今回はオランダを代表するF1ドライバーは誰だの回です。答えは皆さんよくご存知の現チャンピオン、M・フェルスタッペンです。え、今回はさっくりと答えを先に明かしちゃうの?!タネ明かし早すぎだって、もっと引っ張らなきゃ!だって、他に思い浮かばないでしょう(笑)なんて言ってしまったら終わってしまいますので、一応通例通り各項目で評価していきましょう。
《オランダ人ドライバーの基礎情報》
人数 :15人
初参戦 :D・ヴァン・ダー・ロフ、
J・フリンターマン
(1952年第7戦オランダGP)
初フル参戦 :C・G・ド・ボーフォール
(1962年 ポルシェ)
表彰台経験者 :2人
初表彰台登壇者:J・フェルスタッペン(父)
(1994年第10戦ハンガリーGP)
優勝経験者 :1人
初優勝 :M・フェルスタッペン(子)
(2016年第5戦スペインGP)
P.P.経験者 :1人
初P.P. :M・フェルスタッペン(子)
(2019年第12戦ハンガリーGP)
チャンピオン :1人 1回
初チャンピオン:M・フェルスタッペン(子)
現役ドライバー:M・フェルスタッペン(子)
(2015年開幕戦〜現在)
初母国GP開催 :1952年第7戦
(ザントフォールト)
オランダは前回のベルギーの隣国であり、ドイツと北海に挟まれた三角に近い形をした国です。フランスとは接していません。オランダといえば「花の都」と例えられ、風車やチューリップ、ウサギのミッフィーと可愛らしくて自然豊かな風景を想像する方も多いと思います(F1ならフェルスタッペン家一択になりそうですが)標高が低く、四季があり、そして雨もそこそこ多いのが特徴です。
オランダで初めてF1をドライブしたのは、オランダで初めてF1を開催した1952年第7戦オランダGPで参戦を果たしたドリエス・ヴァン・ダー・ロフとヤン・フリンターマンの2人になります。ヴァン・ダー・ロフは予選14位で決勝リタイヤ。フリンターマンは予選15番手、決勝は9位完走となっています。初めてフル参戦を果たしたのが、62年にポルシェワークスから参戦していたカレル・ゴディン・ド・ボーフォールで参戦5年目にしてようやくのフル参戦となっています。ポルシェとF1の関係に欠かせない一人です。
90年以降はヨスとマックスによるフェルスタッペン家の印象が強くありますが、他にもパラパラとオランダ人ドライバーはいました。2005年のインディアナポリスで開催された決勝出走台数わずか6台の「激レアアメリカGP」参戦のアルバース、ミナルディやレッドブルを渡り歩いたドーンボス、マックスの一代先輩としていつ聞いてもイカつい名前のヴァン・デル・ガルデらは記憶されている方もいらっしゃるはず。
オランダGPの歴史も古く、F1制定3年目の52年に現在と同じ地のザントフォールトで行われました。一部非開催のシーズンはあるものの、50年代から80年代前半までは毎年のようにオランダGPはありました。しかし住民からの騒音問題等々によりオーストラリアGPや日本GPと入れ替わるようなタイミングでカレンダーからは外されていました。そして昨年、地元のマックスの活躍もあってカレンダーに復活。ずっと変わらずのザントフォールトでも、中間区間がテクニカルに、さらにF1復活開催を前にコーナーの数箇所にバンク(カント)を設け、高い速度のままコーナーに進入できるように改良されています。この新生オランダGPは2回目の開催となります。
《参戦数》
1 155戦 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
2 107戦 J・フェルスタッペン(父) 9pts
3 46戦 C・アルバース 8pts
4 45戦 J・ラマース 7pts
5 30戦 H・ロッテンガッター 6pts
6 29戦 C・G・ド・ボーフォール 5pts
7 19戦 G・ヴァン・デル・ガルデ 4pts
8 11戦 R・ドーンボス 3pts
9 9戦 G・ファン・レネップ 2pts
10 7戦 B・ハイエ 2pts
●は2022年現在現役ドライバー
データは2022年第14戦終了時
参戦数の上位10傑はこのようなラインナップになりました。最多は先日150戦目の節目を迎え、チャンピオン防衛にさらに力をつけるマックスです。2位はパパ、最近はラリーにもチャレンジするヨスが107戦となっています。3位も近代からのランクインで05年はミナルディ、06年はミッドランド、07年はスパイカーと下位チームからの参戦が続いたアルバースが46戦となっています。
アルバースくらいまでの長さなら普通なのですが、オランダ人って全般的に名前が他の国より長めに感じます。フェルスタッペンも読めば普通なのに、文字に起こすと意外と長い。文字で表現しているmiyabikunが毎回ブログで「どうにかおさまりよく記載するか」はフェルスタッペンの名前が基準になっています(笑)これより長い名前になると、またまたレイアウトに頭を抱えるのです(今回は特例だけど「マックス」や「タッペン」の表現は意地でもしない頑固さ)
《表彰台登壇回数》
1 71回 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
2 2回 J・フェルスタッペン(父) 9pts
表彰台経験者はフェルスタッペン家の2人のみ。さすが英才教育!ただ息子マックスは父ヨスの影が見えなくなるくらい突き離し、先日のベルギーGP終了時点で71回登壇となっています。どうなんでしょうね、やはり我が子に思い切り抜かれる方が幸せに感じるものでしょうか。逆に「くそぅ、俺を易々と超えやがって」となるのか。人それぞれですね。ヨスは一見後者っぽくも見えるけど、これまでの英才教育やGP帯同、コメントなどを聞くと、その思いは前者であってほしいなと信じています。マックスのこの記録は今後どんどん重ねていくことでしょう。
《優勝回数》
1 29勝 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
次は優勝回数。とうとうマックス独りぼっちになってしまいました。父ヨスも一時期は優勝も可能なチームに所属した時代があるものの、デビュー年94年の3位2回が限界で、残念ながらF1の表彰台の中央に立つことはできませんでした。
マックスの活躍は今F1をご覧になっている皆さんであれば周知の話。独りぼっちではあまり深く掘れないため、前回モナコの時のルクレールでやったのと同様に全29勝のレースとその時の予選順位を羅列して、時間を稼ぎたいと思います(笑)
〈優勝レースの予選順位〉
予選 決勝
16年第5戦 スペイン 4番手 優勝(-3)
17年第15戦マレーシア 3番手 優勝(-2)
17年第18戦メキシコ 2番手 優勝(-1)
18年第9戦 オーストリア 5番手※ 優勝(-3)
18年第19戦メキシコ 2番手 優勝(-1)
19年第9戦 オーストリア 3番手※ 優勝(-1)
19年第11戦ドイツ 2番手 優勝(-1)
19年第20戦ブラジル P.P. 優勝(±0)
20年第5戦 F1 70周年記念 4番手 優勝(-3)
20年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
21年第2戦 ロマーニャ 3番手 優勝(-2)
21年第5戦 モナコ 2番手 優勝(-1)
21年第7戦 フランス P.P. 優勝(±0)
21年第8戦 シュタイアーマルク P.P. 優勝(±0)
21年第9戦 オーストリア P.P. 優勝(±0)
21年第12戦ベルギー P.P. 優勝(±0)
21年第13戦オランダ P.P. 優勝(±0)
21年第17戦アメリカ P.P. 優勝(±0)
21年第18戦メキシコシティ 3番手 優勝(-2)
21年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
22年第2戦 サウジアラビア 4番手 優勝(-3)
22年第4戦 ロマーニャ P.P. 優勝(±0)
22年第5戦 マイアミ 3番手 優勝(-2)
22年第6戦 スペイン 2番手 優勝(-1)
22年第8戦 アゼルバイジャン 3番手 優勝(-2)
22年第9戦 カナダ P.P. 優勝(±0)
22年第12戦フランス 2番手 優勝(-1)
22年第13戦ハンガリー 10番手 優勝(-9)
22年第14戦ベルギー P.P. ※ 優勝(-13)
※ペナルティ昇降前の予選順位
こちらがマックス現時点の全優勝レースとその予選順位、順位昇降数になります。今回は優勝のみをピックアップしているため、昇降は-か±しかあり得ません。また、微妙に設けた隙間はシーズン単位でひとまとめにしている境目になります。この後出てくるデータと照らし合わせてご覧下さい。
特徴的なのは、近代の追い抜き困難となったF1において、ポールポジションからの優勝よりもそれ以下の順位からの逆転優勝の方が感覚的に多いように思えます。その「ポールポジションからの優勝」のイメージを植え付けたのがメルセデス時代のハミルトンであったり、先代のレッドブルの覇者であるベッテル達になるわけですが、マックスはその2人とはやや異なる系譜で29勝に達しています。それは昨年、今年こそレッドブルのマシンでポールポジションが獲得できるようになったわけで、それまでは「ポールポジションはメルセデスのもの」的時代が続き、当時のマックスとしてはそのメルセデスの隙や裏をかく戦術で優勝を掴むしかなかったというところでしょうか。そのような下積みやチームの頭脳も相まって、チャンピオンを獲得し、今日の最強に上り詰めてきました。これもファンそれぞれ受け取り方や関心が異なるところかもしれませんが、miyabikunはポールポジションからの逃げ切りよりかは「スタート二列目や三列目から、できればピット戦略でなくトラック上で追い抜きして優勝するパターン」が一番カッコいい勝ち方なんじゃないかと思っています。今現在、その勝ち方を可能とし、安定して実現できるのがマックスです。
〈年別勝率〉
15年 1年目 0勝/19戦 (0.0%)
16年 2年目 1勝/21戦 (4.8%)
17年 3年目 2勝/20戦 (10.0%)
18年 4年目 2勝/21戦 (9.5%)
19年 5年目 3勝/21戦 (14.3%)
20年 6年目 2勝/17戦 (11.8%)
21年 7年目 10勝/22戦 (45.5%)★
22年 8年目 9勝/14戦 (64.3%)※
トータル 29勝/155戦(18.7%)
★はドライバーズチャンピオン獲得年
※2022年は第14戦ベルギーGPまでのデータ
蛇足ですが、各シーズンの勝率を割り出してみました。デビュー直後のトロ・ロッソ(現アルファタウリ)時代の0勝は仕方ないにしても、レッドブルに移籍した2年目、それも移籍初戦でいきなり初優勝を挙げ、以降は毎年2勝以上を続けています。マックスのF1における地位、成長具合がよくわかる値だと思います。
実はこのブログとマックスは「同期」でもあり、始めた当初は冗談で「◯ソガキ」なんて表現していたこともあったのですが、今では口が裂けても◯ソガキなんて呼べない、実に成長し強いドライバーになりました。今では逆にマックスから「◯ソオヤジ」と呼ばれてしまいそうですね(笑)
《P.P.獲得回数》
1 16回 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
ポールポジションも当然マックスただ一人が記録し、その数は16回を重ねています。先程の優勝回数29回に対して、ポールポジションが16回というのは随分な差のように感じます。これは先程も書いたように、マックスの置かれた時代、特徴をよく示す数字であると共に、やはり「ポールポジションでなくても勝てる」という表れだと思います。こちらも優勝回数と同様に、全ポールポジションスタートの決勝順位と昇降数を並べてみます。
〈ポールスタートの決勝順位〉
予選 決勝
19年第12戦オーストリア P.P. 2位(+1)
19年第20戦ブラジル P.P. 優勝(±0)
20年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
21年開幕戦バーレーン P.P. 2位(+1)
21年第7戦 フランス P.P. 優勝(±0)
21年第8戦 シュタイアーマルク P.P. 優勝(±0)
21年第9戦 オーストリア P.P. 優勝(±0)
21年第10戦イギリス 2番手※ リタイヤ
21年第12戦ベルギー P.P. 優勝(±0)
21年第13戦オランダ P.P. 優勝(±0)
21年第14戦イタリア 3番手※ リタイヤ
21年第17戦アメリカ P.P. 優勝(±0)
21年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
22年第4戦 ロマーニャ P.P. 優勝(±0)
22年第9戦 カナダ P.P. 優勝(±0)
22年第11戦オーストリア P.P. 2位(+1)
※ペナルティ昇降前の予選順位
見方は優勝回数の時と同様ですが、こちらはポールポジションから順位を落とすケースもあるため、昇降数に-が無くなり+が加わってきます。また、±が付くレースについては優勝回数の時と重複します。
前戦ベルギーGPの「事実上のポールトゥウィン」を外すと、ポールトゥウィンは11回。ポールトゥウィン率は37.9%に過ぎません。ちなみにハミルトンは59.2%、ベッテルが58.5%、アロンソが43.8%となっており、現役のチャンピオン経験者の中では最小です。こういう勝ち方ができるドライバーだと、ファンとしては応援のし甲斐がありますし、仮にグリッドが二列目以降になっても、勝機があって楽しめますね。
〈年別ポールポジション獲得率〉
15年 1年目 0回/19戦 (0.0%)
16年 2年目 0回/21戦 (0.0%)
17年 3年目 0回/20戦 (0.0%)
18年 4年目 0回/21戦 (0.0%)
19年 5年目 2回/21戦 (9.5%)
20年 6年目 1回/17戦 (5.9%)
21年 7年目 10回/22戦 (45.5%)★
22年 8年目 3回/14戦 (21.4%)※
トータル 16回/155戦(10.3%)
★はドライバーズチャンピオン獲得年
※2022年は第14戦ベルギーGPまでのデータ
優勝編と同様に、こちらもシーズン別のポールポジション獲得率を算出しています。フェルスタッペンの戦績の特徴と言えるのが「初優勝は早かったのに、初ポールまではなかなか時間を要した点」です。初優勝はデビュー2年目の24戦目。初ポールは5年目の93戦を要しており、この数字はハミルトンやベッテル、アロンソはおろか、ルクレールやノリス、ラッセルやストロールによりも遅いことになります。なかなか苦労しましたよね。ただご存知の通り、何回ポールポジションを獲得しようが、1ポイントにもなりませんし「優勝する確率がほんの少し有利」に過ぎません(という言い方をすると、耳を覆いたくなる人一名)
《母国GP成績》1回につき5pts
〈P.P.〉
2021年 M・フェルスタッペン(レッドブル)5pts
〈優勝〉
2021年 M・フェルスタッペン(レッドブル)5pts
母国GPにおけるポールポジションおよび優勝者へのボーナス回です。権利はマックスにしかありませんし、獲得者もマックスしかいません。昨年の「新生オランダGP」で予想通りのポールトゥウィンでマックス祭りになりました。今シーズンはどうなることでしょうか。自慢のストレートは他に比べて短く、中低速コーナーで構成されるザントフォールトですが、そこで強そうなチームとマシンは何かひとネタぶっ込んで散らかってしまいそうだし、やっぱり今シーズンもマックスが獲って大気がオレンジに染まるのかなぁ。
《ドライバーズチャンピオン》1回につき10pts
2021年 M・フェルスタッペン(レッドブル)10pts ★
最後はチャンピオン獲得者です。マックスただ一人。そこは文句無し。ただ昨シーズンはややグレーな決まり方となり、シーズン終了後も尾を引く騒動があったわけですが、その点今シーズンの方が完璧に近い形になるのではないでしょうか。え、まだ今シーズンのチャンピオンはどうなるかわからないって?!確かに、失礼しました!まだどうなるかわかりませんね(笑)
とここまで、マックス以外に1位になった人はいましたか?!マックスだったでしょう。だからマックスなのです。証拠は以下でご確認下さい。
《オランダ人1GPの結果》
1 60pts M・フェルスタッペン(子)★
2 18pts J・フェルスタッペン(父)
3 8pts C・アルバース
4 7pts J・ラマース
5 6pts H・ロッテンガッター
6 5pts C・G・ド・ボーフォール
7 4pts G・ヴァン・デル・ガルデ
8 3pts R・ドーンボス
9 2pts G・ファン・レネップ
10 1pt B・ハイエ
60ポイントで1位となると、他の国に比べて低く見えてしまいますが、2位との差も大きく、マックスはこれからも成長を続けるドライバーです。母国レースやチャンピオン獲得で10年後はもっとポイントを多く積み重ねることになるでしょう。今回はオールドドライバーについてあまり深堀りせず、マックスの戦績のみでかさ増ししてしまいました。今回のオランダはまだ人数も少なく、1人突出したドライバーがいるのでまだわかりやすいです。問題はこの後、先日のイギリスやフランスに並ぶ難関国イタリアが待ち構えています。。自身が企画して言うのも何ですが、今から恐ろしいです。
JV「マックスもここまでよう育った。。」
「師匠、親父さんまだ『オレのお陰』言ってますぜ」
JV(おい、あれでナイショ話のつもりか?)
JV(全部聞こえているぞ。貴様、あとで裏に来い)
こ、怖ひ、、表彰式終わったら早く逃げて!!
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《オランダ人ドライバーの基礎情報》
人数 :15人
初参戦 :D・ヴァン・ダー・ロフ、
J・フリンターマン
(1952年第7戦オランダGP)
初フル参戦 :C・G・ド・ボーフォール
(1962年 ポルシェ)
表彰台経験者 :2人
初表彰台登壇者:J・フェルスタッペン(父)
(1994年第10戦ハンガリーGP)
優勝経験者 :1人
初優勝 :M・フェルスタッペン(子)
(2016年第5戦スペインGP)
P.P.経験者 :1人
初P.P. :M・フェルスタッペン(子)
(2019年第12戦ハンガリーGP)
チャンピオン :1人 1回
初チャンピオン:M・フェルスタッペン(子)
現役ドライバー:M・フェルスタッペン(子)
(2015年開幕戦〜現在)
初母国GP開催 :1952年第7戦
(ザントフォールト)
オランダは前回のベルギーの隣国であり、ドイツと北海に挟まれた三角に近い形をした国です。フランスとは接していません。オランダといえば「花の都」と例えられ、風車やチューリップ、ウサギのミッフィーと可愛らしくて自然豊かな風景を想像する方も多いと思います(F1ならフェルスタッペン家一択になりそうですが)標高が低く、四季があり、そして雨もそこそこ多いのが特徴です。
オランダで初めてF1をドライブしたのは、オランダで初めてF1を開催した1952年第7戦オランダGPで参戦を果たしたドリエス・ヴァン・ダー・ロフとヤン・フリンターマンの2人になります。ヴァン・ダー・ロフは予選14位で決勝リタイヤ。フリンターマンは予選15番手、決勝は9位完走となっています。初めてフル参戦を果たしたのが、62年にポルシェワークスから参戦していたカレル・ゴディン・ド・ボーフォールで参戦5年目にしてようやくのフル参戦となっています。ポルシェとF1の関係に欠かせない一人です。
90年以降はヨスとマックスによるフェルスタッペン家の印象が強くありますが、他にもパラパラとオランダ人ドライバーはいました。2005年のインディアナポリスで開催された決勝出走台数わずか6台の「激レアアメリカGP」参戦のアルバース、ミナルディやレッドブルを渡り歩いたドーンボス、マックスの一代先輩としていつ聞いてもイカつい名前のヴァン・デル・ガルデらは記憶されている方もいらっしゃるはず。
オランダGPの歴史も古く、F1制定3年目の52年に現在と同じ地のザントフォールトで行われました。一部非開催のシーズンはあるものの、50年代から80年代前半までは毎年のようにオランダGPはありました。しかし住民からの騒音問題等々によりオーストラリアGPや日本GPと入れ替わるようなタイミングでカレンダーからは外されていました。そして昨年、地元のマックスの活躍もあってカレンダーに復活。ずっと変わらずのザントフォールトでも、中間区間がテクニカルに、さらにF1復活開催を前にコーナーの数箇所にバンク(カント)を設け、高い速度のままコーナーに進入できるように改良されています。この新生オランダGPは2回目の開催となります。
《参戦数》
1 155戦 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
2 107戦 J・フェルスタッペン(父) 9pts
3 46戦 C・アルバース 8pts
4 45戦 J・ラマース 7pts
5 30戦 H・ロッテンガッター 6pts
6 29戦 C・G・ド・ボーフォール 5pts
7 19戦 G・ヴァン・デル・ガルデ 4pts
8 11戦 R・ドーンボス 3pts
9 9戦 G・ファン・レネップ 2pts
10 7戦 B・ハイエ 2pts
●は2022年現在現役ドライバー
データは2022年第14戦終了時
参戦数の上位10傑はこのようなラインナップになりました。最多は先日150戦目の節目を迎え、チャンピオン防衛にさらに力をつけるマックスです。2位はパパ、最近はラリーにもチャレンジするヨスが107戦となっています。3位も近代からのランクインで05年はミナルディ、06年はミッドランド、07年はスパイカーと下位チームからの参戦が続いたアルバースが46戦となっています。
アルバースくらいまでの長さなら普通なのですが、オランダ人って全般的に名前が他の国より長めに感じます。フェルスタッペンも読めば普通なのに、文字に起こすと意外と長い。文字で表現しているmiyabikunが毎回ブログで「どうにかおさまりよく記載するか」はフェルスタッペンの名前が基準になっています(笑)これより長い名前になると、またまたレイアウトに頭を抱えるのです(今回は特例だけど「マックス」や「タッペン」の表現は意地でもしない頑固さ)
《表彰台登壇回数》
1 71回 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
2 2回 J・フェルスタッペン(父) 9pts
表彰台経験者はフェルスタッペン家の2人のみ。さすが英才教育!ただ息子マックスは父ヨスの影が見えなくなるくらい突き離し、先日のベルギーGP終了時点で71回登壇となっています。どうなんでしょうね、やはり我が子に思い切り抜かれる方が幸せに感じるものでしょうか。逆に「くそぅ、俺を易々と超えやがって」となるのか。人それぞれですね。ヨスは一見後者っぽくも見えるけど、これまでの英才教育やGP帯同、コメントなどを聞くと、その思いは前者であってほしいなと信じています。マックスのこの記録は今後どんどん重ねていくことでしょう。
《優勝回数》
1 29勝 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
次は優勝回数。とうとうマックス独りぼっちになってしまいました。父ヨスも一時期は優勝も可能なチームに所属した時代があるものの、デビュー年94年の3位2回が限界で、残念ながらF1の表彰台の中央に立つことはできませんでした。
マックスの活躍は今F1をご覧になっている皆さんであれば周知の話。独りぼっちではあまり深く掘れないため、前回モナコの時のルクレールでやったのと同様に全29勝のレースとその時の予選順位を羅列して、時間を稼ぎたいと思います(笑)
〈優勝レースの予選順位〉
予選 決勝
16年第5戦 スペイン 4番手 優勝(-3)
17年第15戦マレーシア 3番手 優勝(-2)
17年第18戦メキシコ 2番手 優勝(-1)
18年第9戦 オーストリア 5番手※ 優勝(-3)
18年第19戦メキシコ 2番手 優勝(-1)
19年第9戦 オーストリア 3番手※ 優勝(-1)
19年第11戦ドイツ 2番手 優勝(-1)
19年第20戦ブラジル P.P. 優勝(±0)
20年第5戦 F1 70周年記念 4番手 優勝(-3)
20年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
21年第2戦 ロマーニャ 3番手 優勝(-2)
21年第5戦 モナコ 2番手 優勝(-1)
21年第7戦 フランス P.P. 優勝(±0)
21年第8戦 シュタイアーマルク P.P. 優勝(±0)
21年第9戦 オーストリア P.P. 優勝(±0)
21年第12戦ベルギー P.P. 優勝(±0)
21年第13戦オランダ P.P. 優勝(±0)
21年第17戦アメリカ P.P. 優勝(±0)
21年第18戦メキシコシティ 3番手 優勝(-2)
21年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
22年第2戦 サウジアラビア 4番手 優勝(-3)
22年第4戦 ロマーニャ P.P. 優勝(±0)
22年第5戦 マイアミ 3番手 優勝(-2)
22年第6戦 スペイン 2番手 優勝(-1)
22年第8戦 アゼルバイジャン 3番手 優勝(-2)
22年第9戦 カナダ P.P. 優勝(±0)
22年第12戦フランス 2番手 優勝(-1)
22年第13戦ハンガリー 10番手 優勝(-9)
22年第14戦ベルギー P.P. ※ 優勝(-13)
※ペナルティ昇降前の予選順位
こちらがマックス現時点の全優勝レースとその予選順位、順位昇降数になります。今回は優勝のみをピックアップしているため、昇降は-か±しかあり得ません。また、微妙に設けた隙間はシーズン単位でひとまとめにしている境目になります。この後出てくるデータと照らし合わせてご覧下さい。
特徴的なのは、近代の追い抜き困難となったF1において、ポールポジションからの優勝よりもそれ以下の順位からの逆転優勝の方が感覚的に多いように思えます。その「ポールポジションからの優勝」のイメージを植え付けたのがメルセデス時代のハミルトンであったり、先代のレッドブルの覇者であるベッテル達になるわけですが、マックスはその2人とはやや異なる系譜で29勝に達しています。それは昨年、今年こそレッドブルのマシンでポールポジションが獲得できるようになったわけで、それまでは「ポールポジションはメルセデスのもの」的時代が続き、当時のマックスとしてはそのメルセデスの隙や裏をかく戦術で優勝を掴むしかなかったというところでしょうか。そのような下積みやチームの頭脳も相まって、チャンピオンを獲得し、今日の最強に上り詰めてきました。これもファンそれぞれ受け取り方や関心が異なるところかもしれませんが、miyabikunはポールポジションからの逃げ切りよりかは「スタート二列目や三列目から、できればピット戦略でなくトラック上で追い抜きして優勝するパターン」が一番カッコいい勝ち方なんじゃないかと思っています。今現在、その勝ち方を可能とし、安定して実現できるのがマックスです。
〈年別勝率〉
15年 1年目 0勝/19戦 (0.0%)
16年 2年目 1勝/21戦 (4.8%)
17年 3年目 2勝/20戦 (10.0%)
18年 4年目 2勝/21戦 (9.5%)
19年 5年目 3勝/21戦 (14.3%)
20年 6年目 2勝/17戦 (11.8%)
21年 7年目 10勝/22戦 (45.5%)★
22年 8年目 9勝/14戦 (64.3%)※
トータル 29勝/155戦(18.7%)
★はドライバーズチャンピオン獲得年
※2022年は第14戦ベルギーGPまでのデータ
蛇足ですが、各シーズンの勝率を割り出してみました。デビュー直後のトロ・ロッソ(現アルファタウリ)時代の0勝は仕方ないにしても、レッドブルに移籍した2年目、それも移籍初戦でいきなり初優勝を挙げ、以降は毎年2勝以上を続けています。マックスのF1における地位、成長具合がよくわかる値だと思います。
実はこのブログとマックスは「同期」でもあり、始めた当初は冗談で「◯ソガキ」なんて表現していたこともあったのですが、今では口が裂けても◯ソガキなんて呼べない、実に成長し強いドライバーになりました。今では逆にマックスから「◯ソオヤジ」と呼ばれてしまいそうですね(笑)
《P.P.獲得回数》
1 16回 M・フェルスタッペン(子)● 10pts
ポールポジションも当然マックスただ一人が記録し、その数は16回を重ねています。先程の優勝回数29回に対して、ポールポジションが16回というのは随分な差のように感じます。これは先程も書いたように、マックスの置かれた時代、特徴をよく示す数字であると共に、やはり「ポールポジションでなくても勝てる」という表れだと思います。こちらも優勝回数と同様に、全ポールポジションスタートの決勝順位と昇降数を並べてみます。
〈ポールスタートの決勝順位〉
予選 決勝
19年第12戦オーストリア P.P. 2位(+1)
19年第20戦ブラジル P.P. 優勝(±0)
20年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
21年開幕戦バーレーン P.P. 2位(+1)
21年第7戦 フランス P.P. 優勝(±0)
21年第8戦 シュタイアーマルク P.P. 優勝(±0)
21年第9戦 オーストリア P.P. 優勝(±0)
21年第10戦イギリス 2番手※ リタイヤ
21年第12戦ベルギー P.P. 優勝(±0)
21年第13戦オランダ P.P. 優勝(±0)
21年第14戦イタリア 3番手※ リタイヤ
21年第17戦アメリカ P.P. 優勝(±0)
21年最終戦アブダビ P.P. 優勝(±0)
22年第4戦 ロマーニャ P.P. 優勝(±0)
22年第9戦 カナダ P.P. 優勝(±0)
22年第11戦オーストリア P.P. 2位(+1)
※ペナルティ昇降前の予選順位
見方は優勝回数の時と同様ですが、こちらはポールポジションから順位を落とすケースもあるため、昇降数に-が無くなり+が加わってきます。また、±が付くレースについては優勝回数の時と重複します。
前戦ベルギーGPの「事実上のポールトゥウィン」を外すと、ポールトゥウィンは11回。ポールトゥウィン率は37.9%に過ぎません。ちなみにハミルトンは59.2%、ベッテルが58.5%、アロンソが43.8%となっており、現役のチャンピオン経験者の中では最小です。こういう勝ち方ができるドライバーだと、ファンとしては応援のし甲斐がありますし、仮にグリッドが二列目以降になっても、勝機があって楽しめますね。
〈年別ポールポジション獲得率〉
15年 1年目 0回/19戦 (0.0%)
16年 2年目 0回/21戦 (0.0%)
17年 3年目 0回/20戦 (0.0%)
18年 4年目 0回/21戦 (0.0%)
19年 5年目 2回/21戦 (9.5%)
20年 6年目 1回/17戦 (5.9%)
21年 7年目 10回/22戦 (45.5%)★
22年 8年目 3回/14戦 (21.4%)※
トータル 16回/155戦(10.3%)
★はドライバーズチャンピオン獲得年
※2022年は第14戦ベルギーGPまでのデータ
優勝編と同様に、こちらもシーズン別のポールポジション獲得率を算出しています。フェルスタッペンの戦績の特徴と言えるのが「初優勝は早かったのに、初ポールまではなかなか時間を要した点」です。初優勝はデビュー2年目の24戦目。初ポールは5年目の93戦を要しており、この数字はハミルトンやベッテル、アロンソはおろか、ルクレールやノリス、ラッセルやストロールによりも遅いことになります。なかなか苦労しましたよね。ただご存知の通り、何回ポールポジションを獲得しようが、1ポイントにもなりませんし「優勝する確率がほんの少し有利」に過ぎません(という言い方をすると、耳を覆いたくなる人一名)
《母国GP成績》1回につき5pts
〈P.P.〉
2021年 M・フェルスタッペン(レッドブル)5pts
〈優勝〉
2021年 M・フェルスタッペン(レッドブル)5pts
母国GPにおけるポールポジションおよび優勝者へのボーナス回です。権利はマックスにしかありませんし、獲得者もマックスしかいません。昨年の「新生オランダGP」で予想通りのポールトゥウィンでマックス祭りになりました。今シーズンはどうなることでしょうか。自慢のストレートは他に比べて短く、中低速コーナーで構成されるザントフォールトですが、そこで強そうなチームとマシンは何かひとネタぶっ込んで散らかってしまいそうだし、やっぱり今シーズンもマックスが獲って大気がオレンジに染まるのかなぁ。
《ドライバーズチャンピオン》1回につき10pts
2021年 M・フェルスタッペン(レッドブル)10pts ★
最後はチャンピオン獲得者です。マックスただ一人。そこは文句無し。ただ昨シーズンはややグレーな決まり方となり、シーズン終了後も尾を引く騒動があったわけですが、その点今シーズンの方が完璧に近い形になるのではないでしょうか。え、まだ今シーズンのチャンピオンはどうなるかわからないって?!確かに、失礼しました!まだどうなるかわかりませんね(笑)
とここまで、マックス以外に1位になった人はいましたか?!マックスだったでしょう。だからマックスなのです。証拠は以下でご確認下さい。
《オランダ人1GPの結果》
1 60pts M・フェルスタッペン(子)★
2 18pts J・フェルスタッペン(父)
3 8pts C・アルバース
4 7pts J・ラマース
5 6pts H・ロッテンガッター
6 5pts C・G・ド・ボーフォール
7 4pts G・ヴァン・デル・ガルデ
8 3pts R・ドーンボス
9 2pts G・ファン・レネップ
10 1pt B・ハイエ
60ポイントで1位となると、他の国に比べて低く見えてしまいますが、2位との差も大きく、マックスはこれからも成長を続けるドライバーです。母国レースやチャンピオン獲得で10年後はもっとポイントを多く積み重ねることになるでしょう。今回はオールドドライバーについてあまり深堀りせず、マックスの戦績のみでかさ増ししてしまいました。今回のオランダはまだ人数も少なく、1人突出したドライバーがいるのでまだわかりやすいです。問題はこの後、先日のイギリスやフランスに並ぶ難関国イタリアが待ち構えています。。自身が企画して言うのも何ですが、今から恐ろしいです。
JV「マックスもここまでよう育った。。」
「師匠、親父さんまだ『オレのお陰』言ってますぜ」
JV(おい、あれでナイショ話のつもりか?)
JV(全部聞こえているぞ。貴様、あとで裏に来い)
こ、怖ひ、、表彰式終わったら早く逃げて!!
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