今年は「初めましてサーキット」や「久々サーキット」が多い年ですね。ある事がきっかけでフッと湧いて出たGPに過ぎないかもしれませんが、不幸ばかりの年ではない、いつもと違った雰囲気を味わうのも悪くないじゃないですか。このサーキットでの復活開催を楽しみにしていた方も多いことと思います。飛んでイスタンブール!今回はこの企画で初のトルコ上陸となります。

今年は非開催に終わったアゼルバイジャンとこのトルコは度々「ヨーロッパなのかアジアなのか」という疑問にあたります。
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これはトルコ全体と周辺国が入るような縮尺で押さえた航空写真です。見辛いかもしれませんが自治体の境界は薄く白線で区切られています。東側にアゼルバイジャンが見えますね。アゼルバイジャンは隣接国であり、先日ソチで行われたロシアGPも黒海を挟んだ反対側のいわばご近所さん。トルコは東西に長い国であり、今回のトルコGPの舞台となるイスタンブールパークサーキットは黒海の南側で極めてヨーロッパ諸国に近い位置にあります。トルコが「ヨーロッパかアジアか」の答えは「全体の3%がヨーロッパに隣接し、他はアジアに接している」が答えです。どちらでもあるけど、強いて言えばアジア寄り、といった感じでしょうか。過去に7回行われたF1開催時期をみると、初回2005年から3回までは8月末、2008年以降の4回目からは5月中盤から6月初頭開催と「ヨーロッパラウンド」と呼ばれる期間からは若干外れています。何もヨーロッパかアジアか白黒付ける必要はないのですが、先日のロシアGPと共に今シーズンのカレンダーの中では「貴重なアジア圏開催」といえるのではないでしょうか。

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前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。東京駅をスタートしてイスタンブールパークに入るための最短はどのようなルートがあるのでしょうか。例の如くまずは「サーキットと周辺の空港の位置関係」を調べておきましょう。
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市域人口は東京よりも多い1,400万人を有し、世界でも10本の指に入る巨大都市イスタンブール(イスタンブル)は一般的な「地理の常識」に当てはまらない実に面白い街です。一般的には川や海峡を隔てると市や県(あるいは国)を区切るのがほとんどですが、この街は中央を南北に海峡が走っています。ここが先程の「ヨーロッパとアジアの境」となります。サーキットはイスタンブールの東側に位置します。そんなイスタンブール近郊には3つの空港があります。
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サーキットに最も近いイスタンブール東側にザビハ・ギョクチェン国際空港(SAW)、イスタンブールの市街地から最も近い位置にイスタンブール・アタテュルク空港(ISL)、黒海に近く市街地からは最も離れた位置にイスタンブール空港(IST)があります。
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赤のピンが立つサーキットに近めなザビハ空港を上空からみてみると、まあまあ敷地は大きく3,000m級の滑走路が2本あるものの、南側がモヤっと消えかけて見える部分はまだ建設中とのこと。残念ながら日本からの直行便はなく、こちらを使う場合はドイツのフランクフルトやフランスのシャルル・ド・ゴールといった他の国の空港を経由する必要があります。日本からアジアのトルコに行くっていうのに、より西側のドイツやフランスを経由するのも、ねぇ。こちらは一旦キープしておくとして、他の空港をあたることにしましょう。
2つ目のアタテュルク空港は2019年4月で旅客扱いを止め、今は貨物がメインのようです。残るイスタンブール空港はどうか?!
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先程のザビハ空港と同じ縮尺なのですが、敷地がとにかくデカい。横風対応は無さそうですが滑走路は南北方向に4本、そのうち2本が4,100mもあって大型旅客機が余裕で離着陸できそうですね。同縮尺でイスタンブールパークサーキットをみるとこんな感じになっちゃう。
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ちっちゃいイモムシみたいで可愛いくらい。サーキットも実際に行けばだいぶ広く感じるけど、比較しちゃうとやっぱり空港ってとてつもなくデカい施設なんだなということを改めて感じますね。これから横風対応の滑走路を建設予定らしく、この空港はまだまだ巨大化するようです。このクラスならば日本からの直行便があるはずなんだけど、、
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ありましたありました!毎日ではないけど、羽田から3日に1便、トルコ航空による直行便です。一度ヨーロッパを経由しないで済みますね。ここを目指しましょう!羽田を22:55分に発ち、イスタンブールに朝6:15分に到着する深夜便です。夜寝て朝着くみたいで便利そうですが、時間にすると13時間20分になります。半日のフライトはなかなか酷ですが、直行便だから文句は言えまい。

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東京駅〜鉄道〜東京国際空港(HND)
・京浜急行空港線使用:19.3km  28分  470円
・東京モノレール使用:17.1km  56分  660円
東京駅〜バス〜東京国際空港(HND)
・リムジンバス            :21.0km  45分  950円

東京国際空港(HND)〜イスタンブール空港(IST)
・ターキッシュエアラインズ:約9,000km 約13時間20分

イスタンブールから羽田の復路はこれより1時間早く着きます。なぜならうまいこと偏西風(ジェット気流)に乗れるから。F1もそうですが風の力、自然の力って本当にすごいですね。

あとは空港からサーキットまでの道のりになります。イスタンブールは地下鉄やトラム(路面電車)が縦横無尽に走る街。しかし開港が2018年と比較的新しい空港ということもあって、まだ鉄道が整備されていません。ったく、整備できてから開港すりゃいいのに(笑)さらには海峡を隔てたイスタンブールパークサーキット近郊にも鉄道が走っていないということで、今回も鉄道に頼ることができません。FullSizeRender
バスの場合、直通はさすがにないものの、3回ほど乗り継ぐことで何とか着きそうです。ただ距離にして約90kmを4時間もかかります。いくら大都市を横断するにしても、乗り継ぎは無視して速度換算すると、時速20km/hちょっとということはほぼ自転車並みか。。時間かかり過ぎだろ(笑)

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海峡を横断する際は全長1.5kmの吊り橋「7月15日殉教者の橋」を渡ります。綺麗だけど、日中はめっちゃ渋滞しそうですね。

イスタンブール空港(IST)〜イスタンブールパークサーキット
・バス        :約90km 約4時間10分

東京駅〜羽田空港〜イスタンブール空港〜サーキット
● 鉄道〜飛行機〜バス :約17時間30分
 (チェックインや乗り換え時間を除く)

アジアの東端から西端への移動も直行便を使ってもこれだけ時間がかかるんですね。F1が無くても一度は憧れるトルコ旅行。シルクロードを辿り、いつかの猿岩石のように徒歩で行こうとすると92日もかかる模様。これではレースウィークはおろか今年中に着きそうにありません(笑)