F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:カナダGP

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雨、嫌ですねー。miyabikunクセ毛というほど強くは無いのですが毛量が多く硬いので、梅雨の時期はまとまりが悪くセットには手間がかかります。またこの時期は気温云々によらず汗をかく。
決勝が雨となればカナダGPは特に荒れまくり時間がかかりますから、まだ予選というのが救いかもしれません。

アルファタウリの角田くんはパワーユニットの複数コンポーネントの交換により、最終シケイン付近並みの降格ペナルティと聞いていましたが、フェラーリのルクレールも結局は複数交換のため最後尾となるんですね。
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まあいつかは訪れる問題ですし、まだ追い抜きが比較的容易なココでよかったかもしれません。頑張りましょう!

《Q1》
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なかなかの水量ですから、全車深溝ウェットタイヤでトラックインしています。あとは視界とモナコ、アゼルバイジャンに続く「壁ドンクラッシュ」に気を付けたいところ。
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同じくウェット路面で行われたフリー走行3回目でトップタイムをお出しになられたアロンソ様はここでもトップタイムを出されて、まだ走れるんだぞ宣言。
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今回の予選は目の上のたんこぶも無くいつもよりは余裕あり気なレッドブルのフェルスタッペンはスプラッシュでどこにいるんだかよくわかりませんがトップタイムを塗り替える。その後フェラーリのサインツやメルセデスのラッセルもタイムを更新して、まだまだ向上しそう。
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おお、ハースのマグヌッセンまで。この方が予選で前に来てくれると、荒れ荒れが助長されてややこしい決勝を迎えそう。
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大きなガッシャン等はなく、粛々とQ1が終了。アルファタウリの2台、アストンマーティンの2台とラティフィも普段通りここで終了。カナダにおいては地元ドライバーだからといっても特に何も無さそうね(笑)降格ペナルティのある角田くんはともかく、ガスリーまで脱落はちょっと意外。ベッテルも残念ガッカリ。

《Q2》
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Q2に入ると、Q1で路面の水を弾き飛ばしたか浅溝インターミディエイトタイヤを履くドライバーもちらほら。徐々に厳選されていくわけですからね。いつも以上にこのコンディションでのタイヤチョイスはかなり重要。
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暫定トップのアロンソはインターミディエイトで1分30秒910。ウェットを履き続けるフェルスタッペンは1分31秒457。クロスオーバーが微妙ですね。トップチームならウェットでも乗り切れそうか。
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ウィリアムズでQ1を突破し、インターミディエイトを履くアルボンがウォールにズドン!ほぼ垂直での衝突で被害を最小限に止め、自力でトラック復帰。
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続いてペレスもインターミディエイトでドシン!こちらは赤旗。こうなると、フェラーリもレッドブルも一台ずつQ2止まりでおあいこか。
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フェルスタッペンは一人で頑張る。
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Q2はペナルティ確定のルクレール、パワーユニットに不調がみられたマクラーレンのノリス、ズドンした2人とボッタスが脱落。周くん残っとるやん、すごい。
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GS「ウチも残っとるやないか。イケるかもしれん」

《Q3》
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一人で戦うフェルスタッペンが2本目のタイムアタックでラッセルを1秒以上引き離しトップへ。
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こちらも一人で戦うサインツは2番時計もフェルスタッペンには1秒以上届かない。やはりサインツでは役不足か。
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CL「カルロス、大丈夫。僕の言う通り走ってみて」
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アロンソやシューマッハにも前を獲られたラッセルはココでソフトタイヤを履いて最後のギャンブルに出る。ラッセルは勘がいいですからね、ハマればとんでもないタイムが出そう。
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やっぱりダメかー。コースオフ。チャレンジ精神に拍手!
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ルクレールの助言通り?!(笑)走るサインツはなかなかのペースでフェルスタッペンを追う。
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あーセクター3でロスしている。。サインツ。。
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こちらのスペインの大先輩はお元気なようで。まだまだ超えられぬな。
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《予選結果》
P.P. フェルスタッペン(レッドブル・RBH)1分21秒299
 2.アロンソ    (アルピーヌ・R)   1分21秒944
 3.サインツ    (フェラーリ・F)   1分22秒096

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MV「先輩のココ、そんな感じでしたっけ?!」
JV「やあ久し振り。昔君のパパと戦ったことあるよ」
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「やったね、チャンピオンからサイン貰っちゃった」
何とも輝かしい目をしている、あなたも一応父親超えを立派に果たしたF1二世ドライバーチャンピオンなんですがね(笑)JVとイニシャルで書くと、どこかの駅前再開発の「建設共同企業体」みたい。

《先日の予選予想との答え合わせ》
ポールのフェルスタッペン、3番手サインツの前方2人のみ正解。頼みのラティフィを外すとキツい(笑)サインツについては「ルクレールに続く3番手」の予想でしたので、その観点からいけば2番手が最低条件ですし、いわば外したようなもの。ルクレールのQ2不出走は考えられたにせよ、まさかアロンソに負けるとは。。将来のF1を不安に感じてしまいます。
アロンソの2番手、シューマッハの7番手、周の10番手、アルボンの12番手は雨を味方につけた大金星と言っていいと思います。

《Q3トップのフェルスタッペンと各チームの差》
 アルピーヌ(アロンソ)が0.6秒落ち
 フェラーリ(サインツ)は0.8秒落ち
 メルセデス(ハミルトン)が1.6秒落ち
 ハース(マグヌッセン)は1.7秒落ち
 マクラーレン(リカルド)が2.5秒落ち
 アルファロメオ(周)は2.7秒落ち
 ウィリアムズ(アルボン)が5.6秒落ち※
 レッドブル(ペレス)は11.8秒落ち※
 アルファタウリ(ガスリー)が13.2秒落ち※
 アストンマーティン(ベッテル)も13.2秒落ち※
 ※は最速タイム(Q1,Q2)から算出

今回はご覧頂いていた方ならご承知の通り、セッションが進行するに従って路面が改善され、タイヤコンパウンドというよりかはウェットとインターミディエイトと構造自体が異なるタイヤでのタイム比較となるため、まるで参考になりません。強いていえば、フェルスタッペンただ一人が飛び抜けて速かった。それだけです。

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 アロンソ(アルピーヌ・R)

Q3もほぼほぼ観終える直前までは、ハースのシューマッハかアルファロメオの周のどちらにしようか迷っていたのですが、最後の最後でアロンソ様がお見えになったので、予定がガラリと変わりました。フリー走行3回目では僅差のトップタイムマークとチャンピオンの貫禄を見せつけてくれました。この方は毎戦必ず何らかの爪痕を残してくれる方です。この先いつまでやられるつもりかはわかりませんが、まだまだやる気満々ですね。
シューマッハ、周のほか、ラッセルも果敢にドライタイヤに挑むなど健闘していました。ただでさえ荒れるカナダで雨が降るとなると、さらに番狂わせが起きます。角田くんやルクレールのグリッド降格は残念ですが、路面向上も相まってなかなかスリリングな予選となりました。

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 
 該当無し

濡れた路面でしたし、そんなにとっ散らかったドライビングをしていた者もいませんでしたし、ドライタイヤでチャレンジ失敗したラッセルはナイスファイトということで、こちらはナシとしました。先日まで好調だったペレスの空回りと、ドライでのフリー走行までは悪くなかったベッテルにはちょっぴりガッカリでしたね。「雨のベッテル」は最早死語なのかな。
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FA「さあ、君の言い分を聞こう」
CS「な、何も引っ叩くことないじゃないすか」

《決勝の表彰台予想!》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 2 サインツ    (フェラーリ・F)
 3 ハミルトン   (メルセデス・M)

アロンソ様には大変申し訳ないのですが、決勝はパッシング不可避かなと、順当に3番手、4番手を上げさせて頂きました。気になるのは「カナダ大得意なハミルトンがどれだけ復調できるか」と「ルクレールがどこまで浮上してこれるか」という点。今後のヨーロッパラウンドを楽しく迎えられるためにも、1ポイントでも多く加算してほしいところ。ルクレールの頑張りはもちろんのこと「チームの力添え」が重要です。そこは是非、よろしくお願いします。

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F1は一度ヨーロッパを離れてアメリカ大陸へ。毎年思うのですが、何故カナダだけ秋口のアメリカ大陸連戦と続けないのでしょうか。気候の問題かな。日本からはすれば時差大きな体力戦であり、F1にとっては燃費やブレーキに厳しい戦いとなります。IMG_0108
《カナダGPの基本情報》
 ジル・ヴィルヌーブサーキット
  全長:4.361km×70周=計305.270km
  開催回数 :41回目
  コーナー数:14箇所
  高低差       :5.3m
  DRS区間数:3箇所
  母国GP      :ストロール、ラティフィ

《カナダGPの個人的印象》
 ・スタート直後1、2コーナーは誰かがはみ出す
 ・燃費やブレーキに厳しいストップ&ゴー
 ・ウォールが近く、ラインの正確さが要る
 ・日本からの観戦も厳しく、忍耐と覚悟が要る

大都市に近いオアシス。オーストラリアGPのアルバートパークに並んでmiyabikunの行ってみたいお気に入りサーキットの一つです。前回の開催は3年も前となる2019年。アルファタウリの角田くんをはじめとした数名のドライバーがF1初走行を迎えます。世界を転戦する角田くんならば日本人の味わう時差の影響は皆無でしょうが、ドライバーは燃費やブレーキに加え、適切なライン採りも要求されます。特にセクター1はウォールまでの距離が近く、左右の切り返しもありますから、隙をみせれば行き場を無くしたり先輩ドライバーにズブリとさされてしまいます。

《過去5年のポールポジション》
 2019年 ベッテル (フェラーリ)
    1分10秒240
 2018年 ベッテル   (フェラーリ)
    1分10秒764
 2017年 ハミルトン(メルセデス)
    1分11秒459
 2016年 ハミルトン(メルセデス)
    1分12秒812
 2015年 ハミルトン(メルセデス)
    1分14秒393

《ポールポジションレコードタイム》
 2019年 ベッテル (フェラーリ)
    1分10秒240

《現役ポールポジション獲得者と回数》
(★はその年のチャンピオン)
 6回 ハミルトン(2007,08,10,12,15★,16,17★)
 5回 ベッテル (2011★,12★,13★,18,19)
 1回 アロンソ (2006★)

最新のデータは2019年のため、過去5年とすれば2015年以降ということになります。近年2年のポールシッターはまだ元気のあった頃のベッテルであり、フェラーリが獲っています。それ以前の4年はメルセデス。現在トップをひた走るレッドブルは2013年のベッテルまで遡ることとなります。当時とはマシン特性はガラリと変わりましたので、新時代のレッドブルが「ベッテル臭」を覆すチャンスも秘めています。まあ、ココは荒れるし、いくら圧倒的な速さでポールをとっても決勝でアレならば、ねぇ(笑)

《過去5年の優勝者》
 2019年 ハミルトン(メルセデス)
 2018年 ベッテル    (フェラーリ)
 2017年 ハミルトン(メルセデス)
 2016年 ハミルトン(メルセデス)
 2015年 ハミルトン(メルセデス)

《現役歴代優勝者 回数》
 7回 ハミルトン(2007,10,12,15★,16,17★,19★)
 2回 ベッテル (2013★,18)
 1回 アロンソ (2006★)
   リカルド (2014)

2年のブランクがありますから、優勝もハミルトンがやりたい放題の時期のまま時が止まっています。近年のレッドブルの勝利は2013年のベッテルと先日「過去のレース」で振り返った翌年14年のリカルドでトータル2勝。一方でフェラーリは「最後のチャンス」だったか2018年のベッテルによる1勝のみ。それ以外はほとんどメルセデス(というよりハミルトン)大得意とするハミルトンもさすがに今年は腰が痛いでしょうから、順当にいって前者2チームのどちらかになるでしょう。もちろん荒れレースからの初優勝は大歓迎です。勝てそうな2チームで初優勝が待たれるのは、、大丈夫かなぁ?!

《過去5年のファステストラップ獲得者》
 2019年 ボッタス    (メルセデス)
 2018年 フェルスタッペン(レッドブル)
 2017年 ハミルトン           (メルセデス)
 2016年 ロズベルグ           (メルセデス)
 2015年 ライコネン           (フェラーリ)

《現役ファステストラップ獲得者と回数》
 2回 アロンソ    (2003,07)
 1回 ベッテル    (2012★)
   ハミルトン   (2017★)
   フェルスタッペン(2018)
   ボッタス    (2019)

ファステストラップについては、最多タイの4回を記録したライコネンがF1から引退したため、現役では最多2回、5人のドライバーが分け合っている形となります。今シーズン獲れそうな面々でまだ獲ったことが無い者もいますので、数を伸ばすよりかは新規追加される可能性もありそうですね。

《使用されるタイヤコンパウンド》
 赤:ソフト  (C5)
 黄:ミディアム(C4)
 白:ハード  (C3)

フリー走行3回目は日本時間の土曜ではなく、日曜の超早朝2時です。ちらほらパワーユニット交換ペナルティの情報があがってきていますが、いつもながら超早朝2時まではとてもじゃないけど待てませんので、2回目までの雰囲気とマシン特性からの勘で予選順位二十連単の予想をしていきます。

《カナダGPの個人的予選予想》
 〜Q1〜
  20.ラティフィ   (ウィリアムズ)
  19.シューマッハ  (ハース)
  18.アルボン    (ウィリアムズ)
  17.角田裕毅    (アルファタウリ)
  16.周冠宇     (アルファロメオ)
 〜Q2〜
  15.マグヌッセン  (ハース)
  14.ボッタス    (アルファロメオ)
  13.ストロール   (アストンマーティン)
  12.オコン     (アルピーヌ)
  11.リカルド    (マクラーレン)
 〜Q3〜
  10.ノリス     (マクラーレン)
  9.ベッテル    (アストンマーティン)
  8.アロンソ    (アルピーヌ)
  7.ガスリー    (アルファタウリ)
  6.ハミルトン   (メルセデス)
  5.ラッセル    (メルセデス)
  4.ペレス     (レッドブル)
  3.サインツ    (フェラーリ)
  2.ルクレール   (フェラーリ)
  PP.
フェルスタッペン(レッドブル)

ルクレールがパワーユニット交換による10グリッド降格ですとー!今シーズンのポールはルクレール縛りで間違いはなさそうだし、ただちょっぴり余裕のあるフェルスタッペンが来るような気もする。どちらだろう。。今回は、、フェルスタッペンかな。このサーキットは追い抜きがし易い方ですし、ルクレールとしてはポールないしフロントロウのタイムで終えて、後退を最小限に抑えておきたいところ。ほか、上位には相変わらずやる気に満ち溢れたアロンソと普段には無いくらい
元気よさげなベッテルを連ねています。
そうだった、、角田くんもペナルティ降格アリだったんだ。。角田くんの場合は初のカナダGPですし、降格があろうと無かろうと、勉強かつフルパワーで臨んでもらいたいです。変にね、前の方にいたらドンガラガッシャンに巻き込まれる(引き起こす)かもしれないし、後ろの方から隙をうかがいつつ冷静に賢くいきましょう。
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前戦アゼルバイジャンGPは開催2年目以降荒れる要素満載のGPとなっています。荒れるレースといえば、こちらの方が大先輩。カナダGPのジル・ヴィルヌーブサーキットも有名です。今回はなかなかの荒れ模様から驚きの結末を迎えた2014年第7戦に行われたカナダGPを振り返っていきます。新しいマシンレギュレーション元年でまだまだ最近のようにも感じますが、かれこれ8年も前になるんですね。カナダGPの振り返りは7回目となります。

時代はこの頃から始まっていました。「パワーユニット」と呼ばれるハイブリッドターボを搭載したマシンでメルセデスが最も早くレギュレーションに適合。他を寄せ付けぬ「悪夢の始まり」でした(メルセデスファンの方、ごめんなさい)
カナダGP前までの6戦は言うまでもなくメルセデスの全勝。ハミルトンが4ポール4勝ながら118ポイントのランキング2位、チームメイトのロズベルグは2ポール2勝ながらランキングトップとなる122ポイントでカナダ入りしました。何故勝利数が下回るのにロズベルグが上にきているかというと、ハミルトンは開幕戦オーストラリアGPでリタイヤを喫してノーポイントに終わったためです。それ以外の2位は全てがこのメルセデス2人が獲得しています。まさに無双状態。前年まで4年連続チャンピオンを獲得したレッドブルのベッテルの表彰台は第2戦マレーシアGPの3位が1回のみで、ポイントは45、ランキングは何と6位です。あれ、なんか似たシーズンが最近あったような無かったような、、(笑)

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予選はやっぱりメルセデス。今回はロズベルグがハミルトンをわずか0.079秒先行して2戦連続のポールポジションを獲得。ハミルトンと3番手ベッテルとの差は0.595秒もあります。フロントロウとセカンドロウの間にあと数台空間があるかのようなギャップがあります。予選を終えた時点でとても勝てる気がしませんね。この時代はギリギリ戦えたウィリアムズは若手のボッタスが4番手、F1最終章に入り始めた相方マッサが5番手に座り、6番手にはこの年からレッドブルに進級したリカルドが獲得しています。
日本からは小林可夢偉が2年振りにケータハムのレギュラーシートに復帰。チームメイトのエリクソンを上回る20番手で予選を終えますが、ギヤボックス交換ペナルティにより最後尾に降格となるものの、ザウバーのグティエレスがピットレーンスタートを選択したため、エリクソンの一つ後ろとなる21番グリッドからのスタートとなりました。無意味なペナルティかつややこい。

《予選結果》
 1 N・ロズベルグ(メルセデス・M)
 2 L・ハミルトン(メルセデス・M)
 3 S・ベッテル (レッドブル・R)
 ※タイヤはピレリのワンメイク

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スタートはイン側2番手のハミルトンがいい。モタつくロズベルグよりも半車身前で左ターン1に進入
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しますが、続け様に訪れるターン2は切り返しの右。ロズベルグがイヤらしくラインを閉めてハミルトンの行き場を失う。
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あーあ、ハミルトンは3番スタートのベッテルに大外刈りを食らい順位を落とす。このサーキットのスタート直後の揉め事あるあるですね。遺恨は残りそうだけど、初戴冠のかかるロズベルグも必死。
このサーキットは半市街地。ランオフエリアは浅く、ちょっとした接触やオーバーランですぐさまウォールの餌食となります。
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こちらは今やF1における永久欠番となっている「カーナンバー17」を付けるマルシャのビアンキがマシンの後方を失ってストップ。
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あらら、チームメイトのチルトンまで左フロントを折損。これらは同士討ちによるクラッシュ。オープニングラップ早々に名物のセーフティカーのお呼びがかかる。

8周目にトラッククリア。10周目にスタート直後に出し抜かれたハミルトンがベッテル討伐に向かっています。
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今やレッドブルは脅威でも何でも無い。これからはメルセデスの時代だ!最終シケイン入口までに軽々とパッシング。
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一人逃げを打つロズベルグにようやくハミルトンが追い付いたぞ!さあどうする?!FullSizeRender
3位に落ちたベッテルが16周目にピットインすると、ロズベルグは19周目に1回目のピットに向かう。
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ハミルトンはその翌周にピットへ。たった1周分だけど、オーバーカットできるかな?!
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やや及ばず。メルセデス真っ向勝負は第二幕へと入ります。

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25周目でまたロズベルグとハミルトンが再接近。同じマシンに乗る0回チャンピオン対1回チャンピオン。ハミルトンはDRS開放でプレッシャーを与えて、チャンピオン経験者の圧力を浴びせていく。
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ロズベルグはビビったか。シケインをショートカット。それではダメ。正々堂々と戦って下さい。

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メルセデスのバトルの10秒以上後方ではまだ1回目のピットを終えていないフォースインディア2台に堰き止められるベッテルがいます。フォースインディアはライバルと異なる1回ピットを採っており、ストレートも速いため、最高速重視ではないレッドブルは抜くに抜けない。
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これではメルセデスに離される一方と考えたチームは早々とベッテルを2回目のピットに呼び込み、フォースインディアに惑わされない空間に戻していきます。
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翌周にはベッテルの後方にいたリカルドが2回目のピットへ。トラックに戻ると、あれ?!
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ベッテルをオーバーカットしてしまう(笑)4回チャンピオンがチームの新入りに負ける。ベッテルはさぞかし面白く無いことでしょう。

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70周レースの後半戦に入ったばかりの37周目頃から、順調な走行を続けていたトップのロズベルグのペースが一気に落ち込み始めます。これはロズベルグだけの問題では無く、ほぼ同じタイミングで2位走行中のハミルトンにも訪れ始めていた現象。最強メルセデスの弱点がココで明らかになるのか?!
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45周目にロズベルグからピットへ。
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ウィリアムズのマッサの後ろとなる暫定3位で復帰。
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その次の周はハミルトンの番。
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マッサの後ろは仕方無いにしても、何とロズベルグの前で戻り、こちらもチームメイトをオーバーカットする事態が起きています。マッサがトップに立ったことにより、このシーズンで初めて「メルセデス以外のラップリーダー」が誕生することとなりました。第7戦までアタマを獲られなかったってことだけで、メルセデスの抜きん出た強さがよくわかります。
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しかしヘヤピンでハミルトンが止まり切れず大回り
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その隙にまたもやロズベルグが前に!
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いやいやハミルトンも並ぶ!バチバチ!
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今度はハミルトンがシケインをカット。レースは最早「2人の世界」で繰り広げられています。
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しかし以降のブレーキングポイントで立て続けにコースオフするハミルトンは先程のヘヤピンやシケインのコースオフからも、ブレーキにも問題を抱えていることがわかります。ここにきてハミルトンはリタイヤ。メルセデス同士のバトルに終止符が打たれることとなります。

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48周目にマッサが2回目のピットを行ったことにより、またトップに返り咲いたロズベルグですが、パワーユニットの不調もあって少しずつ2位以下とのギャップが縮まりつつあります。チェッカーフラッグまではまだ少々距離があります。そして残り5周でレースがまたまたバタバタ荒れ始めます。
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ベッテルの前を堂々と走り続けるリカルドがこちらもブレーキに問題を抱えたペレスをパスし、2位浮上。これだけでは止まらない!
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残り3周でリカルドはとうとうロズベルグまでも捉えトップに立ちます。ベッテルもリカルドに負けていられない。ペレスをパスして表彰台に名乗りを挙げる。
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ベッテルに抜かれて戦意を喪失したか限界か、ペレスはターン1手前で5位のマッサと接触。
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マッサはベッテルの手前を高速で横切りバリアへ。ペレスはベッテルの後ろでバリアに衝突。ファイナルラップ直前のドタバタ劇。
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当然セーフティカーが発動しますが、順位の入れ替えが無いイコール、リカルドが念願のF1初優勝で荒れたレースの幕が降りました。

《決勝結果》
 1 D・リカルド (レッドブル・R)
 2 N・ロズベルグ(メルセデス・M)
 3 S・ベッテル (レッドブル・R)

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同じくカナダGPで初優勝(しかしそれが最後の優勝とも)を挙げたアレジからインタビューを受け、喜びをみせるリカルド。メルセデスの牙城が崩れた瞬間にチャンスをモノにするという大金星でした。リカルドはこの年の第11戦ハンガリーGPと第12戦ベルギーGPでも勝利を挙げ、ドライバーズランキング3位で終えることとなり、一躍トップドライバーの地位に上り詰めています。近年のリカルドはレッドブルを離れて以降「らしくない」シーズンが続いています。リカルドの笑顔が再びみられる日が来るのでしょうか。

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沖縄地区は梅雨が明けたようですが、連日の曇り空に雨。毎年のことながら梅雨って嫌ですね。もう40回経験しているはずでわかちゃいるけど慣れません。外出も気が進まないし、洗濯や洗車も迷います。何より「傘をさしても濡れる弱い長雨」というのが厄介。普段の私生活でも支障をきたす雨はF1ともなるとさらなる番狂わせを呼びます。向かうはオーストリア、でも頭はまだカナダに未練アリということで、今回の過去のレースは1989年の第6戦カナダGPです。89年シーズンは約4年前に取り上げた第13戦ポルトガルGP以来2戦目、カナダGP振り返りは6戦目となります。
この年からF1はターボエンジンが禁止され、全車NA(自然吸気)エンジンとなりました。NAエンジンは排気量が3.5ℓまで引き上げられることとなりましたが、フォードやジャッドはV8、ホンダやルノーはV10、そしてフェラーリやランボルギーニはV12とバラエティに富んだエンジン構成で争われました。第6戦カナダGPまでの戦績は前年88年に初チャンピオンを獲得したマクラーレンのセナが開幕戦から5戦連続、前年からみると8戦連続のポールポジションを獲得し、シーズン3勝。フェラーリのマンセルは開幕戦ブラジルGPで優勝。セナの相方プロストは優勝をマンセルとセナに3回阻まれつつ前戦フェニックス市街地でのアメリカGPを制して1勝という形で進行しています。

シーズン6戦連続のポールポジションがかかるセナは金曜日の予選でギヤの不調がみられてプロストに先を越されてしまいます。2日目土曜日の予選でプロストをちょうど1秒上回りますが、結局1日目のプロストには及ばず2番手に沈み(とはいえフロントロウ)、プロストのポールポジションが決定。どちらにせよ、マクラーレンに違いはありませんが。この時代の日本人ドライバーであるロータスの中嶋悟は残念ながら27番手タイムで26枠の決勝出走に入れず、さらにザクスピード・ヤマハから参戦する鈴木亜久里は予備予選落ちに終わっています。

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《予選結果》
 1 A・プロスト (マクラーレン・H・GY)
 2 A・セナ   (マクラーレン・H・GY)
 3 R・パトレーゼ(ウィリアムズ・R・GY)
 ※GYはグッドイヤー

決勝スタート前に雨が降った関係で、路面は濡れている箇所と乾いている箇所がありました。フォーメーションラップの後、5番手スタートのマンセル、ベネトンから13番手スタートとなったナニーニ、さらに24番手スタートのミナルディのサラがドライタイヤに履き替えて
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マンセルとナニーニの2人はそのままトラックインしてしまいました。本流はどうかというと
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このようにスターティンググリッドでシグナルを待つ状態。これ、当然黒旗失格です。以前(このレースよりも後)にカナダGPで「ピットシグナル」が問題となったレースがありました。シグナルが赤でなく黄色点滅だった状態にも問題がありますが、ドライバーはピットスタートを選んだようなもので、いくらなんでもグリッドに停止している状態を無視してトラックに戻れるわけがないでしょう(笑)
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スタート!久し振りにポールポジションから発進したプロストは是が非でもセナに前を明け渡さない。
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このサーキットはターン1でしのいでもターン2の切り返しも気が抜けない!

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両者はカジノストレートで並んだ後、プロストはシケインを直進しドライタイヤに履き替えるべくピットに向かいます(マクラーレンの前を走るベネトンのナニーニは黒旗失格です)
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ただフロントサスペンションを傷めていることが判明し、わずか2周で戦線離脱。トップはセナに易々と譲ることとなりました。
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トップ走行のセナもドライタイヤに履き替えると、ライバル達もこぞってドライタイヤに履き替え始めます。このウェットとドライの境界の判断、クロスオーバーがこういうレースをイタズラします。
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6周目にAGSのタルキーニがリジェをドライブするアルヌーと接触し、テールからグラベルへ。
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11周目に再び雨が降り出し、スタート直前のタイヤ交換で唯一黒旗失格を免れたミナルディのサラがガードレールの餌食に。ジル・ヴィルヌーブは場所によってはランオフエリアが全くありません。他のサーキットならよかったのにね。
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マーチのカペリは28周目にサラと同じ場所でコースオフ。行く先は、、
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サラの隣。現在のF1はコース外でもマシンは綺麗に撤収されますが、当時はレースが終わるまで置きっぱなしでした。まるで廃車工場みたいになっていますね。

ウィリアムズはブーツェンをタイヤ交換し、パトレーゼをステイアウトさせる戦略を採りレースを続けます。タイヤ交換を終えたブーツェンも他人事ではありません。カジノストレートで
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クル
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リン
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パと360°スピンをかましてまた加速。たまにありますね、こんな幸運も。
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多くがタイヤ交換を行う中、12番手スタートでタイヤ交換をせずウェットで粘りトップに躍り出たアロウズのワーウィックがタイヤ交換を終えて猛追するレインマスターに捕まります。
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ただトップに出たセナも再び降り始めた雨に敵いません。ヘヤピンを大外で回っていきます。
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これが適切なレインライン。ではなく、制御できないコンディションということ。
2位以下に大差を付けてこのままセナの優勝がみえてきた69周レースの66周目にセナのホンダエンジンが朽ち果てる。
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エンジンブローとなれば、レインマイスターは何も出来ません。一応完走扱いの7位入賞圏外フィニッシュ。
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優勝はこの方。ストレートでド派手なスピンをかましつつも、前を走るチームメイトのパトレーゼがフロアパネルを傷めてペースダウンしたところをパス。ウィリアムズのホワイト5、ブーツェンでした。


《決勝結果》

 1 T・ブーツェン  (ウィリアムズ・R・GY)
 2 R・パトレーゼ  (ウィリアムズ・R・GY)
 3 A・デ・チェザリス(ダラーラ・FC・PI)
 ※FCはフォード・コスワース、PIはピレリ

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最強マクラーレンが消えれば、ウィリアムズが台頭する。タイヤ交換を先走らなかったことが吉と出ました。83年にアロウズからデビューしたブーツェンはベネトンを経てこの年からトップチームに移籍したばかりでした。苦節7年、96戦目(84年第6戦モナコGPの予選不通過を含む)で6番手スタートから2回のタイヤ交換を行いつつの初優勝となりました。レース運びはまさしく「振り返ればブーツェン」というわけです。雨とクラッシュに翻弄された89年は決勝出走26台で完走扱いはたったの8台というカナダGPでした。

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今週末はレッドブルリンクでの二連戦目となります。先日このレッドブルリンク編はやってしまいましたし、かといって何もやらないのも勿体無いので、今回はこのタイミングでカナダGPの舞台であるジル・ヴィルヌーブサーキットでの優勝者の予選順位をまとめてみました。本来であればカナダGPは第6戦アゼルバイジャンGPの翌週6/13に決勝レースが予定されていました。そこがこのご時世で2年連続の中止となったため、フランスGPを繰り上げ、オーストリアでの二連戦という形になりました。miyabikun個人的には日本との時差は辛いけど、カナダGPは毎回何か荒れるし、サーキットの景色も綺麗なので好きなだけに残念でした。せめてこのブログの中だけでもカナダGPを開催させてあげたいなという思いです。

カナダGP自体の歴史は古く、1967年にオンタリオ州のモスポート・パークで開催されたのが発祥です。以降ケベック州のモン・トランブランでの開催をまじえて行われ、76年のモントリオールオリンピックのボート競技で使用された跡地の公園の周回路を使ったジル・ヴィルヌーブでの開催が定着するようになりました。このサーキットは開催当初はセント・ローレンス川の中洲の名前の通り「イル・ノートルダム」という名前で呼ばれましたが、地元の人気ドライバーであるG・ヴィルヌーブが初開催初優勝を挙げ、82年のベルギーGP予選で命を落としたこともあって、サーキット名を改称し現在に至ります。
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サーキットレイアウトは原型は保ちつつも時代によって軽微な変更を繰り返してきました。以前にも使った図の青線は最も古いレイアウトになりますが、コントロールラインを示すチェッカーフラッグの位置が今と異なり、ターン10のヘヤピンを通過した先、ストレートの手前にありました。現在の位置に移動したのは88年からとなります。
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02年を最後に現レイアウトになって久しいですがサーキットの「行きと帰り」で2種類の顔を持つレイアウトとなっています。「行き」は右へ左へ度々振られながら、浅いランオフエリアを突き進む区間が続きます。モンテカルロ市街地顔負けのギリギリさ。
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追い抜きは場所を選びますが、ライン採りの正確さはもちろんのこと、マシンのグリップやトラクション性能を問われます。
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ターン10にあたるヘヤピンを最深部として折り返す「帰り」は最終のシケインを除けばほぼストレートです。行きで忙しくしていた分、帰りはちょっとだけステア作業を休められます。ただ安心はできません。コントロールライン手前に近付くと、直進するピットレーンに対して本線は右側にシフト、壁スレスレを左に折れるシケインがあります。ココではフリー走行をはじめ予選、決勝でも多くのドライバーが壁の餌食となり、マシンを大破させていきました。
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その多くはストレートでのオーバースピードや一つ目の右の内側縁石への使い方を誤るケースです。ちょっとした気の緩みが制御不能から「即スクラップ」に繋がります。

長いストレートを有しつつも「行き」区間の右左右左の影響もあって、平均速度はさほど高くありません。先日記載した平均速度調べによると、86年以前の開催初期は180.5km/h、87年以降の近代までで205.9km/hとなっており、メキシコGPエルマノス・ロドリゲスの203.9km/hやアブダビGPヤス・マリーナの203.5km/hに近い水準。低速で名高いハンガロリンクより少し速く、今シーズン既に行われたバクー市街地やカタロニアに少し及ばないような速度域となります。
ブレーキを酷使し、さらにはストップアンドゴーを繰り返しますから、燃費も非常に悪いです。近年のF1はレース中の再給油を認めていませんので、ライバルに近付かれないようにしつつリフトアンドコーストを使って燃費管理も必要と、ドライバーのやること、注意点は多いです。

《ジル・ヴィルヌーブの歴代優勝者の予選順位》
 78 G・ヴィルヌーブ   予選3番手→優勝
 79 ジョーンズ     予選P.P.→優勝
 80 ジョーンズ ★      予選2番手→優勝
 81 ラフィ       予選10番手→優勝 濡
 82 ピケ(父)     予選4番手→優勝
 83 アルヌー      予選P.P.→優勝
 84 ピケ(父)     予選P.P.→優勝
 85 アルボレート    予選3番手→優勝
 86 マンセル      予選P.P.→優勝
 87 
 88 セナ ★         予選P.P.→優勝
 89 ブーツェン     予選6番手→優勝 濡
 90 セナ ★         予選P.P.→優勝 濡
 91 ピケ(父)     予選8番手→優勝
 92 ベルガー      予選4番手→優勝
 93 プロスト ★       予選P.P.→優勝
 94 M・シューマッハ ★ 予選P.P.→優勝
 95 アレジ       予選5番手→優勝
 96 D・ヒル       予選P.P.→優勝
 97 M・シューマッハ ★ 予選P.P.→優勝
 98 M・シューマッハ   予選3番手→優勝
 99 ハッキネン ★      予選2番手→優勝
 00 M・シューマッハ ★ 予選P.P.→優勝 濡
 01 R・シューマッハ   予選2番手→優勝
 02 M・シューマッハ ★ 予選2番手→優勝
 03 M・シューマッハ ★ 予選3番手→優勝
 04 M・シューマッハ ★ 予選6番手→優勝
 05 ライコネン     予選7番手→優勝
 06 アロンソ ★       予選P.P.→優勝
 07 ハミルトン     予選P.P.→優勝
 08 クビカ       予選2番手→優勝
 09
 10 ハミルトン     予選P.P.→優勝
 11 バトン       予選7番手→優勝 濡
 12 ハミルトン     予選2番手→優勝
 13 ベッテル ★       予選P.P.→優勝
 14 リカルド      予選6番手→優勝
 15 ハミルトン ★      予選P.P.→優勝
 16 ハミルトン     予選P.P.→優勝
 17 ハミルトン ★      予選P.P.→優勝
 18 ベッテル      予選P.P.→優勝
 19 ハミルトン ★      予選2番手→優勝
 20

 ★はその年のチャンピオン
 「濡」は雨もしくはウェットコンディション

1978年からの開催なので、データ数も多いですね。miyabikunや現役最年長のライコネンよりもちょっぴり先輩。近年2年以外にもカナダGP自体が行われなかったのが87年と09年の2回あります。
ジル・ヴィルヌーブ(当時はイル・ノートルダム)サーキットの初回優勝には地元のジル・ヴィルヌーブが輝いています。それも自身初優勝が地元とくれば、カナダとして誇らしい歴史です。優勝者のラインナップは★マーク付きのチャンピオンも多く、いつもながらのドライバーが名を連ねていますが、近年に目を向けても、チャンピオンであるあの方の名前がありません。G・ヴィルヌーブの息子、J・ヴィルヌーブがいません。J・ヴィルヌーブは96年にファステストラップを獲得するも、決勝最高位は2位止まりで、10回参戦で優勝を挙げることはできませんでした。
全40回のうち、近年特にM・シューマッハとハミルトンの名前が目立ちます。両者はこのサーキット最多タイの7回の優勝を挙げています。割合にすると全体の35%がこの2人というのも恐ろしい。また初優勝もチラホラみられ、先程のG・ヴィルヌーブ以外には89年の濡れた路面で終盤粘り勝ちしたブーツェン、昨年「過去のレース」でも振り返った95年のバースデーウィンとなったアレジ、07年はデビューわずか6戦目のハミルトン、BMWザウバーを初優勝(唯一優勝)に導いた08年のクビカ、そして上級クラスに進級して間も無く先輩より先にシーズン優勝を果たした14年のリカルドと6人も輩出しています。

 予選P.P.   →優勝:19回 47.5%
 予選2番手  →優勝:  7回 17.5%
 予選3番手  →優勝:  4回 10.0%
 予選4番手  →優勝:  2回   5.0%
 予選5番手  →優勝:  1回   2.5%
 予選6番手  →優勝:  3回   7.5%
 予選7番手  →優勝:  2回   5.0%
 予選8番手  →優勝:  1回   2.5%
 予選10番手→優勝:  1回   2.5%
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一昨年19年までの開催回数は全40回なので、割合もまあまあキリのいい数字になります。最多はいつもながらのポールポジションでおよそ半分の19回、47.5%でした。フロントロウウィンは26回、65.0%となりますが、以降も9番手スタートを除いて10番手までポツポツとウィナーがいます。先日のレッドブルリンクほどではありませんが、ポールポジションやフロントロウ以外からも優勝がある印象を受けます。

全ての後方スタートをみていくことはできませんが、いくつかをピックアップしたいと思います。まず開催4回目となる81年は画像からもわかるくらいビタビタに濡れたウェットレースとなりました(今とはコントロールラインの位置が異なります)IMG_0438
ブラバムを駆るポールポジションのピケはスタートで鈍り、前年80年チャンピオンで3番手スタートのジョーンズ、2番手のロイテマンのウィリアムズコンビに先行を許してしまいます。その後、トップのジョーンズがスピン、代わってトップに立つプロストも脱落。着実にウェット路面で順位を上げるリジェのラフィが10番手スタートからシーズン2勝目を挙げています。

89年は開幕から6戦連続ポールのかかったマクラーレンのセナをチームメイトのプロストが上回ってのポールを獲得。決勝スタート直前で雨は上がったものの、ドライに変わりつつある状況からまたも雨が降り、解読の難しいタイヤチョイスを問われました。多くのスピンやクラッシュにより一台、また一台と脱落する中、雨に強いセナがトップを快走しますが、69周レースの66周目にホンダエンジンが根を上げ、代わってトップに立ったウィリアムズのブーツェンが当時最遅となる参戦96戦目にして初優勝を挙げました。
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時代は一気に近代まで飛び、05年のカナダGPはドライ、それも路面温度50℃を超える環境で「1アタック予選」が行われ、ポールポジションはBAR・ホンダのバトンが獲得しました。
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決勝スタートではセカンドロウのルノー2台の猛ダッシュが決まり、フィジケラ、アロンソのオーダーに代わります。燃料をたっぷり積んだルノーはピットを引っ張る作戦に出ますが、予選を中団で終えたマクラーレンも同様の作戦であることが判明、ルノーとマクラーレンはピットを合わせこんできます。チームメイトバトルに負けたフィジケラが戦線離脱すると、トップのアロンソはマクラーレンのモントーヤにまくし立てられた際にウォールにヒットしスローダウン。マクラーレンのワンツーに代わります。ポールのバトンのクラッシュによりセーフティカーが入り、その間に2位に浮上したライコネンがピットイン、ステイアウトしたモントーヤは遅れて入っことが裏目となりピットレーンの信号無視で黒旗失格。ライコネンが7番手スタートから大逆転勝利となりました。
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以前「過去のレース」でも振り返ったことのある11年は当時F1界を席巻したレッドブルのベッテルがフェラーリを凌駕しポールポジションを獲得。決勝は予報通りのウェット路面。マクラーレンで予選5番手のハミルトンと7番手のバトンが同士討ちを皮切りに「荒れ模様」が始まります。徐々に雨足が強くなり、2時間の赤旗中断。
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再開後も各所でアクシデントがありつつ、ペナルティ含め6回ピットをこなしたバトンがファイナルラップでコースオフしたベッテルをかわし、7番手から4時間超えのレースを制しています。
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これ以外にも荒れる要素の一つとして雨が影響しています。ようやく上記「濡」表記が役立ったように感じます(笑)また先程書いた初優勝6人のうち、07年のハミルトンを除いた5人は「ポールポジション以外からの優勝」となっています。このことからもこのサーキットは雨のほか新人や若手にチャンスが巡るGPであることが言えます。穏やかな緑が生い茂る川辺の都会公園はいざF1になると、悪天候や気の緩みからのクラッシュにより多くの波乱やドラマを生んできました。IMG_0447

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