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決勝も路面が濡れている、またか。おまけに旗のたなびき方からして風も強そう。ツルツルのヌルヌルに加えて手を焼く決勝レースになりそうです。今回の予選で精彩を欠いたマクラーレンのリカルドもパワーユニット交換を行い、サインツよりも後ろとなる最後尾スタートとなりました。

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全車インターミディエイトを装着したスタートはポールに繰り上がったボッタス、2番手フェルスタッペンともまずまず。もう一台の白ホンダ、偶数側6番スタートのペレスがインラインに振り戻してターン1はスリーワイドに。
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真ん中にいた5番スタートのガスリーがアウト側のアロンソに触れて、ターン1から弾き出される。ココは昔も今もスタート直後に誰か必ずスピンしますね。イン側ペレスや中央のガスリーに非があるわけではないけど、ガスリーが押し出したとしてペナルティを食らってしまいます。
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18位まで陥落した被害者アロンソは「親からの恨み」でも晴らしたか、いい予選を終えたシューマッハに追突。
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被害者から加害者へ、アロンソにもガスリー同様に5秒のピットストップペナルティが下ります。

11番スタートとなったポールシッターのハミルトンはアロンソの後退とベッテルをかわして9位に浮上。続くターゲットはアルファタウリの角田くんです。
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チャンピオンが2周目からいつでもイケると攻め立てつつも、角田くん頑張っています。
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要所を押さえてそう易々と前には行かせぬ。グループの先輩のためにも、自身の修行と思ってしっかりブロック。
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8周目まで堪えて、ハミルトンに先行されましたが、フェルスタッペンとのギャップを広げる大活躍でした。
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ハミルトンよりももっと後ろからのスタートとなったフェラーリのサインツも、ターン12で中団勢をスパスパかわし、10位走行のベッテルを射程圏内に捉えています。
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やや強引ではありますが、これで入賞圏内に。
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次なるターゲットは角田くん。
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18周目にパスして9位浮上。先日のフェルスタッペンもそうでしたが、パワーユニット交換ペナルティで後方スタートになっても、抜いてこれるヤツは序盤である程度の順位まではリカバリーできちゃうんですよね。それも隊列が伸びないレース序盤にやっつけてしまうのがミソ。

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22周目にマクラーレンのリカルドが最も早くインターからインターへ履き替えるピットを行っていきます。

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ハミルトンはガスリーを案外さっくりかわすと、34周目にいよいよレッドブルのペレスに触手を伸ばし始めます。ハミルトンは「ありがとう」の意味をよくわかっていないだろうけど、日本人である我々がアレを前車に見させられると、抜こうにも抜き辛くなりそう(笑)FullSizeRender
頼むよペレス、ターン12手前のストレートでやられちまうのかい?!IMG_2355
ターン12はインラインで並び、次のターン13はアウト側に転じるよ、大丈夫??IMG_2356
おー粘る!いいねーペレス!あっ。。IMG_2357
最終ターン14手前で行き場を無くしたペレスはピット分流のボラードを跨いでトラック復帰。ペナルティ対象かと一瞬ヒヤリとしましたが、ハミルトンとボラードの間にスペースが無く、やむを得ないものとしてお咎め無しでした。アレで咎められたら「前例」として皆に真似されても困っちゃいますもんね。

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フェルスタッペンがトップ争いで最も早い37周目にインターに履き替え、IMG_2360
ペレスとハミルトンの前で復帰しています。これぞチームプレー。角田くんとペレスくんの活躍の賜物ですね。その次の周にトップのボッタス、一仕事終えたペレスもインターに履き替えています。

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暫定なのかそのまま逃げ切るつもりかトップにたったフェラーリのルクレールのタイヤはトレッドが無くなって、見た目がもはやスリック状態。昨年のトルコGPはハミルトンがインターをだいぶ保たせて優勝しましたが、インターって万能というか、不思議なタイヤですよね。
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やっぱり若くピチピチなインターには敵わない。47周目のターン1でボッタスが簡単にオーバーテイク。ルクレールは観念して残り10周でタイヤ交換することとなりました。
ただまだタイヤ交換を行っていないドライバーが2人。9位走行中のアルピーヌのオコンと3位まで挽回したハミルトンです。
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本人は昨年の経験もあってか、ステイアウトして3位表彰台を確実に獲る意思を頑なに発していたものの、タイヤ交換を終えたルクレールの方が完全にペースがいい。FullSizeRender
タイヤドッカンされたら、これまでの追い上げもチャンピオン争いを考えても水の泡ですからね。渋々ピットへ。
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さっきは守る側に徹したペレスはもう守るものは無い、攻めあるのみ。FullSizeRender
ルクレールをかわして3位浮上。この時のペレスはルクレールに対して「3位表彰台をありがとう」かな。
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渋々イライラのハミルトンは先程追われたルクレールに対して3.2秒も速いラップで追い立てる形となりますが、所詮はインターミディエイトということで乾き路面ではすぐにタイヤを使い果たす形となり、結果5位止まり。

で、結局レースは誰が勝ったんでしたっけ?!IMG_2379
《決勝結果》
 1 ボッタス    (メルセデス・M)
 2 フェルスタッペン(レッドブル・H)
 3 ペレス     (レッドブル・H)

《ファステストラップ》
 ボッタス(メルセデス・M)1分30秒432
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 サインツ(フェラーリ・F)

最後にファステストラップまで記録して元気だったボッタス。タラレバですが「ハミルトンと異なる競争力あるチーム」であれば、もう少し飛躍できたドライバーだったんじゃないかと感じることもあります。ハミルトンと同じチームのマシンだったから、優勝を経験できたとも言えますが(まだ過去形で言うのは早いですね)

《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 ペレス(レッドブル・H)

こちらは本家で選ばれたサインツとペレスで迷いました。サインツはマクラーレンのリカルドと共に後方スタートを強いられながら、ハミルトンばりのパッシングをターン12を使って連発。一時期はファステストラップまで刻んで結果的に8位入賞を果たしています。一方でリカルドは最も早いタイヤ交換に出るというギャンブルに出るも、逆に裏目となりコンストラクターズを争うフェラーリ勢とは対照的な結果となってしまいました。
ただ、トップの方のコンストラクターズ争いをみた場合、ペレスの「居座り」は非常に有効的に働きましたので、こちらの方がレース結果には大きく作用しました。ペレスの走りは今シーズンで一番役に立てていたと思います。スタートダッシュを決め、スリーワイドでイン側からの切り込みに成功したところもよかったし、迫り来るハミルトンをブロックして、あわやペナルティかと思えるヒヤリとしたシーンもありましたが「バトル中の危険回避」ということで事なきを得ました(たぶん「押し出した側に何故ペナルティが出ないんだ」意見もありそうですが)ペレスが今回のような鉄壁の守備についてくれれば、ハミルトンからの奪還がより近付きます。もっと早い段階からやっていてくれたら、、はナシにして、残る終盤戦もチーム一丸となってチャンピオンを目指してほしいですね。
その点はペレスだけでなく兄弟チームのアルファタウリの角田くんも大貢献しました。自身は残念な結果に終わったものの、ハミルトンを数周にわたって押さえ込んだ走りも、今シーズンで一番輝いた瞬間にみえました。この走りは自信となって染み付いたはず。また一歩前進ですよ!案外さっくりといかれてしまったガスリーはともかく、ホンダ勢が総出でハミルトンを食い止め、フェルスタッペンのポジションを守る構図はハミルトンファンには申し訳ないけど印象的なレースシーンを演出しました。

《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 該当なし

今回の決勝も何が悪いか、誰がよくなかったかと聞かれたら、一番は何よりも「イスタンブールパークサーキット」だったのかもしれません。昨年に比べて多少は改善されたものの、運悪くウェット路面となり、特異な環境が拭えないまま終わってしまいました。それが今回のようなレース展開を生んだと考えたら、結果的にはよかったのかな。晴れた路面のレースも観てみたかったですね。IMG_2363
ちょっと目を疑ったのはベッテルの一人ミディアムタイヤでの大ギャンブルです。もちろんハマれば大飛躍のチャンスだったものの、入賞圏内ギリギリから結果はご存知の通りズルズル。方やオコンのようにインターミディエイトでの「ノンピットストップ」のギャンブルは何とか乗り切れてしまうということからも、イスタンブールパークの路面への適応の難しさ、すり減ってツルツルになったインターと溝無しツルツルのドライタイヤの「ツルツルは別物」ということを知らしめられました。不思議な路面、そして不思議なタイヤです。

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《第16戦トルコGPのポイント》
・寡黙に勝つボッタスらしさ
・グループ総出で「ハミルトン包囲網」発動
・オコンはなし得たが、ノンストップは基本無理
・近年トルコのF1はツルツルのヌルヌルが拭えず

2年連続開催となったトルコGPも未だに「本領発揮」となりませんでした。レイアウト的には面白い。サーキットの位置的にもヨーロッパとアジアと中東の中間あたりと好都合ではあるのですが、あのクセのある路面が何とも言い難いですね。シーズンで20箇所以上あるGPの中であれば、こういう特異な環境があってもいいのかな。来シーズンはまた組み込まれるのか定かではありませんが、いつ開催でもいいけど「晴れの日」にやろう(笑)

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