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新チャンピオンが誕生し、さらにはマシンの大型レギュレーション変更を伴ったF1の開幕です。時代がガラリと変わるのか、はたまた勢力図は変わらずか。この開幕戦の予選でその答えが少し紐解かれます。
カタロニア合同テスト直後にハースのマゼピンの離脱が発表され、後任として一昨年までドライブをしていたマグヌッセンの復帰を発表したのも衝撃的でしたが、開幕戦直前にアストンマーティンのベッテルもCOVID-19陽性のため、リザーブのヒュルケンベルグも二年振りに急遽シートにおさまっています。ヒュルケンベルグにはだいぶ助けられていますね。でも、レギュラーシートは無し。

《Q1》
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アルファタウリが先頭でセッション開始。エースのガスリーが角田くんを上回ってライバルの出方を待ちます。
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昨シーズンはポールポジションも経験し、次なる目標は初優勝となるマクラーレンのノリスはガスリーに届かず。合同テストでは一人走り込みを行ったものの、昨年までの速さはみられず。
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ココで真打登場!カーナンバー1を提げたフェルスタッペンがガスリーのタイムを1.1秒上回り格の違いを見せつけています。
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ベテランで先日のバーレーン合同テストには間に合ったとはいえ、F1で一年のブランクのあるハースのマグヌッセンがなんと二番時計。1990年代末期は下位で争った父の息子二人は2020年代に上位でバトルをしていますね。時代は変わった。
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ある意味フェルスタッペンよりも期待が寄せられているフェラーリのルクレールがそのフェルスタッペンに待ったをかける1分31秒471。チームメイトのサインツとともにワンツーを獲る。
一方で8回チャンピオンを僅差で逃したメルセデスのキングは
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ルクレールから0.8秒、昨年までのチームメイトであるアルファロメオのボッタスの捕獲もならず暫定5番手。らしくない。
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Q1の結果です。開口一番にタイムアタックに臨んだアルファタウリの角田くんは惜しくも敗退。ほか、代走を任されたアストンマーティンのヒュルケンベルグとその相方、マクラーレンのリカルド、ウィリアムズのラティフィも敗退しています。アストンマーティンはレギュラードライバーよりもリザーブの方が速いという。。昨シーズンは下位でくすぶったアルファロメオとハースは2台とも突破しています。

《Q2》
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Q2に入ってもハースの勢いは止まらず。ルクレールがQ1で出したトップタイムをマグヌッセンが1本目で上回っています。この速さはマジっぽい。
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その直後にチャンピオンがハース二台もろとも上回る。で、キングは?!
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やっぱり5番手。今シーズンからQ2タイヤを決勝スタート用にセーブする必要もないから、0.7秒の差はデカい。速さがサイドポンツーンの体積分足りない?!
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相方ラティフィは最下位で終えるも、復帰戦でQ1突破したウィリアムズのアルボンはここまでか。コーナー進入時や出口で細かな修正も見られ、やや乗り辛そう。。
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Q2はアルピーヌのオコン、ハースのシューマッハ、先程のアルボンとデビュー戦となったアルファロメオの周、そしてマクラーレンのノリスが敗退。まさかマクラーレンがここで姿を消すとは。
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マグヌッセンのガレージが何だかザワザワしています。久々にベテランがマシンをぶん回したからガタがみられたか?!ハースは久々のQ3進出ですよ、頼む!直してくれ!

《Q3》
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焦るチャンピオンチーム。ラッセル、ハミルトンの順でトラックイン。ラッセル一本目はひとまず前を走りキングの引き立て役か。
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一応トップタイムではあるけど1分32秒158。正直平凡。メルセデス、マシンがまだキマっていないな。
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そんな苦労は露知らず。フェラーリはルクレール、サインツがトップタイムを塗り替える。フェルスタッペンもフェラーリには僅差で及ばずで流れはフェラーリが完全に握っています。
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ラッセルのラストアタック!ん?これ当たっている?IMG_3872
久々のF1で見方を忘れてしまったんですが、ラッセルのセクター1は紫表記で「セクター最速タイム」なんですよね、それでサインツのセクタータイム29秒036の+0秒966差なの?miyabikunの見方が間違い?!それとも表現ミス?!
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ルクレールがサインツに代わってトップへ。フェルスタッペンはそのルクレールにやや足らずで2番止まりとなりました。
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《予選結果》
 1 ルクレール   (フェラーリ・F)   1分30秒558
 2 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)1分30秒681
 3 サインツ    (フェラーリ・F)   1分30秒687

フェラーリがメルセデスを凌駕し、レッドブル崩しにも成功しましたね。前評判通りの出来栄え。本当かウソか明らかになるメルセデスはハミルトンが5番手、移籍初戦のラッセルはアルファロメオやハース、アルピーヌを挟んだ9番手に沈んでいます。ラッセルの9番手は仕方ないにせよ、キングの没落はハッタリでも茶番でもなく、本当だったということ。

《先日の予選予想との答え合わせ》
今シーズン一発目の答え合わせいってみましょう!
3番手サインツ、5番手ハミルトン、8番手アロンソ、11番手オコンということで上位寄り4人正解。未知数の開幕戦としてはこれでも充分か。
ポールポジションから間違えてしまいましたね。薄らフェラーリが来る予感はしたんです(今更か)あわよくばフェラーリのワンツーもプランBくらいにあったのですが「カーナンバー1」に引っ張られてしまった所存です。
いやー予想以上にハースとアルファロメオが好調で、予想以上にメルセデスはマシンがキマっていませんでした。正直フェラーリ2台とフェルスタッペンに入り込む余地すら残されていなかったのが衝撃であり、シメシメ感で満たされました。マクラーレンにもブレーキに関する不安要素がありましたがリカルドはともかく、ノリスもらしくありませんでした。今シーズンのマクラーレンはトップグループ危うしか?!

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《Q3トップのルクレールと各チームの差》 
 レッドブル(フェルスタッペン)は0.1秒落ち
 フェラーリ(サインツ)も0.1秒落ち
 メルセデス(ハミルトン)が0.5秒落ち※
 ハース(マグヌッセン)は0.9秒落ち※
 アルファロメオ(ボッタス)が1.0秒落ち
 アルピーヌ(アロンソ)は1.1秒落ち※
 アルファタウリ(ガスリー)も1.1秒落ち※
 マクラーレン(ノリス)が1.5秒落ち※
 ウィリアムズ(アルボン)は2.1秒落ち※
 アストンマーティン(ヒュルケンベルグ)が2.2秒落ち※
 ※は最速タイム(Q2,Q1)から算出

※印はQ3に進出できなかった、またはQ3以外が最速タイムであったという意味で記していますが、Q3が最速なったのはフェラーリ2台とレッドブル 2台、アルファロメオのボッタスくらいで、他はQ2が最速タイムを記録した者が多くみられまた。気温を覚えていないのですが、時間が深くなるにつれて、タイヤに最適な作動温度に入れ込むのに苦戦したのでしょうか。それでもルクレールをはじめ、フェルスタッペンもサインツもボッタスもタイムを向上させましたから、上手く合わせ込める者もいたわけです。昨シーズンと比べると、トップチームの最速ラップと最下位チームの最速ラップの差は2.2秒となっており、その差は小さく出ました。これからマシンが成熟してどうなっていくか。ひとまずこのマシンレギュレーションで力関係が一度シャッフルされた形となっています。

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》 
 マグヌッセン(ハース・F)

この予選、いい活躍をしたドライバーは沢山いましたので、選定は困難を極めました。アルファロメオはボッタスがアルファロメオのマシンで昨シーズンに近い位置と確保。初予選となったチームメイトの周もQ1を突破してみせています。そして昨シーズンのコンストラクターズランキング3位まで浮上したフェラーリは2台揃ってトップに名を連ね、先日行われた合同テストそのままに快調な滑り出しをしています。
迷った挙句今回選定したのは、急遽ハースで復帰を果たしたマグヌッセンです。元々速さのあるドライバーではあったのですが、当時はチームを転々とし、グロージャンとともに所属した前ハースは競争力も信頼性も徐々に後退してしまうという状態。挙句の果てにチームは当然ながら「チーム存続のための苦渋の決断」を迫られ、昨年2021年のシートを喪失してしまっていました。今回は合同テスト後半からの参加でスケジュール的にも慌ただしい中、Q1から好位置を獲得。Q2ではマシントラブルが見つかりヒヤヒヤさせられましたが、Q3もメルセデスに挟まれた中団を保持しています。本当はチームも昨年のシートを用意してあげたかったでしょうね。チームメイトのシューマッハも下位からは脱出を果たすなど、ハース勢をはじめとしたフェラーリパワーユニット系は予想を覆す予選となりました。

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《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》 
 リカルド  (マクラーレン・M)

昨年までここの常連だった方お一人は移籍後無事に存在感と貫禄を見せつけることに成功しました。しかし、もう一人がココを抜け出すことができそうにありません。マクラーレンのリカルドです。諸事情あって、先日の合同テストを棒に振り、バーレーンでの初走行は金曜フリー走行からというネガティヴな状況ではありました。ノリスの成績からも、今シーズンのチーム自体好発進とは言い難い位置となったわけですが、にしても、ノリスとの差がだいぶ大きいです。順位やタイムはもちろん、わかりやすいグラフィックからもそれが露呈されています。リカルドお得意のレートブレーキングがみられず、さらに調整をかけながらのコーナリング中のブレーキ操作も手探り、ボトムスピードの遅さ。全てにおいてノリスに負けています。どうしたリカルド。今回のマシンは皆同じ条件からのスタートだし、ノリスの方がチームで長いは通用しないぞ?!レッドブルを離れて以来「らしさ」が徐々に薄らいでいるように感じます。これ今の限界なのか?!いい加減に心配です。

《決勝の表彰台予想!》
 1 フェルスタッペン(レッドブル・RBH)
 2 ルクレール   (フェラーリ・F)
 3 サインツ    (フェラーリ・F)

miyabikun個人的な願いとしては、初ポールポジションこそ届かなかったものの、サインツの初優勝が現実的となりました。ただ現実に戻ると「レースでの勝負強さ」という要素は外せないところ。度々絡むことの多かったルクレールとフェルスタッペンでドンパチやって、結果フェルスタッペンの強引さが勝りフェルスタッペンが優勝と読みます。ドンパチの結果共倒れともなればサインツにもチャンスはありそうですが、そうなれば堅実にキングが表彰台を手にするでしょう。百も千も承知だと思いますが「一度の優勝より、年間通しての安定さ」が重要です。チャンピオンを獲る者、速さだけではなく賢さも持ち合わせていなければなりません。

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