F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:シルバーストン

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決勝は晴れたものの、ユニオンジャックが大きくたなびく。シルバーストンあるあるの強風が決勝レースをお出迎え。

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スタートタイヤは14台が黄色いミディアムタイヤをチョイス。少数派として6番グリッドのラッセル、13番グリッドのオコン、そして後方のアルファタウリ2台がソフトタイヤをチョイスし、11番グリッドのヒュルケンベルグと予選はガソリン足りない問題で失格最後尾スタートとなったアルファロメオのボッタスが逆ストラテジーのハードタイヤスタートを選んでいます。

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イン側2番グリッドのノリスはやや外向きにマウントし、フェルスタッペンを捕まえる姿勢。
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あ!フェルスタッペンがホイールスピンして鈍った!いいぞ!フェルスタッペンの後ろにいたピアストリは思い切りイン側に振り、先輩ノリスに応戦しちゃう?!
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ターン1はノリスが奪う。行け!!
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ピアストリも負けじとフェルスタッペンに並びかける。マクラーレンは勢いあるなぁ。さすが若い2人。ちょっとビビったぞ。
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1周目終わりの順位変動はこうなりました。ソフトタイヤスタートのラッセルをはじめ、4台が皆順位を上げることに成功。なかでも後方の角田は-3の最大浮上で幸先いいスタートとなっています。

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ノリスよ、逃げろよー!母国GPでフェルスタッペンを従えるなんて、シーズン序盤のマクラーレンからは想像もできなかった光景。フェルスタッペンがDRSを得て再三攻め立てる。しかしそれも間も無く現実に引き戻されてしまいます。
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やられた。。4周の命だったか。。スタートの順位に戻る。
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マクラーレンの後ろではルクレールがソフト履きのラッセルに突かれています。
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フェルスタッペンに食らい付くマクラーレン2台に対し、ルクレールは完全に置いていかれて隊列のアタマをなしています。レース序盤ではありますが、この時点でレースペースがマクラーレンやメルセデスより劣っているのが明らかです。

ミディアムを履くルクレールはソフトを履くラッセルよりも先の19周目、逆にラッセルを追う立場のサインツはアンダーカットを見込んだか27周目にハードに履き替えて1回ストップを図ります。
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あとはいつラッセルのソフトがヘタってくるか。
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そのラッセルは52周レースの29周までソフトを引っ張り、下位から追い上げてきたペレスと同時にピットへ。ミディアムに履き替えてトラックに戻れば、
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ルクレールの後ろ、まだタイヤ交換を行っていないストロールを挟んでサインツの前と、ラッセルはルクレールをオーバーカットすることも、サインツにアンダーカットされることも無く。ただよくぞまあソフトタイヤをこんなに大事に引っ張ったことか。
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1スティントと同じ絵面。
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ただ長く引っ張っただけあって
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タイヤコンパウンドが有利に働く。ラッセルはようやくルクレールをさばき、暫定7位へ。

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残り20周にもなると、ソフトタイヤでの1回ピットを図るドライバーも出始めます。アルピーヌのガスリーとアストンマーティンのストロールは仲良く赤いタイヤでお揃。
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その周にハースのマシンから白煙が。またマグヌッセン?!今回は完全にイッてるじゃん。バーチャルセーフティカーからセーフティカーに切り替わり、ノンストップ組は儲けモン。
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トップのフェルスタッペンは残り周回数から考えて、当然ソフトタイヤ。いってらっしゃい!
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2位のノリスを待つピットクルーは白のハードタイヤで待機しています。
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ピアストリのピットインの後に3位に浮上したハミルトンもフェルスタッペンと同様のミディアムからソフトへ。
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ソフトタイヤに挟まれるハードタイヤのノリス。大丈夫か?!バーチャルセーフティカーならば再開までタイヤを温めることが出来たのに、即座にセーフティカーに切り替わって対応し切れなかったとか、タイヤのタレを懸念してショートスティントでも安全なハードタイヤを選んだなど、様々な意図や巡り合わせでこうならざるを得なかったのでしょうが、母国の偉大な先輩、シルバーストン大得意のハミルトンのハードプッシュを耐え抜くことができるのか?!
ちなみにソフトタイヤを引っ張って何とかルクレールをかわしたラッセルですが、知らぬ間にハミルトンが前になっています。仕方無いけど、ちょっと可哀想。

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さあハミルトンが来るぞ。ノリス、耐えろよ!
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ハミルトンの間にノリスを挟むフェルスタッペンは気持ちよく加速。ノリスの前がガラ空きになります。
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マズい、捕まる!ハミルトンがノリスに並ぶ。
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ノリス、耐える。
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ハミルトンは左から右からノリスにノーズを差し込みますが、ノリスは巧みにブロックを続けて、ハードタイヤを作り上げていく。残り12周この攻撃を受け続けると考えると、神経がヘロヘロになりそ。。ただノリスはいつかこの壁を超えないと、上のステージに立てません。ハミルトンに代わって「イギリス人ドライバーの顔」になるために。
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41周目にはいよいよDRSの作動許可が下り、ノリスへの試練は続きます。

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レース終盤、ソフトタイヤを履くペレスはハードタイヤの7位サインツを捉えるところまで浮上しています。
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レースペースがパッとしないハードタイヤと、予選がグズグズだったとはいえチャンピオンマシンのソフトタイヤ履きではどちらが強いか一目瞭然。
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ペレスが前に。さらに後方にはウィリアムズのアルボンが続く。
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アルボンもサインツをかわして、サインツは一気に9位に転落。
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それに止まらず、2回ピットを行ったチームメイトのルクレールに蹴り出されるような形で、昨年のイギリスGP優勝者の終盤は今年ギリギリ10位入賞が精一杯。

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《決勝結果》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 2 ノリス     (マクラーレン・M)
 3 ハミルトン   (メルセデス・M)

フェルスタッペンはスタートのモタつきを早い段階で取り返し、以降は全く危なげ無く6戦連続の勝利でシーズン8勝目。ノリスは何とかハードタイヤでハミルトンから逃げ切り、母国でシーズン最上位となる2位表彰台を獲得しました。角田はチームメイトのデ・フリースの一つ前となる16位完走で終えました。
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「この前はレース中チクるし、先輩敬え!ペチン」
「あイタタ!でも、何か嬉し」

《ファステストラップとそのタイミング》
 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)1分30秒275
 42周目/52周
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ノリス(マクラーレン・M)
《完走(扱い)台数と規定周回走破台数》
 完走台数:18台(17台フィニッシュ)
 規定周回:17台

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ノリス(マクラーレン・M)

理由は言うまでも無くなく、活躍は予選に始まり、決勝のスタートダッシュといい終盤のハードタイヤ逃げといい、ノリス、マジでノッています。正真正銘のドライバー・オブ・ザ・デイです。マクラーレンのマシンの完成度が高ければ、もっと上位入賞やポールポジション、優勝があっても全く不思議では無いドライバー。彼には常々いいマシンに巡り合ってもらい、早くフェルスタッペンとガチンコ勝負してもらいたいと切に思います。まだ年齢的に若いからいいものの、あまりモタモタしているとあんな先輩やそんな先輩みたいにもがき苦しんでしまいますから、マクラーレンさん、そっぽ向かれる前にいいマシン造ってあげて下さいね。
戦略は不発には終わってしまったものの、ソフトタイヤスタートで奮起した同郷ラッセルも頑張ったと思います。ラッセルって、先陣切ってチャレンジして真似されたり、いいところをライバルに奪われてしまったりと、案外惜しいことが多い様に感じます。予想だにしなかったセーフティカーでしれっとチームメイトに前を獲られてしまって、悔しかったことと思います。ノリスと同様に、将来のイギリス人F1ドライバーを背負って立てるよう、めげずにチャレンジし続けてほしいです。第3位は今回も堅くポイントゲットのアルボンヌです。

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 該当無し

レースペースがイマイチとか、トラックリミットをペナルティポイントに変換してからの横当たりとか、頑張ってるだろうけど与えられたパワーユニットが立て続けに死んじゃって流れを変えちゃうとかとか色々ありましたが、こちらは無しー。というかそんなことよりmiyabikun、順位予想も大概にしいやーということで。最近それが一番のワーストっす(笑)

《ドライバーズポイントランキング》
   1  → フェルスタッペン 255pts
   2  → ペレス      156pts(-99pts)
   3  → アロンソ     137pts(-19pts)
   4  → ハミルトン    121pts(-16pts)
   5  → サインツ       83pts(-38pts)

《コンストラクターズポイントランキング》
   1  → レッドブル     411pts
   2  → メルセデス     203pts(-208pts)
   3  → アストンマーティン 181pts  (-22pts)
   4  → フェラーリ     157pts  (-24pts)
   5   ↑  マクラーレン      59pts  (-98pts)

今回はノリス、ピアストリの大量得点により、マクラーレンが再びアルピーヌを上回ってランキング5位にカムバック。ただ4位につけるフェラーリとのポイント差は100ポイント近くとまだまだ離れています。レッドブルの400ポイントって、、いつかの時代の最終戦時点かのような数字だな。まだシーズン半分終わっていませーん。

《第10戦イギリスGPのポイント》
・フェルスタッペンはチーム全戦優勝一人で担う
・母国!行け!逃げろ!耐えろ!ノリス!
・ソフト引っ張るも不運で首が締まったラッセル
・予選も決勝もキーマンはマグヌッセンか

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優勝することが一番いい結果かもしれないけど、2位以下のバトルも充分楽しめます。いいことです。

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予選直前に行われたフリー走行では途中から雨が落ち、路面は濡れた状況のまま予選セッションが開始されました。

《Q1》
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ピットレーン出口にはインターミディエイトほか、赤のソフトタイヤもみられます。安全牌でタイムを残す方を選ぶか、一発速いラップを見込めるも、下手をするてスピンしてタイヤをダメにするリスクも。どちらを選ぶか。
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エンジンカバーにユニオンジャックを着飾る記念カラーで地元GPに臨むウィリアムズはひとまずインターミディエイトで待機。
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しかし突如タイヤを外し、ドライのソフトに切り替えか。この濡れ始めや乾き始めの路面はタイヤチョイスに悩みますね。
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イントロダクションでインターミディエイトを選んだのはフェラーリの2人、ハースの2人とアルボンの相方サージェントの5人。結局この面々も直ちにソフトタイヤに切り替えられています。選択ミスと気付けば、速やかに対応を。
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ライン上は教科書通り乾き始めています。地元大得意のハミルトンがアタック開始。
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しかしストウでテールスライドからグラベルに引き込まれる。タイヤ使いの上手いハミルトンでこの状況となると、まだドライは時期早々か。
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フェルスタッペンの1本目は1分32秒145でアロンソに次ぐ2番手。
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2本目は1分30秒719と少しずつながらドライのターゲットタイムに近付き、路面向上は明らか。
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フリー走行で好位置につけたアルボンは12番手をマークしますが、
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ストウでのトラックリミット違反によりタイム取り消し。前戦オーストリアGPに引き続いてこのワードはついて回りそう。
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トップタイムの相方は暫定14番手とくすぶっています。まだQ1は4分弱残っていますので、余談の許されない状況です。
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一見走っている画にも見えますが、トラック上で止まっています。マグヌッセンは突如パワーを失い、残り3分11秒で赤旗中断。
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ほら言わんこっちゃない。ペレスはラストアタックに備えて、クリーンにタイムアタックできるであろう先頭に待機し、一発安全圏を是が非でも狙う。
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ペレスは狙い通りトップタイムで安堵かと思いきや、下位のウィリアムズに0.5秒も上回られる。状況はヤバくないか?!
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アルファタウリの角田は暫定10番手。普段なら大丈夫と言いたいけど、まだアタック中の中団上位がちらほらいます。
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マグヌッセンと似たシチュエーションでパワーロスしたボッタスと共にQ1終了。ペレス、アルファタウリの2人、アルファロメオの周、パワーロスのマグヌッセンの5人が脱落。ちなみにボッタスもパワーロスながらQ1は突破しています。

《Q2》
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セッション開始前の出口はドライタイヤで揃っています。あとは急転に対して敏感に見守るだけ。
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マクラーレンといえばGoogle Chrome、マクラーレンといえばクロームメッキ、ということでこのイギリスGPはウィリアムズ同様に限定塗色を導入しています。もう少し広範囲に入れば目立つのだけど、他スポンサーとの兼ね合いかコスト問題か、想像していたより地味で少なめな印象を受けました。
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アロンソ、ルクレールが入れ替わりでトップに立ちますが、地元のノリスがここでも元気。地元であることに加え、先のアップデートがここでも効果的に出ているか。
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フェルスタッペンは僅差ながら暫定2番手。いいじゃないですか、そのままでいこう!
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アルボン、いいじゃないですか!Q2も突破しちゃおうね!
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サージェントも今回はいつもと違うぞ。アルボンと共にチームの地元でビリ脱出Q3進出といこう!
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ノリスも上位ならピアストリもいい。新人2人がQ2突破を目指して好走。
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Q2は予選王子ヒュルケンベルグをはじめ、アストンマーティンのストロール、アルピーヌのオコン、ウィリアムズのサージェントとアルファロメオのボッタスがノータイムノーパワーのアウトとなりました。Q3に2台とも歩を進めたのはマクラーレン、フェラーリ、メルセデスの3チームのみ。

《Q3》
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フェルスタッペンは1分27秒切りまであと少しのところで1本目を終えます。
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ルクレールはフェルスタッペンにわずか0.052秒差で2番手。
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ノリスの2本目は新品ソフトで1分26秒台に入れてトップへ。面白くなってまいりました!(笑)
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ピアストリは1分27秒台ながら先輩2人に追従して3番手。
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ぶぶーっ。やりおったな全く。。それも0.241秒も引き離すなんて、抜け目無い。。
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《予選結果》
P.P.フェルスタッペン(レッドブル・HRB)1分26秒720
 2.ノリス     (マクラーレン・M)1分26秒961
 3.ピアストリ   (マクラーレン・M)1分27秒092

いつもは年上お兄さんを挟んで並ぶトップ3の記念写真。今回は中央のフェルスタッペンが一番のお兄さんです。こんな組み合わせは今回が初なのではないでしょうか。フェルスタッペンよ、君もいよいよ中間世代のベテランだ、今後はこんなシーンがたくさん出てくるぞー!

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《先日の予選予想との答え合わせ》
ポールのフェルスタッペン、しか当たりませんでした。安全牌のみの正解で素直に喜んでいいのやら恥ずべきか、、。Q3でノリスが仮にポールを獲った場合は全敗だったと考えれば、フェルスタッペンに感謝すべきですね。
マクラーレンの出来が予想以上によかったこと、何だかんだでメルセデスは底力があるということ、ペレスはつくづく予選が苦手ということが敗因でした。あとアルファタウリのファンの方々、そして2人のドライバー、すみませんでした!(マグヌッセンのシャットダウンが無ければ、、ううっ)

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《Q3トップのフェルスタッペンと各チームの差》
 マクラーレン(ノリス)は0.241秒落ち
 フェラーリ(ルクレール)が0.416秒落ち

 メルセデス(ラッセル)が0.435秒落ち

 ウィリアムズ(アルボン)は0.810秒落ち

 アストンマーティン(アロンソ)は0.939秒落ち

 アルピーヌ(ガスリー)は0.969秒落ち

 ハース(ヒュルケンベルグ)が2.176秒落ち※
 アルファロメオ(ボッタス)が3.078秒落ち※
 レッドブル(ペレス)が3.248秒落ち※
 アルファタウリ(角田)は3.305秒落ち※
 ※はQ1,Q2最速タイムから算出


今回の予選は進行するにつれ路面が向上しているため、フェルスタッペンのトップタイムとQ1、Q2の各チームのトップタイム比較はナンセンス。素直にタイムを比較するとこんな結果となる程度でご覧下さい。

今回の2番チームはフェラーリでもメルセデスでもアストンマーティンでもなく、マクラーレンであることが驚きです。さらにはエースのノリスのみならず、新人ピアストリも非常に接近した位置となりました。前回オーストリアGPではノリス車のみ、今回からピアストリ車にも改良が施されたわけですが、マシンの総合力を問われるこのイギリスGPでこのような結果となったことは、雨上がりの複雑な環境下とはいえ、成功したと言えるのではないでしょうか。またマクラーレンと同じく地元かつメモリアルレースとなったウィリアムズもアルボン、サージェント共に好位置まで引き上げに成功しています。トップは明後日の方向に突き進んでしまっているものの、中団そして下位チームはシーズン中盤から後半にかけてシャッフルなあるのではないかという期待を感じました。

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ピアストリ(マクラーレン・M)

順位は先輩ノリスが上。でも待てよ、ピアストリって1年目、F1公式戦10戦目なんだよな。すごいじゃん、大健闘だよ!前戦オーストリアGPでノリスの頑張りはたくさん評価したので、今回はピアストリを選定しました。

今シーズンは3人の1年生がいるわけで、皆与えられた環境で出来る限りの頑張りを見せているため、単純な順位や獲得ポイントでの比較はマシンの出来栄えも含めて評価してあげないと不公平。ピアストリはその中で最も戦闘力の高いマシンとチームにいますから、3人で最も上位に居て当然であり、最低条件だと思います。にしても、ワークスチームのメルセデスを上回り、優秀なチームメイトと僅差のタイムに持っていけることは才能とセンスがあるといって間違い無いと思いました。もしマクラーレンがシーズン序盤から戦闘力が高ければ、マシンのアップデートがもう少し早ければ、タラレバは尽きませんが、存在感を存分に感じられた予選となりました。決勝は優勝経験のあるメンバーに囲まれたスタートとなりますが、まずは先輩の背中を確実に捉えて表彰台を目指してほしいです。
次点は先程チームメイトに譲る形となったノリス、そして月並みではありますが、Q3進出を果たしたウィリアムズのアルボン、そして最下位を実力で脱したサージェントもよかったと思います。

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 
 ペレス(レッドブル・HRB)

今回も選んでしまったぞペレス。悪気は無いしペレス自身、Q1突破に向けて可能な限り前向きで取り組む姿勢は感じられましたし、ラストアタックはチームの指示で先頭に並んでしまったこともある。ただ「赤旗再開後のトップ出走が悪い形で出てしまう」という巡り合わせにさいなまれてしまいました。
どうしても比較対象となる怪物級のチームメイト、また今回は予想以上に仕上げてきた中団や下位チームの面々も手強い。しかし「運が悪かった」という一言で片付かない面もあります。ペレスのすぐ後ろでアタックしたアルボンはペレスの0.5秒も速いタイムをマークしていますので、格上のペレスの求められるステージはさらに上であることは明らかです。要は予選が苦手でも決勝で取り返せればいい話ではあるものの、チャンピオンチームの立場、またチャンピオンを獲れる立場、チャンピオンと並んでバトルできる立場としては正直弱い。さすがに「チャンピオン連中同様に、ガメつくアタック前に際どい位置採りせい」とまでは言えませんが、ペレスは今よりももっともっとガメつくしたたかにいっていい気もします。シーズン序盤はこんな差には無かったはずなのに、急に低迷してしまい、ダメとか悪い以前に「心配」になります。今回の後方からの挽回はオーストリアと勝手が違うぞ。決勝は前向きに期待しています。
あとどこぞのチームが相変わらずピットで要らぬヒヤリハットやっていましたが、ああいうのもなかなか止められませんね。ドライバーは全く悪くない。100%チームのミス。

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《決勝の表彰台予想!》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・HRB)
 2 ノリス     (マクラーレン・M)
 3 ルクレール   (フェラーリ・F)

ピアストリの初表彰台は大変楽しみではありつつも、ココはF1の聖地イギリス。後ろから強者のお兄さん達がわんさか攻め立ててくるぞ、ということで可哀想ですが表彰台登壇は次の機会に。まずは上位で走ることの厳しさや難しさを身をもって知ってもらうとして、チームに大事に大事にされるルクレールを3位にあげてみました。フェラーリおよびマクラーレンのレースペースは見ものですね。これで上位フィニッシュが出来れば、シーズン中盤戦の中団上位は激化します。「2位以下のバトル」を楽しみましょう!(笑)

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この時期に入ると、今シーズンのマシンやドライバーの勢力図も大分明らかになってきたでしょうか。サマーブレイクまで残り3戦。ドライバーとしてもチームとしても母国とするところが多い、F1マシンがF1マシンらしく走るシルバーストンです。
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《イギリスGPの基本情報》
 シルバーストンサーキット
  全長           :5.891km×52周=計306.332km
  開催回数 :58回目(一昨年の二開催を含む)
  コーナー数:18箇所
  高低差       :11.3m
  DRS区間数:2箇所
  母国レース :ハミルトン、ラッセル、ノリス
        マクラーレン、ウィリアムズ、
        アストンマーティン

《サーキットの個人的印象》
 ・歴史は古いがコロコロ変わるレイアウト
 ・速度高めで風もありなかなかなテクニカル
 ・過去にタイヤに悩まされたレースもちらほら
 ・「マシンの総合力が問われる、、」第二弾

ストレートあり、高速コーナー、複合コーナー、中低速コーナーあり、さらには平坦な土地ながら風の影響ありと、マシンのあらゆる性能や特性を試されるGPの一つです。トップは有無を言わさずあのチームの彼であることは揺るがなさそうですが、 2番手以下は激化、明らかになることでしょう。引き続きマシンに改良を施すチームもありますので、前半戦を気持ちよく過ごすためにもいい結果となれば何よりですね。
スプリントの無いレースウィークは肩の荷が軽いワ(笑)

《過去5年のポールポジション》
 2022年 サインツ    (フェラーリ)
    1分40秒983
 2021年 ハミルトン   (メルセデス)
    1分26秒134 ※
 2020-2 ボッタス    (メルセデス)
    1分25秒154
 2020-1 ハミルトン   (メルセデス)
    1分24秒303
 2019年 ボッタス    (メルセデス)
    1分25秒093
 2018年 ハミルトン   (メルセデス)
    1分25秒892
 ※2021年は金曜予選タイム。記録上のポール
  ポジションはフェルスタッペン(レッドブル)

《ポールポジションレコードタイム》
 2020-1 ハミルトン   (メルセデス)
    1分24秒303

《現役ポールポジション獲得者と回数》
 ★はその年のチャンピオン
 7回 ハミルトン

  (2007,13,15★,16,17★,18★,20-1★)
 3回 アロンソ    (2005★,06★,12)
 2回 ボッタス    (2019,20-2)
 1回 フェルスタッペン(2021★)
   サインツ    (2022)

近年のポールシッターは現役のチャンピオン経験者3人と「チャンピオンを獲れるチームにいた」1人、そしてフェラーリのルクレール、ではなくサインツが獲得しています。
今シーズンでポールポジションを獲得できているのは2チームのみ。フェラーリが1回(第4戦アゼルバイジャンGP)、他は全てレッドブルから輩出しています。フェラーリと肩を並べているメルセデスやアストンマーティンからは未だに無し。ポールポジションならワンチャンスフェラーリもあるのかもしれませんが、獲れても決勝レースはあんな感じになっちゃうし、そうでなくてもポールポジションは難しいのかな。誰のせいというわけではないけど、この状況は深刻です。

《過去5年の優勝者》
 2022年 サインツ    (フェラーリ)
 2021年 ハミルトン   
(メルセデス)
 2020-2 フェルスタッペン(レッドブル)
 2020-1 ハミルトン   (メルセデス)
 2019年 
ハミルトン   (メルセデス)
 2018年 
ベッテル    (フェラーリ)

《現役歴代優勝者と回数》

 8回 ハミルトン
  (2008★,14★,15★,16,17★,19★,20-1★,21)
 2回 アロンソ    (2006★,11)
 1回 フェルスタッペン(2020-2)
   サインツ    (2022)

前回2022年の優勝もフェラーリのサインツでしたね。珍しくルクレールではないのがミソ。昨年と順番は前後しているものの、このイギリスGPが最後でフェラーリは優勝から遠退いてしまいました。1年振りの優勝見たいですね。仮に今シーズン最初で最後でもいいから、見たいですね。とにかくレッドブルの全勝優勝という偉大な記録だけは止めてもらえないか(レッドブルファンの方、ごめんなさい)
フェルスタッペンについてイギリスは1勝に止まっています。もしレッドブルが勝つとしても、ペレスならいいかな(笑)今のペレスではフェルスタッペン食いは無理かな。それをやり切らないと優勝は無いという面倒さ。

《過去5年のファステストラップ獲得者》
 2022年 ハミルトン   (メルセデス)
 2021年 ペレス     (レッドブル)
 2020-2 ハミルトン   (メルセデス)
 2020-1 フェルスタッペン(レッドブル)
 2019年 ハミルトン   (メルセデス)
 2018年 ベッテル    (フェラーリ)

《現役ファステストラップ獲得者と回数》

 6回 ハミルトン

  (2014★,15★,17★,19★,20-2★,22)

 3回 アロンソ    (2006★,10,11)
 2回 フェルスタッペン(2020-1)
   ペレス     (2021)


 《ファステストラップレコードタイム》
 2020-1 フェルスタッペン(レッドブル)
    1分27秒097(一周5.891km)

ファステストラップ獲得者には現役チャンピオン経験者以外で唯一ペレスが紛れています。レッドブルのマシンがファステストラップ獲得に一番近い位置にいることは間違いないものの、レース終盤などにペレスがフリーストップを得るほどのギャップが築けるかといえば、ちょっと考え難い。予選で確実にポールか2番手を獲得して、スタートとともにガンガン引き離せないと難しいですね。予選でシクっては無理。こりゃまた面倒さ(笑)

《使用されるタイヤコンパウンド》
 赤:ソフト  (C3)
 黄:ミディアム(C2)
 白:ハード  (C1)新設

様々な要素が備わって獲得できるイギリスGPのポールポジションと優勝。2023年は残り半年を切りましたが、2023シーズンは9戦を終えたとはいえ、まだ折り返しにも達していません。ここらで一発、流れを断ち切る、流れを変える結果に繋がることを祈りつつ。。


《イギリスGPの個人的予選予想》
 〜Q1〜
   20.デ・フリース  (アルファタウリ)
   19.角田裕毅    (アルファタウリ)
   18.ボッタス    (アルファロメオ)
   17.周冠宇     (アルファロメオ)
   16.マグヌッセン  (ハース)
 〜Q2〜
   15.サージェント  (ウィリアムズ)
   14.オコン     (アルピーヌ)
   13.ガスリー    (アルピーヌ)
   12.ハミルトン   (メルセデス)
   11.ピアストリ   (マクラーレン)
 〜Q3〜
   10.ヒュルケンベルグ(ハース)
  9.アルボン    (ウィリアムズ)
  8.ラッセル    (メルセデス)
  7.ストロール   (アストンマーティン)
  6.アロンソ    (アストンマーティン)
  5.ノリス     (マクラーレン)
  4.ペレス     (レッドブル)
  3.ルクレール   (フェラーリ)
  2.サインツ    (フェラーリ)
 P.P.フェルスタッペン(レッドブル)

何だかんだでポール予想はフェルスタッペンか、、ははーん、miyabikunコンサバティブにいったな?!イヒヒ(笑)理想はフェラーリ、ペレスで間違いありませんが、理想と現実は往々にして異なるものです、はい。
ただし最近はやや速さを取り戻しつつあるフェラーリ、それもルクレールでなくサインツを前にしています。予選屋ルクレールとて、フリー走行で感触を充分に得られていない点は不安材料。また上位ではハミルトンを下げて最近の活躍著しいヒュルケンベルグ、アルボンをコンビでQ3進出としました。特にウィリアムズは記念GPでやたらと気合が入っています。これを契機としてサージェントと共に確実に最下位チームから脱出を図りたいところ。
最下位が変わるということは、新たな最下位が生まれるということにもなります。最近劣勢なのは「アルファ」という2チーム4人。ややタウリさんの方が不安要素募るということでごめんなさい、最後列10列目とさせていただきました。最近仕事やプライベートでも神奈川の相模原や東京の町田に行く機会は減りましたが、もし街でmiyabikunを見かけても凸らないで下さいね(笑)

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今回の「過去のレース」は前回よりも少し時代を近付けて、1991年の第8戦にシルバーストンで行われたイギリスGPになります。あーそれ知ってる!という方も多いはず。色んなシーンが色んな意味で有名です。
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このシーズンは4人のイギリス人ドライバーが参戦していますが、中でも最も人気を集めたのはやはりマンセルです。まだチャンピオン獲得には至っていませんが、直近4戦で3回の表彰台登壇と上り調子で地元入りしています。

現在イギリスGPが行われるシルバーストンと同じシルバーストンではありますが、例の如くレイアウトとコントロールラインの位置も現在と異なります。
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現在は図の⑥のレイアウトで行われていますが、当時は③で行われていたものから、ちょうどこの91年を前に大改修を施し、④のレイアウトに変更された初年になります。③ではまだ高速の色が強い直線的なレイアウトもマゴッツ、べケッツ、チャペルをS字状にし、ストウとクラブの間にベールを設けて低速化を図り、さらには終盤にはグルリと回り込むルフィールドを設置するなどテクニカル要素が加わっています。コントロールラインは現在ターン8のウッドコートとターン9にあたるコプスの間にありました。

91年はいわゆる「四天王」と呼ばれたピケ、マンセル、プロスト、セナが揃う最終年となります。ピケがこのシーズン限りで引退、翌92年にはマンセル、93年でプロスト、そして94年はセナと立て続けにレジェンド級ドライバーがF1をあとにしました。一方で将来が期待される新人として、開幕戦からフィンランド出身のハッキネンが、このイギリスGPの3戦後に行われたベルギーGPからドイツ出身のM・シューマッハが参戦を始めるなど、世代交代も刻一刻と迫るシーズンです。
ここまでの7戦は前年90年チャンピオンのマクラーレン・ホンダのセナが開幕から4連勝と2つの3位を獲得したほか、第5戦カナダGPはベネトンのピケ、第6戦メキシコGPはウィリアムズのパトレーゼ、ヨーロッパラウンド初戦の第7戦フランスGPは同じくウィリアムズのマンセルが1勝ずつと、セナが頭一つ抜け出た状態で進んでいます。また日本人ドライバーはティレルから中嶋悟、ラルースから鈴木亜久里の2人がエントリーしています。

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予選はフリー走行からトップを獲得する地元のマンセルが2番手セナに0.679秒、3番手で同じマシンに乗るパトレーゼに1.170秒も引き離す大差のポールポジションを獲得。
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観客も大喜び!
4番手はマクラーレンのベルガーとなったことで、マクラーレンとウィリアムズが上位を奪い合う形となりました。5番手はフェラーリのアレジ、6番手は相方アレジ。
マクラーレンほか日本系はティレル・ホンダのモデナが10番手、中嶋が15番手。ブラバム・ヤマハのブランデルが12番手、ブランドルが14番手。ラルースの鈴木は26台中22番手となっています。

《予選結果》
P.P. N・マンセル
 (ウィリアムズ・ルノー グッドイヤー)
 2 A・セナ
 (マクラーレン・ホンダ グッドイヤー)
 3 R・パトレーゼ
 (ウィリアムズ・ルノー グッドイヤー)

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決勝のスタートの様子。現在でいう右ターン8であるウッドコートにグリッドがかかっているため、隊列が右に曲がっているのが特徴的。
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ポールのマンセルのリヤタイヤから白煙が見えます。痛恨のホイールスピン!
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当然その隙をセナは見過ごすこと無く、トップで右ターン1のコプスに向かう。マンセルは期待高まる地元で思い切り赤っ恥。
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しかし戦闘力あるウィリアムズFW14であれば、マクラーレンを簡単に捕らえられる。チャペルの先にあるハンガーストレートでピタリとセナの背後につけると
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内側から並んでいく。
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ココ、有名ですね。よく見る画。
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マンセルは半周足らずのストウ手前で前に。振り出しに戻します。

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オープニングラップでパトレーゼと接触し、リタイヤに追い込みつつも3位をキープしていたベルガーは22周目にアレジ、プロストのフェラーリ勢に一気にかわされ5位に転落。
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3位4位に浮上したフェラーリは若手のアレジが前。すぐ後ろのプロストの向きが不可解にも見えますが、、
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あらら、スピン!そういうことね。
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プロストもこんなミスするのね。85,86,89の3回チャンピオンは未勝利が続きます。

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一方アレジはというと、鈴木を周回遅れにしようとしています。見辛い画像ですが、奥の深紅がアレジのフェラーリです。
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あら、フロントウィング右側が無い!接触!
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向かい合っちゃってまあ気まずい。。アレジは31周目、鈴木は29周目に共にリタイヤ。こりゃ日本人の綺麗どころでも紹介して謝罪せにゃ(笑)

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41周目にジョーダンのデ・チェザリスが単独でウォールにクラッシュ。
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勢い止まらず再びトラック上に戻ってきてしまいます。本線には後続の姿がチラリと見えるけど、、
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危ない!フルブレーキング!
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間一髪でかわし、クラッシュを免れました。もう1人の日本人ドライバー、中嶋でした。その後無事に8位完走(当時の入賞は6位まで)を果たしています。

トップ争いが無いため、大分放置してしまっていますが、2位セナはタイヤ温存で少しずつながらギャップを縮めつつも、最終周に悲劇が襲います。
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何とガス欠。。チェッカーフラッグに辿り着くことが出来ませんでした。のちにコンピューターのエラーだったことが明らかになりましたが、理由はともあれ4位扱いで表彰台からは陥落してしまいました。
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やーい、ざまあみろー!ユニオンジャックが大きく舞う。マンセルが勝てれば満足。
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大きな声援を受けながらチェッカーフラッグを目指すマンセル。
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マンセルは初の母国GPをフリー走行、予選、決勝を全てトップで完全試合を成し遂げました。
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《決勝結果》
 1 N・マンセル
 (ウィリアムズ・ルノー グッドイヤー)
 2 G・ベルガー
 (マクラーレン・ホンダ グッドイヤー)
 3 A・プロスト
 (フェラーリ グッドイヤー)

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ウィニングランで立ち往生しているセナを途中で拾う。
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「おめでとう!パルクフェルメまでよろしく頼む」
マンセルの頭を撫でています。
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「君、君!マシンの箱乗りはイカンよ!!」
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「うるせぇ!あっち行け!」「ぬわぁ」
蹴りと突きで静止を振り切るセナ。このシーンもとても有名で、後世でも似たシーンがありましたが、これはダメな行為。禁じられています。
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イギリス人がイギリスのチームでイギリスGPを制する。この上無き幸せ。
2023シーズンも3人のイギリス人ドライバーが参戦していますが、未だ勝ち星が無く進行しています。まあ1人は腐るほど勝ってきたのでどうでもいいけど、残る若い2人、どちらかでも優勝してくれないかしら。。

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前回は息抜き回としてめちゃ古の過去のレースを振り返りました。今回は再び2022年の「冬休みの宿題」に戻す予定でしたが、思いの外頭より手を使う必要があって準備に時間がかかりそうなので、またまた過去のレースを投入して場繋ぎを行います。困った時の「過去のレース」素材や振り返るべきレースは山ほどあるというわけで。ただ時代もドライバーもマシンも前回や今日とは全く違うものになりますので、許してちょう(笑)
昨シーズンはサインツ、ラッセルという2人の初優勝ドライバーを誕生させました。ドライバーの皆が憧れるF1、それも新たな優勝者の仲間入りを果たす話題はファンとしても嬉しいですよね。このレースも世代交代を迎えたばかりの中、熾烈なバトルと番狂わせの末、意外なドライバーが台頭をみせたレースの一つに数えられます。昨シーズンのレースウィークは忙しくて取り扱えなかったイギリスGP、その埋め合わせとして1995年第8戦に行われたレースを振り返ります。95年のレース振り返りは全17戦中8戦目、イギリスGPは長い歴史の割には案外少ない6戦目となります。

前年の94年にセナが事故死したことにより、長らくF1で四天王に君臨したドライバーが全員消え、新時代F1は若きM・シューマッハが先頭に立つ時代を迎えました。久々にチャンピオンチームから陥落したウィリアムズはイギリス人ドライバーのD・ヒルをエース、若手のクルサードによる継続布陣の「オールイギリス」体制でチャンピオン返り咲きを狙っています。ここまでの7戦の優勝者は早くも4勝を挙げるベネトンのシューマッハを筆頭に、ヒルが2勝、そして以前に振り返ったアレジがフェラーリを駆り、第6戦カナダGPで初優勝を挙げた1勝となっています。

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セナ亡き今、チームの期待を一手に背負うヒルはいつでもピリピリしています。最速マシンのはずがどうしてもシューマッハに勝てない。この時代は毎戦ピリつくヒルにいつでもドヤ顔のシューマッハという相対する表情が印象的でしたね。

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予選1回目はドライで行われ、シューマッハがまず1分28秒397で暫定トップに立ち、次はヒルのタイムアタック。
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途中の時点でシューマッハに対して-0.254秒削ってくる。シューマッハはじっとヒルの走りに注目。
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最後のセクターでもさらにタイムを削り、1分28秒124と大きくシューマッハを引き離しています。
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いつも険しい表情のフランク・ウィリアムズも白い歯を見せてほころぶ。ウィリアムズはポールポジションのヒルに加え、クルサードがシューマッハを挟んだ3番手となりました。

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《予選結果》
P.P. D・ヒル    (ウィリアムズ・ルノー)
 2 M・シューマッハ(ベネトン・ルノー)
 3 D・クルサード (ウィリアムズ・ルノー)
 ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

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(スタート位置は現在と異なり、ウッドコートとコプス間にありました)
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出足好調のヒルのほか、4番スタートのアレジが素晴らしいダッシュを決め、トラック内側からシューマッハとクルサードを捕らえて2番手に急浮上、シューマッハは3位に後退しています。
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シューマッハにとっては宿敵ヒルとの間にアレジと乗っけからだいぶ厄介な展開になってしまいました。

シューマッハは17周かけてようやくアレジをさばき、 2位に復帰すると、ヒルは22周目に1回目のピットに向かいます。
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ココはイギリス、母国。シューマッハだけには負けられない。給油とタイヤ交換を11.0秒で終える。
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予選とスタートダッシュで遅れたシューマッハ陣営の採った策は「ワンストップ」絶対的なペースでウィリアムズに分があるならば、ピット回数を減らしてペースを維持して前に出る。
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焦らなくてもいい。ヒルにはあと一回ピットが控えているわけですから。シューマッハは61周レースの折り返し、31周目にピットへ。
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一方で暫定的にトップに復帰するヒルはいずれもう一度ピットに入る必要があるため、ここからのラップが正念場。
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シューマッハの1回目から10周後の41周目にヒルが2回目を終えます。今回は静止時間11.5秒。トラックインした時点でシューマッハとイコールコンディションとなるため、1回ピットが正か2回ピットが正かが明らかになります。
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本線を走るシューマッハが前。シューマッハの1回ピット戦略成功!IMG_7538
しかし今回のヒルはいつものヒルとは一味違う。今までのように易々とやられるわけにはいかない。
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何せココは自身の母国であり、チームの母国でもある。前年94年の雪辱を晴らしたい。
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ヒルはフレッシュタイヤの利を活かして食らいつく。しかし起きてはならない出来事が起こるべくして起きてしまいます。

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インを軽く空けるシューマッハ、そのインを強引にさすヒル
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ヒルは左フロントタイヤからスモークを上げて
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シューマッハと接触
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両者マシンを傷めてリタイヤ。
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「おい、何やってくれてんだよ。まったく!」
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(ちーん、、)
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マシンを強制的にリタイヤへ追い込まれたシューマッハは怒り心頭。
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ヒルはコメント遠慮とマイクを遮る。
あまり思い出したくないという方も多くいると思いますが、同じイギリス、頂上対決での接触といえば、、、一昨年のハミルトンとフェルスタッペンの件が蘇ります。今回のこの接触は様々な見方ができます。現代の考え方をするならば、車体はシューマッハが明らかに前であり、後方のヒルは進入速度と進入角に無理があります。しかしシューマッハのライン採りも結構際どく、ヒルの走行ラインを早めに閉めるのではなく、あたかも引き込んでいる(待ち伏せ)ように見えなくもない。この件について当時のスチュワードはヒルとシューマッハ両者に責任があると結論付けています。余談ですが、シューマッハって、捨て身というかこういうちょっとグレーな走りも上手い(上手く盛り込む)ドライバーでもありましたね。憎たらしい(笑)

優勝候補、トップチームのエース対決が後味悪く終われば、次なる主役が生まれます。
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シューマッハの相方で5番スタートだったハーバートと
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ヒルの相方クルサードです。どちらもいわゆる「セカンド、、」ってやつ。ただセカンドとはいえトップチーム、どちらもイギリスが母国であり、どちらもF1初優勝がかかっています。これは千載一遇のチャンス!
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先程両エースが倒れたコーナーでまたしても似た構図に。おいおい、今回は気を付けておくれよ。ハーバートはしっかりアウト側をキープしています。付かず離れずの攻防戦が続くものの、勝負は呆気ない形で幕切れとなります。
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クルサードが2回目のピットの際に、電気系のトラブルもあってピットレーンの速度超過をしておりペナルティが下ってしまいました。

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今日のベネトンのチームクルーが待っているのはいつものシューマッハではありません。
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ハーバートです。参戦74戦目となかなかの遅咲き苦労人は敵陣の母国、自身の母国で初優勝を遂げました。

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《決勝結果》
 1 J・ハーバート(ベネトン・ルノー)
 2 J・アレジ  (フェラーリ)
 3 D・クルサード(ウィリアムズ・ルノー)

表彰台の面々がなかなかの渋めですね。知名度も人気も実力も抜群の3人は結果的に「チャンピオン」には恵まれませんでした。
昨シーズンのイギリスGPはサインツが初優勝を遂げました(この流れでその話題されたら、サインツも、、)今シーズンも是非、初優勝者の生まれるGPがあるといいですね。最有力候補はやはり待たれるイギリス人のノリスかな?!いや案外別のドライバーだったりして。

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