F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

タグ:アロンソ

今回の過去のレースはアゼルバイジャンを振り返るにはまだ日が浅過ぎる、ということでヨーロッパGPの一つ先輩、まだ今まで振り返ってこなかったヴァレンシア市街地で行われた2012年第8戦ヨーロッパGPにしました。最近よくこのブログで口にする「一国二開催」の現時点最終のGPです。2012年は近年稀にみる混戦で面白かったので、取り扱うこと7回目になります。それでも前回は一昨年のアメリカGP前でしたのでmiyabikun1年半我慢しましたよー。さすがに8年前となればまだ今でも現役をしているドライバーが沢山活躍しています。
シーズン7戦まで終えて、2年連続のチャンピオンを獲ったレッドブルのベッテルは2回の表彰台こそあるものの、優勝は第4戦バーレーンGPの1回に止まり、平凡な序盤戦で3連覇獲得の雲行きが怪しくなっていました。ただしライバル達も突出した者がいるわけではなく、開幕戦のバトンをはじめ、マレーシアはアロンソ、中国で初優勝のロズベルグ、スペインで初優勝のマルドナド、モナコで2勝目を挙げたウェバー、そしてカナダのハミルトンと皆1勝で並び横一線でヨーロッパGPを迎えました。このレースで誰が2勝目を挙げるのか、はたまた新たな優勝者が加わりさらなる混戦に向かうのか、様々な期待を背負っています。
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ヴァレンシア市街地はまるで温暖なリゾードのような貨物港を改良して設置されたサーキットです。幅員は広めですが、パッシングポイントは限られているため、歴代でも平凡なレース内容に終わることが多くありました。しかしヴァレンシア最終年の12年決勝は実に大荒れ。出来事全てを書けないくらい盛り沢山であったため、あまりジロジロ見ていないで予選はサラリと終えておきましょう。

予選はQ1はスペインGPでの初優勝の勢いそのままにウィリアムズのマルドナドが1位通過。Q2では初優勝が待たれるロータスの若手グロージャンが1位で通過し、予選も混戦の装いで進行していきます。スタート位置が決まるQ3はようやく真打ち登場とベッテルがハミルトンを0.3秒引き離すポールポジションを獲得。シーズン2勝目に向けた準備は万端です。マルドナドやグロージャンも好位置につけ、上位はロータス2人を除くと各チーム1人ずつがシングルグリッドに並ぶという結果となりました。ザウバーの小林可夢偉はその中に混ざる7番手を獲得、期待の地元アロンソはQ2突破ならず11番手止まり、マルシャに移籍したグロックは体調不良により予選に参加できませんでした。

《予選結果》
 1 S・ベッテル (レッドブル・R)
 2 L・ハミルトン(マクラーレン・M)
 3 P・マルドナド(ウィリアムズ・R)
   ※タイヤはピレリのワンメイク

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ポールスタートのベッテルは順調な加速をみせ、早くもお得意な逃げ逃げ戦法を採りつつあります。また5番手スタートとなったロータスのライコネンの蹴り出しは良かったのですが、位置取りが悪く7番手スタートの小林に先行されています。小林は5位浮上でなかなかの滑り出し。
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しかし両者は15周目に1回目のピットインが重なり、6秒近くかかりもたついた小林はライコネンに先行を許してしまいます。せっかく1周目に前に出たのに、もったいない。

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このレースは中団に埋もれる形となった地元アロンソは1周目で3人抜きに成功、毎周着実に順位を上げて1回目のピットインで暫定3位に浮上してきました。何せ国代表を背負っていますからね、力が入ります。
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本線に戻ればライコネンと小林の前となる9位に復帰、触れる事なくオーバーカットに成功しています。

トップをひた走るベッテルは2位に1周で1秒近くギャップを築き、17周目の1回目のピットを終えてもトップで本線復帰しています。完全なる逃げ状態。いいんですよ、例え面白くなくともそれはポールスタートの特権ですからね。徐々にタイヤ交換を終えて順位がシャッフルされると、まだ交換していないドライバーの遅いラップにつかえることとなります。IMG_3370
12番手スタートだったメルセデスのシューマッハはタイヤがズルズルする中「電車ごっこの運転手」になってしまっています。後ろから速い車が集まり、まるで走行会みたいだ。抜き辛いヴァレンシア市街地で相手が巧みなライン採りをされてはひとたまりもありません。
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20周目にシューマッハとウェバーが離れて、ようやくレース再開!みんな鬱憤を晴らすかの如く、気持ちの良い加速をみせていきます。
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まずライコネンがウィリアムズのセナをかわす。その隙をねらって小林も狭いインから
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うわ、小林と接触してセナがスピン!裁定はセナがラインを閉めたという事でセナにドライブスルーペナルティとなりますが、正直前を走るのはセナだっには違いないし。うーん小林もちょっと無理があったかな。好調な滑り出しから一転して、要らぬピットインを強いられて順位を落としています。

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レースを見守る彼、どことなくルクレールに似ていますが、今は亡きアニキのビアンキです。この時はフォース・インディアに短期留学中の頃。先輩達は若手に対していい見本にならなければなりませんね。

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レース折り返し間近の27周目にケータハムのコバライネンにトロ・ロッソのベルニュが近付きます。近付きすぎて
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あたかも横につけて文句でも言いに行くかのような接触。優勝経験者コバライネンもナメられたもんだな。両者のタイヤバースト、パーツ飛散によりセーフティカーが発動されます。
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少し早いけど当然ながらその間に2回目のタイヤ交換も終えようという。ハミルトンはジャッキを落とすのが早く、フロントタイヤがひん曲がったまま。
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直す間に同時ピットインのアロンソが横を抜けていく。
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アロンソは4.2秒ストップ、ハミルトンは14.1秒かかり、またもやオーバーカット?成功。暫定3位に。
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トップのベッテルはタイミングが悪く、ライバルより1周遅れてピットに。これは大失敗かな?!
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おお、まだセーフティカーが待ってくれていた。一人ぶっ飛んだ速さでギャップを築いていたことが功を奏しましたね。残念ながらこれでそのアドバンテージは帳消しになるけど。

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34周目にセーフティカー退去、再スタートへ。アロンソはこの時を待っていた。グロージャンを抜いて2位へ。
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後方ではもう一人のフェラーリ、マッサの右側に黒いノーズが入り込む。
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小林が強引に攻め立てた結果、今回は小林が次戦イギリスGPの5番手降格という重いペナルティが下りました。スタートで好位置につけ相方ペレスより前を走っていただけに残念な結末。

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さらに幸運を続けたベッテルにとうとう悲劇が。オルタネーターのトラブルによりスローダウンし、何と11番手スタートのアロンソがトップに立ちます。
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先生お決まりのがっかりポーズ。
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ベッテルはカメラにグローブを投げつけ八つ当たり。ちなみに順位を落としたグロージャンもこの直後にベッテルと同様のオルタネーターによりリタイヤしています。二人ともルノーエンジンユーザーです。

毎年おとなし目なヴァレンシアも今年これでは終わりません。2回目のピットでサゲサゲな気分にさせられたハミルトンは早くもタイヤがズルズルし始めました。後ろから静かにライコネンが忍び寄る。IMG_3406
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忍び寄ること12周、ハミルトンのタイヤが完全に滑り出したことを確認してようやくパス。やっぱり復帰後のライコネンはどこか慎重派というか度胸が無いというか、カドが丸く、鈍い。ハミルトンの背後にはマルドナドの存在もチラついています。何か起きそうな予感(笑)
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アウトから並んで
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コース外から
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ハミルトンを弾き飛ばす!チャンピオン経験者?!そんなモン関係ないね、オレだって優勝経験者だ。
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悔しいことばかりのハミルトンはステアリングを投げ捨てる。最近のドライバーではあまり見なくなった懐かしい光景です。金星を得たマルドナドはレース結果に20秒追加のご褒美がつき、12位入賞圏外へ。
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ウィングを無くしたマルドナドをシューマッハとウェバーがセットでパス。今日のこの年長者二人は何かとコンビで動いています。シューマッハは復帰から3年かかり初の3位表彰台を獲得!

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《決勝結果》
 1 F・アロンソ  (フェラーリ・F)
 2 K・ライコネン (ロータス・R)
 3 M・シューマッハ(メルセデス・M)

あらら、アロンソはこんなところでマシンを止めてしまいました。おまけにマーシャルもマシンに触れているのでペナルティの対象となります。アロンソはマシンにトラブルがあり、あの場で停めたと会見で話していますが、真相や如何に(笑)後方スタートの市街地サーキットでセーフティカーも絡んだジャンプアップ、過去のある出来事を思い出しますが、今回は幸運が重なったとはいえ「魔法」は無し。地道に順位を上げ、隙を狙い賢く戦った誇らしい結果です。シーズン2勝目一番乗りとなりました。
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それにしてもこのメンツは豪華。世代交代が始まっているというのに、その前の代のレジェンドが並べばそれはそれで画になります。ヴァレンシア市街地でのレース、一国二開催の最後を母国優勝という形で飾ったメモリアルレースでした。

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今日5/10は母の日。母の日は父の誕生日に近く、逆に父の日近くが母の誕生日という家庭に育ったmiyabikunです。今は父がもういないため母が2つとも独り占めしています。今回のレースは先日書いたアロンソが過去最速のポールポジションタイムを記録した2006年第6戦スペインGPです。スペインGPはアロンソの母国。出身の国を母国、出身校を母校と表現しますよね。父国、父校とは表現しません。母はいつでもどの世界でも強しか?!
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カタロニアサーキットは前年05年にスペイン人初のF1チャンピオンを獲得したアロンソの記念碑を建造。希少なスペインを代表するトップドライバーです。エンジンがV8に変更になり、防衛できるか否かで臨んだアロンソはこの第6戦まで開幕戦バーレーンGP、第3戦オーストラリアGPで優勝を挙げて、他も2位は獲得する全戦表彰台獲得で突き進んでいます。一方で屈辱的な一年を味わった元チャンピオンのM・シューマッハもサンマリノGP、そして地元ニュルブルクリンクで行われたヨーロッパGPを2連勝してスペイン入りする形で猛追します。05年にアロンソと同数勝利を挙げたマクラーレンのライコネンは表彰台こそあるものの未だ未勝利でこのシーズンもお決まりのスロースタート。

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予選はフリー走行まで好調だったM・シューマッハと母国アロンソ一騎打ちの様相を呈しています。Q3の2本目でまずアロンソが1分14秒648のポールレコードでポールポジションを仮押さえ。フィジケラが2番手に並んでルノーのフロントロウを固めていきます。M・シューマッハは?!
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フィジケラも超えられず3番手に終わります。追い抜きに手を焼くカタロニアの予選は1台でも前からスタートできるのに越したことはないものの、まだまだシーズン序盤ですからカリカリせずです。日本勢はトヨタ、ホンダの2チームはQ3進出を決め、スーパーアグリから参戦する佐藤琢磨がQ1止まりの20番手となりました。

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《予選結果》
 1 F・アロンソ  (ルノー・R・MI)
 2 G・フィジケラ (ルノー・R・MI)
 3 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
   ※MIはミシュラン、BSはブリヂストン

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スタートで前に出る隙を探すM・シューマッハの前にフィジケラなる壁が右へ左へと揺れ動き、アロンソ様の護衛に付きます。アロンソは歓声にわくサーキットを先頭でラップし、早くも1周目でフィジケラに1.7秒、M・シューマッハから3.1秒ものギャップを築きました。
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5周目にはフィジケラからも4.3秒近くも離れて、完全な一人旅。飛ばす飛ばす!

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逃げるアロンソの一方でトヨタのエースドライバーを担う元相方トゥルーリは序盤でタイヤの劣化に手を焼いています。背後には現相方のR・シューマッハとチーム無線に煽られ気味。
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その直後、痺れを切らしたR・シューマッハは「動くシケイン」の狭いインを狙い
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フロントウィングを半分無くす。決勝でダラつくトゥルーリもよくないが、先を急いだR・シューマッハの狙いも安直でした。せっかく上り調子で来ていたトヨタの貴重なダブルポイントのチャンスを棒に振っています。

フィジケラから11秒近く引き離したアロンソは17周目にピットへ。フィジケラや4番手マッサも1回目を終えたことにより、上位で残るはM・シューマッハのみとなります。ガソリンも減り、軽い状態で暫定トップを走行するも、すでに給油を終えたアロンソとのギャップはなかなか広がりません。
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無限に引っ張るわけにもいかないのでひとまず23周目に1回目のピットに向かい、アロンソとはこの差。
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争っているのはこちらの方ではないんだけどね。フィジケラ食いに止まる。フェラーリ248F1がルノーR26に比べて大きく劣っているわけではありません。フィジケラはピット戦略で抜けたわけですし、マッサはレース中盤の42周目に1分16秒648のファステストラップを記録しています。M・シューマッハのスペインGPは若手相手に制裁を欠いてしまっています。
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後半はイージーモードでレースを運び、ファイナルラップでは観客に手を振る余裕をみせるアロンソ。母国の後ろ盾強し。

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《決勝結果》
 1 F・アロンソ  (ルノー・R・MI)
 2 M・シューマッハ(フェラーリ・F・BS)
 3 G・フィジケラ (ルノー・R・MI)

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ファンサービスもたっぷり。頭一つ出た3勝目をポールトゥウィンで終えたアロンソは上機嫌です。方やこちらは終始笑顔無し。今まで勝つことに慣れっこになった怪物はこの状況が受け入れ難そう。長くF1やっていればこんな日もあります。
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今回はフェラーリ回にしました。先日のネタで駄馬駄馬言っていたら、駄馬もたまにはちゃんと取り上げなきゃなと思って選んだのは2014年型F14Tです。何気にライコネン車の連発になりました。まだまだ最近の話にもみえますが、もう6年も前の話ですね。インパクト抜群の見た目以上の駄馬、みていきましょう。

《設計》
 ニコラス・トンバジズ
 ジェームス・アリソン
 パット・フライ
 ルカ・マルモリーニ
 マッティア・ビノット
 浜島裕英
 ロリー・バーン

《外見》
開発担当者をいつもよりズラズラ多めに並べました。この方々がいわゆるA級戦犯、なんて言ったら失礼か(笑)
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先日も話題にしたフロントノーズからみていきます。この滑稽なフォルムは当時のレギュレーションである「ノーズ先端から50mm後方までの高さを185mmかつフロントタイヤ車軸から750mm以上1,200mm以下」に準拠したためです。フェラーリは掃除機のヘッドの如くローノーズを採りました。フェラーリ以外にはチャンピオンを獲得したメルセデスF1 W05 Hybridも同じ形状でした。
このマシン最大の特徴は「パワーユニット構成」にあります。空力性能を突き詰めるべくリヤエンドを絞ることをコンセプトとし、パワーユニットを集約化に努めています。インタークーラーに代わった「ヒート・エクスチェンジャー」と呼ばれる冷却器やMGU-Hなどの熱系機器類をエンジンのVバンク内側にまとめて、側部の空間確保に専念。エキゾーストマニホールドもエンジンに沿う形で平面的に合流させてシリンダー上方に立ち上げられていきます。
MGU-Kもエンジン側部でなく、エンジン後方にあたるクラッチやギヤボックスと一体化されました。とにかく中央に、上方に、後方に集約し、側部の空間を作り上げ、ライバルと色んな意味で一線を画しています。
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絞りに絞ったといっても、外見上はライバルとそんなに変わらない気もするんだけど、、(笑)
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フロントサスペンションは2012年型のF2012から引き継ぐプルロッド式となっています。

カラーリングはベースの深紅とウィング類の白に加え、マシン下部からエンジンカバー後部にかけて黒をまとっています。まさしくこの黒のエリアを絞りたかったのよーって。いつものマールボロを筆頭に、黄色い貝殻のシェル、白はサンタンデール銀行。スペインの銀行でエースドライバーさんのお得意スポンサーです。

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《シャシー》
 全長:  - mm
 全幅:  - mm
 全高:  - mm
 最低車体重量:691kg(ドライバー含む)
 燃料タンク容量:100kg
 ブレーキキャリパー:ブレンボ
 ブレーキディスク・パッド:
 サスペンション:フロント プルロッド
          リヤ    プルロッド
 ホイール:OZ
 タイヤ:ピレリ

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《エンジン》
 フェラーリTipo056/3
  V型6気筒・バンク角90度
  シングルターボ+ERS
 排気量:1,600cc(推定)
 エンジン最高回転数:  15,000rpm以下(制限)
 MGU-K 最高回転数:  50,000rpm以下(制限)
 MGU-H 最高回転数:125,000rpm以下(制限)
 最大馬力: - 馬力+120kW(非公開)
 燃料・潤滑油:シェル

2014年といえば現パワーユニット元年ですね。パワーはメルセデスには及ばず、ルノーよりは上という位置付けにはなりましたが、結果的にレッドブルに大敗していますから、結果的には苦労が報われなかったという悲しい結末に。

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《ドライバー》
 No.14 フェルナンド・アロンソ(全戦)
 No.7   キミ・ライコネン(全戦)

一度フェラーリを離脱しロータスの底上げに貢献するも不満を抱えていたライコネンを再び呼び戻し、2001年デビューのどちらもチャンピオン経験者を並べた豪華ラインナップとしてきました。歴代でみるとマッサ+ライコネン、マッサ+アロンソ、アロンソ+ライコネンと8シーズンでたったの3人。それも出戻りアリで当時のトップクラス、準トップクラスのドライバーを並べるあたりが「獲れない者は去るべき。獲れる者で狙う」フェラーリらしいですね。

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《戦績》
 216ポイント コンストラクター4位
 (1位0回、2位1回、3位1回、4位5回ほか)
 ポールポジション0回

当時のドライバーラインナップを考えれば、その戦績はピカイチです。2010年代前半は完全にレッドブルにやられて2番手に甘んじていた時期が続き、新たなパワーユニット元年となればフェラーリファン、F1ファンは「勢力図改変」を期待したことと思います。ただ蓋を開けてみたら、、ビックリするくらい、遅い!
開幕戦オーストラリアGP予選はアロンソがQ3に残り5番手を獲得しますが、ライコネンはQ2落ちの12番手に沈みました。決勝はアロンソ4位、ライコネン7位とベッテルやハミルトンといった他の優勝候補が脱落した中で散々たる結果に終わります。続く第2戦マレーシアGPはアロンソは同じく4位と表彰台まであと一つのところにつけますが、ライコネンは完走こそするもののラップダウンの12位入賞圏外と、まるで戦えていません。どこぞの中堅チームならまだしも、チャンピオンを経験したトップチームの結果ですから、ベッテルの絶不調、メルセデスの絶好調に引けを取らない衝撃的な事実でした。
以降、メルセデス、レッドブルの2チームのみならずウィリアムズやマクラーレンの後塵を拝することも多く、毎戦4位〜9位あたりをさまよう内容が続き、予選最高位はアロンソの第2戦マレーシアGP、第8戦オーストリアGP、第12戦ベルギーGPの4番手3回。決勝最高位もアロンソによる第11戦ハンガリーGPの2位1回となっており、ライコネンは結局一度も登壇できないというロータス時代よりも冴えない結果でした。ちなみにドライバーズランキングはアロンソがウィリアムズの一角(マッサ)を食う6位、ライコネンの12位は同じく登壇の無かった2001年ザウバーでの1年目を含めてもワーストです(2019年アルファロメオも無登壇でランキングタイ記録)フェラーリとして未勝利に終わったのは1993年のベルガー、アレジコンビ以来となる21年振りの大惨事となりました。5003
不作の原因として「空力を追求するあまりのコンパクトなパワーユニット」が挙げられます。エンジンのVバンクのエリアも活用し、エンジンカバー下部を絞った窮屈な設計は重量物を集中させ、重心も高くなりました。また、フロントエンドの処理、ブレーキ操作にも支障をきたすなど、マシン制御の繊細さを求めるライコネンはおろか、マシン性能を存分に引き上げる術を持つアロンソですら、表彰台登壇が精一杯という状況を作り上げてしまいました。勝利に飢えるアロンソは新しい活路としてこの年限りで長期契約を破棄してフェラーリを離れ、新生マクラーレンに移籍を決めます。そしてドライバーだけでなく首脳陣に対しても容赦無いフェラーリはチーム改革に踏み切り、開幕早々の4月に代表のステファノ・ドメリカリを解任、続いて8月にエンジン開発担当のルカ・マルモリーニを解任、9月に会長のルカ・モンテゼモロが辞任、さらにはシーズン終了とともにドメリカリの後任のマルコ・マティアッチも辞任という形で首脳陣もバタバタと斬られていきました。
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フェラーリに憧れるドライバーやファンは沢山います。F1にはなくてはならないワークス、コンストラクターには間違いありません。しかし潤沢な資金と揺るがぬブランドを引っ提げても「何かひとつ足りない。空回り。傲慢」なのもフェラーリ。フェラーリのネタになると毎回そう思い、書いてきましたが、フェラーリは「栄冠を掴んだ者の最終到達点」であり、フェラーリに属して栄冠を掴むのはかなり至難の業であるように感じます。古くはG・ヴィルヌーブ、ベルガーやアレジ、マッサもそうでした。アロンソやベッテルは「他で結果を出したドライバー」なのであまり心配に感じませんでしたが、ルクレールについては一抹の不安を覚えてしまいます。フェラーリが最後にチャンピオンを獲得してから、だいぶ日が経ってしまいました。

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バーレーンGPは2004年から続く中東を代表するGP。砂漠の中に開設されたヘルマン・ティルケ監修の近代サーキットの一つとして今シーズンもカレンダーに組み込まれたわけですが、1年だけ一部レイアウトの異なる年がありました。ちょうど10年前となる2010年の開幕戦として設定されたバーレーンGPです。たった1回キリではあるものの、いつもとは違う様相を呈していました。先日振り返ったオーストラリアGPも開幕戦、今回も開幕戦。当の2020年シーズンが開幕しないならmiyabikunが何度でもしつこく開幕戦を投入していきます。

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この後ろ姿、どこかでみたことがあるような。。2010年開幕の注目の的となったのは3シーズン振りにあのM・シューマッハが復帰することでした。それも何年もかけて復活に導き共に大成したフェラーリからではなく、母国のビッグメーカーであるメルセデスの復帰参戦という大役を仰せつかりました。
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そもそもF1昇格前はメルセデスの育成プログラムにいたわけですもんね。F1という四輪オープンホイール最高峰カテゴリーにフルワークスとして復帰する。ならばM・シューマッハの経験を最大限に活用したい。当然の抜擢です。ちなみにこの時41歳。今でいうライコネンくらいの年齢。相方のドイツ国籍であるN・ロズベルグと共にゲルマン魂でどれだけやれるか見ものです。その他には前年ブラウンGPでチャンピオンとなったバトンはマクラーレンに移籍して、ハミルトンとダブルチャンピオン体制を採り、ライコネンが抜けたフェラーリへはルノーからアロンソが加入するなど、トップチームの異動も多い幕開けとなりました。
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バーレーン国際サーキットはこの年、鋭角なターン4の先をターン13に向けて進み、ターン5の位置まで9のコーナーを追加させるという新レイアウトを導入しました。
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新興サーキットはこのように様々なレイアウトを採れやすいもメリットとしてあります。1周全長は6.299kmとなり、887m延長されたことになります。ただ長くなっただけではなく、F1マシンにおいてとても厳しい環境であることがフリー走行から明らかになりました。
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スキッドブロックを擦り、木の粉が舞います。バンプが酷く、マシンがボトミングしてコントロールがし辛いとのこと。フリー走行や予選からはまだしも、決勝はココを49回もバトルしながら通過しなければなりません。当時は今と違いデータイムのレースですから体力的な負担も大きそう。

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こちらもバイザー越しに見覚えのある眼差しとヘルメットのドライバーがいます。A・セナならぬ甥のB・セナです。2010年は撤退したトヨタに代わり新たにヴァージン、ヒスパニア改めHRT、そしてロータス(レーシング)という3つの新興チームが加わって合計12チームでスタートしました。チームやドライバーが増えるのは喜ばしい話ですが、行き場を失ったトゥルーリやグロック、コバライネンといった表彰台経験者をもってしてもタイム差が大き過ぎました。そうもそうも簡単にF1を攻略できるわけもなく、HRTに至ってはポールタイムから約11秒以上(109.5%)も離される始末。全く異なるカテゴリーのようなタイム差となってしまいました。
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ポールポジションは前年2009年から飛躍的な向上をみせてランキング2位にのし上がったレッドブルの若きエース、ベッテルがフェラーリの猛追を振り切り、幸先良いスタートを切ります。
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気になる復活シューマッハはロズベルグに負けて7番手。スポンサー不足のため真っ白なザウバーを駆る日本代表の小林可夢偉もチームメイトのデ・ラ・ロサに上回られて16番手に沈む。

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《予選結果》
 1 S・ベッテル(レッドブル・R)
 2 F・マッサ(フェラーリ・F)
 3 F・アロンソ(フェラーリ・F)
   ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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「スタートの順位のまま退屈なレースがいいな」
でしょうな。ベッテル十八番の走り方です。手の内はお見通し(笑)
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普段より8周少ない高温砂漠GPのスタートです。スムーズな加速を示すベッテルを先頭に、3番手スタートのアロンソがトラック外側からベッテルに続いていきます。
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ターン1のイン側は2番手のマッサが
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しかし続くターン2はイン側となるアロンソが前に出て、フェラーリ内で順位が入れ替わりました。このあたりはアロンソの巧みなところです。
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6番手スタートだったウェバーはコーナーを一つ回った直後に白煙を上げています。リタイヤはなくそのまま走行を続けて事なきを得ますが、後ろを走るルノーのクビカとフォース・インディアのスーティルが驚いてとばっちりを受けました。
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上位の大半が予選で使用したソフトタイヤを装着しています。12周目に先程ロスしたクビカはミディアムタイヤにチェンジし、ラップタイムが飛躍的なアップしました。それをみた上位陣も16周目にハミルトンとシューマッハ、17周目にはアロンソとロズベルグ、そして18周目に予定通りのトップ逃げ切り中のベッテルがミディアムタイヤへ乗り換えています。レッドブルのタイヤ交換に要した時間はわずか4秒。ピット作業は今も昔も早い!
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スタートからイージーな逃げ切りを敢行するベッテルのペースがよくありません。後ろから赤いの2台がみるみる近付いてきています。
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どうやら8気筒あるうちの1気筒のスパークプラグが故障して、7気筒となってしまったとのこと。スパークプラグが死んでしまうって、その数年後にまた聞くことになるトラブルですね。余裕なレース運びから、一気にピンチに転じてしまいました。
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ベッテルは無線であらゆる策を問いますが、メカニカルトラブルではどうしようもありません。34周目にアロンソ、35周目マッサに抜かれて、フェラーリへワンツー体制を献上。いよいよ4位走行のハミルトンも射程圏内に入れつつあります。38周目まで粘るものの、健闘虚しくベッテルから表彰台登壇が遠退いていく。
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45周にファステストラップを記録したアロンソ。スタートの早い段階でチームの先輩であるマッサを料理して、このチャンスを待っていました。強いドライバーとは無理はしなくともチャンスを見逃さず、ミスを誘い、確実に刈り取れること。アロンソはそれが体現できるドライバーです。

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《決勝結果》
 1 F・アロンソ(フェラーリ・F)
 2 F・マッサ(フェラーリ・F)
 3 L・ハミルトン(マクラーレン・M)

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アロンソの勝利を扱うのは久し振りな気がします。フェラーリ移籍初戦をいい形で迎えられると、チーム内の士気も高まります。自身が若い頃に下した7回王者の復帰も何のその。ルノーに出戻ってからも優勝に飢えていたアロンソはフェラーリでその欲を満たす所存です。

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今回のブラジルGPは2005年を取り上げます。2005年を振り返るのは8回目となりました。多いですね。何せ近年稀にみる「勢力図大変革」の年で面白かったですもんね。荒れに荒れて印象に強い年は必然的に振り返る頻度も上がります。このブラジルGPは全19戦中の第17戦に位置しており、これまでのシーズン序盤開催から2004年以降はシーズン終盤に移動してきたことで「チャンピオン決定の重要な舞台」を担うようになりました。
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チャンピオン争いは6回連続8回目のM・シューマッハはF1史上最低「ミシュランゲート」のあった第9戦アメリカGPの1勝に留まり、完全に脱落。代わってF1で4年目、24歳のアロンソが6勝でランキングトップ。F1で5年目、当時25歳のライコネンも同じく6勝ではあるものの、シーズン中盤までのノーポイントレースがたたりランキング2位の状態です。アロンソとライコネンのポイント差は25。このブラジルGPでアロンソが6ポイント、つまり3位表彰台を獲得すれば、ライコネンが優勝を含め残りでいかなる順位になろうとも到達しない得点域に達します。あの無敵シューマッハをようやく引きずり下ろして「最年少チャンピオン」が誕生します。仮に表彰台に乗れなくてもこの後に日本と中国の2戦を残していますので余裕です。
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またホンダエンジンを搭載するB・A・RはGP開始前の会見で、翌2006年は日本人唯一のドライバー佐藤琢磨に代わってバトンとフェラーリのバリチェロを起用することを発表。
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GP直後にBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の株式を取得したホンダは2006年から純正ホンダワークスとして参戦が決まりました。日本としては純正ホンダになることも助けとなってどうにかならなかったのかなと悔しい気持ちになりますし、佐藤自身も無念さは語りますが「絶対に諦めないC」とどこか自信ありげな表情にも見てとれます。実は水面下で何かが動き出していたのかな?!
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前置きが長くなりましたが、前戦の結果によって出走順の決まる予選は後半になり復調をみせるマクラーレンのモントーヤが牽引しています。後に走ったルノーのフィジケラを抑えて、次はチャンピオン決定がかかるアロンソの番。
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モントーヤ超えに成功、前戦ベルギーGP優勝のライコネンの走りを待ちます。
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ターン1進入のブレーキングで左フロントをロックさせ、計測開始2秒でライコネンの予選は終わりました。ここのブレーキングは難しい。4位に沈み、軽タンクのアロンソは脅威のマクラーレンを従えて安全圏内に身を置きます。佐藤はベルギーGPで接触したM・シューマッハに頭を引っ叩かれるアクシデントのペナルティを受け、20人中19番手。でも諦めないC。

《予選結果》
   1 F・アロンソ    (ルノー・R・MI)
   2 J・P・モントーヤ(マクラーレン・M・MI)
   3 G・フィジケラ   (ルノー・R・MI)
   ※MIはミシュラン

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上位は順調にスタートを切っていきますが、中団の1台の向きがおかしいです。レッドブルのクルサード、ウィリアムズの2台ウェバーとピッツォニアの3台が絡むアクシデントが発生。処理のため早々の2周目にセーフティカーが入ります。
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JM「再開はローリングスタートね。俺様に持ってこいだ。アロンソなど簡単にぶち抜いてやるよ」
 3周目にレースが再開されます。アメリカ仕込みのモントーヤがアロンソの動きをしかと観察。マクラーレンから離れたくて逃げていくはず。
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ターン1でアウトラインに出たアロンソは「エス・ド・セナ」へ苦しい角度で進入することに。
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JM「しめた!やはり焦ったか。まだまだ青いのう」
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バックストレート「レタ・オポスタ」でインに並ぶモントーヤは簡単に仕留めてトップへ。アロンソの背後には早くも最大のライバルである4番手スタートのライコネンがつけています。
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FA「大丈夫、マクラーレンと争ってはいるけど、今は争わない。欲しいのは3位。仮に4位でもこの後に日本と中国が控えている」

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軽タンクでポールを獲りにきたアロンソは22周目に22周分のガソリンを積んで堅実な2ピットストップが確定します。暫定6位で復帰。モントーヤは28周目にピットインして暫定2位へ。
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暫定トップとなったライコネンはこうなれば十八番のファステストラップで目の前にいないモントーヤとのギャップを詰めにいく。アロンソのような余裕は一切無し。優勝するしか首の皮を繋ぎ止める方法は無い。ライコネンっていつもこういう立場ですよね。
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31周目まで引っ張り、復帰するとモントーヤの後ろ。逆転はならず。

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44周目にB・A・Rのバトンにフェラーリのバリチェロが移籍発表直後初のコンタクト。来年はよろしくと地元のバリチェロがエス・ド・セナでのパッシングにてご挨拶。

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ライコネンは残り12周で2回目ピットを終えてデジャヴのようにまたまたモントーヤの後ろ。アロンソが3位に居座る以上、ライコネンに1位を譲る必要も無し。マクラーレンは今更ながら「シーズン初」のワンツー体制で気持ちを切り替え、コンストラクターズチャンピオンを目指すのみ、というわけです。
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《決勝結果》
   1 J・P・モントーヤ(マクラーレン・M・MI)
   2 K・ライコネン  (マクラーレン・M・MI)
   3 F・アロンソ    (ルノー・R・MI)

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パルクフェルメに戻ると、有名な雄叫びシーン。
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MS「あらいっぱい叫んでスッキリしちゃったのボクちゃん」
FA「ニヒ」
あたかも恋人かのような距離感で祝福するM・シューマッハ。6年連続8回チャンピオンの阻止に成功したのは、一年の浪人の経験もしたスペイン人初となるアロンソでした。シーズン2戦残しのチャンピオン獲得です。さらには1972年にブラジル人として初のチャンピオンを獲得したE・フィッティパルディの最年少25歳を33年振りに更新する快挙を成し遂げたことになります。
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FA「いつも支えてくれたのは3、4人」
えーそんな卑屈にならなくても。そんなことぁ無いだろ(笑)スペイン国王からも電話で祝福されたし、そんなこと言うとチームスタッフを敵に回すことになるぞ。 3、4人のうち一番の味方になったのはF・ブリアトーレでしょう。アロンソにとってはこの方の存在はとてもとても大きかった。
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兎にも角にも、よくぞ「紅い壁」を突破してくれました。2005年はほとんどトップで映されることがなかったフェラーリ。これがなければ、いつまで続いたことやら。。
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