りすぎるとなります。最近はだいぶ減りました。

・マーブル
路面に散らばるタイヤカスです。片山右京はデブリと呼んでることもあります。レーシングタイヤでなく市販の車のタイヤでも国道の舗装を見れば落ちてます。ただレーシングタイヤはそのカスが大きく剥がれ、走行ラインから外れたところに黒い雪のように溜まります。走行ライン上ならベタつく溶けたタイヤの跡がつき、そこは非常にグリップして走りやすいですが、ただタイヤカスがある上を走るとグリップせず滑ります。砂利道の上のようなものです。パッシングする際に走行ラインを外したり、周回遅れをパスする時は要注意です。基本的には周回遅れにされる側が走行ラインを外して譲ります。


タイヤ一つでめちゃくちゃ長くなってしまいました。用語は今後観戦する上で誤解なく理解できそうな気がします。
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