前回は42年前のレースを振り返りました。miyabikunやり残していり宿題、忘れちゃいません。今回は昨年2023年のレースを振り返りましょう!予選に関する通期のまとめです。タイトルは「数字でみる」なんてカッコつけていますが、毎度ながら年末に急いで詰め込んだものと同じようなデータやグラフが続きます。
《予選最速タイムと各チームとの差》
まず初めは全22戦の最速タイムと各チームの最速タイムの差のグラフになります。
あるがままのタイム差をチーム別にプロットしています。グラフ内の水色の帯はウェット環境で行われた回、黄色い帯はタイヤコンパウンドに縛りがあるATAによる予選回を示しています。データに乱れがあるのはウェットでの予選です。予選も決勝も比較的荒れがちなカナダGPはもちろん、シーズン中盤のベルギーやオランダがとんでもないタイム差がある中、シーズン終盤に行われたサンパウロGPはドライ回以上にタイム差が接近しています。前者3GPはセッションが進むごとに路面が向上したため、Q1落ちチームが不利だったのに対し、サンパウロGPはQ3に荒天したため、上位と下位の差が表れませんでした。
やっぱりこれでは見辛過ぎるので、異常値は削っちゃいましょう。
上限値を2.4秒差までとしたグラフです。タイム差が0、つまりトップタイム(ポールポジションではない)を記録したチームがよく分かります。トップタイムをマークしたのは、レッドブルが最多の13回、フェラーリが6回、ウィリアムズ、メルセデス、マクラーレンが1回ずつとなります。レッドブルやフェラーリはもちろんのこと、ウィリアムズが1回獲得しているのは驚きです。カナダGPは濡れた路面でクラッシュするマシンが多い中、Q2でトップ通過したアルボンがマークしたものが最速でした。
マシンの戦闘力、序列をモノともしない、ガッツあるアルボンの巧みさが光りました。
足切りを設けても、10本のラインがジグザグしていたらまだ見辛い。やはり通期も2つのグループ分けを行い、もう少しだけ見易くしましょう。
10チーム中の上位5チーム、レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティンのタイム差グラフです。
サーキット特性によって、また路面状況によりグラフの上下(すなわちトップタイムとの差)はまちまちながら、基本はレッドブルがサーキット特性や路面状況によらずトップタイムをマークしており、時折思い出したかのようにフェラーリがレッドブルを凌駕してトップタイムを奪う構図となっています。レッドブル優勢な中、シーズン終盤はライバルとのギャップは比較的詰まり、フェラーリに上回れることも増えました。レッドブルが後半戦早々に2024年マシンへの開発にシフトした影響なのでしょうか。また、前半戦は完全に遅れをとっていたマクラーレンの好調さ、逆に後半戦は息切れしたアストンマーティンの対比もわかりやすく表現されています。メルセデスは、、やや地味。
下位の位置付けとなるアルピーヌ、アルファロメオ、ハース、アルファタウリ、ウィリアムズの5チームです。
先述の通り、このグループでトップタイムを獲得したのはカナダGPのウィリアムズの1回キリであり、ベルギーGPに至っては5チーム全てがトップから2.0秒以上離されたため、グラフから一旦姿を消しています。ほか、アルピーヌが低速市街地モナコGPで3番目に速いタイムとなる0.188秒落ち、アルファタウリは高地メキシコシティGPで3番目の0.216秒落ちが目立ちます。
グループ分けしてもまだ見辛い、ですよね。ならばこれらチーム単位のプロットをやや力業ではありますが、平均化して「シーズン全体のトップタイムからの差」として予選一発の速さの差、序列を導き出しましょう。
〈予選最速タイムとの差の平均値〉
1 レッドブル・HRBPT 平均0.118秒
2 フェラーリ・F 平均0.335秒(+0.217秒)
3 メルセデス・M 平均0.522秒(+0.404秒)
4 マクラーレン・M 平均0.730秒(+0.612秒)
5 アストンマーティン・M 平均0.814秒(+0.696秒)
6 アルピーヌ・R 平均1.723秒(+1.605秒)
7 ウィリアムズ・M 平均1.821秒(+1.703秒)
8 ハース・F 平均1.921秒(+1.803秒)
9 アルファタウリ・HRBPT 平均2.076秒(+1.958秒)
10 アルファロメオ・F 平均2.260秒(+2.143秒)
グラフの序列は一昨年「2022年のコンストラクターズランキング順」に並べて視覚的な差をみます。また下段に速さ順に並べて記載したものはカッコ書きで「平均値トップチーム(つまりレッドブル)との差」を追記しています。
先程のGP別タイム差グラフで分けたグループそのままに二分しています。予選の速さ(トップとの差)だけに関していえば、2番チームはメルセデスでなくフェラーリです。一発の速さだけは健在でした。シーズン前半型のアストンマーティンVS後半型のマクラーレンによる4番チーム争いはマクラーレンが僅差で軍配。その次となるアルピーヌはアストンマーティンから遅れること0.9秒となっています。下位はそのアルピーヌを筆頭にウィリアムズ、ハース、アルファタウリ、アルファロメオと続く形となりました。
《ポールポジション回数》全22回
1 フェルスタッペン 13回(59.1%)
2 ルクレール 4回(18.2%)
3 ペレス 2回 (9.1%)
サインツ 2回 (9.1%)
5 ハミルトン 1回 (4.5%)
次はポールポジション回数とシーズン獲得率を多い順に並べています。
最多は3回チャンピオンを余裕で獲得したフェルスタッペンの13回で、シーズンの6割弱の獲得。2位はフェラーリのポール屋ルクレールの4回、以降ペレスとサインツが2回、メルセデスのハミルトンがハンガリーGPで獲得した1回という内訳。ハミルトンは1年半振りのポールとなり「優勝、ポールとも通算103回ずつ」から一つポールが抜け出したことになりました。
ドライバーは20人いるわけで、もう少しバラけてくれれば何よりですが、結果的にレッドブル、フェラーリ、メルセデスの3チーム5人の獲得に止まりました。
《平均順位》
シーズン通してみた予選順位平均値になります。今回もドライバー編、コンストラクター編とも、スポット参戦者のデータを含め、ペナルティによる降格前の予選順位をそのまま平均化して算出しています。
〈ドライバー〉
トップのフェルスタッペンから最下位サージェントまで綺麗な階段状に並びました。ポールポジション13回のフェルスタッペンは前半戦12戦で平均3.00番手、後半戦10戦も平均3.00番手となり、シーズン通しても平均3.00番手でした。この結果は前半戦第2戦サウジアラビアGPの15番手や第5戦マイアミGPの9番手や後半戦第15戦シンガポールGPの11番手、第18戦アメリカGPの6番手が響いています。とはいえ、マイアミとアメリカの決勝は優勝、サウジアラビアGPも2位で終えており、傷口のリカバーはしっかりできています。
で、その相方はというと、フェラーリ2人、メルセデス2人、アストンマーティンのアロンソにマクラーレンのノリスに前を譲った平均9.05番手にいます。上から数えて8番目となり、まあ何とか毎回Q3に出走できるかな、クラスです。以降マクラーレンの「新人」ピアストリが平均9.86番手の上から9番目。そして仲良しピンクのアルピーヌは僅差でガスリーの勝ち。Q3進出クラスはこのあたりまでといったところでしょうか。
以下はなかなかな接戦です。ハースの予選王子(おじさん)ヒュルケンベルグ、ウィリアムズの一人親方アルボン、いわば実家のチームといえるストロールちゃまの3人が平均12番手台。日本の機体を一人で背負うアルファタウリの角田は単独の13番手台にいます。デ・フリース代行の復活リカルド、元「一発の速さがウリ」のアルファロメオのボッタスあたりまでがQ2進出常連クラス。こちらも新人サージェントは親方との実力差をまざまざと見せつけられて、スポット参戦者3人にも置いてかれた形の最下位となりました。言い換えれば、引き続きドライブする今シーズン2024年はこれ以上落ちることは無いわけで、上がるのみ。この平均順位を上げていきたいですね!
〈コンストラクター〉
続いてコンストラクター(チーム)単位に均した平均順位です。アルファタウリについては4人体制でしたが、その4人の平均値を採用しています。
最速チームはチャンピオン争いには橋にも棒にもかからなかったフェラーリが「予選のチャンピオン」を獲得。理由はルクレール、サインツとも「可も無く不可も無い」フロントロウ、二列目、三列目あたりを堅実にキープできたことによります。真のチャンピオンのレッドブルはポールポジションたった1回に止まるメルセデスに肉薄されてしまっています。その理由は、、先程のドライバーズ編に書いた通りということで、、。まあ予選くらいはフェラーリに華を持たせてあげて下さい(笑)
中団のマクラーレンVSアストンマーティンは先程のタイム差の序列と同様にマクラーレンが辛勝。下位はヒュルケンベルグが引き上げたハースが7番目となる平均13.61番手。アルファタウリは角田の頑張りで8番目の平均14.63番手。ウィリアムズはアルボンの頑張りはありつつも、連帯責任で9番目。最下位チームは予選であまり存在感をみせられなかったアルファロメオの平均14.98番手となりました。順位的にはギリギリ15番手を割っても、ビリはビリです。
《ドライバー別グループ別予選順位変遷》
全戦の予選順位をグループ毎にプロットし、折れ線グラフとしました。前半戦、後半戦だけでも見辛いのに、22戦全戦を同じ大きさのグラフで示したら何のこっちゃよくわからなくなります。でもデータの証拠ですから、ひとまず掲示します(笑)
レッドブル、フェラーリ、メルセデスによる上位3チーム6人の予選順位グラフです。
先程までの平均順位算出の元データになります。ポールポジションはこのグループの5人から輩出されているため、各GPで必ずプロットがあります。ただ上位6人とはいえ、必ずしもその6人が縦に連なったGPは一つも無く、必ず中団ないし下位のグループのドライバーがここに割って入ってきます。水色の帯がQ1敗退、黄色の帯がQ2敗退のエリアを示しますが、誰とは言うまい紺色の破線がちょいちょい顔を出しています。
中団扱いの3チーム、マクラーレン、アルピーヌ、アストンマーティンの6人です。
先程の上位グループの6連を阻止していたのはこのグループの3人、緑の破線アロンソ、オレンジの実線ノリス、オレンジの破線ピアストリの3人の仕業。シーズン前半戦はアロンソならびにアルピーヌ勢が上位に割って入る好走をみせ、シーズン中盤からはマクラーレンが水を得た魚のように飛躍、ノリスのみならずピアストリまでフロントロウを経験しました。アルピーヌは非常に浮き沈みが激しく、上位と下位を行ったり来たりしていたのが印象的でした。先程の平均順位からみても、仲不仲の問題ではなく、マシンのポテンシャルからみても前半グループまでは距離があり、オコン、ガスリーともにやれるだけやって近しいような値に止まった感はあります。
下位は4チーム。アルファタウリは重ならずも4人体制でしたので総勢10人のグラフになります。
もう正直言ってごちゃごちゃしちゃっていて統計やバイオリズムも何もよくわかりませんが、上位進出で目立つところだけピックアップすると、このグループ最上位は雨の混乱も助けとなったカナダGPのヒュルケンベルグの2番手。
そりゃ3回チャンピオンもそんな顔になるわな(笑)
またそのチームメイトでチームの母国アメリカのマイアミGPでしてやったり4番手のマグヌッセン。こちらはちょっと意外なオランダGPで4番手獲得のアルボンに、ようやくメキシコシティで存在感を示したリカルドの4番手が挙げられます。このグループは4番手が頭打ちみたいな形になってしまっています。マシンのポテンシャルを考えると、赤い帯で示した領域であるQ3進出でなかなかの評価点と言っていいと思います。
3分割してもまだ見辛い。miyabikunもっと上手く端的に表現してちょう。わかりました、これらを前にも出したことのある「予選の各セッション進出数のグラフ」に変換しましょう!
〈予選のドライバー別セッション別進出数〉
順位の要素は無くなってしまいますが、これならば各ドライバー、そしてライバル達との対比も容易なはず(最初からこれだけ見せればいいんじゃないの?!)並びは上から先程の「予選平均順位」順に並べています。
残念ながら全レースでQ3に進出できた者はいません。フェルスタッペンもQ2落ちが2回あります。Q3進出最多はグラフ上段からフェルスタッペン、ルクレール、アロンソの 3人による20回。ポールポジションを4回獲得するルクレールはともかく、注目すべきはポールポジションこそないものの中団チームのアロンソも20回という点でしょうか。この方には最年長、高齢という言葉は似合わないし無意味な表現。チームメイトとの比較から考えても大健闘です。またQ1敗退が無かったのがフェルスタッペンとハミルトンの2人。ポールポジションや優勝からはだいぶ遠かったキングは例えダメ車でもスーパーチャンピオンの1人です。さすが。平均順位こそ僅差で負けて、ポールポジション獲得はなりませんでしたが、ピアストリはチャンピオンマシンに乗る方よりもQ3進出数は上回っています。
角田のチームメイト比較はなかなか難しいですが、平均順位ならびにQ3進出数をみても決して劣るものではないことが証明できています。ただ残念ながら当初のチームメイトは唯一Q3進出が無い結果となり、後任のリカルドや代走のローソンと比較すると、マシンのアップデートのタイミングの悪さはありつつも、あまりいいF1キャリアでは無い結果に終わってしまいました(できればアップデートによる成績向上を見てみたかったです)
《チーム内対決》
予選編最後はチームメイト対決です。全22戦のため、11勝11敗のイーブンもあり得ます。果たして速さで秀でたのは各チームどちらか?!
グラフの順番は上から「一昨年2022年のコンストラクターズランキング順」としていますが、トップとビリのチームが極端な結果となっています。ウィリアムズは22勝のアルボン、レッドブルは20勝2敗でフェルスタッペン、アストンマーティンは19勝3敗でアロンソがそれぞれ獲っています。いずれもなるほどなという結果に。逆に接戦だったのはメルセデスの11勝11敗。平均順位も接戦だったことを考えると、ラッセルは大健闘です。またある意味注目だったアルピーヌはガスリーに軍配は上がるものの、先程も書いたように平均順位との相対評価を考えれば肉薄しています。戦うべきはチームメイトに止まらず、頂点を目指してもらいたいものですが、オールフレンチ体制1年目としては、なかなかいい戦いだったと思います。
今更ながら昨年2023年のまとめを行っています。諸事情あり年内にこなすことはできませんでしたが、新シーズンが始まる前には各種まとめを終えたいです。以上、今回は2023年の予選編でした。次回はもっと重要な戦績である決勝編を行います。
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《予選最速タイムと各チームとの差》
まず初めは全22戦の最速タイムと各チームの最速タイムの差のグラフになります。
あるがままのタイム差をチーム別にプロットしています。グラフ内の水色の帯はウェット環境で行われた回、黄色い帯はタイヤコンパウンドに縛りがあるATAによる予選回を示しています。データに乱れがあるのはウェットでの予選です。予選も決勝も比較的荒れがちなカナダGPはもちろん、シーズン中盤のベルギーやオランダがとんでもないタイム差がある中、シーズン終盤に行われたサンパウロGPはドライ回以上にタイム差が接近しています。前者3GPはセッションが進むごとに路面が向上したため、Q1落ちチームが不利だったのに対し、サンパウロGPはQ3に荒天したため、上位と下位の差が表れませんでした。
やっぱりこれでは見辛過ぎるので、異常値は削っちゃいましょう。
上限値を2.4秒差までとしたグラフです。タイム差が0、つまりトップタイム(ポールポジションではない)を記録したチームがよく分かります。トップタイムをマークしたのは、レッドブルが最多の13回、フェラーリが6回、ウィリアムズ、メルセデス、マクラーレンが1回ずつとなります。レッドブルやフェラーリはもちろんのこと、ウィリアムズが1回獲得しているのは驚きです。カナダGPは濡れた路面でクラッシュするマシンが多い中、Q2でトップ通過したアルボンがマークしたものが最速でした。
マシンの戦闘力、序列をモノともしない、ガッツあるアルボンの巧みさが光りました。
足切りを設けても、10本のラインがジグザグしていたらまだ見辛い。やはり通期も2つのグループ分けを行い、もう少しだけ見易くしましょう。
10チーム中の上位5チーム、レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティンのタイム差グラフです。
サーキット特性によって、また路面状況によりグラフの上下(すなわちトップタイムとの差)はまちまちながら、基本はレッドブルがサーキット特性や路面状況によらずトップタイムをマークしており、時折思い出したかのようにフェラーリがレッドブルを凌駕してトップタイムを奪う構図となっています。レッドブル優勢な中、シーズン終盤はライバルとのギャップは比較的詰まり、フェラーリに上回れることも増えました。レッドブルが後半戦早々に2024年マシンへの開発にシフトした影響なのでしょうか。また、前半戦は完全に遅れをとっていたマクラーレンの好調さ、逆に後半戦は息切れしたアストンマーティンの対比もわかりやすく表現されています。メルセデスは、、やや地味。
下位の位置付けとなるアルピーヌ、アルファロメオ、ハース、アルファタウリ、ウィリアムズの5チームです。
先述の通り、このグループでトップタイムを獲得したのはカナダGPのウィリアムズの1回キリであり、ベルギーGPに至っては5チーム全てがトップから2.0秒以上離されたため、グラフから一旦姿を消しています。ほか、アルピーヌが低速市街地モナコGPで3番目に速いタイムとなる0.188秒落ち、アルファタウリは高地メキシコシティGPで3番目の0.216秒落ちが目立ちます。
グループ分けしてもまだ見辛い、ですよね。ならばこれらチーム単位のプロットをやや力業ではありますが、平均化して「シーズン全体のトップタイムからの差」として予選一発の速さの差、序列を導き出しましょう。
〈予選最速タイムとの差の平均値〉
1 レッドブル・HRBPT 平均0.118秒
2 フェラーリ・F 平均0.335秒(+0.217秒)
3 メルセデス・M 平均0.522秒(+0.404秒)
4 マクラーレン・M 平均0.730秒(+0.612秒)
5 アストンマーティン・M 平均0.814秒(+0.696秒)
6 アルピーヌ・R 平均1.723秒(+1.605秒)
7 ウィリアムズ・M 平均1.821秒(+1.703秒)
8 ハース・F 平均1.921秒(+1.803秒)
9 アルファタウリ・HRBPT 平均2.076秒(+1.958秒)
10 アルファロメオ・F 平均2.260秒(+2.143秒)
グラフの序列は一昨年「2022年のコンストラクターズランキング順」に並べて視覚的な差をみます。また下段に速さ順に並べて記載したものはカッコ書きで「平均値トップチーム(つまりレッドブル)との差」を追記しています。
先程のGP別タイム差グラフで分けたグループそのままに二分しています。予選の速さ(トップとの差)だけに関していえば、2番チームはメルセデスでなくフェラーリです。一発の速さだけは健在でした。シーズン前半型のアストンマーティンVS後半型のマクラーレンによる4番チーム争いはマクラーレンが僅差で軍配。その次となるアルピーヌはアストンマーティンから遅れること0.9秒となっています。下位はそのアルピーヌを筆頭にウィリアムズ、ハース、アルファタウリ、アルファロメオと続く形となりました。
《ポールポジション回数》全22回
1 フェルスタッペン 13回(59.1%)
2 ルクレール 4回(18.2%)
3 ペレス 2回 (9.1%)
サインツ 2回 (9.1%)
5 ハミルトン 1回 (4.5%)
次はポールポジション回数とシーズン獲得率を多い順に並べています。
最多は3回チャンピオンを余裕で獲得したフェルスタッペンの13回で、シーズンの6割弱の獲得。2位はフェラーリのポール屋ルクレールの4回、以降ペレスとサインツが2回、メルセデスのハミルトンがハンガリーGPで獲得した1回という内訳。ハミルトンは1年半振りのポールとなり「優勝、ポールとも通算103回ずつ」から一つポールが抜け出したことになりました。
ドライバーは20人いるわけで、もう少しバラけてくれれば何よりですが、結果的にレッドブル、フェラーリ、メルセデスの3チーム5人の獲得に止まりました。
《平均順位》
シーズン通してみた予選順位平均値になります。今回もドライバー編、コンストラクター編とも、スポット参戦者のデータを含め、ペナルティによる降格前の予選順位をそのまま平均化して算出しています。
〈ドライバー〉
トップのフェルスタッペンから最下位サージェントまで綺麗な階段状に並びました。ポールポジション13回のフェルスタッペンは前半戦12戦で平均3.00番手、後半戦10戦も平均3.00番手となり、シーズン通しても平均3.00番手でした。この結果は前半戦第2戦サウジアラビアGPの15番手や第5戦マイアミGPの9番手や後半戦第15戦シンガポールGPの11番手、第18戦アメリカGPの6番手が響いています。とはいえ、マイアミとアメリカの決勝は優勝、サウジアラビアGPも2位で終えており、傷口のリカバーはしっかりできています。
で、その相方はというと、フェラーリ2人、メルセデス2人、アストンマーティンのアロンソにマクラーレンのノリスに前を譲った平均9.05番手にいます。上から数えて8番目となり、まあ何とか毎回Q3に出走できるかな、クラスです。以降マクラーレンの「新人」ピアストリが平均9.86番手の上から9番目。そして仲良しピンクのアルピーヌは僅差でガスリーの勝ち。Q3進出クラスはこのあたりまでといったところでしょうか。
以下はなかなかな接戦です。ハースの予選王子(おじさん)ヒュルケンベルグ、ウィリアムズの一人親方アルボン、いわば実家のチームといえるストロールちゃまの3人が平均12番手台。日本の機体を一人で背負うアルファタウリの角田は単独の13番手台にいます。デ・フリース代行の復活リカルド、元「一発の速さがウリ」のアルファロメオのボッタスあたりまでがQ2進出常連クラス。こちらも新人サージェントは親方との実力差をまざまざと見せつけられて、スポット参戦者3人にも置いてかれた形の最下位となりました。言い換えれば、引き続きドライブする今シーズン2024年はこれ以上落ちることは無いわけで、上がるのみ。この平均順位を上げていきたいですね!
〈コンストラクター〉
続いてコンストラクター(チーム)単位に均した平均順位です。アルファタウリについては4人体制でしたが、その4人の平均値を採用しています。
最速チームはチャンピオン争いには橋にも棒にもかからなかったフェラーリが「予選のチャンピオン」を獲得。理由はルクレール、サインツとも「可も無く不可も無い」フロントロウ、二列目、三列目あたりを堅実にキープできたことによります。真のチャンピオンのレッドブルはポールポジションたった1回に止まるメルセデスに肉薄されてしまっています。その理由は、、先程のドライバーズ編に書いた通りということで、、。まあ予選くらいはフェラーリに華を持たせてあげて下さい(笑)
中団のマクラーレンVSアストンマーティンは先程のタイム差の序列と同様にマクラーレンが辛勝。下位はヒュルケンベルグが引き上げたハースが7番目となる平均13.61番手。アルファタウリは角田の頑張りで8番目の平均14.63番手。ウィリアムズはアルボンの頑張りはありつつも、連帯責任で9番目。最下位チームは予選であまり存在感をみせられなかったアルファロメオの平均14.98番手となりました。順位的にはギリギリ15番手を割っても、ビリはビリです。
《ドライバー別グループ別予選順位変遷》
全戦の予選順位をグループ毎にプロットし、折れ線グラフとしました。前半戦、後半戦だけでも見辛いのに、22戦全戦を同じ大きさのグラフで示したら何のこっちゃよくわからなくなります。でもデータの証拠ですから、ひとまず掲示します(笑)
レッドブル、フェラーリ、メルセデスによる上位3チーム6人の予選順位グラフです。
先程までの平均順位算出の元データになります。ポールポジションはこのグループの5人から輩出されているため、各GPで必ずプロットがあります。ただ上位6人とはいえ、必ずしもその6人が縦に連なったGPは一つも無く、必ず中団ないし下位のグループのドライバーがここに割って入ってきます。水色の帯がQ1敗退、黄色の帯がQ2敗退のエリアを示しますが、誰とは言うまい紺色の破線がちょいちょい顔を出しています。
中団扱いの3チーム、マクラーレン、アルピーヌ、アストンマーティンの6人です。
先程の上位グループの6連を阻止していたのはこのグループの3人、緑の破線アロンソ、オレンジの実線ノリス、オレンジの破線ピアストリの3人の仕業。シーズン前半戦はアロンソならびにアルピーヌ勢が上位に割って入る好走をみせ、シーズン中盤からはマクラーレンが水を得た魚のように飛躍、ノリスのみならずピアストリまでフロントロウを経験しました。アルピーヌは非常に浮き沈みが激しく、上位と下位を行ったり来たりしていたのが印象的でした。先程の平均順位からみても、仲不仲の問題ではなく、マシンのポテンシャルからみても前半グループまでは距離があり、オコン、ガスリーともにやれるだけやって近しいような値に止まった感はあります。
下位は4チーム。アルファタウリは重ならずも4人体制でしたので総勢10人のグラフになります。
もう正直言ってごちゃごちゃしちゃっていて統計やバイオリズムも何もよくわかりませんが、上位進出で目立つところだけピックアップすると、このグループ最上位は雨の混乱も助けとなったカナダGPのヒュルケンベルグの2番手。
そりゃ3回チャンピオンもそんな顔になるわな(笑)
またそのチームメイトでチームの母国アメリカのマイアミGPでしてやったり4番手のマグヌッセン。こちらはちょっと意外なオランダGPで4番手獲得のアルボンに、ようやくメキシコシティで存在感を示したリカルドの4番手が挙げられます。このグループは4番手が頭打ちみたいな形になってしまっています。マシンのポテンシャルを考えると、赤い帯で示した領域であるQ3進出でなかなかの評価点と言っていいと思います。
3分割してもまだ見辛い。miyabikunもっと上手く端的に表現してちょう。わかりました、これらを前にも出したことのある「予選の各セッション進出数のグラフ」に変換しましょう!
〈予選のドライバー別セッション別進出数〉
順位の要素は無くなってしまいますが、これならば各ドライバー、そしてライバル達との対比も容易なはず(最初からこれだけ見せればいいんじゃないの?!)並びは上から先程の「予選平均順位」順に並べています。
残念ながら全レースでQ3に進出できた者はいません。フェルスタッペンもQ2落ちが2回あります。Q3進出最多はグラフ上段からフェルスタッペン、ルクレール、アロンソの 3人による20回。ポールポジションを4回獲得するルクレールはともかく、注目すべきはポールポジションこそないものの中団チームのアロンソも20回という点でしょうか。この方には最年長、高齢という言葉は似合わないし無意味な表現。チームメイトとの比較から考えても大健闘です。またQ1敗退が無かったのがフェルスタッペンとハミルトンの2人。ポールポジションや優勝からはだいぶ遠かったキングは例えダメ車でもスーパーチャンピオンの1人です。さすが。平均順位こそ僅差で負けて、ポールポジション獲得はなりませんでしたが、ピアストリはチャンピオンマシンに乗る方よりもQ3進出数は上回っています。
角田のチームメイト比較はなかなか難しいですが、平均順位ならびにQ3進出数をみても決して劣るものではないことが証明できています。ただ残念ながら当初のチームメイトは唯一Q3進出が無い結果となり、後任のリカルドや代走のローソンと比較すると、マシンのアップデートのタイミングの悪さはありつつも、あまりいいF1キャリアでは無い結果に終わってしまいました(できればアップデートによる成績向上を見てみたかったです)
《チーム内対決》
予選編最後はチームメイト対決です。全22戦のため、11勝11敗のイーブンもあり得ます。果たして速さで秀でたのは各チームどちらか?!
グラフの順番は上から「一昨年2022年のコンストラクターズランキング順」としていますが、トップとビリのチームが極端な結果となっています。ウィリアムズは22勝のアルボン、レッドブルは20勝2敗でフェルスタッペン、アストンマーティンは19勝3敗でアロンソがそれぞれ獲っています。いずれもなるほどなという結果に。逆に接戦だったのはメルセデスの11勝11敗。平均順位も接戦だったことを考えると、ラッセルは大健闘です。またある意味注目だったアルピーヌはガスリーに軍配は上がるものの、先程も書いたように平均順位との相対評価を考えれば肉薄しています。戦うべきはチームメイトに止まらず、頂点を目指してもらいたいものですが、オールフレンチ体制1年目としては、なかなかいい戦いだったと思います。
今更ながら昨年2023年のまとめを行っています。諸事情あり年内にこなすことはできませんでしたが、新シーズンが始まる前には各種まとめを終えたいです。以上、今回は2023年の予選編でした。次回はもっと重要な戦績である決勝編を行います。
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