バーレーン合同テストのまとめ2回目。今回は「タイム、タイヤ編」になります。走行距離や周回数も含め、いつの時代も特にテストのタイムはアテにならないと言われていますよね。確かにmiyabikunもそれには大いに同意しますが、やはりファンならマシンの出来栄えは気になるところです。現時点で限りある貴重な2021年マシンのデータですし、少しでも今シーズン序盤の勢力図を読み取るヒントになればと思い、例年通り集計、整理しました。後半はちょっとした「数字遊び」をしてみましたのでお付き合い頂ければと思います。
《ファステストラップベスト10(全タイヤより)》
まずはタイヤコンパウンドによらず単純に3日間のラップタイムベスト10を挙げていきます。
1 1分28秒960 フェルスタッペン 3日目 C4
2 1分29秒053 角田裕毅 3日目 C5
3 1分29秒611 サインツ 3日目 C4
4 1分29秒766 ライコネン 3日目 C5
5 1分30秒025 ハミルトン 3日目 C5
6 1分30秒117 ラッセル 3日目 C5
7 1分30秒144 リカルド 3日目 C4
8 1分30秒187 ペレス 3日目 C4
9 1分30秒289 ボッタス 2日目 C5
10 1分30秒318 アロンソ 3日目 C4
ウィリアムズのニッサニーを含めた全21人中、ドライバーが被ることなく上位10人が入っています。9番目のボッタスを除いた9人が最終日3日目に速いラップを出しており、タイヤはC5またはC4で記録されたものになります。タイヤによる訳はこの後みていきますが、今回の3日間、雨は当然降らずドライタイヤで行われ、そのうち最も硬いC1を除いたC2から C5の4種(アストンマーティンについてはテストタイヤも装着)で行われています。
最速はホンダラストイヤーを背負って立つレッドブルのフェルスタッペンがC5よりワンランク硬いC4にて1分28秒960を記録しています。グリップに富むC5勢を差し置いてのトップとなれば、所詮テストとはいえ心強い結果ですね。続いたのは僅か0.093秒差のアルファタウリ角田くんがC5で記録した1分29秒053となっています。タイヤコンパウンド的に有利ではありますが、何せ角田くんはF1一年生です。並み居る先輩ドライバーを差し置いてのこの位置は周囲を驚かせましたね。3番目、4番目は昨シーズン大コケに終わったフェラーリパワーユニット勢が入り、その4番手アルファロメオのライコネンまでが1分29秒台となります。
気になるメルセデスパワーユニット勢はというと、ハミルトンがC5タイヤを履き3日目で記録した5番手タイム1分30秒025が最速となり、以降ラッセル、リカルド、ボッタスまでがベスト10に入りました。21人のうちメルセデスパワーユニット搭載ドライバーは9人おり、その半数の4人が多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれの考えによるかと思いますが、多くの方はテストとはいえ、少ないという印象を持たれる方が多いのではないかなと思います。一応 4チームのうち1チームを除いたチームの一人ずつは入っているし、テストプログラムや装着タイヤもチームによってそれぞれですから、一概に調子がよくなさそうと捉えるのは早いけど、ご存知の通りメルセデスパワーユニット搭載車はトラブルを多くさらけ出す内容に終わりました。特にトップ10入りできなかった1チーム、アストンマーティンの出来も気になるところです。こんなはずではなかったのに、、なんて思っているのではないでしょうか。
《タイヤ別チーム別ファステストラップ》
チーム別、タイヤコンパウンド別で記録されたファステストラップをグラフで表現しました。
今では馴染みのない色遣いにはなりましたが、最も柔らかいC5はピンク、C4は紫、C3が黄色、C2は白とし、参考までに昨シーズン11月末に行われた第15戦バーレーンGP予選でメルセデスのハミルトンがC4で記録したポールポジションタイムを紫破線で示しています。
各コンパウンドで各チーム似たような長さの棒グラフになりました。その中でもアストンマーティンのC3、ハースのC2、ウィリアムズのC3がずば抜けて遅いタイムとなっています。除外したいところですが、テストの生データとして残しておきます。このままでは見辛いので昨年と同様に各タイヤコンパウンド別にグラフ化してみていきたいと思います。
C5 平均:1分30秒051
メルセデス・M 1分30秒025
レッドブル・H -
マクラーレン・M -
アストンマーティン・M 1分30秒460
アルピーヌ・R -
フェラーリ・F 1分30秒886
アルファタウリ・H 1分29秒053
アルファロメオ・F 1分29秒766
ハース・F -
ウィリアムズ・M 1分30秒117
最も柔らかいコンパウンドであるC5を装着してテストに臨んだのはメルセデス、アストンマーティン、フェラーリ、アルファタウリ、アルファロメオ、ウィリアムズの6チームです。一般的にはタイム的に最も速いラップを築けるタイヤではありますが、来週行われる開幕戦バーレーンGPでは使用されないタイヤです。この中で最速ラップとなったのはアルファタウリの角田くんによる1分29秒053でした。タイムとしてはC4を履いた昨年のポールポジションに程遠いもので、全力で走っていないことは公然の事実ではありますが、メルセデスやフェラーリがいる中で上回っているというのは素直に嬉しいですね。
C4 平均:1分30秒464
メルセデス・M -
レッドブル・H 1分28秒960
マクラーレン・M 1分30秒144
アストンマーティン・M -
アルピーヌ・R 1分30秒318
フェラーリ・F 1分29秒611
アルファタウリ・H 1分30秒828
アルファロメオ・F -
ハース・F 1分31秒718
ウィリアムズ・M 1分31秒672
(参考)2020P.P. 1分27秒264
続いておそらく開幕戦バーレーンGPでポールポジションを決めることになるであろうC4です。参考までに昨年のキングが歴代最速を更新した1分27秒264を併記しておきます。C4はメルセデス、アストンマーティン、アルファロメオの3チームを除く7チームで使用され、最速は先程みた今回のテストにおいて最速となるフェルスタッペンの1分28秒960でした。同じコンパウンドとはいえ、昨年のポールポジションタイムと比べると1秒696も差があります。テストなのでまだフルパワーのタイムアタックではない事、それに加え今シーズンのマシンレギュレーションには「フロア面積の縮小」が盛り込まれました。ダウンフォース量が低下するということは、多少なりともコーナリングの速度低下、特にリヤのスタビリティ低下に繋がりそうです。
C3 平均:1分32秒132
メルセデス・M -
レッドブル・H 1分30秒674
マクラーレン・M 1分30秒661
アストンマーティン・M 1分35秒041
アルピーヌ・R 1分31秒310
フェラーリ・F 1分30秒486
アルファタウリ・H 1分32秒231
アルファロメオ・F 1分31秒945
ハース・F 1分32秒053
ウィリアムズ・M 1分34秒789
タイヤコンパウンドの中央に位置し、バーレーンGPのみならず全てのサーキットに用いられることとなるC3タイヤはメルセデスを除く9チームで使用されました。先に話してしまうと、メルセデスは今回使用された 4種類のうち、一番柔らかいC5と一番硬いC2の2種類しか使用しませんでした。調整レベルのペースでもC3を使ってくれたら各車比較しやすかったのに(笑)最速は何と久々にフェラーリが僅差でマクラーレンとレッドブルを上回りました。フェラーリが上位に来ると「F1」って感じがしますよね。まだテストだけど。アストンマーティンとウィリアムズの遅れ方が尋常ではありません。失礼ながらウィリアムズは呑み込みやすいけど、まさかアストンマーティンがこんな位置に来ると思いませんでした。
C2 平均:1分32秒914
メルセデス・M 1分32秒406
レッドブル・H 1分31秒682
マクラーレン・M 1分32秒203
アストンマーティン・M -
アルピーヌ・R 1分32秒339
フェラーリ・F -
アルファタウリ・H 1分32秒727
アルファロメオ・F -
ハース・F 1分36秒127
ウィリアムズ・M -
今回の合同テストで最も硬いコンパウンドとなったC2はメルセデス、レッドブル、マクラーレン、アルピーヌ、アルファタウリ、ハースの6チームが使用しています。タイム的には新人2人が不安でしかないハースを除く5チームが僅差であり、最速はレッドブルの1分31秒682です。まだテストの段階ですし、フルパワーのラップタイムでないことを勘案しても、ハースのタイムはやはり不安。マゼピンが最終日3日目にC4で1分31秒718のタイムを出しているものの、最下位のタイムです。下馬評でもちらほら囁かれていますが、今シーズンはアルファロメオやウィリアムズにも敵わない位置にきてしまいそうな気がしてなりません。
《テストから読み取る各コンパウンドのタイム差》
4種類のタイヤコンパウンドにおいて、各チームのトップタイムを平均化して、今回の合同テストの目安になるものを算出しました。
C5 平均:1分30秒051
C4 平均:1分30秒464 C5+0秒413
C3 平均:1分32秒132 C4+1秒668
C2 平均:1分32秒914 C3+0秒782
上から下にタイヤが硬くなっていく訳ですが、ラップタイムについてもその通り上から下につれて遅くなるという結果となりました。一つ下のコンパウンドと差をみていくと、C4はC5の0.5秒落ち、C3はC4の1.7秒落ち、そしてC2はC3の0.8秒落ちとなります。C4とC3の差が大きいですね。要因はC3のウィリアムズとアストンマーティンによる遅れでしょう。これが真の実力差と思えない差ですので、正常なタイムを刻めていれば、こんなに差は開かないはずです。C3のみが異常値であればC2との差は縮まるものですが、C2も他のコンパウンドに比べて差が出てしまっています。こちらはハースの遅れに引っ張られる形となりました。
以上が先日行われたバーレーン国際サーキットでの合同テスト結果です。あくまで結果として表れた数字なので、砂ほこりやマシントラブル等々の出来事以外、語りようがありません。ただココで終わればmiyabikunは単なるおっちゃん。この先はフィクションではありますが数的根拠を使いながら「バーレーンGP予選のタイム」を占ってみたいと思います。
以前も無理矢理こじつけてカタロニアサーキットのポールタイムを予想していました。今回のバーレーン合同テストは過去に例がありませんので、より無理矢理感はあると思います。当たるも八卦、当たらぬも八卦ということで恨みっこ無しでお付き合い頂ければ幸いです。
まず昨年のバーレーンGP予選のポールポジションを振り返っておきましょう。
「感染前」のハミルトンがソフトタイヤ(C4)で最後の最後に叩き出したポールタイムは1分27秒264でした。今回のテストでC4最速だったのはフェルスタッペンの1分28秒960で差は1秒696です。これではチームやマシンもドライバーも違うし、パラメータが少ないため割り出すには至りません。そこでいくつかの工程を経てポールポジションタイムまでもっていこうと思います。
今回のテストで最も多くのチームがテストしたタイヤコンパウンドはC3でした。しかし肝心なメルセデスは唯一記録がないため、メルセデスのC3タイムを「想定」する必要があります。メルセデスのC2は1分32秒406でした。こちらから先程割り出したC3とC2の差を使って、メルセデスの抜けたC3タイムを補います。
メルセデスのC3を想定
1分32秒406 - 0秒782 = 1分31秒624
《メルセデス想定を含めたC3最速タイム》
フェラーリ・F 1分30秒486
マクラーレン・M 1分30秒661
レッドブル・H 1分30秒674
メルセデス・M (1分31秒624)
アルピーヌ・R 1分31秒310
アルファロメオ・F 1分31秒945
ハース・F 1分32秒053
アルファタウリ・H 1分32秒231
ウィリアムズ・M 1分34秒789
アストンマーティン・M 1分35秒041
各チームを並べるとこのような形になりました。グラフは順番を入れ替え、速いタイムを左側とし、想定したメルセデスは少し薄めの表現としています。メルセデスはアルピーヌとアルファロメオに挟まれた5番手に位置します。
今年の開幕戦バーレーンGPはC4をソフト、C3をミディアム、C2がハードタイヤとなるため、予選はソフトタイヤのC4を使って争うことが予想されますが、今回のテストではC4のデータも少なく、メルセデスも計測していないため先程全チームが揃ったC3のタイムをC4化してあげる必要があります。C3はC4の1秒668落ちですので、その分を減じてみます。
(例)メルセデスの想定C3をC4化
1分31秒624 - 1秒668 = 1分29秒956
さらに今回のテストペースを予選仕様にしてあげる必要があります。フェルスタッペンによるC4最速と昨シーズンのポールポジションとの差である1秒668を減じて今シーズンのバーレーンGP予選予想タイムとします。
これらから導き出された各チームの予選予想タイムはこちらです。
《C4タイヤでのバーレーンGP予選予想タイム》
フェラーリ・F (1分27秒122)
マクラーレン・M (1分27秒297)
レッドブル・H (1分27秒310)
アルピーヌ・R (1分27秒946)
メルセデス・M (1分28秒260)
アルファロメオ・F (1分28秒581)
ハース・F (1分28秒689)
アルファタウリ・H (1分28秒867)
ウィリアムズ・M (1分31秒425)
アストンマーティン・M(1分31秒677)
メルセデスは先程割り出した順位のまま5番手の1分28秒260。最速はフェラーリの1分27秒122という結果になりました。昨シーズンのポールタイムを辛うじて上回り、他はそれを下回っています。ドライバー変更は様々あり、マシンは「フロア面積の縮小」があるため、タイム低下が予想されていますが、まあまあいい感じの位置かなと思っていますがいかがでしょうか。さすがにメルセデスがこんな位置のままでいるわけではないでしょうし、多くの期待を背負うアルファタウリがだいぶ後方に追いやられ、ウィリアムズとアストンマーティンがとんでもないタイム差になってしまいましたが、この辺はこうにはならないことを祈りましょう。
最後はギャグっぽい検証になりましたが、これでシーズン前合同テストのまとめと開幕戦バーレーンGP予選タイム予想を終わります。来週いよいよF1が我々の前に戻ってきますね。待ち遠しいです。
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《ファステストラップベスト10(全タイヤより)》
まずはタイヤコンパウンドによらず単純に3日間のラップタイムベスト10を挙げていきます。
1 1分28秒960 フェルスタッペン 3日目 C4
2 1分29秒053 角田裕毅 3日目 C5
3 1分29秒611 サインツ 3日目 C4
4 1分29秒766 ライコネン 3日目 C5
5 1分30秒025 ハミルトン 3日目 C5
6 1分30秒117 ラッセル 3日目 C5
7 1分30秒144 リカルド 3日目 C4
8 1分30秒187 ペレス 3日目 C4
9 1分30秒289 ボッタス 2日目 C5
10 1分30秒318 アロンソ 3日目 C4
ウィリアムズのニッサニーを含めた全21人中、ドライバーが被ることなく上位10人が入っています。9番目のボッタスを除いた9人が最終日3日目に速いラップを出しており、タイヤはC5またはC4で記録されたものになります。タイヤによる訳はこの後みていきますが、今回の3日間、雨は当然降らずドライタイヤで行われ、そのうち最も硬いC1を除いたC2から C5の4種(アストンマーティンについてはテストタイヤも装着)で行われています。
最速はホンダラストイヤーを背負って立つレッドブルのフェルスタッペンがC5よりワンランク硬いC4にて1分28秒960を記録しています。グリップに富むC5勢を差し置いてのトップとなれば、所詮テストとはいえ心強い結果ですね。続いたのは僅か0.093秒差のアルファタウリ角田くんがC5で記録した1分29秒053となっています。タイヤコンパウンド的に有利ではありますが、何せ角田くんはF1一年生です。並み居る先輩ドライバーを差し置いてのこの位置は周囲を驚かせましたね。3番目、4番目は昨シーズン大コケに終わったフェラーリパワーユニット勢が入り、その4番手アルファロメオのライコネンまでが1分29秒台となります。
気になるメルセデスパワーユニット勢はというと、ハミルトンがC5タイヤを履き3日目で記録した5番手タイム1分30秒025が最速となり、以降ラッセル、リカルド、ボッタスまでがベスト10に入りました。21人のうちメルセデスパワーユニット搭載ドライバーは9人おり、その半数の4人が多いと捉えるか少ないと捉えるかは人それぞれの考えによるかと思いますが、多くの方はテストとはいえ、少ないという印象を持たれる方が多いのではないかなと思います。一応 4チームのうち1チームを除いたチームの一人ずつは入っているし、テストプログラムや装着タイヤもチームによってそれぞれですから、一概に調子がよくなさそうと捉えるのは早いけど、ご存知の通りメルセデスパワーユニット搭載車はトラブルを多くさらけ出す内容に終わりました。特にトップ10入りできなかった1チーム、アストンマーティンの出来も気になるところです。こんなはずではなかったのに、、なんて思っているのではないでしょうか。
《タイヤ別チーム別ファステストラップ》
チーム別、タイヤコンパウンド別で記録されたファステストラップをグラフで表現しました。
今では馴染みのない色遣いにはなりましたが、最も柔らかいC5はピンク、C4は紫、C3が黄色、C2は白とし、参考までに昨シーズン11月末に行われた第15戦バーレーンGP予選でメルセデスのハミルトンがC4で記録したポールポジションタイムを紫破線で示しています。
各コンパウンドで各チーム似たような長さの棒グラフになりました。その中でもアストンマーティンのC3、ハースのC2、ウィリアムズのC3がずば抜けて遅いタイムとなっています。除外したいところですが、テストの生データとして残しておきます。このままでは見辛いので昨年と同様に各タイヤコンパウンド別にグラフ化してみていきたいと思います。
C5 平均:1分30秒051
メルセデス・M 1分30秒025
レッドブル・H -
マクラーレン・M -
アストンマーティン・M 1分30秒460
アルピーヌ・R -
フェラーリ・F 1分30秒886
アルファタウリ・H 1分29秒053
アルファロメオ・F 1分29秒766
ハース・F -
ウィリアムズ・M 1分30秒117
最も柔らかいコンパウンドであるC5を装着してテストに臨んだのはメルセデス、アストンマーティン、フェラーリ、アルファタウリ、アルファロメオ、ウィリアムズの6チームです。一般的にはタイム的に最も速いラップを築けるタイヤではありますが、来週行われる開幕戦バーレーンGPでは使用されないタイヤです。この中で最速ラップとなったのはアルファタウリの角田くんによる1分29秒053でした。タイムとしてはC4を履いた昨年のポールポジションに程遠いもので、全力で走っていないことは公然の事実ではありますが、メルセデスやフェラーリがいる中で上回っているというのは素直に嬉しいですね。
C4 平均:1分30秒464
メルセデス・M -
レッドブル・H 1分28秒960
マクラーレン・M 1分30秒144
アストンマーティン・M -
アルピーヌ・R 1分30秒318
フェラーリ・F 1分29秒611
アルファタウリ・H 1分30秒828
アルファロメオ・F -
ハース・F 1分31秒718
ウィリアムズ・M 1分31秒672
(参考)2020P.P. 1分27秒264
続いておそらく開幕戦バーレーンGPでポールポジションを決めることになるであろうC4です。参考までに昨年のキングが歴代最速を更新した1分27秒264を併記しておきます。C4はメルセデス、アストンマーティン、アルファロメオの3チームを除く7チームで使用され、最速は先程みた今回のテストにおいて最速となるフェルスタッペンの1分28秒960でした。同じコンパウンドとはいえ、昨年のポールポジションタイムと比べると1秒696も差があります。テストなのでまだフルパワーのタイムアタックではない事、それに加え今シーズンのマシンレギュレーションには「フロア面積の縮小」が盛り込まれました。ダウンフォース量が低下するということは、多少なりともコーナリングの速度低下、特にリヤのスタビリティ低下に繋がりそうです。
C3 平均:1分32秒132
メルセデス・M -
レッドブル・H 1分30秒674
マクラーレン・M 1分30秒661
アストンマーティン・M 1分35秒041
アルピーヌ・R 1分31秒310
フェラーリ・F 1分30秒486
アルファタウリ・H 1分32秒231
アルファロメオ・F 1分31秒945
ハース・F 1分32秒053
ウィリアムズ・M 1分34秒789
タイヤコンパウンドの中央に位置し、バーレーンGPのみならず全てのサーキットに用いられることとなるC3タイヤはメルセデスを除く9チームで使用されました。先に話してしまうと、メルセデスは今回使用された 4種類のうち、一番柔らかいC5と一番硬いC2の2種類しか使用しませんでした。調整レベルのペースでもC3を使ってくれたら各車比較しやすかったのに(笑)最速は何と久々にフェラーリが僅差でマクラーレンとレッドブルを上回りました。フェラーリが上位に来ると「F1」って感じがしますよね。まだテストだけど。アストンマーティンとウィリアムズの遅れ方が尋常ではありません。失礼ながらウィリアムズは呑み込みやすいけど、まさかアストンマーティンがこんな位置に来ると思いませんでした。
C2 平均:1分32秒914
メルセデス・M 1分32秒406
レッドブル・H 1分31秒682
マクラーレン・M 1分32秒203
アストンマーティン・M -
アルピーヌ・R 1分32秒339
フェラーリ・F -
アルファタウリ・H 1分32秒727
アルファロメオ・F -
ハース・F 1分36秒127
ウィリアムズ・M -
今回の合同テストで最も硬いコンパウンドとなったC2はメルセデス、レッドブル、マクラーレン、アルピーヌ、アルファタウリ、ハースの6チームが使用しています。タイム的には新人2人が不安でしかないハースを除く5チームが僅差であり、最速はレッドブルの1分31秒682です。まだテストの段階ですし、フルパワーのラップタイムでないことを勘案しても、ハースのタイムはやはり不安。マゼピンが最終日3日目にC4で1分31秒718のタイムを出しているものの、最下位のタイムです。下馬評でもちらほら囁かれていますが、今シーズンはアルファロメオやウィリアムズにも敵わない位置にきてしまいそうな気がしてなりません。
《テストから読み取る各コンパウンドのタイム差》
4種類のタイヤコンパウンドにおいて、各チームのトップタイムを平均化して、今回の合同テストの目安になるものを算出しました。
C5 平均:1分30秒051
C4 平均:1分30秒464 C5+0秒413
C3 平均:1分32秒132 C4+1秒668
C2 平均:1分32秒914 C3+0秒782
上から下にタイヤが硬くなっていく訳ですが、ラップタイムについてもその通り上から下につれて遅くなるという結果となりました。一つ下のコンパウンドと差をみていくと、C4はC5の0.5秒落ち、C3はC4の1.7秒落ち、そしてC2はC3の0.8秒落ちとなります。C4とC3の差が大きいですね。要因はC3のウィリアムズとアストンマーティンによる遅れでしょう。これが真の実力差と思えない差ですので、正常なタイムを刻めていれば、こんなに差は開かないはずです。C3のみが異常値であればC2との差は縮まるものですが、C2も他のコンパウンドに比べて差が出てしまっています。こちらはハースの遅れに引っ張られる形となりました。
以上が先日行われたバーレーン国際サーキットでの合同テスト結果です。あくまで結果として表れた数字なので、砂ほこりやマシントラブル等々の出来事以外、語りようがありません。ただココで終わればmiyabikunは単なるおっちゃん。この先はフィクションではありますが数的根拠を使いながら「バーレーンGP予選のタイム」を占ってみたいと思います。
以前も無理矢理こじつけてカタロニアサーキットのポールタイムを予想していました。今回のバーレーン合同テストは過去に例がありませんので、より無理矢理感はあると思います。当たるも八卦、当たらぬも八卦ということで恨みっこ無しでお付き合い頂ければ幸いです。
まず昨年のバーレーンGP予選のポールポジションを振り返っておきましょう。
「感染前」のハミルトンがソフトタイヤ(C4)で最後の最後に叩き出したポールタイムは1分27秒264でした。今回のテストでC4最速だったのはフェルスタッペンの1分28秒960で差は1秒696です。これではチームやマシンもドライバーも違うし、パラメータが少ないため割り出すには至りません。そこでいくつかの工程を経てポールポジションタイムまでもっていこうと思います。
今回のテストで最も多くのチームがテストしたタイヤコンパウンドはC3でした。しかし肝心なメルセデスは唯一記録がないため、メルセデスのC3タイムを「想定」する必要があります。メルセデスのC2は1分32秒406でした。こちらから先程割り出したC3とC2の差を使って、メルセデスの抜けたC3タイムを補います。
メルセデスのC3を想定
1分32秒406 - 0秒782 = 1分31秒624
《メルセデス想定を含めたC3最速タイム》
フェラーリ・F 1分30秒486
マクラーレン・M 1分30秒661
レッドブル・H 1分30秒674
メルセデス・M (1分31秒624)
アルピーヌ・R 1分31秒310
アルファロメオ・F 1分31秒945
ハース・F 1分32秒053
アルファタウリ・H 1分32秒231
ウィリアムズ・M 1分34秒789
アストンマーティン・M 1分35秒041
各チームを並べるとこのような形になりました。グラフは順番を入れ替え、速いタイムを左側とし、想定したメルセデスは少し薄めの表現としています。メルセデスはアルピーヌとアルファロメオに挟まれた5番手に位置します。
今年の開幕戦バーレーンGPはC4をソフト、C3をミディアム、C2がハードタイヤとなるため、予選はソフトタイヤのC4を使って争うことが予想されますが、今回のテストではC4のデータも少なく、メルセデスも計測していないため先程全チームが揃ったC3のタイムをC4化してあげる必要があります。C3はC4の1秒668落ちですので、その分を減じてみます。
(例)メルセデスの想定C3をC4化
1分31秒624 - 1秒668 = 1分29秒956
さらに今回のテストペースを予選仕様にしてあげる必要があります。フェルスタッペンによるC4最速と昨シーズンのポールポジションとの差である1秒668を減じて今シーズンのバーレーンGP予選予想タイムとします。
(例)メルセデスの想定C4を「予選仕様」化
1分29秒956 - 1秒696 = 1分28秒260
これらから導き出された各チームの予選予想タイムはこちらです。
《C4タイヤでのバーレーンGP予選予想タイム》
フェラーリ・F (1分27秒122)
マクラーレン・M (1分27秒297)
レッドブル・H (1分27秒310)
アルピーヌ・R (1分27秒946)
メルセデス・M (1分28秒260)
アルファロメオ・F (1分28秒581)
ハース・F (1分28秒689)
アルファタウリ・H (1分28秒867)
ウィリアムズ・M (1分31秒425)
アストンマーティン・M(1分31秒677)
メルセデスは先程割り出した順位のまま5番手の1分28秒260。最速はフェラーリの1分27秒122という結果になりました。昨シーズンのポールタイムを辛うじて上回り、他はそれを下回っています。ドライバー変更は様々あり、マシンは「フロア面積の縮小」があるため、タイム低下が予想されていますが、まあまあいい感じの位置かなと思っていますがいかがでしょうか。さすがにメルセデスがこんな位置のままでいるわけではないでしょうし、多くの期待を背負うアルファタウリがだいぶ後方に追いやられ、ウィリアムズとアストンマーティンがとんでもないタイム差になってしまいましたが、この辺はこうにはならないことを祈りましょう。
最後はギャグっぽい検証になりましたが、これでシーズン前合同テストのまとめと開幕戦バーレーンGP予選タイム予想を終わります。来週いよいよF1が我々の前に戻ってきますね。待ち遠しいです。
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