昨シーズンはギュウギュウに詰まったスケジュールかつ「スプリント予選」なる新たなイベントが追加されたこともあり、毎度GP前の恒例にしている「過去のレース」シリーズをコンスタントに展開できませんでした。過去マニのmiyabikunにはややリズムを狂わされるシーズンでした。先日もスプリント予選に阻まれて、変なタイミングでイギリスGPを差し込みましたが、2022年「最初のレース」もそのスプリント予選によって日の目を見なかったGPから始めたいと思います。1998年第14戦にモンツァで行われたイタリアGPです。98年の振り返りもなかなかな多く、早7戦目。イタリアGPも同数となる7戦目となります。まだまだ在庫はあるから大丈夫!
98年シーズンは今シーズンに予定されているように、大幅なマシンレギュレーション変更がありました。日々向上を続ける速度を抑えるべく、マシンの全幅を2,000mmから1,800mmに狭められました。またグリップ力を低下させるためにスリックタイヤに溝を入れた「グルーブドタイヤ」が導入されています。
ダウンフォースとグリップが削がれた中、開幕戦からマクラーレンが台頭。このイタリアGPを迎えるまでにハッキネンが9回のポールポジションで6勝、クルサードは3回のポールポジションで1勝と他を圧倒する速さを誇っています。一方でフェラーリのM・シューマッハは出足はやや遅れポールポジションこそ無いもののシーズン中盤に三連勝を含めた5勝で追従、チームの地元モンツァを迎えました。チャンピオン争いは速さを武器とするハッキネンが77ポイント、M・シューマッハは本番の粘り強さと戦略で70ポイントとまだまだ予断を許さぬ状況が続いています。
予選は以前に振り返ったことのある前戦「雨のベルギーGP」でクルサードと一悶着あって遺恨を残したM・シューマッハが会心の1ラップを披露。マクラーレン2台を後方に追いやるシーズン初ポールを獲得します。2番手は早々にディフェンディングチャンピオンの野望が絶たれたウィリアムズのヴィルヌーブが獲り、肝心のハッキネンは3番手となりました。
またこのシーズンは2人の日本人ドライバーが参戦していました。ティレルからデビューした高木虎之介はチームメイトのロセットにも及ばずの19番手。イタリアが地元のミナルディで2年目を迎える中野信治はチームメイトのトゥエロを上回る21番手と最後尾スタートは免れています。
チームの地元でシーズン初ポールとは、粋な演出です。
《予選結果》
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・GY)
2 J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・MR・GY)
3 M・ハッキネン (マクラーレン・M・BS)
※GYはグッドイヤー、BSはブリヂストン
MRはメカクローム(ルノーカスタム)
スピード勝負のモンツァの決勝は逃げるが勝ち。ところがポールのM・シューマッハは蹴り出しが鈍い。
3番スタートのハッキネンがその隙を見逃しませんでした。チャンピオンが並ぶフロントロウの壁を中央突破。
ハッキネンに気を取られてイン側に寄ったM・シューマッハを4番スタートのクルサードがアウトから狙って、マクラーレンが早くもワンツー体制を築くことに成功しています。M・シューマッハはチームメイトのアーバインにも先攻を許し4位にまで後退。
「ウチの主人は速いわヨ」婦人もご満悦。
ところが素晴らしいスタートダッシュを決めたハッキネンのペースはイマイチ上がらず、8周目にクルサードを前に出す形となります。3周目にアーバインから3位を譲り受けたM・シューマッハとのギャップが徐々に縮まります。
17周目のクルサードと3位M・シューマッハとの差は9.3秒。
ただ2位のハッキネンとは0.5秒差にまで詰め寄られています。グランデ先に白煙?!まさかハッキネンか?!
トップを快走していたクルサードでした。メルセデスエンジンはパワーはあれど信頼性がイマイチ。
クルサードから飛び散るオイルをモロにかぶったハッキネンはロッジアを理想的なラインで走れません。
ロッジアの先でM・シューマッハに並ばれて
第1レズモでやられる。マクラーレンはチームで共倒れとなり、M・シューマッハは労せず元の順位にリカバー。
これを見るために今日サーキット入りしたんだよー!スタンドも大賑わいです。
1回キリのピットを終えても順位は変わらず終盤戦に向かいます。ポイントの上で優位なハッキネンも手は緩めず、少しずつM・シューマッハとのギャップを縮めていく。
しかしまたもロッジアでハッキネンがブレーキトラブルからバランスを崩し
グラベルの餌食に。
どうにかトラックに復帰しますが、傷むハッキネンのマシンではもはやシューマッハを追うことができません。背後にはもう一台の紅い影が忍び寄る。
53周レースの49周目にアーバインに抜かれ、ハッキネンは3位に交代。これだけでは済まない。
51周目にはジョーダンのR・シューマッハに3位も奪われ、ハッキネンは散々なイタリアGPとなりました。
《決勝結果》
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・GY)
2 E・アーバイン (フェラーリ・F・GY)
3 R・シューマッハ(ジョーダン・MH・GY)
※MHは無限ホンダ
高速リンクのモンツァにおいて、当時パワーが自慢のマクラーレンを駆り通算3回のポールポジションを獲得しているハッキネンですが、実は優勝が一度もありません。順番は前後しますが、以前に振り返った翌年99年も同じくロッジアでのシフトミスにより「森の中で男泣き」することとなりました。モンツァはハッキネンにとってあまり縁起のいいサーキットではありませんでした。
一方でシューマッハはスタートのモタつきをマクラーレンの「自滅」によって取り返し、最終盤にアーバインと弟による「シューマッハ一派」の助けも得て、このイタリアで勝ち星もポイント差もゼロにしてみせました。残るはニュルブルクリンクでのルクセンブルクGPと最終戦日本GPの2戦。この2人は度々最終戦まで楽しませてくれましたね。
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98年シーズンは今シーズンに予定されているように、大幅なマシンレギュレーション変更がありました。日々向上を続ける速度を抑えるべく、マシンの全幅を2,000mmから1,800mmに狭められました。またグリップ力を低下させるためにスリックタイヤに溝を入れた「グルーブドタイヤ」が導入されています。
ダウンフォースとグリップが削がれた中、開幕戦からマクラーレンが台頭。このイタリアGPを迎えるまでにハッキネンが9回のポールポジションで6勝、クルサードは3回のポールポジションで1勝と他を圧倒する速さを誇っています。一方でフェラーリのM・シューマッハは出足はやや遅れポールポジションこそ無いもののシーズン中盤に三連勝を含めた5勝で追従、チームの地元モンツァを迎えました。チャンピオン争いは速さを武器とするハッキネンが77ポイント、M・シューマッハは本番の粘り強さと戦略で70ポイントとまだまだ予断を許さぬ状況が続いています。
予選は以前に振り返ったことのある前戦「雨のベルギーGP」でクルサードと一悶着あって遺恨を残したM・シューマッハが会心の1ラップを披露。マクラーレン2台を後方に追いやるシーズン初ポールを獲得します。2番手は早々にディフェンディングチャンピオンの野望が絶たれたウィリアムズのヴィルヌーブが獲り、肝心のハッキネンは3番手となりました。
またこのシーズンは2人の日本人ドライバーが参戦していました。ティレルからデビューした高木虎之介はチームメイトのロセットにも及ばずの19番手。イタリアが地元のミナルディで2年目を迎える中野信治はチームメイトのトゥエロを上回る21番手と最後尾スタートは免れています。
チームの地元でシーズン初ポールとは、粋な演出です。
《予選結果》
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・GY)
2 J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・MR・GY)
3 M・ハッキネン (マクラーレン・M・BS)
※GYはグッドイヤー、BSはブリヂストン
MRはメカクローム(ルノーカスタム)
スピード勝負のモンツァの決勝は逃げるが勝ち。ところがポールのM・シューマッハは蹴り出しが鈍い。
3番スタートのハッキネンがその隙を見逃しませんでした。チャンピオンが並ぶフロントロウの壁を中央突破。
ハッキネンに気を取られてイン側に寄ったM・シューマッハを4番スタートのクルサードがアウトから狙って、マクラーレンが早くもワンツー体制を築くことに成功しています。M・シューマッハはチームメイトのアーバインにも先攻を許し4位にまで後退。
「ウチの主人は速いわヨ」婦人もご満悦。
ところが素晴らしいスタートダッシュを決めたハッキネンのペースはイマイチ上がらず、8周目にクルサードを前に出す形となります。3周目にアーバインから3位を譲り受けたM・シューマッハとのギャップが徐々に縮まります。
17周目のクルサードと3位M・シューマッハとの差は9.3秒。
ただ2位のハッキネンとは0.5秒差にまで詰め寄られています。グランデ先に白煙?!まさかハッキネンか?!
トップを快走していたクルサードでした。メルセデスエンジンはパワーはあれど信頼性がイマイチ。
クルサードから飛び散るオイルをモロにかぶったハッキネンはロッジアを理想的なラインで走れません。
ロッジアの先でM・シューマッハに並ばれて
第1レズモでやられる。マクラーレンはチームで共倒れとなり、M・シューマッハは労せず元の順位にリカバー。
これを見るために今日サーキット入りしたんだよー!スタンドも大賑わいです。
1回キリのピットを終えても順位は変わらず終盤戦に向かいます。ポイントの上で優位なハッキネンも手は緩めず、少しずつM・シューマッハとのギャップを縮めていく。
しかしまたもロッジアでハッキネンがブレーキトラブルからバランスを崩し
グラベルの餌食に。
どうにかトラックに復帰しますが、傷むハッキネンのマシンではもはやシューマッハを追うことができません。背後にはもう一台の紅い影が忍び寄る。
53周レースの49周目にアーバインに抜かれ、ハッキネンは3位に交代。これだけでは済まない。
51周目にはジョーダンのR・シューマッハに3位も奪われ、ハッキネンは散々なイタリアGPとなりました。
《決勝結果》
1 M・シューマッハ(フェラーリ・F・GY)
2 E・アーバイン (フェラーリ・F・GY)
3 R・シューマッハ(ジョーダン・MH・GY)
※MHは無限ホンダ
高速リンクのモンツァにおいて、当時パワーが自慢のマクラーレンを駆り通算3回のポールポジションを獲得しているハッキネンですが、実は優勝が一度もありません。順番は前後しますが、以前に振り返った翌年99年も同じくロッジアでのシフトミスにより「森の中で男泣き」することとなりました。モンツァはハッキネンにとってあまり縁起のいいサーキットではありませんでした。
一方でシューマッハはスタートのモタつきをマクラーレンの「自滅」によって取り返し、最終盤にアーバインと弟による「シューマッハ一派」の助けも得て、このイタリアで勝ち星もポイント差もゼロにしてみせました。残るはニュルブルクリンクでのルクセンブルクGPと最終戦日本GPの2戦。この2人は度々最終戦まで楽しませてくれましたね。
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コメント
コメント一覧 (2)
このイタリアGPのスタートで実況の三宅正治アナの「シューマッハかヴィルヌーブか!?ハッキネンだ!!!」これが痺れますね!
ハッキネンは一番大好きなドライバーでした
こんばんは。
いつ見ても吹き出しそうになるお名前(笑)
お久し振りです。コメントありがとうございます。
三宅アナの実況良かったですよね。
この時代の三宅アナでハッキネンファンの方ならば
1999年の日本GPも印象的ではないでしょうか。
「ハッキネンが出た!ハッキネンが出た!
シューマッハ2番手、止められない!」
あのロケットスタートも抜群でしたよね。
シューマッハ、ハッキネンをおそらく止める気が
無かったと、あのスタートを見た瞬間よぎりました。
90年代のF1、いいなぁ。