F1 えきぞーすとのーと

よくあるニュースネタやこ難しいテクニカルな話ではなく、メインは予選や決勝のTV観戦したそのものを個人的観点から綴るF1ブログです。  また、懐かしのマシンやレースを振り返ったり、記録やデータからF1を分析。その他ミニカーやグッズ集めも好きなので、それらを絡めつつ広く深くアツくF1の面白さやすごさを発信し、楽しんでもらえたらいいなと思っています。

カテゴリ: 過去のGP

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怪我からいよいよ戻ってきた。この年のこの男の役割は「ナンバー2としてチームとチームメイトを支えること」珍しく裏方に徹します。初開催で復帰初レース。チャンピオン争いも佳境を迎えた1999年第15戦マレーシアGPです。
チャンピオン争いは二連覇を図るマクラーレンのハッキネンが3勝の62ポイント、2位はM・シューマッハに代わってフェラーリのエースを仰せつかったアーバインが同じく3勝の60ポイントで続きます。この2ポイント差、残り2戦のタイミングでハッキネンにとって訃報といえる「厄介なナンバー2」がリハビリを兼ねての復帰です。今シーズンのイギリスGP前に振り返った第8戦イギリスGPで不可解なトラブルで戦線離脱して3ヶ月。シューマッハの立ち位置と走りがキーポイントになります。

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ドライバー全員にとって初開催のセパンサーキットの初ポールシッターとなったのはシューマッハでした。2番手アーバインからは0.9秒、4番手ハッキネンからは1.2秒も引き離して、怪我の影響も何のその。
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ガレージでタイムを待つアーバイン、順位は負けてもご満悦な表情。心強い。一方でハッキネンをサポートすべきチームメイトのクルサードは3番手となり、シューマッハ同様にどう立ち振る舞うか注目されます。日本で唯一の参戦となるアロウズ高木虎之介は最後尾の22番手スタート。母国GPを前に苦しい位置。

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《予選結果》
   1 M・シューマッハ(フェラーリ・F)
   2 E・アーバイン    (フェラーリ・F)
   3 D・クルサード   (マクラーレン・M)
   ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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決勝レースのスタート!新設サーキットは幅員に余裕があり、各車ワイドに広がっていきます。マクラーレン2台に付け入る隙はありません。
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4周目にシューマッハはアーバインにトップを譲り「壁シフト」開始です。いつもとは違う立場、レース前の宣言通り、アーバインとチームのための走りに徹していきます。
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まだハッキネンからもトップのアーバインまで目と鼻の先ではありますが、壁の存在がもどかしい。
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3位でこちらもサポートを命ぜられるクルサードがシューマッハの壁を貫き、2位に浮上しています。これでハッキネンの直前に壁が近付いてきました。早いうちにこの壁を打ち砕かないと、アーバインはみるみるうちに離れていく。
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15周目にクルサードがスローダウンしリタイヤ。クルサードは前年98年と同様に、肝心な時に全く役に立たない。ハッキネンはやはり自力で防衛するしかない。
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トップのアーバインは25周目に1回目のピットを済ませて、ハッキネンと好調ハーバートの後ろとなる余裕の4番手復帰。レースはスチュワートのハーバートを絡めた4台で進行していきます。

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47周目に2回目のピットのタイミングでハーバートに前を許してしまいます。アーバインはシューマッハのサポートがあるから順位はどうにでもなる。ハッキネンは4位ではダメ、自力で3位は死守して最終戦の日本GPに備えたい。何とか53周目に攻略して3位を確実なものとします。これが今回やれる精一杯です。
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一方で2回目のピットを済ませて順位が入れ替わっていたシューマッハはアーバインを再び譲り、トップに返り咲き。アーバインにとっては絵に描いたような理想的なレース運びとなりました。
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アーバインは笑いが止まらない。
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《決勝結果》
   1 E・アーバイン     (フェラーリ・F)
   2 M・シューマッハ(フェラーリ・F)
   3 M・ハッキネン   (マクラーレン・M)

この結果、ポイント上でアーバインはハッキネンを4ポイント逆転し、日本GPを迎えるはずでしたが、レース後にパドックがザワつきます。何とフェラーリ2台のディフレクター(バージボード)が規定に違反しているとし、失格。ハッキネンが繰り上げ優勝でチャンピオンとなる発表がされました。
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フェラーリは当然質問責めを受け、ロス・ブラウン自らディフレクターに金尺を当てて説明
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FIAに控訴します。
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結果的にマレーシアGPの順位は正当なものとされ、失格とハッキネンの繰り上げチャンピオンは撤回。4ポイント差のまま最終戦の日本GPに入ることとなりました。最近はこのような抗議や緊迫したチャンピオン争いもみられなくなったF1。ドライバーもスタッフもファンも緊張が走るヒヤヒヤなレースと裁定が懐かしいですね。

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真っ赤に染まるモンツァのスタンドの声援に応えるベルガー。それには深い意味がありました。ベルガーはこのシーズンをもってフェラーリから二度目の離脱を発表しており、この年が最後のフェラーリドライブになるからです。翌年からは水色ベネトンへ移籍します。
フェラーリ最後のモンツァはベルガーだけではありません。プロストの跡を継ぎ、若くしてフェラーリのエースを仰せつかったアレジもフェラーリを去ります。
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不満タラタラ。伸び盛りの若き才能の障害となった名門は、チーム再建に出て日の浅いドイツの怪物を選択しています。この時期になると来期のシートで騒つき始める1995年の第12戦イタリアGPです。

その怒りや不満を走りにぶつけてもらいたいところですが、残念ながらフェラーリの予選はベルガー3番手、アレジ5番手とイマイチ奮いませんでした。ポールポジションは第2戦アルゼンチンGPで初ポールを獲得したばかりのウィリアムズのクルサードが2回目。2番手は渦中のM・シューマッハと世代交代の気配は否めません。
日本人ドライバーは2人出走し、ティレルの片山右京が17番手、フットワークの井上隆智穂は20番手でした。

《予選結果》
   1 D・クルサード     (ウィリアムズ・R)
   2 M・シューマッハ(ベネトン・R)
   3 G・ベルガー        (フェラーリ・F)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

フォーメーションラップを行う各車。
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これは第1シケインの空撮です。今とはレイアウトが違うでしょう。さあさあ皆さん、タイヤを温めてレースに備えて下さい。とココで2番手シューマッハのオンボードカメラで珍しい光景を捉えています。砂煙が上がる。前を走っているのって
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そう、クルサード。アスカリシケインでコースオフしています。前座レースのオイルに足を取られたとのこと。あーあ。
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クルサードは自力で隊列に戻りますが、ポールポジションスタートの権利はありません。先頭がガラ空きって、何だか締まりませんね。
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スタート!シューマッハが余裕で加速をしていくと、両側から赤のフェラーリに挟まれていく。ベルガーもアレジも完璧なダッシュを決めてきました。
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さっきのアスカリシケイン出口もクルサードがまき散らかした「余韻」を感じつつ、ベルガーがピッタリとシューマッハから離れません。トップがパラボリカに滑り込む頃、アスカリシケインが騒がしい。ワイドに色々散らばっている?!
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ほら!やっぱり。
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リジェのパニスとフットワークのパピス(名前が似ている)がクルサードの引っかかったオイルトラップ、いやクルサードのばら撒いたサンドトラップに引っかかったか、スピンを喫し、トラックを横切れば、あとはぐちゃぐちゃです。
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そんな暴動もつゆ知らずのベルガーは無心にシューマッハを攻め続け、第1シケインで前に出る。ティフォシの前だと、力がメラメラ湧いてくるものなんでしょうか。
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しかし気持ちよくトップでグランデを通過すると、ロッジアで赤い旗を持ったマーシャルに止められる。赤旗再スタートです。理由はこの先のアスカリがぐちゃぐちゃだから。

再スタートということは、今のは無かったことにしてもう一度スタート位置に就くということ。予定した位置、ポールポジションは?!
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「そう、僕なのでーす!」
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「あはは、でかしたぞデビッド!」
四角いクルサードが丸く収まりました。でかしたのは土曜日であって、むしろさっきはしくじった側なのですが、これでフランクの開いた口が塞がります(笑)
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またグリッドが2つ歯抜けだけど、改めてスタート。
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またまた3番手ベルガーの蹴り出しがよく、シューマッハをかわし、トップのクルサードについていきます。

12周目のロッジア入口
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クルサードがまた単独スピンを喫してグラベルに飲まれています。マシンの挙動がおかしい。
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また口が開き出す。ピットに戻ると、右フロントのホイールベアリング不調で走行不能と判断されて、今度はリタイヤ。レース中に故障したのか、はたまたフォーメーションラップのコースアウトで傷めたのか、お騒がせクルサードはここまで。

トップは余裕のベルガー、少しギャップをおいてシューマッハ、ヒル、アレジと続きます。
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23周目に周回遅れの対応もあってシューマッハとヒルが近付きます。モンツァはスリップストリームを使ってパッシングするのが王道です。シューマッハがグランデ出口で井上をかわして、次はヒルの番。
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今日何回もお目見えしているメルセデスの看板が見えてきました。ロッジアですね。ヒルはイン側から井上をかわすラインを採りました。
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するとブレーキングを開始したシューマッハのリヤが急接近してきます。
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押し出して、2台は反時計回りに仲良く同調したままスピン、グラベルへ。
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ヒルはシューマッハと井上の背後にいましたから空気も薄く、またロッジアのブレーキングも控えていたためリスキーでした。パッシングの判断と動作開始が遅かったように思えます。砂煙の立ち上る中、シューマッハは足早にヒルに駆け寄り文句を言いにいく。
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こういう接触は近年も度々見られますね。この件はヒルに非があります。殴り合いにならなくてよかった。

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トップのベルガーがピットを終えて本線復帰すると、暫定で先頭アレジ、2位ベルガーが続いていく(アレジのリヤウィング右側の黒いカメラに注目しておいてください)
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モンツァでティフォシはこれを待っていた!ボルテージが上がります。
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しかし32周目のまたまたロッジア進入でベルガーが突如タイヤスモークを上げて、左フロントタイヤを変な方向に曲げています。実は前を走るチームメイトのアレジのリヤウィングに搭載されたカメラがグランデで脱落、直後のベルガーの左フロントサスペンションに衝突してしまうというあわや大事故になりかねないものでした。

ベルガー申し訳ない!アクシデントとはいえ、ちょっと心配なアレジ(さっきまであったリヤウィングのカメラがなくなっています)そんなアレジも他人事ではなかった。
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右リヤのホイール内から火が出ています。ブレーキング時にブレーキディスクが赤く焼けて光ることがありますが、これはそれと違う。
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「アレジだけでもどうにかなりませんかねぇ」
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どうにもなりませんでした。アレジはリヤのホイールベアリング不調。一瞬ワンツーを予感させた地元の名門は一瞬で姿を消して店じまい。
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「ジャン同士、あっちで慰労会やろう、なっ!」

荒れに荒れたモンツァは出走24台中完走10台。53周を走り切ったのはわずか4台。優勝はふて腐れるこの方。
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第8戦イギリスGPに続く2勝目。日本人はトップドライバー2人もろともあしらった井上が8位完走、片山は10位完走となっています。

《決勝結果》
   1 J・ハーバート           (ベネトン・R)
   2 M・ハッキネン         (マクラーレン・M)
   3 H・H・フレンツェン(ザウバー・Fo)
   ※Foはフォードエンジン

ハーバートってぱっと見がシューマッハに似ているんですよね。どの辺がって、あの辺やこの辺がです(笑)あんなヤツと一緒にするなって、ハーバートに怒られちゃう?!
メルセデスエンジンを得て伸び盛りのハッキネンは当時最上段となる2位表彰台、フレンツェンはこれが初表彰台でした。

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地元で残念な結果に終わったフェラーリ。期待通りにいかないのは近年も変わらずですね。今シーズンは先日のベルギーGPでようやく優勝を挙げて、このイタリアGPも優勝が可能なマシンを持ち合わせています。今のフェラーリの問題はマシンやドライバーというより、脆弱で優柔不断な戦略面カナ。

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近年はハンガリーGPとベルギーGPの間に夏休みを設けるのが定例化してきました。ただしこの年までは少し異なっており、夏休み前はヴァレンシア市街地でのヨーロッパGPとベルギーGPで夏休みを挟んでいます。夏休みの宿題に追われるような時期を思い出させてくれる、2009年第12戦のベルギーGPです。
「裏技」を駆使し、また他の「裏技」は搭載せずにシーズン前半を席巻してきたブラウンGPのバトンは第7戦トルコGPを境にズルズルし出しました。代わって第8戦イギリスGPでベッテル、以前に振り返った第9戦ドイツGPはウェバーが勝利して、遅れ馳せながらレッドブルがブラウン狩りに転じています。こういう勢力変化は面白いですね。

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ベルギーはフリー走行から参戦2年目のフォース・インディアが2人共々イケイケです。36歳となった「オールドイタリアン」フィジケラがQ1でトップ通過、Q2で4番手通過と番狂わせの予感がします。
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何とアロンソ、ハミルトン、バトン、コバライネンらがQ2でアウト。あと残っている強豪?!フェラーリのライコネン、レッドブルの2人、BMWザウバーとトヨタあたりか。
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Q3の残り30秒でもトップに立つ。代走バドエルは使えず一匹狼ライコネンは3番手止まり。その後BMWザウバー2台がライコネン超えをみせるもフィジケラには届かず。
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同胞の予選屋トゥルーリもダメ。ということは?!
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やった!
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やったぁ!
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フォース・インディアとしては初、フィジケラとしては3年振り4回目のポールポジションを獲得しました。そして上位3人の顔触れがシブい。どこか似たニオイのする3人。残念ながら「金」は獲れなかったいぶし銀たち。

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《予選結果》
   1 G・フィジケラ       (フォース・インディア・M)
   2 J・トゥルーリ        (トヨタ・T)
   3 N・ハイドフェルド(BMWザウバー・B)
   ※Tはトヨタエンジン、BはBMWエンジン
      タイヤはブリヂストンのワンメイク

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ベネトン時代に1回、ルノー時代に2回のポールスタートの経験のあるフィジケラですが、日の浅いチームのポールスタートとなれば期待は大きくなります。スタートの価値と重要さを痛いほど知るベテランです。
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今回は14番手に沈んだランキングトップのバトン。序盤の勢いは何だったんだ?!当時は言えなかったけど、貯金しておいて本当によかったですね。
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バトンに相対して4番手スタートとなったバリチェロは大失敗。6番手のライコネンが瞬時にアウトへ転じて受け流す。
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2番手3番手のいぶし銀は狭いラ・ソースの奪い合いでタイヤスモークからの接触。関係ないねと4位を狙うべくまたアウト側「あさってのライン採り」をしています。
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これだけオーバーランしたら逆に潔い。全車でこんなにワイドに膨らむのもココくらいでしょうか。ふた昔前、かのマンセルは鋭角ラ・ソースで縁石のさらに外を大きく膨らむ「反則ライン」を編み出し、後輩たちはこぞって倣いました。距離は長くなるけど、速度低下は小さく済みます。後ろでガチャガチャやっている間にポールのフィジケラは逃げモード。
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ハイドフェルドに代わって2位に浮上したクビカに対して、ライコネンは早くも王道のケメルストレートで追い込みをかけます。
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レ・コームでライコネンが前を奪うと、その後がよくなかった。続く左のターン8でインをカットして失速、クビカの左フロントウィングを蹴り飛ばしています。ターン1といいライコネンらしくない乱暴さ。

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先頭集団も接触を繰り返す中、中団以降も荒れ模様でした。ルノーの若手グロージャンがまったりのバトンを押し出して、バトンが反転。
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その後ろでトロ・ロッソをドライブする2戦目の最年少アルグエルスアリはハミルトンを道連れにして、4台が一気にリタイヤすることとなりました。1周目から毎年何かが起こるスパ。
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早速セーフティカーの出番となり、頭一つ飛び出たフィジケラにとっては辛い状況となります。4周目にローリングスタート。
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オー・ルージュからピッタリ張り付くライコネン。前は予選で大注目されたフィジケラです。
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マシンカラーやチームは変われど、見覚えのあるバトルだ。フィジケラ4年前のデジャヴか?!
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ケメルの中腹で簡単にパス。フィジケラもここまでか。仕方ない、相手は何せKERS搭載の「スパ王」ですから。

ただ今日のフィジケラはそう簡単にくじけたりしない。2年目の中堅フォース・インディアを駆るベテランはトップチームのスパ王から離れません。14周目のピットイン1回目で合わせ込む。
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ピットアウトしてジワリジワリとギャップを削りにいきます。今日のフィジケラはいつものフィジケラとはちょっと違う。ライコネンに飛ぶピットからの指示を受け、フォース・インディアもスパ王狩りを諦めていません。
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23周目のケメルはギャップ0.8秒に迫る。今ならばDRSという裏ワザがあるのに、当時はまだありませんので、パワーがモノをいいます。フォース・インディアはKERS非搭載車。あるのは文字通りの「インドの力」と「フィジケラの経験」それだけ。

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30周目にライコネンが2回目かつ最期のピットに入りました。もちろんフィジケラは今回も合わせて離さない。どこかにチャンスがあると信じて「目の前の敵」だけをしっかり見つめる。
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トップ争いとは毎回タイミングをズラして上位を狙うレッドブルのベッテルに好転が訪れました。何と3位クビカの前に空間があります。ピットをミスしなければ、イケるぞ?!
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そこをしっかり押さえて「だらしの無い」ブラウンGPの居ぬ間のチャンスをしっかり取ってくる。こういう積み重ねが将来の大成に繋がる重要なファクターです。
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そうそう、ボクだってファステストラップも獲れるんだよ、と。

一方で予選惨敗、スタート失敗、1周目のもらい事故と散々たる内容となる「だらしの無い」方は?!
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ファイナルラップでバリチェロのマシンから白煙が見えています。1周が長く、上下にも左右にもクネクネなスパに耐えられるのか?!
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何とか7位入賞でフィニッシュ。よかったね、ウィニングランの無いスパで。山奥で燃えるのだけは避けられました。

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結局フィジケラは0.9秒遅れのままの2位。フォース・インディア初の表彰台を獲得しました。スパ王相手によくやりました。そしてこのレースを最後にフィジケラはフォース・インディアを後にし、負傷欠場のマッサ、不甲斐無い代走バドエルに代わって、たった今負かされたフェラーリに移籍して「F1最終章」を迎えることとなりました。

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《決勝結果》
   1 K・ライコネン(フェラーリ・F)
   2 G・フィジケラ(フォース・インディア・M)
   3 S・ベッテル    (レッドブル・R)

ライコネンのベルギーGPは2004年、05年のマクラーレン時代で2勝、そしてフェラーリ第1期の07年と09年で2勝、2019年現役ドライバーで最多となる計4勝を挙げています。歴代ではM・シューマッハの6勝、A・セナの5勝に続く数です。ハミルトンもベッテルも及ばない面白記録の一つ。ちなみにハミルトンとベッテルは現在3勝で続いているため、2人のうちのどちらでもスパ王に並びます。もちろんライコネンが勝てば、5勝目に到達します。可能性は極めて少ないけど、ゼロでもない。えっ、そんな数字なんて関係ないねって?!
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2009年シーズンのフェラーリは全17戦のうち、優勝はこのライコネンのベルギーGPたったの一つ。そしてライコネンのフェラーリ第1期の最終優勝でもありました。10年の時を経たフェラーリも今非常に勝ちに飢えています。そのベルギーGPは勝てる貴重な貴重なチャンスです。

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大混戦の2007年の末、アロンソの2008年シーズンは隣を歩く1981年生まれ同い歳のコバライネンのシートとトレードしています。コバライネンからしたら、マクラーレンというトップチームへの移籍できたことで第9戦イギリスGPで初ポールポジション獲得に成功しました。一方、トップチームとしてはやや劣る古巣ルノーに復帰したアロンソは
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おいおい、さっきまで隣を仲良さそうに歩いていた人に対してなかなか失礼なこと言いますなぁ。アロンソらしい。実は惜しいことしたと思っているんじゃないの?!(笑)夏休み前の最終戦、2008年の第11戦ハンガリーGPです。
これまでの戦績は2年目に早くもリベンジを図るハミルトンが10戦4勝6表彰台、マッサが3勝6表彰台で続く一方、チャンピオンのライコネンが2勝5表彰台と劣勢となっています。ちなみにアロンソ様は0勝0表彰台であり、3年目の若手クビカの1勝4表彰台にも負けていまーす。

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抜き辛く高地低速が特徴のハンガロリンクから、フェラーリもとうとうエンジンカバー上部にシャークフィンを搭載してきました。またホーンウィング発祥の地であるマクラーレンは、BMWザウバーやホンダでも採用されているノーズ上の小さなホーンウィング(名称わからず)を搭載。この時代までは空力に対する付加物が山のように使われていましたね。
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予選はトヨタのグロックが好調です。Q3の1本目で暫定ポールに躍り出ます。直後にハミルトンが上回りますが、2本目を前にピットからインフォメーションが入ります。
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「2本目は終了2分前に出発」
以前に振り返った前年2007年のハンガリーGPはある「チーム内抗争」がありました。張本人はもう同じチームにはいませんが、チームとしても苦い出来事。今回はミス無く遂行したいです。まず2分13秒前にコバライネンが出発。
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そしてハミルトン、事なく1分59秒前に送り出す。
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コバライネンが暫定ハミルトンとクビカの間、2番手につけて
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ハミルトンはさらにタイムを削り、予定通りワンツー体制を確立。マッサも健闘しましたがマクラーレンの壁は厚く3番手止まり。スーパーアグリのF1撤退により独りぼっちの日本人となったウィリアムズの中嶋一貴はQ1落ちの17番手。
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同郷のライコネンと歳も口調もよく似ている。フィンランド人らしい話し方。

《予選結果》
   1 L・ハミルトン    (マクラーレン・M)
   2 H・コバライネン(マクラーレン・M)
   3 F・マッサ           (フェラーリ・F)
   ※タイヤはブリヂストンのワンメイク

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予選後の記者会見でマッサが言い放った通り、マッサのスタートは強かった。出遅れたコバライネンを早々にかわしたマッサはハミルトンをも捕まえ、フルブレーキングでターン1へ。
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マッサ2人抜きでトップへ。前に出てからもファステストラップを重ねて逃げていく。今年はボクの番、さすが強いと豪語したマッサ。
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前回振り返った「1994年ドイツGP」ではJ・フェルスタッペンの大火災が話題となりました。このレースも給油にまつわるアクシデントが続きました。31周目に1回目のピットに入ったトロ・ロッソのブルデー
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森脇氏が最悪と言い放つ泡消火器にて消火され、泡あわ。
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翌32周目の中嶋のピットでもノズルを抜いた瞬間にメラメラっと。
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さらに負けじと同一周回のホンダのバリチェロもメラメラ。バリチェロはミラーでしかとその様子を確認。皆事無きを得て一安心です。可燃性のものを扱っているわけだから起きてもおかしくはないんだけど、この辺の安全対策が確立されないと、将来の再給油復活は難しいですね。

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レースも折り返した40周目のトップ3の位置関係です。抜くも抜かれるもない等間隔でレースが進行しています。
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言った矢先、2位走行ハミルトンの左フロントタイヤが白煙を出し始めて、コースアウト。
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サイドウォールのトレッド側に亀裂が入るパンクに見舞われます。ピットアウトして10位入賞圏外まで陥落、マッサにとってはこの上ない喜び。

マッサは44周目に2回目ピットを終え、残りもあと少し!しかし、残り3周、、
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突然白煙を上げる。
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マッサはこのレース確かに強かった。スタートダッシュでレースを完全掌握していました。しかしF2008に搭載されたTipo056が耐え切れず。

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ハミルトンが消え、マッサが消え、ライコネンはグロックを抜きあぐむ。となれば、スタートで順位を落としたあの方が地味に初優勝。

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トヨタも優勝したかのような盛り上がり。すごく喜んでますね!終盤はチャンピオンからの攻めも耐え抜きました。グロックにとって2位表彰台がF1最上位フィニッシュとなります。もう少し活躍する姿を見ていたかったなぁ。

《決勝結果》
   1 H・コバライネン(マクラーレン・M)
   2 T・グロック       (トヨタ・T)
   3 K・ライコネン   (フェラーリ・F)
   ※Tはトヨタエンジン

参戦2年目、28戦目で栄冠を手にしました。少数精鋭、物静かなフィンランド人が表彰台の中央で感情を露わにします。
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コバライネンの優勝はフィンランド人4人目です。3人目の先輩とシャンパンファイトの前にまず一杯!
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「誰かのワガママ」によって得たトップチームのシートが、コバライネンにとっていい方向に傾きました。これがコバライネンF1における唯一の優勝レース。初優勝って、見ているこちらも嬉しいですし、いい気分になれますね!
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こちらは、、見ている方も逆に辛い。勝って喜ぶ者もいれば、負けて泣く者もいる。これが、勝負の世界。

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ドイツGPを振り返る時、不思議と空撮を目にしてしまいます。それは一見F1が行われると思えない木々が密集しているからだと思います。こちらは今から25年も前になる1994年の第9戦ドイツGPの舞台、ホッケンハイムリンクの様子です。
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現在のようなショートカットレイアウトに見えますよね。この角度では見辛いですが、まだまだアリクイ型の旧レイアウト時代です。森の中に高速トラックが潜んでいます。
1994年は前年からの大幅レギュレーション変更からはじまり、シーズン序盤の大事故を受けて更なる変更を伴うこととなりました。数多くの変更の中でも特徴的なものとして、こちらがあります。
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1983年シーズンをもって廃止していたレース中の再給油が復活したことです。レースのエンターテイメント性を高めることを目的として、FIA副会長バーニー・エクレストンが導入に踏み切りました。再給油は燃費を考える心配を減らし、スタート時から車重の軽い状態を築いたり、ピットストップタイミングに自由度が増すなど「性能の似通ったライバルとの戦略の差別」を図ることが可能になります。

ウィング類の影響を極力減らし、何よりパワーがモノをいうホッケンハイムリンク。予選はフェラーリが持ち込んだ予選専用エンジンが功を奏し、アレジが暫定トップに立つと
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ベルガーがそれをさらに0.43秒上回ってフェラーリがフロントロウグリッドを獲得することに成功。セナ亡き後も成長を続ける地元M・シューマッハはヒルを挟んだ4番手、日本人唯一の参戦となるティレルの片山右京は何と当時の日本人最高位となる5番手を獲得しています。
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《予選結果》
   1 G・ベルガー (フェラーリ・F)
   2 J・アレジ     (フェラーリ・F)
   3 D・ヒル        (ウィリアムズ・R)
   ※タイヤはグッドイヤーのワンメイク

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ダミーグリッドに就く片山。日本のヤマハエンジンのパッケージで鈴木亜久里に続く日本人2人目の表彰台登壇の期待がかかります。
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5番手の片山はフライング気味の絶妙なダッシュでシューマッハ、ヒルをターン1までにさばき、一気に3番手まで浮上してきました。表彰台獲得まっしぐら!
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それと同時に後方グリッドでは右へ左へと散らかり、砂煙が立ち昇る様子が見受けられます。
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続いて8番手スタートのマクラーレンのハッキネンが6番手スタートのウィリアムズ代走昇格のクルサードのイン側に接触して、隊列を斜行。
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あららら、中団も大混乱。2箇所でのアクシデントにより、出走26台中10台が一瞬で姿を消すという大荒れ。
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本線にはまだクラッシュしたマシンが取り残されてトラック上にスタッフが立ち入って大混乱しています。第3戦サンマリノGPの大事故頻発の時もそうでしたが、赤旗中断ではなく黄旗によりレースが続行されています。あまり教訓が生かされていないような、、。様子を見にフェラーリピットからこの方が立ち上がる。
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昔はフェラーリでアドバイザーをされていたんですよね。赤いキャップと合わせてよく似合っています。
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中団の混乱のきっかけを作ったとされるハッキネンは危険走行と判断され、翌戦ハンガリーGPの出走停止が下りました。若き頃のハッキネンはマクラーレンのエースになった焦りからか、まだまだ「荒削り」な感じ。

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レースに目を向けると、2番手のアレジがマシントラブルで脱落し、水色のベネトン、シューマッハが片山を抜き返して2位に復帰しています。ヒルの攻撃は防ぎ切って、先頭から少し離れた白のマシンが3位を走行する片山です。
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ただ片山も6周目にスロットルがいうことを聞かなくなりスピン。予選好位置から見事なスタートダッシュをみせても、表彰台はおろか入賞も完走も出来ず。
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UK「あー悔しい悔しい悔しい!!」

アレジもいない、ヒルも最後尾に沈み、トップはベルガーとシューマッハの一騎打ちになります。
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右からでも左からでも、どっちからでもイケちゃう。元気元気!!ドイツGPで地元ドイツの天才若手が先頭を走るなんて、ファンからしても最高な瞬間でしょう。ボルテージが高まります。間隙を一気につく勢いある攻め、そして熱狂的なファンとの組み合わせをみていると、今日のM・フェルスタッペンとダブります。
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F・ブリアトーレはシューマッハと合わせてダブル表彰台を狙うべく4位走行のJ・フェルスタッペンを15周目にピットへ呼び寄せます。
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タイヤ交換と給油ね、よろしくー。
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給油ノズルから透明の液体が吹き出し、フェルスタッペンは左手で軽く払い除ける。その瞬間、リヤのエキゾースト付近を起点に
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一気に炎に包まれる。レース中の再給油で最も恐れていたことが9戦目にして起きてしまいました。
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当然ガソリンを浴びたピットクルーにも引火、早く消して!!あとフェルスタッペンがまだコクピットにいます。消火液をぶっかける。
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JV「ふぅー、さすがにシビれたぜ。へっへ」
フェルスタッペンは無事でした(無事でなければこれから4年後にマックスは生まれていないわけで)
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再給油に踏み切ったエクレストンは記者に囲まれています。miyabikun個人的にはレース中の再給油はアリだと思います。動きあるレースを生み出し、戦略の自由度が増しますし、例えミスがあってロスしてもドライバー同士だけでなく「チームクルー一丸となってライバルと戦う」という使命感や緊張感も張り詰めることになります。ただし安全の徹底や日々の鍛錬、二重管理は必要です。

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ベネトンもとうとう一台になってしまいました。そのシューマッハのエンジンも20周目に白煙と共に散る。
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MS「何でこうなっちゃうのかなぁ」
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FB「あーれまあ、やっちまったべ」
F1参戦4年目、2位1回、3位1回を経験するシューマッハは、ファンの期待届かず3回目のドイツGPでどうしても頂点に立つことを許されず。逆にフェラーリはプロストによる1990年第14戦スペインGP以来続いた未勝利を3年半59戦目でようやく断つこととなりました。
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《決勝結果》
   1 G・ベルガー    (フェラーリ・F)
   2 O・パニス       (リジェ・R)
   3 E・ベルナール (リジェ・R)

ベルガー以外の上位ドライバーに何かが起こる。まさに「ホッケンハイムの森に棲む魔物」に翻弄されたのでしょうか。今はレイアウトが短縮されましたのでその様相は薄れましたが、この旧レイアウト時代は人っ子いない「両サイドが森林」という中にウィングぺったんこ、超高速で飛び込んでいくのにホッケンハイムリンクらしさを感じました。表彰台の両サイドはリジェのパニスとベルナールが獲得し、26台出走、完走6台全車入賞、20台リタイヤのサバイバルバトルの幕が閉じました。

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2021年を目標に現FIA会長であるジャン・トッドがF1レース中の再給油復活を掲げています。安全対策、技術向上した現在、このフェルスタッペンのような大火災は起きにくいと考えてはいますが「絶対」はありません。より精査し、安全な形でF1シーンに戻ってきてくれれば、決勝レースもより活性化したものになると考えます。

最後に、先日7/18に京都で痛ましい放火事件が発生しました。この記事は事件前に大方書き終えていたのですが、内容的に適切かどうか悩みました。考えた結果、レース選定の趣旨が「ホッケンハイムの過去レースであること」「将来有望な若手の地元凱旋(M・フェルスタッペンをイメージ)」「フェラーリ悲願の久々優勝」「将来再導入を検討する『再給油』の危険性を認識する」であるため、追悼の意も込めてそのまま掲載することとしました。
放火事件の原因や方法など、まだ断定されたわけではありませんが「ガソリン引火による爆発、炎上」が疑われています。ガソリンは日常生活の身近に存在し、特に自動車を趣味とする我々にはより近い位置にあります。ガソリンはご存知の通り、着火点が低く、液体そのものに着火しなくても気化する蒸気が高温や電気に近付くと発火、爆発します。F1シーンに関わらず、我々も取り扱いには今後も引き続き気を付けるとともに、京都アニメーションの被害者にご冥福を、関係者に対して心よりお見舞い申し上げます。

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