F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:エンジン

時代と共にポールポジションのタイムの変化をみるこの企画もこのヤス・マリーナにて最終回となります。律儀に中止GPのデータやおまけのサーキットを加えて行ってきたため、かなりの数をこなせたと思います。アブダビGP自体はまだ歴史が浅いから、データ採りとしては少し弱いでしょうか。みていきましょう。

IMG_7588
《ヤス・マリーナの基本情報》
    全長   :5.554km(2009〜)
 コーナー数:21箇所(2009〜)
   開催回数  :11回

ヤス島と呼ばれる島の南側に縦長で新設されたクローズドサーキットです。マリーナという名の通り、モナコのようなヨットハーバー、フェラーリ直営の遊園地に高級ホテルと観光名所になっていますが、島自体はまだ未開発の土地も多く、周辺は正直殺風景です。他のサーキットとの大きな違いとしては、サーキットの目と鼻の先に国際空港があるため、トランスポートや来場が楽な点でしょうか。逆方向に向かうと砂漠の中をさまようことになります。
開催初年の2009年から決勝レースは夕方にスタートし、終了は完全に夜という「ナイト(トワイライト)レース」が行われてきました。ご近所のバーレーンGPと同じですね。トラックは多くの投光器やイルミネーションに囲まれて、レース終了と共に花火が打ち上がる演出は中東レースのお決まりとなっています。サーキットレイアウトはココもヘルマン・ティルケが監修。長いストレートと中高速、直角コーナーからなり、コーナーは一部バンク角が逆に設置されていたり、立地の都合上ピットアウトレーンが本線トラックをアンダーパスするのも特徴的です。

《ヤス・マリーナの予選P.P.タイム変遷》
 09 5.554km 1分40秒948 100% ハミルトン
 10 5.554km 1分39秒394   98.5% ベッテル
 11 5.554km 1分38秒481   97.6% ベッテル
 12 5.554km 1分40秒630   99.7% ハミルトン
 13 5.554km 1分39秒957   99.0% ウェバー
 14 5.554km 1分40秒480   99.5% Nロズベルグ
 15 5.554km 1分40秒237   99.3% Nロズベルグ
 16 5.554km 1分38秒755   97.8% ハミルトン
 17 5.554km 1分36秒231   95.3% ボッタス
 18 5.554km 1分34秒794   93.9% ハミルトン
 19 5.554km 1分34秒779   93.9% ハミルトン

IMG_7583
09年から昨年19年の11年間ですので時代も新しく、記憶にあるものがほとんどですね。中間くらいの位置に大型レギュレーション変更の2014年を挟んでいるわけですが、これが意外にもあまり違和感無く1分40秒台を推移していますね。ポールポジションを獲得した所属チームをみていくと、初年09年はブラウンGPが薄れかけた頃のマクラーレン、10年から13年の4年間は一部ハミルトンが獲得するもののベッテルとウェバーのレッドブル最強時代、現パワーユニットに切り替わった14年からはロズベルグ、ハミルトン、ボッタスのお馴染みメルセデス組と「その時代の最速マシン」が獲得しています。シーズン終盤、最終戦ということもあり、ある程度成熟したマシンがヤス・マリーナを制しているという事になるのでしょうか。
もう少しタイムを掘り下げていくと、09年にハミルトンが記録した1分40秒948から2年連続で更新され、11年のベッテルは1分38秒481で2.5秒短縮しています。ところが翌12年にブロウン・ディフューザーが禁止されるとタイムが再び1分40秒630と2.2秒近く遅くなってしまっています。コーナリング時に大きなダウンフォースを得られるといわれたブロウン・ディフューザーの有無は大きな損失だったことがうかがえます。現パワーユニットに切り替わっても先程書いたようにタイム的には大きな差は無く推移していますが、16年は11年の最速タイムに接近し、17年にタイヤとウィングの幅広化がされるとタイムは急激に短縮に向かい、17年は対09年比較で4.7秒、最速となる昨年19年は6.1秒も速くなっています。11年と12年、最速の19年のセクター毎のタイムを比較してみます。

・広いトラックを流れるように走るセクター1
 11ベッテル  12ハミルトン 19ハミルトン
  17秒408   17秒627   16秒903
・長いストレート2本のセクター2
 11ベッテル  12ハミルトン 19ハミルトン
  41秒857   42秒620   40秒561
・ヨットを横目にカクカクのセクター3
 11ベッテル  12ハミルトン 19ハミルトン
  38秒933   40秒349   37秒235
● 1周ポールポジションタイム※
 11ベッテル  12ハミルトン 19ハミルトン
  1分38秒481  1分40秒630 1分34秒779

※セクター最速タイムを記載しているため、
 各セクターの合算とポールタイムに差があります

12年と19年を比較すると、全セクターで19年が速くなっており、中でもセクター3で3秒以上速いことに驚かされますね。ダウンフォースを単に削られた時代はタイムが遅くなり、タイヤやウィングを大きくしてグリップやダウンフォースを大きく受けられるようになるとタイムが速くなるという実に「素直な結果」となっていることがわかります。IMG_7586

ヤス・マリーナも開催された11年でサーキット全長に変更がありませんので、単純なタイム比較が可能です。これでタイム向上の様子は完結できるのですが、まだ尺が足りないので今回も一応平均速度換算を行ってみました。

《ヤス・マリーナの予選P.P.平均速度変遷》
 09 5.554km 198.1km/h 100% ハミルトン
 10 5.554km 201.2km/h 101.6% ベッテル
 11 5.554km 203.0km/h 102.5% ベッテル
 12 5.554km 198.7km/h 100.3% ハミルトン
 13 5.554km 200.0km/h 101.0% ウェバー
 14 5.554km 199.0km/h 100.5% Nロズベルグ
 15 5.554km 199.5km/h 100.7% Nロズベルグ
 16 5.554km 202.5km/h 102.2% ハミルトン
 17 5.554km 207.8km/h 104.9% ボッタス
 18 5.554km 210.9km/h 106.5% ハミルトン
 19 5.554km 211.0km/h 106.5% ハミルトン

IMG_7582
割合はタイムと相反する形となるため実に単純です。ヤス・マリーナ一周の平均速度は200km/h台から近年10km/h以上向上しています。平均としてみれば意外にもハンガロリンクと近いような速度域に相当します。長いストレートで速度を稼ぎつつもやはり最終セクター3に続く中低速コーナーによってその速度は打ち消されてしまうんですね。起伏も比較的小さく一見市街地サーキットのような雰囲気にみえて、完全なクローズドであり煌びやかな演出が映える近代サーキットのヤス・マリーナ。近年はチャンピオン争いが決定後に行われることもあり、どちらかといえば肩の力を抜きながら見過ごしてしまうレースっぽいイメージが強いですが、サーキット単体でみれば、まあまあバランスの取れたレイアウトなっているのではないかなと思います。


これまで現役サーキットをはじめ、非開催でもどうにかこじつけて多くのサーキットのポールポジションタイムを比較検証してきました。今後はこれらデータを使い「予選でみるF1最速シーズン」みたいな検証に繋げられたらいいなと考えています。今年はもう残り少なく、あまり時間も無いため、年明けシーズン前の暇そうな時間にでもまとめた結果をお伝えできたらと思います。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

久し振りにトルコのF1が観られるぞー!miyabikun個人的に今からとてもテンションが上がっております(笑)数多くある「ティルケ作品」でも秀逸な作品と評されるイスタンブールパークサーキットと現代F1のコラボレーションで、果たしてどんなタイムが出ちゃうのか、「ターン8」を張り付くように旋回しちゃうのか、興味とその興奮ばかりが高なります。そんなレースの前に今まで7回行われた一昔前のポールポジションタイムをおさらいしておきましょう。

IMG_6889
《サーキットの基本情報》
 イスタンブールパークサーキット
    全長   :5.338km(2005〜)
 コーナー数:14箇所(2005〜)
   開催回数  :7回

ニュルブルクリンクやイモラと比べると、初開催はさほど古くない2005年です。それまではトルコ=F1って正直ピンと来ない国の一つでしたが、2011年までの7シーズンにわたりF1カレンダーを担っていました。7年のうち、初めの3年は8月の夏開催、残る4年は5月〜6月の初夏に行われており、11月中盤の冬に差し掛かる時期は初になります。IMG_2046
平面で見れば「葉の上で背伸びするイモムシ」のような可愛らしく、単純なレイアウトに見えます。これに「高低差」という要素を加えると、これがなかなか複雑で高難易度のサーキットに仕立て上げられます。また、最近この言葉ばかり言っている気がしないでもないですが、このサーキットもイモラと同様の左回り(反時計回り)です。
ターン1は同じ左回りのブラジルのホセ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス)を彷彿とさせる下りブラインド複合コーナーが立ちはだかります。IMG_1261
こちらがちょっと引きで見たホセ・カルロス・パーチェIMG_2240
そしてこれがイスタンブールパーク。まあまあ似ているでしょう。違いは「セナがいるかいないか」と、ピットアウトレーンの取り付き方。ブレーキングで頑張り過ぎると、タイヤが白い煙を吐きながら悲鳴を上げます。
IMG_6887
その後は最近増えつつあるジグザグコーナーをリズミカルに抜けると、このサーキット最難関と呼ばれ、こちらも下りながら進入していく複合コーナー「ターン8」がドライバー達に度胸と的確なライン採りを試す。
IMG_6888
コーナー数が14って、近代のサーキットの中では少なめですよね。この4つの左コーナーを一つずつ数えれば、このサーキットのコーナー数は17なので多過ぎず、少な過ぎずでちょうどいい。ココの強烈な横Gに耐え抜いた者だけが「サーキット攻略」の合格印を受け取れます。
トラック終盤は右に屈曲するストレートの先にある鋭角なターン12。レースではターン1の飛び込みとココが格好のパッシングポイントになるのではないでしょうか。

《イスタンブールパークの予選P.P.タイム変遷》
 05 5.338km 1分26秒797 100%   ライコネン
 06 5.338km 1分26秒907 100.1% マッサ
 07 5.338km 1分27秒329 100.6% マッサ
 08 5.338km 1分27秒617 100.9% マッサ
 09 5.338km 1分28秒316 101.8% ベッテル
 10 5.338km 1分26秒295   99.4% ウェバー
 11 5.338km 1分25秒049   98.0% ベッテル

サンプル数は7回と少ないものの、サーキット全長は変わらずの5.338kmと比較しやすく、その中でも多少なりの差が表れています。
IMG_6852
以前にレースを振り返ったこともある開催初年05年は当時マクラーレンに所属したライコネンがサーキット初ポールとなる1分26秒797をマークし、以降しばらくはこのタイムを上回る者が現れませんでした。05年は3.0ℓV10エンジン最終年であり、翌年06年から2.4ℓV8エンジンに小型化されています。出力や排気量はダウンしたものの、回転数を高くし、さらには空力付加物(各種ウィング等)でダウンフォースを補う形にシフトしたわけですが、段階的な速度低下の措置に阻まれて、このイスタンブールパークにおいてはタイム向上に繋がりませんでした。ウィング類を「素っ裸」にされてダウンフォースを一気に削られた09年は初年05年比102%のタイムにまで落ち込んでいます。
開催6回目にあたる2010年は空力に長けたレッドブルが台頭し、前年09年と同じチームであるにもかかわらず、ウェバーが2秒も短縮する1分26秒295で走破。そして最終年12年に同じレッドブルのベッテルがウェバーからさらに1.2秒も速い1分25秒049でポールポジションを獲得。これが現時点でのイスタンブールパーク最速ポールとなっています。
IMG_6890

全長に変更の無いサーキットは今まで平均速度比較を止めてきたのですが、インテルラゴスのネタまで絡めて盛った割に、やはり物足りないですね。今回はせっかくの復活開催ですから、参考までに平均速度比較も載せることにしました。

《イスタンブールパークの予選P.P.平均速度変遷》
 05 5.338km 221.4km/h 100%   ライコネン
 06 5.338km 221.1km/h   99.9% マッサ
 07 5.338km 220.1km/h   99.4% マッサ
 08 5.338km 219.3km/h   99.1% マッサ
 09 5.338km 217.6km/h   98.3% ベッテル
 10 5.338km 222.7km/h 100.6% ウェバー
 11 5.338km 225.9km/h 102.1% ベッテル
IMG_6854
タイム差グラフは短い方が速いことを示しますが、速度グラフは長い方が速い。距離が同じなので、先程のタイム差で出た割合の単純に裏返しとなります。最速は最終年11年の225.9km/h、最遅は09年の217.6km/hでどちらもレッドブルのベッテルによるポールポジションです。2年間で4%、8.3km/hの増加ということで、F1はいつもながら著しいマシン向上がなされていることを実感しますね。9年の時を経て、重量は増えどハイブリッドパワーユニットを搭載した現代のF1マシンは果たしてどれだけの進化向上をみせてくるのでしょうか。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

日が短く肌寒い時期になると日本GPの到来を感じます。しかし残念ながら今年はお預け。ドイツのニュルブルクリンクで行われる「アイフェルGP」が急遽代理開催されます。今シーズンのGPウィーク直前にみてきた開催サーキットの歴代ポールポジションタイム推移ですが、ニュルブルクリンクについては先日のバクー市街地を取り扱った際に勢い余って一緒にやってしまっていました。だってまさかニュルブルクリンクでF1が行われると思わなかったんだもん。。
IMG_3622
IMG_3623(これはその際に作成、掲載したグラフの転記)
となればやっぱりこのタイミングでやるのが一番!日本GPが無いなら頭の中で妄想すればいい(笑)我らが鈴鹿サーキットの歴代ポールポジションをみていきましょうよ。

image
《鈴鹿の基本情報》
    全長   :5.859km(1987〜90)
       5.864km(1991〜01)
       5.821km(2002)
       5.807km(2003〜)
 コーナー数:18箇所(2003〜)
   開催回数  :31回

日本GP、鈴鹿サーキットとなればmiyabikunよりも詳しい方は山程いらっしゃると思います。他のサーキットと同様に今回もチラッと概要を一応記しておくと、本田技研工業によって日本初となる本格的な舗装サーキットとして1962年に開設されたサーキットになります。世界のトップグレードのサーキットでも珍しい「8の字」を描くレイアウトで1987年から2年の空白期間を経つつ、現在まで日本GPの舞台を担っています。起伏に富んだ地形に高速、複合コーナー、そしてシケインを有す難易度の高さもあって、F1カレンダーの中でも「ドライバーズサーキット」の一つとしてファンのみならずドライバーや関係者からも人気のサーキットでもあります。ただ日本はヨーロッパからの遠隔地ということもあり、毎年9月末から10月頃の開催とシーズン終盤に設定されるため、時には台風の直撃、また時にはチャンピオン決定の舞台として、今までのF1に多くの試練と感動を与えてくれました。また空白期間となっている07,08年の2年はトヨタ系の富士スピードウェイでの日本GP開催により鈴鹿での連続開催が一旦途絶えています。
今のところ鈴鹿での日本GPは来年2021年までの契約となっていますので、何事も無ければ来シーズンは鈴鹿でF1は行われるはずです。しかしその先が怪しい雲行きになってきましたね。「あちらもこちらも揃って21年限り」とならなければいいのですが。「大阪万博」まではまだかなり時間があるし、もしそうなったらそちらを前倒しにしちゃいますか?!(笑)
サーキットレイアウトの変更は数回あるものの、基本の形は大きく変わりません。前に作図したもので確認しておきます。
image
 ・1987〜90年 5.859km 水色(オリジナル)
 ・1991〜01年 5.864km 赤色(シケイン改良)
 ・2003〜現在 5.807km 黒色(130R改良)

91年に当時「カシオ・トライアングル」と呼ばれた速度抑制のシケイン形状が変わり、若干距離が伸びました。また近年03年に超高速左コーナー「130R」が改良され、今や130Rではない複合コーナーとなって現在に至ります。近年とはいいつつも、もう18年間同じレイアウトが保たれているということ。大きな変更が無いという時点で、オリジナルレイアウトは現代にも通用する完成度の高さであったといえますが、欲を言えば幅員の狭さやパッシングポイントが現代にはやや物足りないものになっています。

《鈴鹿の予選P.P.タイム変遷》
 87 5.859km 1分40秒042 ベルガー
 88 5.859km 1分41秒853 セナ
 89 5.859km 1分38秒041 セナ
 90 5.859km 1分36秒996 セナ
 91 5.864km 1分34秒700 ベルガー
 92 5.864km 1分37秒360 マンセル
 93 5.864km 1分37秒154 プロスト
 94 5.864km 1分37秒209 Mシューマッハ
 95 5.864km 1分38秒023 Mシューマッハ
 96 5.864km 1分38秒909 Jヴィルヌーブ
 97 5.864km 1分36秒071 Jヴィルヌーブ
 98 5.864km 1分36秒293 Mシューマッハ
 99 5.864km 1分37秒470 Mシューマッハ
 00 5.864km 1分35秒825 Mシューマッハ
 01 5.864km 1分32秒484 Mシューマッハ
 02 5.821km 1分31秒317 Mシューマッハ
 03 5.807km 1分31秒713 Rシューマッハ
 04 5.807km 1分33秒542 Mシューマッハ
 05 5.807km 1分46秒106 Rシューマッハ
 06 5.807km 1分29秒599 マッサ
 07
 08 
 09 5.807km 1分32秒160 ベッテル
 10 5.807km 1分30秒785 ベッテル
 11 5.807km 1分30秒466 ベッテル
 12 5.807km 1分30秒839 ベッテル
 13 5.807km 1分30秒915 ウェバー
 14 5.807km 1分32秒506 Nロズベルグ
 15 5.807km 1分32秒584 Nロズベルグ
 16 5.807km 1分30秒647 Nロズベルグ
 17 5.807km 1分27秒319 ハミルトン
 18 5.807km 1分27秒760 ハミルトン
 19 5.807km 1分27秒064 ベッテル

image
まずはいつものポールポジションタイムをみていきましょう。当初は5.8kmで1分40秒を要していたラップタイムも30年で13秒削る1分30秒かからないところまでF1は進化しました。ポールポジションを獲得した面々をみてもチャンピオン級のビッグネームが多く、同じドライバーが複数回登場するなど「得意不得意」が表れています。
飛び出たタイムをみると、開催2年目、時はちょうど「マクラーレン、ホンダ、セナ」にわく88年はターボの過給圧が2.5バールに制限されて1.8秒の遅れがみられています。無敵を誇るマクラーレンMP4/4ではありますが、過給圧低下は起伏のある鈴鹿においては不利側に働きました。またグラフ中央付近にそびえる05年の1分46秒106は記憶にある方も多いと思います。鈴鹿泣かせの一つである「雨」でしたね。当時の予選方式は今とは異なり「前戦の成績の悪い順に1本だけ走る」というもので、予選が進めば進むほど雨足が強くなったため、シーズン上位のドライバーがこぞって後方スタートという、まるで「リバースグリッド」のような状態でした。それが決勝レースをいつも以上に盛り上げ、面白く演出したというのも皮肉な話です。この年のドライ環境では当時マクラーレンの代走デ・ラ・ロサがフリー走行1回目で1分30秒532で走破。また決勝の最終周で劇的勝利を手にしたライコネンはその最終周で前年のポールポジションを上回る1分31秒540というファステストラップを記録しています。そのタイムは昨年19年のハミルトンが塗り替えるまで14年に渡って最速を保持していました。これだけのマシンの性能をここまで低下させてしまう雨はF1にとって天敵であり、ライバルとイコールコンディションを生みます。
鈴鹿の最速ポールポジションタイムとして長らく定着していたのは91年にマクラーレンを駆るベルガーが記録した1分34秒700が有名でした。ホンダ3.5ℓV12のNAエンジンで打ち立てたその記録を初めて抜いたのが、10年後となる01年のM・シューマッハのフェラーリ3.0ℓV10エンジンで1分32秒484でした。さらにNAエンジンでの最速はその5年後の2.4ℓV8のマッサによる1分29秒599となります。排気量が小さくコンパクトなエンジンを高回転に回せた方が速いラップを刻めたということですね。もちろんエンジンだけの問題ではなく、ボディワークも洗練され、迅速なコーナリングができるようになったのも強力な後ろ盾になりました。ちなみに同じ06年のQ2でのM・シューマッハはマッサをも上回る1分28秒954で走破しています。
近年3年は鈴鹿においても例外無くタイム向上が著しく、台風により「日曜予選」となった19年の眉唾モノのベッテルによって記録された1分27秒064が現在の鈴鹿最速タイムとなります。今シーズンがもし健全に、ドライ環境で行われていれば1分26秒台も夢ではありませんでしたね。もちろん「黒いチーム」で。
FullSizeRender

《鈴鹿の予選P.P.平均速度変遷》
 87 5.859km 210.8km/h 100%    ベルガー
 88 5.859km 207.1km/h   98.2% セナ
 89 5.859km 215.1km/h 102.0% セナ
 90 5.859km 217.5km/h 103.1% セナ
 91 5.864km 222.9km/h 105.7% ベルガー
 92 5.864km 216.8km/h 102.8% マンセル
 93 5.864km 217.3km/h 103.1% プロスト
 94 5.864km 217.2km/h 103.0% Mシューマッハ
 95 5.864km 215.4km/h 102.1% Mシューマッハ
 96 5.864km 213.4km/h 101.2% Jヴィルヌーブ
 97 5.864km 219.7km/h 104.2% Jヴィルヌーブ
 98 5.864km 219.2km/h 104.0% Mシューマッハ
 99 5.864km 216.6km/h 102.7% Mシューマッハ
 00 5.864km 220.3km/h 104.5% Mシューマッハ
 01 5.864km 228.3km/h 108.3% Mシューマッハ
 02 5.821km 229.5km/h 108.8% Mシューマッハ
 03 5.807km 227.9km/h 108.1% Rシューマッハ
 04 5.807km 223.5km/h 106.0% Mシューマッハ
 05 5.807km 197.0km/h   93.4% Rシューマッハ
 06 5.807km 233.3km/h 110.7% マッサ
 07
 08 
 09 5.807km 226.8km/h 107.6% ベッテル
 10 5.807km 230.3km/h 109.2% ベッテル
 11 5.807km 231.1km/h 109.6% ベッテル
 12 5.807km 230.1km/h 109.2% ベッテル
 13 5.807km 229.9km/h 109.1% ウェバー
 14 5.807km 226.0km/h 107.2% Nロズベルグ
 15 5.807km 225.8km/h 107.1% Nロズベルグ
 16 5.807km 230.6km/h 109.4% Nロズベルグ
 17 5.807km 239.4km/h 113.6% ハミルトン
 18 5.807km 238.2km/h 113.0% ハミルトン
 19 5.807km 240.1km/h 113.9% ベッテル

image
平均速度変換するとこうなります。当初の鈴鹿の速度域は210km/hを超えるあたりと、当時でいうニュルブルクリンク(GPコース)やポールリカール(ショートコース)、現在のハンガロリンクに相当する中速域にありました。それが年々速度を上げ、02年のV10NA時代で230km/h弱、20,000回転近くまで回せる06年V8NA時代では230km/hを超えるところまで上昇し、一般的に高速の位置付けである当時のシルバーストンに匹敵するまでになりました。昨年が最速となるハイブリッドターボ時代の240km/hは現在のシルバーストンやスパ・フランコルシャンには及ばないものの、起伏があり、幅員やレコードラインが狭い中でこれだけの速度域となることを考えると、鈴鹿でのラップは容易なものでなく、世界屈指の難サーキットであることが想像できますね。

image
皆さん、今週末は間違って鈴鹿に行かないようにして下さいね!Go ToもF1も残念ですが対象外ですよー(笑)

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

イギリスのシルバーストン、モナコのモンテカルロ市街地、ベルギーのスパ・フランコルシャンと並ぶF1を代表するサーキット。イタリアのモンツァサーキットですね。紅一色に染まるフェラーリの聖地、いやF1の聖地の変遷をみていきましょう。
FullSizeRender
《モンツァの基本情報》
    全長   :  6.300km(1950〜54)
       10.000km(1955,56,60,61)
         5.750km(1957〜59,62〜71)
         5.775km(1972,73)
         5.780km(1974,75)
         5.800km(1976〜94)
         5.770km(1995〜99)
         5.793km(2000〜)
 コーナー数:11箇所(2000〜)
   開催回数  :69回

イタリアを代表する大都市ミラノからほど近いモンツァの緑豊かな国立公園の中にサーキットがあります。シルバーストンやモンテカルロ、先日のスパ・フランコルシャンと同様に、古さの数だけ歴史と変化があります。それらよりも頭一つ出ている点の一つに「F1開催回数」があります。F1は今年で70周年を迎えましたが、フルで行われると71回のGPになる計算です。ところがモンツァで今まで開催されたのは69回。今週末無事に開催されれば70回目です。多いと思われがちなモンテカルロ市街地は66回、シルバーストンは今シーズンの2回を含めても55回、そしてスパ・フランコルシャンが53回ですので、モンツァは1980年シーズンを除いた全てでイタリアGPを行ってきた「キング・オブ・F1サーキット」なのです。大きな変更はなくとも、いくつもの大きな事故が起き、その度に軽微な改良を経て現在に至ります。過去に作図したサーキットレイアウトを使って、手短にみていきます。image
・1950〜54年             6.300km 灰色(オリジナル)
・1955,56,60,61年    10.000km 赤色(オーバル使用)
・1957〜59,62〜71年 5.750km 黄緑(オーバル廃止)image
・1972,73年   5.775km 紫色(シケイン追加)
・1974,75年   5.780km 土色(シケイン変更)
・1976〜94年 5.800km 水色(シケイン追加)
image
・1995〜99年 5.770km 桃色(グランデ改良)
・2000〜現在 5.793km 黒色(シケイン変更)

以前も3つのグループに分けて描きました。一つ目のグループは1950年から70年台初頭まで使用されたレイアウトになります。今でこそ丸みを帯びた「靴下」のような線形をなしていますが、F1制定当初はシケインも無く最終セクションは角張ったコーナーでした。またF1で唯一綺麗なオーバルを組み合わせたレイアウトを採用し「メインスタンドを2回通過する」という唯一無二のサーキットだった時代もありました。
二つ目は70年台から90年台中盤までに使用されたグループになります。死亡事故が起きる度にシケインを増やし、また位置を変え、この高速サーキットにも「速度抑制」を取り入れることとなりました。
現在のレイアウトは2000年から使用されています。2000年と聞くとまだまだ最近の出来事のように感じますが、もうかれこれ今年で20年経ちます。カレンダーに並ぶ各サーキットの中でも、これだけ長い期間に渡って使用されているのはオーストラリアGPで使用されるアルバートパークとこのモンツァくらいではないでしょうか。アルバートパークの方は近々レイアウト変更が予定されていますね。一時期はサンマリノGPで使用されたエンツォ・ディノ・フェラーリ(イモラ)サーキットへ「イタリアGP移設案」の噂に挙がりつつも、今のところは2025年までこのモンツァで継続開催されることが発表されました。果たしていつまでこのレイアウトで行われるのか、個人的にかなり興味深いです。

《モンツァの予選P.P.タイム変遷》
まずはいつものポールタイムがずらっと並びます。先程も書いた通り、F1最多の69回ですからね。覚悟はよろしいですか?!とても付き合いきれないよという方は、グラフまでどうぞひとっ飛びしちゃって下さい。一応miyabikunめげずに一生懸命書きましたからね(笑)
 50   6.300km 1分58秒300 ファンジオ
 51   6.300km 1分52秒300 ファンジオ
 52   6.300km 2分05秒700 アスカリ
 53   6.300km 2分02秒700 アスカリ
 54   6.300km 1分59秒000 ファンジオ
 55 10.000km 2分46秒500 ファンジオ
 56 10.000km 2分42秒600 ファンジオ
 57   5.750km 1分42秒400 Lエバンス
 58   5.750km 1分40秒500 モス
 59   5.750km 1分39秒700 モス
 60 10.000km 2分41秒400 Pヒル
 61 10.000km 2分46秒300 Vトリップス
 62   5.750km 1分40秒350 クラーク
 63   5.750km 1分37秒300 サーティース
 64   5.750km 1分37秒400 サーティース
 65   5.750km 1分35秒900 クラーク
 66   5.750km 1分31秒300 パークス
 67   5.750km 1分28秒500 クラーク
 68   5.750km 1分26秒070 サーティース
 69   5.750km 1分25秒480 リント
 70   5.750km 1分24秒140 イクス
 71   5.750km 1分22秒400 エイモン
 72   5.775km 1分35秒650 イクス
 73   5.775km 1分34秒800 ピーターソン
 74   5.780km 1分33秒160 ラウダ
 75   5.780km 1分32秒240 ラウダ
 76   5.800km 1分41秒350 ラフィ
 77   5.800km 1分38秒080 ハント
 78   5.800km 1分37秒520 アンドレッティ
 79   5.800km 1分34秒580 ジャブイユ
 80 
 81   5.800km 1分33秒467 アルヌー
 82   5.800km 1分28秒473 アンドレッティ
 83   5.800km 1分29秒122 パトレーゼ
 84   5.800km 1分26秒584 ピケ
 85   5.800km 1分25秒084 セナ
 86   5.800km 1分24秒078 Tファビ
 87   5.800km 1分23秒460 ピケ
 88   5.800km 1分25秒974 セナ
 89   5.800km 1分23秒720 セナ
 90   5.800km 1分22秒533 セナ
 91   5.800km 1分21秒114 セナ
 92   5.800km 1分22秒221 マンセル
 93   5.800km 1分21秒179 プロスト
 94   5.800km 1分23秒844 アレジ
 95   5.770km 1分24秒462 クルサード
 96   5.770km 1分24秒204 Dヒル
 97   5.770km 1分22秒990 アレジ
 98   5.770km 1分25秒289 Mシューマッハ
 99   5.770km 1分22秒432 ハッキネン
 00   5.793km 1分23秒770 Mシューマッハ
 01   5.793km 1分22秒216 モントーヤ
 02   5.793km 1分20秒264 モントーヤ
 03   5.793km 1分20秒963 Mシューマッハ
 04   5.793km 1分20秒089 バリチェロ
 05   5.793km 1分21秒054 モントーヤ
 06   5.793km 1分21秒484 ライコネン
 07   5.793km 1分21秒997 アロンソ
 08   5.793km 1分37秒555 ベッテル
 09   5.793km 1分25秒066 ハミルトン
 10   5.793km 1分21秒962 アロンソ
 11   5.793km 1分22秒275 ベッテル
 12   5.793km 1分24秒010 ハミルトン
 13   5.793km 1分23秒755 ベッテル
 14   5.793km 1分24秒109 ハミルトン
 15   5.793km 1分23秒397 ハミルトン
 16   5.793km 1分21秒135 ハミルトン
 17   5.793km 1分35秒554 ハミルトン
 18   5.793km 1分19秒119 ライコネン
 19   5.793km 1分19秒307 ルクレール


長かったですね。書いた後、毎回一応ちゃんと確認はしているのですが、1秒や0.001秒間違えているかもしれません。もし誤りに気付かれた方がいましたらおっしゃってください。これらをグラフにおこしてみましょう。
image
色の塗られているエリアより、塗られていないエリアが多いという、グラフとしてかなりもったいない形になりました。こうなっちゃった理由はただ一つ、薄いグレーで描かれたいつもの倍近い10kmの全長となる「オーバル追加期間」があるためです。この前のエルマノス・ロドリゲスにもあった「ぴったり」10kmって本当なのだろうか。グラウンドとかで距離を測るあの「コロコロ」がちょっと弾んだりしたら多少の誤差は生まれそうだけど、、先人を信じましょう!4本のオーバル期間グラフのおかげで、他の時代の細かなタイム差が打ち消されてしまっていますね。オーバルとトリップスさんには申し訳ないですが、この区間を除外して再作図してみました。image
これで少しはメリハリが出たでしょうか。いつもの通り、レイアウトの色とグラフの色は統一していません。ごめんなさい。同じモンツァとはいえ、初代の黒帯と現代のオレンジ帯の差が大きいですね。ただ今までのサーキットにもあったように、タイムが徐々に短縮された頃にレイアウト変更を伴ってタイムが落ち、またそれを短縮して、を繰り返しています。レイアウトで第一グループとくくった最終年71年にマトラのエイモンが5.750kmを1分22秒400で走破しています。シケインがあるにせよ、現代の5.793kmとさほど変わらない距離なのにタイムが近いというのはすごいです。この後の平均速度比較が楽しみです。やはりこのグラフでもまだ見辛いため、ちょうど非開催、miyabikunの生まれ年でもある1980年の切れ目を利用して、近代のみを抜き出してみます。image
これでもまだ物足りなさはありますが、タイム編のグラフはこの辺で折り合いを付けたい思います。ターボエンジンが活性化する1982年あたりから年々タイムを削り、比較的滑らかな頂点で波を打っているようにみえます。タイム的には1分20秒台を行ったり来たりしていますね。先日のスパ・フランコルシャンの時もそうでしたが、80年台のターボエンジンが90年台にNAエンジンに切り替わったところでタイムが落ち込むどころか93年までは順調に短縮の一途を辿っていたようです。徐々にターボエンジンのレギュレーションを厳しくし、うまくNAエンジンに移行できた表れなのでしょうか。空力やダウンフォース云々よりスピードがウリのモンツァであっても、馬力が高いだけが速いわけではないということを証明してくれているかのようです。08年と17年のグラフが特にビヨーンと飛び出しています。例の如く雨絡みです。まだ記憶にも新しい08年を覚えていますか?!以前にも「過去のレース」でも振り返ったことのある、若かりしベッテルちゃんがトロ・ロッソで雨のポールトゥウィンを決めた年です。まさかトロ・ロッソがチャンピオン候補であるマクラーレンやフェラーリを抑え切ると思いませんでしたよね。それも当時最年少ポールと最年少優勝の2つを更新してしまうというミラクルが起きました。今ではだいぶふて腐れてしまったベッテルにもこんなキラキラ輝いていた時代があったんだなぁ。優勝の方はのちにM・フェルスタッペンによって大幅更新されていますが、未だにポールポジションの最年少記録はベッテルが保持しています。モンツァ最速タイムは一昨年18年のラストフェラーリで記録したライコネンの1分19秒119です。スリップストリームをうまく使い、最後の最後でトップに立ちましたね。今の時点でこれがライコネン最終のポールポジションとなっています。まだ現役ドライバーだから今の時点で「これが最後の」なんていうと怒られちゃうけど、仮に来年も引き続きF1をドライブするなんてことになったとしても、おそらくポールポジションは、、難しいでしょうな。FullSizeRender

《モンツァの予選P.P.平均速度変遷》
 50   6.300km 191.7km/h 100%    ファンジオ
 51   6.300km 202.0km/h 105.3% ファンジオ
 52   6.300km 180.4km/h   94.1% アスカリ
 53   6.300km 184.8km/h   97.4% アスカリ
 54   6.300km 190.6km/h   99.4% ファンジオ
 55 10.000km 216.2km/h 112.8% ファンジオ
 56 10.000km 221.4km/h 115.5% ファンジオ
 57   5.750km 202.1km/h 105.4% Lエバンス
 58   5.750km 206.0km/h 107.4% モス
 59   5.750km 207.6km/h 108.3% モス
 60 10.000km 223.0km/h 116.3% Pヒル
 61 10.000km 216.5km/h 112.9% Vトリップス
 62   5.750km 206.3km/h 107.6% クラーク
 63   5.750km 212.7km/h 111.0% サーティース
 64   5.750km 212.5km/h 110.9% サーティース
 65   5.750km 215.8km/h 112.6% クラーク
 66   5.750km 226.7km/h 118.3% パークス
 67   5.750km 233.9km/h 122.0% クラーク
 68   5.750km 240.5km/h 125.4% サーティース
 69   5.750km 242.2km/h 126.3% リント
 70   5.750km 246.0km/h 128.3% イクス
 71   5.750km 251.5km/h 131.0% エイモン
 72   5.775km 217.4km/h 113.4% イクス
 73   5.775km 219.3km/h 114.4% ピーターソン
 74   5.780km 223.4km/h 116.5% ラウダ
 75   5.780km 225.6km/h 117.7% ラウダ
 76   5.800km 206.0km/h 107.5% ラフィ
 77   5.800km 212.9km/h 111.0% ハント
 78   5.800km 214.1km/h 111.7% アンドレッティ
 79   5.800km 220.8km/h 115.2% ジャブイユ
 80 
 81   5.800km 223.4km/h 116.5% アルヌー
 82   5.800km 236.0km/h 123.1% アンドレッティ
 83   5.800km 234.3km/h 122.2% パトレーゼ
 84   5.800km 241.2km/h 125.8% ピケ
 85   5.800km 245.4km/h 128.0% セナ
 86   5.800km 248.3km/h 129.5% Tファビ
 87   5.800km 250.2km/h 130.5% ピケ
 88   5.800km 242.9km/h 126.7% セナ
 89   5.800km 249.4km/h 130.1% セナ
 90   5.800km 253.0km/h 132.0% セナ
 91   5.800km 257.4km/h 134.3% セナ
 92   5.800km 253.9km/h 132.5% マンセル
 93   5.800km 257.2km/h 134.2% プロスト
 94   5.800km 249.0km/h 129.9% アレジ
 95   5.770km 245.9km/h 128.3% クルサード
 96   5.770km 246.7km/h 128.7% Dヒル
 97   5.770km 250.3km/h 130.6% アレジ
 98   5.770km 243.5km/h 127.0% Mシューマッハ
 99   5.770km 252.0km/h 131.4% ハッキネン
 00   5.793km 249.0km/h 129.9% Mシューマッハ
 01   5.793km 253.7km/h 132.3% モントーヤ
 02   5.793km 259.8km/h 135.5% モントーヤ
 03   5.793km 257.6km/h 134.4% Mシューマッハ
 04   5.793km 260.4km/h 135.8% バリチェロ
 05   5.793km 257.3km/h 134.2% モントーヤ
 06   5.793km 255.9km/h 133.5% ライコネン
 07   5.793km 254.3km/h 132.7% アロンソ
 08   5.793km 213.8km/h 111.5% ベッテル
 09   5.793km 248.1km/h 129.4% ハミルトン
 10   5.793km 254.4km/h 132.7% アロンソ
 11   5.793km 253.5km/h 132.2% ベッテル
 12   5.793km 248.2km/h 129.5% ハミルトン
 13   5.793km 249.0km/h 129.9% ベッテル
 14   5.793km 247.9km/h 129.3% ハミルトン
 15   5.793km 250.1km/h 130.4% ハミルトン
 16   5.793km 257.0km/h 134.1% ハミルトン
 17   5.793km 218.3km/h 113.8% ハミルトン
 18   5.793km 263.6km/h 137.5% ライコネン
 19   5.793km 263.0km/h 137.2% ルクレール

平均速度に換算してみます。スピード自慢のモンツァはタイムでみるより、速度でみた方が面白いかもしれません。
image
各レイアウトの最速をピックアップしてグラフ頂部に示しています。薄いグレーのオーバル期間も速いには速いけど、やはり先程話題に出した71年は平均251.5km/hと高速サーキットの部類に属する現代のスパ・フランコルシャンよりも高速度となっています。さすがモンツァ。初年50年から20年間で31%も向上していますね。この平均速度は90年のマクラーレン・ホンダでセナが記録した253.0km/hまで20年近く最速を保持していました。
image
タイム編と同じ81年以降を拡大してみます。緑色のグラフ、一周全長5.800km時代は91年のセナが257.4km/hで最速。黄色の5.770km時代を飛ばして、現代のオレンジ色5.793km時代に入ると04年にフェラーリのバリチェロが260km/h台に突入。そしてさらに14年後の18年に同じくフェラーリのライコネンが歴代最高平均速度の263.6km/hに達しました。たまたまだと思いますが、マシンレギュレーションはそれぞれ異なり、また年々変わっていくのに 13〜14年周期で速度のピークが訪れているのが何とも不思議。何回か260km/h台を超えようとしては断念を繰り返して、ようやく近年突破できたかのような変遷となっています。
平均速度260km/h超えという時点で言うまでもなく他には類をみないハイスピードサーキットであることは間違いありません。平均速度はご存知の通りスピードに乗り切ったストレート終端付近や高速コーナーの通過速度だけではなく、各所にあるシケイン進入のための減速、最終コーナー「パラボリカ」のための減速を均して割り出しているため「瞬間最高速度」(スピードトラップでの速度ではない)となると、もっと高速度が出ていることになります。このブログで何回か取り上げているF1瞬間最高速度については15年まではこのモンツァで05年予選にマクラーレンのモントーヤによって372.6km/hがマークされていました。しかし平均速度にするとそれは257.3km/hにまで落ち込み、タイムは1分21秒054と18年のライコネンと比べても7.3km/h、1秒935も下回っています。いくら瞬間最高速度が速くても、直線でないコーナー区間、またコーナー進入ギリギリまでブレーキングポイントを遅らせて突っ込むなど「限界まで速度を落とさず走れる」マシンの方が一周トータルでは速いということがよくわかります。これが現代のマシンが速いといわれる最も特徴的な部分です。

近年は安全対策万全の新興サーキットや収益の期待できる市街地サーキットが増えました。よく言えば世界各地でF1を楽しむことができるようになり、悪く言えばどこも似たり寄ったりなサーキットが増えたようにも感じます。でもココは違う。例え古臭かろうがパワーとスピード一辺倒であろうが、昔も今も「F1の真骨頂」がみられる貴重なサーキットの一つです。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

スパ・フランコルシャンのレースと聞くと「夏の終わり」を感じます。今シーズンも夏の終わりには違いありませんが、2020年シーズンにおいてはまだ前半戦なんですよね。ファンのみならずドライバーや関係者からの絶大な支持を受ける人気サーキットのポール変遷をみていきましょう。

IMG_5049
《スパ・フランコルシャンの基本情報》
    全長  :14.120km(1950〜70)
        6.940km(1983〜91)
        6.974km(1992,93,95)
        7.001km(1994)
        6.968km(1996〜01)
        6.976km(2002,04,05)
        7.004km(2007〜)
 コーナー数:19箇所(2007〜)
   開催回数  :52回

「温泉リゾート」の代名詞でも使われるスパとフランコルシャンの2つの街にまたがる形で設営され、F1制定初年の1950年から山奥で行われるザ・パーマネントサーキットです。ただ面白いのは「半市街地サーキット」であること。14kmに及ぶ旧レイアウトのほとんどが日常的に一般車が往来する公道で構成されていました。一昔前の鋭角右コーナー「ラ・ソース」の日常はこんな感じ。
IMG_5048
F1ファンでは超有名なサーキットでも、日常を知らない異国の我々からしたら違和感を覚えますよね。今ではこの区間も別線が敷かれて一般車は通れないとのことです。これまでのサーキットレイアウト変更を以下に示します。
image
 ・1950〜70年 14.120km 黒色(オリジナル)
image
 ・1983〜91年    6.940km 紫色(シケイン設置)
 ・1992,93,95年 6.974km
 ・1994年            7.001km 青色(仮シケイン設置)
 ・1996〜01年    6.968km
 ・2002,04,05年 6.976km 緑色(シケイン改良)
 ・2007〜現在     7.004km 黒色(シケイン廃止)

上の図がF1におけるオリジナルレイアウトです。黒と赤の実線で構成される「黒」の部分が現在使用されていないものになります。ただし、先程も書いた通り「公道」ですので道路自体は現存し、生活道路として使用されています。線形からも察することができますが、速度が高く危険とされ、1970年台はニヴェルやゾルダーなどにベルギーGPの座を奪われることとなります。
下の図は皆さんもよくご存知の現レイアウトです。1983年よりオリジナルのちょうど半分となったこのショートレイアウト(とはいえ現F1サーキット最長の7km)に切り替わっています。実はこれ以外にも細かな変更を経てはいますが割愛しました。代表的なところを挙げると、94年は「F1で発生した久々の死亡事故」により、他のサーキットと同じく仮設のシケインが設けられました。ほか、同じくこのサーキットにおいてシンボリックな存在となった「バスストップ」を改良、のちの廃止と軽微ながら幾多の変更と開催休止を経て現在に至ります。山間にあるため起伏も大きく「スパウェザー」と称されるお決まりの不安定な天候がさらに難易度を上げてきます。高速かつ危険でも人気が止まないのはそれだけ「見応えと攻略しがいのあるサーキット」だからではないでしょうか。

《スパ・フランコルシャンの予選P.P.タイム変遷》
 50 14.120km 4分37秒000 ファリーナ
 51 14.120km 4分25秒000 ファンジオ
 52 14.120km 4分37秒000 アスカリ
 53 14.120km 4分30秒000 ファンジオ
 54 14.120km 4分22秒100 ファンジオ
 55 14.120km 4分18秒100 カステロッティ
 56 14.120km 4分09秒800 ファンジオ
 57
 58 14.120km 3分57秒100 ホーソーン
 59
 60 14.120km 3分50秒000 Jブラバム
 61 14.120km 3分59秒300 Pヒル
 62 14.120km 3分57秒000 Gヒル
 63 14.120km 3分54秒100 Gヒル
 64 14.120km 3分50秒900 ガーニー
 65 14.120km 3分45秒400 Gヒル
 66 14.120km 3分38秒000 サーティース
 67 14.120km 3分28秒100 クラーク
 68 14.120km 3分28秒600 エイモン
 69 
 70 14.120km 3分28秒100 スチュワート

 83   6.940km 2分04秒615 プロスト
 84 
 85   6.940km 1分55秒306 プロスト
 86   6.940km 1分54秒331 ピケ
 87   6.940km 1分52秒026 マンセル
 88   6.940km 1分53秒718 セナ
 89   6.940km 1分50秒867 セナ
 90   6.940km 1分50秒365 セナ
 91   6.940km 1分47秒811 セナ
 92   6.974km 1分50秒545 マンセル
 93   6.974km 1分47秒571 プロスト
 94   7.001km 2分21秒163 バリチェロ
 95   6.974km 1分54秒392 ベルガー
 96   6.968km 1分50秒574 Jヴィルヌーブ
 97   6.968km 1分49秒450 Jヴィルヌーブ
 98   6.968km 1分48秒682 ハッキネン
 99   6.968km 1分50秒329 ハッキネン
 00   6.968km 1分50秒646 ハッキネン
 01   6.968km 1分52秒072 モントーヤ
 02   6.976km 1分43秒726 Mシューマッハ
 03 
 04   6.976km 1分56秒233 トゥルーリ
 05   6.976km 1分46秒391 モントーヤ
 06
 07   7.004km 1分45秒994 ライコネン
 08   7.004km 1分47秒338 ハミルトン
 09   7.004km 1分46秒308 フィジケラ
 10   7.004km 1分45秒778 ウェバー
 11   7.004km 1分48秒298 ベッテル
 12   7.004km 1分47秒573 バトン
 13   7.004km 2分01秒012 ハミルトン
 14   7.004km 2分05秒591 Nロズベルグ
 15   7.004km 1分47秒197 ハミルトン
 16   7.004km 1分46秒744 Nロズベルグ
 17   7.004km 1分42秒553 ハミルトン
 18   7.004km 1分58秒179 ハミルトン
 19   7.004km 1分42秒519 ルクレール

先程のレイアウトからもわかるように、スパ・フランコルシャンは大きく2つの期間に分けられます。距離も倍半分異なるため当然並列比較はできません。IMG_5023
前半20年の14km時代は当初一周に4分37秒もかかっていたのに、末年の1970年には3分28秒と1分近く短縮しています。全く異なるマシンレギュレーションとはいえ、割合にして75.1%と同じカテゴリーとは思えない短縮っぷりです。この後出てきますが、これを速度換算すると、さらにその差が顕著に伝わってきます。
IMG_5021
現レイアウトとなる1983年以降にフォーカスを当てると、波はあれど1分40秒台から50秒台の間を推移しています。劇的な短縮や向上がみられません。飛び出たものに着目していくと、まず水色帯の1994年に記録した2分21秒163が一際目立ちます。仮シケイン設置と「悲しみの雨」によってダブルで思い切りタイムが落ちています。これがセナやラッツェンバーガーの怨念とでもいうべきか。ほか、2002年のM・シューマッハが8秒以上縮めたのちの2004年、ルノーのトゥルーリ2回目ポールは1分56秒233に落ち込んで、また逆戻りしているかのよう。でもご安心下さい、これも雨による影響です。フリー走行2回目にマクラーレンのライコネンがしっかり1分44秒701で走破しているため、誤差範囲とみてよいもの。2013年と15年、あとまだ記憶に新しい18年も2分近いラップタイムですが、これもウェットコンディションによるもの。そう、スパは予選や決勝に関わらず、容赦無く雨を降らせ、ドライバーに試練を与えるサーキットなのです。現状の歴代最速は昨年2019年の「眉唾」ルクレールが叩き出した1分42秒519となりますが、前年18年の雨が降り出す直前のQ2でフェラーリのベッテルが1分41秒501でトップ通過しています。全データを観返して確認はできていませんが、おそらくスパ最速はこちらになるでしょう。この頃のフェラーリが近年のフェラーリで最もキレのある走りをしていた記憶です。IMG_5025

《スパ・フランコルシャンの予選P.P.平均速度変遷》
 50 14.120km 183.5km/h 100%   ファリーナ
 51 14.120km 191.8km/h 104.5% ファンジオ
 52 14.120km 183.5km/h 100.0% アスカリ
 53 14.120km 188.3km/h 102.6% ファンジオ
 54 14.120km 193.9km/h 105.7% ファンジオ
 55 14.120km 196.9km/h 107.3% カステロッティ
 56 14.120km 203.5km/h 110.9% ファンジオ
 57
 58 14.120km 214.4km/h 116.8% ホーソーン
 59
 60 14.120km 221.0km/h 120.4% Jブラバム
 61 14.120km 212.4km/h 115.8% Pヒル
 62 14.120km 214.5km/h 116.9% Gヒル
 63 14.120km 217.1km/h 118.3% Gヒル
 64 14.120km 220.1km/h 120.0% ガーニー
 65 14.120km 225.5km/h 122.9% Gヒル
 66 14.120km 233.2km/h 127.1% サーティース
 67 14.120km 244.3km/h 133.1% クラーク
 68 14.120km 243.7km/h 132.8% エイモン
 69 
 70 14.120km 244.4km/h 133.2% スチュワート

 83   6.940km 200.7km/h 109.4% プロスト
 84 
 85   6.940km 216.7km/h 118.1% プロスト
 86   6.940km 218.8km/h 119.2% ピケ
 87   6.940km 223.3km/h 121.7% マンセル
 88   6.940km 220.0km/h 119.9% セナ
 89   6.940km 225.6km/h 123.0% セナ
 90   6.940km 226.7km/h 123.5% セナ
 91   6.940km 232.0km/h 126.4% セナ
 92   6.974km 227.1km/h 123.8% マンセル
 93   6.974km 233.4km/h 127.2% プロスト
 94   7.001km 178.5km/h    97.3% バリチェロ
 95   6.974km 219.5km/h 119.6% ベルガー
 96   6.968km 226.9km/h 123.6% Jヴィルヌーブ
 97   6.968km 229.2km/h 124.9% Jヴィルヌーブ
 98   6.968km 230.8km/h 125.8% ハッキネン
 99   6.968km 227.4km/h 123.6% ハッキネン
 00   6.968km 226.7km/h 123.5% ハッキネン
 01   6.968km 223.8km/h 122.0% モントーヤ
 02   6.976km 241.2km/h 131.9% Mシューマッハ
 03 
 04   6.976km 216.1km/h 117.7% トゥルーリ
 05   6.976km 236.1km/h 128.6% モントーヤ
 06
 07   7.004km 237.9km/h 129.6% ライコネン
 08   7.004km 234.9km/h 128.0% ハミルトン
 09   7.004km 237.2km/h 129.2% フィジケラ
 10   7.004km 238.4km/h 129.9% ウェバー
 11   7.004km 232.8km/h 126.9% ベッテル
 12   7.004km 234.4km/h 127.7% バトン
 13   7.004km 208.4km/h 113.5% ハミルトン
 14   7.004km 200.8km/h 109.4% Nロズベルグ
 15   7.004km 235.2km/h 128.2% ハミルトン
 16   7.004km 236.2km/h 128.7% Nロズベルグ
 17   7.004km 245.9km/h 134.0% ハミルトン
 18   7.004km 213.4km/h 116.3% ハミルトン
 19   7.004km 245.9km/h 134.0% ルクレール

IMG_5022
速度変換してひとまず全時代をみてみましょう。14km時代最終年の1970年の平均速度は驚くことに244.4km/hに達しています。もちろん現代とは異なりテクニカルな高速下りコーナーではなく緩やかなストレートが続くことで速度が高めに算出されることに尽きますが、第二期のショートレイアウトにも引けを取らない速度であることからも「危険」と言われた所以が想像できますね。ここはシルバーストンやモンツァといった平坦なクローズドサーキットではなく「山岳半市街地」のサーキットですから。
IMG_5020
慣れ親しむ近代の第二期を再びクローズアップしてみます。標高も高低差もあるサーキットならターボエンジンが有利なんじゃないかと思うのですが、80年台中盤のターボ時代よりもむしろ90年台の方がよっぽど高い速度となっています。パワーがあるに越したことはないのですが、スパは上り坂だけでなく下りながらの高速コーナーが続きます。やはり電子制御で最適な調整を施した方が安定したコーナリングができるのでしょうか。タイムと同様に速度も雨を除けば220km/h〜240km/h付近を上下しています。ドライバーやマシンは進化しても、スパの限界値はこのあたりが精一杯なのでしょうか。最速は2017年と19年が245.9km/hのタイ記録となります(厳密には19年が245.949km/hで最々速)しかし、先程18年のベッテルQ2はもっと速いタイムを出していましたね。「ポールタイム」という観点からは外れてしまいますが、参考までに計算すると248.4km/hとなります。決して広くない幅員に加え、鋭角なラ・ソースあり、度胸試しの上りとなるオー・ルージュ〜ラディオンあり、オマケに強い横Gに耐える必要があるプーオンやブランシモンありでこの速度。やはり並大抵のドライバーでは1ラップをキメるのは至難の業。F1ドライバーでもないmiyabikunが想像で語るのもおこがましいですが、数多くあるF1サーキットでも攻略に手を焼く最有力候補ではないかと、常々思っています。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ