F1界によくあるタラレバ話「昔の名車(ドライバー)が今あったらどうなる?」当然答えが出るはずもなく、想像の領域を越えることはありません。そんな想像の助けになる面白いサイトを先日見つけました。既にご存知の方も多いかもしれませんが「過去の名車を今のレギュレーションに充てたらどう見えるのか」を絵に描いているデザイナーがいます。ショーン・ブルという方によるコンピューターグラフィックを用いた作品です。自身のセンスや環境ではやりたくても決して真似できないそれらの絵をお借りしてご紹介します。
種車が何なのかは分かりません(メルセデスW08?!)が、シャークフィンに後退型リヤウィングと2017年モデルに準拠しているようです。またタイヤは現在のピレリP ZEROを履かせたものやその当時使用していたメーカーだったりホイールのインチなどにしているようで、なかなか凝ってます。

◯はシングル、◎はダブルチャンピオンマシン
★は当ブログでクローズアップしたマシン

《フェラーリ》
フェラーリ312T(1975年)◎★
フェラーリ126C2(1982年)
フェラーリ641/2(1990年)
フェラーリF2002(2002年)◎★
フェラーリ248F1(2006年)
フェラーリF2007(2007年)◎★
フェラーリF2008(2008年)◯
フェラーリF10(2010年)
フェラーリF14T(2014年)
一貫して光沢や陰影も表現されており、どれもカッコよく仕上がっていますよね!
さすがF1界の雄、フェラーリの作品は多くあります。勝たなくても名車、勝てなくてもファンは世界的に多いでしょう。フェラーリの再建に一躍買い、昨シーズンのSF16-Hにオマージュ?されたラウダの名機312Tをはじめ、歴代フェラーリ最強のF2002もあります。最近のマシンではF2008によるマッサがチャンピオンまであと一歩、アロンソによるF10でも惜敗しています。振り返るとF2007とライコネンのダブルチャンピオンがフェラーリの最終チャンピオンであり、今年で10年もの歳月が経過しています。果たして今シーズンの復活や如何に?!

《ロータス、セナ、マクラーレン系》
ロータス72(1970年)
トールマンTG184(1984年)
ロータス98T(1986年)
ロータス99T(1987年)★
マクラーレンMP4/4(1988年)◎★
マクラーレンMP4-13(1998年)◎★
ここではロータスとマクラーレンというライバルチーム同士を「セナ」というキーワードでグルーピングしてみました。勝率歴代最高のMP4/4がマールボロカラーを提げて現代に登場するとこんな見栄えになるんですね。カッコいいけど、低く角ばった猫背の種車と比較すると丸みとシャークフィンのせいで特徴も台無しになってしまいます。またナローサイズ初年のパワーマシンMP4-13は特徴である大型三角形のディフレクターは小さくなるも、全体的に筋骨隆々と巨大化してさらにパワフルに変身です。このマシンだったらハッキネンは8勝どころか12勝くらいしたりして。

《ウィリアムズ、ルノー系》
ヘスケス308B(1975年)
ウィリアムズFW08B(頓挫)◯★
ウィリアムズFW14(1991年)
ウィリアムズFW16(1994年)
ベネトンB195(1995年)◎
ルノーR26(2006年)◎★
パパベルグのチャンピオンマシンは幻のFW08Bで再現されています。こうなると短小な最小勝率チャンピオンマシンもさまになりますが、後輪四輪F1は見慣れないせいか10tトラックみたい(笑)
セナが最後に選んだFW16もこう安全対策していたら、最悪な結末は招かなかったかもしれません。ただし、チャンピオンになれたかと考えるとナーバスなドライバビリティの不安もあって何とも言えません。
11年も前になるアロンソの「今のところの」最終チャンピオンマシンは、シャークフィンもしっくりきて思いの外違和感がない。このマシンは当時から比較的丸みを帯びてましたよね。

《ジョーダングランプリ》
ジョーダン191(1991年)★
ジョーダン199(1999年)★
ジョーダンの芸術的人気車191はよりスタイリッシュに!7upからスポンサー料もUPしてもらえそうな気がします。このマシンならM・シューマッハはたった1戦とは言わずシーズン終了まではドライブしてくれたかな?!

《古き良き異端車、アイデア車系》
リジェJS5(1976年)
ティレルP34(1976年)
ブラバムBT46B(1978年)
ブラバムBT52B(1983年)◯★
元祖六輪車のティレルP34も現代風に変身しました。こうしてみるとフロントタイヤちっちゃいですね。今のピットストップだったら何秒でタイヤ交換を終えるのでしょう。
そしてキワモノのBT46Bはシャークフィン無しで長ーく伸ばされています。このストロークがあればファンだなんて小さいこと言わずジェットエンジンを積めそうですよ、マーレーさん(笑)
真横からでは分からないピケの「矢印マシン」BT52Bは真上から見たらどうなっているのでしょうか。他のマシン達と同じ仕様なら矢印でなさそうに見えます。

《その他の近代マシン》
アロウズA21(2000年)
ミナルディM02(2000年)
ジャガーR5(2004年)
ザウバーC24(2005年)
BMWザウバーF1.08(2008年)★
トヨタTF108(2008年)
トロ・ロッソSTR3(2008年)★
ブラウンBGP001(2009年)◎★
マノーMRT06(頓挫)
ジャガーの緑は個人的に好きでした。最近は緑のマシンが無くなってしまいましたね。今こんな感じで出てきたらすごく目立つと思います。このグループは近年だけあって違和感はあまり感じません。トヨタもトロ・ロッソもシャークフィン経験車ですもんね!
マノー。今シーズンいたらこんな感じ。ウェーレインはもしかしたらこちらに乗り続けていたら、もう少し成績が良いカモ?!


描写の仕方にもよりますが、どれも近代的にカッコよくは変貌を遂げてると思います。中には現代のマシンレギュレーションに則さないアイデアや機構のものも多く、カッコよくはなったとはいえ、当時の憧れや輝きとは少し違ったものにも見えてきます。あと一つ、これらは全てサイドビューを2017年のマシンレギュレーションに倣って描かれていますので、今問題のノーズコーンはああなっていることも忘れてはなりません。マールボロもキャメルもJPSも先っちょはあんな感じですので悪しからずです。
今回ご紹介した以外にもマシンや昨シーズンまでのデザインに充てがったものや、逆に近代のマシンが過去のレギュレーション下に置かれた場合など、多くみることができますので、興味のある方はショーン・ブルの作品を探してみてください。

画像ペタペタ、コメント少なめのズルい回でしたー。