F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

カテゴリ: 名車と迷車

今までこのシリーズでは本当に名車と語り継がれるものから珍車や駄車など、なるべくチームが偏らないよう様々なマシンを取り扱い、またまだ特筆すべきマシンも数多く残しています。その中でも、F1における多大なターン二ングポイントとなったこのマシンは名車と呼ぶべきか、ネタとして取り扱うべきか悩んでいました。もしやるなら、今のタイミングしかないと考え、今回書くことに決めました。1994年型ウィリアムズFW16(FW16B)です。

FullSizeRender
《設計》
パトリック・ヘッド
エイドリアン・ニューウェイ

《外見》
1995年に予定されていた「電子制御デバイス禁止」が一年早まり、この年のマシンからそれに対処する必要がありました。当時一歩先に進み、最強を誇ってきたウィリアムズはFW14やFW15に継ぐ正常進化といかず、新たな取り組みを強いられます。
FullSizeRender
フロントウィングは中央付近がやや持ち上がり、ノーズコーン取付部も前面に緩やかに膨らんでいるのも特徴的です。アクティブサスペンションを作動させていたアクチュエーターに代わってフロントは軽量なトーションバーを採用。リヤはアッパーアームの重心を下げ、ドライブシャフトと一体的なカバーで覆っています。こうすることでシャシーとタイヤ間のアームが簡素化され、リヤエンドの整流がスムーズにすることを目論んでいます。
IMG_0127
またリヤウィングの下にはもう一枚「へ」の字をしたロアウィングはこのFW16によって各チームへ波及、トレンド化しました。エンジンカバー上面の気流をキャッチしリヤのダウンフォース向上を図りました。
第3戦の事故の後、第4戦モナコGPを挟んで第5戦スペインGPからは大規模な改良を施しています。フロントウィングの地上高を10mm高くし、フロントサスペンション後部からサイドポンツーン開口まで大型なディフレクターを備えるようになりました。
FullSizeRender
また第6戦カナダGPからはエンジンカバーに開口を設けることが義務付けられたため、側面からのフォルムは少しカッコ悪い。
FullSizeRender
第9戦ドイツGPから導入される「フロア底部の木製スキッドブロック装着」に合わせ、改良型をFW16Bと名付けてサイドポンツーンを短尺化し若干後退させています。この年はウィリアムズに限らず「事故に伴う安全性の向上、速度やダウンフォースの低下」を目的としたマシンレギュレーションの変更が頻繁に行われたため、実に様々なディテール変更が行われました。

IMG_0124
《シャシー》
全長:4,200mm
全幅:    -    mm
全高:    -    mm
最低車体重量:505kg
燃料タンク容量:210ℓ
ホイール:OZ
ブレーキキャリパー:AP
ブレーキディスク・パッド:カーボン・インダストリー
                                              ヒトコ
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:グッドイヤー

《エンジン》
ルノー RS6(RS6B)
V型10気筒・バンク角67度
排気量:3,493cc(推定)
最高回転数: - rpm(非公開)
最大馬力:780馬力(推定)
スパークプラグ:チャンピオン
燃料・潤滑油:エルフ

IMG_0121
《ドライバー》
No.0 デイモン・ヒル(全戦)
No.2 アイルトン・セナ(第1〜3戦)
         デビッド・クルサード(第5,6,8〜13戦)
         ナイジェル・マンセル(第7,14〜16戦)
FullSizeRender
前年1993年にチャンピオンを獲得して正式なF1引退を表明したプロストに代わり、念願だったセナがカーナンバー2を受け継ぎました。ただし第5戦スペインGPからは若手のテストドライバーであるクルサードが代走デビュー。第7戦フランスGPとシーズン終盤の3戦は前々年1992年にチャンピオンを獲得して、以降は渡米しインディカーをドライブしていたマンセルがアルバイト代走をかって出ました。

FullSizeRender
《戦績》
118ポイント コンストラクター1位
(1位7回、2位6回、4位2回、5位2回ほか)
ポールポジション6回

2年連続でチャンピオンを獲得してきたウィリアムズのさらなる連覇が期待されるシーズンとマシンではありましたが、波乱の序盤戦を迎えています。
開幕戦ブラジルGPでポールポジションを獲得したセナは決勝のピットでベネトンの若手M・シューマッハに逆転され、結果的にスピンしてリタイヤ。以前「過去のレース」でも振り返った第2戦パシフィックGPもポールポジションのセナは出足鈍いスタート直後にマクラーレンの若手ハッキネンに追突されてリタイヤ。そしてフリー走行や予選から大事故が相次いだ第3戦サンマリノGP決勝5/1も同様にポールポジションからスタートすることとなりますが、7周目に高速左コーナー「タンブレロ」(現在は線形改良)でコースアウトしクラッシュ、命を落としています。このマシンが100%悪かったとは断言できず、様々な観点から長きに渡り裁判が行われ、セナの死因は「マシン部品による頭部損傷」と結論付けられています(事故の詳細については今回割愛)
image
この事故の前からセナやヒルからは「コクピットの狭さ」「ハンドリング(ステアリング)の繊細さ」など懐疑的なコメントが残されています。縁石に足をかけるとひとたび思わぬ挙動を示す。これまで急速に投入されてきた電子制御デバイスがこのシーズンより廃止され、マシン側でそれを補完するよう仕立て上げたこと、またはドライバー側の適応不足もあったのかもしれません。前述のリヤサスペンションなど「攻めた」結果、非常にナーバスな挙動を示すようになっていたのも一つの理由とされています。セナのみならずヒルとて開幕戦の2位表彰台が精一杯で、シーズン序盤はベネトン×シューマッハに先行されてしまいます。
IMG_0132
その巻き返しを図るもセナの事故とドライバビリティの改善、様々に追加されるレギュレーション対応と前衛的な改良ができません。第4戦モナコGPはセナ空席のままヒル1人で挑む形となり、第5戦スペインGPからはテストドライバーのクルサードを昇格、ヒルとともに「イギリスコンビ」でシーズン中盤を支えました。セナに代わってエース格となったヒルはスペイン、イギリス、ヨーロッパラウンド終盤の3戦で連勝と第15戦日本GPも制して計6勝。クルサードに代わってシーズン終盤に出戻ったマンセルが最終戦オーストラリアGPで優勝したことでチーム合計7勝を飾ってコンストラクターズチャンピオンは堅持。ただセナ亡きF1の主役はシューマッハの手に渡る形で、ウィリアムズ政権の時代に一旦終止符を打つこととなりました。

セナの訃報は、中学2年の時に隣のクラスにいた「F1の師匠」から翌5/2月曜日の休み時間に聞かされました。当時は今のように夜更かししてリアルタイム観戦することは許されておらず、下校して師匠とVHS録画による観戦だったので、日中はまだ知らなかったのです。初めはプロスト派の師匠のいたずらだと思い、鵜呑みにしないでいましたが、夕方のニュースでもその話題が取り扱われていたことで顔面蒼白になったこと、その後F1レースを観る目的を失ったこと、観るのが怖く悲しくなったことを覚えています。
image
サンマリノGPのVHSは今でも大切に保管してありますが、繰り返し観ることはほぼありません。事故のシーンよりも、レース終了後に居残り、容態を歯を食いしばって伝えてくれたフジテレビの三宅アナと堪えていた涙が急に溢れ出してしまう今宮氏の様子が辛い。あのシーンを観ず想像しながら、今この文を書いているだけでも目がにじんできてしまうような歳になりました。もう25年も前なのに、中学当時は涙を流すまでではなかったのに、もう何十回も観て内容を知っているのに、観る度にひどくなる。これも歳を取った証拠なのかな。
それまではごく普通の男の子、トラックや新幹線のおもちゃで音真似しながら遊んだり絵を描いたりする乗り物好きのmiyabikun。それが小学3年生のクラス編成で師匠に出会い、F1を紹介され、セナの走りに心打たれて以来、今まで30年近く続く趣味の一つになりました。いつの間にか、セナの年齢を上回る歳にもなりました。寂しい時も元気が出ない時もストレスを溜めている時も、F1のことを考えている間は満たせるようになります。セナの存在を心から感謝し、これからも「伝説のスーパースター」としてF1を遠いところから見守り続けてほしいと思います。
IMG_0141

日本は新元号になるっていうのに最後は名車だか何だかわからない「湿った内容」になってしまいましたね。令和になっても「F1 えきぞーすとのーと」を引き続きよろしく!

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

近年勝つには勝つけど、長らくチャンピオンから遠ざかるフェラーリ。キングオブF1チームには間違いないのですが、フェラーリは「あと一歩チャンピオンに届かず」のシーズンも多くあります。今からもう20年も前になるフェラーリの「あと一歩マシン」1998年のF300を取り上げます。チャンピオンではないけど、このマシン、チャンピオン奪取に向けてあらゆる試行錯誤を試みています。

IMG_9310
《設計》
ロリー・バーン
ロス・ブラウン

IMG_9306
《外見》
ベネトン時代に名を馳せたバーンがフェラーリ着任2年目、存分にバーン色を盛り込んだマシンとなりました。シューマッハ×ブラウン×バーンの構図が無事にフェラーリへ完全移行、完成しています。
ノーズコーンは高く、突き刺さらんばかりの鋭利な銃弾型。先端を垂れ下げたローノーズを採るマクラーレンとはこちらも異なるアプローチです。シューマッハのキャリア前半に乗るマシンはベネトン時代を含めても高めが多いように思えます。
IMG_9311
以前に同い年のマクラーレンMP4-13、ウィリアムズFW20を取り上げていますが、この年からナローサイズレギュレーションに対してフェラーリは当初その中間にあたるホイールベース延長を採りました。そのホイールベースも第3戦アルゼンチンGPでのグッドイヤーのフロントタイヤのワイド化を受けて、長くするのではなく「短く」改良を加えて応戦するあたりが面白いです。これがマイナーチェンジ第1弾。
IMG_9305
マイナーチェンジ第2弾はティレルが先駆けて導入していたサイドポンツーン直上に小型のウィングを設けた通称「Xウィング」をフェラーリも第4戦サンマリノGPから導入。まさかフェラーリまでもが使ってくると思いませんでしたよね。空力レギュレーションもガチガチの現代ではあり得ないアイテムです。決してカッコ良くはないが、背に腹はかえられぬ、ナロー化して不足した分のダウンフォースを補う措置を施しました。しかしこちらはピットアウト時に張り巡らされたホースに引っ掛けて脱落する事故が起きたため、第5戦スペインGPを最後に禁止となって短命に終わりました。
IMG_9309
フェラーリのチャンピオン獲得に向けた飽くなき挑戦はまだ続きます。第3弾はその第5戦スペインGPからエキゾーストパイプをエンジンカバー後端部から上後方に向けて設置する「上方排気システム」を導入。リヤウィングの下空間に高温、高圧の気流を通過させています。以降、このシステムについては多くのメーカーが追従し、一時期とても流行りましたね。
それ以外にもフロントウィングを現在のような後退翼に形状変更を行うなど、あらゆる策を講じて打倒マクラーレンに徹していました。攻めのフェラーリです。

IMG_9312
《シャシー》
全長:4,340mm
全幅:1,795mm
全高:   961mm
最低車体重量:605kg
燃料タンク容量:− ℓ
ホイール:BBS
ブレーキキャリパー:ブレンボ
ブレーキディスク・パッド:カーボン・インダストリー
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:グッドイヤー

《エンジン》
フェラーリ Tipo047
V型10気筒・バンク角80度
排気量:2,998cc(推定)
最高回転数:17,100rpm(決勝時)
最大馬力:710馬力(推定)
燃料・潤滑油:シェル

エンジンは前作Tipo046のバンク角を75度から80度に拡げて低重心化改良、さらにはギヤボックスも横置きから縦置きに変更するといった徹底的な体質改善を行いました。
先述の上方排気システムはエキゾーストパイプも短尺化できるため、馬力向上に貢献しています。

IMG_9313
《ドライバー》
No.3 ミハエル・シューマッハ(全戦)
No.4 エディ・アーバイン(全戦)

シューマッハとアーバインのコンビネーション3年目です。実はシューマッハよりアーバインの方が4歳も上なんですよね。知ってましたか?!
前年1997年は最終戦ヨーロッパGPで以前振り返ったように「大ポカ」をかましてチャンピオンをみすみす逃したシューマッハ。マシンは徹底改良、ドライバーも慣れた間柄のこのシーズンはどうだったか?!

《戦績》
133ポイント コンストラクター2位
(1位6回、2位5回、3位8回、4位3回ほか)
ポールポジション3回

フタを開けてみると開幕戦オーストラリアGPでは前評判通りマクラーレンの無双状態でした。予選では全く歯が立たず、決勝もシューマッハが序盤にリタイヤ、アーバインは入賞を果たすも屈辱的な周回遅れの4位でした。大幅レギュレーション変更にうまく対応できていないことを知らしめられてしまいます。フェラーリが先頭に立ってマクラーレンMP4-13が搭載していた「ブレーキステアリングシステム」を猛抗議するも、第2戦ブラジルGPでシューマッハは3位表彰台を獲得しますが引き続きマクラーレン優勢には変わりありませんでした。そこでフェラーリは先述のマイナーチェンジを繰り返し、対抗していく方策に出ます。
第3戦アルゼンチンGPからブリヂストン対策をグッドイヤーも行い、ワイドフロントタイヤでシューマッハが優勝。以降もXウィングと上方排気システムでシューマッハ、アーバインと揃って表彰台を安定確保しました。マクラーレンが足踏みし始めたカナダ、続けてフランス、イギリスで3連勝したシューマッハはチャンピオン争いに食らいつき、念願のフェラーリ久々のチャンピオン獲得に向けて猛追していきます。
ところがこちらも以前振り返った第15戦ルクセンブルクGP(ニュルブルクリンクでの開催)で余裕のポールポジションを獲得したシューマッハは、チームプレイを行使するもハッキネンの巧みなピット戦略で惜敗。チャンピオン争いは不利な形で最終戦日本GPを迎えることになります。
IMG_3949
こちらもポールポジションからハッキネンを封じることに注力したいところ、2度目のスタート直前にまさかのエンジンストール。最後尾から最前列のハッキネンとバトルする難題に直面しました。
IMG_3963
レースで猛追し、3位まで浮上するもトラック上のデブリを拾ったか痛恨のタイヤバーストに遭い、呆気なくフェラーリ×シューマッハの初戴冠を逃す形となりました。

image
徹底したマシン改良。盤石なスタッフを揃えての巧みな戦略。そして当時現役最強を誇るドライバーをもってしても、ドライバーズ、コンストラクターズ共に2位止まりとなったフェラーリ。悔しさ無くして成功無し。これをバネに、以降フェラーリはさらなる向上を誓い、チャンピオン獲得に励みます。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
にほんブログ村

話は違うけど、こんな格好されたら、なおさら似てきたなぁ。1999年生まれなので、父がこのフェラーリF300をドライブする頃を知りません。
FullSizeRender
FullSizeRender

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

近年最強を貫くメルセデスはF1のみならず市販車についても世界規模で知れ渡る巨大企業です。いつからこんなに強かったんだっけと思い返すとパッと思い浮かばなくなりそうですが、参戦復帰してからまだそう古い話ではないんですよね。当然ながらいきなり強かったわけではなく、下積み時代もありました。今回は近代メルセデスワークスの初号機、2010年のW01をみていきます。
IMG_7535

《設計》
(ロス・ブラウン)
ロイック・ビコワ
ヨルグ・ザンダー
ケビン・テイラー

《外見》
今や「EQ Power+」なんて特別感のありそうなのが後ろに付きまとうネーミングとなっていますが、当時のこのマシンの正式名称は「MGP W01」というものでした。Wはこの頃から欠番無く現在まで一貫して付番されており、まだ発表されていませんがおそらく今シーズンは「W10」となればその名の通り「メルセデスF1の10年目」の節目となるわけです。つい先日みたように、それで5連覇しちゃうもんだから「モウイイデス」と言いたくもなる(笑)ちなみにWとはドイツ語の「車」を意味するWagenの頭文字からきています。
現在のメルセデスワークスの根源はご存知の通りの「ブラウンGP」でした。2008年限りで撤退したホンダから引き継いだブラウンはまさに束の間の「チャンピオン」という置き土産をもってそのままメルセデスという「巨大ワークス」に後任を託しました。イギリス系チームからドイツ系チームにこれからシフトしていきます。
IMG_7542
マシンも本流はブラウンBGP001の名残を感じることができます。ノーズコーンこそ高くなったものの、フロントウィングの造形、フィンの形や取り付き方は踏襲されています。エンジンカバーも低い位置まで絞られてエキゾーストを取り込んだ気流をリヤウィング下部へと導いています。サイドポンツーン開口はブラウン時代よりも縦に大きく開けています。
IMG_7547
ノーズ上面はこの時代のトレンドとなっていた両端がせり立つ断面形状をなし、これを見る度に指とはスケール感が全くマッチしませんが「指紋認証し易そう」と思ってしまいます(笑)
また併せてトレンドとなっていた「Fダクト」なるデバイス。多く知られているのがマクラーレンに端を発すると言われていた「エアインテーク後方から管を伝ってリヤウィングの『メインエレメント』に向かって取り付ける」タイプでした。少し前の「シャークフィン」がリヤウィングに繋がっている感じのやつ、ありましたよね。ただメルセデスはココでオリジナルな取り組みを行っていました。それは吸気をエアインテークからではなく「リヤウィングのメインエレメントやフロントサスペンション付近側面から吸気し、アッパーエレメントのスリットから排出する」方式を唯一採用しています(文字で説明するより絵を描けば想像しやすいのにね)昔みたいにリヤウィングにステーがあるわけでもないし、マシンからウィングまでどうやって?!と思いますよね。どうやらリヤウィング翼端板に厚みを持たせ、中を伝うようになっているそうです。メインエレメントの方は中央付近にコブがあるため、開口の存在もわかります。その効果の程は、、前者のシャークフィン型の方が強力に機能したようです。メルセデスはシャークフィンの設置を好まなかったからとのこと。確かにmiyabikunもカッコいいとは思わなかった。でも、目が出てきそうなリヤウィングのコブも決してカッコいいものでもない。
FullSizeRender
あと、このマシン独自のディテールといえば、エアインテーク付近のおさまりです。マシンが転覆した際の安全性を考慮し、カメラの搭載されているT型ピラーの強度を確保しなければなりません。そこをエアインテーク内も貫通させて開口が縦に二分された、いわゆる「ブタの鼻」みたいな形になっています。リヤウィングにあたる気流を考慮し、シーズン序盤の第5戦スペインGPからはエアインテーク自体を後退、低くしそのピラーがより目立つものとなっています。
IMG_7541
あとはこちらも流行った「ブロウン・ディフューザー」(別名 エキゾースト・ブローイング)はもちろん搭載されています。決してBrawnではありませんぞ、Blownね。
近年は嫌でも目に入るメルセデスのマシンはつや消しシルバーに黒とエメラルドグリーンのアクセントによって躍動的な演出をしています。この初期型メルセデスにはまだエメラルドグリーンはなく、どちらかといえば「黒みが強い」テイストでした。どうしてもシルバーに黒というと、同じくメルセデスのエンジンを搭載したマクラーレンを連想してしまいます。当時は戦績から格付けしてもマクラーレンの方が上手だったので、当初はワークスと言いつつも「マクラーレンのBチーム」なイメージが勝手にありました。ところがどっこい、今となっては天と地の差。マクラーレンにはメルセデスの「メ」の字もなく、目に見えないくらい離れた位置になってしまいましたね。

IMG_7543
《シャシー》
全長:4,800mm
全幅:1,800mm
全高:   950mm
最低車体重量:620kg
燃料タンク容量:− ℓ
ホイール:BBS
ブレーキキャリパー:ブレンボ
ブレーキディスク・パッド:ブレンボ
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:ブリヂストン

《エンジン》
メルセデス・ベンツ FO108X
V型8気筒・バンク角90度
排気量:2,400cc(推定)
最高回転数:18,000rpm(制限)
最大馬力: - 馬力(非公表)
燃料・潤滑油:ペトロナス

IMG_7545
《ドライバー》
No.3 ミハエル・シューマッハ(全戦)
No.4 ニコ・ロズベルグ(全戦)

な、な、なんと、あのシューマッハ様が赤のユニフォームを脱ぎ捨て、4年振りに表舞台に復帰なさるとは!当時話題になりましたよね。元はといえばシューマッハはドイツ生粋のメルセデス出身。新興チームにはやはりベテランの経験と知恵、この晴れ舞台には必要なスキルだったと思います。miyabikunは熱烈なファンではなかったので半分以上冷静な目で見ていましたが、ブラウン&シューマッハとなれば、何かが起こるかもしれない?!この後その結果が明らかになります。

《戦績》
214ポイント コンストラクター4位
(3位3回、4位4回、5位5回、6位5回ほか)
ポールポジション0回

ブラウンGPからはドライバーを一新し、シューマッハに加えてウィリアムズでくすぶっていた若手N・ロズベルグを招集して「ドイツコンビ」による母国ワークス復帰のこけら落としとなりました。
序盤からシューマッハよりもロズベルグの方が予選、決勝ともマシンとの相性が良く、第3戦マレーシアGPの予選2位から決勝3位表彰台獲得。続く中国GPも3位と「時代はボクら」と言わんばかりの存在感を示します。第5戦スペインGPからマシンの改良に取り組み、先程のエアインテーク部の変更やロングホイールベース化を図っています。
改良以降もシューマッハ、ロズベルグとも堅実に入賞圏内は確保しつつも決定的な速さという点でライバルには及ばず。第10戦イギリスGPのロズベルグ3位を最後に表彰台はなく、チームはシーズン後半に早くも開発を翌2011年に向けて頭を切り替えることとしました。結果的に最上位は全てロズベルグによる3位3回、コンストラクターズランキングはレッドブル、マクラーレン、フェラーリに続く4位で初年度を終えています。内訳もロズベルグ142ポイントに対してシューマッハは半分となる72ポイントと大差となりました。皆が注目するシューマッハの復帰ではありましたが、往年の「シューマッハらしさ」は健在で第12戦ハンガリーGPではフェラーリ時代のチームメイトのバリチェロに危険な幅寄せ行為によるペナルティが下るなど、模範的走りというよりかは後輩や若手相手に「精一杯食らいつく姿」がちょっぴり残念だった印象を覚えています。
IMG_7544
今日の最強チームも過去には最強ドライバー、莫大な資金を投じても模索する時代を経験しました。変わらずは「銀のカラー」と「高出力エンジンサプライヤー」であること。世界最古の「ワークス」はF1においてもそのプライドと本質は貫いています。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

たまに「どこの自動車ブランドが好き?」と聞かれることがあります。miyabikunはイギリス車が好きです。実際に乗っているのは日本車だし、将来乗るかと言われれば、手が出ることもないだろうけど、ドイツ車やイタリア車にはない「気品」とその見た目とは裏腹の「高出力」が芸術品の様にも感じます。残念ながらそのブランドは近年F1参戦していないのですが、今回は日本でも見かけるイギリス車の代表格の一つ、ジャガーの処女作2000年のR1を取り上げていきます。ヨーグルトにありそうなシャシー名だ。
FullSizeRender

《設計》
ゲイリー・アンダーソン

《外見》
ジャガーは象徴的なエンブレム「リーピングキャット」でお馴染みイギリス車の名門です。F1におけるジャガーはフォードのワークス的立場にあった「スチュワート・グランプリ」をフォードが買収して誕生しました。よって「あのジャガーによるF1参戦なのか?!」と言われると、実質は「アメリカのフォード社が傘下に入れたジャガーの名を冠していた」が正しい表現になります。ちなみに、現存するジャガーはフォード系列からは離れ、2008年にインドの自動車メーカーであるタタ社の傘下となっています。
テクニカルディレクターはスチュワート時代から引き続きゲイリー・アンダーソンが就いています。アンダーソンといえば、今でも高い人気を誇る芸術車「ジョーダン191」に携わった人物です。ジョーダンで採用されたブリティッシュグリーンをまとい、さらにはメタリック調の塗色に仕上げてあって個人的には好きです。色からして上品!リーピングキャットもしっかり前を向いて前方のライバルを捕まえんばかりに鎮座しています。
IMG_7497
でもこのマシン、綺麗なグリーン色に騙されそうだけど、どこかで見たことあると思いませんか?!頭の中で塗装を剥いでみて下さい。あ、マクラーレン!そう、このマシンの大筋はチャンピオンマシンであるマクラーレンを模しているのです。ノーズの形、フロントウィング、大型なディフレクター、サイドポンツーン形状もよく似ていますよね。以前に取り扱った「スチュワートSF3」もマクラーレン似だったし、要はタータンチェックを緑に変えただけ?!出来のよかった前作SF3から小変更と思いきや、実はこのマシンに大胆な改良を施しています。それはリヤサスペンションの「支持方式」です。
リヤサスペンションはプッシュロッドを採っています。ロッドの回転する中心に向かって水平にトーションバー(板バネ)を設置するのが一般的ですが、このマシンはそれを下向きに取り付けて、ダンパーを車体下方となるように設置して低重心化を図りました(ダブルロッカー)ギヤボックスも低く、エンジンカバーも後端部は低く仕上がっています。F1において低重心化は今までも各チームが命題としており、うまくハマればマシン挙動が大幅に安定します。そこはライバルにはない「大胆かつ独特な試み」であったといえます。

FullSizeRender
《シャシー》
全長: - mm
全幅: - mm
全高: - mm
最低車体重量: - kg
燃料タンク容量:− ℓ
ホイール:BBS
ブレーキ:AP
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:ブリヂストン

《エンジン》
フォード コスワースCR-2
V型10気筒・バンク角72度
排気量:2,998cc(推定)
最高回転数: - rpm(非公表)
最大馬力: - 馬力(非公表)
スパークプラグ:ビステオン,チャンピオン
燃料・潤滑油:テキサコ

エンジンは前年のSF3と同じフォード・コスワースCR-1から改良されたCR-2で挑んでいます。エンジン改良に奇抜なサスペンション機構はこの後に示す戦績で成功だったか失敗だったか一目瞭然です。

《ドライバー》
No.7 エディ・アーバイン(第10戦を除く全戦)
         ルチアーノ・ブルティ(第10戦)
No.8 ジョニー・ハーバート(全戦)
IMG_7498

《戦績》
4ポイント コンストラクター9位
(4位1回、6位1回ほか)
ポールポジション0回

なかなかの成績で終えたスチュワート時代のバリチェロからアーバインにスイッチして、イギリス人のベテランドライバーで揃えてきました。ハーバートは「帝王」の下積み時代に嫌な感じにされた被害者。アーバインも「帝王」に仕えてチャンピオンを獲得する絶好のチャンスをモノにできなかったドライバー。さらにバリチェロはそのアーバインに代わって「帝王」に仕えるべくフェラーリに移籍し、結果はご存知の通りと「帝王」にまつわるドライバーがこの時代のこのチームに関わっています。
それはさておき戦績は前作スチュワートSF3の好成績と前年チャンピオン争いを演じたアーバインをもってして「低調」なものとなっています。序盤2戦は完走すらならず、第3戦サンマリノGPでアーバイン7位、ハーバート10位(いずれも当時は入賞圏外)と苦戦が続きました。原因の一つはあの奇抜なリヤサスペンションがマシンに不安定な挙動を招き、操作性が困難であったと言われています。チーム初入賞かつ最高位は第6戦モナコGPでのアーバインが4位がやっと。おまけに第10戦オーストリアGPでアーバインが腹痛のためブルティが急遽代走を務めるなど、アーバインの悪いところでもある「やる気の浮き沈み」もみられました。またハーバートは結局一度も入賞することなくこのシーズンを最後にF1を引退しています。話題性のあるチーム、実績あるドライバーを引っさげての「ジャガー初年」はそれを裏切るかのような出来で、入賞はたったの2回という屈辱的な結果に終わりました。
ジャガーF1はこの2000年から2004年まで5シーズンを戦い、結果的にポールポジションと優勝はなく、最高位は後にアーバインによって2回の3位表彰台を獲得したまでです。フォードをバックボーンとした名ブランド「ジャガー・レーシング」はF1で大成することができませんでした。マシンはカッコよかっただけに残念でした。なおチームは2004年末に飲料水メーカーの「レッドブル」が1ドルで購入して今日に至ります。

miyabikunは週末に不覚にも5年振りにインフルエンザを患ってしまいました。発熱と頭痛があるものの食欲はあるのが救いです。今後アップが少し遅れるかもしれません。皆さんもインフルエンザには気をつけて下さい。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

ウィリアムズは歴代で紺や白をまとうことが多くありました。昨シーズンもそうでしたね。ただ今回のウィリアムズは違う、なんと赤!それもカーナンバー1を引っ提げた「異端車」1998年のウィリアムズFW20に注目してみます。
IMG_7488

《設計》
パトリック・ヘッド
ギャビン・フィッシャー
ジェフ・ウィリス

IMG_7482
《外見》
キヤノンやロスマンズなど、この頃のウィリアムズで見られた紺や白、黄色といった慣れ親しんだ配色を脱し、赤ベースに変貌を遂げました。これは同じタバコはタバコでもPRする銘柄をウィンフィールドに切り替えたためです。見た目からして思い切ってきました。マシンコンセプトはダブルチャンピオンを獲得した前年1997年のFW19の発展型なのですが、一見するとどこのチームだかもわからなくなるほどの変貌っぷり。
IMG_7485
この1998年から「全幅を2,000mmから1,800mmに狭める」レギュレーションに変更。いわゆるナローサイズ化したため、大規模な変更を伴いました。ウィリアムズの最強マシンを作り上げてきたエイドリアン・ニューウェイは1996年以降マクラーレンに移籍し、1997年のFW19はその恩恵もあってチャンピオンを防衛できました。しかしこの時のレギュレーション変更には当初から対応できません。それならばニューウェイの下にいたフィッシャーとウィリスに知恵を絞ってもらうしかなくなりました。エンジンは変わらず、マシンの幅が狭くなるということは、失われたマシン容積、ダウンフォースを補ってあげないと、マシンとしては退化を意味します。ライバルチームは当初から「前後方向」にゆとりを持たせた設計に変更する中、FW20のベースは先程書いたようにニューウェイの余韻が残るFW19でしたのでその対応を充分に行わない道を選びました。それが後々このマシンの戦績を多く左右しています。

IMG_7483
《シャシー》
全長:4,392mm
全幅:1,800mm
全高: - mm
最低車体重量:605kg
燃料タンク容量:− ℓ
ホイール:OZ
サスペンション:フロント プッシュロッド
                                 リヤ    プッシュロッド
タイヤ:グッドイヤー

《エンジン》
メカクロームGC37-01 V10(ルノーRS9Bカスタム)
V型10気筒・バンク角71度
排気量:3,000cc(推定)
最高回転数: - rpm(非公表)
最大馬力: - 馬力(非公表)
スパークプラグ:チャンピオン
燃料・潤滑油:ペトロブラス・カストロール

前年まで長きに渡りコンビを組んだルノーが1997年シーズンをもってF1へのエンジン供給を終了。新たにBMWと契約する予定だったところ、それが失敗。前年搭載したチャンピオンエンジンであるルノーRS9Bに小改良を加えた「メカクローム」なるエンジン使用を強いられました。チャンピオンエンジンとはいえ、F1のトップ争いには「一年遅れ」は正直この上ない痛手です。こちらもまた結果的に戦績に影響を与えた一因でした。ちなみに肝心なBMWエンジンは3年後となる2000年シーズンまで待ちわびることとなります。

IMG_7490
《ドライバー》
No.1 ジャック・ヴィルヌーブ(全戦)
No.2 ハインツ・ハラルド・フレンツェン(全戦)
IMG_7491

《戦績》
38ポイント コンストラクター3位
(3位3回、4位3回、5位7回、6位3回ほか)
ポールポジション0回

ドライバーは劇的な内容で参戦2年目のチャンピオンに輝くJ・ヴィルヌーブとその相方フレンツェンで引き続き臨んでいます。マシンの色は大きく変わりましたが、要はドライバーもエンジンも変わっていない「チャンピオンチーム」というわけです。
image
開幕戦オーストラリアGPはテストから好調だったマクラーレンがライバルをあざ笑うかのようなぶっ飛んだ速さを見せつけたことにより完敗。フレンツェンは周回遅れの3位、ヴィルヌーブ5位と辛い滑り出しとなります。まあまあ、開幕戦だし何やらマクラーレンは怪しいデバイスがあったようですから様子見か。続く第2戦ブラジルGPは怪しげ「ブレーキステアリングシステム」を外したマクラーレンにまたもやフレンツェンは周回遅れの5位、ヴィルヌーブに至っては7位の入賞圏外に追いやられる屈辱を味わいます。これは決してたまたまではない、チャンピオンチームがやっちまった「マジなやつ」だということが露呈されました。
image
失速の原因はまずエンジンの発展途上にあります。長らくF1界を席巻してきたルノーエンジンも一年前のモデルでは力をつけてきたメルセデスはおろかフェラーリも追いつき追い越していきます。またニューウェイを欠き、再設計を必要とされた時に「必要とすること」が施せなかったことも大きくのしかかります。ニューウェイが設計したロングホイールベースのマクラーレンに遅れること7戦、カナダGPでようやくホイールベースを延長対応するなど、いずれも後手後手に回りました。シーズン後半の第11戦ドイツGP、第12戦ハンガリーGPでヴィルヌーブによる連続3位表彰台では時既に遅し。結局チャンピオンチームは一度もポールポジションや優勝することもなく、ヴィルヌーブの腕一本ではとても埋め合わせに至りませんでした。
IMG_7487
近年ウィリアムズは低迷の一途を辿っています。途中、復調の兆しはみせるものの、名門の低迷はここから始まりました。チャンピオンを取り逃がしてから今年で22年目に入ろうとしています。今シーズンはベテランのクビカが奇跡の現役復帰します。まずは最下位という不名誉な位置から脱することが目的になるでしょうか。

にほんブログ村 車ブログ F1へ
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

↑このページのトップヘ