F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

カテゴリ: ドライバーピックアップ

2021年は3人の新人と1人のドライバーが復帰参戦を果たしましたが、F1のシートは10チーム20人に限られているため、押し出される形で4人のドライバーがシートを失うことになります。その中には長くF1界を支えつつ、かねてから喪失の噂がちらほら飛び交っていたハースのグロージャンとマグヌッセンの2人の中堅ドライバーが含まれています。他、アルボンはまだまだ若いから復帰のチャンスは無くはないし、クビアトは「三度目の正直」が果たしてあるのかないのか。そんな4人の中、今回はmiyabikunが「マルH軍団」といじり倒してきたハースの2人の戦績を振り返りながら、次なる舞台へ送り出したいと思いました。ダラダラ長くなってしまいましたが、ご覧下さい。
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ロマン・グロージャン(フランス、スイス)
 1986年4月17日生まれ
 2009年,12年〜20年 10シーズン 181戦参戦
 0勝 P.P.0回 表彰台10回 入賞59回 F.L.1回

 09 ルノー       7戦参戦        予選12番手 決勝13位
 12 ロータス 19戦参戦        予選2番手   決勝2位
 13 ロータス 19戦全戦参戦 予選3番手   決勝2位
 14 ロータス 19戦全戦参戦 予選5番手   決勝8位
 15 ロータス 19戦全戦参戦 予選4番手   決勝3位
 16 ハース     21戦全戦参戦 予選7番手   決勝5位
 17 ハース     20戦全戦参戦 予選6番手   決勝6位
 18 ハース     21戦全戦参戦 予選5番手   決勝4位
 19 ハース     21戦全戦参戦 予選6番手   決勝7位
 20 ハース     15戦参戦        予選14番手 決勝9位

F1でのグロージャンはフランス籍でドライブしていましたが、実際はスイスにも国籍を持つ二重国籍者です。F1デビュー前はスイスやフランスの下位カテゴリーに参戦、頭角を示し、地元のワークスであるルノーの育成ドライバーの1人でした。2008年のGP2アジアで初代チャンピオンに輝くと、翌09年に08年第15戦シンガポールGPでルノーは故意のクラッシュによりレースを操作するいわゆる「クラッシュゲート」が発覚。対象ドライバーのピケが解雇されたことでテストドライバーからの昇格によりF1シートを手にします。
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まずグロージャンの所属チームとポイントランキンググラフをみていきましょう。グロージャンはフランスということで以下に示すグラフのイメージカラーは青を充てました。所属チームは先述のルノーワークスをはじめ、2010年、11年の浪人期間を経て、12年からロータス(ルノー)に4シーズン在籍。16年からはアメリカの新興チームであるハースへ立ち上げ初年に移籍し、昨シーズンまで5シーズン在籍しました。F1は初年09年のスポット参戦から数えると10シーズンとなり、なかなかのベテランではありますが、チームとしては3チームの在籍、ロータスをルノーの直系と考えれば、ルノーとハースの2系統に絞られます。ランキング最高位はロータスで2年目にあたる13年の7位でした。その後15年に11位と多少の浮上はあるものの、下降の一途をたどり、最終年の昨年は入賞1回2ポイント。参戦23人中19位、レギュラードライバーのみでは18番目という不甲斐無い内容でF1キャリアを終えることとなりました。
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細かな戦績をいつものグラフにしました。薄黄色の領域は表彰台圏内、薄緑色は入賞圏内になります。ちなみに09年の入賞は8位まででした。1年目の09年はシーズン終盤の7戦に参戦しますが、残念ながら入賞はなりませんでした。若いグロージャンは一度F1のシートを喪失、再びGP2に戻ってF1復帰の隙を伺います。11年はフランスのDAMSでチャンピオンを獲得して翌12年に再びF1シートを手にします。当時のGP2は多くの有望な若手を輩出することで有名でしたね。先輩にはN・ロズベルグやハミルトン、グロック、ヒュルケンベルグや後のチームメイトとなるマルドナド、パーマーなどがチャンピオンを獲得しており、バンドーンやガスリー、また名称は変われどルクレールやラッセルもこのカテゴリーの出です。
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2012年シーズンからライコネンと共に再びレギュラーシートを得て「黒いルノー」を支えていきます。その初戦オーストラリアGP予選はライコネンが18番手に沈む一方、なんと同じルノーエンジンを積むチャンピオンのレッドブルを上回り、マクラーレンに続く3番手を獲得し周囲を驚かせました。結果的にはリタイヤで終えますが、まだ25歳と若く「さすがGP2チャンピオン」という速さをみせています。この年は第4戦バーレーンGPで3位、第7戦モナコGPで2位、第11戦ハンガリーGPで3位と3回の表彰台に登壇。そのうちの3位2回はライコネンとのダブル表彰台となり、ロータスのマシンポテンシャルの高さを証明することとなりました。翌13年も5回の3位と第18戦アメリカGPで2位を挙げ、ポイントランキングは自己最高の7位に浮上しています。2シーズンとも格上ベテランのライコネンに負けはしましたが、当時貴重な有力フランス人ドライバーとして名を上げています。
しかし切れ味ある走りの一方で度々大クラッシュを招くシーンも目立ちました。特に12年第12戦ベルギーGPは8番手スタートの直後ハミルトンやアロンソ、小林可夢偉らを巻き込み多くのリタイヤを出したことをとがめられ、罰金プラス次戦イタリアGPの出場停止を食らっています。グロージャンは他にもスタート直後やレース序盤でのクラッシュが多く、それも単独ではなく「他車を巻き込む」ものが目立ちました。結果として速さはあれど「近くを走るのが怖い」というレッテルを長きに渡り貼られることになりましたね。
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16年から「ルノーの秘蔵っこ」から卒業、アメリカを本拠地としてフェラーリと密な関係を築く形で立ち上げたハースのエースとして、レースエンジニアの小松礼雄と共に移籍します。開幕戦オーストラリアGPの予選は19番手に沈むも決勝は6位フィニッシュ。続く第2戦バーレーンGPも予選9番手から5位の連続入賞を果たすなど、チームメイトのグティエレスに対して格の違いを見せつけました。17年からは表彰台登壇歴もあるマグヌッセンをチームメイトとし、さらなる飛躍を期待されますが、シーズン半分弱の8回の入賞を挙げるもののスピードを活かした走りができず、マシン側のトラブルや未完成さに苦しめられます。さらにはハースに移籍してからも「ドライビングの荒っぽさ」が抜け切れず、18年第5戦スペインGPの1周目で単独のスピンからまたも他車を巻き込むクラッシュを引き起こし、昨年20年の第15戦バーレーンGPもオープニングラップで詰まりかけた前車を回避する際にコントロールし切れずガードレールにクラッシュし爆発炎上してレースを中断する騒ぎとなったのは記憶に新しい出来事です。皮肉なことに自身のクラッシュによる火傷の治療のために契約よりも離脱が2戦早めてしまいました。
ハースでの最高位は予選が18年第13戦ベルギーGPの5番手、決勝も同じく18年第9戦オーストリアGPの4位と若手のロータス時代に予選、決勝とも及びませんでした。09年の代打デビューから昨年のバーレーンGPまでに181戦のエントリーとなっています。

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ケビン・マグヌッセン(デンマーク)
 1992年10月5日生まれ
 2014年〜20年 7シーズン 120戦参戦
 0勝 P.P.0回 表彰台1回 入賞35回 F.L.2回


 14 マクラーレン 19戦全戦参戦 予選4番手   決勝2位
 15 マクラーレン   1戦参戦        予選18番手 決勝不出走
 16 ルノー            21戦全戦参戦 予選12番手 決勝7位
 17 ハース            20戦全戦参戦 予選11番手 決勝7位
 18 ハース            21戦全戦参戦 予選5番手   決勝5位
 19 ハース            21戦全戦参戦 予選6番手   決勝6位
 20 ハース            17戦全戦参戦 予選15番手 決勝10位

マグヌッセンについては3年半ほど前にあたる17年に「ヤンとヨス」なるF1の二世ドライバー4人に関する特集をしたことがあり、そちらで簡単に触れました。父のヤン・マグヌッセンは95年のスポット参戦を含め、98年まで3シーズン25戦のF1走行歴があります。息子ケビンが3〜6歳の頃ですから、微かに記憶があるかどうか。短い期間ながら父ヤンの走りを観てきた者からすれば、息子はどんなもんだろうとデビュー以降も大変興味をもって見守ってきました。
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ケビン・マグヌッセン(以下マグヌッセン)の所属チームとポイントランキンググラフです。イメージカラーはデンマーク国旗の赤としました。所属チームはマクラーレン、ルノー、ハースの3チームとなります。最も長いのはハースの4シーズン在籍です。マグヌッセンは2010年からドイツやイギリスのF3でならし、その頃に父ヤンと同様にマクラーレンの育成ドライバーに選出されるなど、着実なステップアップを経てF1の世界に進出してきました。13年にマクラーレンの控えドライバーとなり、翌14年はペレスの後任として正ドライバーに昇格を果たしています。IMG_8219
近年はF1ど新人の若手ノリスの起用やその活躍などで違和感はさほどありませんが、あの名門マクラーレンがF1で実績の無い若手の起用は当時とても驚きましたよね。07年のハミルトンに続く「異例」の抜擢でした。さらに驚くのはデビュー戦となった開幕戦オーストラリアGPの予選は相方でチャンピオン経験もあるバトンが11番手で沈む一方、マグヌッセンはメルセデス、レッドブルに続く4番手を獲得。決勝はリカルドの失格もあり何と2位表彰台を獲得してしまうこと。デビュー戦でいきなり初表彰台ですから、一気に「父超え」を完了、そして大物新人っぷりを発揮しました。
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デビューイヤーはリタイヤこそ少なく、全19戦中12回入賞と新人にしてはなかなかの出来といえますが、やはりマクラーレンであり相方バトンと見比べると一段階劣る結果が続きます。結果的にマクラーレンはメルセデスと決別、翌15年からホンダを搭載することが決まり、さらにはフェラーリからアロンソが復帰することもあって一年でレギュラーから控えドライバーに降格することとなりました。
16年から三度ルノーがワークスとして参戦することとなり、ルノーはマクラーレンでくすぶっていたマグヌッセンをチーム立ち上げに抜擢。1年振りにレギュラードライバーとしてF1復帰に成功します。相方は80年代にF1参戦していたジョン・パーマーの息子のジョリオン・パーマーを新人として迎えたことにより「F1二世ドライバーコンビ」が成立しました。20戦のうち入賞は2回、最高位は第8戦アゼルバイジャンGPの7位に止まり、ドライバーズランキングはデビューイヤーの11位を下回る16位で終えました。ただチームやマシンがまだ成熟していないこと、またチームへのポイントのほとんどはマグヌッセンによってもたらしますが、チームと契約がうまくまとまらなかったため、ルノーワークスをわずか1年で離れる決意をし、17年からまだ設立して日の浅いハースへ移籍、グロージャンとの「マルH」コンビネーションがココで堂々成立(笑)
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ハースでのマグヌッセンは初年こそ年齢もキャリアも上のグロージャンの後塵を拝することが多くありましたが、2年目の18年シーズンはグロージャンが7回の入賞に対して、マグヌッセンは11回の入賞を記録し、ポイントランキングは上回る走りをするようになります。19年シーズンもグロージャンより一つ多い4回の入賞と少ないリタイヤ数でポイントランキングで上回りますが、メインスポンサー問題をはじめマシンの開発不足やタイヤとの相性、フェラーリパワーユニットの問題等も重なり予選順位よりも下がる決勝フィニッシュが続きました。グロージャンと共にマグヌッセンも20年シーズンをもってF1から離れる形となりますが、結果的には予選最上位はデビューイヤーである14年のマクラーレン時代の4番手が2回、決勝は先述のデビューレースの2位表彰台1回となっています。また今までデンマーク出身のF1ドライバーは父を含めたったの5人しか参戦が無く、マグヌッセンはデンマーク人唯一のF1表彰台登壇者で最高位の成績を残したことになります。
マグヌッセンの戦績の特徴は今シーズンに復帰参戦を果たすアロンソと同様に「現パワーユニット4社全てで(一応)参戦歴がある」という点です。15年のアロンソの代走をかって出た際は予選走行に止まり、決勝はマシントラブルによりスタートすることができずに終えていますが、現在のドライバーラインナップではかなり貴重な存在でした。またマグヌッセンといえばグロージャンと同様に「決勝レースでの走り方」について度々疑問を投げかけられる声が多くありました。グロージャンほどド派手なクラッシュはないものの、ライバルと接触して押し出したり、時にはチームメイトともバチバチやり合う姿を目にしましたよね。こちらもパッシングをかけたり近くを走るのにどこか覚悟が必要なドライバーであったという印象を持たれるようになってしまいました。
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《戦績比較》
似て非なる2人の戦績比較をしていきます。まずは先程個々で示した大枠となる歴代のドライバーズランキンググラフを合体させてみます。IMG_8187
グロージャンが一足早い09年からの参戦であるため、グラフが右寄りになっています。また2人とも残念ながらチャンピオン争いはできずにきてしまいましたので、上1/4はスカスカになりました。ご存知の通り、17年から4シーズンにわたってコンビを組んでいたため、同じマシンで純粋に単純な成績比較ができてしまいます。
グロージャンの最高位は参戦3年目のロータス時代となる7位です。シーズン終盤に離脱した先輩ライコネンの5位に順位だけはかなり迫りました(ただしポイント差は51ポイントも開いている)その後も大きく崩れることはないものの、右肩下がりの順位で進み、昨年は最低位となる19位でF1人生の幕を閉じています。グロージャンは第15戦バーレーンGPで発生したド派手なクラッシュのため残り2戦を棒に振ってしまいました。16位に位置するアルファロメオのライコネンとの差はたった2ポイントであり、その2戦の結果云々によってはもう少し浮上できたかもしれません。不可抗力とはいえ、レース開始直後の自らのミスにより身体まで痛い思いをして参戦を早期で切り上げる形になっちゃうあたりが何ともグロージャンらしい。
マグヌッセンは14年に当時トップチームの一角であったマクラーレンということもあって、1年目はちょうど中間に位置する11番手でスタートしています。例の「デビュー戦で2位」が大きな助けとなっています。その後の15年の1戦限りのスポット参戦は完走どころか「スターティンググリッドにつけず」という苦さも感じないレースとシーズンを経験。ルノー時代も16位と低調に終わり、最高位はハース2年目にあたる18年の9位となっています。ハース時代のポイントランキング上の勝敗はグロージャン、マグヌッセン共に2勝2敗の五部五部でした。内容をもう少し細かくみていきます。IMG_8216
2人の予選、決勝の順位をクロスさせています。色遣いは先程のプロットと同じです。予選からみていくとマグヌッセンがまだ参戦していない13年やマグヌッセンがマクラーレンから参戦14年、マグヌッセンが控えに戻ったためお休みしていた15年を除く近年5年は両者似たような位置の予選順位となっています。特に17年以降の4年間は同じハースからの参戦となり、同様のプロットと考えると、両者の実力差は多少あるにせよ「ハースで走れる最大限」を示しているかのようにみえます。ハースは新興チームでありながら、フェラーリのパワーユニットをはじめ数々の技術提供を受けています。フェラーリの成績に準ずる形で19年中盤まではそこそこ速く走れており、19年終盤で急激に順位を落としてしまいました。昨年20年に至ってはフロントロウやセカンドロウスタートの経験もあるこの2人の中堅をもってしても、Q3進出が叶いませんでした。予選の重要度が高くなりつつある近年で予選順位が芳しくないと、この後みる決勝についても辛いのは目に見えています。IMG_8217
予選編とそう差のない位置に決勝結果も並び、さらにそのプロットはスカスカになりました。その理由は25位の位置にたまる「リタイヤ、失格」が多いためです。リタイヤは一般的に全てがドライバー理由というわけではなく、マシンやチーム、他車の影響によっても起こり得ます。感覚的な言い方にはなりますが、この2人は単独トラブルよりは「他車を巻き込むクラッシュ」が目立ちました。マシンが速いこと、チーム戦略が長けていることも上位フィニッシュするにあたって重要なファクターです。しかし最低限の目標として「マシンを壊さずガレージに戻ってくる」必要があります。それが叶えられない走りであったり対処が多かったようにも感じます。クドいですがグロージャンの2位2回はキャリア序盤、マグヌッセンはデビュー戦2位というのが輝いていますね。キャリアにおいて予選順位が下り坂であれば、決勝も下位を抜け出せず、自ずとポイントランキングも下降線を描く。2人は色んな意味で共通項があるように感じます。
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2人のハース時代だけ抜き出し、いつものようにリタイヤや失格を最下位「20位扱い」とした場合の平均値を年毎に並べてみました。シーズンで勝る方の数字は赤く強調しています。若干の差はありつつも、2人の予選、決勝の平均順位は似通った数値を示し、予選が速い年は2人とも速いし、遅い年は2人とも同様に遅い、とシンクロしているあたりも、両者の実力差は遠からずで、マシンの許す限りの最大限は発揮できていたとみていい気がします。こちらもmiyabikunの感覚論にはなりますが、グロージャンは「予選などの一発速さ」に長け、マグヌッセンは「決勝で他車を間を縫って我慢するかぶつけて蹴落とす」印象があります。2人を足せば、色んな意味で「脅威の武器」が完成しそうな、、(笑)

《チームメイト対決》
最後は2人が共に切磋琢磨し、時には体当たりで戦ったチームメイトとの勝敗を比較します。まずはグロージャンから。
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グロージャンの歴代チームメイトはアロンソ、ライコネン(コバライネン)などのトップドライバーからはじまり、一触即発かマルドナド、可愛こちゃんグティエレス、そしてマグヌッセンと並び、一番一緒にいる時期が長かったのがマグヌッセンでした。序盤はキャリアに反して強敵相手となったためボロ負けです。しかし予選においてはロータス時代のライコネンと対等にやり合い、マルドナドに対しては圧勝しました。
一方で決勝となるとライコネンが一枚二枚上手となり、帯の中央にある黒の「イーブン」が目立ってきます。両者が何らかの理由により両者で勝敗のつけられない「リタイヤ」が該当します。グロージャンのリタイヤ、もちろんグロージャン自身の理由ばかりではありませんが、グロージャンらしい想像をしてしまいますよね。

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続いてマグヌッセンです。マクラーレン時代はバトン、ルノーではパーマー、そして先程の裏返しでハース時代のグロージャンとなり、グロージャン同様に相方はグロージャンが最多のお付き合いということになります。異例の15年を除くと、予選についてはチームメイトに対してまあまあいい勝負ができています。ハース初年の17年だけは先輩グロージャンが一歩有利か。
決勝は初年にボロ負けを喫した以外は予選と同様にいい勝負をしていたことがわかります。最終的なライバルはチームメイトより他チームに負けないことが必要となりますが、身近なチームメイトと比較するとさほど悪い結果とは言えません。
結果、グロージャンもマグヌッセンも本質が悪いわけではなく、実はマシンのポテンシャルに対しては比較的忠実であり、戦績が今ひとつだったのは乗るマシンの競争力が足りてなかったり、そのライバルの前での立ち振る舞いがF1らしからぬ「独特さ」であったが故とmiyabikunはフォローしたいと思います(笑)

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時には走り方やクラッシュの仕方が問題となり、危険走行、荒くれ者のイメージが色濃い2人は奇しくも晩年は同じチームで並び、同時にF1界から去ることが決まりました。ただ年齢的にはまだドライバー人生を終えるには早く、これまた奇しくも今シーズンはカテゴリーに違いはあれど戦いの舞台をアメリカに移して現役を続けていくことが決まりました。2人とも会って話したことはなく、サーキットでは超遠目からで他ほぼテレビでしか見たことはありませんが、マシンを降りればグロージャンはお人好し、またマグヌッセンはサッパリ男気のあるナイスガイであるという人柄をよく聴きます。荒くれ者であっても、それら人柄のよさや一発の速さ、粘り強い走りができるドライバーということで短命に終わらず、表彰台登壇や新規チームの立ち上げに必要とされてきたのだと思います。毎レースで何か「小ネタ」をぶち込んできた2人。いればいたでハラハラドキドキだったし、いなくなると考えるとどこか物足りなさを覚えます。今後の若手があまり真似してほしくないキャラクターではありますが、F1ドライバーばかりがドライバーではない、楽しく走れて勝利を求めて活路を見出すことも時には必要です。今回は単に「F1離脱=さようなら」してしまうのも惜しい2人と感じ、最後にガッツリ特集しました。これからは目にかかる機会は減ってしまいますが、新天地でのさらなる活躍を願っています。
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この1月末まで全てのドライバーの正式契約が揃うのを待ったのですが、あと1人がなかなか決まりませんね。もう待ち切れないので「2021年のドライバーラインナップ」をここでやっちゃおうと思います。

《チーム名改称、パワーユニット変更》
昨シーズンの「アルファタウリ」と同様に今シーズンも2チームのチーム名変更があります。

 レーシングポイント → アストンマーティン
 ルノー → アルピーヌ

まずアストンマーティンの方はストロールの父、ローレンス・ストロールがイギリスのアストンマーティンの株式を取得したことにより改称されます。アストンマーティンは映画「007シリーズ」のボンドカーで名を馳せた会社であり、高級かつ流麗なフォルムをなすスポーツモデルを長きに渡り製造、販売し、miyabikunの憧れるメーカーの一つです。過去には自社製エンジンを搭載したF1参戦歴がありますが成績はパッとせず、今回も自動車メーカー名を背負うわけではありますが、いわゆる「ワークス」ではなく、ご存知の通り引き続きメルセデスのパワーユニットを搭載して参戦となります。実際の市販車「ヴァンテージ」はメルセデスAMGのエンジンを搭載して成り立っています。また、近年はレッドブルのスポンサーとして各所にロゴが描かれていましたが、こちらは今シーズンから無くなります。
ルノーはアルピーヌという名前に変わります。ルノーはフランスの大企業ですので、ご覧頂いている方の中にも愛用されている方はいらっしゃると思いますが、アルピーヌは聞き慣れないという方も多いと思います。アルピーヌのルノーと同様のフランスの自動車メーカーであり、元々は別会社でした。1973年にルノーに買収されたルノーの子会社です。ルノーの市販ラインナップと同じく、歴代で比較的ライトウェイトのスポーツモデルを取り扱っており、車種の多くが頭文字に「A」を採用しています。アルピーヌブランドとして初のF1参戦のシャシー名もそれを踏襲するようです。
パワーユニットについては、一昨年の時点でマクラーレンがルノーからメルセデス製を採用する報道がありました。近年の黄金期を築いた「マクラーレン・メルセデス」がまた復活します。古くはフォード、ポルシェ、ホンダ、プジョーやメルセデス、そしてルノーと数多くのエンジンメーカーを採用してきたマクラーレン。あと載せてないのはフェラーリくらいか。

《ドライバー移籍状況》
 ◉ アロンソ → アルピーヌ → リカルド
   リカルド → マクラーレン → サインツ
   サインツ → フェラーリ → ベッテル
   ベッテル → アストンマーティン → ペレス
   ペレス → レッドブル → アルボン ●

 ◯ 角田裕毅 → アルファタウリ → クビアト ●

 ◯ マゼピン → ハース → グロージャン ●
 ◯ シューマッハ → ハース → マグヌッセン ●

 ◯は新規参戦、◉は復帰参戦、●はシート喪失

これらは決定の時系列というよりかは「相関関係」を示したものです。それは3つの系統に分類されます。まず一つ目のグループからみていくと、発端はフェラーリのベッテルの離脱から始まり、その空くシートにマクラーレンのエースとしてチームの底上げに大いに貢献したサインツが後任に選ばれました。そこのマクラーレンの空いたシートにはルノー(現 アルピーヌ)のリカルドが移籍し、その空きシートには2年の浪人を経たアロンソが2年振りに復帰します。
ベッテル起用により行き場を無くしたペレスは一時期F1シート喪失と思われたものの、戦績に不満を述べていたレッドブルのアルボンをレギュラーからリザーブに降格させ、昨シーズンの活躍を評価された(それ以外の理由もあるのか)ペレスをレッドブル塾生以外からの抜擢となりました。併せてレッドブルグループであるアルファタウリは戦績にムラのあるクビアトを再び放出、そこで念願の角田くんを初起用の運びとなりました。
一方で成績伸び悩むハースは表彰台登壇歴もあるベテランのグロージャンとマグヌッセンとの契約に終止符を打ち、潤沢な資金を提げるロシア人ドライバーのマゼピンとフェラーリ育成で昨年のF2チャンピオンであるミハエル・シューマッハの息子ミックを昇格と、新人2人を起用するに至りました。
一昨年2019年は近年稀にみる大幅ドライバー異動があり、逆に昨年2020年は新人1人、復帰1人と小規模なものでした。当初今年2021年シーズンからはマシンレギュレーションの大幅変更が予定されていましたが、そちらの変更はごく一部に止まり、その分ドライバーは予想以上に動いた印象です。ベテラン2人から新人2人に心機一転を図ったハースは果たしてどうなるか?!

《2021年新規、復帰ドライバー》
今シーズンは全くの新規ドライバーが3人、皆がよく知る「若手扱い」ドライバー1人が加わります。モータースポーツファンであれば今までのキャリアなどは既に認知、チェック済みのことと思いますが、各チームのドライバーラインナップをみる前に簡単に4人をご紹介します。

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 ◯ ニキータ・マゼピン(ロシア)
  1999年3月2日生まれ
  2020年F2ランキング5位
  ハースより初参戦

長らくF1ロシア代表を務めたクビアトと入れ替わる形でもっと若いマゼピンがピンで混ざります。前評判はあまりよくないようですが、ピンポイントでしか彼の走りをみていないし、先入観で決めつけてしまうのもよくないので、現時点でmiyabikunはどうこうは言いません。レース中の走りで判断していこうと思います。ストロール同様に裕福な環境で育ち、下位カテゴリーをそれなりに経験して昇格を果たしました。直近はF2でランキング5位でした。この後出てくる新人2人は1位と3位なのに、2位と4位を飛び越えての昇格だなんて、どこか不思議。オトナの事情かな。ただちゃんとスーパーライセンスは取得している、はず。

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 ◯ ミック・シューマッハ(ドイツ)
  1999年3月22日生まれ
  2020年F2ランキング1位
  ハースより初参戦

言わずと知れたあのF1レジェンド、ミハエル・シューマッハの御子息です。顔の輪郭や後ろ姿は父親譲りですが、顔のパーツは母親似でしょうか。性格も謙虚で温厚そう。イニシャル表記にすると「M・シューマッハ」となるので、90年代から2000年代に観戦していたファンとしてドキッとします。父親が偉大だからF1のシートをコネで得られたというわけではなく、F3や昨年のF2でしっかりチャンピオンを獲得して着実にステップアップしてきています。印象としては一発の速さというよりかは堅実な完走と入賞を可能とするタイプかなと思っています。名前が偉大だから、楽だった面と辛かった面も多かったと思いますが、F1は父親が数々の記録と記憶を残した最上位カテゴリーです。全世界が見守る厳しい環境の中、今後も厳しい目で評価されますから、彼自身の持ち味とセンスで新たな記録や記憶に残る走りを期待したいですね。

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 ◯ 角田裕毅(日本)
  2000年5月11日生まれ
  2020年F2ランキング3位
  アルファタウリより初参戦

ホンダファン、そして日本のファンが長年夢みていた久々の日本代表ドライバーですね。神奈川県相模原市出身で今シーズン参戦するドライバーで最も若い、2000年生まれの現在20歳です。以前に日本の格闘家に角田信朗という選手がいました。「角田選手」と本や文字だけで角田とみるとそれに引っ張られて「かくた」や「かどた」と読みそうになりますが「つのだ」くんです。レッドブルグループのアルファタウリからの参戦となるため「ブルのツノ」と覚えれば間違いは減りそう。ホンダの育成からヨーロッパに渡り、短期間でステップアップをこなした逸材です。今シーズン限りでホンダはF1から撤退してしまいますが、このデビューイヤーでしっかりと存在感と結果を残し、ホンダがなくてもれっきとしたF1ドライバーとして君臨してくれる走りをみせてほしいと思います。

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 ◉ フェルナンド・アロンソ(スペイン)
  1981年7月29日生まれ
  2005,06年F1ランキング1位
  2018年F1ランキング11位
  リカルド移籍に伴い、アルピーヌより復帰

この方は特に説明の必要はありませんね。みんなよく知る2005,06年のF1チャンピオンが2年振りに戻ってきます。以前引退に際し特集を組み、はなむけの言葉を綴ったはずなんですが、まさか40歳を前に古巣のルノーに復帰してくるとは予想もしていませんでした。今回は「若手ドライバー」という体で復帰参戦となります(笑)ルノーといえばアロンソ、アロンソといえばルノー。速さとやる気は折り紙付き。最新のF1、相性の良い古巣からどこまで上位に食らいつくことができるのか、お手並み拝見といきましょう。

《2021年ドライバーラインナップ》
 メルセデス F1 W12 EQ Performance?
      44 ルイス・ハミルトン(イギリス)※ 
      77 ヴァルテリ・ボッタス(フィンランド)

 レッドブル・ホンダ RB16B
      33 マックス・フェルスタッペン(オランダ)
      11 セルジオ・ペレス(メキシコ)

 マクラーレン・メルセデス MCL35M
  4 ランド・ノリス(イギリス)
  3 ダニエル・リカルド(オーストラリア)

 アストンマーティン・メルセデス AMR21
      18 ランス・ストロール(カナダ)
  5 セバスチャン・ベッテル(ドイツ)

 アルピーヌ・ルノー A521?
      31 エステバン・オコン(フランス)
      14 フェルナンド・アロンソ(スペイン)◉

 フェラーリ SF21
      16 シャルル・ルクレール(モナコ)
      55 カルロス・サインツ(スペイン)

 アルファタウリ・ホンダ AT02
      10 ピエール・ガスリー(フランス)
      22 角田裕毅(日本)◯

 アルファロメオ・フェラーリ C41
   7 キミ・ライコネン(フィンランド)
      99 アントニオ・ジョビナッツィ(イタリア)

 ハース・フェラーリ VF-21
   9 ニキータ・マゼピン(ロシア)◯ 
      47 ミック・シューマッハ(ドイツ)◯

 ウィリアムズ・メルセデス FW43B
      63 ジョージ・ラッセル(イギリス)
   6 ニコラス・ラティフィ(カナダ)

 ※1/31現在、まだ正式に参戦が決まっていません

昨年2020年シーズンのコンストラクターズランキング順に2人のドライバーのカーナンバーをはじめ出身国、そしてチームは予定されるシャシー名を暫定的に記載しました。現在は全て末尾に「?」を付けています。毎度のことながら、新車発表時に正式に名前が決まりましたら修正していきたいと思います。ドライバー順についてはキャリアや戦績順に記載することも考えましたが、今回はひとまず「チーム所属が先」のドライバーを上位としました。新車発表時、またシーズンが始まった際のまとめの時は順位を入れ替える可能性もありますのでご了承下さい。
今回全くドライバー変更が行われなかったチームは上位からメルセデス、アルファロメオ、ウィリアムズの3チームであり、他7チームは何らかのドライバー変更を伴います。また先程書いたように、一部はチーム名の改称とパワーユニットサプライヤーに変更があります。
肝心なメルセデスは今のところボッタスのみが決まっており、長らくもたつくハミルトンも十中八九継続されるはずですので、結果変更無しに落ち着きそう。逆にこんな時期まで引っ張った末、もしハミルトンと契約せず「電撃引退」となったとしたら、それはそれで問題で「乗せるに相応しいドライバー」がいません。無理言ってラッセルを呼び戻すか、昨シーズン「予選屋から便利屋」と路線変更して重宝したヒュルケンベルグ、またはリザーブのドライバーを急遽昇格させる必要が出てきます。ハミルトンはもしかしたら1993年序盤のセナがやっていたような「1戦ずつの契約」みたいな形を採ったりして(笑)
レッドブル、アルファタウリの2チームについては各チーム1人のドライバーを変更して「ラストホンダ」で戦い抜きます。ラストなんて、本当は言いたくないけど、撤退までは時々刻々と近付いていますから、今年は「最後の秘蔵っ子」を大切に、悔い無きファイナルシーズンを迎えてほしいですね。
コンストラクターズランキング順に並べると、昨年を6位で終えたフェラーリの存在感や威厳がだいぶ小さくなります。2007年シーズン以来の「ドライバーズチャンピオン経験者無し」の中堅ドライバーで立て直しを図ります。
実力者とはいえ、F1新人2人を起用したハースは大丈夫なのでしょうか。近年リザーブとしてチームを支え、昨年はグロージャンの欠場により本戦デビューを果たしたP・フィッティパルディとしなくて大丈夫なのだろうか、、。ドライバーは経験以外にも「重要なもの」が必要と言われればそれまでですが。

《2021年ドライバーのキャリアバー》
最後はこちらも毎年恒例としているドライバーの生年やデビュー年、チャンピオン獲得年、F1正ドライバーから一時期離れていたシーズンなどを表現したキャリアバーなるグラフを作成しました。海外には当てはまらない言い方にはなりますが、我々日本人がとっつきやすいよう、年は日本式の元号も付記しました。
IMG_8058
見方や記号の意味はおおよそ察しがつくと思いますが、白抜きはF1正ドライバーでない年、グレーが代走を伴うドライバー年、赤塗りがチャンピオン獲得年です。
最年長のライコネンを筆頭にアロンソが復帰しましたのでまた少しだけ高齢社会が復活しました。とはいえ、昭和生まれのドライバーはだいぶ減りましたね。辛うじて70年代生まれはライコネン1人。アロンソ、ハミルトン、ベッテルまでが昭和生まれの80年代となり、以降はギリギリ80年代でも元号は平成のリカルドとボッタス、唯一の90年生まれのペレスあまりまでがF1でいうベテランクラス。以降はmiyabikunの感覚論にはなりますが、サインツ、フェルスタッペン、オコン(実はジョビナッツィも?)ルクレールあたりがF1中堅の位置付け。そしてラッセルやノリスを筆頭としたF13年目以降が若手という感じでしょうか。角田くんは今シーズンのラインナップでは最も若年者です。
このグラフを作り、毎年話してしまっていますが、角田くんは2000年5月生まれですから、最年長41歳のライコネンからみればちょうど倍半分。F1史に例えると「ハッキネンVSシューマッハ」が3回チャンピオン獲得をかけたバトルの真っ最中の頃に生まれています。その年の日本GPはmiyabikunも大学生やりながら鈴鹿で生観戦していたと考えるとだいぶ若いし、自分も歳をとったなと再認識させられます。これからのF1はこのような若い世代が中心になって盛り上げていく時代になったのですね。心強いような、でもどこか自身の老いをまざまざと感じるようでやや複雑な心境になったりします(笑)

FullSizeRender
F1ドライバーの19/20が確定し、残り1/20の方もおそらく決まり、上記ラインナップで行われることでしょう。まだCOVID-19による未確定な部分や制約が大きく影響することと思いますが、F1の72回目のシーズン、ホンダパワーユニット最終年がどのように盛り上がるのか、開幕まで楽しみですね。

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シーズン開幕までまだ時間があります。昨年に予定された2021年F1カレンダーに早速変更が入るなど、まだまだ最終系が見えない状態ではありますが、無事3月に開幕することを楽しみにして「今シーズンに超えられそうな記録」をみておきたいと思います。
昨シーズンは異例の開幕遅延や中止GPをはじめ最多記録や初記録、さらには最遅記録更新など、数々の印象的なレースや出来事がありましたね。今シーズンの記録更新をみていく前に、現在のメジャーどころの記録を確認しておきましょう。

《優勝回数》
 95勝 L・ハミルトン
《表彰台登壇数》
 165回 L・ハミルトン
《決勝参戦数》
 329戦 K・ライコネン
《入賞回数》
 229回 L・ハミルトン
《完走回数》
 267戦 K・ライコネン
《ポールポジション獲得回数》
 98回 L・ハミルトン

F1の予選、決勝を代表する各ジャンルの最多記録になります。ハミルトンにライコネンと現役のドライバーの名前ばかりが名を連ねていますが、これは現役最多ではなく「F1歴代最多」の記録です。昔とはシーズンレース数やドライバーの参戦年数などだいぶ差はあるものの、この2人がF1界の記録を総ナメしているというわけです。昨年も似たような時期に「塗り替えられそうな記録集」と題していくつかの記録更新に期待していましたが、優勝回数、表彰台登壇数、参戦数、入賞回数、完走回数が無事更新されて今に至ります。あと最多系は何が残っているんでしょうね。昨シーズンよりはだいぶ対象は減りますが、全く無いわけではない。以下に示します。

《ドライバーズチャンピオン獲得回数》
 7回 M・シューマッハ
 7回 L・ハミルトン
《ハットトリック回数》
 22回 M・シューマッハ
 18回 L・ハミルトン(-5回)

細かく見ていけばまだいくつか出てくるのでしょうが、有名でかつ「いいイメージ」のある最多記録はこの2つくらいかなと思います。
ドライバーズチャンピオンについては、F1ファンなら誰でも知り、その更新があるのか無いのか注目している記録ですよね。今まで届くことはないと思われたM・シューマッハの7回にハミルトンがいよいよ並びました。シューマッハは2連続+5連続の7回。対するハミルトンは1回+2連続+4連続の7回と若干のプロセス差はあるものの、正直言ってノリにノッています。何せ鉄壁のメルセデスの後ろ盾がありますもんね。今までは強いチーム、ドライバーが続くとレギュレーションを変更して勢力図に変化がみられたりするもので、当初はこの2021年シーズンからは新たなマシンレギュレーションを取り入れる予定でしたが、昨年のCOVID-19による影響もあり、採用は先送りになりました。となると、勢力図の大変革はあまり期待できません。。嬉しい方もいれば失望している関係者やファンなど様々いらっしゃることでしょう。何事も無ければ、、黙っていてもイケちゃうんじゃないかな。ちなみにmiyabikunはダメとは言わない、でもやる前から「クソぅ」てな感じです。
あとは昨年から唯一変わらず残っているものである通称「ハットトリック」と呼ばれるヤツ。1GPにおいて予選ポールポジション、決勝優勝、そして決勝ファステストラップの3種を獲ってしまう「完封試合」ですね。特に何か受賞する記録ではなく、単に「こりゃすげぇや」で終わるものではありますが、これをされたレースは文句のつけようもありませんね。昨年のシーズン開幕前のハミルトンは15回と最多更新まで8回足らずという状態でしたが、シーズンで3回を記録し、残りあと5回でシューマッハの持つ22回を上回ることになります。あれだけ勝ちに勝ちまくるハミルトンもこの記録はまだ18回なんですね。正直もっと多いと思っていました。1回獲るだけでも大したものだって?!(笑)

今シーズンは最多記録更新が減ってしまったので物足りません。。なので、今回もコレをチェックしておきましょう。頑張れ若者よ「最年少記録更新」です。

《最年少優勝》    ※更新不可能
 18歳 M・フェルスタッペン
《最年少表彰台登壇》 ※更新不可能
 18歳 M・フェルスタッペン
《最年少ポールポジション獲得》
 21歳 S・ベッテル
  - - - - - - - - - - - - - - - - -
 権利があるのは、、
 20歳 角田裕毅(8月上旬まで)
《最年少ドライバーズチャンピオン獲得》
 23歳 S・ベッテル
  - - - - - - - - - - - - - - - - -
 権利があるのは、、
 22歳 L・ストロール (2021年まで)
 21歳 N・マゼピン  (2022年まで)
 21歳 M・シューマッハ(2022年まで)
 21歳 L・ノリス   (2022年まで)
 20歳 角田裕毅   (2022年まで)

最年少優勝、最年少表彰台、最年少ポールポジションとついでに最年少ドライバーズチャンピオンの4記録を挙げてみました。先程の最多はオジサンの部類のライコネンとハミルトンの2人が総ナメしていましたが、こちらはフェルスタッペンとベッテル2人の出番となります。こうしてみると、フェルスタッペンのすごさを改めて実感しますね。フェルスタッペンの登場前はベッテルが完全総ナメ状態でしたが、今や多くがフェルスタッペンによって塗り替えられてしまっています。ただし、4つのうちの2つ、優勝と表彰台についてはご覧の通り「10代のうちの獲得」となっているため、現在のスーパーライセンス発給条件からすると、今後全く不可能とはいかなくてもかなり敷居が高くなってしまいました。おそらくその2つは条件が変わらない限り、更新はなさそう。
最年少系で更新ができなくもない状態にあるのがポールポジションとドライバーズチャンピオンの2つです。ポールは今シーズンのレギュラードライバー最年少となるアルファタウリの角田くんのみが有しています。ただこれも条件があって、現在保有するベッテルは「21歳と72日」で獲得しているため、2000年5月11日で21歳を迎える角田くんは「8月中旬のレースまで」に獲得しないと更新はできません。もちろん無理ではありませんので期待しましょう!ドライバーズチャンピオンとなると対象が5人にまで増えます。レーシングポイント改めアストンマーティンとなるストロールが今シーズンいっぱい、他4人が来シーズン2022年シーズンまで可能となります。ん、M・シューマッハ?!FullSizeRender
「ビックリした?!僕だよ、ミックだよ」
イニシャル表記にするとドキッとしますよね。N・ピケ同様に過去のレースや記録系のまとめをするときの表記法を考えなきゃですね。

以上、メジャーどころで記録更新の可能性があるいくつかをみてきました。でも「そもそも論」になるんですが、ハミルトンって今現在も実はまだ今シーズンも乗り続けるか決まっていないんですよね。IMG_7141
まあでも乗るか。これでF1電撃引退とかになると、先程の話は全て無かったことになります。まあでも、間違い無く、乗るよね(笑)

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IMG_6400
コンストラクターズチャンピオンに続いて、ドライバーズチャンピオンもあっさり決まっちゃいましたね。。。開幕が予定通りの3月だろうが、この異例の事態の7月からだろうが、全く関係無かった。。あと残る3戦の楽しみといえば、チャンピオン以外のランキング争いと、バーレーンで初の試みとなる「同一サーキット、別レイアウト」あたりになるでしょうか。ドライバーズもコンストラクターズもチャンピオン以外は依然として激しく繰り広げられます。今回はチャンピオン外しのランキング争いに着目して今後を占ってみましょう。

《第14戦終了時のドライバーズランキング》
  1   307pts ハミルトン ★      (1→)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
  2   197pts ボッタス               (2→)
  3   170pts フェルスタッペン(3→)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
  4   100pts ペレス                   (10↑)
  5     97pts ルクレール            (4↓)
  6     96pts リカルド                (9↑)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
  7     75pts サインツ                (6↓)
  8     74pts ノリス                    (11↑)
  9     70pts アルボン                (8↓)
 10    63pts ガスリー                (7↓)
 11     59pts ストロール            (15↑)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 12     40pts オコン
 13     33pts ベッテル               (5↓)
 14     26pts クビアト               (13↓)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(15)  10pts ヒュルケンベルグ(14↓)
 16       4pts ライコネン           (12↓)
 17       4pts ジョビナッツィ    (17→)
 18       2pts グロージャン       (18→)
 19       1pt   マグヌッセン       (16↓)
 20       0pts ラティフィ
 21       0pts ラッセル              (20↓)

まず第14戦トルコGP終了時点のドライバーズランキングを確認しておきます。どこでもみられるランキングとポイントではありますが、miyabikunの独断でランキングの各所に区切りを設けて、いくつかのグループ分けをしています。また参考までに昨年のランキングをカッコ書きで記載しました。上から下まで一緒くたにしてしまうと何だかよくわからなくなるため、ポイントが拮抗し、以降3戦でランキングの入れ替えがありそうなそれらグループ単位でグラフ化し検証していきたいと思います。

《ドライバーズランキング2,3位争い》IMG_7177
惜しくも、ではなく大差をつけられてチャンピオンを逃した2人による2位3位争いです。グラフで2人だけをクローズアップすると、チャンピオンはあさっての方向に向かっちゃって、惜しくもなかったことがよくわかりますね。この2人は以降3戦で表彰台は確実、優勝のチャンスもありますが、ポカが無くもないためグラフの上限値は250ポイントとして作成しました。
先日も少し触れましたが、ハミルトンとの大きな違いは優勝や表彰台登壇の常連ではあるものの、ノーポイントレースをままぶっ込んでくるところ。もちろんボッタスやフェルスタッペンだけの理由で入賞圏外やリタイヤしてしまうわけではありませんが、マシントラブルがだいぶ減り、10位まで入賞権が与えられる近代のF1においては0ポイントフィニッシュは非常に痛手です。第14戦トルコGP終了時点の2人のポイント差は27となります。1勝したくらいではひっくり返らないものの、どこか危なっかしい2人ですので何があるかわかりません。
アウタートラックが使用されるサクヒール(サヒール)GPは想像もつきませんが、バーレーンGPとアブダビGPは恒例ですので2人もよく理解したサーキットとなります。暫定2位のボッタスから今までの戦績を振り返っておくと、バーレーンGPで7回走行歴があり、1回のポールポジション獲得はありますが優勝は無く、表彰台はメルセデス移籍後の3回とマシン様様できています。とても得意という印象もありません。最終戦アブダビGPも7回の走行歴でポールポジション1回、優勝1回で表彰台は2回に止まります。こちらもパリッとしませんが、2位を死守できるのでしょうか。
一方フェルスタッペンのバーレーンGPは5回走行で表彰台が無く、代わりに3回のリタイヤと相性はあまりよくなさそう。アブダビGPは5回で2位1回、3位1回となっています。波乱の2020年シーズンをアブダビGP初優勝で締めくくることができればレッドブルとして御の字か。

《ドライバーズランキング4〜6位争い》
続いて第3グループに属する3人による4〜6位争奪戦になります。ココは第2グループより熾烈です。本来であれば「紅の名門」が2人いて当たり前の順位ですが、今シーズンは諸般の事情によりたった1人しかいません。グラフ上限値は120ポイントに設定して作成。
IMG_7176
飛躍が予想されたレーシングポイントのペレス は欠場もあって、シーズン序盤はスロースタートとなりました。しかし堅実かつお得意のタイヤに優しい走りで中盤から頭角を示し、トルコGPで表彰台を獲得したことでランキング4位に浮上してきました。初開催となる第9戦トスカーナGPから続く勢いそのままに終盤3戦に挑んでくる予想ができます。この位置にいるペレスが今シーズンでシートを喪失し、来シーズンが不透明というのもおかしな話ですよね。貴重な資金源を有するペレスであってもこのような状況に陥るあたりが現代のF1に首を傾げてしまうこと。
紅一点のルクレールは本当によくやっていると思います。まあチームができる限りのことを施し、ルクレール自身も駄馬にムチを打って毎戦奮闘している結果といえます。第6戦スペインGPからの3戦でポイントを獲得できていたら、もう1段階上につけていたはずです。残る今シーズンはチーム内に「大ファンの代表」が不在となりますが、チームメイトもいない名門を1人で牽引してもらえたらと思います。
一度輝きを失ったリカルドは来シーズンの移籍が決まると急にスイッチが切り替わり、知らぬ間にランキング6位に顔を覗かせてきました。キャリアから考えると、ココよりも上にいても不思議でないドライバーなわけで、終盤3戦はどこまでランキング再浮上できるか期待したいですね。

《ドライバーズランキング7〜11位争い》IMG_7175
グラフ上限値を90ポイントに設定した7〜11位争いも熾烈です。キャリア中堅のサインツを筆頭に若手の粒揃いがひしめき合っています。序盤は好調できたノリスくんは後半戦に入り足踏み気味となってしまいました。逆に遅れをとったサインツ先輩とアルファタウリのガスリーがイタリアGPの優勝争いを足掛かりに一気にこのグループに加わってきました。
一方でトップチームの一角であるはずのアルボンがココでくすぶるのは問題アリですね。比較対象となるフェルスタッペンのような安定した予選、決勝で冴えわたる一発がどうも空振りしてしまい、その一発が足かせになることがままあります。最近は比較がフェルスタッペンでなくガスリーになりつつあり、アルボンに代わって再昇格を願う声もありますが、来シーズンもアルファタウリで更新した通り、miyabikunもガスリーはアルファタウリのままでキャリアを積むことに賛成です。アルボンのアグレッシブな攻めは若手ならではで特徴的な部分でもありますので、その精度を高め、来シーズンもレッドブルで生き残れるよう3戦で奮起してほしいと思っています。
ストロールは先日のトルコGPで大金星を得られていれば、このグループの上位にいたはずですね。残念、でも大丈夫!昨年のランキング15位からは大飛躍、君はまだこの先も安泰でしょうから。

《ドライバーズランキング12〜14位争い》IMG_7174
えーっと、ベッテルちゃんをなかなか見かけませんね、、あ、いましたいました、ランキング13位でした!(笑)10年近く前の20代前半で4年連続のチャンピオンを獲得して、昨年はランキング5位、そして今13位。。右肩めちゃ下りで気は早く一昔前の「フォース・インディア」みたいな位置となっています。まさかライバルがオコンやクビアトになろうとは想像もしていなかったでしょう。シーズン全体的に不調で、特に第7戦ベルギーGPから第13戦のエミリア・ロマーニャGPまで走りもこのグラフもすっかり寝てしまっています。こうなってしまった一番の原因は「デチューンしたパワーユニット」に他なりませんし、フェラーリお得意の独特な戦略にあるのはもちろんのことですが、少なからずベッテル自身のモチベーションも大きいと思います。戦略の差はわかりませんが、予選においてルクレールはある程度マシンに即した形でできる限り最善を尽くしています。キレキレな速さを持ち合わせるベテランのベッテルがあれほどもの差をつけられてしまうのは、やる気の問題。確かにね、面白くないと思います。腐ってもチャンピオン経験者で、方や同期のハミルトンがあれほど猛威を振るいつつ、自分にだってできるはず、と。でもマシンや周りがそれを後押ししてくれない。ただベッテルに願うことは腐ることなく持ち前の明るさとベテランの意地で「自分自身で」打破するしかありません。
グラフについてはmiyabikunの独断と偏見ながら「エース格を実線、サブ格を破線」で表現しています。このグループに実線が2本、1本はベッテルのもので、もう一つはクビアトです。クビアトの去就も怪しくなってきましたね。今シーズンのチームメイトはもう一段階上のグループですからね。個人的には来シーズンも乗ってほしいと願っていますので、残り3戦は死ぬ気で存在感を示していきたいですね。

《下位3チーム6人の第14戦までの決勝順位》
レーシングポイントからスポット参戦のヒュルケンベルグを除いた下位6人はそれぞれ獲得ポイントが一桁台となっています。上記グラフにおこしても重なり過ぎて何のことか分からないので、こちらの3チーム6人は特別に「全レースの決勝結果」をグラフ化し、バイオリズムをみていこうと思います。IMG_7172
このグラフも過去に度々登場したものですね。線種やプロットの大きさを他のグラフに揃えたため、太く見辛いかもしれませんが、凡例を参考に頑張って追いかけてみて下さい。このグループは獲得ポイントを見るより「どこで入賞したか」をみた方がわかりやすい。赤の範囲が表彰台圏内、黄色の範囲が入賞圏内、そして青の範囲が完走するも入賞圏外を示し、入賞した時の順位を挙げています。入賞しているのは、アルファロメオのジョビナッツィが3回の4ポイント、ライコネンは2回4ポイント、そしてハースの2人が1回ずつとなっており、ウィリアムズの2人は未だに入賞が無くノーポイントとなっています。また入賞回数はジョビナッツィが最多となりますが、同ポイントでもランキングは9位の回数が多いライコネンが上となります。
ライコネンはもちろんハースの2人も表彰台経験者ではありますが、ライバルとの差を考えても、表彰台はおろか入賞もままならない位置をさまよっていますね。最近はいい予選やスタートダッシュをみせるジョビナッツィも、決勝となるとタイヤマネージメントやつまらぬミスがみられ、なかなか入賞圏内フィニッシュに定着しません。来シーズンはハースから参戦しないことが明らかとなった2人、いつものようにノーポイントが続いたグロージャンは完走は多いものの入賞は遠く、マグヌッセンはリタイヤが目立ちます。初入賞が待たれれるウィリアムズのラッセルの今シーズンは予選でようやく速さは見せつつも決勝のリタイヤも増え、悔しいレースの日々を抜け出せていません。
残る3戦で誰が頭一つ出てくるのでしょうか。先程も書いた通り、ライバルとの差が大きく毎回「出たとこ勝負」になっているので、なかなか読み辛いところもありますが、先日ワークスを食う走りをみせたアルファロメオはポイント獲得の期待ができると思います。また待ちに待ったラッセルの初ポイントも一気にドーンと獲得してきそうな予感です。

IMG_6600
《第14戦終了時のコンストラクターズランキング》
  1   504pts メルセデス・M ★          (1→)
  2   240pts レッドブル・H               (3↑)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
  3   154pts レーシングポイント・M(7↑)
  4   149pts マクラーレン・R            (4→)
  5   136pts ルノー・R                      (5→)
  6   130pts フェラーリ・F               (2↓)
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
  7     89pts アルファタウリ・H        (6↓)
  8       8pts アルファロメオ・F        (8→)
  9       3pts ハース・F                      (9→)
 10      0pts ウィリアムズ・M           (10→)

コンストラクターズチャンピオンはご存知の通りメルセデスが先日7年連続、それも2位と大差を付けて終結しました。2位以下のランキングはドライバーズに比べて対象数が少なく、差は大きいため、ざっと3つのグループ分けをしてみました。その中でも第2グループの混戦をピックアップしてみます。

《コンストラクターズランキング3〜6位争い》IMG_7173
2位につけるレッドブルはチャンピオンのメルセデスと倍半分の差が付き、全く歯が立ちませんでした。ただ暫定3位のレーシングポイントとも86ポイント開いており、逆転は現実的でないと判断したため、3位から6位のフェラーリまでをひとくくりとしました。7位のアルファタウリはどうかと、一応グラフに混ぜてみましたが、序盤の低調からイタリアGPのガスリー初優勝によって勢いがつきますが、トルコGPでのノーポイントも響き、集団からは離れる形となりました。残念ながらこれらライバルからは外れちゃうのかな。
中団の勢力図は度々入れ替わっています。シーズン序盤はドライバーズランキングと同様、昨年の勢いそのままにノリスの健闘もあってマクラーレンが好発進。しかしルクレール1人の積み重ねでフェラーリが徐々に差を詰め始めました。後半戦に入るとフェラーリが失速、代わって速さだけでなく安定感も身に付けたレーシングポイントのペレスとルノーのリカルドが飛躍してきました。
こういう時に強みになるのが「2人のドライバーが如何に細かなポイントを積み重ねられるか」です。チーム2人でそつなく速いマクラーレンはあまり不安視していませんが、レーシングポイントとルノーはエースを中心にポイントを積み上げています。コンストラクターズランキングは来シーズンに与えられる分配金にも影響する重要な戦いです。どこかのチームのように「どちらか片方」ではこの至近戦を制することはできませんね。

IMG_6739
異例のシーズンとなった2020年シーズンも始まってみればあっという間に残り3戦となりました。たった1戦1ポイントでランキングの入れ替わりが起きてしまいます。来シーズンはマシンの大幅変更がありませんので、データ採りという意味でも決して手を抜くことは許されません。各ドライバーやチームの悔い無き戦いを最後まで見守りましょう。

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今年のF1は「開幕戦遅延」「二週連続同一サーキット開催」さらには「一国三開催」など異例なシーズンで進行していますが、普段以上の記録更新続きでもあります。前戦は久々のニュルブルクリンクでのアイフェルGPでアルファロメオのライコネンが「F1決勝最多出走」を更新、またメルセデスのハミルトンによって後人未踏とも思われたM・シューマッハのもつ「F1最多勝」91勝に並ぶこととなりました。数年前まではまさかここまで到達すると予想もしませんでしたが、ハミルトンはそれを現実のものとしました。ただ91勝で並んだとはいえ、シューマッハとハミルトンはそれに至るまでには時代の違い以外にも様々な差を経て至ります。今回は2人の「91勝までの道のり」について、少し深く掘り下げていこうと思います。
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《91勝までの優勝GPと予選順位》
今回戦績比較するにあたり、ベースとなる「全優勝GPとその予選順位」となります。2人でトータル182勝ですから、いつものように下に182行並びます(笑)1000戦を超えた全F1レースのうち、1/5弱がこの2人による優勝と考えただけですごいこと。詳細はこの後に分類別で評価しますので、ココではあまり触れません。お急ぎの方は次の項までお進み下さい。

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M・シューマッハ 91勝/307戦 生涯勝率29.5%
91年 1年目 ベネトン 0勝/6戦 勝率0.0%
92年 2年目 ベネトン 1勝/16戦 勝率6.3%
   1勝目   18戦目 第12戦ベルギーGP 予選3位
93年 3年目 ベネトン 1勝/16戦 勝率6.3%
   2勝目   36戦目 第14戦ポルトガルGP 予選6位
94年 4年目 ベネトン 8勝/14戦 勝率57.1% ★
   3勝目   39戦目 第1戦  ブラジルGP 予選2位
   4勝目   40戦目 第2戦  パシフィックGP 予選2位
   5勝目   41戦目 第3戦  サンマリノGP 予選2位
   6勝目   42戦目 第4戦  モナコGP 予選1位
   7勝目   44戦目 第6戦  カナダGP 予選1位
   8勝目   45戦目 第7戦  フランスGP予選3位
   9勝目   48戦目 第10戦ハンガリーGP 予選1位
 10勝目   50戦目 第14戦ヨーロッパGP 予選1位
95年 5年目 ベネトン 9勝/17戦 勝率52.9% ★
 11勝目   53戦目 第1戦  ブラジルGP 予選2位
 12勝目   56戦目 第4戦  スペインGP 予選5位
 13勝目   57戦目 第5戦  モナコGP 予選2位
 14勝目   59戦目 第7戦  フランスGP 予選2位
 15勝目   61戦目 第9戦  ドイツGP 予選2位
 16勝目   63戦目 第11戦ベルギーGP 予選16位
 17勝目   66戦目 第14戦ヨーロッパGP 予選3位
 18勝目   67戦目 第15戦パシフィックGP 予選3位
 19勝目   68戦目 第16戦日本GP 予選2位
96年 6年目 フェラーリ 3勝/16戦 勝率18.8%
 20勝目   76戦目 第7戦  スペインGP 予選3位
 21勝目   82戦目 第13戦ベルギーGP 予選3位
 22勝目   83戦目 第14戦イタリアGP 予選3位
97年 7年目 フェラーリ 5勝/17戦 勝率29.4%
 23勝目   90戦目 第5戦  モナコGP 予選2位
 24勝目   92戦目 第7戦  カナダGP 予選1位
 25勝目   93戦目 第8戦  フランスGP 予選1位
 26勝目   97戦目 第12戦ベルギーGP 予選3位
 27勝目 101戦目 第14戦イタリアGP 予選3位
98年 8年目 フェラーリ 6勝/16戦 勝率37.5%
 28勝目 105戦目 第3戦  アルゼンチンGP 予選2位
 29勝目 109戦目 第7戦  カナダGP 予選3位
 30勝目 110戦目 第8戦  フランスGP 予選2位
 31勝目 111戦目 第9戦  イギリスGP 予選2位
 32勝目 114戦目 第12戦ハンガリーGP 予選3位
 33勝目 116戦目 第14戦イタリアGP 予選1位
99年 9年目 フェラーリ 2勝/10戦 勝率20.0%
 34勝目 121戦目 第3戦  サンマリノGP 予選3位
 35勝目 122戦目 第4戦  モナコGP 予選2位
00年 10年目 フェラーリ 9勝/17戦 勝率52.9% ★
 36勝目 129戦目 第1戦  オーストラリアGP 予選3位
 37勝目 130戦目 第2戦  ブラジルGP 予選3位
 38勝目 131戦目 第3戦  サンマリノGP 予選2位
 39勝目 134戦目 第6戦  ヨーロッパGP 予選2位
 40勝目 136戦目 第8戦  カナダGP 予選1位
 41勝目 142戦目 第14戦イタリアGP 予選1位
 42勝目 143戦目 第15戦アメリカGP 予選1位
 43勝目 144戦目 第16戦日本GP 予選1位
 44勝目 145戦目 第17戦マレーシアGP 予選1位
01年 11年目 フェラーリ 9勝/17戦 勝率52.9% ★
 45勝目 146戦目 第1戦  オーストラリアGP 予選1位
 46勝目 147戦目 第2戦  マレーシアGP 予選1位
 47勝目 150戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 48勝目 152戦目 第7戦  モナコGP 予選2位
 49勝目 154戦目 第9戦  ヨーロッパGP 予選1位
 50勝目 155戦目 第10戦フランスGP 予選2位
 51勝目 158戦目 第13戦ハンガリーGP 予選1位
 52勝目 159戦目 第14戦ベルギーGP 予選3位
 53勝目 162戦目 第17戦日本GP 予選1位
02年 12年目 フェラーリ 11勝/17戦 勝率64.7% ★
 54勝目 163戦目 第1戦  オーストラリアGP 予選2位
 55勝目 165戦目 第3戦  ブラジルGP 予選2位
 56勝目 166戦目 第4戦  サンマリノGP 予選1位
 57勝目 167戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 58勝目 168戦目 第6戦  オーストリアGP 予選3位
 59勝目 170戦目 第8戦  カナダGP 予選2位
 60勝目 172戦目 第10戦イギリスGP 予選3位
 61勝目 173戦目 第11戦フランスGP 予選2位
 62勝目 174戦目 第12戦ドイツGP 予選1位
 63勝目 176戦目 第14戦ベルギーGP 予選1位
 64勝目 179戦目 第17戦日本GP 予選1位
03年 13年目 フェラーリ 6勝/16戦 勝率37.5% ★
 65勝目 183戦目 第4戦  サンマリノGP 予選1位
 66勝目 184戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 67勝目 185戦目 第6戦  オーストリアGP 予選1位
 68勝目 187戦目 第8戦  カナダGP 予選3位
 69勝目 193戦目 第14戦イタリアGP 予選1位
 70勝目 194戦目 第15戦アメリカGP 予選1位
04年 14年目 フェラーリ 13勝/18戦 勝率72.2% ★
 71勝目 196戦目 第1戦  オーストラリアGP 予選1位
 72勝目 197戦目 第2戦  マレーシアGP 予選1位
 73勝目 198戦目 第3戦  バーレーンGP 予選1位
 74勝目 199戦目 第4戦  サンマリノGP 予選2位
 75勝目 200戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 76勝目 202戦目 第7戦  ヨーロッパGP 予選1位
 77勝目 203戦目 第8戦  カナダGP 予選6位
 78勝目 204戦目 第9戦  アメリカGP 予選2位
 79勝目 205戦目 第10戦フランスGP 予選2位
 80勝目 206戦目 第11戦イギリスGP 予選4位
 81勝目 207戦目 第12戦ドイツGP 予選1位
 82勝目 208戦目 第13戦ハンガリーGP 予選1位
 83勝目 212戦目 第17戦日本GP 予選1位
05年 15年目 フェラーリ 1勝/19戦 勝率5.3%
 84勝目 222戦目 第9戦  アメリカGP 予選5位
06年 16年目 フェラーリ 7勝/18戦 勝率38.9%
 85勝目 236戦目 第4戦  サンマリノGP 予選1位
 86勝目 237戦目 第5戦  ヨーロッパGP 予選2位
 87勝目 242戦目 第10戦アメリカGP 予選1位
 88勝目 243戦目 第11戦フランスGP 予選1位
 89勝目 244戦目 第12戦ドイツGP 予選2位
 90勝目 247戦目 第15戦イタリアGP 予選2位
 91勝目 248戦目 第16戦中国GP 予選6位
10年 17年目 メルセデス 0勝/19戦 勝率0.0%
11年 18年目 メルセデス 0勝/19戦 勝率0.0%
12年 19年目 メルセデス 0勝/20戦 勝率0.0%

image
L・ハミルトン 91勝/261戦 現在勝率34.9%
07年 1年目 マクラーレン 4勝/17戦 勝率23.5%
   1勝目     6戦目 第6戦  カナダGP 予選1位
   2勝目     7戦目 第7戦  アメリカGP 予選1位
   3勝目   11戦目 第11戦ハンガリーGP 予選2位
   4勝目   15戦目 第15戦日本GP 予選1位
08年 2年目 マクラーレン 5勝/18戦 勝率27.8% ★
   5勝目   18戦目 第1戦  オーストラリアGP 予選1位
   6勝目   23戦目 第6戦  モナコGP 予選3位
   7勝目   26戦目 第9戦  イギリスGP 予選4位
   8勝目   27戦目 第10戦ドイツGP 予選1位
   9勝目   34戦目 第17戦中国GP 予選1位
09年 3年目 マクラーレン 2勝/17戦 勝率11.8%
 10勝目   45戦目 第10戦ハンガリーGP 予選4位
 11勝目   49戦目 第14戦シンガポールGP 予選1位
10年 4年目 マクラーレン 3勝/19戦 勝率15.8%
 12勝目   59戦目 第7戦  トルコGP 予選2位
 13勝目   60戦目 第8戦  カナダGP 予選1位
 14勝目   65戦目 第13戦ベルギーGP 予選2位
11年 5年目 マクラーレン 3勝/19戦 勝率15.8%
 15勝目   74戦目 第3戦  中国GP 予選3位
 16勝目   81戦目 第10戦ドイツGP 予選2位
 17勝目   89戦目 第18戦アブダビGP 予選2位
12年 6年目 マクラーレン 4勝/20戦 勝率20.0%
 18勝目   97戦目 第7戦  カナダGP 予選2位
 19勝目 101戦目 第11戦ハンガリーGP 予選1位
 20勝目 103戦目 第13戦イタリアGP 予選1位
 21勝目 109戦目 第19戦アメリカGP 予選2位
13年 7年目 メルセデス 1勝/19戦 勝率5.3%
 22勝目 120戦目 第10戦ハンガリーGP 予選1位
14年 8年目 メルセデス 11勝/19戦 勝率57.9% ★
 23勝目 131戦目 第2戦  マレーシアGP 予選1位
 24勝目 132戦目 第3戦  バーレーンGP 予選2位
 25勝目 133戦目 第4戦  中国GP 予選1位
 26勝目 134戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 27勝目 138戦目 第9戦  イギリスGP 予選6位
 28勝目 142戦目 第13戦イタリアGP 予選1位
 29勝目 143戦目 第14戦シンガポールGP 予選1位
 30勝目 144戦目 第15戦日本GP 予選2位
 31勝目 145戦目 第16戦ロシアGP 予選1位
 32勝目 146戦目 第17戦アメリカGP 予選2位
 33勝目 148戦目 第19戦アブダビGP 予選2位
15年 9年目 メルセデス 10勝/19戦 勝率52.6% ★
 34勝目 149戦目 第1戦  オーストラリアGP 予選1位
 35勝目 151戦目 第3戦  中国GP 予選1位
 36勝目 152戦目 第4戦  バーレーンGP 予選1位
 37勝目 155戦目 第7戦  カナダGP 予選1位
 38勝目 157戦目 第9戦  イギリスGP 予選1位
 39勝目 159戦目 第11戦ベルギーGP 予選1位
 40勝目 160戦目 第12戦イタリアGP 予選1位
 41勝目 162戦目 第14戦日本GP 予選2位
 42勝目 163戦目 第15戦ロシアGP 予選2位
 43勝目 164戦目 第16戦アメリカGP 予選2位
16年 10年目 メルセデス 10勝/21戦 勝率47.6%
 44勝目 173戦目 第6戦  モナコGP 予選3位
 45勝目 174戦目 第7戦  カナダGP 予選1位
 46勝目 176戦目 第9戦  オーストリアGP 予選1位
 47勝目 177戦目 第10戦イギリスGP 予選1位
 48勝目 178戦目 第11戦ハンガリーGP 予選2位
 49勝目 179戦目 第12戦ドイツGP 予選2位
 50勝目 185戦目 第18戦アメリカGP 予選1位
 51勝目 186戦目 第19戦メキシコGP 予選1位
 52勝目 187戦目 第20戦ブラジルGP 予選1位
 53勝目 188戦目 第21戦アブダビGP 予選1位
17年 11年目 メルセデス 9勝/20戦 勝率45.0% ★
 54勝目 190戦目 第2戦  中国GP 予選2位
 55勝目 193戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 56勝目 195戦目 第7戦  カナダGP 予選1位
 57勝目 198戦目 第10戦イギリスGP 予選1位
 58勝目 200戦目 第12戦ベルギーGP 予選1位
 59勝目 201戦目 第13戦イタリアGP 予選1位
 60勝目 202戦目 第14戦シンガポールGP 予選5位
 61勝目 204戦目 第16戦日本GP 予選1位
 62勝目 205戦目 第17戦アメリカGP 予選1位
18年 12年目 メルセデス 11勝/21戦 勝率52.4% ★
 63勝目 212戦目 第4戦  アゼルバイジャンGP 予選2位
 64勝目 213戦目 第5戦  スペインGP 予選1位
 65勝目 216戦目 第8戦  フランスGP 予選1位
 66勝目 219戦目 第11戦ドイツGP 予選14位
 67勝目 220戦目 第12戦ハンガリーGP 予選1位
 68勝目 222戦目 第14戦イタリアGP 予選3位
 69勝目 223戦目 第15戦シンガポールGP 予選1位
 70勝目 224戦目 第16戦ロシアGP 予選2位
 71勝目 225戦目 第17戦日本GP 予選1位
 72勝目 228戦目 第20戦ブラジルGP 予選1位
 73勝目 229戦目 第21戦アブダビGP 予選1位
19年 13年目 メルセデス 11勝/21戦 勝率52.4% ★
 74勝目 231戦目 第2戦  バーレーンGP 予選3位
 75勝目 232戦目 第3戦  中国GP 予選2位
 76勝目 234戦目 第5戦  スペインGP 予選2位
 77勝目 235戦目 第6戦  モナコGP 予選1位
 78勝目 236戦目 第7戦  カナダGP 予選2位
 79勝目 237戦目 第8戦  フランスGP 予選1位
 80勝目 239戦目 第10戦イギリスGP 予選2位
 81勝目 241戦目 第12戦ハンガリーGP 予選3位
 82勝目 245戦目 第16戦ロシアGP 予選2位
 83勝目 247戦目 第18戦メキシコGP 予選4位
 84勝目 250戦目 第21戦アブダビGP 予選1位
20年 14年目 メルセデス 7勝/11戦 勝率63.6%
 85勝目 252戦目 第2戦  シュタイアーマルクGP 予選1位
 86勝目 253戦目 第3戦  ハンガリーGP 予選1位
 87勝目 254戦目 第4戦  イギリスGP 予選1位
 88勝目 256戦目 第6戦  スペインGP 予選1位
 89勝目 257戦目 第7戦  ベルギーGP 予選1位
 90勝目 259戦目 第9戦  トスカーナGP 予選1位
 91勝目 261戦目 第11戦アイフェルGP 予選2位

《91勝までに要したの決勝レース数》
上でズラズラ並べた2人の91勝までに要したレース数をグラフにプロットしたものになります。約2年前に「ハミルトンの次なる野望」と題して似たグラフを挙げたことがあります。今回はそれを2人に絞り、先日のアイフェルGPまで更新したものに作り替えました。赤のプロットがシューマッハ、黒がハミルトンを示し、横軸はレース数となるため、優勝しなかった期間はプロットの間隔が広くなり、詰まっているものは連勝したとみることができます。image
両者同じ91勝を挙げた2人でも同じようなカーブを描かず、戦績の差が見受けられます。91勝の到達レース数について、ハミルトンは先日の261戦目に到達したのに対し、シューマッハはハミルトンよりも実のところ13戦早い248戦目で到達という差があります。
シューマッハは初優勝が2年目18戦目にあたる92年ベルギーGPであり、2回目が36戦目と若手時代は若干スロースタート(とはいえ、他と比べたら早い方)でした。また83勝を挙げる212戦目までは比較的順調に勝ち続けたものの、そこから91勝するまではもたつきがみられます。それに対してハミルトンの初優勝はデビュー年07年の6戦目カナダGPとかなり早いことが特徴です。120戦付近までは一定の傾きを示し、131戦からは急激な傾きに転じてシューマッハの13戦遅れで到達しました。これらの違いは何が原因なのか、両ドライバーを分けて所属チームで示すと、紐解きやすいものになります。image
こちらがシューマッハ単体のグラフです。所属チームのイメージカラーのハッチングを加えてみました。所属したチームは4チーム(ジョーダン、ベネトン、フェラーリ、メルセデス)です。ジョーダン時代は先日の「過去のレース」でも振り返った通り、たった1戦、それもスタート直後にリタイヤしたため、本検証の対象からは外れます。2戦目に移籍したベネトン時代からみていくと、駆け出し時代の93年はマシンはそこそこ戦闘力がありつつも、プロストやセナといった強者の存在もあって優勝をあまり稼げずにいました。シューマッハが優勝の常連になったのはその2人が離席した94年シーズンからとなります。ベネトン時代後半はウィリアムズからデビューした二世D・ヒルとの対決を打ち破り、2年連続のチャンピオンに輝くと、96年からはドライバーの多くが憧れるF1の名門「フェラーリ」の再建に抜擢されます。
しかし当時のフェラーリは氷河期であり、一からの立て直しを必要としました。フェラーリ期前半の参戦70〜130戦付近はウィリアムズの勢いに阻まれ、時折の優勝はあるものの、F1の主役はヒルやJ・ヴィルヌーブら二世ドライバーに明け渡すこととなります。さらにウィリアムズと入れ替わる形で台頭し、真価を発揮させた同世代のライバルであるハッキネンの存在もフェラーリ完全復活の足かせにもなりました。ところがフェラーリ参戦5年目、セカンドドライバーとしてバリチェロを迎え入れた2000年にマクラーレンを捉えることに成功。その年は9勝、翌01年も9勝、02年は11勝、一年挟んだ04年はシーズン個人最多となる13勝を挙げて、セナやプロストといった過去の偉大なドライバー達の勝利数を立て続けに上回りました。
210戦を超えたあたりから急に優勝ペースが落ちています。時期としては05年に入った頃になります。これは言わずと知れた「チャンピオン陥落」の時期です。ルノーのアロンソの飛躍と同期のライコネンやモントーヤといった若手の台頭、さらにライバルの履くミシュランタイヤの健闘などと重なり、優勝から遠ざかりつつあります。06年は盛り返して7勝を挙げるもチャンピオンに返り咲く事はなく一度引退。のちの2010年にメルセデスワークスの旗揚げのため現役復帰しますが、時代は既にレッドブル天下に切り替わっており、加齢も相まって06年中国GPでの優勝以降は優勝する事なく、308戦をもってF1から完全に引退することとなりました。
image
ハミルトンの所属チームはマクラーレンとメルセデスワークスの2チーム、使用エンジンは全てメルセデス製のみとなります。シューマッハとちょうど入れ替わる形の2007年22歳のデビュー、それも当時トップチームの一つであるマクラーレンから、という点で他のライバル達と異なる経歴です。初優勝はデビュー6戦目に経験してしまうあたりもかなりの大物一年生っぷり。2年目の08年に早くもチャンピオンをギリギリで獲得してしまうわけですが「ギリギリ」の表現のように、近年の勝ちまくりに比べてマクラーレン時代はそう簡単に勝ち星を増やせず苦労はしています。先程のシューマッハ衰退のきっかけでもある「ハミルトンからみて一代前の先輩達」が活躍する中、その合間を縫う形で優勝を重ねたため、グラフにプロットすると緩やかな角度での上昇となります。ハミルトンが13年にシューマッハに代わってメルセデスワークスに移籍した直後はライバルとの位置関係は変わらず、ハミルトンにしては珍しい「シーズン1勝」という苦悩の時期も経験しました。
ハミルトンは130戦目、メルセデス移籍2年目にあたる14年に転機を迎えます。マシンレギュレーションが大幅に変わり、現在のハイブリッドターボのパワーユニットとなると、メルセデスのマシンが好調な滑り出しを決め、チームメイトのN・ロズベルグと優勝を分け合うレースが続きます。その初年14年は11勝、15年とチャンピオンこそ獲り損ねた16年は共に10勝。相方また最大のライバルであるロズベルグが引退し、若手の優良株ボッタスに切り替わった17年は9勝となりますが、シーズン全21レースとなる18年と19年は自身3回目の11勝を挙げています。これらのハイペースな優勝もあって、グラフのプロットもフェラーリ時代のシューマッハに引けをとらない角度をなしてシューマッハの持つ91勝に261戦かけて到達しています。
このようにシューマッハとハミルトンは様々なライバルとの出現やレギュレーション変更を経てこの91勝に至りました。

《シーズン別勝率比較》
こちらはシーズン別のレース走行数と優勝数を棒グラフに示しました。チャンピオンを獲得したシーズンは優勝数とグラフを強調しています。image
シューマッハはベネトン4年目の94年にセナに代わって優勝を多く重ねるようになり、2年連続となるチャンピオンを獲得。96年に移籍したフェラーリでは優勝は積み重ねつつもチャンピオンには届かず(ちなみに97年については「一身上の都合」によりポイント剥奪)移籍5年目にチャンピオンを獲得するまで勝ちを増やしました。晩年はメルセデスから復帰して3年ドライブしましたが、優勝はおろか表彰台登壇もたったの1回と寂しく終わりました。シューマッハのバイオリズムをみると移籍から4〜5年でチャンピオンを狙えるトップチームとなり、優勝を重ねてきました。タラレバな想像ですが、13年シーズンをもってF1引退したシューマッハがメルセデスの4〜5年後となると、、マシン大改革の14年シーズンにあたります。なるほど、法則はまんざらでもなかったか。でもその頃シューマッハといえば御歳45か。どうだったのでしょうか。
image
一方ハミルトンの方は先程も書いたようにマクラーレン期は勝率が特別高いわけでもないものの(とはいえ優勝はしているわけですが)08年は5勝を挙げて、2年目にして僅差の当時最年少チャンピオンを獲得しました。現在のメルセデス期に入ると、初年13年はシーズン最小となる1勝に止まったことがありつつも14年からはシーズンの半分は優勝してしまうというとんでもない勝率でチャンピオン獲得をほしいままにしています。ハミルトンの特筆すべき点は「デビューから現在まで全てのシーズンで優勝している」こと「F1では全てメルセデスエンジンをドライブしてランキング上位にいる」点です。過去の偉大なドライバーでも駆け出しの初年に未勝利シーズンがあるわけで、今回の比較対象であるシューマッハもその流れにあります。しかしハミルトンはデビューが「優勝できるポテンシャルをもつトップチーム」であることもかなり助けになっています。デビュー前の幼少期からいかに期待されていたかを知らしめられますね。またマシンがライバルより劣るシーズンもどうにかして間隙をぬって優勝させる点もすごいです。これらのF1キャリアに共通しているのは全てがメルセデスによるものと考えると、前から多く噂される「メルセデス以外のマシンに乗ったらどうなのか」という興味にかられますね。おそらくけちょんけちょんに酷いマシンでなければ、早い段階で表彰台登壇にはこぎつけることでしょう。
今回は「91勝」という線引きでデータ整理しているため、今シーズンはまだ6戦を残しています。参考までに今シーズン現時点の勝率は11戦7勝の勝率63.6%となっています。今回の2人の過去と比べてもかなり高い数値です。まだ衰えを知らないハミルトンがどのようにシーズンを制して締めるのか、退屈ですか注目です。

《優勝したレースの予選順位》
先程示した優勝レースのうち「そのレースの予選順位」を円グラフで内訳を示しています。シューマッハとハミルトンの順位で色は順位で統一を図りました。
image
シューマッハは予選1番手(ポールポジション)が40回、2番手が27回、 3番手が17回となっており、最も後方からスタートして優勝したのが63戦目、ベネトンで16勝目を挙げた95第11戦ベルギーGPで予選16番手でした。フロントロウスタートでみると、67回で優勝率73.6%となっています。image
ハミルトンは予選1番手が55回、2番手が24回、 3番手が6回で、最も後方からスタートは一昨年18年の第11戦ドイツGPで予選14位から66勝を挙げています。フロントロウからの優勝は79回でその優勝率は86.8%に達します。
2人を比較すると予選3番手までのスタート数はシューマッハが84回、ハミルトンは85回とほぼほぼ同数となっていますが、その内訳に差があります。ハミルトンはポールポジションと2番手スタートからの優勝が多く、シューマッハはポールポジションが多いのはもちろんのこと、3番手スタートからも多く優勝しました。これはシューマッハの予選が遅かったわけではなく、シューマッハ前半の時代はセナやプロスト、ヒルやハッキネンらチャンピオンクラスのドライバーと争うことが多く「予選はそこそこに、決勝で抜く」というバトルを強いられたためです。キャリア後半のフェラーリ時代はポールトゥウィンを多く重ねました。ハミルトンは言うまでもなくポールトゥウィンを得意とするドライバーの一人で、もちろん決勝スタートでダッシュを決めて逆転優勝はありますが、歴代でみていくと、後方スタートの大逆転は数えるくらいしかないのが両者の特徴といえます。

《優勝したサーキット内訳》
最後は優勝数とは直接関係はありませんが、サーキット別にみた優勝内訳をまとめてみました。全優勝サーキットをグラフ化せず、4勝以上のサーキットについて分けて表現しています。
image
サーキットは時代によって開催非開催があるため、両者を一概に同列比較はできません。シューマッハは91勝のうち、最多は一昔前のフランスGPであるマニ・クールで8勝、今シーズンも急遽開催が決まったサンマリノGPの舞台エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(イモラ)とカナダGPでお馴染みのジル・ヴィルヌーブの2箇所で7勝、ほか鈴鹿を含めた3サーキットで6勝と、トータル23サーキットで優勝を経験しました。マニ・クールを得意としていたのは有名で、ハミルトンが今シーズンの第3戦ハンガリーGPで8勝を記録するまでは「1サーキット優勝回数最多」の記録でした。image
ハミルトンはそのハンガリーGPのハンガロリンクが最多の8回、地元イギリスのシルバーストンとジル・ヴィルヌーブの2箇所が7回、中国上海も得意とし6回とトータル28サーキットで優勝経験があります。ハミルトンの時期はシューマッハの時代に比べて新興サーキットが多く、もっといえば先日のムジェロのような今までカレンダーに組まれたことのないサーキットでも優勝すれば増えていくため、サーキット数でみるとハミルトンが有利ですね。まだ現役のドライバーですから、次戦行われるアルガルヴェ国際を制することとなれば、また数を増やすことになります。
2人の共通点は燃費やブレーキに厳しいジル・ヴィルヌーブと世界的に「ドライバーズサーキット」と称される鈴鹿で多くの優勝を挙げた点です。ドライビングスタイルも時代も異なる2人に共通点があるのは、どこか運命めいたものを感じます。あたかも「選ばれし者の中の選ばれ者が勝てる」という高いハードルがあるかのようです。

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今回は予選や表彰台、入賞、ポイントランキングなどは省き、あくまで「優勝」というキーワードに的を絞って比較してみました。ハミルトンについては今のところ来シーズンの去就を明らかにしていませんが、今シーズンの走りをみてもまだまだ衰えること無く脂の乗り気切った状態が続いており、単独最多92勝はそう間も無く獲得してくることでしょう。そろそろ他のドライバーの健闘や若手の台頭に期待したくもなりますが、果たしてどこまで記録を伸ばしてくるのでしょう。

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