開催すら危ぶまれた2020年のシーズンもいよいよあと一つとなる最終戦を迎えました。よくここまでたどり着けましたよね。開催できそうな国やサーキットを厳選し、時には二週連続開催、また時には三連戦、さらに初サーキットまで盛り込んで、どうにか全17戦のシーズンで乗り切りました。無事にチャンピオンも決まりましたし、初ポールや初優勝も生み出しました。色んな意味で歴史に残るシーズンになりましたね。そんな今シーズンもお決まりのアブダビGPで完結します。バーレーンGPで負傷したハースのグロージャンは不出走のままF1から離れることが決まり、またサクヒールGPでCOVID-19の陽性の判定が出て欠場したハミルトンがこちらも「残念ながら」出走することになりました。来シーズンは無事にカレンダー通りに行われることを祈りつつ、最終戦をしかと見届けましょう。
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《アブダビGPの基本情報》
 ヤス・マリーナサーキット
  全長           :5.554m×55周=計305.470km
  開催回数 :12回目
  コーナー数:21箇所
  高低差       :10.7m
  DRS区間数:2箇所
  母国レース :無し

《アブダビGPの個人的印象》
 ・ゲームの中の世界みたい
 ・ここって雨降るの?!
 ・なかなか勝てないフェラーリ第二のお膝元
 ・ピットアウトレーンが事故りそうで怖い

近年のF1の大トリとして定着する中東近代サーキットですね。ヘルマン・ティルケ監修のクローズドサーキットで様々な要素を盛り込みつつ安全性もしっかり確保したレイアウトと設備でありますが、セクター2に2本設置されたDRS作動可能なストレートはパッシングポイントではあるものの、間に挟んだシケインの存在がまた絶妙で「抜いた後、抜き返されてプラマイゼロ」みたいな状況を生んでしまいます。せっかくレイアウトのパーツパーツはいいモノを持っているのに、上手く活かせずダラダラっとしたレースになりがちです。大抵がこの頃までにチャンピオン争いは終結してしまっているし、これが終わればお休みだと、週末のサラリーマンの如くイマイチ力が入っていない感じにもみえちゃう(笑)レース終了と共にドライバーやチームスタッフを労うかのような花火が夜空に広がりますね。今シーズンは特に詰め込み詰め込みで忙しい一年(半年)でしたから、最後の最後は脱力感がいつも以上にたっぷり出そう。

《過去5年のポールポジション》
 2019年 ハミルトン(メルセデス)
    1分34秒779
 2018年 ハミルトン(メルセデス)
    1分34秒794
 2017年 ボッタス (メルセデス)
    1分36秒231
 2016年 ハミルトン(メルセデス)
    1分38秒755
 2015年 ロズベルグ(メルセデス)
    1分40秒237

《ポールポジションレコードタイム》
 2019年 ハミルトン(メルセデス)
    1分34秒779

《現役ポールポジション獲得者と回数》

(★はその年のチャンピオン)
 5回 ハミルトン(2009,12,16,18★,19★)
 2回 ベッテル (2010★,11★)
 1回 ボッタス (2017)

近年6年のポールシッターはメルセデスから輩出しています。現役ではベッテルが2回獲得しているものの、常勝レッドブル時代のものであり、フェラーリは過去11回で一度も獲れていません。鋭角ターン7の先には遊園地があるのに、残念な結果です。アブダビの人達はフェラーリの活躍に期待しているはず。そのチャンスは来年以降に持ち越しかな。

《過去5年の優勝者》
 2019年 ハミルトン(メルセデス)
 2018年 ハミルトン(メルセデス)
 2017年 ボッタス (メルセデス)
 2016年 ハミルトン(メルセデス)
 2015年 ロズベルグ(メルセデス)

《現役歴代優勝者と回数》
 5回 ハミルトン(2011,14★,16,18★,19★)
 3回 ベッテル (2009,10★,13★)
 1回 ライコネン(2012)
   ボッタス (2017)

優勝もポールポジションと同様に近年6年はメルセデスが制しています。6年の前となるベッテルの3回はレッドブル時代ですし、2012年のライコネンはロータスでのF1復帰初優勝でした。 6年前、つまり現パワーユニットに入ってからはメルセデスの独壇場というわけです。もっと言うと、その6年はポールシッターがそのまま優勝ということで「ポールポジションを獲ってしまえば、あとはレースコントロールできてしまう」というゲンナリレースが続いています。今シーズンもパワーユニットの基本は変わりませんので、つまり自ずとそういう予想が立ってしまいますね。

《過去5年のファステストラップ獲得者》
 
2019年 ハミルトン(メルセデス)
 2018年 ベッテル (フェラーリ)
 2017年 ボッタス (メルセデス)
 2016年 ベッテル (フェラーリ)
 2015年 ハミルトン(メルセデス)

《現役ファステストラップ獲得者と回数》
 4回 ベッテル (2009,12★,16,18)
 3回 ハミルトン(2010,15★,19★)
 1回 リカルド (2014)
   ボッタス (2014)

レースコントロールできるということは、レースペースは「トップに委ねられている」ということにもなります。以前ありましたね、チャンピオンが獲れないと決まったのなら、無茶苦茶にしてやる!ってのが。あれはレースに勝っても勝負、スポーツとしては負けの行為です。今シーズンは最終ラップまで気合を入れて、清々しいフィナーレを迎えてほしいですね。

《使用されるタイヤコンパウンド》
 赤:ソフト  (C5)
 黄:ミディアム(C4)
 白:ハード  (C3)

アブダビGPは柔らかい側の3種が使用されます。柔らかろうが硬かろうが、速いところは速いし遅いところは遅いわけで(笑)んーもう、キング戻ってきちゃったしなぁチクショウ。。もう少ししっかり静養したらいいのに。。ブツブツ言いつつ、今シーズン最後の予想といきましょう!

《アブダビGPの個人的予選予想》
〜Q1〜
 20.フィッティパルディ(ハース)
 19.ラティフィ    (ウィリアムズ)
 18.マグヌッセン   (ハース)
 17.ラッセル     (ウィリアムズ)
 16.ジョビナッツィ  (アルファロメオ)
〜Q2〜
 15.ライコネン    (アルファロメオ)
 14.ベッテル     (フェラーリ)
 13.ガスリー     (アルファタウリ)
 12.クビアト     (アルファタウリ)
 11.オコン      (ルノー)
〜Q3〜
 10.リカルド     (ルノー)
   9.ストロール    (レーシングポイント)
   8.ペレス      (レーシングポイント)
   7.サインツ     (マクラーレン)
   6.ノリス      (マクラーレン)
   5.ルクレール    (フェラーリ)
   4.アルボン     (レッドブル)
   3.フェルスタッペン (レッドブル)
   2.ハミルトン    (メルセデス)
  P.P.ボッタス     (メルセデス)

きっと余力はあることでしょうが、病み上がりのハミルトンを控えめにし、躍起になっているボッタスを先頭にしてみました。ただーし!今までの定理を覆すように「ポールポジション=優勝」というわけにはいかず、という決勝予想まで今のうちから立ててしまいます(笑)来シーズンも乗ることが決まっていますから、来年頑張ろう。
3番手まではいつも通りとしても、このあたりから今時点では不透明です。前戦初優勝を挙げてようやく結果を出す事に成功したペレスは決勝でのパワーユニット交換ペナルティが決まっているため、今のところの最終F1予選をどのように出てくるかわかりません。F1ファンとしては毎度ながら「手を抜く予選」は考えたくないししてほしくないため、一応マシンとドライバーのポテンシャルから考えてQ3には真面目に進出してきてくれることを祈りたいです。またドライバーズならびにコンストラクターズランキングを決める大切なレースであることも考えて、サクヒールGPで冴えなかったマクラーレンを上位に戻し、それに押し出される形でアルファタウリの2人にはQ2止まりとさせて頂きました。今のアルファタウリは予選よりも決勝の粘り強さがありますから、それに期待を込めます。
下位はそこそこ走れたライコネンを上げて、他はちょっとわかりません。ラッセルは一週前のマシンからまた現実に戻される形となり「同じエンジンでも速さの違い」をモロに感じるでしょうね。最後にベッテルはこちらも鉄板な位置付け14番手として、決勝もそのくらいの順位でフェラーリとのラストレースを迎えそうな気がします。本当は最後の最後くらいはルクレールに勝つ走りで、綺麗にフェラーリ6年の締めくくりをしてもらえたらいいなと思います。

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