今週末GP開催が予定されていた第6戦エミリア・ロマーニャGPですが、既に報道のあった通り、ロマーニャ地方の洪水により急遽開催中止が決定しました。うーん、残念。。ただこればかりは仕方がない事。以前ドタキャンされたオーストラリアGP中止に比べれば、早い判断だったのではないかなと思います。さて週末はどうしよう。。被害に遭われた方々へのお見舞い申し上げるとともに、レースがある体で準備していた「仮想エミリア・ロマーニャGP開催」といきましょうか。今回振り返るのは2001年第4戦に行われたサンマリノGPです。
今から22年前にあたる2001年は現在も絶賛活躍中のアロンソのデビューイヤーにあたります。したがって、このレースを生で知るドライバーはアロンソただ一人というわけです。あっという間の22年と言うべきか、未だにしぶとく頑張るアロンソ様のすごさと言うべきか。前年2000年に久々のチャンピオンを獲得したフェラーリのM・シューマッハをはじめ、三連覇を阻止されたマクラーレンのハッキネンや好成績を重ねつつもなかなかエースの存在に埋もれがちなバリチェロとクルサードといったベテラン勢。一方でそのベテラン勢に食ってかかる若手のバトンやモントーヤ、ライコネン、アロンソらが続くという、いわば「世代交代」のタイミングが徐々に予感される時代に入っていきます。
ここまでの3戦の戦績は2年連続4回目のチャンピオン獲得を目指すM・シューマッハが開幕戦、第2戦を制してランキングトップの26ポイント。2位は前戦第3戦ブラジルGPで優勝したマクラーレンのクルサードが20ポイントとなっています。以下、3位がフェラーリのバリチェロ、4位はザウバーのハイドフェルドが続いており、チャンピオンから陥落したハッキネンは同郷の新人ライコネンと同率の6位1回の1ポイントしか稼げていません。まだシーズン序盤とはいえ、当時の入賞は6位まで、優勝はたったの10ポイントしか付与されませんので、宿敵M・シューマッハの背中は早くも遠退いてしまっています。
予選はクルサードが絶好調!ハッキネンの暫定トップタイムを0.327秒上回ってトップへ。
方やM・シューマッハはハッキネンを上回ることができず3番手。前年2000年第14戦イタリアGPから続いた連続ポールポジションは7戦でストップ。最終的にウィリアムズのR・シューマッハにも先行を許し4番手で予選を終えます。
イモラサーキットの正式名称は「エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ」です。GPはサンマリノでもモンツァよりこちらがお膝元。この後反省会か。。
何じゃこのサングラス。ポールポジションはサングラスのお陰だって?!
ハッキネン引いとるやないか。クルサードもそろそろハッキネンに勝ちたいよね。2番手やるためにF1に乗っているわけじゃない。負けん気は重要!それにしても、クルサードはいつにも増して四角いなぁ。
ほか日本勢はジョーダン・ホンダのトゥルーリが5番手、フレンツェンが9番手。BAR・ホンダのパニスがフレンツェンの前となる8番手、貴重なチャンピオン経験者ヴィルヌーブが新人ライコネンの一つ後ろ11番手となっています。また、ミナルディからデビューとなった新人アロンソはアロウズのフェルスタッペンの後ろ18番手。フェルスタッペンといっても、マックスではありませんよ、パパのヨスの方ね。
《予選結果》
P.P. D・クルサード
(マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
2 M・ハッキネン
(マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
3 R・シューマッハ
(ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
決勝のスタートではイキり立つクルサードが痛恨のホイールスピン。
そして2番手ハッキネンのスタートよりも奇数側3番手のR・シューマッハの方がいい。
タンブレロ進入前にR・シューマッハが一気にトップに躍り出る。R・シューマッハと同様に奇数列5番スタートのトゥルーリも好スタートを決め、ハッキネンの前に立っています。
予選に続いて、決勝でもM・シューマッハの様子がどうもおかしい。ストレートで易々とウィリアムズのモントーヤにかわされてしまっています。
ここはチームのホームGPであり、戦闘力の無いエースに付き合う必要は無い。エースに代わってバリチェロが前方のライバルの討伐に向かいます。
スタートで2台にやられて4位を走るハッキネンもトゥルーリ相手に苦戦中。トゥルーリにとってはここが自身のホームGP。地元のファンの期待にも応えたい。
下位ではあるマシンがシケインの縁石をカット。
コントロールを失い、そのままタイヤバリヤにぐしゃり。参戦4戦目、ミナルディのアロンソは5周でリタイヤ。この右、左と振るヴァリアンテ・アルタは過去にも多くのリタイヤを呼んだなかなか難しいシケインです。昨年2022年のルクレールもやらかしましたよね。侮るなかれ。
同じく参戦4戦目で正式なスーパーライセンスの発給が許されたザウバーのライコネンも、17周目にステアリングの不調からコンクリートウォールにノーズを潰す形でリタイヤ。頑張れ、両新人!腐らず続けていれば、将来きっといいことあるから。
バリチェロに前を譲り、マイペースでレースを続けるM・シューマッハですが、左フロントタイヤのスローパンクに見舞われています。
23周目にピットに呼び込まれ、ひとまず戦列復帰を果たすものの
やっぱりダメ。終始運に見放されたティフォシ期待の星は25周を待たずマシンを降りる。
上位グループ1回目のピットインが始まります。3位を走るトゥルーリは24周目、
暫定4位浮上のモントーヤは27周目にトゥルーリに対するカバーに入ります。
見かけ上はモントーヤが前でも、本線を走るトゥルーリの方が速度が高いため、実質的にトゥルーリが前か。
ただしモントーヤは諦めない。タイヤを履き替えたばかりなのにも関わらず、タンブレロをアウターレーンから攻めて、トゥルーリを討伐。
モントーヤは年齢的に少し上にはなりますが、アロンソやライコネンと同期のF1参戦4戦目。さすがアメリカを制してきた猛者です。
29周目に暫定3位のハッキネンがピットへ。M・シューマッハが落としたレースでポイントを積み重ねておきたいところ。
続いて32周目に今日はチームやティフォシの注目を一手に預かるバリチェロがピットイン。目下のライバルはハッキネン。
ハッキネンの前で復帰してオーバーカット成立で表彰台登壇を死守。
先程はトゥルーリとのバトルをみせてくれたモントーヤのマシンも不調をきたしています。
残念ながら1年生モントーヤも戦線離脱。まあモントーヤの場合は1年生というよりかは「F1編入生」の方が正しいか。いずれにしても戦闘力の高い若手である証明はできています。
チームメイトのリタイヤに落ち込んでいる暇はありません。今日のレースの主役はシューマッハはシューマッハでも弟の方、ラルフです。スタートダッシュから注目されることも無く危なげない逃げ切り。
F1参戦5年目、70戦目での初優勝。
《決勝結果》
1 R・シューマッハ
(ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
2 D・クルサード
(マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
3 R・バリチェロ
(フェラーリ ブリヂストン)
これはR・シューマッハの単なる初優勝だけではなく、低迷続くウィリアムズにとって1997年第15戦ルクセンブルクGPのヴィルヌーブ以来3年半振りの優勝。前年2000年からウィリアムズにエンジンを供給したBMWは1985年第7戦フランスGPでブラバムをドライブしたピケ以来16年振りの優勝。さらにこのシーズンから復帰したミシュランにとっても久々の優勝と、多方からメモリアルなものとなりました。
RS「兄ちゃん、やったよ!やったっんだってば!」
MS「おめでとう。ただ、勝ち方としては実に地味だ」
兄が優秀過ぎて、インパクトが強過ぎて、F1に昇格した1997年は「所詮はシューマッハの弟」やら「シート獲得は兄貴のコネ」だの色々言われたことでしょう。ここにきてようやく結果を残し、立派なF1ウィナーの仲間入りを果たしました。
珍しく堅い表情が緩むフランク。ルノーを失い、戦闘力を失ったウィリアムズはBMWのエンジンを得て、再び戦闘力をみせつつあります。マクラーレンが勢力を弱めつつある中、フェラーリを打破できる最有力の存在になるかもしれません。
初優勝を悪く言う者は居ません。完敗だっだと、ロン・デニスの表情も穏やか。
RS「とうとうやったよ、兄ちゃん」
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今から22年前にあたる2001年は現在も絶賛活躍中のアロンソのデビューイヤーにあたります。したがって、このレースを生で知るドライバーはアロンソただ一人というわけです。あっという間の22年と言うべきか、未だにしぶとく頑張るアロンソ様のすごさと言うべきか。前年2000年に久々のチャンピオンを獲得したフェラーリのM・シューマッハをはじめ、三連覇を阻止されたマクラーレンのハッキネンや好成績を重ねつつもなかなかエースの存在に埋もれがちなバリチェロとクルサードといったベテラン勢。一方でそのベテラン勢に食ってかかる若手のバトンやモントーヤ、ライコネン、アロンソらが続くという、いわば「世代交代」のタイミングが徐々に予感される時代に入っていきます。
ここまでの3戦の戦績は2年連続4回目のチャンピオン獲得を目指すM・シューマッハが開幕戦、第2戦を制してランキングトップの26ポイント。2位は前戦第3戦ブラジルGPで優勝したマクラーレンのクルサードが20ポイントとなっています。以下、3位がフェラーリのバリチェロ、4位はザウバーのハイドフェルドが続いており、チャンピオンから陥落したハッキネンは同郷の新人ライコネンと同率の6位1回の1ポイントしか稼げていません。まだシーズン序盤とはいえ、当時の入賞は6位まで、優勝はたったの10ポイントしか付与されませんので、宿敵M・シューマッハの背中は早くも遠退いてしまっています。
予選はクルサードが絶好調!ハッキネンの暫定トップタイムを0.327秒上回ってトップへ。
方やM・シューマッハはハッキネンを上回ることができず3番手。前年2000年第14戦イタリアGPから続いた連続ポールポジションは7戦でストップ。最終的にウィリアムズのR・シューマッハにも先行を許し4番手で予選を終えます。
イモラサーキットの正式名称は「エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ」です。GPはサンマリノでもモンツァよりこちらがお膝元。この後反省会か。。
何じゃこのサングラス。ポールポジションはサングラスのお陰だって?!
ハッキネン引いとるやないか。クルサードもそろそろハッキネンに勝ちたいよね。2番手やるためにF1に乗っているわけじゃない。負けん気は重要!それにしても、クルサードはいつにも増して四角いなぁ。
ほか日本勢はジョーダン・ホンダのトゥルーリが5番手、フレンツェンが9番手。BAR・ホンダのパニスがフレンツェンの前となる8番手、貴重なチャンピオン経験者ヴィルヌーブが新人ライコネンの一つ後ろ11番手となっています。また、ミナルディからデビューとなった新人アロンソはアロウズのフェルスタッペンの後ろ18番手。フェルスタッペンといっても、マックスではありませんよ、パパのヨスの方ね。
《予選結果》
P.P. D・クルサード
(マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
2 M・ハッキネン
(マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
3 R・シューマッハ
(ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
決勝のスタートではイキり立つクルサードが痛恨のホイールスピン。
そして2番手ハッキネンのスタートよりも奇数側3番手のR・シューマッハの方がいい。
タンブレロ進入前にR・シューマッハが一気にトップに躍り出る。R・シューマッハと同様に奇数列5番スタートのトゥルーリも好スタートを決め、ハッキネンの前に立っています。
予選に続いて、決勝でもM・シューマッハの様子がどうもおかしい。ストレートで易々とウィリアムズのモントーヤにかわされてしまっています。
ここはチームのホームGPであり、戦闘力の無いエースに付き合う必要は無い。エースに代わってバリチェロが前方のライバルの討伐に向かいます。
スタートで2台にやられて4位を走るハッキネンもトゥルーリ相手に苦戦中。トゥルーリにとってはここが自身のホームGP。地元のファンの期待にも応えたい。
下位ではあるマシンがシケインの縁石をカット。
コントロールを失い、そのままタイヤバリヤにぐしゃり。参戦4戦目、ミナルディのアロンソは5周でリタイヤ。この右、左と振るヴァリアンテ・アルタは過去にも多くのリタイヤを呼んだなかなか難しいシケインです。昨年2022年のルクレールもやらかしましたよね。侮るなかれ。
同じく参戦4戦目で正式なスーパーライセンスの発給が許されたザウバーのライコネンも、17周目にステアリングの不調からコンクリートウォールにノーズを潰す形でリタイヤ。頑張れ、両新人!腐らず続けていれば、将来きっといいことあるから。
バリチェロに前を譲り、マイペースでレースを続けるM・シューマッハですが、左フロントタイヤのスローパンクに見舞われています。
23周目にピットに呼び込まれ、ひとまず戦列復帰を果たすものの
やっぱりダメ。終始運に見放されたティフォシ期待の星は25周を待たずマシンを降りる。
上位グループ1回目のピットインが始まります。3位を走るトゥルーリは24周目、
暫定4位浮上のモントーヤは27周目にトゥルーリに対するカバーに入ります。
見かけ上はモントーヤが前でも、本線を走るトゥルーリの方が速度が高いため、実質的にトゥルーリが前か。
ただしモントーヤは諦めない。タイヤを履き替えたばかりなのにも関わらず、タンブレロをアウターレーンから攻めて、トゥルーリを討伐。
モントーヤは年齢的に少し上にはなりますが、アロンソやライコネンと同期のF1参戦4戦目。さすがアメリカを制してきた猛者です。
29周目に暫定3位のハッキネンがピットへ。M・シューマッハが落としたレースでポイントを積み重ねておきたいところ。
続いて32周目に今日はチームやティフォシの注目を一手に預かるバリチェロがピットイン。目下のライバルはハッキネン。
ハッキネンの前で復帰してオーバーカット成立で表彰台登壇を死守。
先程はトゥルーリとのバトルをみせてくれたモントーヤのマシンも不調をきたしています。
残念ながら1年生モントーヤも戦線離脱。まあモントーヤの場合は1年生というよりかは「F1編入生」の方が正しいか。いずれにしても戦闘力の高い若手である証明はできています。
チームメイトのリタイヤに落ち込んでいる暇はありません。今日のレースの主役はシューマッハはシューマッハでも弟の方、ラルフです。スタートダッシュから注目されることも無く危なげない逃げ切り。
F1参戦5年目、70戦目での初優勝。
《決勝結果》
1 R・シューマッハ
(ウィリアムズ・BMW ミシュラン)
2 D・クルサード
(マクラーレン・メルセデス ブリヂストン)
3 R・バリチェロ
(フェラーリ ブリヂストン)
これはR・シューマッハの単なる初優勝だけではなく、低迷続くウィリアムズにとって1997年第15戦ルクセンブルクGPのヴィルヌーブ以来3年半振りの優勝。前年2000年からウィリアムズにエンジンを供給したBMWは1985年第7戦フランスGPでブラバムをドライブしたピケ以来16年振りの優勝。さらにこのシーズンから復帰したミシュランにとっても久々の優勝と、多方からメモリアルなものとなりました。
RS「兄ちゃん、やったよ!やったっんだってば!」
MS「おめでとう。ただ、勝ち方としては実に地味だ」
兄が優秀過ぎて、インパクトが強過ぎて、F1に昇格した1997年は「所詮はシューマッハの弟」やら「シート獲得は兄貴のコネ」だの色々言われたことでしょう。ここにきてようやく結果を残し、立派なF1ウィナーの仲間入りを果たしました。
珍しく堅い表情が緩むフランク。ルノーを失い、戦闘力を失ったウィリアムズはBMWのエンジンを得て、再び戦闘力をみせつつあります。マクラーレンが勢力を弱めつつある中、フェラーリを打破できる最有力の存在になるかもしれません。
初優勝を悪く言う者は居ません。完敗だっだと、ロン・デニスの表情も穏やか。
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