F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

カテゴリ: 過去のGP

F1の夏は今現在進行形のサマーブレイクほか「ヨーロッパラウンド〜」だとか「夏の高速連戦〜」なんて以前は呼んだものですが、残る今シーズンのヨーロッパ戦はオランダとイタリアの2ヶ所です。モナコやスペイン、オーストリアにイギリス、ハンガリー、ベルギーまでやったのに、昔に比べてだいぶ短く感じますよね。イモラでのエミリア・ロマーニャGPが中止になったこと、またそもそもの開催地、レース数が増えたことによって「ヨーロッパの比重が少なくなった」ことがそのような錯覚を生んでいるのかもしれません。さらに忘れてはならないこと、今シーズンからまた伝統フランスGPが消滅したこともあるでしょう。フランス人ドライバーは2人、ワークスチームが一つちゃんとあるのにやらない(やれない)という不条理というか現実をこのようなことからも感じ取ることができる今のF1です。今年のアタマに過去のフランスGPは既に扱ってはいますが、レースの無い暇なひととき、miyabikunの独断と偏見でフランスGPの世界にいざないたいと思います。今回は直近の舞台ポール・リカールではなく、その一つ前にマニ・クールで行われていた2004年第10戦フランスGPです。
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ちなみにマニ・クールのサーキットレイアウトはこんな感じでした(黒実線)時計回りで、ぐるりと方向転換するエストリルや180°、ドッカンとブレーキングをかます鋭角アデレイドヘヤピン、また最終コーナーにはカナダのジル・ヴィルヌーブやサンマリノ時代のエンツォ・エ・ディノ・フェラーリ(イモラ)の最終進入にも似た「ひょっこりシケイン」があります。見た目は深海魚?!やさぐれたパックマンみたい。

2004年のF1といえば、、言わずと知れたフェラーリのM・シューマッハでガン決まりしていた頃です。面白くなかったですねー(笑)ファンにとっては幸せな時間だったことと思います。2000年からチャンピオンに返り咲いたM・シューマッハにおいて、5年連続7回目の期待がかかるシーズンとなっています。
フランスGPまでの9戦分の戦績をおさらいしておくと、、しておくまでもありません。実にシンプル。9戦8勝です。誰が?!もちろんM・シューマッハが(笑)
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赤いキックボードに何やら貼り紙が。何なに?「ブリヂストンの駐車規則違反、次回押収される」だって?!心配ご無用です。単なるチームスタッフのイタズラ。
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こんなイタズラできるほど余裕しゃくしゃくだったわけです。このフランスGPもどうせ勝つんでしょう(いつだかの時代に似たセリフ)では残ると1勝は誰が挙げたのか、そちらの方が気になりますよね。この方です。
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右の若かりしアロンソ?いや違います。左側にいるトゥルーリです。以前「過去のGP」でも18/5/23に扱ったことのある第6戦モナコGPで勝利しています。何故かフェラーリのスタッフと歩いていますが、イタリアのお友達なのかな。フェラーリに移籍も無ければ、まさかF1キャリアこの1勝に終わると思いませんでした。イタリアのフェラーリとイタリアのトゥルーリのみの優勝ということで、このレースまで「全戦の表彰式でイタリア国歌が流れる」という、今では想像出来ない状況で進行しています。
現在F1で日本代表といえば角田くんが奮闘中。この時代にも貴重な日本代表が1人います。
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 〜探し物はなんですか?〜
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 〜見つけ難いものですか?〜
というのは冗談ですが、ホンダのバックアップを受けジョーダンからF1の門を叩いた佐藤琢磨がBAR・ホンダから参戦しています。
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当時インディアナポリスで行われた前戦アメリカGPで日本人2人目となる表彰台登壇を果たして、目下評価は急上昇中。なるほど、トラック上で探していたのは「ツキ」ということか?(笑)

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予選は今回もM・シューマッハ、とはいかず、地元のワークスであるルノーのアロンソが獲得。M・シューマッハは2位に沈んでいます。驚くべきは上位10台中、ブリヂストンはフェラーリの2台のみであり、他8台はミシュランユーザーが名を連ねています。ミシュランもフランスメイク。懐かしいなぁ、ビバンダムくん。miyabikunが大学生の時の携帯電話ストラップで当時使っていたっけ。
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《予選結果》
P.P. F・アロンソ
 (ルノー ミシュラン)
 2 M・シューマッハ
 (フェラーリ ブリヂストン)
 3 D・クルサード
 (マクラーレン・メルセデス ミシュラン)

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スタンドはルノーの旗が舞います。水色一色。何せ紅続きの表彰台のテッペンを「地元で」水色にできるチャンス。アロンソへ期待が大きくのしかかる。
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スタートはポールのアロンソが死守し、ターン1に滑り込む。マニ・クールは抜きどころが限られているため、スタートダッシュは重要です。5番スタートの相方トゥルーリも失速したクルサードをかわして、ルノーがワンスリー体制を築く。

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M・シューマッハは、上位で最も早い11周目に1回目のピットインを行う。
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一方でアロンソは軽快にラップを重ねて、14周目まで引っ張るという差です。ポールポジションを狙うべく軽タンクで予選に臨んだものの、スタートで前に出られなかったのは痛手。

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トラック上で「ツキ」を探していた佐藤は7番スタートからまたもやホンダエンジンがブローし、わずか15周目でリタイヤ。何故バトンのものは平気なんだ、と言いたくなるくらいのトラブル続き。マニ・クールでは残念ながら「ツキ」を見つけ切れなかったということか。

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M・シューマッハはその後、29周目に2回目のピットを迎えます。ココは抜けないマニ・クール。どうしても前に立ちたいM・シューマッハとフェラーリはある秘策を企てます。ペースアップをし、アロンソのアンダーカットを狙う。つまり「決勝レースを予選モードの快速ラップで走り続ける」ということ。
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その策はうまくハマり、3周遅れで迎えたアロンソ2回目のピットインの際にM・シューマッハが前に立ちます。

M・シューマッハはまたアロンソより4周早い42周目に3回目のピットに向かい、暫定的な2位に陥落しますが、アロンソ3回目のピットで再びトップに。この時点でM・シューマッハはアロンソに対して「後ろを見ながら」走ればトップを維持できるものの、何とフェラーリは58周目に
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四度ピットに呼び込みます。
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ピット作業をしかと確認。抜け目無いわー。
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2位アロンソに対して1回分ピットインが多くても、8.3秒の差をつける圧勝。2番スタートからならば余裕で勝てる。誰かコヤツを止められる若人はおらんかー?!
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レースは最後の最後、チェッカーフラッグを受けるまで分かりません。ファイナルラップの最終コーナーで、タイヤがズルズルになった3位トゥルーリはアウト側を回る形となり、インがガラ空き。
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そこにバリチェロが飛び込む!
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バリチェロが3位に浮上し、フェラーリはワンスリーフィニッシュとなります。
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FB「ヤルノは何ヤっとルノだバカモンが」
これがきっかけにもなり、トゥルーリとブリアトーレの関係が悪化、トゥルーリはシーズン閉幕を待たずにチームを追われることとなりました。
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これでM・シューマッハは10戦9勝。。やり過ぎ、やらせ過ぎ。。

《決勝結果》
 1 M・シューマッハ(フェラーリ ブリヂストン)
 2 F・アロンソ  (ルノー ミシュラン)
 3 R・バリチェロ (フェラーリ ブリヂストン)

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マシンが秀でていることもさることながら、この時代のフェラーリはドライバー、チームスタッフの三位一体で「勝つための手順」がバッチリ確立されていました。さらには戦略やチームメイトの貢献など、M・シューマッハにとってこの上無い形でシーズンが進行していきます。マシンが壊れない限り、誰かのトラブルに巻き込まれない限り、負けるストーリーが思いつきません。その後のレッドブル×ベッテル時代、メルセデス×ハミルトン時代、そして現在のレッドブル×フェルスタッペン時代にも通じる「F1絶対政権の鉄則」です(繰り返しになりますが、翌2005年にこれが木っ端微塵に崩壊した時は驚きと爽快感を覚えました)

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今回は今から11年前にあたる2012年第12戦に行われたベルギーGPを振り返ります。グッと近代になりましたねー。

2012年はまだ2.4ℓV型8気筒のNAエンジンによるものでした。フロントウィングは広く、リヤウィングが狭い、いわゆる「チリ取り」のようなディテールに加え、Tボーンクラッシュ(側面衝突)に対する安全面の強化を狙い、ノーズ先端高さは625mm、基準高から最大550mmまでとなったたため、マシンの見た目がより独特(はっきり言ってダサい)なものになりました。またディフューザーの効果を高める手法として用いられてきたブロウンディフューザー(エキゾーストブローイング)が禁止されたことで、これまで 2年連続でチャンピオンを獲得したレッドブルは苦戦を強いられたシーズンとなりました。
このシーズンは史上初の「全20戦超え」が組まれ、サマーブレイク明けの第12戦に行われたベルギーGPまでの戦績は、全戦入賞かつ3勝を挙げるフェラーリのアロンソがランキングトップの164ポイント。2勝ながら前年チャンピオンのベッテルを凌駕するレッドブルのウェバーがランキング2位で124。優勝は第4戦バーレーンGPに止まり、前年のような切れ味無く三連覇が不安視されるベッテルが122。2勝を挙げ久々のチャンピオン獲得を望むマクラーレンのハミルトンが117。ここまで未勝利も2年のブランクを感じさせないロータスのライコネンが5位116。ほか、第3戦中国GPではメルセデスのロズベルグが、第5戦スペインGPではウィリアムズのマルドナドが初優勝を挙げるなど、勝者が分散しています。日本からはキャリア4シーズン目、ザウバーからフル参戦3シーズン目を迎える小林可夢偉が参戦。

金曜フリー走行はコンディションが悪く、まともに走れるようになったのは予選前の土曜午前の限られた時間となり、多くのマシンがセットアップをに詰め切れていない状況で予選セッションを迎えました。
ポールポジションを獲得したのは、2009年モナコGP以来3年振りのバトンでした。そして驚くなかれ、2番手は何とザウバーの小林。
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自身はもちろんのこと、歴代の日本人F1ドライバーで2004年第7戦ヨーロッパGPの佐藤琢磨に並ぶ最上位タイ記録です(現在においても最上位)3番手はスペインGPで初優勝を果たしたマルドナドが獲得しますが、フォースインディアのヒュルケンベルグの走行を妨害したとされ、決勝は3グリッド分降格の6番グリッドとなっています。下記はマルドナド降格により繰り上がったドライバーも特別に挙げています。

《予選結果》
P.P. J・バトン  (マクラーレン・メルセデス)
 2 小林可夢偉   (ザウバー・フェラーリ)
 6 P・マルドナド(ウィリアムズ・ルノー)
 3 K・ライコネン(ロータス・ルノー)
 4 S・ペレス  (ザウバー・フェラーリ)
 5 F・アロンソ (フェラーリ)
 ※タイヤはピレリのワンメイク
  マルドナドは予選で進路妨害によるペナルティ
  のため、決勝は6番グリッドへ降格

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決勝の小林はしっかりとフロントロウ。セカンドロウ4番グリッドにはチームメイトのペレスが鎮座。ザウバーの上向き調子がうかがえます。しかしフォーメーションラップを終え、スターティンググリッドに就くと、小林のマシンから白煙が上がっています。
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(お願い!クリーンなスタートを見せて!)
ザウバーチームの母(ウソ)チーム代表のカルテンボーンが祈る。これはエンジンからでなく、ブレーキから上がるもの。チームにとってこの上無き好グリッドですもんね、小林のスタートを見守りましょう。小林はターン1のラ・ソース目掛けて、やや内向きにマウント。
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何だ?!6番グリッドのマルドナドは完全なるジャンプスタート。予選に続いて決勝のスタートも悪目立ち。
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ポールのバトンは順調に加速をみせるも、小林は完全なる出遅れ。先日終えたハンガリーGPでの周もそうでしたが、F1での慣れない上位グリッドスタートとなると、手元足元が震えちゃうものでしょうか。
あとライコネンと入れ替わる形でイン側に入ってきたのは8番スタートのグロージャンで、ハミルトンをさらにインへ追いやる。
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そして接触。グロージャンはハミルトンの存在がわかっているのかな。寄せていけば諦めて引くと思っているのかな。と、その瞬間!
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ハミルトンは反時計回りに回転。
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続いて黒のグロージャンがトビウオ状態。
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と思ったらグロージャンも回転して、進行方向が真逆に。
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えー!何ナニ?!グチャグチャやん。。
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止まる。飛んでいたのはアロンソとハミルトンか。ラ・ソースは複数台のマシンの残骸で溢れています。
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あ、これはハミルトンの当時の彼女のピョンピョン女ちゃん(名前知らん)心配そう。。
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「おまえはバカか!」(出川哲朗風)
ハミルトンガチギレ。間違い無くグロージャンに対してのものですが、今一度オンボードカメラで検証してみましょう。

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まずはガチギレハミルトンから。8番手改め7番グリッドから発進。
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アウト側からグロージャンが接近。
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グロージャンがさらにイン側へ閉めていくと、ハミルトンの左フロントタイヤと接触、ハミルトンが挙動を乱して
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グロージャンを押し出す。ハミルトンの前輪二輪が回転していないこと、さらにノーズの突き刺さっている高さからして、ハミルトンのフロントは浮いた状態。
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押されたグロージャンは小林のスタート出遅れを避けるべく、イン側に振ってきたペレスに乗り上げてテイクオフ。左奥にはアロンソが見えます。
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ハミルトンは続いて外側のアロンソのサイドに衝突。アロンソはこれで回転し始めます。
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グロージャンはだいぶ遠くに飛んだなぁ。誰かのタイヤがもげて転がっています。
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続いてアロンソカメラ。前方のライン上にはバトン、ライコネンが見えます。アウト側のウィリアムズはジャンプスタートをかましたマルドナドなので、本件から放っておいて大丈夫(笑)
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いきなりコレかよ!怖っ。。黒ージャンがとんでも無いところから飛んでくるージャン。
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一瞬にしてアロンソの視界は後続車とお見合い状態に。右手には遅れたばっかりに被害を受けた小林とハミルトンが見えます。
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最後は小林カメラ。向きが逆のグロージャンを目にしたと思ったら、
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ハミルトンの左フロントタイヤとアロンソの右リヤタイヤが見えてくる。
この接触により、グロージャン、ハミルトン、アロンソはもちろんのこと、ペレスとデブリをかき分け戦列に戻った小林もサイドポンツーンの損傷によりリタイヤを強いられています。ベルギーGPでの大規模クラッシュといえば、雨による1998年のものが有名ですが、今回の件は完全に人為的ミス。グロージャンの無謀ともいえる幅寄せがきっかけです。
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この件でグロージャンは翌第13戦イタリアGPの出場停止処分が下っています。小松氏にしこたま叱られて下さい。


と、ここまで大分スペースを要してしまいましたが、これまだ1周目、ターン1での出来事です。この後のレースにもいくつかのキーポイントやバトルはあるのですが、この後は大きなイベントも比較的少な目で平凡。あの地獄絵図の後ではインパクトが弱過ぎますので、ほんの軽くダイジェスト版でいかせていただきます(手抜きーと言わないでー!)


4周目までセーフティカー先導による事故処理が行われ、5周目にレース再開。
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再びターン1で再びマルドナドが再び悪目立ち。イン側を無理に突っ込んで、マルシャのグロックをスピンに追い込み
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自らのフロントウィングに乗り上げてリタイヤ。グロージャンといい、コヤツもようわからん(笑)当時の「お騒がせ二大巨頭」といったところか。
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6周目の上位勢の順位変動はこうなっています。バトンは後ろの喧騒などつゆ知らずトップを維持。こちらも小林の前に出られたことで難を逃れたライコネンはレース再開直後ヒュルケンベルグにやられてプラマイゼロ。トロ・ロッソのリカルドは-10、ウィリアムズのセナは-9、メルセデスのシューマッハは-8と、スターティンググリッドなんぞ何の意味も無いような変動となっています。
(ちなみに-8で7位浮上の「VER」はフェルスタッペンではありません。トロ・ロッソのベルニュです)

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バトンは快調快調!1回ピット戦略も可能なタイヤデグラデーションを維持。
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バトンと同様に少数派となる1回ピット戦略をベッテルは母国の英雄シューマッハをブレーキングであおり立てる。
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一時期ペースが伸び悩んだライコネンはストレートでシューマッハに及ばず。ならば
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オー・ルージュの進入でアウトからさばく。さすがスパ王。オー・ルージュからラディオンは今まで(またこれ以降も)数々の事故を招いた危険度の高い「スパ・フランコルシャンにおけるシンボル的存在」ですが、たまにパッシングが行われるポイントでもあります。いく人はいける。

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さあさあ優勝者のお出迎えですよー関係者は前の方へ!、、えーっと、この方は出して大丈夫なのかな。「既に出ていらっしゃる」なら、、いいのかな(笑)

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《決勝結果》
 1 J・バトン  (マクラーレン・メルセデス)
 2 S・ベッテル (レッドブル・ルノー)
 3 K・ライコネン(ロータス・ルノー)

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バトンにとっては上位ランカーが下位フィニッシュないしリタイヤとなり、タイヤを保たせてのイージーレースで幕を閉じました。ベッテルにとっても第9戦イギリスGP以来3戦振り、このシーズン4回目の登壇で一安心。まだまだチャンピオン争い、三連覇が可能なポジションでシーズン後半戦を挑みます。

あー1周目の事故の実況見分、疲れた。。

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今回の過去のレースは一気に現代へ近付けました。とはいえ、今から14年も前の話ですがー。2009年第10戦に行われたハンガリーGPになります。2009年の振り返り、ハンガリーGPの振り返り共に8回目。2009年は全17戦が行われていますので、約半分を振り返っていることになります。この年はある意味「波乱」「異質」で振り返り甲斐があります。
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その「波乱」「異質」をもたらした原因の多くはレギュレーション変更でした。変更点の全てをここには記しませんが、オーバーテイクを促進すべく「ダウンフォースの低下」(エアロパーツの廃止)、「スリックタイヤの復活」(グルーブドタイヤの廃止)、「運動エネルギー回生システムの導入」(略称KERS。ただし必須ではなく、任意)などがあります。KERS導入については必ずしも有利に働くものと考えられず、全10チーム中4チーム(フェラーリ、マクラーレン、ルノー、BMWザウバー )に止まり、シーズン序盤は非搭載車の方が有利にレースを進めました。逆にレギュレーションの隙をつく技術として、マシン後端のディフューザーを複層化させた「マルチディフューザー」(ダブルディフューザー)を搭載したマシンとチーム(KERS非搭載車の多く)が幸先いいシーズンを迎えるという、前年までの勢力図を大きく覆すこととなりました。

ハンガリーGPまでの9戦の戦績は、ホンダ撤退によりわずか1ポンドで受け継ぐ形で誕生したブラウンGPのバトンが四連勝を含む6勝を挙げ、ランキングトップをひた走る状態。また前年2008年にトロ・ロッソに初勝利をもたらし、レッドブルに昇格を果たしたベッテルが第3戦中国GPと第8戦イギリスGPを勝利。また相方ウェバーが前戦第9戦ドイツGPでキャリア初優勝を果たした1勝という偏りで、前年チャンピオンのマクラーレンや前々年チャンピオンのフェラーリは未勝利のまま、このヨーロッパラウンド中盤を迎えています。日本系はウィリアムズから中嶋一貴がフルタイム参戦2年目を迎え、チームとしてはトヨタワークス、そのトヨタがエンジン供給を行うウィリアムズがありました。ほか、タイヤはブリヂストンの単独供給3年目を迎えています。

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予選はQ2の途中から波乱を迎えています。フェラーリのマッサがタイヤウォールに突き刺さり、微動だにしません。無線からの呼びかけにも応じず、サーキットに緊張が走ります。
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原因はこれでした。画像では見辛いですが、ブラウンGPのバリチェロのマシンからリヤサスペンションのコイルが脱落します。路面に黒い一つの粒が見えますが、それがコイルです。
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それが後続のマッサに向かって降りかかる。というべきか「マッサがコイルに向かっている」が正しいか。
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小さいけど、これは金属ですからしっかりと質量があります。マッサはこの時200km/h以上で走行しているため、視認できません。マッサのヘルメットに命中。
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その瞬間気を失ったか、グリーンにはみ出してもステアリングを回す行為をせず中立のまま。スロットルとブレーキの両方を踏んだ状態で直進。
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トラックをまたいでもステアリングは動かず、そのままタイヤウォールに。
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ズドン。依然としてフットペダルに足をかけたまま、後方から5Gの衝撃でストップ。マッサは一命は取り留めたものの、頭部を骨折して病院に搬送されてしまう事態となりました。

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話を予選セッションに戻し、マッサ無しで行われたQ3も不測の事態が続きます。暫定5番手でラストアタックに向かうレッドブルのベッテルのタイム表示が突如消えます。
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これは我々の視聴するテレビ放送だけの問題ではなく、サーキット全体、各チームのタイミングモニターにも同じ現象が及んでいるため「自車のタイムはわかっても、ライバルのタイムや順位がわからない」状況に陥ってしまいました。
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まあまあ出来のいい予選を終えた「感触のある」ルノーのアロンソがライバル達のタイムを聞いて回っています。アロンソは1分21秒5に対し、バトンは1分22秒5。
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マクラーレンのハミルトンは1分21秒7。
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ベッテルは1分21秒6でウェバーは1分21秒7。せめて0.01秒台までのタイムが知りたいですね。結果、アロンソがハンガリーGPでは2003年のキャリア初優勝以来のポールポジションを獲得。以降2番手ベッテル、3番手ウェバー、4番手ハミルトンと続き、10番手を獲得しながら決勝レースを出走できないマッサの相方ライコネンは7番手。
日本系はウィリアムズ・トヨタのロズベルグが5番手、えー中嶋はまあ9番手。トヨタワークスのトゥルーリが12番手、グロックが14番手で予選を終えています。今回は予選の出来事だけでも盛り沢山です。

《予選結果》
P.P. F・アロンソ(ルノー)
 2 S・ベッテル(レッドブル・ルノー)
 3 M・ウェバー(レッドブル・ルノー)
 ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

決勝レーススタート前には、各車の予想ピット周回数が表示されています。この年から予選上位10人の予選時燃料搭載量が公表されたため、重量や燃費計算により、このような予想が立てられました。
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ポールポジションを獲得したアロンソはライバルに比べ軽タンクで抜き難いハンガロリンクで前に立ちたい魂胆がバレバレです。また2番手3番手を獲得したレッドブル勢、特にベッテルはライバルよりも重い状態であのタイムを記録したことも明らかになりました。ちなみにポイントランキングトップで予選を8番手で終えたバトンは上位10人で最も重いタイムアタックをしていました。

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スタート。トラックで外側、内側に割れた隙を4番スタートのハミルトンが中央突破を図ります。それを可能にしたのはこれ。
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画像中央に表示されたタコメーター下の電池マーク。これがKERS。マクラーレンには搭載されています。これを使用すると
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グンとスピードが増し、非搭載のレッドブルをまくることが可能となります。しかしそんなハミルトンの好スタートも
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うわっ!左から7番スタートのライコネンがチラリ。フェラーリもKERSを搭載しており、グリッドはラバーの乗る奇数側スタート。
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ターン1先ではウェバー、ハミルトン、ライコネン、ベッテルの4台が横並び。一台はアウト側にはらんでしまっているけど、こうしてみるとハンガロリンクってなかなか幅員が広めですね。
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一番イン側にいた2番スタートのベッテルはまたもや左側からライコネンが顔を覗かせ、ベッテルの左フロントを蹴り飛ばしていく。
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これが後々ベッテルを苦しめ、29周でリタイヤすることとなります。

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1スティントを軽タンクの逃げ逃げ戦法で、一時期は2位に3秒近いマージンを築いたアロンソも、ウェバーに代わって2位に浮上したハミルトンにじわじわと詰め寄られています。
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アロンソの燃料ポンプは異常をきたしており、それがやや不安要素。
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アロンソは事前の予想に近い12周目にピットへ。暫定9位で復帰するも
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まず右フロントのホイールカバーが吹き飛び
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続いてタイヤ自体がズレ始めて
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吹っ飛ぶ。せっかくいい感じで来ていたのに、これはピットでのホイール装着ミス。罰金をたんまり払いつつ、燃料ポンプのトラブルもあって15周でレースを終えます。

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19周目に2位ウェバーと3位ライコネンが同時に1回目のピットを迎えます。
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前年ランキング2位のフェラーリがピットレーンでは上流側。先にピット本線を走るライコネンに対して、レッドブルも負けじとウェバーをリリース。
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危ない!これはレッドブルのアンセーフリリースでライコネンが前に。
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トップのハミルトンは翌周20周目にピットを終えて3位復帰、事実上のトップを守ります。

両リヤタイヤにグレイニングがみられるものの、ライコネンとウェバーに対して大きなキャップを築くハミルトンは余裕しゃくしゃく。
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一方でランキングトップで「ポイント面で大きなアドバンテージを持つ」ブラウンGPのバトンはというと
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タイヤのグレイニングが酷く、オーバーステアに苦しみ、入賞圏外を走行中。第7戦トルコGPの優勝以降の走りがパッとしません。

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レースはハミルトンが2位ライコネンに11.5秒の差を付け、シーズン初勝利かつKERS搭載車としても導入10戦目にして初勝利となりました。2位はライコネン、3位はウェバーという結果となりました。えーちなみに日本代表の中嶋は惜しくも9位完走でまあ入賞ならず(当時の入賞は8位まで)

《決勝結果》
 1 L・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)
 2 K・ライコネン(フェラーリ)
 3 M・ウェバー (レッドブル・ルノー)

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チーム立ち上げ1年目。決して多くない資金かつKERS非搭載ながら「マルチディフューザー」を強みにシーズン前半でポイントと勝利を重ねてきたブラウンGPとバトンは結局7位入賞に止まり、負のループに陥っています。残り7戦で逃げ切ることが出来るかどうか、弱気発言。

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そして本編では全く触れなかったルノーのピケはこのレースをもってF1のシート喪失が決まり、後任にはグロージャンが選出されていますが、表情からは悲しさや惜しさは感じられず、むしろ逆にパパは不敵な笑みを浮かべる。この後F1界を震撼させる「爆弾」を投下することとなります。その概要については16/9/15のある過去のレースで振り返っていますので参照下さい。

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先日は2010年代から5問出題した「F1コレどのGP」ですが、えーご好評につきまして(?!いやーそうでもない)今回も引き続き2010年代に行われた印象的なレースやシーンから5問出題します。どの年のGPかをどしどしお考え下さい。

Q①
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「わーいわーい!がんばれふぇらーり!」
どこからどう見てもフェラーリファン、小さなティフォシです。フェラーリは強い時も強くない時もF1の代名詞。イタリアのみならず世界各国にたくさんのファンがいます。
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「ウチのスタートは2、4番手。この期待に応えねば」
シーズン序盤のヨーロッパラウンド初戦。首脳陣も決勝スタートを静かに見守る。
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スタート!2番手のベッテルがいい!トップでターン1に進入。4番手ライコネンのアウト側にはレッドブルのフェルスタッペンが並びかけていく。
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接触!ライコネンの左フロントタイヤは内側に折れ、タイヤスモークを上げながらストップ。トラック外でマシンを止め、0周リタイヤ。。
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「うーーっ。。ぶつかっちゃったよう。。」
先程の笑顔から一転、顔をくちゃくちゃにして泣く表情に。ベッテルはトップに浮上していますから、この表情からして明らかにライコネンファンということが判明しました。一方で隣のお兄さんは唇をかむ。ハミルトンも順位を落としてしまいましたから、スタートではファンそれぞれの思いが表れてきます。
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(マズった。。少年の思いを台無しにした。。)
普段はひょうひょうとしているライコネンもオープニングラップでのリタイヤは虚しさしか残らず。背中が寂しい。
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(よし、レースは終わっちまったし、待ってろよ)
ライコネン、動きます。
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「ほらよ。ありがとな。いいか、もう泣くなよ」
「えへへ、やった!」
先程スタンドで悔し涙を流した少年はフェラーリのモーターホームに呼ばれ、生ライコネンと一緒にレース観戦をしましたとさ。ライコネンはパパになったばかりですから、ステアリングを置けば子供は可愛くみえるでしょう。だいぶ丸くなったなぁ。

Q②
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予選終了直後の写真撮影の風景になります。立ち位置からわかるようにメルセデス2人に打ち勝ったレッドブルのリカルドがポールポジションを獲得した模様。近年はレースでの追い抜きが難しくなり、スターティンググリッドはかなり重要です。特にこのサーキットで勝つにはその要素が最重要。
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決勝のスタートは雨。ただでさえランオフエリアが限られ、ガードレールに囲われるサーキットですから危険度も増します。しばらくはセーフティカー先導でレースが進行します。レースが進むにつれ路面は乾き、各車ウェットからインターミディエイト、さらにインターミディエイトからドライへとタイヤを替えていく。
32周目にトップのリカルドがドライタイヤへの交換のためピットインすると、
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左リヤが無い。来ない。まだか?!
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何と静止時間13.6秒!1回目のインターミディエイトに交換した時の3.6秒から考えれば、10秒、4倍近いロスをしでかしたことになります。問題はそのロスをもってどのタイミングでトラック復帰できるか。
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ハミルトンの後ろ、2位。。レースはまだ前半ではありますが、ココはモ◯コ、モ◯テカ◯ロ。果たしてトラック上でかわせるものか?!
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残念ながら順位は変わらず。予選でポールポジションを獲れば、優勝するのに絶対的有利と言われるココで、チームの失態によりその権利を失う。ニコニコ笑顔がトレードマークのリカルドは2位ではうかばれず「無」になっています。

Q③
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スタンドには綺麗なマスゲーム。黒に赤に金か。この国の国旗でしょうか。かなりのヒントになりそうです。
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ポールポジションはフェラーリのベッテル。表情はやや険し目。それもそのはず、現在ポイントランキングも1位で久々のチャンピオン返り咲きに向けて集中モード。ここでポールトゥウィンとなれば、チャンピオン争いもだいぶ有利になります。
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逃げるベッテル。18周目は2位ボッタスに対して4.7秒の差を付け、チャンピオン獲得をより確実なものにしたい。
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レース中盤にレーダーが小さいながら雨雲の接近が映し出されています(右側のレーダーの中心にはGPのヒントとなる形が見えています)
ザウバーのルクレールらは45周目にインターミディエイトに履き替える。順位に影響がありそうです。
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あーやっちまった、、。ベッテルは52周目のスタジアムセクションでコントロール不能に陥り、グラベルにハマる。
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悔しい悔しい!ベッテルはステアリングを叩くわグラベルを蹴るわ、自らのミスを悔やむ。ベッテルのその後はどうなったか。ベッテルはフェラーリ時代にチャンピオンを獲得していないということから、以降逆転されたということ。このレースを落としたのはかなり痛手でした。

Q④
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スターティンググリッドの風景です。フロントロウはメルセデス、セカンドロウはレッドブルの模様。この時代はメルセデスがフロントロウをガチガチに占めていましたね。メインスタンドの屋根は膜を使ったなかなか奇抜なもののようですね。
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回り込むターン1で接触!見辛いですが、スタートダッシュが効いたベッテルの左フロントがロズベルグの右リヤを突く形で回転させてしまいました。この回り込むコーナーは「某大手レンタカー会社」のロゴマークのような線形をしています。これもGP決定の手がかりになりそう。
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ニコが後退すれば、こちらとしては儲けモン。逃げるハミルトンは一人旅を続けています。こりゃ楽なレース展開になったもんだなあ。と余裕をかましていると、、
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あら珍しい。パワーユニットから白煙が上がっています。無敵を誇るメルセデスとて、こうなってしまえば何も出来ない。逆を言えば、こうでもなってくれないとライバルはなかなか捕まえることができませんでしたよね。いつだかの時代、レースと同じだなぁ。
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メルセデスの2台、そしてフェラーリの速い方が消えてくれれば、主役は僕らだ。レッドブルがワンツーフィニッシュをおさめ、チームクルーも大喜びです。3位はというと
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うわ、まさかのメルセデス。ロズベルグしぶとく生き残っていたのね。後退したと思いきや、やっぱりチャンピオンマシン。3位でしっかりフィニッシュできちゃうメルセデスでした。

Q⑤
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あるレースの5位6位対決になります。レッドブル2台がコーナーの出口外側でホイールトゥホイールのバトルを繰り広げています。ホイールトゥホイールというより、もう完全に触れ合ってタイヤスモークを上げていないか?!大丈夫か、チーム内バトル。ちなみにアウト側が先輩リカルドで、イン側が若手のフェルスタッペンになります。
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リカルドに対して、フェルスタッペンは容赦無く食らい付き、またも両者ハードブレーキングでタイヤスモークを上げてバチバチです。
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「ねえ、アイツ生意気よ。パパ」「うーん、だな」
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サーキット屈指のロングストレートで今回はフェルスタッペンが前でリカルドが後ろ。リカルドは0.5秒のギャップをDRSを使って仕留めるつもりか。気を付けてよ?
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うわ、やった。。前のフェルスタッペンは頑なにラインを譲らず、リカルドはこじ開けにかかるも、直列繋ぎのようにリカルドのノーズがフェルスタッペンのリヤを浮き上がらせてターン1へ。
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「言わんこっちゃ無い。全くくだらん」
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トップ争いでは無かったものの、レースはこれで残り10周を残して同士討ち。この後のガレージでどんな会話が繰り広げたものか。


以上、今回も2010年代から印象的な5レースの抜粋して出題しました。言われてみれば、どこか見覚えあるシーンばかりだったのではないでしょうか。
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AA「なあ、一番右の先輩。真面目に解いてるらしい」
LN「マジで?!相変わらず真面目やなぁー」

miyabikunこれでも真面目に出題しているんだから、君らも是非参加して下さいよ!産まれていない時代じゃないわけだし。君らF1に関するクイズよ。
よろしいでしょうか?!答え合わせいきますよ?

A①:2017年第5戦スペインGP
   (観戦記は17/5/15掲載)
A②:2016年第6戦モナコGP
   (観戦記は16/5/30掲載)
A③:2018年第11戦ドイツGP
   (観戦記は18/7/23掲載)
A④:2016年第16戦マレーシアGP
   (観戦記は16/10/3掲載)
A⑤:2018年第4戦アゼルバイジャンGP
   (観戦記は18/4/30掲載)

今回も参考として、当ブログのリアルタイム観戦記のタイミングを載せておきました。5レース全てが対象。配点は「年5点」「GP5点」の50点満点です。
いかがでしたでしょうか。50点満点だった人は手を挙げて、、。。今回はやや年代が固まってしまっていますが、前回含め、2010年代後半から10問出題しましたので、後半は今回でおしまい。次は2010年代前半から出題しようかな(miyabikun刻むなぁ)

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MV「ボク全問正解」LN「ウソ、それは絶対ウソ」

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今回の「過去のレース」は前回よりも少し時代を近付けて、1991年の第8戦にシルバーストンで行われたイギリスGPになります。あーそれ知ってる!という方も多いはず。色んなシーンが色んな意味で有名です。
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このシーズンは4人のイギリス人ドライバーが参戦していますが、中でも最も人気を集めたのはやはりマンセルです。まだチャンピオン獲得には至っていませんが、直近4戦で3回の表彰台登壇と上り調子で地元入りしています。

現在イギリスGPが行われるシルバーストンと同じシルバーストンではありますが、例の如くレイアウトとコントロールラインの位置も現在と異なります。
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現在は図の⑥のレイアウトで行われていますが、当時は③で行われていたものから、ちょうどこの91年を前に大改修を施し、④のレイアウトに変更された初年になります。③ではまだ高速の色が強い直線的なレイアウトもマゴッツ、べケッツ、チャペルをS字状にし、ストウとクラブの間にベールを設けて低速化を図り、さらには終盤にはグルリと回り込むルフィールドを設置するなどテクニカル要素が加わっています。コントロールラインは現在ターン8のウッドコートとターン9にあたるコプスの間にありました。

91年はいわゆる「四天王」と呼ばれたピケ、マンセル、プロスト、セナが揃う最終年となります。ピケがこのシーズン限りで引退、翌92年にはマンセル、93年でプロスト、そして94年はセナと立て続けにレジェンド級ドライバーがF1をあとにしました。一方で将来が期待される新人として、開幕戦からフィンランド出身のハッキネンが、このイギリスGPの3戦後に行われたベルギーGPからドイツ出身のM・シューマッハが参戦を始めるなど、世代交代も刻一刻と迫るシーズンです。
ここまでの7戦は前年90年チャンピオンのマクラーレン・ホンダのセナが開幕から4連勝と2つの3位を獲得したほか、第5戦カナダGPはベネトンのピケ、第6戦メキシコGPはウィリアムズのパトレーゼ、ヨーロッパラウンド初戦の第7戦フランスGPは同じくウィリアムズのマンセルが1勝ずつと、セナが頭一つ抜け出た状態で進んでいます。また日本人ドライバーはティレルから中嶋悟、ラルースから鈴木亜久里の2人がエントリーしています。

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予選はフリー走行からトップを獲得する地元のマンセルが2番手セナに0.679秒、3番手で同じマシンに乗るパトレーゼに1.170秒も引き離す大差のポールポジションを獲得。
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観客も大喜び!
4番手はマクラーレンのベルガーとなったことで、マクラーレンとウィリアムズが上位を奪い合う形となりました。5番手はフェラーリのアレジ、6番手は相方アレジ。
マクラーレンほか日本系はティレル・ホンダのモデナが10番手、中嶋が15番手。ブラバム・ヤマハのブランデルが12番手、ブランドルが14番手。ラルースの鈴木は26台中22番手となっています。

《予選結果》
P.P. N・マンセル
 (ウィリアムズ・ルノー グッドイヤー)
 2 A・セナ
 (マクラーレン・ホンダ グッドイヤー)
 3 R・パトレーゼ
 (ウィリアムズ・ルノー グッドイヤー)

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決勝のスタートの様子。現在でいう右ターン8であるウッドコートにグリッドがかかっているため、隊列が右に曲がっているのが特徴的。
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ポールのマンセルのリヤタイヤから白煙が見えます。痛恨のホイールスピン!
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当然その隙をセナは見過ごすこと無く、トップで右ターン1のコプスに向かう。マンセルは期待高まる地元で思い切り赤っ恥。
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しかし戦闘力あるウィリアムズFW14であれば、マクラーレンを簡単に捕らえられる。チャペルの先にあるハンガーストレートでピタリとセナの背後につけると
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内側から並んでいく。
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ココ、有名ですね。よく見る画。
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マンセルは半周足らずのストウ手前で前に。振り出しに戻します。

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オープニングラップでパトレーゼと接触し、リタイヤに追い込みつつも3位をキープしていたベルガーは22周目にアレジ、プロストのフェラーリ勢に一気にかわされ5位に転落。
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3位4位に浮上したフェラーリは若手のアレジが前。すぐ後ろのプロストの向きが不可解にも見えますが、、
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あらら、スピン!そういうことね。
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プロストもこんなミスするのね。85,86,89の3回チャンピオンは未勝利が続きます。

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一方アレジはというと、鈴木を周回遅れにしようとしています。見辛い画像ですが、奥の深紅がアレジのフェラーリです。
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あら、フロントウィング右側が無い!接触!
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向かい合っちゃってまあ気まずい。。アレジは31周目、鈴木は29周目に共にリタイヤ。こりゃ日本人の綺麗どころでも紹介して謝罪せにゃ(笑)

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41周目にジョーダンのデ・チェザリスが単独でウォールにクラッシュ。
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勢い止まらず再びトラック上に戻ってきてしまいます。本線には後続の姿がチラリと見えるけど、、
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危ない!フルブレーキング!
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間一髪でかわし、クラッシュを免れました。もう1人の日本人ドライバー、中嶋でした。その後無事に8位完走(当時の入賞は6位まで)を果たしています。

トップ争いが無いため、大分放置してしまっていますが、2位セナはタイヤ温存で少しずつながらギャップを縮めつつも、最終周に悲劇が襲います。
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何とガス欠。。チェッカーフラッグに辿り着くことが出来ませんでした。のちにコンピューターのエラーだったことが明らかになりましたが、理由はともあれ4位扱いで表彰台からは陥落してしまいました。
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やーい、ざまあみろー!ユニオンジャックが大きく舞う。マンセルが勝てれば満足。
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大きな声援を受けながらチェッカーフラッグを目指すマンセル。
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マンセルは初の母国GPをフリー走行、予選、決勝を全てトップで完全試合を成し遂げました。
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《決勝結果》
 1 N・マンセル
 (ウィリアムズ・ルノー グッドイヤー)
 2 G・ベルガー
 (マクラーレン・ホンダ グッドイヤー)
 3 A・プロスト
 (フェラーリ グッドイヤー)

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ウィニングランで立ち往生しているセナを途中で拾う。
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「おめでとう!パルクフェルメまでよろしく頼む」
マンセルの頭を撫でています。
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「君、君!マシンの箱乗りはイカンよ!!」
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「うるせぇ!あっち行け!」「ぬわぁ」
蹴りと突きで静止を振り切るセナ。このシーンもとても有名で、後世でも似たシーンがありましたが、これはダメな行為。禁じられています。
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イギリス人がイギリスのチームでイギリスGPを制する。この上無き幸せ。
2023シーズンも3人のイギリス人ドライバーが参戦していますが、未だ勝ち星が無く進行しています。まあ1人は腐るほど勝ってきたのでどうでもいいけど、残る若い2人、どちらかでも優勝してくれないかしら。。

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