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雨です。雨のハンガリーGPは過去にも番狂わせが起きました。単に退屈な決勝レースとはいかなそうですね。先日の予選のタイヤチョイスも虚しく、全車インターミディエイトタイヤを装着していますが、路面の一部は乾き出しており、ドライタイヤ導入のタイミングがカギになりそう。フォーメーションラップ終了後に早くも14番手スタートのアルファロメオのジョビナッツィがいの一番にドライタイヤに履き替えて賭けに出ています。一攫千金はあるのか?!
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水しぶきを上げながらのスタート。 2番グリッドのボッタスが遅れ、6番手スタートのノリスがウォールとの隙間からジャンプアップを決めています。
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ターン1の進入でボッタスがノリスに追突。
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突っ込まれたノリスはライン上を走るフェルスタッペンに突っ込み、ガスリーやペレスにまで波及。
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あーあ、上位勢が次々とランオフエリアでグチャグチャだ。混乱は上位だけに止まりませんでした。前方の混乱を避けようとしたか、アストンマーティンのストロールはイン側縁石の内側に回避しつつ。
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正規ラインで入るフェラーリのルクレールに接触、
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さらにはマクラーレンのリカルドが反転。
ポールスタートのハミルトンはというと
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後ろでごちゃごちゃっとやっていることなどつゆ知らず
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「あれっ、誰もついて来ないじゃん」てな具合でしょうか。久々にひどい多重クラッシュでしたね。
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ルクレールは頭を抱える。そりゃそうだよね。ルクレールは何も悪くないし、真っ当なラインを走ったまで。
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せっかく好スタートを決めたノリスもこの表情。赤旗中断の後、リタイヤとなっています。落胆するペレスの後ろ姿と共に赤旗中断直前の順位変動はこちら。
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無傷だったのはポールスタートのハミルトンのみ。2位は8番手スタートのオコン、3位が10番手スタートだったベッテルとあの混乱を上手くくぐり抜けた者が上位に浮上するという番狂わせが起きています。スタンディングスタートによりレース再開となりますが、何だか1周目のターン1だけで相当お腹いっぱいって感じ。

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2位オコンを先頭に、グリッドには向かわず次々とピットレーンへ。乾き始めた路面に対してこのタイミングでドライタイヤに履き替えています。結果的に先程のジョビナッツィはただ最後尾に下がっただけという苦い戦略に終わりました。2位以下全てがピットに向かったということは、グリッド上はというと、、miyabikun23時半近い夜中に一人で大笑いしてしまいました(笑)
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ハミルトン一人、シグナル5つ独り占め(笑)何なんだこの再スタート、こんなの今まで観たことないぞ。あたかもドライバー全員でハミルトンのことを吊し上げているように見えてしまう。
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はい、お一人様スタートどうぞ!(笑)ピットレーンで何故か2位に立ったラッセルを先頭にドライタイヤ勢が合流。
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屈辱的。ポールスタートから一人シレッと逃げようとしたハミルトンにバチでも当たったか、賭けに出たジョビナッツィの後ろ14位まで一気に後退。何故ハミルトンはこの路面下でステイアウトしたんだろう、、謎。

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そんなことはさておき、先頭争いはハミルトンでもフェルスタッペンでもなく、オコンとベッテルですよ!それも付かず離れずのギャップ1秒前後で進行しています。他のサーキットであればベッテルがズバッと討伐してしまいそうですが、ココは抜けそうで抜けないハンガロリンク、オコンが何とか耐え凌いでいます。もしかしたら、もしかするかもしれない?!

マシンは無傷。最後尾だろうが入賞圏外だろうが、いつものハミルトンなら腹立つくらいスパンスパン抜いて上位に浮上してきそうですが、今回はいつも以上に苦戦している模様。トラック上で抜けないならアンダーカットしかないと20周目に「2回目」のピットへ。
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翌周ハミルトンが抜こうとしていた前方を走る2台、リカルドとフェルスタッペンがカバーに入るも
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ハミルトンがバージボードを半分失った渦中のフェルスタッペンに直接触れること無くリカルドもろとも2台まとめてパス。

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なかなか抜きあぐむベッテルもこの方法しかないか、37周目に一回キリと思われるタイヤ交換。ただ静止時間3.3秒はかかり過ぎ。
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アンダーカットなんか食らってせっかくの大チャンスを逃すわけにはいかない!当然オコンもカバー。こちらは2.3秒。
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勝った!まだ初優勝の権利は死守。この至近戦は続く。

48周目までに5位までリカバリーしたハミルトンは3回目のタイヤ交換を終え、最終スティントも猛ダッシュで終盤に4位のアロンソを捕まえます。

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ラップダウンのライコネンを含めて2006年〜08年のチャンピオンがひと並び。現在は2021年、3人とも今だに現役で戦い続けているのは立派ですが、この並びも珍しいというか、今後はもう見られないかも。
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早くかわして一つでも上の順位に進みたいハミルトンもアロンソの巧みなブロックラインに手を焼いていましたね。さすがアロンソ。昔はハミルトンともバチバチやり合った仲だし、何よりこのレースは若き相方の初優勝がかかっています。少しでも時間稼ぎがしたい。このバトルは観ていて非常に力が入りました。
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粘りに粘った65周目、ターン1でその結界が破れる。FullSizeRender
ハミルトン4位浮上。その2周後にはアロンソの後輩サインツもさばいて、ポールスタートのハミルトンは一度14位に落ちつつ、3位フィニッシュ(ベッテルのペナルティにより最終的には2位扱い)しました。

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再スタート後からずっとベッテルを従えて、念願の初優勝へ。ハンガリーGPで久々の「初」が生まれています。

《決勝結果》
   1 オコン  (アルピーヌ・R)
失格 ベッテル (アストンマーティン・M)※
   2 ハミルトン(メルセデス・M)
   3 サインツ (フェラーリ・F)
   ※ベッテルはレース後のガソリン残量違反で
   失格裁定。異議申し立てしたものの、

   8/13に失格が正式に確定。

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オコンはオリンピックウィークを意識か、一人今更のボルトポーズ。おーい初優勝なんだぞ。チャンピオン2人、付き合ってやってくれよ(笑)
チェッカーフラッグが振られた後、上位三台のうち、パルクフェルメにマシンを持って帰れたのはハミルトンのみで、オコンとベッテルはトラック上にマシンを止めてしまいました。両者ともその決まりを知らなかったわけではないのでしょうが、ベッテルについてはギリギリまでガソリンを使った上でのマシンストップでした。観戦記のアップをギリギリまで引っ張ってみましたが、未だ「暫定扱い」は外れていません。

《ファステストラップ》
 ガスリー(アルファタウリ・H)1分18秒394
《ドライバー・オブ・ザ・デイ》
 アロンソ(アルピーヌ・R)

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《miyabikunの選ぶドライバー・オブ・ザ・デイ》
 アロンソ(アルピーヌ・R)

長らくベッテルを従えて耐え抜き優勝したオコンの頑張りはもちろんのこと、ベテランの相方、アロンソによる「堰き止め」はオコンのトップ走行を安心させると共に、さすがチャンピオン経験者と思い出させてくれる好走でした。マシンは明らかにメルセデスが上、若く柔らかいコンパウンドのタイヤを履くハミルトンに対して、要所をしっかり押さえたブロックラインは実にクリーンであり、ハンガロリンクの戦い方をよく知る者だからこそできる技でした。アロンソは味方にいても手強いし、敵に回すと怖いですね。
そのハミルトンも「ぼっちの再スタート」による最後尾(14位)からずっと速いラップを続けて、抜き辛いハンガロリンクで結果的には2位(暫定)までリカバリーしてしまうんですから、すごいですね。ハンガロリンク以外のサーキットであったらベッテルやオコンの位置まで確実に手を伸ばしたことでしょう。ハミルトンはハンガリー得意、速い。

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《miyabikunの選ぶ「ザ・ワースト」》
 該当無し

1周目のターン1二箇所で発生した接触により、レースが台無しになったのは悔やまれますが、当然ながら意図ではないですし、その発生原因を咎めることはしません。2台とも傷を負ったレッドブルについては辛いレースでしたが、ハンガリーGPもワーストは無しとしました。あの混乱が今回のようなレース展開を生み、結果的にオコンの初優勝がみられたと前向きに考えましょう!

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《第11戦ハンガリーGPのポイント》
・1周目の混乱をくぐり抜けた者が吉
・受け継がれるハンガリーGPの「初」神話
・念願のウィリアムズは地味にダブル入賞
・オコン、F1初優勝おめでとう!

今シーズンも世界的なコロナ禍でありながら、当初の予定から少し調整を加え、観客も入れつつ前半の11戦を終えました。チャンピオン争いは再びハミルトン&メルセデスがトップに立ちましたが、後半戦は高速のベルギーGP、そしてようやくリニューアル開催となるオランダGPと続きます。まだまだチャンピオンの行方はわかりません。F1はしばしのサマーブレイク。東京オリンピック終了後には日本GPの開催可否やその形態も明らかになることと思います。ドライバーや関係者はしっかりとしたリフレッシュと後半戦の戦いに備えてもらい、我々ファンは引き続きソーシャルディスタンスで暑い夏を乗り切りましょう!

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