F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:クルサード

ロシアGPも無事に終わり、毎年恒例の日本GP強化週間に入ります。日本で「日本GP」以外の日本開催といえば、以前一度振り返ったこともあるパシフィックGPですね。たった2回の開催のうちの2回目、1995年の第15戦に行われたパシフィックGPを振り返ります。
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このGPは結果的に第16戦の日本GPの直前にあたる10/22に行われて「2戦連続の日本開催」という夢のようなシチュエーションでした。ただこれは意図してこうなったのではなく、実は前年1994年と同様に春開催の4/16が決勝となる第3戦に設定されていました。しかしこの年は1/17に阪神・淡路大震災が発生、お隣神戸を中心とした関西地区に甚大な被害が及んだため、急遽移動してこのような連戦が生まれています。F1の夏はヨーロッパのものだし、僻地の日本で行うなら春か秋。お楽しみが2度ある方がよかったのか、2戦連続が移動距離も少なくてよかったのか、考え方は様々ですね。

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このパシフィックGPから新入りがF1デビューを果たしました。赤いレーシングスーツにメルセデスのロゴ、この可愛らしいドライバーは誰だ?!
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これは24年後の同じ人。何だか人相は変わってしまいましたが、面影がありますよね。ヤン・マグヌッセンです。ハースの「危険人物」ことケビンの父親。マクラーレンの若きエースであるハッキネンの病欠により、代理出走となりました。そういえばケビンもデビューはサードドライバーを経たマクラーレンからでしたし、年齢も父親と同じ22歳で同じような系譜を辿っています。ちなみにこの時既にケビンは3歳、さすがにパパのF1デビューは覚えていないかな。
ニュルブルクリンクでの第14戦ヨーロッパGPまでにベネトンのM・シューマッハが7勝の82ポイントで首位を突き進み、2位ウィリアムズのD・ヒルが3勝の55ポイントで迎えています。ヒルとしては自力チャンピオンの可能性は既に絶たれ、パシフィックGPを含めたシーズンの残り3戦でヒルが全勝の30ポイントを獲得して、シューマッハが2ポイント獲得に止まる場合にのみ初チャンピオンが成立するという、まさに「首の皮一枚」の状態で岡山入りしました。2位では追いつきません。

抜き辛い低速レイアウトのTIサーキット英田において、予選は肝心のヒルではなく2年目のチームメイトであるD・クルサードがポールポジションを獲り、2番手ヒルを挟んだ3番手にシューマッハという構図となりました。クルサードがヒルにトップを譲る方策はあっても、シューマッハが3位の4ポイント獲得されてはダメ。
日本人ドライバー最上位はリジェ・無限ホンダからアルバイト出走する鈴木亜久里で12番手。第13戦ポルトガルGPでクラッシュを喫し、1戦のお休み明けとなったティレル・ヤマハの片山右京が17番手。さらに「色んな意味」でフットワークが軽いフットワーク・ハートの井上隆智穂が20番手となり、何とこのレースに3人エントリーしています。本当はさらに2人、フォルティ・フォードから野田英樹、パシフィック・フォードから山本勝巳が参戦を目論みますが、スーパーライセンスが発給されなかったため断念しています。上手くいけば5人参戦とは、さすが「日本の」GPですね。

《予選結果》
   1 D・クルサード (ウィリアムズ・R)
   2 D・ヒル       (ウィリアムズ・R)
   3 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

英田の決勝は1周が短いため83周で争われます。スタートで失敗してしまうようなことがあれば、低速で狭く抜き辛いという地獄のようなレース内容となりますので、スタートが肝心です。
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スタートは失敗できない、スタートでやられるわけにはいかない、ヤツにずっとテールを見せつけていくんだ。ヒルはシューマッハを頑なに牽制して、行く手を塞いでいきます。
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気迫負けかシューマッハをアウトにはらませ、5位まで落とすことに成功したヒルでしたが、イン側がガラ空きとなり、4番手スタートのアレジに2位のボーナスを与えてしまいました。ヒルはシューマッハのことしか見えていない。他にも前を伺うライバルがいるわけで、ヒルのシューマッハ撃破は「優勝すること」が条件なはずです。

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ヒルのブロックにより5位まで落とされたシューマッハは5周目にベルガーをパスして3位を走るヒルを猛然と追いかける。フェラーリをいとも簡単に攻略したシューマッハに対して、ヒルはもう一人のフェラーリを抜きあぐんでいます。英田は抜けないのです。
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さっきはよくもしてくれたな。ヘヤピンをアウトから仕掛ける。ヒルもここまでか?!
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耐え抜く。抜かれ辛い英田で自身はチームメイトのいるトップのいる位置まで到達しないと成立しません。

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アレジ、ヒル、シューマッハのラインナップで動きが起きないまま、序盤20周目に1回目のピットインに入ります。3ピットストップで三者合わせる形に。
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シューマッハは6.3秒で完了、アレジも完了して順調にトラックインする中で、ヒルだけはなかなかその集団に混ざりません。ヒルは2ピットストップ戦略並みの停止時間12.2秒もかかって、結局シューマッハ、アレジ、ヒルの順に入れ替わります。シューマッハはいい空間にマシンを差し込めましたが、ヒルは中団の遅いマシンの後ろに。
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ウィリアムズはチーム側の不手際が大きく足かせになりました。これではトップどころかシューマッハにもどんどん差を広げられてしまいます。早く抜いて追いつかねば!

アレジは24周目にジョーダンのアーバインをパス。ヒルも続きたい。
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接触。左フロントウィングにダメージと低速テクニカルの英田で致命傷と負ってしまいました。
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こうなったらトップをひた走るクルサードに託すしか術はありません。クルサードは2ピットストップ戦略の1回目を終えて、2位のシューマッハまでは7秒のギャップ。その後シューマッハの2回目、クルサードの2回目を終えて順位が入れ替わり、シューマッハは15秒の先行ギャップで3回目を行わなければなりません。ピットストップによるロスは24秒と計算されていたため、無難にいけばクルサードに分があります。
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しかしこの年の26歳のシューマッハはイケイケ。チャンピオンを獲るならトップで獲りたいという勢いがあります。59周目の3回目ピットを終えて戻れば
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クルサードの前、トップに。ベネトン陣営やったあ!
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ウィリアムズは2年連続でベネトン&シューマッハにやられた。。
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《決勝結果》
   1 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   2 D・クルサード (ウィリアムズ・R)
   3 D・ヒル       (ウィリアムズ・R)

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第16戦の日本GP、最終戦オーストラリアGPを残し勝ってチャンピオンを獲得したシューマッハ。1年目の94年はグレーに近いチャンピオン獲得となりましたが、この年は完膚なきまでの走りをもって、レース参戦の歴史も長くないベネトンを最強チームにのし上げました。やっぱり「自らが勝ってチャンピオン」というのが清々しいですね。

なお、パシフィックGPは翌1996年も第2戦あたりに組み込まれる打診をされましたが、開催時期が近く、集客面においても日本GPと相殺による減収の懸念もあり、この年を最後に行われなくなりました。

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真っ赤に染まるモンツァのスタンドの声援に応えるベルガー。それには深い意味がありました。ベルガーはこのシーズンをもってフェラーリから二度目の離脱を発表しており、この年が最後のフェラーリドライブになるからです。翌年からは水色ベネトンへ移籍します。
フェラーリ最後のモンツァはベルガーだけではありません。プロストの跡を継ぎ、若くしてフェラーリのエースを仰せつかったアレジもフェラーリを去ります。
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不満タラタラ。伸び盛りの若き才能の障害となった名門は、チーム再建に出て日の浅いドイツの怪物を選択しています。この時期になると来期のシートで騒つき始める1995年の第12戦イタリアGPです。

その怒りや不満を走りにぶつけてもらいたいところですが、残念ながらフェラーリの予選はベルガー3番手、アレジ5番手とイマイチ奮いませんでした。ポールポジションは第2戦アルゼンチンGPで初ポールを獲得したばかりのウィリアムズのクルサードが2回目。2番手は渦中のM・シューマッハと世代交代の気配は否めません。
日本人ドライバーは2人出走し、ティレルの片山右京が17番手、フットワークの井上隆智穂は20番手でした。

《予選結果》
   1 D・クルサード     (ウィリアムズ・R)
   2 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   3 G・ベルガー        (フェラーリ・F)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

フォーメーションラップを行う各車。
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これは第1シケインの空撮です。今とはレイアウトが違うでしょう。さあさあ皆さん、タイヤを温めてレースに備えて下さい。とココで2番手シューマッハのオンボードカメラで珍しい光景を捉えています。砂煙が上がる。前を走っているのって
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そう、クルサード。アスカリシケインでコースオフしています。前座レースのオイルに足を取られたとのこと。あーあ。
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クルサードは自力で隊列に戻りますが、ポールポジションスタートの権利はありません。先頭がガラ空きって、何だか締まりませんね。
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スタート!シューマッハが余裕で加速をしていくと、両側から赤のフェラーリに挟まれていく。ベルガーもアレジも完璧なダッシュを決めてきました。
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さっきのアスカリシケイン出口もクルサードがまき散らかした「余韻」を感じつつ、ベルガーがピッタリとシューマッハから離れません。トップがパラボリカに滑り込む頃、アスカリシケインが騒がしい。ワイドに色々散らばっている?!
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ほら!やっぱり。
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リジェのパニスとフットワークのパピス(名前が似ている)がクルサードの引っかかったオイルトラップ、いやクルサードのばら撒いたサンドトラップに引っかかったか、スピンを喫し、トラックを横切れば、あとはぐちゃぐちゃです。
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そんな暴動もつゆ知らずのベルガーは無心にシューマッハを攻め続け、第1シケインで前に出る。ティフォシの前だと、力がメラメラ湧いてくるものなんでしょうか。
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しかし気持ちよくトップでグランデを通過すると、ロッジアで赤い旗を持ったマーシャルに止められる。赤旗再スタートです。理由はこの先のアスカリがぐちゃぐちゃだから。

再スタートということは、今のは無かったことにしてもう一度スタート位置に就くということ。予定した位置、ポールポジションは?!
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「そう、僕なのでーす!」
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「あはは、でかしたぞデビッド!」
四角いクルサードが丸く収まりました。でかしたのは土曜日であって、むしろさっきはしくじった側なのですが、これでフランクの開いた口が塞がります(笑)
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またグリッドが2つ歯抜けだけど、改めてスタート。
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またまた3番手ベルガーの蹴り出しがよく、シューマッハをかわし、トップのクルサードについていきます。

12周目のロッジア入口
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クルサードがまた単独スピンを喫してグラベルに飲まれています。マシンの挙動がおかしい。
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また口が開き出す。ピットに戻ると、右フロントのホイールベアリング不調で走行不能と判断されて、今度はリタイヤ。レース中に故障したのか、はたまたフォーメーションラップのコースアウトで傷めたのか、お騒がせクルサードはここまで。

トップは余裕のベルガー、少しギャップをおいてシューマッハ、ヒル、アレジと続きます。
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23周目に周回遅れの対応もあってシューマッハとヒルが近付きます。モンツァはスリップストリームを使ってパッシングするのが王道です。シューマッハがグランデ出口で井上をかわして、次はヒルの番。
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今日何回もお目見えしているメルセデスの看板が見えてきました。ロッジアですね。ヒルはイン側から井上をかわすラインを採りました。
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するとブレーキングを開始したシューマッハのリヤが急接近してきます。
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押し出して、2台は反時計回りに仲良く同調したままスピン、グラベルへ。
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ヒルはシューマッハと井上の背後にいましたから空気も薄く、またロッジアのブレーキングも控えていたためリスキーでした。パッシングの判断と動作開始が遅かったように思えます。砂煙の立ち上る中、シューマッハは足早にヒルに駆け寄り文句を言いにいく。
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こういう接触は近年も度々見られますね。この件はヒルに非があります。殴り合いにならなくてよかった。

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トップのベルガーがピットを終えて本線復帰すると、暫定で先頭アレジ、2位ベルガーが続いていく(アレジのリヤウィング右側の黒いカメラに注目しておいてください)
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モンツァでティフォシはこれを待っていた!ボルテージが上がります。
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しかし32周目のまたまたロッジア進入でベルガーが突如タイヤスモークを上げて、左フロントタイヤを変な方向に曲げています。実は前を走るチームメイトのアレジのリヤウィングに搭載されたカメラがグランデで脱落、直後のベルガーの左フロントサスペンションに衝突してしまうというあわや大事故になりかねないものでした。

ベルガー申し訳ない!アクシデントとはいえ、ちょっと心配なアレジ(さっきまであったリヤウィングのカメラがなくなっています)そんなアレジも他人事ではなかった。
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右リヤのホイール内から火が出ています。ブレーキング時にブレーキディスクが赤く焼けて光ることがありますが、これはそれと違う。
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「アレジだけでもどうにかなりませんかねぇ」
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どうにもなりませんでした。アレジはリヤのホイールベアリング不調。一瞬ワンツーを予感させた地元の名門は一瞬で姿を消して店じまい。
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「ジャン同士、あっちで慰労会やろう、なっ!」

荒れに荒れたモンツァは出走24台中完走10台。53周を走り切ったのはわずか4台。優勝はふて腐れるこの方。
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第8戦イギリスGPに続く2勝目。日本人はトップドライバー2人もろともあしらった井上が8位完走、片山は10位完走となっています。

《決勝結果》
   1 J・ハーバート           (ベネトン・R)
   2 M・ハッキネン         (マクラーレン・M)
   3 H・H・フレンツェン(ザウバー・Fo)
   ※Foはフォードエンジン

ハーバートってぱっと見がシューマッハに似ているんですよね。どの辺がって、あの辺やこの辺がです(笑)あんなヤツと一緒にするなって、ハーバートに怒られちゃう?!
メルセデスエンジンを得て伸び盛りのハッキネンは当時最上段となる2位表彰台、フレンツェンはこれが初表彰台でした。

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地元で残念な結果に終わったフェラーリ。期待通りにいかないのは近年も変わらずですね。今シーズンは先日のベルギーGPでようやく優勝を挙げて、このイタリアGPも優勝が可能なマシンを持ち合わせています。今のフェラーリの問題はマシンやドライバーというより、脆弱で優柔不断な戦略面カナ。

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フェラーリ移籍4年目。ウィリアムズ・ルノーのタッグが解消されて失った戦闘力の隙をつけると思ったら、次は昔世話になったメルセデスを敵とし悔しい思いをしました。決して得意な部類ではないけど、宿敵マクラーレンの母国で鼻を明かしてチャンピオン返り咲きに目を光らせる1999年イギリスGPです。最近はこのあたりの時代ばかりに偏ってしまっていますね。
イギリスGPまでの7戦の内訳はチャンピオンのハッキネンが3勝5表彰台、M・シューマッハが2勝4表彰台と遅れをとっています。まだ巻き返せるチャンスは残されていますが、ハッキネンは開幕戦から5連続ポールを獲得する速さをみせており、M・シューマッハにとって厄介なのはハッキネンに「ポールから逃げ切られてしまう」こと。
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予選のM・シューマッハはフロントロウこそ獲得するも、ポールのハッキネンに0.4秒離されてしまいました。スタートで前に出ないと、またウマくない状況に持ち込まれそうだ。アロウズにチームを移し、日本人「虎軍奮闘」の高木虎之介はチームメイトのデ・ラ・ロサの一つ前となる19番手を獲得しています。

《予選結果》
   1 M・ハッキネン    (マクラーレン・M)
   2 M・シューマッハ(フェラーリ・F)
   3 D・クルサード    (マクラーレン・M)
   ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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必ず前を押さえる、その熱い想いが空回りしたか、M・シューマッハはスタートで大失敗!3番手クルサード、4番手アーバインにまでに先行されて、4位まで陥落する。
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と同時に、9番手スタートのB・A・Rのヴィルヌーブ、13番手スタートのウィリアムズのザナルディの「CART覇者」コンビがスタートで微動だにせず、赤旗中断が告げられます。
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そんなこともお構い無しのM・シューマッハはハンガーストレートでスピードに乗り、ストウのインからアーバインをさす
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と思いきや、ターンインもせずグラベルへ一直線!画像からも見て取れる完全なタイヤロックをし、右フロントタイヤがステアリングと連動していません。
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ど真っ直ぐ。これ怖い!
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ズドーンとタイヤバリヤに107km/hで突き刺さる。
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RS「大丈夫かなぁ、兄ちゃん。。」
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シューマッハは即座に病院へ搬送され、右足2箇所の骨折と診断されました。フェラーリからの発表ではフロントブレーキではなく、リヤブレーキのトラブルとのこと。M・シューマッハは治療のため以降6戦分を棒に振り、復活は第15戦マレーシアGPまで待つことになりました。

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EI「ミハエルには悪いが、いよいよオレ様の時代」
4番手アーバインの前が開け、仕切り直しです。
(スタート位置は現在と異なります)
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「シューマッハの権利」を得て気合いが入るアーバインはセミフロントロウから上手くクルサードを攻略して2位を奪っていきます。
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アーバインが地元ならクルサードにとってもマクラーレンにとっても地元。ハッキネンに食らいついていかなければ、立場がない。
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アーバインの壁、厚し。どうやら志が違う。アーバインってイギリス人というよりも、イタリア人かなと思っちゃう時があります。

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24周目に4位ジョーダンのフレンツェンと5位ウィリアムズのR・シューマッハの順で同時にピットイン。
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アウトはウィリアムズが前に。迅速なピットは今も変わらずですね。マシンより早そう(笑)

同じく24周目にハッキネン、クルサードもピットを済ませ、2周後にアーバインの番です。
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モタモタして、ロスしている。ピットアウトすると、クルサードが前となりスタートダッシュが水の泡に。逆シューマッハ(笑)
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トップ独走のハッキネンはピットを終えた直後からペースがおかしい。右フロントタイヤを浮かす不可解な傾きになっています(画像右端にチラッと見えるのは左リヤです)
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あっ左リヤが外れた!対角の二輪走行になっている。起きた場所の運が良く、即座にピットへ。
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ん?
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ん?ハマらない。いいや、とりあえず出す。ほぼビリ。
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「ボス、アレ、無理っすわ。ダメなヤツっす」
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28周目にファステストラップを記録するも、どうも左リヤに不安があるようで強制召喚、リタイヤ。せっかくチームの地元でトップを独走し、宿敵M・シューマッハが戦線離脱したっていうのに、非常にもったいない。そりゃ不満多々あることでしょう。名門のチャンピオンチームらしからぬミスと不備です。結果はご存知の通り最終戦でハッキネンが自力防衛できたわけですが、M・シューマッハを欠くシーズンの辛勝は流れとしてはあまり良くありませんでしたね。
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トップ2人が消えれば、2番手の2人がのびのびです。アンダーカット?!のままの順位で変わらず、ダブル地元のクルサードがレースを制しています。

《決勝結果》
   1 D・クルサード    (マクラーレン・M)
   2 E・アーバイン    (フェラーリ・F)
   3 R・シューマッハ(ウィリアムズ・SR)
   ※SRはスーパーテック(ルノーカスタム)

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RD「よーしよしよし、今日だけは、誉めてやる」
3位はピットの助けもあり、アニキの雪辱を晴らしたR・シューマッハがガッチリ獲得。アーバインとは意味合いが違う感じがする(笑)
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MH「はいはいブラボーブラボー」

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今回の名車はマクラーレン回です。長年の宿敵と死闘の末、敗北した2000年型マクラーレンMP4-15を取り上げます。所有の1/18ミニカーを引っ張り出しました。他にはない「独自アイデア」も搭載されています。

《設計》
    エイドリアン・ニューウェイ
    ニール・オートレイ

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《外見》
見た目は一見MP4-14とそっくりなのですが、ニューウェイ先生曰く「ほとんどが新設計」とのこと。実車を目の前で並べて見ていないのでわかりませんね。とはいっても、MP4-14は十分完成度の高いマシンでしたのでそれをベースに弱点を克服する形を採りました。
ニューウェイの作るマシンは空力に長け、パワー一辺倒ではないものを多く輩出してきました。しかしこの方が突き詰めすぎるとF1ドライバーをもってしても操ることに手を焼く「繊細なマシン」になってしまうのは後にも先にも有名な話です。前年1999年はハッキネンの最終戦まで続く死闘の末、ドライバーチャンピオンこそ連覇を成し遂げますが、コンストラクターズはシューマッハを欠くフェラーリの手に渡りました。原因は「速さはあれど、マシンが扱い辛い」「マシントラブルが多い」ことでした。
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ドライバー2人が口を揃えて訴えた「リヤの不安定さ」をなくすべく、ホイールベースの延長をしています。またフェラーリに端を発するこの時代のトレンドの一つ「上方排気システム」(エンジンカバー後方から上向きにエキゾーストパイプを取り回して排出する)を取り入れなかったマクラーレンは新たな策を投じました。それは「センターエキゾースト」です。頑張って撮ってみましたが、ミニカーではそれが再現されていません。
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エキゾーストパイプをギヤボックス下で中央にまとめ、センターディフューザー内で排出します。そうすることで高圧、高速の気流がディフューザーの効率を高め、ダウンフォースを得られるというもの。そんなに難しい理屈じゃないのに、何でこんな事に気付かなかったの、と思ってしまいそうですが、アイデア自体は1980年代からありました。しかし、排気圧は常に一定というわけではなく、いわゆる「エンジンの回転数(スロットルの開度)」に依存しているため、時として不安定なものであると考えられてきました。これがなぜ実現、導入に踏み切れたかというと、搭載するメルセデスが「スロットル開度に依らない排気圧の制御」を可能にしたことで実現しました。フェラーリのトレンドに依らないところが当時のマクラーレンらしいマシン作りです。
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それに伴って取り組まれたデバイスに「チムニーダクト」があります。chimneyとは英語で「煙突」を指します。これはサイドポンツーン内にこもる熱対策として設けられました。こちらもこのマクラーレンが発祥でしたね。後に採用したチームも多くあります。
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ノーズはマクラーレンのトレードマークでもあるローノーズの部類ではありますが、鼻っぱしらは少しだけ高めになりました。
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カラーリングは歴代受け継ぐシルバーアローのウェストカラー。タバコ広告禁止国に対してはWest表記が「Mika」「David」に差し替わります。観戦者側からすれば識別は容易ですが、名前がデカデカと書かれるの、ちょっと恥ずかしい(笑)クラッシュしたらバレてしまう。他、スポンサーも歴代と変わらずドイツのアパレルメーカーであるヒューゴ・ボス、シーメンス、富士通、そしてモービル。お決まりですね。

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《シャシー》
    全長:4,397mm
    全幅:1,795mm
    全高:   959mm
    最低車体重量: - kg
    燃料タンク容量: - ℓ
    ブレーキキャリパー:AP
    ブレーキディスク・パッド: -
    サスペンション:フロント プッシュロッド
                                     リヤ    プッシュロッド
    ホイール:エンケイ
    タイヤ:ブリヂストン

《エンジン》
    メルセデス・ベンツFO110J
    V型10気筒・バンク角72度
    排気量:2,990cc(推定)
    最高回転数: - rpm(非公開)
    最大馬力: 842馬力(推定)
    スパークプラグ:NGK
    燃料・潤滑油:モービル

高出力に定評のメルセデスエンジンはより小型で低重心を追求したFO110Jを導入。パワーアップにも成功しています。

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《ドライバー》
    No.1 ミカ・ハッキネン       (全戦)
    No.2 デビッド・クルサード(全戦)

ドライバーは1996年から続く2人が担います。いずれもチャンピオン獲得を託せる強力なラインナップです。

《戦績》
    152ポイント コンストラクター2位 ※
    ※第10戦オーストリアGPはポイント剥奪
    (1位7回、2位10回、3位5回、4位3回ほか)
    ポールポジション7回

ハッキネンの三連覇のかかったシーズンです。開幕戦オーストラリアGPも圧倒的な速さでフロントロウを占めて逃げ切りレースが予想されますが、2番手クルサードは11周目、ポールのハッキネンは18周目にニューマチックバルブのトラブルによってリタイヤ。第2戦ブラジルGPもフロントロウスタートしたもののハッキネンは30周目にまたもエンジン絡みでリタイヤし、2位フィニッシュのクルサードは後にフロントウィング規定違反により失格と暗雲立ち込める序盤となりました。
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チーム初勝利はクルサードによる第4戦イギリスGP、チャンピオンのハッキネンは第5戦スペインGPまで時間を要しています。クルサードにとってはこの年に導入したセンターエキゾーストで安定した表彰台登壇を続ける一方で、逆にハッキネンはさらに乗りにくさを訴えて持ち味の「速さ」をなかなか見出せません。それでも何とかシーズン折り返しとなるフランス、オーストリア、ドイツでリタイヤするシューマッハの間隙を縫って勝利や表彰台を重ねて何とかチャンピオン争いに食らいついていきます(第10戦オーストリアGPの優勝はハッキネンでしたが、コンピューターのFIA封印が外れていたことによる違反が発覚し、コンストラクターポイントのみ剥奪)
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勢いそのままに第12戦ハンガリーGP、第13戦ベルギーGPではケメルストレートでスーパーパッシングを披露して連勝するハッキネンでしたが、第15戦アメリカGPの25周目に痛恨のリタイヤを喫してしまいます。それが仇となり、第16戦日本GPで惜しくもチャンピオン三連覇の道が断たれてしまいました。miyabikunも生でそのレースを現地観戦してとても悔しい思いをしたのを今でも覚えています。
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リタイヤもとにかくエンジン絡みが多く、ドライバーではどうしようもない点も悔やまれます。ハッキネンは翌2001年もマクラーレンをドライブしますが、チャンピオン争いから早々に脱落し、休養宣言から引退をむかえますので、実質このマシンが「シューマッハ×ハッキネン時代」の最終章であったといえます。

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マシンから話題が離れてしまいますが、マクラーレンとシューマッハを擁するフェラーリとの違いは「主従関係を設けるかどうか」でした。マクラーレンは古くから「ジョイントナンバーワン」を提唱しており、ハッキネンとクルサードはあくまで5対5(ポールポジション獲得やチャンピオン獲得経験を考慮すると6対4くらいのハッキネン寄りか)の扱いでした。しかしフェラーリはシューマッハと相方アーバインやバリチェロでは9対1(もしかしたら9.5対0.5とも)のシェアであることは公の事実でした。スポーツでありながらの主従関係は不公平であるとも捉えられるし、一人しかなれないチャンピオンを組み立てる上では重要な要素でもあります。マクラーレンはジョイントナンバーワンにこだわった結果、シューマッハ一人にその座を献上してしまったことになりました。
近年もチームによっての優劣関係が「暗黙の了解」があるところと「はっきり定めを設けない」ところと様々あります。どちらが正しいのか、スポーツとしてF1を楽しむ場合とエンターテイメントとして楽しむ場合とで解釈の仕方も変わってきますね。
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久々に取り出したミニカー。中は綺麗だけど、箱が汚かったー(笑)たまに手入れしてあげなきゃダメですね。

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紺系のカラーリングで四角い顔に二重で薄い唇。近代ではフェルスタッペンあたりが該当しそうですが、90年代中盤にはクルサードがいました。今ではだいぶ頭も真っ白になって、この前はビルのてっぺんでクルクル回っていましたね。セナが事故死したことでテストドライバーから急遽成り上がった彼も実はなかなかの期待の若手でした。今回はブラジルGPのお隣、1981年以来の復活を遂げた95年のアルゼンチンGPを振り返ります。このブエノスアイレスで行われたGPは低速レイアウトで抜き辛く、個人的にはあまり面白くなかった印象が強いです。
14年振りの開催ということで、当時の現役ドライバーは誰一人走ったことがありません。そんなイコールコンディションで参戦たった10戦目のこの若手が何とポールポジションをさらっていきました。驚くのは前年のチャンピオン争いを演じたチームのエースD・ヒルを0.8秒もちぎり、さらにはチャンピオンであるM・シューマッハから1秒も早いです。四角い顔でいい笑顔!
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《予選結果》
   1 D・クルサード     (ウィリアムズ・R)
   2 D・ヒル               (ウィリアムズ・R)
   3 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

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ポールは獲ったけど、スタートはどうなの?!F1はスタート勝負ヨ、見守っていると素晴らしい蹴り出しを見せてくれます。いきなりウィリアムズのトップシートを得て、後続をぐんぐん引き離してしまう優秀な若手。
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こちらは今年こそチャンピオンを獲得したい相方。シューマッハにスタートで先行されて、陰に隠れてモタモタしています。こりゃ後輩に一杯食わされたかな。

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すると6周目に入り突如クルサードがスキッドマークを付けてフラついて失速、シューマッハとヒルに一気にかわされる。幸いにもすぐに復帰しますが、ルノーエンジンが瞬間的なストールに見舞われてしまいました。
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「ちっ、絶好のチャンスに何たるザマだ」
苦虫。この冷たい眼差し、現在は娘クレアにちゃんと引き継がれています。

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すぐさまヒルに追いついたクルサードは遅れを取り戻すべく、右に左にと果敢にヒルを突きにいきます。この日のクルサードはキレッキレだなぁ。
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ヒルもここまでされたら黙っちゃいません。なかなかペースを上げないシューマッハの背後につき
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実にクリーンなパッシング。これを前で見せつけられたクルサードはどうする?!
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この日の若者は全く躊躇することはありません。ヒルがインから攻めたなら、クルサードはアウトから並んでシューマッハをたしなめていく。
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しかしイケイケのクルサードの躍進も長くは続かず、16周目にエンジンが再び不調に見舞われて今度は本当にストップ。打倒シューマッハへの追撃はヒル1人に託されることに。

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終盤そのヒルに6番手スタートだったフェラーリのアレジが忍び寄っていきます。シューマッハが冴えないレースはアレジだって初優勝が欲しい。セクター毎にギャップを縮めていよいよヒルのミラーにチラつき始める。ちょっとペースがよくありません。クルサード同様のアクシデントの兆候か?!
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「デイモン、ペースを目一杯あげていいぞ!」
フランク・ウィリアムズからのゲキが飛び、ヒルはペースアップ!ぐんぐんアレジを引き離していき、結果的には15秒近くの差を築いてシーズン初勝利を獲得しました。
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《決勝結果》
   1 D・ヒル               (ウィリアムズ・R)
   2 J・アレジ            (フェラーリ・F)
   3 M・シューマッハ(ベネトン・R)

優勝はヒルに渡り、残念ながらリタイヤで終えてしまったものの、初フル参戦早々にポールポジションを獲得して、決勝も臆することなく攻め立てたクルサードはまさしくこのレースの主役でした。セナ亡きF1で台頭するシューマッハに対抗できる1人と嘱望される若手の誕生です。

レースが早めに終われば、アイス食べながら先輩を見守る。
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そうそう、あなたの話をしているのです、将来期待していますよー!

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