オフシーズンの退屈な日々、いかがお過ごしですか?!年始早々に大きな地震被害や航空機事故、さらにはビッグスキャンダル(それだけは別問題か)があり、あまり浮かれた気分になれない状況ではありますが、仕事や新学期も始まりましたしF1の新シーズン開幕が刻一刻と迫っていますので、正月気分を抜け出さなければなりませんね(とmiyabikun自身に言って聞かせてみる)
まとめ系から一旦離れ、時間稼ぎの常套句になりつつある今年一発目の「過去のレース」は1982年の開幕戦として行われたキャラミでの南アフリカGPを選んでみました。今ではなかなかピンと来ない方もいるかもしれませんが、昔々はアフリカ大陸でも行われていたんです。今回ココを選んだ理由がいくつかあります。一つは「シーズンの開幕戦」ということで、未知数たっぷりのレースであること。二つ目は今では想像もつかない「1月開催」のレースであること。日本の1月は雪も落ちる冬本番ですが、南半球に位置する南アフリカにおいては真夏なので心配無し。そして三つ目として前回昨年のラスベガスGP前に行った「1981年最終戦アメリカGP」と繋がっています。つまり、ブラバムのピケが新チャンピオンとしてどのような初戦を迎えるか注目されるレースでもあります。最近はやや1980年代前半の振り返りが続いていますが、この82年のレースは6戦目、キャラミでの南アフリカGPは3戦目の取り扱いになります。
開幕戦ですので、これまでの戦績おさらいはありません。ドライバーの去就を確認しておくと、80年のチャンピオンであるジョーンズがウィリアムズで引退し、フィンランド人ドライバーのK・ロズベルグが後任を担います。また75年、77年にフェラーリでチャンピオンとなり、一度F1から身を引いていたラウダがマクラーレンから復帰。若手のピケにチャンピオンをもたらしたブラバムはノンターボのフォードコスワースからBMWのターボを換装して開幕戦を迎えています(ただし、信頼性不足もあり再びフォードに戻す一面も)
キャラミサーキットは1967年に南アフリカのヨハネスブルグ郊外に開設されたクローズドサーキットで、この時代ではかなりの高標高の1,500mにあります。さらにサーキット自体も起伏に富み、ブラインドも多く平均速度も高いこともあり、過去には痛ましい死亡事故が続きました。
当時のレイアウトは図の青いラインを右回り(時計回り)で走行する高速線形。しかし先述の事故の対策として1988年より赤ラインを左回り(反時計回り)する装いガラリと変わる大改修を経て現在に至ります。
開幕戦は何かが起きる。予選に入る前にもう一つ話題が(まだ引っ張るかー)このレース直前にF1をドライブするために必要なスーパーライセンスの発給手続きに対し、不満を持った大多数のドライバーがストライキを敢行。
GPDA会長を務めるフェラーリのピローニが尽力し、どうにか予選を開催できる状況にこぎつけるといった騒動が起きています。
渋々マシンに向かう面々。
以前クイズで出題したことのある当時のFISA(国際自動車スポーツ連盟)会長、後のFIA(国際自動車連盟)会長にもなり、F1界を牛耳られたバレストル様がこちらに向かってきます。ジッと見つめていちゃダメみたい(笑)怖っ、風貌がまるでマ◯ィアだな。
で、予選はというと高標高かつ高速レイアウトとなれば過給できるターボマシン勢が有利。ということでポールポジションはターボエンジンの先駆けルノーのアルヌー。2番手はBMWターボを積んだブラバムのピケ。3番手がフェラーリターボのヴィルヌーブ。4番手はブラバムのパトレーゼ、5番手がルノーのプロスト、6番手はフェラーリのピローニが続き、見事なまでのターボ祭りとなりました(ターボが必ずしもいいというわけではなく、重量増や排熱対策、悪燃費などのウィークポイントもあります)
これで予選は終わり!(予選短っ)
《予選結果》
P.P.R・アルヌー
(ルノー ミシュラン)
1分06秒351
2 N・ピケ
(ブラバム・BMW グッドイヤー)
1分06秒625(+0.274秒)
3 G・ヴィルヌーブ
(フェラーリ グッドイヤー)
1分07秒106(+0.755秒)
※今回から予選タイムとトップとのタイム差を追記
決勝のスタート。
ポールのアルヌーの蹴り出しは鋭く、逆に初ターボのピケが鈍る。アウト側からルノーのプロストが3番手ヴィルヌーブをかわして一気に2位浮上。
ルノーがワンツー、フェラーリがスリーフォーに整列してレースが始まります。
この起伏。そして緩やかな線形。危険度も高いですが、なかなかスパイシーで個性的なキャラミサーキットです。
逃げるルノー。逃げルノー。逃げるのぅ(笑)
一方で2番スタートからズルズル10位まで順位を落とすことなったピケは、坂を下った先にある右の中速ターン1のブレーキングミスからグラベルへ。
観客に助けられ、ちょっぴりほろ苦いチャンピオンとしての初戦となりました。
3位を走るフェラーリのヴィルヌーブもターボのトラブルでリタイヤ。ターボは過給してパワーは増大しますが、やはり自然吸気には無いトラブルにも見舞われがち。
ルノーは15周目にプロストが前に出てトップ入れ替わり。
しかしプロストは左リヤタイヤをバーストさせ、予定外のピットを余儀なくされます。
青の16番アルヌーは労せずトップ返り咲き。
ただそれも束の間。タイヤ交換を行い、一度順位を下げた赤の15番プロストが怒涛の追い上げ。ファステストラップ連発で遅れを取り戻しにかかる。
ウィリアムズのロイテマンにかわされて4位に後退したピローニが終盤にリタイヤとなり、フェラーリは店終い。速さはあるが詰めの甘さは現代へ通ずるものがあります。
プロスト同様に終盤にタイヤを傷めてペースダウンしたアルヌーをプロストがパス。中盤にタイヤバーストの不運がありつつも、スタートダッシュから終始速さが光ったプロストがキャリア3年目で4勝目。幸先いいシーズンスタートを切ることができました。
《決勝結果》
1 A・プロスト
(ルノー ミシュラン)
2 C・ロイテマン
(ウィリアムズ・フォードコスワース グッドイヤー)
3 R・アルヌー
(ルノー ミシュラン)
《ファステストラップとそのタイミング》
プロスト(ルノー)
1分08秒278 49周目/77周
今回からこの「過去のレース振り返る」でも決勝観戦記と同様に「ファステストラップタイムとそのタイミング」をわかる範囲で記載することとしました。近年のレースとは異なる志向で計上されていることがわかるかと思います。
アルヌーは終盤にノンターボのロイテマンにもやられ結局3位。まあでもシーズン始まったばかりでフロントロウスタートからのワンスリーフィニッシュならば上出来といえるでしょうか。
フランス人のフランスチームによるフランスのためのチーム、ルノー。2人並んで
嬉しいY!
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まとめ系から一旦離れ、時間稼ぎの常套句になりつつある今年一発目の「過去のレース」は1982年の開幕戦として行われたキャラミでの南アフリカGPを選んでみました。今ではなかなかピンと来ない方もいるかもしれませんが、昔々はアフリカ大陸でも行われていたんです。今回ココを選んだ理由がいくつかあります。一つは「シーズンの開幕戦」ということで、未知数たっぷりのレースであること。二つ目は今では想像もつかない「1月開催」のレースであること。日本の1月は雪も落ちる冬本番ですが、南半球に位置する南アフリカにおいては真夏なので心配無し。そして三つ目として前回昨年のラスベガスGP前に行った「1981年最終戦アメリカGP」と繋がっています。つまり、ブラバムのピケが新チャンピオンとしてどのような初戦を迎えるか注目されるレースでもあります。最近はやや1980年代前半の振り返りが続いていますが、この82年のレースは6戦目、キャラミでの南アフリカGPは3戦目の取り扱いになります。
開幕戦ですので、これまでの戦績おさらいはありません。ドライバーの去就を確認しておくと、80年のチャンピオンであるジョーンズがウィリアムズで引退し、フィンランド人ドライバーのK・ロズベルグが後任を担います。また75年、77年にフェラーリでチャンピオンとなり、一度F1から身を引いていたラウダがマクラーレンから復帰。若手のピケにチャンピオンをもたらしたブラバムはノンターボのフォードコスワースからBMWのターボを換装して開幕戦を迎えています(ただし、信頼性不足もあり再びフォードに戻す一面も)
キャラミサーキットは1967年に南アフリカのヨハネスブルグ郊外に開設されたクローズドサーキットで、この時代ではかなりの高標高の1,500mにあります。さらにサーキット自体も起伏に富み、ブラインドも多く平均速度も高いこともあり、過去には痛ましい死亡事故が続きました。
当時のレイアウトは図の青いラインを右回り(時計回り)で走行する高速線形。しかし先述の事故の対策として1988年より赤ラインを左回り(反時計回り)する装いガラリと変わる大改修を経て現在に至ります。
開幕戦は何かが起きる。予選に入る前にもう一つ話題が(まだ引っ張るかー)このレース直前にF1をドライブするために必要なスーパーライセンスの発給手続きに対し、不満を持った大多数のドライバーがストライキを敢行。
GPDA会長を務めるフェラーリのピローニが尽力し、どうにか予選を開催できる状況にこぎつけるといった騒動が起きています。
渋々マシンに向かう面々。
以前クイズで出題したことのある当時のFISA(国際自動車スポーツ連盟)会長、後のFIA(国際自動車連盟)会長にもなり、F1界を牛耳られたバレストル様がこちらに向かってきます。ジッと見つめていちゃダメみたい(笑)怖っ、風貌がまるでマ◯ィアだな。
で、予選はというと高標高かつ高速レイアウトとなれば過給できるターボマシン勢が有利。ということでポールポジションはターボエンジンの先駆けルノーのアルヌー。2番手はBMWターボを積んだブラバムのピケ。3番手がフェラーリターボのヴィルヌーブ。4番手はブラバムのパトレーゼ、5番手がルノーのプロスト、6番手はフェラーリのピローニが続き、見事なまでのターボ祭りとなりました(ターボが必ずしもいいというわけではなく、重量増や排熱対策、悪燃費などのウィークポイントもあります)
これで予選は終わり!(予選短っ)
《予選結果》
P.P.R・アルヌー
(ルノー ミシュラン)
1分06秒351
2 N・ピケ
(ブラバム・BMW グッドイヤー)
1分06秒625(+0.274秒)
3 G・ヴィルヌーブ
(フェラーリ グッドイヤー)
1分07秒106(+0.755秒)
※今回から予選タイムとトップとのタイム差を追記
決勝のスタート。
ポールのアルヌーの蹴り出しは鋭く、逆に初ターボのピケが鈍る。アウト側からルノーのプロストが3番手ヴィルヌーブをかわして一気に2位浮上。
ルノーがワンツー、フェラーリがスリーフォーに整列してレースが始まります。
この起伏。そして緩やかな線形。危険度も高いですが、なかなかスパイシーで個性的なキャラミサーキットです。
逃げるルノー。逃げルノー。逃げるのぅ(笑)
一方で2番スタートからズルズル10位まで順位を落とすことなったピケは、坂を下った先にある右の中速ターン1のブレーキングミスからグラベルへ。
観客に助けられ、ちょっぴりほろ苦いチャンピオンとしての初戦となりました。
3位を走るフェラーリのヴィルヌーブもターボのトラブルでリタイヤ。ターボは過給してパワーは増大しますが、やはり自然吸気には無いトラブルにも見舞われがち。
ルノーは15周目にプロストが前に出てトップ入れ替わり。
しかしプロストは左リヤタイヤをバーストさせ、予定外のピットを余儀なくされます。
青の16番アルヌーは労せずトップ返り咲き。
ただそれも束の間。タイヤ交換を行い、一度順位を下げた赤の15番プロストが怒涛の追い上げ。ファステストラップ連発で遅れを取り戻しにかかる。
ウィリアムズのロイテマンにかわされて4位に後退したピローニが終盤にリタイヤとなり、フェラーリは店終い。速さはあるが詰めの甘さは現代へ通ずるものがあります。
プロスト同様に終盤にタイヤを傷めてペースダウンしたアルヌーをプロストがパス。中盤にタイヤバーストの不運がありつつも、スタートダッシュから終始速さが光ったプロストがキャリア3年目で4勝目。幸先いいシーズンスタートを切ることができました。
《決勝結果》
1 A・プロスト
(ルノー ミシュラン)
2 C・ロイテマン
(ウィリアムズ・フォードコスワース グッドイヤー)
3 R・アルヌー
(ルノー ミシュラン)
《ファステストラップとそのタイミング》
プロスト(ルノー)
1分08秒278 49周目/77周
今回からこの「過去のレース振り返る」でも決勝観戦記と同様に「ファステストラップタイムとそのタイミング」をわかる範囲で記載することとしました。近年のレースとは異なる志向で計上されていることがわかるかと思います。
アルヌーは終盤にノンターボのロイテマンにもやられ結局3位。まあでもシーズン始まったばかりでフロントロウスタートからのワンスリーフィニッシュならば上出来といえるでしょうか。
フランス人のフランスチームによるフランスのためのチーム、ルノー。2人並んで
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